初めての二次小説を終えて

 長らく「骨舞う旅路」をご愛読いただき、ありがとうございました。

 以下、オーバーロードとは関係のない個人的な所感、反省などをつらつらと書き連ねるだけの文章となります。





 「骨舞う旅路」は初めて手掛ける二次小説でした。オバロのネタ絵を描いて「こんな漫画誰か描いて」とpixivに投稿したところ、「小説ならハーメルンという投稿サイトにありますよ」とメッセージをいただき、オバロの二次小説を読み始めたのが全ての始まりです。
 それまでは絵を描くばかりで二次小説とは接点がなく、ハーメルンに投稿されていたオバロ作品に新鮮さを感じました。

 そして恐らく多くの二次小説作家と同じように、何となく自分も書いてみたいなと思ってしまったのです。

 執筆するにあたって右も左も分からない事だらけ。
 まず専門用語が分からない。特に必須タグに指定されている用語を理解するところからの挑戦です。オリ主、神様転生、アンチ・ヘイトなどですかね。感想欄で見かける「エタる」も意味が分かりませんでした。

 調べるうちに「オリ主はヤベェぞ」となんとなく肌で感じました。個人的にはオリ主に忌避感は無いのですが、知人のライターに意見を求めたところガッツリとリスクの説明を受けて納得。
 オバロには「未登場の御方」枠があるのでオリ主を登場させやすいのですが、初めての執筆で完全にオリジナルの登場人物を動かすのはハードルが高いと判断しました。

 悩んだ末に「やまいこ」をモモンガと一緒に転移させました。理由は半魔巨人が“人型”で描写が容易なのではという打算、ボクっ子なので台詞で差別化しやすい、知識が豊富でも教師設定で誤魔化せる、他に「やまいこ」が登場する二次が少なかったから。そして趣味。
 他の候補としては、警察官のたっち・みー、大学教授の死獣天朱雀がいました。ただ片や妻子持ちで転移直後に拗れる可能性があり、片や老齢なキャラクターを表現できる自信がなく断念しました。

 ナザリックの転移先をスレイン法国にしたのは、当時(2016年07月頃)は他に似たようなシチュエーションの小説が見当たらなかったからです。ただこのスレイン法国スタートは上手く作品内で活かせませんでした。
 同じく活かせなかったのが書き換えたアルベドの設定。登場頻度も少なく、アルベド好きの人には申し訳なかったと思います。





 一話の文字数を8000文字以上と決めていました。
 処女作で、それも二次小説で高評価は得られないだろうと覚悟はしていましたが、ハーメルン運営のQ&Aにて、「調整平均8以上:7490字」とあったため、きりのいい8000文字にした訳です。
 怖くてもやっぱ評価はされたかったのです。

 次いで書き始める前に、「リピーターを付けるためにどうすればいいか」を考えました。自分が読み手の時、何を基準にお気に入りに入れていたかを考えました。
 結論としては「出だし」が肝心かなと。オバロ二次読者が読み慣れているであろうテンプレを圧縮して、物語が動き出すまで(御方が冒険に出るまで)を、更新間隔3日くらいで一気に公開することにしました。

 因みにプロローグを書き終え、投稿するまでに5日間の空白があります。
 この間、ずっと投稿する勇気が湧かなかったのです。酷評されたらどうしようとか、そもそも感想がひとつも来なかったらどうしようとか。悶々としていたのを覚えています。イラストなら何も考えずに投稿できるのに、小説の投稿となると投稿ボタンが押せなかったのです。いっそこのまま非公開のままでもいいのではとも思いました。
 いやはや、何事も「初めて」は勇気がいるんですね。





 投稿にこなれてきた頃、気になるツイートを見かけました。
 ハーメルン運営の「ユーザの閲覧環境」なるツイートです。
 曰く、「スマホ78%、PC20%、ゲーム機2%」。

 PC世代としては信じられない数値です。PC所有率が下がっているという話は以前から聞いていましたが、ここまで開きがあるとは思いもよらず、大変驚きました。
 ただその理由が閲覧される時間帯が通勤時間、つまり電車内にいる時間帯に集中していることを考えると納得です。あとは昼休みと思われる時間帯などですかね。

 そこで気になったのがスマホ版での文字の表示状況です。
 それまでPCで執筆、確認、投稿をしていたのですが、8割近くの人がスマホで見ているならスマホでも確認すべきだと思いました。で、さっそく見つけた問題点が二つ。
 ひとつは改行を重ねる回数。
 もう一つは一話辺りの文字数上限。

 前者は文章と文章の間をあける改行のこと。
 これは5行までと自分ルールを作りました。5行以上過剰に改行してしまうと、1回のスワイプで次の段落が表示されず、大変ストレスを感じたからです。マウスのホイールでスクロールするぶんには気にならなかった改行も、スマホになると途端にストレスの対象になるのは面白い発見でした。
 そして後者はそのままの意味です。スマホのスペックに左右されると思うのですが、私の環境だと2~3万文字を超えると動作がもっさりとしだすため、これもまたストレスでした。執筆に慣れてきて、最大文字数をどれくらいにしようかと迷っていた時期だったので、これもいい発見でした。
 個人の環境を基準にするのはあれですが、取りあえず15000文字を目途に、それを超えるようなら2話に分けるようにしました。





 太文字に関して。
 書き始めの頃、強調したい文章に傍点を振るのに違和感を覚えていました。というのも、ジョジョの影響で単語や台詞に傍点を振ると、“必要以上に含みを持ってしまう”と感じていたからです。
 そこで一時期、強調したい単語や台詞に傍点の代わりに太文字を使っていました。

 ただ、いざ読み返してみると失敗だと気付きました。
 短い間隔で太文字が点々と表示されると、“地の文章を読まず太文字だけ目で追ってしまう”のです。誘導された視線は彷徨い、文頭から読み直すこともあれば、面倒だとさっさと次の段落まで飛ばしたりと、気分によってまちまちですが、地の文章が頭に入らなくなりました。
 可読性を下げないために傍点に戻し、場合によってはカギカッコのバリエーションで強調するようになりました。
 太文字は視覚効果は面白いのですが使いどころが難しいですね。





 各話の前書きと後書きに関して。
 読み手だった時、前書きに書かれる謝罪文と、小説と無関係な作者の人格が透けて見える長文が苦手でした。前者は主に作者が公言した投稿日を守れなかった時に書かれる謝罪文で、後者は作者の近況や趣味嗜好を長文で書き連ねるものです。物語の出だしでいきなり躓く感じが好きになれませんでした。
 なので前書きは書かないスタイルだったのですが、今は「あらすじ」だけでも簡潔にまとめて載せておくべきだったと思っています。というのも、更新間隔が開いたとき、1話前のアクセスが伸びるのです。これは正直よろしくない。投稿間隔が長すぎて、「どんな話だったっけ?」と読者に再確認させてしまっている証拠で、あらすじさえあれば多少は防げた現象ではと思っています。もちろん頻繁に更新するのが一番なんですが。
(追記:1話前のアクセスが伸びる件は、しおり機能を利用することで伸びている可能性が浮上)

 後書きは独自設定を書く場にしました。
 二次創作を扱う上でどうしても原作との差異や、描かれていない部分の補完をしなければならず、それらの設定を説明する場が必要だと感じたからです。





 更新間隔に関して。
 期待を持たせるのも、約束を守れないのも、趣味に拘束されるのも嫌なので、投稿日などの約束事はせず、公開できるだけ書き溜めたら順次投稿するスタイルにしました。
 書き始めた頃は「週一で!」みたいに意気込んでいたんですが、まあ、無理でしたね。

 特定の曜日に更新しようなんて考えていた時期もありましたが、投稿できそうならさっさと投稿してしまった方がいいです。ちょっとしたタイミングの差で他作品とネタ被りしてしまうと要らぬ疑いを持たれてしまいますので。





 投稿するにあたり目標がありました。「原作オーバーロードの総合評価でトップ30以内に入る」です。27話か30話あたりで達成できましたが、達成すると満足してしまい、執筆のモチベーションが著しく低下。更新頻度の激減として現れてしまいました。
 申し訳ない。





 プロットは用意したほうがいい。





 誤字報告をして頂いた方々。(2022/10/03)

こりぶりん様、九尾様、紅茶王女様、しゃのあ様、woodenface様、アンコール・スワットル様、ふがふがふがしす様、kuro様、zzzz様、平西将軍倭隋様、410様、たぬき帝国様、lakuda様、さーくるぷりんと様、トウセツ様、地沢臨様、clp様、たぬき帝国様、(ΦωΦ)様、ティーダ様、蛇髪様、全自動洗濯板様、ケッティー様、ノム様、yc0902様、トマス二世様、紅蓮一様、とるべりあ様、黄金拍車様、名のある川の主様、くらねす様、高機動トウモロコシ様、junq様、鶴嘴様、よもぎもち様、うどんゲイン様、きっゃまだ様、五郎二郎様、小走り田中エンジン様、みえる様、黒帽子様、すたた様、アークメイツ様、miiko様、ジャック・オー・ランタン様、yu-様、スペッキオ様、so-tak様、タクサン様、NKVD様、対艦ヘリ骸龍様、Renaissance様、たこ焼き製造工場様、花快晴様、佐藤東沙様、水戸咏様、paso様、物理破壊設定様、俺YOEE様、亜蘭作務村様、冥﨑梓様、あんころ(餅)様、雷小龍様、Zodiac様、ユウれい様、tino_ue様

 沢山の感想をくださいました皆様へ。
 執筆にあたり大変励みになりました。
 ありがとうございました。


日時:2022年10月04日(火) 17:53


▼コメントを書く

返信コメント

カド=フックベルグ

読んでいてとても面白かったです。
大変参考になりました。


日時:2022年07月15日(金) 04:37

お好みソース

楽しく読ませていただきました
次回作期待してます
お疲れ様でした


日時:2020年03月20日(金) 13:38

九尾

お疲れ様でした

pixivだとイラストも小説もBL系が多めだったりと、サイトごとに方向性が異なりますね
合っているところで出したり探したりする方が建設的でしょうな


日時:2020年03月12日(木) 18:34

残響死滅NEO

お疲れ様でした。
楽しい物語を本当にありがとうございます


日時:2020年03月12日(木) 00:23



返信

    現在:0文字 10~1000文字