アニメ化された人気ラノベ作品について。

 某アニメの劇場版がドツボに嵌り、BDやらパンフレットやら買い込んで、原作版のラノベシリーズを一気に3巻入手しました。
 普段小説は読まないのですが、それでも手元に原作を置いておきたいほど気に入ってしまったからです。
 1巻は文章表現も正確で一般小説との差異も少なく楽しく読み終えることができました。
 2巻はラノベらしく主人公とヒロインのラブラブな関係を重点に描かれ、若干内容は薄くなったものの、それでも感情移入して読むことができました。
 アニメがOAされ大人気となり、再度シリーズとして数年の期間を空け発行された3巻は、残念なことに明らかにページ稼ぎの冗長な会話ばかりで紙面にも空白が目立つ作品になってしまっていました。
 文章表現も「「「……」」」や行数稼ぎのツッコミなど、1巻と比較して空々しい表記が目立ちストーリーがなかなか進まず読んでいて何度も眠くなりました。
 創作をする者として想像したのは、人気作だけに既に描きたいことは描き切ってしまっていたのに、アニメ人気に押され無理やり続編を書かされたか、或いはブームの間に少しでも作品に注目を当てたかったのかもしれません。
 客観的に読んで見ても、本サイトに掲載されている同アニメ作品の二次創作作品の方が本家より面白いのではと思えるほど、というか小説としての体を成していないほどの劣化で悲しくなりました。
 作者自身が描きたいものを書くことこそが傑作を生みだす条件である以上、一時のブームに乗ずるのは困難なのを、例えデビューして数年経過したプロ作家であっても難しいことを痛感しました。
 その一方で、この文庫本に600円以上の対価を払って新刊を読む読者の立場のくやしさもまた悲劇であると思います。
 お金を払ってまで読んでもらうのは、創作者にとって終始維持し続けなければならない重責だとこのシリーズ作品を通して読んでわかったことでした。
 


日時:2018年03月24日(土) 22:37

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