バカとE組の暗殺教室   作:レール

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終業の時間・一学期

期末テスト当日。いつもより早く学校へと登校してきた僕は、途中で一緒になった渚君や中村さんとテストを受ける教室まで移動していた。中間テストと同じくまた普段通りに家を出てしまったのでそれなりに早い時間帯である。まぁ遅刻するよりはいいだろう。

 

「どーよ、渚?ちゃんと仕上がってる?」

 

「うーん……まぁヤマが当たれば」

 

いつもと変わらない様子の中村さんの問い掛けに、渚君は少し自信のなさそうな様子で答えていた。とはいえ椚ヶ丘中学校は進学校でテスト内容も難しいから別段おかしな反応でもない。

そんな渚君に活を入れるように中村さんは笑顔で彼のお尻を叩く。

 

「男ならシャンとしな‼︎ 英語ならあんたも上位狙えんだから。吉井、あんたはどんな感じ?」

 

続いて中村さんは僕にも同じ問い掛けをしてきた。普通のテストであれば代わり映えのしない会話だけど、今回の期末テストは触手の破壊と賭けの勝敗が懸かっている。もしかしたら彼女なりに僕らの成績を気に掛けているのかもしれない。

僕はテスト勉強の仕上がりを伝えて安心させるべくサムズアップで彼女の問い掛けに答えた。

 

「僕は問題ないよ。上手くいけば平均越えは狙えそうだから」

 

「ホレ見てみ。吉井は平均越えでこの自信だよ?渚もそこは見習わないと」

 

「あ、あはは……うん、そうだね」

 

どうやら僕は自分の心配だけしてればいいらしい。触手と賭けは皆に任せてテストの自己記録更新でも目指そう。

 

「楽しみだなぁ〜」

 

と、僕らが廊下を歩いていると嘲るような声が聞こえてくる。そちらへ視線を向けると、そこには小太りニキビと細身眼鏡の男子生徒がいた。……どうしてだろう。この二人のことはよく知らないけど、物凄いモブキャラの小物臭がする。

 

「A組と無謀な賭けをしたんだって?」

 

「お前らが負けたらどんな命令されんだろ〜な〜」

 

いったい本校舎の生徒達がE組(僕ら)に何の用かと思ったら、A組とE組の賭けは関係ない生徒にとっては良い娯楽だな。テスト前なんだから教室に閉じこもって勉強でもしてればいいのに。

などと思っていたら中村さんが無言で二人へと近づいていき、いつの間にか指の間に挟んでいた鉛筆を小太りニキビの生徒の鼻の穴に突っ込んだ。そして何の感情を表すこともなく彼女は鉛筆の挟まれた拳を振り上げる。

 

「ホゲェーッ‼︎」

 

鉛筆が折れるほどの力で遠慮なしに拳を振り上げられ、小太りニキビの生徒は奇声を上げながら鼻から血を吹き出した。

凄いなぁ。何が凄いって、流血沙汰の暴力を振るったにも関わらず誰も騒いでないんだよね。彼女の所作が自然過ぎて誰も反応できなかったのだろう。もしくは二人がモブ過ぎて誰も興味を示していなかったか。

 

「さて、あたしらのテスト会場って此処だよね。もう誰か来てる……」

 

何事もなかったかのように歩みを進めた中村さんだったが、その彼女が教室を覗いたところで動きを止めた。不思議に思いながら僕と渚君も中村さんの後ろから教室を覗くと、教室の窓側には細い目元に膨れた頰、ニキビ鼻に何処かで見たことのある髪型をした……誰?

 

()()だ。流石に理事長から人工知能の参加は許されなくてな。ネット授業で律が教えた替え玉を使うことでなんとか決着した」

 

僕らが教室前で固まっていると後ろから烏間先生の説明が聞こえてきた。なるほど、何処かで見たことある髪型だと思ったら律と同じ髪型なのか。まあ確かに、律だったらまず間違いなくほぼ満点を取れるだろう。記憶じゃなくてデータとして知識を蓄えてるんだから、カンニングしながらテストを受けるようなものだ。テストで学力を測れるわけもない。

しかしそれはともかく、律役の説明してくれた烏間先生は何やらお疲れの様子である。珍しい、何かあったのだろうか?

 

「交渉の時の理事長に“大変だな、コイツも”……という哀れみの目を向けられた俺の気持ちが君達に分かるか」

 

そう言って何とも言えない表情で自分を指差す烏間先生を見て、僕らは考えるよりも先に深く頭を下げていた。もう本当に頭が上がりません。

自分の中で気持ちを切り替えたらしい烏間先生は、佇まいを正すといつもの真っ直ぐな視線を僕らへ向ける。

 

「……律と合わせて俺からも伝えておこう。頑張れよ」

 

「はいっ‼︎」

 

烏間先生の応援に渚君が元気よく返事を返した。中村さんも口には出さないけど自身有り気の表情を浮かべている。まぁ僕だって出来る限りの勉強はしてきたんだ。先生達の応援に応えるためにもテスト(本番)も頑張ろうかな。

 

 

 

 

 

 

二日を掛けて全てのテストが終わり、あとは採点を待って答案が返ってくるのを待つのみ。うちの学校では答案と一緒に学年内順位も明かされるので、自分の成績だけじゃなくA組との勝負の行方も一目瞭然である。

 

「さて皆さん、全教科の採点が届きました」

 

そして三日後には答案が帰ってきた。

殺せんせーは手に持った封筒の束から一つを開けて中身を取り出す。

 

「では発表します。まずは英語から……」

 

殺せんせーの言葉に全員が緊張した面持ちで耳を傾けている。僕らにとっては成績の良し悪しだけじゃなく、結果次第で今後の命運を左右するかもしれないんだ。皆の緊張も無理はない。

そんな空気の中で先生からテストの結果が告げられる。

 

「E組の一位……そして学年でも一位‼︎ 中村莉桜‼︎ 完璧です。君のやる気はムラっ気があるので心配でしたが」

 

「ふふーん。なんせ賞金百億が掛かってっからね。触手一本、忘れないでよ殺せんせー?」

 

幸先の良い結果にE組からは歓声が上がり、名前を呼ばれた中村さんもドヤ顔で答案用紙を受け取っていた。まずは触手一本ゲット、それにA組から一勝だ。

しかし盛り上がる僕らを他所に殺せんせーは嬉しそうながらも冷静に現状を見ている。

 

「とはいえ一教科トップを取ったところで潰せる触手はたった一本。それにA組との五教科対決もありますから、喜ぶことが出来るかは全教科返した後ですよ」

 

そう言われれば確かに、五教科のうち一教科で勝ったとしても残る四教科で負けていたら意味がない。皆の表情も自然と引き締まっていった。

そうして教室が静かになったところで先生は二つ目の封筒を開けて中身を取り出す。

 

「続いて国語、E組一位は……坂本雄二‼︎ ……が、しかし学年一位は浅野学秀・霧島翔子の二人が同率一位‼︎」

 

「⁉︎」

 

国語の学年一位を逃したことで教室には悔しそうな雰囲気が流れるものの、僕は先生の口から告げられたあり得ない結果に思わず背後を振り返っていた。

 

「ゆ、雄二‼︎ どうしてそんな順位になってるの⁉︎」

 

まだ僕は返してもらってないから分からないけど、E組一位ってことは椚ヶ丘中学校でも上位の成績ってことだ。昔は神童とか呼ばれていたらしいとはいえ、今は紛れもない馬鹿のはずなのに‼︎ 馬鹿のはずなのに‼︎

 

「勉強から離れていた三年間のブランクを殺せんせーにかなり戻されたからな。あとは科目トップを狙って授業速度(ペース)の速くない教科を集中的に勉強しただけだ。とはいえ負けちまったら意味はねぇ」

 

「そんなことはありません。坂本君も大躍進です。今はそれで十分ですよ」

 

席を立ちながらそう答える雄二に、殺せんせーも答案用紙を返しながら言葉を掛ける。雄二は過程よりも結果を重視していて不服そうだが、まぁ先生の言う通り次のテストで頑張るしかないだろう。

 

「やっぱ点取るなぁ、浅野と霧島は。英語だって中村と僅差の二位・三位だし」

 

「流石は全国一位とそれに肩を並べる秀才。中間よりも遥かに難易度は高かったのに、全教科で変わらず隙がない」

 

でも国語と英語の成績を見て僕らは浅野君と霧島さんの実力を改めて再認識した。“七賢人”なんて並べて呼んではいるけど、結局は二人を倒せなきゃ学年トップは取れないんだ。

 

「……では続けて返します。社会、E組一位は磯貝悠馬‼︎ そして学年では……」

 

ここまで一勝一敗、この社会を取れるかどうかで戦況は大きく変わる。果たして結果は……

 

「おめでとう‼︎ 浅野君や霧島さんを抑えての学年一位‼︎ マニアックな問題が多かった社会でよくぞこれだけ取りました‼︎」

 

殺せんせーの称賛に磯貝君は珍しく興奮した様子でガッツポーズを決めていた。これで二勝一敗、E組が勝利に王手を掛けた状態である。皆も緊張じゃなくて興奮で落ち着きがなくなってきた。

 

「次は理科、E組一位は奥田愛美‼︎ そして……」

 

いよいよ決着がつくかもしれない四教科目だ。奥田さんも両手を胸の前で組み、固唾を呑んで先生の発表を待っている。ここで決められるか……?

 

「素晴らしい‼︎ 学年一位も奥田愛美‼︎ 三勝一敗‼︎ 数学の結果を待たずしてE組がA組に勝ち越しを決めました‼︎」

 

殺せんせーがE組の勝利を告げてクラッカーを鳴らすと、今度こそ教室中から盛大に勝ち鬨が上がる。

本校舎の人達はまさかA組がE組に負けるとは夢にも思ってなかっただろう。僕らの盛り上がり以上に意気消沈してるに違いない。特にA組は負けたことで不利益も出るわけだしね。

 

「……てことは賭けの賞品の()()も頂きだな」

 

「楽しみ〜」

 

A組から勝ち取った賭けの賞品、これが何よりも大きな成果だ。これを取れるか取れないかで色々と予定が変わってくる。まずは予定通りに事を進められそうで安心したよ。

残る数学は竹林君がE組一位だったけど、学年一位は浅野君で勝負は三勝二敗という結果である。それに加えて総合一位も浅野君だった。欲を言えば触手獲得のためにもう少し勝っておきたかったけど、まぁ()()()()()()()を手に入れられたんだから良しとしよう。

こうして期末テストは中間テストの雪辱を果たす形でE組勝利に終わったのだった。

 

 

 

 

 

 

「さて皆さん。素晴らしい成績でした。五教科プラス総合点の中で皆さんが取れたトップは三つです。早速暗殺の方を始めましょうか。トップの三人はどうぞ触手三本をご自由に」

 

全てのテストが返された後、そう言って殺せんせーは顔色を緑の縞々に変化させながら三本の触手を差し出してきた。つまり三本くらいなら触手を破壊されても余裕ってことだ。まぁこの前の暗殺でも触手三本破壊された後で対先生手榴弾を普通に回避してたからなぁ。このまま暗殺したんじゃ確実に殺せないだろう。

しかしだからこそ僕らはこのまま暗殺しないという選択肢を取ることが出来るんだ。折角の殺せんせーが弱体化してくれるチャンス、少しでも暗殺成功の確率は上げておきたい。そういうわけで皆で相談して決めたことを磯貝君が……

 

「おい待てよ、タコ。五教科トップは三人じゃねーぞ」

 

と、そこで何故か寺坂君グループの四人が教壇へと歩み出てきた。なんだ?皆で相談した時には彼らが何かするなんて話は聞いてないけど……

殺せんせーも寺坂君の言っている意味が分からないのか困惑している様子である。

 

「……?三人ですよ寺坂君。国・英・社・理・数、全て合わせて……」

 

「はぁ?アホ抜かせ。五教科っつったら国・英・社・理……あと()だろ」

 

殺せんせーの言葉を遮って寺坂君達は満点解答の家庭科を差し出していた。これには流石の先生も今までに見たことがないくらい動揺している。

 

「ちょ、待って‼︎ 家庭科のテストなんてついででしょ‼︎ こんなのだけ何本気で百点取ってるんですか君達は‼︎」

 

「だーれも()()五教科とは言ってねぇよな?」

 

うん、確かに殺せんせーは一言も主要教科とは言ってなかったけど……明らかに先生の揚げ足を取った屁理屈だね。ただまぁそれで家庭科の満点を取ってきた辺りは普通に凄いと思うけど。

 

「おいおい寺坂、何寝惚けたこと言ってんだ」

 

「おぉ、坂本君‼︎ そうですそうです、言ってやってください‼︎」

 

殺せんせーの動揺した様子にドヤ顔を浮かべていた寺坂君だったが、そんな彼に対して文句を言いながら雄二も教壇へと歩み出てきた。

思わぬ救いの手に先生は期待の眼差しを雄二へ向けているが、動揺しているからか口端を釣り上げている雄二の悪どい笑みには気付いていない。

 

「五教科っつったら英・社・理・家・保体の五つに決まってんだろ。なぁムッツリーニ?」

 

「…………(コクコク)」

 

雄二に話を振られたムッツリーニはその場で立ち上がると、保健体育の答案用紙を先生に見えやすく突き出した。点数は見間違えようのない満点である。

 

「ひぃぃぃぃ‼︎ つ、土屋君まで⁉︎ 皆さんもっと主要教科に力を入れてくださいよ‼︎」

 

「いや、ムッツリーニの保体はいつも満点だ。特に保体に力を入れたわけじゃない」

 

「マジですか⁉︎」

 

殺せんせーの確認にムッツリーニはコクリと頷いてみせる。ムッツリーニが保健体育を得意としてるのは知ってたけど、まさかいつも満点だとは知らなかった。

そこに今回のテストでは目立たずパッとしなかったカルマ君からの援護射撃が入る。

 

「……ついでとか蔑ろにするの、家庭科さんと保健体育さんに失礼じゃね?五教科の中でも最強を争う家庭科さんと保健体育さんにさ」

 

カルマ君の言葉を皮切りに教室中から援護射撃が乱れ飛ぶ。こうなってしまっては殺せんせーに抗う(すべ)はない。五教科トップ八人、合計で八本の触手を獲得だ。多数決の理不尽(力を合わせる)って素晴らしいね‼︎

 

「それと殺せんせー。これは皆で相談したんですけど、この暗殺に今回の賭けの戦利品も使わせてもらいます」

 

と、ここで事前に皆で相談して決めていたことを磯貝君が殺せんせーに話した。それを聞いた先生もいつも通り拒否することなく了承してくれる。

これで計画していた暗殺の準備は万端だ。あとは実行までに細部を詰めて暗殺練度を上げるのみ。今年の夏休みは色々な意味で楽しみである。

 

 

 

 

 

 

期末テストの後、一学期の終業式もつつがなく終わって残るはHRのみとなった。

 

「一人一冊です」

 

そう言って殺せんせーが渡してきたのは身長の半分ほどの大きさがある“夏休みのしおり”である。

 

「出たよ……恒例の過剰しおり」

 

「アコーディオンみてぇだな……」

 

「これでも足りないくらいです‼︎ 夏の誘惑は枚挙に(いとま)がありませんから」

 

恐らく“夏休みのしおり”を読み込んでいる間に夏休みが終わることだろう。確かに夏の誘惑に惑わされることはなさそうだ。夏を満喫することも出来なさそうだけど。

クラス全員に“夏休みのしおり”を配り終えたところで殺せんせーが話し始める。

 

「さて、これより夏休みに入るわけですが……皆さんにはメインイベントがありますねぇ」

 

「あぁ、賭けで奪った()()のことね」

 

先生の問い掛けに中村さんが椚ヶ丘学園のパンフレットを取り出して見せた。

本来は成績優秀クラス……A組に与えられるはずだった特典を賭けに勝って手に入れたのだ。とはいえ今回の期末テストはトップ五十をほとんどA組とE組で独占してるんだから、僕らにだってこの特典をもらう資格はあるだろう。その特典とは……

 

「夏休み‼︎ 椚ヶ丘中学校、特別夏期講習‼︎ 沖縄離島リゾート二泊三日‼︎」

 

そう、A組から勝ち取った特典は夏期講習という名の国内旅行であった。そして僕らにとっては期末テスト前から計画していた、修学旅行ぶりに行われる暗殺旅行でもある。

 

「君達の希望だと、触手を破壊する権利は教室では使わずこの離島の合宿中に行使するということでしたね」

 

皆で相談したのは殺せんせーがA組に対する命令としてこの特典を提案した後だが、実は期末テストの報酬に触手を破壊する権利を提示された時からそれだけでは殺せないと考えた人は何人もいたそうだ。

浅野君や霧島さんがいることを考えたらストレート勝ちや総合トップを取るのは至難の業である。つまりA組に勝ったとしても獲得できる触手は三〜四本と考えていたらしい。それでは期末テスト前に実行した僕らの暗殺の二の舞である。

だからこそ期末テスト後の暗殺は実行しなかったのだ。触手も想定より倍の本数を獲得したことだし、今回はE組総出で万全を期して暗殺に臨ませてもらう。

 

「触手八本という大ハンデでも満足せず、四方を先生の苦手な水で囲まれたこの島も使って貪欲に命を狙う。……正直に認めましょう。君達は侮れない生徒になった。これは標的(先生)から暗殺者(君達)へ送る通知表です」

 

そんな僕らの意気込みに殺せんせーも本気で感心している様子だった。軍隊すら殺せなかった超生物に僕らの実力を認められたのだ。暗殺者としてこれ以上に嬉しい評価はないだろう。

今年の四月から始まって三ヶ月が経った暗殺教室、その間の暗殺者としての通知表は教室いっぱいにばら撒かれた二重丸である。

 

「一学期で培った基礎を存分に活かし、夏休みも沢山遊び、沢山学び、そして沢山殺しましょう‼︎ 暗殺教室、基礎の一学期……これにて終業‼︎」

 

そうして殺せんせーの号令で締め括られて一学期最後の授業が終わるのだった。




次話 番外編
〜僕とゲーマーと夏休み(前編)〜
https://novel.syosetu.org/112657/33.html

次話 本編
〜策謀の時間〜
https://novel.syosetu.org/112657/36.html



明久「これで“終業の時間・一学期”は終わり‼︎ 皆、楽しんでくれたかな?」

神崎「霧島さんや木下さんが加わってどうなるかと思ったけど、なんとか期末テストも無事に終わって良かったね』

明久「まぁ浅野君がA組のトップとして君臨してる以上、残念ながら誰が加わっても大勢(たいせい)は変わらないよ。神崎さんじゃなくて雄二が国語トップってのはあり得ない改変点だと思うけど」

律『もし私が参加できていたら国語以外はお役に立てたんですが……お力になれず申し訳ないです』

明久「え、律って国語が苦手なの?」

律『はい、人の心は暗殺よりも難関ですね。やっぱりAIの私に現代文などはまだ難しかったみたいです』

神崎「律ならきっと大丈夫。いつか心を理解することだって出来るわ」

明久「僕でよかったら少しは教えるよ?一応だけど国語は得意科目だし」

律『ありがとうございます。でも明久さんは感情豊かなので一緒に居させてもらえれば十分です』

神崎「確かに明久君って見てて分かりやすいし、あんまり感情に裏表がないもんね」

明久「う〜ん、原作では罵倒に晒されてるから良く言われるのってむず痒いなぁ」

律『罵倒されるのは明久さんのアイデンティティのようなものですもんね‼︎』

明久「僕のアイデンティティじゃなくて、原作のコンセプトに合わせた結果だからね?その辺の違いを理解する心も大事だよ?」

神崎「ふふっ、そうだね。それじゃあ今回はこれくらいにしとこうか。次も楽しみにして待っててね」





雄二「神崎も律も明久の評価をオブラートに包み過ぎだな。要するに単純で物事を深く考えてない馬鹿ってことだろ?」

渚「坂本君はオブラートに包まなさ過ぎだよ……確実に吉井君が褒められるのに慣れてない原因の一人だよね」

カルマ「いや、井上堅二(作者)のせいじゃね?」

渚「それは究極的な責任転嫁だから‼︎」

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