グラン・ミラオス迎撃戦記 後書き


 こんばんは。モンスターハンターワールド:アイスボーン楽しいですよね!(挨拶)
 MRが250を突破しましたSenritsuです。ワールドに入ってから全武器種使い始めるようになったのですが、これが思いの他沼なんですよね……。

 さて、本題に入ります。
 先日、約一年間連載していました作品「グラン・ミラオス迎撃戦記」の本編が完結いたしました。最後までついてきてくださった皆様、本当にありがとうございました。
 本活動報告はそのあとがきとなります。仕様上、盛大なネタバレが含まれますので、これから読みたいな、と思う方はブラウザバックを……特に重要な伏線も張っていないので、できる限りでいいかもしれないです。もしあとがきで興味が湧きましたら、手に取っていただけると幸いです。

 それでは、本編中のいくつかの要点につきまして、裏話も交えつつ、項目に分けて紹介していこうかと思います。


 執筆のきっかけについて。
 Twitterのフォロワーさんとお話ししていた際に、グラン・ミラオスが出てくる小説ってないよねという話題になったのがきっかけです。
 そのときはグラン・ミラオスが古龍としてどのような概念を持っていて、どのように物語を描いていけるかで盛り上がりました。あのときのやり取りがなければ思いつくこともなかった、と考えると感慨深いですね。

 終盤のシーンは書き始めた段階から既に思い描いていて、その過程をどうやって描き出していくかが焦点でした。途中で他の小説に浮気することもありましたが(こら)、なんとか辿り着くことができて本当に良かったです。



 リスペクトした作品について。
 「Fate/Grand Order 第一部 第七章 絶対魔獣戦線バビロニア」です。現在アニメ化もされていますね。
 何のことやら分からないよ、という方は読み飛ばしてくださいね! 大事なことはできれば前に持ってきたいのですが、後半に行きがちなのです。

 もう二年前になりますね。ストーリー実装日から数日間で一気に駆け抜けたのはいい思い出です。アナが儚く尊くて、ティアマト登場時の絶望感は凄まじく、ギルガメッシュは本当に格好良くて。素晴らしい物語でした。
 グラン・ミラオスを題材にリスペクトした物語を描けるかもしれないと思いついたとき、鳥肌が立ってしまうような気分でした。これはもう、書くしかないと思って。とても強いモチベーションになりましたね。

 リスペクトした点は節タイトルに潜んでいたりします。似せていたり、完全に対比させていたり。以下に一覧にしてみますね。
本編第3節「目覚め」 ⇔ バビロニア第18節「目覚め」
本編第4節「古きカミのカタチ」 ⇔ バビロニア第17節「新しいヒトのカタチ」
本編第5節「人よ、創世の理に従え」 ⇔ ティアマト宝具名「仔よ、創世の理に従え」
本編第6節「原初の星、見通す海」 ⇔ バビロニア第19節「原初の星、見上げる空」
本編第7節「絶対黒龍戦線マグマオーシャン」 ⇔ バビロニア第20節「絶対魔獣戦線メソポタミア」
 こんな感じです。お気づきになられたでしょうか?
 節の進行を>の記号で表しているのもあのゲームに因んでいます。特殊な形式になりましたが、個人的には楽しかったし良かったかな、という気持ちです。

 また、本作においては過去作の「こころの狭間」よりアストレアとソナタが登場しています。
 こころの狭間は二人の出会いの物語となっておりますので、興味のある方はぜひ。処女作でもあって、文章が拙いですが、それでもよろしければ……。



 グラン・ミラオスについて。
 本作の主役です。タイトルに組み込んだだけあって、文章力の六割以上をかの龍に注いでいる気がします。
 基本的に「古龍に人が勝てるはずがない」という気持ちで書いていました。別作品である「とある青年ハンターと『 』少女のお話」のクシャルダオラ戦でも同じような意識でしたね。

 巨大龍を相手取る戦闘描写なのですが、これまで他の作品で培ってきた技術の総動員しましょうという感じで。いや、言うほどモンスターとの戦いは書いていないのですが、そんな気持ちで書いていました。
 ゲーム内でグラン・ミラオスがやってくる攻撃行動は全て登場させること。撃龍槍や大砲、バリスタといった兵器の描写にも挑戦してみること。戦いの規模を大きくしてみること。などなど。
 上手くいったり、いかなかったりというところはありましたが、構想時に思い浮かべていたものはだいたい全て描き出すことができたと思います。



 描けたものと、描けなかったものについて。きっとこの話が一番長いです。
 実はこの作品、これまでの自分のモンハン二次創作活動の総まとめという感覚で臨んでいます。
 こころの狭間でモンハンの世界に入っていって、『 』少女でモンハンの歴史やより広い世界を描くことに挑戦して。氷漬けリンゴや、竜になりたい女の子のお話で自分なりの世界観を補強していって、その上で本作に臨みました。
 グラン・ミラオスというあの世界におけるひとつの到達点のような存在に対して、それだけの基礎で足りたのかは分かりません。ただ、そういった段階を踏んできた感覚があって、それでもグラン・ミラオスは恐れ多い存在ですが、なんとか納得のいく向き合い方ができたのかなと思っています。

 ただ、これに対して描けなかった、取り零してしまったという感覚も他作品と比較して強めにあったのが本作です。ちょっと驚きの事実ですかね。それとも察されていたかも……?

 群像劇、苦手ですね! 他作品がほとんど二人だけで完結していたのに対し、今作はたくさんの登場人物がいました。彼らが個性を持ち、信念を持った魅力的な人物として描けていたかどうか、不安が残っています。
 最も苦みが強いものとして、人物の精神性が似通ってしまうということですね。これは完全に自分の準備不足によるところで、まあ個人が書いている時点でその好みや癖が反映されてしまう分には仕方ないとして、もっと差別化したかったというのが本心です。

 また、構想時の目標となっていた、エルタたちの心を分析して深いところまで描き出していくということ、これも足りなかったなという印象です。もうちょっと深く読み込めるものにしたかったのですけどね……。

 グラン・ミラオスについての話題の冒頭で、戦いそのものに文章力の六割を注いだ、と言っていました。それが原因ですね。有限の気力をそっちに持っていかれて、疎かになってしまった部分があるということです。
 ただでさえ今回は戦闘描写偏重なので仕方ないという見方もできるのですが、それでも納得いかないこともある。いや、この小説を通して苦手なことと得意なことが自分なりに分かってきて、その得意なはずの方が弱くなってしまったことが悔しいのかもしれません。

 また、MH3Gを舞台とする本小説ですが、MH3系統のテーマ曲である「生命ある者へ」は当てはまらないかな、という感覚を抱いています。
 モンスターハンターはシリーズごとに世界観が微妙に変わってくる、というのはただの自論なのですが、これに関して他の方と議論をすると面白かったりします。
 短編の竜になりたい女の子のお話などではMH4の世界観に立つことを意識していて、「ひとつの唄」などが合っているかな、合っていればいいなという印象でした。
 本当に感覚的な話なので詳細は省きますが、今作はMH3の世界観にはあんまり沿えていないですね。ただ、それはグラン・ミラオスだけを相手取ると決めた時点で、自分の実力を鑑みて、割り切らなければならないのだろうと中盤辺りから思っていました。

 この話で読まれている方が戸惑われていたらごめんなさい!
 読者さんがどう思うかは介入してはいけない域です。自分が作品から受け取ったと思うものを大切にしてくださいね。所詮、作者も解釈する人の一人に過ぎないのです。

 さらに、本小説では特異な武器種として穿龍棍が登場しました。
 ちょうど本小説の執筆中にMHFのサービス終了がアナウンスされ、非常に残念に思うと同時に、この武器を文章として記録に残すことができてよかったと感じました。傲慢な話ですけど……。
 自分としては、構想時に登場させたかった穿龍棍の動きは全て登場させることができたので満足しているのですが(戦闘描写に入れすぎなぐらい力を入れた恩恵のひとつですね)、やはりというか、反省点もあります。

 単純に知識不足ですね。穿龍棍のゲームの設定と矛盾した描写になっていますよ、という叱責を受けてしまいました。
 身の回りにフロンティアで穿龍棍をメインに担ぐという人がいなかったのが最も大きな原因なのですが、もっと取材などを行ってから書けばよかったな、と反省しております。

 その武器種を知らなきゃ質実な戦闘描写を書けない、というのは本当に自分に当て嵌まる話で、その危機意識からMHWでは全武器種を使うようになりました。
 単純に遊びたかっただけではという問いからは目を逸らすとして(こらこら)、実際に視野が広がりましたね。MHWまで一切触れておらず、小説に出すつもりもなかった操虫棍ですが、今は機会があれば書いてみたいなと思えるくらいになりました。

 何かを題材に創作するならその題材について調べてから、というのは至極当たり前の話なのですが。調べている間は創作ができないのですよね……。
 こいつ何言ってんだという感じなのですが、なるほどこれがトレードオフかと。創作したい気持ちを優先するか、クオリティアップを目指して今書くことを保留するかという葛藤を痛感する小説でもありました、本作です。

 だめだだめだと言っていても埒が明かないので、この悔しさを覚えておくことで教訓にしようと思います。
 何かを犠牲にした分、より良くなった何かも必ずあるはずですから、あとは受け入れるだけです。

 ただでさえリアルは「とこしえの日々を唄うこと」のような感じで精神的な余裕もない。全てを掴み取って描き出してしまいたいけれど、それができないと分かったとき、そのときの自分が割り切れる選択をする。
 自分にとって大切なことなのだろうと、今は思います。忘れてしまっていなければ、この活動報告をたまに読み返したいですね。


 おわりに。
 あとがきでありながら、後半は何やら湿っぽい内容となってしまいましたが、本編が完結したという事実は自分にとっても純粋に喜ばしいことです。
 お祝いというかたちでケーキを買ってきました。今日は(本活動報告は最終話を書き終わったその日に書いています)一人でささやかなお祝いにしようかと思います。

 そして、散々本編完結と思わせぶりなことを言ってきましたが、自分のモンハン連載作品では恒例なので察している方もいらっしゃるのではと思います。
 後日、追加で過去編を投稿予定です! 過去編ではさっき残念がっていたエルタの心の深い部分について、しっかり焦点を当てていこうと思っていますので、お楽しみに。

 投稿時期については、申し訳ありません。未定となっています。ただ、何か身の回りで大変なことが起こらなければ、半年後には出せたらいいなと思っている次第です。
 こんなことを言うと大変なことが起こりがちなんですよね。知ってます。正直50%くらいの確率で大変なことになるのがほぼ確定しているので、無事を祈るばかりです……。

 では、そろそろ締めに入ろうかと思います。最後に二つほど連絡事項を。

 今までユーザーページからは辿れないようにしていたTwitterのアカウントを公開しています。ユーザーページの自己紹介文をご確認ください。
 何か役に立つようなことを呟けている自信はほとんどないのですが、もし興味がありましたら、フォローをよろしくお願いいたします。作品についての質問なども、自分が答えられる範囲で答えていこうと思います

 もうひとつ、本作品の感想はこの活動報告のコメントではなく、作品の感想欄の方にお願いいたします!
 感想を読み返してにこにこすることがたまにあるのですが、こちらに書かれるとその際に見落としてしまうことが多いので……。もちろん、この活動報告に対するコメントであればこちらで大丈夫です。よろしくお願いします。

 連絡は以上です。活動報告の限界文字数ギリギリになってしまった……まあ、いつものことですね!
 それでは、本作、グラン・ミラオス迎撃戦記を読み終えてくださった全ての方へ、改めまして、本当にありがとうございました!


日時:2019年12月08日(日) 17:36

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返信コメント

Senritsu

>>沙希斗さん
実際に触ることによって分かる醍醐味が感じられなかったのだと思います。実際、長リーチと短リーチの使い分などはあまり意識されていませんでした。
MHFの大剣も、本編とは異なる戦い方となっていましたね。相手の攻撃を防ぎながら、ここぞというところで特大のカウンターを狙う。当然、小説での描き方も変わってくるのだろうなと思った次第です。


>>墓守幽也さん
私自身、フォワード1のPVにわくわくしていたあの頃が思い出されます。一年でも、遊んだということが大きな財産ですよ。なぜなら、もう触れられないからです。当たり前ですね。私は、憧れが憧れのままに終わってしまいました。
ぜひ、話をお聞きしたかったです。その武器を触った人にしか語れない、動画を見ているだけでは決して伝わらない何かがあるはずですから。
そうですね。もし叶うならば、それが別の形であろうと悔いの残らないようにしたいです。


日時:2020年01月04日(土) 20:57

墓守幽也

フロンティア、とうとう終わってしまいましたね……
12年の歴史の内自分が実際にプレイした時間なんで精々が一年程度のはずなのに悲しくて……

自分、本家からFに入ったのでF特有のアレンジ入った武器操作がどうしても馴染まなかったんですよ。
だから本家に近い地の型以外はまともに使えないし、それでも本家でメインだった大剣とかは抜刀が振り回しになっちゃったりで馴染めないから比較的アレンジが軽度かつ受け入れやすかった太刀ばっかり使ってましたね。

で、そんな自分にとって本家に存在しない完全新規(癖とか気にする必要ない)、各型の操作感に大差がない(特に極の型は全ての型の欠落無しの複合)、何より使ってて楽しいってことで、穿龍棍はぴったり嵌まった武器だったんですよ。

そんな訳でG級に上がって以降は穿龍棍がメインだったので、悲しみのままにもう一度読み返してきました。


叶うならもう一度、フロンティアに行きたいですね……


日時:2019年12月19日(木) 00:10

沙希斗

この活動報告を読んで、私が穿龍棍使いだったら……。と軽く後悔いたしました。
私は無印から引き継がれている武器操作のシリーズではほぼ大剣しか使わない人なので、他の武器種も使えるようになっていればと思いました。
穿龍棍は「使った事がある」という程度で、まったく使いこなせませんでしたので。
てか、複雑な操作の武器は全滅状態でしたので、せっかくのMHF固有武器があるのに穿龍棍だけでなくスラッシュアックスFもマグネットスパイクもまったくダメでした。
ただ穿龍棍は「ジャンプすると空中でも攻撃出来る」という利点を生かして胴や背中の部位破壊がしやすかったので、(私の腕では成功率がかなり低くはありましたが)それらの破壊目的で利用して「空中攻撃楽しぃ~~♪」と遊んでました。
ですが「遊ぶだけ」だったので確実に部位破壊をするとか、弱点に当てるとか、リーチを変える事により変わる攻撃方法を活かして攻撃していくとか、空中でタイミング良く移動して相手の攻撃を躱すとか、そういう戦略はまったくとれませんでした。


日時:2019年12月17日(火) 15:51

Senritsu

>>添加物20%さん
氷漬けリンゴからですか! 同じ作者でも話の雰囲気がかなり変わっていると思われますが、楽しんでいただけてなによりです(他の読者さんからどことなく似てますよと言われたこともあったりします)。
コメントをありがとうございました。更新は遅くなりそうですが、がんばっていこうと思います。


日時:2019年12月14日(土) 21:01

添加物20%

とても素晴らしいSSをありがとうございました。氷漬けリンゴから来たのですが、見つけることが出来て本当に良かったです。後日談、楽しみに待たせていただきます。


日時:2019年12月13日(金) 20:41



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