うちの孫の作風とか、経緯とか、予防線とか、そういうもの

ブルヴィッツ虐殺のエピソードを投稿してからわずか二日。一気にお気に入り数が100件近く増え、総合評価が一気に200pt近くあがって驚いている作者です(打ち切った前作の総合評価もう超えてしまっとるやん……)。皆さん、こんな捻くれた作品に興味持ってくれてありがとうございます。無茶苦茶うれしいです。

さて、ブルヴィッツの虐殺のエピソードで本作のだいたいの方向性を理解してもらえたかと思います。せっかくですので、本作がこんな異端な作品になった理由でも説明しようかと思い、筆をとってみました。

一番の理由は「原作改悪でもしないかぎり、ラインハルトやヤンというチートスペックな軍人と肩並べて存在感を発揮できる戦略・戦術能力を持ったオリ主軍人なんか俺の頭で考えられるか馬鹿野郎!! どこぞのココア啜ってる病弱毒舌野郎やマフィン齧って赤毛のチビみたいなオリ主書ける気がしないぞ!!」という身もふたもないものですw

だから銀英伝二次なんて書きたいけど、書けるかと思っていたのですが、原作外伝5巻に収録されている「朝の夢、夜の歌」を読んで、少し考えが変わりました。ラインハルトとキルヒアイスが母校の軍学校で起きた殺人事件を捜査するという、銀河英雄伝説としては珍しい作品なのですが、その話を見てあることを思いました。

一応、ネタバレ防止として名前を伏せますが、犯人の描写に強く興味を惹かれました。殺人を行った動機は完全にエゴイズムによるものなのですが、彼がそうなった理由のせいで犯人が一方的な加害者とは、とても言い切れないものなのです。

じゃあ、政治・謀略を中心にして、そういった要素を駆使すれば、戦略的な戦争描写にいまいち自信がない自分でも銀英伝二次書けんじゃね? そう思ってプロットを作成し、途中でどうやって終わらせばいいかわからずに一度挫折しました。(突っ込んでくれていい)

しかし銀河英雄伝説二次創作を語り合う掲示板で、各作品のオリ主の話題になっていたときに「リヒテンラーデの孫がオリ主の構想したことはある。難易度高すぎたからやめたけど」とコメントして見たら「面白そう」とか「もうそれ書けよ」という意外すぎる反応が多く、PCのデータの海に眠っていたプロットを再び書き始めました。そしてある程度序盤が固まって投稿しだしたのが本作です。

相変わらずプロットは間の筋道が抜け落ちておりますが、とりあえずラストだけは決めました。

とまあ、最初から、そういう趣旨の話なんで「ろくでもない行為するけど境遇が悲惨すぎる」とか「善悪で判断できるような存在ではない」ようなキャラがたくさん登場します。正直、お気に入りが急増しすぎて、その辺のこと皆わかってくれているのかと不安になり、こんな活動報告をしてみた次第であります。

まあ、要するに自己保身ですねw
俺は言ったからな! 際限なく暴れるぞー!
なるべく、後味悪くならないよう努力はするがなあ!!

さて、こんな弁解ばっかするのもあれなので、登場するなり死んでいったブルヴィッツ虐殺エピソードの登場人物の解説でもおまけとして垂れ流し、閉めたいと思います。どうか皆さん、応援してください。(できれば感想もほしいです)










+カムラー中将
舞台装置。正直、クレメントの異常さとウェーバーの唐突さを際立たせるためだけに配置したキャラ。詳しい設定なんかほとんどない。だから普遍的な軍人です。なのに信頼してる副官に殺されてしましました。可哀想な人です。

+ウェーバー中尉
カムラー中将の副官で、穏便な人でしたが、憲兵隊に家族を人質にとられ、尊敬する上官を暗殺することになってしまいました。彼個人としては殺したくなかったので、なんとか上官を説得しようとしてましたが、無理だったのです。
それでやむにやまれずカムラー中将を殺し、あの地獄を作り出してしまったわけです。彼がいったいどんな気持ちで行動していたのか。考えてみるのも一興でしょう。
ちなみに憲兵隊に家族が人質に取られていたことについて、テオリア在住のとある下っ端役人は「元から憲兵隊とか嫌いだから、表沙汰になったときになんの迷いもなく切り捨てられるのがいい」とのことです。

+クレメント少佐
今回のエピソードでおそらく一番暴走したお方。自分が閲覧してる銀英伝二次掲示板でこいつについてさまざまなコメントがあって、作者はニヤニヤがとまりませんでしたw
ブルヴィッツ侯爵家の所有惑星で地獄のような労働(一日の75%が労働しなきゃいけない炭鉱マン。なお、提供される飯はあんまりおいしくなく、ノルマ達成しないと私設軍の人らにリンチされて最悪死にます)をして仲間が死んでいくのを何人も看取りながら、「次は自分かも」と絶望に満ちた未来を描いていたところに、軍隊に徴兵されたおかげでその地獄から抜け出せたという悲惨な過去の持ち主。
兵士として上官の理不尽を経験したりもしたそうですが、それが自分の故郷のときのことを思えば、ものすごく生易しいものに思えたようで、たいした苦にはならなかったようです。
兵役を終えて職業軍人の道に進んだ後、過去が過去なので、部下にたいして乱暴な真似をすることはほとんどなく、兵士からの人望も厚い立派な軍人だったようです。貴族は嫌いでしたが表にはださず、部下の前でこっそりと陰口を叩く程度には時と場をわきまえていたので目をつけられず、長年の地味な功績の累積によって叩き上げで大尉にまで昇進し、ラインハルトが台頭してくると貴族どもに積年の恨みを晴らしてやると金髪の陣営で活躍したそうです。それで少佐になりました。
それでもまだ昇進したいとケンプ提督の遠征軍についていった結果、大敗北で、辺境勤務になっていたときに、因縁がありすぎるブルヴィッツ家の生き残りが叛乱を起こしました。
この叛乱はクレメントの視点からみると「一度ボコボコにされたにもかかわらず、その結果を認めずに難癖つけてる」ようにしか見えなかったようで、しかも放送局で帝国人民の英雄であるラインハルトを非難しまくるプロパガンダまで流してるので、彼の憎悪は加速度的に膨れ上がり、本編のような暴走をしてしまいました。
なお、ブルヴィッツ側の犠牲者は百六十万を超えているので、作中で言っていたせめて半数は殺さなきゃ気が済まないという目的を達成しているので、ある意味本懐だったかもしれない。

+クム中佐
戦争中毒の問題児。こいつのこと怪しいと思っていた読者もいるでしょう。
安心してください。少なくとも今回の件については、こいつシロです。というかむしろ常識人枠。

+グスタフ・フォン・ブルヴィッツ
ブルヴィッツ家、最後の生き残り。
領民を慈しむ心を持ち、理知的であり、帝室への敬意と忠誠心も併せ持っているという百年前なら立派な貴族として賞賛されたであろう人物。
クレメント出身の所有惑星から搾取していることを知っていたのに、手をうとうとはまったくしていなかったので、その良識ぶりは貴族の常識の範疇にすぎない。
ただ根はむちゃくちゃ優しいので、父の没後に爵位を継いで搾取してる惑星に視察したら、その悲惨さに深く同情して、待遇の改善をはかるくらいはしたかもしれない。もっとも、彼が爵位を継ぐ可能性自体がラインハルトの存在がある以上、完全にIFの可能性でしかないが。

+アルトマン中佐
最後まで主君に尽くした忠臣。決して無能ではないけど、全体的に物事をあまくみるところがあって、自分たちが画期的な軍事的勝利をおさめれば。ブルヴィッツが貴族家として再興する可能性が本当にあると信じていた。
最後の時まで主君を守ろうとしたが、クレメントによって絶望の中で死んでいくことになった。まあ、クレメントたちの星からの搾取を担当してたのはブルヴィッツ侯爵家の私設軍隊なので、その後継組織というべき叛乱軍のトップだったから、ある意味正当な報復を受けただけといえるかも。


日時:2017年06月27日(火) 07:27

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返信コメント

kuraisu

安東大将軍さん。コメントありがとうございます!

たしかにそういう方向性もあったでしょうけど、面白いネタが思い浮かばなくて、なんかほぼパクりになりそうだったし、なにより銀英伝二次をギャグ路線で書くことに私が興味を持てなかったので、そういう方向性にするのはやめました。


日時:2017年07月15日(土) 08:33

磯城津彦玉手看尊

>原作改悪でもしないかぎり、ラインハルトやヤンというチートスペックな軍人と肩並べて存在感を発揮できる戦略・戦術能力を持ったオリ主軍人なんか俺の頭で考えられるか馬鹿野郎!!

ギャグ・コメディ系に走る手段もありじゃないですかね?
例えばコミュ力と強運のみが取り柄のどこぞの勘違い系凡人大公とか


日時:2017年07月15日(土) 06:10

kuraisu

六仁祝さん。コメントありがとうございます!

祭り上げられすぎて、嬉しい反面、正直困惑してる。
執筆し始めてから、あの掲示板に書き込むのは控えてるが「クレメントはグスタフに殺されたから、もうでてこないんだよ?」と書き込もうかと何度か考えるくらいに。

個人的にはクレメントはダークヒーローというより、ただの人間であるということを強く意識してましたね。
だからこそ、聖人君子になんてなれない。普段は理性で制御できても、強すぎる感情を抑えるのは限界がある。
クレメントがやったことは許されないことですが、そんなふうに暴走するのがむしろ自然だと読者に思わせることができるようなキャラにしようと最初から決めてました。


日時:2017年07月12日(水) 10:07

りふとむ

その某掲示板で、存在自体が伝説にまで祭り上げられつつあるクレメントさん。
色々ぶっ飛んでいますが、見ようによってはヒール的性質を内包したダークヒーロー感ありありな御仁だと、個人的には拝察しています。


日時:2017年07月12日(水) 07:35



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