終わらぬ年度末進行
年度末進行が終わりません。
これも休日出勤の昼休みにかいてます。
BARナザリックも通勤途中の桜を見てイメージがあるのに、書く時間がない。
獣殿のほうは、ザイトルクワエ討伐戦直前、6000文字でストップ
仕事が落ち着くまで、すこしお待ちください。
以下
昼休みの妄想
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鈴木悟がモモンガとなり、ユグドラシルからこの異世界に転移して4日目が経過した。
NPC達に周辺を探らせているが、自分でもできることは無いかとセバスを控えさせ、リモートビューイングの操作方法を確認していた。
その時だ。
予想だにしていなかった光景が映しだされたのだ。
それは兵士とおもわしき存在に、村が蹂躙される姿であった。ある男は斬り殺され、ある女性は引き倒され剣で串刺しにされる。子を守ろうとする親を斬り殺し、さらに子供を惨殺する。なにより襲っている兵士達は、その行為を笑みを浮かべながら行っているのだ。
それを見た時、モモンガは昔のことを思い出した。
異形種狩りに怯え、今にも殺されそうになっていた時に出会った真のヒーローのことを。もしあの時の出会いがなければ、心は闇に囚われていただろう。あの出会いこそがモモンガ、いや鈴木悟の転換点だった。
「ああ、たっちさん。どこの世界でも悪がはびこっているようです」
「いかがなさいますか」
「後詰は任せる。時代が望む場所に行くこととしよう」
「かしこまりました」
セバスは恭しく一礼する
モモンガは漆黒のオーラを立ち昇らせながら立ち上がる。右手を天にかざす。腰には銀と赤のベルト。そしてゆっくりその右手を腰までもってきた右に一閃すると同時に、左手は腰だめに構え、天に向って叫ぶ。
「変身」
******
エンリ・エモットは妹のネムを連れ走っていた。
後ろを振り返れば、剣をもった男たちが迫る。父親を切り倒した男たちが。息を切らせ、どこに行くかもわからずただ、妹の手を引いてはしった。
しかし、その逃亡の長くは続かなかった。
妹は体力の限界から、倒れこむように転んでしまい、すぐに起き上がることができなかった。その隙に男たちに追いつかれてしまう。
「ネム!」
せめてネムだけでもと、エンリは抱き寄せる。しかしソレがイケなかった。男たちの剣をその身で受けることとなってしまった。その激痛に意識が飛びそうになる。しかし妹のため、なんとしても妹を逃がすためと心の力で意識をつなぎとめる。
「さっさとヤッて次にいくぞ」
「ああ」
男達がニヤつきながら剣を構える。
ーーライダーキック!
二人並んだ男のうち一人が、不意に吹き飛ばされる。
「だれだ!」
吹き飛ばされた男は遠くで倒れ伏し、先程まで隣に立っていた男は驚愕して声をあげる。
「おまえたち、悪の野望を打ち砕き」
すさまじい衝撃だったのだろう、着地した姿は土煙でその姿を隠している。しかし、しっかりとした足取りで立ち上がる影。
「人類の平和をまもるため……」
土煙は風に払われ、襲撃者の姿を現す。
「大自然が遣わした正義の戦士」
長身の体躯を漆黒の鎧で覆い、その目は赤く輝く。
残った男に向けて、足は肩幅より広く開き、腰を落とす。左手は地に、右手は翼のように横に広げた独特の構えを取る。
「仮面ライダー モモンガ」
その叫びとともに、漆黒の戦士の背後で爆発がおこった。
先ほどまで追われていたエンリとネムは突然のことに呆然としている。同様に襲っていた男もだが、目の前の戦士はそんな隙を見逃しはしない。
ーー
戦士の素早く突き出した拳に乗った、龍のような雷撃が男を襲う。男は一瞬逃げる素振りをみせるが、光の速さで襲い来る攻撃を躱す事などできず、一瞬で命を奪いさる。
その後、残心を解き、ゆっくりとモモンガは二人の姉妹に向き直る。無駄の一切を省き躍動感さえある漆黒の全身鎧。その動き一つ一つが洗練され、立ち姿からは王者の風格が感じさせた。そしてその兜から落ち着いた渋い男性の声で二人の姉妹に語りかけるのだった。
「ふたりとも、もう大丈夫だ」
「あ、ありがとうござい、痛!」
「大丈夫?!お姉ちゃん」
「そんなことよりも、村を助けてください!」
今なら間に合うかもしれない。エンリは痛みに耐え、一縷の望みを託すために叫んだのだ。
そんな少女の声に、モモンガは熱いものを感じる。
その時、後方のモモンガが利用したゲートからセバスとプレアデスのユリとルプーが現れる。
「モモンガ様。急ぎ3名で橋頭堡の確保。後詰として隠密能力をもつものが合流し索敵に入ります」
「ちょうどよかった。セバス。彼女の治療と護衛を頼む。私はこれから村を救いに行く」
「かしこまりました」
そういうとモモンガは、目にも留まらぬ速さで村に向けて疾走するのだった
******
ちなみにこの先に進むと
嫌な予感。
科学的でも魔法的でもない感覚。虫の知らせや第六感など、言葉はいろいろあるがそんな不確かなものを根拠に、モモンガは任務中のシャルティアの元に飛んだ。
その時、目に入ったのは今にも光に飲み込まれようとしていたシャルティアの姿だった。
アインズはなんの躊躇もなく、シャルティアを庇うように光の前に身を踊らせた。
「ア!アインズ様ぁぁぁ!」
一瞬で血の狂乱は消え失せ、叫ぶシャルティア。
しかし、その光が消えたそこには、悠然と立つ漆黒の鎧を纏ったアインズがいた。
「アインズ様、ご無事でしょうか。いま回復を」
「不要だシャルティア。あれは攻撃ではない。いやそれ以上に厄介なものであったがな」
その言葉と共に、アインズは攻撃者。スレイン法国特殊部隊、漆黒聖典の面々を見渡す。
「まさか、ワールドアイテムまで保有していたとは」
そう。
先ほどの攻撃はワールドアイテムによるもの。効果こそわからぬが、ワールドアイテムをその身に宿すアインズだからこそ分かる。
「人類守護を掲げながら、貴様らの支配に都合の悪い人類を排斥する。国家としては当たり前のことだろ」
アインズは、腰を落とし構えながら高らかに宣言する。
「しかし、そのような存在に、この美しい世界を征服させはしない!」
もちろんアインズとしても迷いがあるの。己が信じる正義では、国家の矛盾を超えることができない。なにより自分が納得していない。まだ人と異形種が手をとりあえる世界の答えが見えていないのだ。
しかし、そのようなアインズの悩みをあざ笑うように事態は進む。
ーーガシャン
ーーガシャン
金属質の足音。
ーーガシャン
ーーガシャン
月明かりの暗闇の中、ゆっくりとアインズらに近づく。
シャルティアと睨み合っていたはずの漆黒聖典は警戒し、共に武装を再度展開する。しかしモモンガはその足音に懐かしいものを感じていた。
ーーガシャン
ーーガシャン
「月に誘われて来てみれば、懐かしい顔があるな。久しぶりだな、モモンガさん」
森の闇夜から現れ、月の光を浴びる無駄な装飾の一切を省いた全身鎧。まるでモモンガと対になるような、白銀の全身鎧と腰に巻かれた漆黒のベルト。
その姿は違えど、モモンガはその声と雰囲気を正確に読み取り間違わない。
「たっちさん……なのか……」
「ああ、遥か昔そう呼ばれていたな」
目の前に現れた白銀の鎧は、漆黒聖典に向かい構えを取る。
「今から700年前この地に降り立ち、竜王たちに改造された私はすでにたっち・みーではない」
「なに?!」
「我が名はシャドームーン。アーグランド評議国。この世界の秩序を維持する竜王の尖兵だ!」
*******
さらに進むと
漆黒聖典を退けたアインズとシャルティア。
人類において圧倒的強者であるはずの漆黒聖典だが、ことレベルという点で極めているアインズとシャルティア、さらにたっち・みーの前に撤退を余儀なくされた。むしろ、全滅させずに撤退できたことだけでも、漆黒聖典の能力や練度の高さを伺える。
「たっちさん……」
漆黒聖典に対し共に戦ったモモンガは理解した。
姿は変わった、技も変わった。しかしこの白銀の戦士はたっちみーであると。
「たっちさん。私といっしょにナザリックも転移してます。いっしょに帰りましょう」
探し求めた仲間。それも、おのがヒーローでもあるたっち・みーに、アインズは万感の想いを伝える。
「次は我々の番だ。モモンガさんとの決着を楽しみにしている」
しかし……
たっち・みーの返答は拒絶。しかしアインズは納得することなど到底できなかかった。拳を握り、強く、強く叫ぶ。
「たっちさん!どうして私とたっちさんが戦わなくてはならないんですか!」
「モモンガさん。モモンガさんは運命を信じますか?争う運命というものは、どちらか一方がそれを受け入れた時、決して変えられないものとなります」
たっち・みーの言葉にどれほどの想いが込められたのだろう。一人この世界を彷徨った時の長さか?竜王に受けた改造の苦しみか?愛妻家であり家族を愛していたたっちさんのことだ。買えることができなかった悲しみからか?
モモンガはたっち・みーの言葉の想いの総てを推し量ることができなかった。
「たっちさん!それでも!私は運命を変えてみせます!」
「……また会おう」
モモンガはそれが運命というなら、その運命にあがらう覚悟を示す。
しかしその声を聞いたたっち・みーは静かに背を向け、闇夜に消えていくのだった。
日時:2016年04月02日(土) 13:01
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