ワートリを書く上で注意している事&キャラ解釈

こんにちわ丸米です。
最近ワートリの沼に叩き落されました。半年ちょっとで同原作で三つも書くなんて初めてかもしれない。誰でしょうねこんな風にした奴は。出てきやがれ。

とはいえ、本当にワートリは奥深いというか。細部にまで拘って作られている世界観とキャラクターだと思うばかりです。

で。
ワートリはとにかくその世界観で出来る事出来ない事、キャラの行動原理がしっかり筋が通っている作品ですので。作品を書く上で本当に注意すべき点が多いです。私も初期の頃はいっぱい間違えましたし、更新したお話を消して再投稿するようなことも何度かありました。多分ワートリ原作で何かを書こうと思った時に最初にぶち当たるハードルではないのかな、と思います。

まあでも、恐れずに挑戦すれば大丈夫です。書いていたら慣れます。ミスしても誰かが指摘してくれます。その時に修正すればいいのですから。そう思って私は書いています。

それでもやっぱり。ここに関してずらしてしまうと、取り返しがつかなくなるような要素もございます。
今回は、そういう話をしつつ。とにかく滅茶苦茶多いワートリのキャラクターに関して自分なりの解釈だったり解説だったりを、書いていこうと思います。



1ワートリを書く上での注意点。
基本的に私がワートリを原作にしたお話を書く上で気を付けていることは、

①基本的にワートリのキャラクターは悪役はいるけど悪人はいない、という原則を忘れない事
②物語の展開を行う際には常に客観的要素を重視する事。

この二つです。
ではまず①から。
私の中における「悪役」の定義は、「主人公の利に反する存在」です。
そして「悪人」の定義は「自己の為に他者を害する存在」です。

で、ワートリを見てみますと。
一部の例外であったり名無しのモブを除外すると、「自分の為に好き勝手やって他人に迷惑をかける解りやすいヘイター」がいないんですよね。
基本的に自分の行動に関して筋を通しているキャラがほとんどです。解りやすい悪人があんまりいません。それは敵方の近界民に関してもそうです。
なので物語を展開するうえで善悪論で進めていく形は非常に難しいです。
悪人がいないからです。
そしてそこに悪人を作ろうとするなら、無理やりキャラを変えていくしかありません。
それも一つの手段だとも思いますが、私は基本キャラの魅力を書きたい、という思いが二次創作をする上での大原則になっていますので、キャラを捻じ曲げて無理矢理に悪人を作るようなお話は作りたくありません。そして、キャラが全員筋を通している部分も、ワートリという原作が持つ一番重要な魅力の一つだとも考えています。そこを損なわせてなお面白いお話を作る自信がないので、やっぱり無理です。
なので基本的に、キャラで対立させようとするときも、善悪で語るのではなく純粋な利害で対立させるのが望ましいです。「正義VS悪」ではなく「正義VS正義」という構造にしなければならない。対立する相手も正義であることを認めた上で、それでも自分の正しいと思う事をする。こういう形にした方が、キャラが崩れないので、これを念頭に置いたうえで書いています。

②物語の展開を行う際には常に客観的要素を重視する事。
これは物語の構造部分の注意点ですね。
簡単に言えば、「原作の物語の流れを変えるのならば、変える客観的理由を作らなければならない」という原則です。
ワートリは舞台となるボーダーという組織があり、近界民という敵があり、そして様々な規格があります。
そして原作は、常にこの舞台と規格の範疇内に収めながら物語を展開していきます。
規格で出来ない事は出来ない。だから規格の範囲で工夫して物語を作る。
これがワートリの基本思想にあるのだと(勝手に)思っています。
なので。
基本原作と違う展開を書く上では「何故変えるのか」「何故変えなければならないのか」という問いに対する解答を用意した上で、作っています。

基本。
この二点さえ間違えなければ、読者の皆さんは多少ミスしても許してくれると思います。
時系列や細かい設定のミスは後でいくらでも修正が効きます。
ただ。
この二点に関しては原作に対するリスペクトの問題になるので、ここを間違えると本当に取り返しがつかない部分だと思います。

これからも気を付けていきます。

2 ワートリのキャラ解釈表

ワートリのキャラには一つ筋がある。そう前述したように、私はキャラを動かす上でこの「筋」が何なのかを考えた上で動かしています。
流石に全員分を詳細に考えられてはいませんが、それでもある程度推測も交えながらも分析をして書いております。

全員分書きたいんですけど、残念ですけど活動報告の文字数制限に引っかかりそうなので今回は主要キャラの三人分。修、遊真、千佳ちゃんの解釈をちょいと書こうかと。

まずは修。
修はまずもって相当なエゴイストかつマキャベリストです。
自分が定めた目的にひたすら忠実で、その目的を果たす為ならば手段を択びません。そして、自分の行動によって他人からどう思われようが全く気にもしません。その目的がとにかく善性(クラスメイトを助ける・千佳を守る・空閑を救う)に寄っているからこそ物語におけるヒーローになっていますが、これが仮に完全に自分の利益の為に行動するようなキャラだったら悪人待ったなしです。何というか、本当にアンバランスなキャラクターだと思います。
才能はないけど目的意識がある。目的を達成するための手段は選びません。
そしてその手段を択ばない、の範疇に自分の命すらある。自分の命を捨てて目的が達成できるならそれでOKと心から思っている。そういうある種の異常さを含有したキャラ。それが三雲修だと個人的に解釈しています。

遊真。
遊真は凄く単純明快。「嘘の判別が効く奴」でかつ「命のやり取りが前提の世界にいた」キャラクターです。
基本的に力がなければ自身の主張とか思想とかが通用しないという論理の世界で生きて来たので。力のない弱者が自分に害そうとしたら当然自分も力を行使します。強者が弱者を押さえつけることも当たり前の事ととして捉えています。
だからこそ、力のない弱者が強い奴に歯向かったり、自己保身を考えずに他者の為に行動できる奴に強い違和感を覚えます。はい、オッサムですね。何か別の意図があるのかな、と思って嘘ついてないかなーって探りを入れますけど嘘全くついていません。ナニコレ。面白い奴だな。こんな奴も別世界にいるんだ。でもう修にくびったけになっていきます。本当に、遊真が女の子だったら一発で物語の方針が決まっていたでしょうね。それ位解りやすい立ち位置にいるキャラです。
力の論理で生きてきた人間なので、その論理がひっくり返っている場面においては不自然に思ったりもします。大規模侵攻後のマスコミの記者会見とかもそうですね。力のあるボーダーという組織が弱者を庇護してやっていたのに、なぜその事に対して庇護された側の弱者が噛みつくのか。別の論理で生きて来た人間が、玄界の常識に対して疑問を覚えるキャラ、という側面もありますね。
そして嘘が解るので、逆を言えば本音も理解できます。なので本心からいい人にはすぐに懐きます。で、ボーダーの人間は基本的にいい人や裏表ない奴が多いので、今はすんごく楽しそうにしていますね。周りん人間によって印象が変わるキャラだとも思います。

で。
千佳ちゃん。
この子に関しては死ぬほど悩みました。この子に関しては本当に、ずっと解釈に迷っていた。
ただ他の作者の方たちの意見を統括して、ようやく自分の中で結論が出ました。
千佳ちゃんは「他人を思いやれる優しい子」であると同時に「自分の行いによって他者から責められるのが恐ろしいと感じている子」でもあります。ここが二重構造になっているキャラです。
千佳ちゃんはラウンド7のランク戦の後。ヒュースから「人を撃てるだろう」と言われた後。「本当は人に責められるのが怖くて撃たないんだ」と告白します。
過去自分の所為で近界民に友達が攫われた過去があり、そこから周りの人に責められるんじゃないか、という恐怖も持っている。「自分の行動によって起きた結果」に対して、まず「他者からの責め」が連想される癖があります。だから恐れる。なので彼女の行動規範は基本的に「他者から許されるかどうか」が判断基準としてあります。
莫大な自身のトリオン。それによって行使されるとんでもない砲撃。これで撃破された人間から、卑怯だと責められないだろうか。
その思いがあって、「人を撃たない」という行動に帰結された。人を撃たなければ、自分は許されるという思いがあったから。
私は「砲撃によって地形を変えたり、鉛弾で敵の足止めをするのも人から責められるんじゃ?」と疑問を持ったわけですが、そこに関しては客観的な被害どうこうよりも、千佳ちゃんの主観を優先しなければ、と考えなおしました。砲撃でボーダー本部に大穴開けたのも鬼怒田さんに許されてます。鉛弾もそもそもユズル経由で教わっています。「これはやってもいい」と判断するには十分な論拠もあります。

そして、「人から責められるのが怖い」というのは一つの事実なんですけど、千佳ちゃんはそれを今までの行動と全部結び付けている感じで話しているんですよね。ここが更なる混乱ポイント。
個人的に、「全部が全部人から責められる恐怖でがんじがらめになっているキャラ」ではないと思っています。
「人から責められるのが怖い」から「真面目に見せよう、優しく見せよう」というキャラじゃなくて。
元々の部分で「優しくて、真面目」な性格があって、そこが過去の部分と結びついて「人から責められるのが怖くて仕方が無くなった」キャラになったのだと、思います。
元々が他人を思いやれる優しい子だから、自分の所為で友人が攫われたことに心が痛む。真面目だからその事に責任感も感じる。だから今の現状がある。
でも当の千佳ちゃんは「人から責められるのが怖いから、優しくしているし真面目ぶってる」と自己評価している節があるんですよね。ここがかなりの混乱ポイントで、あの時の千佳ちゃんの台詞は、千佳ちゃんの主観から見れば全部嘘なしの正しい事を吐いているんですけど、客観的に見れば千佳ちゃんの自虐込みの部分も大いにある。
だから二重構造。
千佳ちゃんの主観は、「責められるのが怖い」→「人を思いやれる性格」
なんですけど
客観で捉えると、「人を思いやれる性格」→「責められるのが怖い」
なんですよね。
この辺りが本当に難しかった。
今まで全く内心描写がなかった分、あの千佳ちゃんシーンは唯一の内心吐露だったので。アレを全部が全部客観的に正しいと思い込んでしまうと、混乱してしまうんだろうなぁ、と思いました。

修とは割と対比的だな、と思います。他者からの評価がどうでもいい修と、優しさゆえにどうしても気にかかる千佳ちゃん。この辺りも凄く良く出来ているなぁ、と思ったり。

以上。
玉狛主人公一味の解釈でした。

またどこかで気分が向いたら、別のキャラの解釈も書こうかなーと思います。
その辺りの要望があれば、コメントで仰っていただいても大丈夫です。むしろ読者様がどのキャラに興味を持っているかも知りたいのでばしばし書いて頂ければ。時間があれば書きます。

以上。
丸米でしたー。


日時:2020年02月21日(金) 16:28

<< お知らせ 更新停止のお知らせ >>

▼コメントを書く

返信コメント

空飛ぶ棺おけ

丸米さんの作品全て楽しませて読ませていただいてます。
考察、拝見させていただきました!

ワートリ世界ってネームドの悪人が全然いなくて、そういうセリフをモブに言わせることになるので、
原作も二次も「モブのC級隊員の性格が最悪すぎる…!」みたいになりがちですよね。

ネイバーのユーマは「変な環境で生きてきただけでわりと普通」で、
一見、一般人のオッサムの方が
普通の環境で生きてきたはずなのに変なやつなんですよね。

千佳ちゃんはリーゼントの彼が指摘したように「根は"戦える女"なのに人を撃てなかった」という
複雑な心理状況にある女子だと思います。ワートリキャラはみんなクレバーなんで珍しい。
心境を吐露したシーンや最近話まで読んでもなかなか解釈が難しいキャラですが、
この考察を読んでなるほどと思いました。

キャラの解釈を見たいのは、とりまるですね。
レイジさんやこなみと比べると出番やオッサムの師匠という存在感のわりに
あまり本心を見せぬ男だと思います。二次創作でもあんまり戦闘シーンに出ないし。
(双月やフルアームズと比べるとガイストはまだわからない点が多いせいでしょうか)
バイト掛け持ちしてるらしいですがボーダーはもうちょっと給料払ってあげて。

他に興味がある部分ですと、原作のキャラの~という趣旨からは外れますが、
「ワールドトリガー二次創作でよくあるパターン」についての考察も楽しそうだと思いました。
テレポーターは回避にも奇襲にも使える最強のトリガー説とか。
シールドをトリオン体にぶつけてバランスを崩したり空中ジャンプする技、あれできるの?とか。
那須さんどの作品でも強いとか、太刀川に斬られまくるのは手っ取り早いレベリングだとか。
ワートリ原作はともかく、「ワートリ二次SS」と限定すると一気に語れる場や人が減るので貴重なんですよね。

では、これからも丸米さんのご活動を楽しみにさせていただきます。


日時:2020年05月12日(火) 22:57

カンさん

たしかなまんぞく
素晴らしい考察でした。参考にさせて貰います!


日時:2020年02月21日(金) 22:26



返信

    現在:0文字 10~1000文字