感想返信208(自由惑星同盟における同性愛に関する考察あり)

>「〇〇界の大物」って現実では組織内抗争スキル(足の引っ張り合い)に特化して実務サッパリな事多いのですが善悪関わらず大物はやはり大物で有って欲しいですね
そういう大物も若い頃はだいたい実務家です。上に行くにつれて、実務が仕事に占める割合は小さくなります。一度成功したスタイルを崩すのは難しいので、新しいやり方に適応しづらくなります。実務手腕がさびついても、基本的に優秀なので、駆け引きはできます。過去に築いた実績と人脈もあります。こうして、かつての実務家は、政治屋に転身します。

>馬鹿を演じて相手の本質を見極めるとか恐ろしい…それを見抜くエリヤもエリヤだけど
あれは一種のハメ技です。賢さを試しているように見えて、実は別のものを試しています。そして、見抜いたとしても、オリベイラの手のひらの中です。試されることを見すごせないという本性を晒しただけなので。

>物語中屈指のネタキャラであると同時にエリヤにとって苦い思い出が多い地、エル・ファシルでの希望とも言える存在のコレットですが、
>最初はエリヤの印象最悪なんですけど、衛星に隠れていた敵を言い当てるなど才能の片鱗は見せてるんですよね
ええ、そうなんです。あの時から優秀なんです、彼女は。

>現在まで続く異常な敬愛感情はどこから始まってるのかなあ…と読み返すと、
>敵艦隊が衛星に隠れていたという進言をエリヤがあっさり受け入れたところと
>身代わりになった時に自分の下敷きになっても自分を優先してくれたところでしょうか?
>それとも見舞いの時での「君が必要だ」というエリヤの言葉が一番大きいのかな?
三番目です。

>一を聞いて十をやってしまうコレットはエリヤ式教育方針にとても合ってたんでしょうか
育てたっていうんですかね。信仰が教えを現実にしてしまったみたいな。そんなものではないかと。

>ヤンファミリー式だとそもそも最初の一を聞けないのかな
まず、登用されないですね。ヤンは有能の士でなおかつ反骨精神の強い人間でないと信任しません。エリヤに用いられる前のコレットは、士官学校下位卒業で、目立った武勲もなく、自己主張にも乏しいです。シトレやキャゼルヌのネットワークとは無縁です。ですから、ヤンの目に留まる要素がありません。

>原作でヤンとはほぼ無関係に勝手に急成長してしまうユリアンと対照的ですね
ヤンがいなくてもユリアンは一角の人物になったと思います。しかし、エリヤがいなければ、コレットは埋もれたままでしたね。

>エリヤへの敬愛感情は数値化すると通常上限100とした場合3000000ぐらいあるコレットですが
>一方で神を愛するのは一般的でも神に恋するのは一般的ではないように、エリヤに対する恋愛感情はあんまりないんでしょうね
実のところ、彼女の考えることは私にもわかりません。

>キサやハラボフ(!)あたりとフラグが立ってるようですがはてさて
本作では、「同盟では同性愛も当たり前」という設定にしています。これは原作四巻のエピソードに拠っています。

ニルソン艦長が不機嫌な理由について、「惚れていたユリアン・ミンツが遠くに行ったから」という冗談を言った人がいました。これは笑い話で済んだ理由は、「ニルソン中佐が「ごついおっさん」であり、少年愛の性向など皆無であることをみんなが知っていたので」ということでした。

同性愛が異常とみなされる社会ならば、笑い話では済まなかったはずです。相手は上官です。冗談であっても、異常者呼ばわりするのはまずいです。当時の同盟では、同性愛は異性愛と同様にごく当たり前のものだったのでしょう。だからこそ、上官と同性愛を絡めた噂を流しても、冗談で済んだのだと思います。さらに想像をふくらませるならば、ニルソン艦長はショタコンではないものの、ゲイかバイセクシャルであることが知られていたのかもしれません。

ですから、コレットとハラボフが恋愛しても、別に不思議ではありません。

なかなか本文中に出せない設定として、「同盟の最多数派はバイセクシャル(ただし、実際の経験は同性のみか異性のみが多く、両方と経験した人は少ない)」、「LGBTのどれでもない同盟人は少数派」、「登場人物も当然そう」、「アルマはガチで女性にモテる」というのがあります。

>敬愛感情の描写が回を重ねるごとにやべーことになってますが、外見描写もプラスの意味でやべーことになってます
これはコレットの成長をあらわしています。

>エリヤにとって外見が一番好みなのはアマラ・ムルティっぽいですが、最新回ではそれに迫るか超えてしまったぐらいの勢いに…
>これは一般的な評価なのかエリヤフィルターによるものなのか…
一般的評価です。

なお、ムルティはあまりに美しすぎるので、好みどうこうという次元を超えています。ムルティはムルティという名の万能属性であって、その他の属性とは関係ないのです。

>ガーディアン認定同盟軍美女TOP3のうち2人を従えて(1人は実はほぼ無関係なんだけど)歩くエリヤはそりゃあ目立った存在なんでしょうなあ…
めちゃくちゃ目立ちますね。

>分艦隊司令として十分な実績を示したコレット。人望も厚いと評される彼女は、異常なエリヤびいきさえ抑えれば、
>もう少しすればどの派閥でもやっていけてしまうのでは?とも思います
実力的にはやっていけます。でも、受け入れてもらえないのではないでしょうか。あまりにエリヤと近すぎます。エリヤ色が強すぎます。ロボス派以外の派閥がフォークを受け入れるのか、ヤン派以外の派閥がアッテンボローを受け入れるのか、というのと同じ話ですね。

>今のところ一人立ちする気は全くないようですが、それができると気づいてしまった時が巣立ちの時になるのでしょうか
巣立ちの時はいつかきます。どんな時かは明言できませんが。

>銀英伝if二次創作としてもちろん、エリヤの成長物語としての面、コレットの成長物語、ベッカーの「姪」の登場はあるのか?など
成長物語という面はひじょうにありますね。原作にも成長できる人間と完成された人間、成長する人間と成長しない人間という構図があります。本作もそれを踏襲しています。

ベッカーのめいは出したいのですが、なかなかタイミングが合いません。


日時:2020年01月08日(水) 20:38

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