Moiその9、VRにおける『石化の魔眼』

 SAO(ソードアートオンライン)から、妄想アイデア。……今流行りの「アリシゼーション」ではなく、一番最初の「ソードアートオンライン」から。

 かのゲーム、初のVRMMORPGのSAOには、「ディティール・フォーカス・システム(以下『DFS』で)」なる設定がある。常に最高なグラフィックを提供する、のではなく/演算能力が追いつかなくなるので、プレイヤーが注目すればするほどキメ細かく見える仕組み。普段の景色は、意識にもあまり登らないので粗いモノにしている。……みたいな、現実の技術レベルに合わせた処置。
 このDFS、焦点を合わせて注目し続けることで、どんどん情報力が増していくもの。いわば、外堀から埋め合わせていくようなもの。皮膚の模様とうねりに始まり、血管や筋肉の脈動・体毛の流れの有様などなど。人間の「視る」を、VR世界で模したものだと思われる。ユーザーに違和感を与えず、かつ演算能力も省略できる、とも。
 ただもし……体内を/骨格を直接視てしまえる、そんな視野の人がいたら? 天性で視れる人、あるいは、解剖学などに精通し普段から骨格を注視するような人たち。いわゆる一般人とは、別の視野の持ち主たち。もしも彼らが、このDFSを使用したら……どうなるのか?

 本来は、焦点の強さに/段階を追って情報開示されていくのが、いきなり、すべての情報を叩き込まれる。つまり―――彼らに視られた相手/オブジェクトは、その多大な情報量に処理能力が追いつかず、フリーズしてしまう。
 またあるいは、ユーザーが他人の内蔵やら骨格に注目するとは、想定されていないのかもしれない。ソレを用意していたとしても、情報量がありすぎて、普段通りの超人的な運動能力やら回復能力を発揮することは、極めて難しくなるはず。自分の体/アバターが重すぎて、あるいは周囲の環境が支えきれなくて。
 骨格にまで焦点を当てる・直感で前工程を省略してしまうことで発生する、『石化の魔眼』。……VR世界、DFSという仕組みを応用することで生まれてしまうバグ技。
 もしも、こんな能力者がいたら……どうなってしまうんだろう?


日時:2019年04月14日(日) 13:39

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