2 お色気の術を極めたら都市伝説扱いされるって誰が予想出来る?




「完全にしてやられたって気分だ。切り札と勝手に決め付けていた九尾の化け物すら、あの女にとっては囮でしかなかった」


信じられないような話だった。恐らく、この男が言う化け物が本当なら、それはあの時に木ノ葉の里を襲った九尾の狐。 

現在、九尾は『うずまきナルト』の中に封印されているから偽物の可能性の方が高いが、この男の実力は本物だ。そんな奴が一方的に殺される、と感じる程の脅威。例え偽物であったとしても、十分過ぎる程の能力に違いは無い。

『うちは』の者では無い・・・と思う。マダラと名乗る男のような存在だと考えれば・・・可能性がゼロとも言えないが。(・・・仮にうちはの者だったら、それはそれで嬉しいのだけど) 

それにここ何年か、里の上忍が血眼になって探しても録な情報を一つとして掴ませないその能力を考慮すると・・・・・・やはり、真実味を帯びる。

ならば、本当に彼女が九尾を?・・・・・・ふふっ、何故だろうな。そうでない方がいいのに、俺は既にそうだと決め付けている。その事実がどうしても嬉しくなる。

この情報があれば・・・上手くいくかもしれん。




 

『成る程。では、九尾の捜索の序にその女狐とやらの捜索も行え。可能ならば仲間に引き入れろ。出来なければ拘束なり好きにしろ。この件に関しては・・・イタチと十蔵、お前達が主導だ。他の者は序でいい。女狐の姿を知っているのはお前達しか居ないからな』 

『了解した』

『あぁ、分かったよ』
 

暗闇の中で複数の人影が向かい合っている。リーダー格と思われる人物からの命令に写輪眼を宿した者と大剣を担いだ者が静かに頷く。
 

『あら、イタチ君にしては随分と・・・』

『それでは今日は解散だ』


蛇のような眼をした者が口を開いたと同時に全員がその場から消え去る。残ったのは蛇の者だけ。その男は不気味に笑うと同じように姿を消した。

笑い声は・・・何処か物悲しそうだった。





「・・・良かったのかよ」 

「・・・何がだ」

「女狐の事だ。俺は構わねぇが・・・お前、他人に知られるのを随分と嫌ってだじゃねぇか」


十蔵の話を聞いたイタチはその数日後の招集で自身が知っている女狐についての事を話した。勿論、十蔵から聞いた九尾の話もあり、十蔵には何故黙っていたのかを質問した程度で特にお咎めは無かった。

十蔵が気になったのはイタチの話し方だ。まるで女狐を組織が狙うかのように誘導し、事実こうして正式な命令が降りた。

『女狐』という言葉だけでも反応するイタチが何を思っているのか、十蔵にはよく分からなかった。
 

「構わん。里の多くが探していたが見付からなかった。ならば、俺一人で見付けられるとも限らん」


「だから、見付けれないよりは組織に話して手を借りようってか・・・」
 

「・・・そうだ」


「・・・お前、アイツを捕まえても他者に渡す気なんて無いだろう」

 
「・・・・・・・・・・・・・・・さぁな」


「おい、なんだ今の間は」
 

答えないとばかりにそっぽを向いて歩き出すイタチ。その後を呆れ顔で追い掛け、二人は次の任務へと向かった。



◇◇◇


結構前に書いた物なので矛盾点などがあれば修正致します。あんまり面白く無かったけど、そこそこ必要そうな情報だったのでこっちに投稿致しました。


十蔵の回想の九尾について。

勿論、偽物です。

見た目は完全に九尾ですが、まずサイズが三分の一。攻撃力も殆ど皆無。十蔵の推測通り、長時間の出現は無理。トリックについてですが、まずは女狐の能力を紹介します。
 

【使用忍術】

『変異(オリジナル)』
影分身以上、無(むう)の分裂未満という凄い奴。同時に出せるのは一体まで。

『変化(ほぼオリジナル)』
チャクラの色を見分ける写輪眼ですら、なんか違和感あるなー程度にしか分からない程に高等で繊細な変化。見た目が強烈過ぎるので万華鏡写輪眼を持っていても男なら、ほぼ確実に気絶するのでまず見破れない。(慣れたらいけるかも・・・)
自分で解除するか、チャクラが切れない限り、例え攻撃を受けて気絶しても変化が解ける事は無い。スケベ心って凄い。

『火遁 灯篭流し(オリジナル)』
周囲に小さな火の玉を長時間浮かばせる。用途は暗闇での光源。しかし、そこまで灯りは強くなく、ロウソクといい勝負であり、攻撃力は無い。当たっても「熱っ」てなるだけ。後述する狐達に教えて貰った。

『火遁 狐火(オリジナル)』
灯篭流しの一つの火球を大きくしただけ。数は減るが火力は上がる。ペイン戦での九尾が出した火球くらいの大きさ。威力はそこそこ。後述する狐達に教えて貰った。

『幻術』
本来は変化する架空のモデルをイメージし易いように鍛えた。つまり、自分に術を掛ける用なので他者に対しても掛けれない訳では無いがあまり得意じゃない。精々が中忍レベル。しかし、自分に掛けまくっていたので見破ったり、解除するのは得意。(写輪眼の幻術とかを解除するのは無理) 

『口寄せの術(狐)』
イタチが口寄せする烏みたいなもの。しかし、見た目は普通の狐だが、ある程度の変化の術や火遁の術のようなものが使える。元々は一匹だったが気付けば十数匹くらいになっていた。噂の何処でも現れる、はこの狐達の仕業。喋れないが契約している女狐とだけは意思疎通が可能。

一応、前述した『灯篭流し』や『狐火』は他のカエルや蛇で言う所の仙法の部類に入るが火力が無いので戦闘では直接的には役に立たない。

大体、こんな感じ。


九尾(偽)の仕組みについて。

①口寄せで狐を大量に呼び出す。
②数匹残して、大量の狐で同時に変化する。(フュージョンみたいな感じ)
③3分の1スケールの九尾(ハリボテ)が完成。(十蔵が偽物だと見抜けなかったのは本当の九尾を知らなかったから)
④残しておいた狐達に周囲に起爆札を貼り巡らせる。
⑤そこに向かって九尾(ハリボテ)が狐火を放つ。女狐が幻術も少し使い、本来よりも火球が大きく見えるが狐火の効果範囲と能力に変化は無い。(十蔵が女狐が睨んでいると感じたのは何処に貼ってるかを見逃さないようにしていただけであり、十蔵を睨んでいた訳では無い)

以上、九尾(偽)の仕組み。因みに迫力があるような変化をしているが、その迫力を抜けば見た目も表情も完全に『クラーマ』になる。

この術の使用用途は逃げる時の囮一択。しかも、分身(オリジナル)も含めてチャクラを(女狐目線で)ごっそりと使うので予め使うなら、他の術は殆ど使えない。更に九尾(偽)は一撃まともな攻撃を喰らうとすぐに消える。だって元は戦闘力皆無の狐だし・・・。一応、尻尾への攻撃なら人の背中みたいな感じにダメージが三分の一になったりするので何発かは耐えられる。

攻撃力皆無とは言ったが何匹もの狐の集合体なので突進すれば木ぐらいなら倒せるが、自身も痛くなる諸刃の剣。


人物紹介

『女狐』
・見た事ないけど里の皆が恐れてるから、もしもの時の切り札になるだろう、という軽率な考えの元で作られた囮(偽九尾)により、暁に狙われる事になる
・しかし、基本的に発見された情報の殆どが狐の方なので口寄せして逃がしたり、逆に女狐が『逆口寄せ』してもらう事であっちこっちを点々と出来る。書いてて、少し手間の掛かる瞬身の術じゃね?って思った
・回想時はまだ女狐の名は夜に広まっていなかった
・因みに九尾襲撃時は里の外れで修行していて、それどころでは無かったので気付かなかった

『枇杷十蔵』
・『断刀』の使い手であり、再不斬の前任者
・最終的には四代目水影に殺されちゃう人
・九尾を見た事が無かった為に違和感に気付けなかった
・女狐はまだ女体の研究をし始めたばかりでそこまで刺激的では無かったので被害には合わなかった

『うちはイタチ』
・独占欲が肥大化しちゃった人
・他が女狐捜索にあまり積極的にならないように少し誇張して言ったがまさか本当に捕まらないどころか、姿すら見付けれない事に後々ビックリする

『大蛇丸』
・大蛇〇ぽ


日時:2020年04月15日(水) 22:53

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返信コメント

○○○はCOOLに去るぜ

面白かったです!本編の方もつづき、楽しみにしてます!


日時:2021年09月17日(金) 12:22



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