2月の投稿予告です

「キリト先輩、ちゃんと食べて下さい」

口の中のパンを咀嚼しながら、ついぼんやりと車椅子に座っているだけのキリトを見つめていたアスナはロニエが発した困り声に意識を取り戻した。自分の隣で同じように寝不足の顔のままサンドイッチを口に運んでいたアリスがスッ、と立ち上がる。

「キリトはこの干し肉の味が少し苦手のようです。私が世話をしていた時もこの肉を使った料理の時は何回も口元に運ばないと食べてくれませんでした」

この世界でキリトの味の好みを知っているアリスがほんの少し優越感を混ぜた瞳でちら、とアスナを見てからキリトの前に跪いた。

「少し根気が必要ですが……キリト、口を開けて下さい。きちんと栄養をとらなければ天命が維持できません」

宥めるように言い聞かせながらロニエから受け取ったサンドイッチをキリトに食べさせようとしていたアリスだったが、いつもならここまで勧めれば食べていたのだろう、それが今日に限っては頑なに口を動かそうとしない様子に優美な顔立ちが理解不能を表す。すると今まで黙ってサンドイッチを味わっていたアスナがそれをゆっくりと飲み込んでから徐にキリトに近づいた。

「ちょっといいかしら?」

そう言ってキリトの為にとロニエが用意してくれたサンドイッチをアリスから皿ごと受け取ると、挟んであった具を二つに分ける。片方のパンには干し肉とチーズを、もう一枚のパンには干し果物をのせてそれぞれを棒状にくるくると巻き、一口大にちぎった。

「きっと、こうすれば……」

干し肉とチーズのロールサンドを白魚のような指で挟んで「キリトくん」と呼びかける。

「ロニエさんが用意してくれた朝食、食べなきゃ駄目だよ」

すると虚ろな瞳のままのキリトの唇が素直に開いた。

「はい、どうぞ」

にっこり、と笑ってそれを口に入れる。ロニエとアリスは唖然としたまま何の抵抗もなくもぐもぐと干し肉のサンドイッチを食べているキリトと甲斐甲斐しく次のロールサンドの用意をしているアスナを見つめたのだった。





…………と、のっけから失礼しました。
アリシ編のUWで幌馬車の中で少女達がキリトの情報交換をした翌朝、こーんなキリアスがあったらよかったのに
なぁ、と思いついたので、もにょもにょと打ってみたわけですが……実際はロニエから普通に食べちゃてますし、
すぐに敵襲でしたしね。
アリシ編はただでさえキリアス要素が薄いのに長編なので少ない要素が更にお白湯レベルにうすまってる感が……。
なのに1月31日は「愛妻家の日」とゆー事で愛妻家キャラのアンケート結果ではキリトさん二年連続一位とかっ。
だったら、もちっと愛妻エピ、プリーズ!、と叫びたい衝動でふと浮かんでしまった上記のSSでした。
「アスナがいるならアスナが食べさせてくれないと食べないキリト」なんですけど、本編はめっちゃシリアス
展開中でしたからね、まぁ無理ですよね、こんなエピ。
そして私のSSに台詞付きアリスの初登場回が「活動報告」スペース!……(ごめん、アリス)
で、アリシ編もですね、いくつかSSが浮かんでるんですけど、どれもTVシリーズしか観てない方にはネタバレ
すぎて書けない、というジレンマで、とりあえずコレなら大丈夫だし、な所でちょっと書いてみたかった欲求を
発散させていただきました。
ご本家(原作)様で『堅焼きパン二枚の間にチーズと干し肉、干し果物を挟んだ素朴な朝食』とあったので、
読んだ時は「パサパサだね」と思ったのと「いくらドライとは言え肉と果物一緒に挟むか?」と感じたのですが、
まあ戦争時の食事なんて味より栄養価優先なのでしょう。

さて、そろそろ本題の活動予告を……

《かさなる手、つながる想い》
珍しくも年中行事ネタ(?)と言うか、季節のイベントネタでお届けします。
ですので、投稿日はきっと…………出来たら…………希望としては…………努力します。

『空の魔法使い』
やっとこさ一月になんとか一本更新しましたが……あれをアスナとユージオの会話とみなしていいのかっ!、と私が
読み手側だったら突っ込むなぁ……なラストで……うん、あれは会話ではないですね。
ちゃんと次は会話してます。


日時:2020年02月01日(土) 22:33

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