やみなべ - 第2部5章後半「星間都市山脈　オリュンポス」クリア

第2部5章後半「星間都市山脈　オリュンポス」クリア

第2部5章後半「星間都市山脈　オリュンポス」のネタバレが多分に含まれるので、ご覧になる場合はご注意を。

とりあえず、面白かったです。面白かったんですが……予想は超えても期待を超えるほどではなかったかなぁ、と。
マシュの新装備とかキリシュタリアの背景とか、今後への伏線・布石とかムネアツ要素はたくさんあったんですけどね。

長いのは個人的に何も問題はないですし、新たな難所に何度も返り討ちにあったのも、いろいろ工夫できて楽しかったです。まぁ、人によってはそのあたりにも色々思うところがある人もいるのでしょうが、私はアレはアレでよかったと思っています。
ただ一部わかり難かったり、「ん？」と首を傾げたり、肩透かしを食らう場面もないではなかったのがちょっと残念でした。

今までの異聞帯と違って、現地住民が基本敵意満々だったのは新鮮でしたね。今までは異聞帯の王周辺しか真相を知らなかったのに、今回は周知されてますし、だからこそ「悪魔」をはじめいろいろ言われてました。当事者たちは、分かっていても心抉られたことでしょう。

そんな中で現れた協力者。一面では心中に世界と同胞を巻き込んでいるとも取れますが、想像もできないくらい長い時間を生き、にも拘らずそのほぼ全てが「昨日と同じ今日の繰り返し」だったわけで……その中で「昨日と違う今日」「今日と違う明日」を求めるということは、「考える葦(ニンゲン)」であり続けたということではないでしょうか。
一人だけで考えるのではなく、相談した末での結論。きっと、我々が想像するくらいの問題点はすべて承知の上だったことでしょう。その上で、「一万年の停滞」という「剪定された理由」を壊し、「まだ見ぬ明日＝未知」へ進もうとした姿勢には“hollow”でのアンリを思い出すと同時に、絶対者である神を超えようという気概を感じました。
どんな形であれ進み続けることが人間の証であるのなら、オリュンポスにおいてはあの双子こそが最後に残った本当の意味での人間だったのかもしれません。
自殺ではなく、剪定(滅び)を乗り越えるための戦い……一概に弾劾できることではないと思います。
まぁ、結果的に言えば、双子やカルデアが何もしなくてもあの異聞帯の人々に先はなかったわけですが……。

というか、ロシアを除いた異聞帯はカルデアの介入で剪定の理由を打破しているわけですよね。万が一にも復活したりしないかなぁと思ったり……特にオリュンポスの場合、あの双子という現地住民もまた主体となっていたわけで、またもや消えてしまうというのはやるせない限りです。

キリシュタリアについては、ケイネスとかアルバと違って最後まで堂々としていて素晴らしかったです。もっと彼の過去や心情、主人公やマシュへ向ける思いについて触れてほしかったくらいですね。なんなら、もっと長くなっても構わないくらいに。この先、触れる機会があると嬉しいです。
ただ、思っていたより愉快な人物だったので、その意味でも彼のことが知りたいです。何事もなかった時、あるいはこの戦いの末になんだかんだで生き残った彼と主人公たちとの交流とか。オフェリアもそうでしたが、見たい「if」はたくさんありますね。

ゼウス戦に関しては、もうちょっと文章に起こしてもらえると助かりました。
どこかの考察で見ましたが、応援に駆け付けた二人はとある神話体系においてゼウスと同一視される存在と同格の神性だそうな。つまり、同格二人が敵に回った状態であり、同時に唯一無二の頂点ではなくなったということ。概念的な絶対性が崩れたからこそ……ということなのですが、思い返してみるとマシュもゼウス計測時に数値の低さに驚いている描写があったんですよね。
その時は「？」という感じだったのですが、これを読んでようやく理解できました。その辺、もちょっとわかりやすくしてほしかったなぁ。まぁ、あの場面で長々と説明されても勢いがなくなるのはわかるので、あとから補足してほしかった。

しかし、何はともあれ面白かったのは事実。今後が楽しみな伏線も多いですし、概ね満足ですね。大物感出しておいて肩透かし…ということもありませんでしたし、ベリルもいい感じに動いてますし。
まぁ、当分村正実装はなさそうですが、気になることは山盛りです。

ブリテン異聞帯はどうなっているのか？

カドックとペペの今後は？

そういや回想（？）にデイビッド出てこなかったけどどうして？

南米えらいことになりそうだけど大丈夫？

とか、本当に色々。コヤンスカヤも気になるところですし……。

とはいえ、大統領が登場した瞬間、空気が一変しましたね。ついていけなくなりそうでしたが、だからこそ今後が怖い。超シリアスな場面をブレイクしてくれたわけだけども、言動はともかく存在的には特級どころか超級の危険物。間違いなく、もう一回空気をブレイクするでしょうね。
シリアスからギャグ（もどき）になって、その次は……？　いやぁ、楽しみ楽しみ。というか、愉悦神父がどんでん返ししたりしない？　大丈夫？

そういえば武蔵ちゃんもマテリアルから消えてるんですよね。そのうち復活するでしょうが、あんまり長引かせはしない…と思いたい。イベントだと参加できない人もいるでしょうし、だとするとストーリー？　な～んかこれ見よがしに次の異聞帯との間に黒い「・」があるんですよねぇ。
リンボもなんか言ってるし、また何かが起きる予感……。

ま、とりあえず差し当たってはコラボイベント。順調にいけば4月29日あたりからでしょうが、コロナがありますからね。どうなることやら……。
オリュンポス配信が生放送の翌日という中途半端になったのも、これ関係で審査が遅れたのでしょうしね。
中には穿った見方をしている方もおられるようですが、そもそも「制作スケジュール」も「進捗状況」も我々の知る由のないことですし、加えてこの突発的事態がどう影響しているかなんて尚の事。業界の人ならある程度分かるんでしょうが、それでも制作側でなければ細かいことまではわかりません。
わざわざ不愉快になるような考え方をしても仕方がないわけですし……証拠のない変な憶測なんかせず、「そうなのかー」と純粋に…あるいは頭空っぽにして楽しみにすればいいと思うやみなべでした。