したっぱの俺がうっかり過去に来たけれど、やっぱグズマさんとつるみまスカら! あとがき

 11月中旬に『ポケットモンスター、ウルトラサン・ウルトラムーン』が発売され、自分もプレイしました。色々と意見はあるようですが、自分は前作よりも良かったなという印象で、これならば、自分がグズマの救済のためにこの作品を書いたのは、おせっかいだったかなと思いました。

 この『したっぱの俺がうっかり過去に来たけれど、やっぱグズマさんとつるみまスカら!』は最近の二次創作界隈で人気の転生、逆行ものを茶化したおふざけツイートから始まりました。当時の最新作だった『ポケットモンスター、サン・ムーン』でのグズマの扱いは酷く、何のフォローもない感じだったので、せめて二次創作の中ではある程度のフォローをしてあげたいなと思っていました。

 全体の文字数は前作である『モモナリですから、ノーてんきに行きましょう。』に比べ、文字数こそ少ないですが、本格的な長編(十万字以上)に手を付けたのは初めてで、プロットも全体で三万字以上(自分の中では最大)のものになっており、正直書き始めるときには、こんなの絶対書ききれるわけ無いだろと思っていましたが、エタることだけは絶対に嫌だったですし、エタだけはありえないと自分を追い詰めながら、何とか完結させました。完結も一つの目標でした。結果達成できたことは良かったですし、自分で一番自分を褒めることが出来るところだと思っています。

 今作は過去のアローラを舞台にしており、イリマやキャプテンカヒリやキャプテンダイチなど原作のキャラクターを絡ませることが出来たのはとても楽しかったです。ただ、グズマの両親やククイ博士やその他キャプテン、プルメリ、クチナシ、ルザミーネなどを絡ませることができなかった(それらのストーリを考えることができなかった)のは少し心残りというか、完結を焦るあまりにボリュームを減らしてしまったかなと思っています。特にウルトラサンムーンでも絡みのあったハウとの関係について思い浮かべることができなかったことに関しては後悔しています。
 また、スカ男が世界から居なくなったその後のグズマについての描写がないことについては自分でもちょっと判断を迷ったところではあるのですが、これはあくまでもスカ男の物語であり、彼の視点を重要視することにしました。元の世界に返ってきたら未来が変わって世界が主人公にとってより良くなっているのは、元祖逆行ものである『バック・トゥ・ザ・フューチャー』のオマージュです。

 極力そうしないように頑張ろうとは思っていたのですが、過去という舞台上どうしてもオリジナルのキャラを使わざるを得なくなったのですが、逆にとことん負の部分を背負わせてやろうと、ロウバイやヤドリギ、ポニ島の3弟子のようなキャラが生まれました。
 ポニ島での三人の弟子というキャラクターは、自分の中ではすごく良いものを作れたなと思いました。あの島でのテーマは「グズマが彼自身と向き合う」をイメージしており、原作の彼の中にあった要素を、若き日の彼の前に立ちはだからせたかったです。
 自分は小説を書く中であまりキャラがひとりでに動き始めるということをしないタイプなのですが、この三人、特にルドベキは、ちょいちょいプロットから逸脱していました。カプを攻撃するという異常性、それでいて思想の中心には彼なりの正義があること、その実、力を誰よりも恐れていたことなど、機会があれば物語の中心として動かしてみたいほど気に入ったキャラクターです。
 オリジナルキャラクターの名前の大半(ヤマホはヤマホタルブクロ)は、原作のポケモンと同じく花言葉を参考しています。今更何言ってんだという話ですが、それらの解説をここでするのはあまりにも恥ずかしいので、気になった方は調べてニヤニヤしていただけると幸いです。

 ポケモンに詳しい方ならおわかりだと思いますが、スカ男が襲われたウルトラビーストはアクジキングです。サンムーンでの図鑑説明では、大食いな割にそのフンが確認されていないとあったので、あの口そのものが異次元につながっているブラックホール的な存在なのではないかと仮定して、ストーリーの核を努めてもらいました。サンムーンではウルトラビーストのラスボス的な立ち位置でしたが、対戦環境においてはあまり脅威にはなり得ては居ないようだったので、この二次創作を読んで多少怖さを覚えてもらえたらと思っています。

 長くなりましたが、最後に、この二次創作を読んでくれた読者の皆様、本当にありがとうございました。前作に続き今作も非常に多くの方に見ていただいて、大変嬉しく思っています。
 大変失礼と思いながら、それに答えること自体がネタバレになってしまいそうな感想や、返しづらい感想には返信ができませんでした。大変申し訳ありませんでした。感想はすべて目を通しています。ベンケイどれだけ秘密を墓に持っていくつもりなんだよというツッコミは、自分も笑ってしまいましたが、陰の薄かった彼のキャラがついてよかったなと思いました。

 また、評価コメントや、素敵な推薦文、誤字報告(多くて本当にすみません)本当にありがとうございました。楽しんでいただけたのかなと、嬉しく思っています。
 最後になりますが、もしよろしければ、評価や感想、批評も、お気軽にどうぞ。

 次の二次創作でも楽しんでいただけるように頑張ります。


日時:2017年11月30日(木) 22:15

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返信コメント

プっちん

こういう作品との出会いがあるから、2次創作の作品探しは辞められないのだなあとつくづく思いました。完結おめでとうございます!


日時:2017年12月04日(月) 10:07



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