映画『君の名は。』を見終わってからのつれづれな。[ネタバレ注意]

スタッフロールが流れていき、そして立ち上がってから手にあったポップコーンが半分以上残っていることに気付き……とてつもなく見入っていたことに気付かされる。


見終わってからは、とにかく何かがもどかしい気持であった。

いいラストだった。あの後の二人は想像するしかないとはいえ、もっと二人のことを知ることは出来ないのか、『君の名は。』の世界に浸りたいという気持ちで即座に書店及びアニメショップへGO! 同人誌に公式書籍にと買い漁った。(苦笑)

だが、まだもどかしい気持ちを引きずりつつも二回目を見るにはまだ尚早だと思えた。もっと『知ってから』であれば、また違うものがあるはずだと思い、一先ず二回目は次の機会にと思えた。


そんな中、ここまでもどかしい気持ちを覚えたのはいつ以来だろうかと思い出すと、似たような経験があった。

私の青春時代―――ギャルゲー、萌えアニメに嵌りつつも一つのテーマに、少し没頭していた。そのテーマに属するものであれば、私は存分に堪能していたと思える。

『愛と死』


君の名は。を見てから私が思ったのはPCゲームメーカー『CIRCUS』が出した名作『水夏』であった。

その中でも第一章と第四章を想起させるものが、君の名は。にあった。

第一章は『生』に辿り着けなかった少女の物語。

第四章は『死』を乗り越えるための物語。



第一章は『距離』と『時間』がテーマになっていた。過去に想い合っていた男女が数年後に再会し、思いを通じ合わせていくというものだが、それでもこの第一章に男女の救いは無い―――この男女が『現世』で結ばれることはないという、悲しいものだった。

いつ、どこにいても、彼の事を想っていたヒロインに突きつけられる事実を覆すことは出来ず、絶対の別れが押し寄せるものであった。


第四章はいくつかのエンディングに分岐するが、大抵―――好意的なエンディングでは死ぬ運命にあった子達は死ななくて済んでいった。

第四章は死を覆す物語であった。


かなり大まかに割愛させてもらったが、自分はやはり水夏は第一章が、一番好きであり、だからこそ何故この二人が引き裂かれなければならないんだと憤りも感じていた。

だが、それは仕方ないことでもあった。またまた割愛させていただくが、第一章のヒロインは存在していることすら奇跡だったのだから―――。


他にも有名どころの『AIR』、マイナーながらもフロントウイングが出した『アズラエル』など、『生と死に交錯する愛』を感じられる物語はどれももどかしさを感じることが多々あった。


瀧と三葉の物語は続いていくのだろう。我々が見えるのは、あのラスト―――階段を上り降りていく二人が振り返り、お互いの名前を―――というシーン。

続きが見たいと思っても、そこは各人の想像にしかないもの。だからこそである―――『誰か』を探してきた二人の物語を知りたいと思うのは、定められた何かを覆した二人だからこそ、その後の世界を穏やかで平和なものであると思いたいのだ。


もどかしいのは―――その作品世界の住人で彼らを間近で見れないなどと言う変な欲求不満なのだろうと思える。


最後に一言―――、本当にこの作品は新海誠の真骨頂でありながらも、今まで不満に感じていたものを払拭させられるものだった。

もどかしくも、最後まで不安を覚えつつも、それでも感動してしまった。

これまでの人生を生きていて良かったと思えるほどに『君の名は。』という『世界』を見れたことに感謝ばかりである。


三葉、瀧―――二人とも大好きだ。 愛しているといっても過言ではない。二人の人生に幸は―――絶対にあるよ。


そんな所で―――何か、いい加減 最弱無敗の続きを書けとか言われそうになりながらも、何か君の名は。で一作書いてみたい衝動を現在覚えています。(苦笑) 



日時:2016年11月15日(火) 02:09

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