ふと思いついた一発ネタ


青い空、見渡す限りの平原そんな中馬に乗り進む少女の姿があった。杖を背中に背負い正しく魔術師と呼べる様な格好をしておりむしろ此で肉弾戦専門のグラップラーですと言われた日にはその日の話題の種位にはなるだろう。
そんなどう見ても見た目貧弱魔術師が回りを見渡しながら馬に話し掛ける。

「いやぁーあれだね…取り敢えず此処等一帯を燃やして仕舞えばどれだけ綺麗か!!」

「ヒヒィン!」

「そうだよね!燃やすべきだよねぇ!?良し派手に逝こう!!」

少女がキチガイな発言を言い始め馬が必死に首を振り否定しているが少女は気にせず杖を抜き呪文を唱え始める。
それと同時に馬が全力で走り始める。巻き添えを食らってたまるかと言わんばかりの全力疾走、その姿はまるで一騎当千の武将が乗る駿馬の様で

「燃えろ燃えろ燃えろ燃えろ!ぜーんぶ燃えてしまえ!!」

「ブルルッ!ハッハッハッ!!」

少女が呪文とは言いがたい願望垂れ流しの言葉を紡ぐげば紡ぐほど現れた魔方陣は大きくなり輝きを増していき如何にも何か起こりますよと言わんばかりの状態になっていく。

「此が私の芸術!行くよ全力!!」

そして魔方陣は空に上っていき巨大な陣を空に刻むように広がっていく。
馬は更に速度を上げて走り続ける。この場から早く逃げなければ命がないと言わんばかりの全力疾走

「見てなよホース!綺麗にするからね!!」

上に杖を振り回す少女がいなければもっと絵になる姿だっただろう
ホースと呼ばれた馬はそんな事気にせず走り続ける。彼の中の本能がそうさせるのだ、死にたくないその一心で走り続ける。
そして彼の恐れていた瞬間は訪れる、空中に広がる巨大な魔方陣から溢れだす。光が太陽の光すらも覆い隠す程になった瞬間少女の叫び声が辺り一面に木霊する

「フレアインパクトォ!!」

その瞬間魔方陣から巨大な炎柱が落ち物凄い高熱を彼等に浴びせてくる。
そしてその炎はそのまま津波の様に彼等に襲いかかる

「うーん…やっぱり綺麗だ!!」

その光景を見ながら少女は蕩けた顔を見せ、そして馬は更に速度を上げて走り続ける
その速度最早馬に非ず、例えるならば一つの弾丸の様だと言われても可笑しくはない。
そして炎が馬の尻尾に触れる程近付いてきた瞬間馬は空中を蹴り空を駆け始める

只の馬が空を駆け抜けたり等笑い話にもならない冗談だが、この馬はぐんぐんと駆け抜け炎から距離を取る。

その姿はまるで魔術師が空を駆けるユニコーンに乗っているかの様な姿、これを見たものは恐らく遥か昔に存在したとされる伝説の勇者の仲間の再来だと言うだろう。

だが現実は非情である。ここにいるのはキチガイ少女と哀れな馬なのだから、平原を炎で焼き払い自分は空で見下ろす…これを悪魔の所業と言わず何と言うのか?

「ねぇホース!スッゴい綺麗じゃないこれ!?こんなに綺麗に燃えているの久しぶりに見たわ!!」

「ヒヒィン…。」

「でしょ!凄い綺麗……リル、癖になっちゃう」

正直もう癖になってるだろとは誰も言ってくれないこの雰囲気の中、馬は静かに嘆息するだけである。
自分の目を見ながらキラキラと瞳を輝かせるご主人様を見つめ頷くしか出来ない哀れな馬がそこにはいた。

これは既に魔王や勇者がいない平和な異世界の物語
頭の可笑しい爆裂魔法を使いこなす一人の少女リルと呼ばれる少女と、空をも駆けるユニコーンの系譜であるホースのぐだぐだ日常的爆裂物語である。

「よーし…お腹が空いたからご飯を食べに町にイコーウ!!」

「ヒヒィィン!!」


続かない。






日時:2016年02月14日(日) 16:48

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返信コメント

( ∴)〈名前を入れてください

(やっば…冗談抜きで偶然だったわ……)


日時:2016年02月15日(月) 19:33

炉月一

リル……ライル……うっ!頭が…

既知感(デジャブ)りますねぇ……
名前は偶々ですよねー?そうだと言ってください……


日時:2016年02月15日(月) 19:22



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