執筆のリハビリに

リハビリがてら国防装置の少女の先の展開を少し書いてみました。
今までの私の書き方と何か違いや違和感があったら教えてください。ちょっと間が空きすぎて書き方に自信が無くなっているもので。


 臨海学校2日目、篠ノ乃 束が妹へ第4世代型ISをプレゼントするという騒ぎが起きた直後に発生した緊急事態。
 アメリカ・イスラエルで共同開発された軍用IS、銀の福音(シルバリオ・ゴスペル)の暴走に臨海学校に来ていた専用機持ちが対処に当たることとなった。
 作戦は第4世代型IS“紅椿”の高機動性を持って一撃必殺の零落白夜を持つ“白式”を運び、一気に接近して一撃で銀の福音(シルバリオ・ゴスペル)のシールドエネルギーを奪うという、戦闘のプロたる桜姫から見れば杜撰かつ素人考えの作戦とも呼べないお粗末なものだ。
 そこで追加案として出されたのが、桜姫が自衛隊より支給された最新型の超々長距離狙撃用パッケージ“撃鉄・弐式”を使用して紅椿と白式が接敵する直前に銃弾を直撃させるという物だった。
 狙撃のスペシャリストである桜姫と“撃鉄・弐式”の性能があれば失敗はあり得ない。直撃させれば確実に銀の福音(シルバリオ・ゴスペル)の動きを止められる。そこに白式の零落白夜を叩き込めば確実に落とせるのだ。
 作戦が実行される事となり、砂浜に打鉄・桜カスタムを纏った桜姫が伏射姿勢となり、スナイパーライフル“朧月”と“撃鉄・弐式”を接続、“撃鉄・弐式”の高感度ハイパーセンサースコープと打鉄・桜カスタムの高感度ハイパーセンサーをリンクさせる事で狙撃準備を整えた。

「G-0444より管制室、狙撃準備完了」
『織斑だ。報告ご苦労、これより作戦開始となる……頼むぞ』
「了解。これより衛星とのリンクを開始、敵機の位置情報……確認、白式及び紅椿との共有を行います」

 銀の福音(シルバリオ・ゴスペル)の位置情報が白式と紅椿に送信され、それを確認した一夏と箒は千冬の合図と共に出撃した。
 紅椿と白式の位置情報をチェックしながら弾速、海上の風速及び風向き、湿度などから狙撃タイミングを確認した桜姫は“撃鉄・弐式”と共に打鉄・桜カスタムに搭載する事となった超々長距離狙撃サポート用AI“下兵平ちゃん3世”を起動する。

『Hello FuckingGuy! are you ready?』
「Good OK just a minute」

 起動した下兵平ちゃん3世と現在状況の全てをリンクすると、下兵平ちゃん3世は自動で状況確認を行い、現状一番適した行動を行ってくれる。

『Impact point insight. Re-calculation complete』
「OK」

 狙撃に関する全ての準備が整った。そして、白式と紅椿の位置と速度、銀の福音(シルバリオ・ゴスペル)の飛行速度から、狙撃のタイミングを計る。

「……Fire」

 高感度ハイパーセンサースコープと高感度ハイパーセンサー、衛星から送られてくる敵機の位置情報、そして狙撃タイミング全てが整ったとき、桜姫は引き金を引いた。
 轟音と共に放たれた銃弾は空気を切り裂きながら海上を直進し、あっと言う間に白式と紅椿を追い抜くと、その先を飛行する銀の福音(シルバリオ・ゴスペル)に直撃する……筈だった。

「チッ、素人が余計な事を」

 銃弾が直撃する前に、一夏が気合を入れるつもりだったのだろう、大声で叫んだ所為で銀の福音(シルバリオ・ゴスペル)に気づかれてしまい、銃弾を回避され、零落白夜の一撃も避けられてしまった。

「G-0444より管制室、作戦失敗、二人を退避させて下さい」
『既に呼び掛けている! だがあの馬鹿共はそのまま自分達で福音を落とすと言って聞かんのだ!!』
「……了解、ではこれより二人のサポートに入ります」
『な、何? そこから狙撃でサポートするつもりか!? 無茶だ! 福音は高速戦闘機動をしているんだぞ! いくら狙撃のスペシャリストとは言え無理だ!!』
「問題ありません、こちらも切り札を一つ切ります」

 そう言って桜姫は背後にあったコンテナから銃型無芯注射器と何かのケースを取り出した。
 そのままケースに入っていた赤い液体と青い液体の入った無芯注射器用の2本のシリンダーの内、赤い液体の入ったシリンダーを抜き取り注射器にセットすると、自身の首に注射器の注入口を当てる。

『おい風早、何だそれは!? 何をするつもりだ!?』
「内容については機密なのでお話出来ません。これよりサポートに入りますので通信を切ります」

 通信を切った桜姫は注射器の引き金を引く。一瞬で赤い液体は桜姫の体内に注入され、桜姫の視界が数舜赤く染まった。
 一気に目が充血して酷い頭痛が襲うが、同時に意識が高揚して身体能力が底上げされる。赤く染まった視界がクリアになると、先ほど以上に視力が強化され何キロも離れた所で戦闘を行っている3機の姿も高感度ハイパーセンサースコープ越しに見えるようになった。

「流石はブースタードラッグ……これなら」

 耳鳴りがする様になって、目から血涙が流れ始めた。あまり長く現状を維持するのは危険だと判断した桜姫は狙撃を開始する。
 スコープ越しに見える戦闘海域では丁度……紅椿を庇った白式が落とされる所だった。


日時:2020年05月08日(金) 17:00

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