FGO/BV バレンタイン番外編
珍しく活動報告での番外編。
では、ごゆるりと。
──カルデア マスターの部屋──
とある場所にある人理継続保障機関フェニス・カルデア。
ここは魔術だけでは見えず、科学だけでは計れない世界を観測し、人類の決定的な絶滅を防ぐ為の各国共同で成立された特務機関。人理が焼却され、人類最後のマスターとなった「藤丸立香」も現在はここに住む。
「マスター? 今、大丈夫でしょうか?」
そして人類最後のマスター、藤丸立香の部屋へ足を運ぶ10代前半の少女がいた。
その少女は、血のように紅く染まった髪と目。その背には人ならざる翼を持ち、口には牙のようなものが見え隠れする。服は髪と同じ色を基調としたミニドレスを着ている。
彼女の名はレナータ・スカーレット。人類史に名のない無名の英雄である。
彼女は今、あるものを持ってマスターの元へ訪れていた。
「だ、大丈夫よ。どうしたの?」
マスターは他の英霊から貰ったらしい多種多様のチョコに囲まれていた。
流石に全ては食べ切れていないようで、今は休憩しているようだった。
「うわぉ⋯⋯。流石マスター。モテモテですね」
「私女なんだけどなぁ。いや、別に性転換くらい、いつでも⋯⋯」
「あの、マスター⋯⋯?」
少し引き気味のレナが立香に問いかける。
「あっ、ごめんね。で、どうしたの?」
「チョコに囲まれてチョコ嫌いになってそうなところで、バレンタインチョコです。
⋯⋯いらなかったら捨ててもいいですからね?」
レナは卑屈になりながらも、立香に小さな袋に入ったチョコを手渡した。
その小包の中には紅く染まった小さな丸いチョコが複数入っている。
「え? レナもくれるの!? ありがとう!
あ、絶対に捨てないからね? 絶対に食べ切るつもりだから!」
「⋯⋯そう言ってくれると嬉しいです。
では、アルトリアやマシュにも渡してくるので⋯⋯バイバイ、です」
立香の答えに、レナは微笑んで返す。
そして満足気にレナは帰っていった。
「ばいばーい。⋯⋯さて、食べ切れるかな、これ全部⋯⋯」
1人になった立香は、山積みになったチョコを眺めながらため息をこぼした────
『ブラッディ・チョコレート』
レナータ(キャスター)からのバレンタインチョコ。
真っ赤に染まったチョコレート。狂気を感じるほど紅く染まっている。
「え? どうしてチョコが紅いか、です?
⋯⋯ご想像にお任せしますね、マスター?」
紅い悪魔は甘い笑みを浮かべて返したらしい。
日時:2018年02月14日(水) 22:26
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