脳内でまほ隊長がまほルート状態で割とアホの子になってるときはヘラジカ状態というイメージ
「そういえば―――」
ふと気が付いたまほは、以前から気になっていたことをエミに聞いてみることにした。
「エミの誕生日はいつなんだ?」
そう、まほは誕生日を祝われた記憶があるが、エミの誕生日というものを聞いたことがない。
或いは誰か黒森峰の生徒で聞いて居る人物がいるかもしれないが、少なくともまほはこれまで質問したことすらなかった。
質問されたエミの方は少しだけ困ったような顔で何か思案していたが……やがてハァと軽く息を吐いて
「あ~……私誕生日わからないんだ。孤児院育ちで親のことも思い出せないもんでね」
そんなことをさらりと言ってのけた。
「―――すまなかった。無神経に嫌な質問をしてしまったようだ」
「いーっていーって、私も誕生日とかそういうの(みほエリにとって重要ではないから)どうでもいいし」
エミの言葉にまほの脳内はグルグルと高速思考し続けていた。
誕生日とかどうでもいい → 両親のことを知らないから → 両親の愛を知らない → 愛を知らぬが故に自分も愛せない → 自己評価・自己価値が低い → 自分を大事にしない行動が多い = 怪我が多い
(思いもよらぬところでつながってしまったか……)
まほの高速演算は自身の打ち出した(自己認識で)非の打ち所がない結論に内心で得心に至り、ならばとまほは腰を上げた
「エミ―――ついてきてくれ」
「??? 別にいいけど」
頭の上に?を浮かべた状態のエミを引っ張って、まだ多くの生徒でごった返す学食に突入する。
ざわめく生徒たちを前に、まほはすぅと息を吸って―――
「―――黒森峰戦車道科の諸君。今日この日を、天翔エミの誕生日とする。総員、エミの生誕を祝う者がいるならば、杯を取れ!!」
凛とした良く通る声にざわめきはおさまり――――――状況がわからずに狼狽えるエミを置き去りに
「あ、じゃあ私やります」「じゃあ私も」「おばちゃーん!こっちにタルで下さーい」
割とノリノリで生徒たちが思い思いにカップを、グラスを、杯を掲げる。
「―――なぁ、まほ?急すぎてついていけないんだが、なんで今日なんだ?」
エミがまほに恐る恐る尋ねると、まほは余り周囲に見せない微笑みを見せて、高らかに宣言した。
「私がエミを(戦友として)強く意識した記念の日だからだ!!!」
「「「「
宣言と同時に湧き上がる歓声と乾杯の唱和にエミの反論はかき消された。
奇しくもその日は、まほがエミに初敗北を喫した運命の日であり―――すべてが始まった紅白戦の日であった。
後日。「皆に祝われてはしゃぎすぎて階段から転げ落ちた」とコメントして病院に入院したエミは全身打撲状態に加えてなぜか数か所に切創痕を残す怪我の痕があったという―――。
という脳内から染み出してきた妄想()
日時:2020年03月28日(土) 06:22
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