私にしては珍しい恋愛もの

「ごめん大丈夫ってわぁあああごめんなさいごめんなさいジュースぶっかけちゃった!?」

出会いは当然、ある種最悪のものだったかもしれないけれど―――俺にとっては最高の出会いでした。

―――本当に、最高の出会いでした。


彼は人知れず、世界を脅かす闇の悪と戦う善の光。誰も正体を明かさずに己の使命であるそれをひたすらに行い続ける。そんな時に移住した街で偶然であった一人の少女との出会いが、彼を狂わせていく。

「今日から引っ越してきたんだ、アハハハッ……初日から本当にごめんなさい……」
「いえ本当に大丈夫ですから」

出会った少女との日常、それを糧に日々襲い来る闇に立ち向かっていく。

「おっ~今日のこれは最高記録じゃん、最近調子いいけど何かあったの?」
「彼女でも出来たんかね」
「えっ嘘ォ!?」
「いや出来てませんから」

共に戦う仲間よりも日に日に存在が大きくなっていく。

「それでさ~その時風が吹いて先生の頭に乗ってた髪の毛がズルっと行っちゃって静寂、の後に大爆笑!!!いやぁもう私なんて転げ落ちちゃってさ!!」
「それは先生からしたら災難ですね……」

友人として接する傍らで仄かに灯った恋心、一方通行な思い。それでも満足だった。

その子が幸せそうなだけで、その子の幸せを守れるだけで満足、だったのに―――

「あ、あのさ私先輩の事が好きなんだけど先輩ってどんな女の子が好きなのかな」
「えっ―――……ど、如何でしょう……そのままでもいいんじゃないですかね」

俺じゃ―――駄目、ですか。

「うん決めた、私告白する!!先輩に好きって思いを伝える!!だって想いが叶わなくても後悔だけはしたくないもんね!絶対に諦めたりしない!!」
「だい、じょうぶですよ……貴方の想いは絶対……届きますよ、だってこんなに笑顔が素敵なんですから」

俺に貴方のような勇気があったら俺もチャンスが―――いや意味がない、彼女の心には彼しかいない。

貴方は絶対に諦めない、だから―――俺は素直に貴方の恋が実る事を応援、しています……。

「ねえ、ねえねえ聞いて聞いて!!私、やったよ先輩と付き合えるようになったよ!!!」
「―――そう、ですかおめでとう、御座います……!」
「うん、相談して正解だった!!本当に有難う、私と先輩のキューピットだね!!」

―――いいんじゃないかなもう、彼女の幸せは彼氏となった彼が守るだろう、ならもう……。いやだめだ。

此処で戦いをやめたら闇がその幸せを打ち砕く、自分の幸せは彼女の笑顔。だから自分は―――


愛しい彼女を笑顔にする彼氏を、守る為に、今日もまた―――戦いに挑む。幾らこの身が傷つこうとも―――

「貴方が幸せなら俺は……それだけで満足なんです」

なのに何で―――こんなに苦しいんだろう。


【苦痛が幸せ、幸せは苦痛】



近日公開―――いやしませんから絶対に。


日時:2020年05月09日(土) 00:54

<< 呪いは解かれた、多分。 ちょっと真剣に考えてみた。 >>

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返信コメント

白弥(本物の馬鹿)

近日公開わくわく( ^ω^ )


日時:2020年05月12日(火) 23:24

明暗キレイ

え…?しないんですか?こんな書き出しなら絶対面白いと思うのにな…
誰か書いてくださる方はいらっしゃらないかしら…?|д゚)


日時:2020年05月10日(日) 02:02

君の名白紙

え?しないんですか?
アルト姫さんが得意そうなお話なのに……


日時:2020年05月09日(土) 16:51

midnight2

しないんですか!?面白そうなのに!?


日時:2020年05月09日(土) 10:32

武御雷参型

え?しないんですか?


日時:2020年05月09日(土) 06:09



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