いつか書いてみたいネタ③

【概要】
・復活勢が死後、ぬら孫世界に転生。
・主人公は綱吉。ポジションはリクオの二歳上の兄。
・三代目候補だけど、綱吉は『十代目』でいたい。

【最終到達地点】
 ボンゴレを作って、皆で笑って過ごせる“居場所”を作る。

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【登場人物】
■奴良 綱吉(中学生時系列時:中二→14歳)
 奴良家長男にしてリクオの二歳上の兄。奴良組三代目候補。
 前世はボンゴレマフィアの十代目ボス、沢田綱吉。
 三代目と言われるが本人は『十代目』でいたいと思っている。

■守護者's(同級生だったり、高校生だったり)
 前世はボンゴレⅩ世の守護者達。
 今世はそれぞれの家庭で生まれて真っ当に育った。
 綱吉をボスと認め、長年の交流から守護者同士の仲も良好。

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【Prologue】

 穏やかな呼吸。緩やかな眠りへの誘い。
 イタリアにある古城の一室にて、マフィアのボスと守護者達が揃っていた。守護者達は悲痛な面持ちでベッドを見やる。天蓋付きベッドには小皺を刻んだ壮年の男が、安定した呼吸を繰り返し横たわっていた。

「十代目……」

 十代目と呼ばれた壮年の男の“嵐の守護者”が、ベットに添えられた壮年の男の手を優しく握り締めた。跪きながら握った手を額に当てる姿は神に祈る熱狂的な信者を彷彿とさせた。そんな様子を見た壮年の男は、ふわりと顔を綻ばせる。

 そして――

「――Arrivederci. Miei cari guardiani.」

 心からの言葉を残して、その生涯に幕を下ろした。
 守護者達の反応は様々だった。

 荒々しい属性とは裏腹に、静かに涙を流す“嵐”。
 柔らかな面持ちで亡骸に労いの言葉をかける“雨”。
 普段の無愛想な表情を消し、静かに瞑目する“雲”。
 皺の寄った目尻から涙を溢れ出しながら笑う“晴”。
 旅立った者の名を何度も呼び、ベッド縋り付く“雷”。
 穏やかな寝顔だと、涙を流しながらからかう“霧”。

 そこに“家庭教師”の姿は無かった。
 何て事のない、ただ寿命で先に旅立っただけだ。

「楽しかった。後悔も未練もない。いつかまた出会えたら、その時は俺の友になってくれないか?」

 死に際に残した男の言葉。
 穏やかな、大空のような全てを包み込む優しさに溢れた言葉で男は自分の守護者達に語り掛けた。

 守護者達の返事は、とうの昔に決まっていた。

「Arrivederci. Il nostro caro capo. ――Ci vediamo un giorno, da qualche parte nel mondo.」

 “さようなら。親愛なるボス”
 “またいつか、世界の何処かで会いましょう”

 それから一つ、また一つと守護者達の命の灯火は世界から消えていった。ある者は家族に看取られ、ある者は誰にも知られず猫のようにひっそりと今世に別れを告げた。



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 沢田綱吉、またの名をボンゴレⅩ世。
 その六十余年に渡る生涯は「常に波乱に満ちていた」と言っても過言ではなかった。平凡な家庭に生まれながら、百年以上もの歴史を持つマフィアの創設者の血を引いているという特殊な生まれの彼は、若くして“裏社会の闇”に身を投じる事となった。

 大空と謳われた己。荒れ狂う個性豊かな天候達。
 最強にして最高の、家庭教師にして殺し屋の彼。
 大切な大切な、――俺の愛する家族達。

 ただ幸せに笑っていてほしい。皆といたい。
 それだけを胸に掲げ、世界に蔓延る“闇”を除去すべく限界を迎えるその時まで戦い続けた。そして最期は、愛する守護者達の前で穏やかに息を引き取ったのである。

「……? ……――っ!?」

 ――という記憶を、頭痛と共にたった今思い出した。
 生後数ヶ月の幼い体に入り込む六十余年の膨大な記憶は、数ヶ月の赤子の無垢な精神に重大な影響を及ぼした。

(……これが所謂『転生』ってやつかぁ)

 己を腕に抱いて微笑む今世の母親。前世とは違い、息子の危機とあらば駆けつけてくれる過保護な今世の父親。
 『沢田綱吉』名を改め『奴良綱吉』。生後約半月にして、本来なら輪廻を巡る際に綺麗さっぱり洗い流される筈の、生前の――“ボンゴレボスだった頃の記憶”を思い出した。





 ボンゴレ十代目ボス・沢田綱吉が転生した先は、一般家庭とは程遠い家だった。

「あ、若が笑ったぞ!」
「若は若菜さんの可愛らしい顔だな、つぶらな瞳が愛らしい」
「この方がいずれ私達を御導きくださる三代目……!」

 太陽の匂いを発する布団に寝かされた綱吉を見下ろすのは、とても人間とは思えない風貌と雰囲気の者達。
 ある者は獣、ある者は人、ある者は化け物という言葉が相応しい姿で、赤子姿の綱吉を見守っていた。

 今世の綱吉の父親・奴良鯉伴は異形の彼等を「妖怪」と言い、また「大切な家族」だと晴れやかな笑顔で言った。本人は寝物語として聞かせているつもりなのだろうが、中身が大人を通り越してジジイの綱吉は、彼の腕に抱かれながらしっかりとその話を聞いていた。

 今世の己は、どうやら人間の他に「妖怪」と呼ばれる種族の血が混ざった半妖(正しくはクオーター)らしい。そして生まれた先が、関東地方の妖怪を取り纏める妖怪任侠ヤクザ『奴良組』の跡取り息子――という立ち位置らしい。
 自分が純粋な人間でないという事に関しては、綱吉はさしてショックを受けなかった。前世があまりにも強烈過ぎたからだ。

 前世――初代ボンゴレボスの血を継いでいた己は、「死ぬ気の炎」という圧縮された生命エネルギーを用いて戦闘やら生活をしてきた。死ぬ気の炎は文字通り、媒介を得れば何だって出来た。記憶にあるものでも空を飛んだり、匣兵器と呼ばれる物から武器やら相棒を召喚する事も朝飯前だった筈だ。
 その規格外さは魔法や奇跡の域である。もっと言えば、そんな道具を作り出した天才科学者や技術班達も規格外である。
 更に更に言えば、前世の守護者を含む周りが素で化け物染みた力を平気で行使していた為、今更感が拭えなかったのだ。

 気に入った男を凍らせる雪女?
 こっちは老若男女問わず凍らせる技持ってましたが?

 剛腕で数多の敵を殴り殺した青田坊?
 トンファーを持って誰彼構わず、気が済むまで暴れ回るウチの“雲”よりマシだろ。

 長年生きる誰もが慄く大妖怪?
 並行世界と情報共有するマシマロ堕天使と、六道輪廻を巡った世界最高の幻術師に比べたら……。

 そんなこんなで前世と比較しながら状況を把握していけば、割とすんなり自分を受け入れる事が出来た。前世サマサマである。

「綱吉様ー、ほーらガラガラですよー」
「……きゃあー」

 ひんやりと冷気を放つ手に握られた赤子用の玩具・通常ガラガラに程良く反応を示しながら綱吉は今後の事に思いを馳せた。
 今世の己は日本のマフィア(妖怪Ver)の時期当主と期待されているらしい。三代目だの、若だの事ある毎に言ってくる辺り、彼等――奴良組の傘下妖怪達は、己に絶大な期待と信頼を寄せているらしい。

(……三代目、か)

 ボンゴレの三代目――Ⅲ世はスキンヘッドのナイフ使いだったかと、綱吉はぼんやり思い出す。初代と九代目の印象が強すぎるせいで他の歴代ボスの情報が曖昧だ。憤怒の炎を使う二代目は例題だが。

(俺としては『十代目』の方が思い出深いんだよな)

「十代目」
「愛しいデーチモ」

 かつて己の部下だった“嵐の守護者”と、思念体として傍で成長を見守ってくれた初代の声が幻聴として聞こえてくる。最初は嫌だ嫌だと拒絶していた『十代目』は、今や己を象徴とも言える誇りへと変わった。

(『十代目』は俺の象徴で、俺の居場所なんだ)

 『十代目』でなければ出会えなかった友。
 『十代目』でなれれば生まれなかった絆。

「沢田さん」
「綱吉クン」

 ――“俺”でなければ、為し得なかった奇跡。

「ダメツナ……綱吉。ボンゴレボス就任、おめでとう」

 ――“俺”でなければ、巡り逢えなかった先生。

(三代目じゃ、ない。俺は……“十代目”なんだ)

「十代目!」
「ツナ!」
「ボンゴレ!ツナぁ!」
「綱吉」
「沢田!」
「綱吉君」
「ボス」

 会いたい。逢いたいな、俺の愛しい天候達。
 
「……あう」
「わあ、今何か言いましたよ!」
「可愛いですねー!」
「三代目。健やかに成長し、早く我等を導いて下さいませ」

「ダメツナ、さっさとそのアホ面何とかしろ。でないと、ドタマぶち抜くゾ☆」

 逢いたいよ、リボーン。

「うぎゃあああああん! びええええええん!」

 俺の愛しい人達は、一体何処にいるのだろう。

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 そんなこんなで不安定な心境のまま始まるツナの第二の人生譚。
 前世は前世、今世は今世と割り切りたいけど前世があまりにも強烈過ぎて切り替えが出来ず、ちょっとヤンデレチックになる主人公・奴良綱吉。

 小学校上がる頃には、ちょっと精神崩壊してる可哀想な子。いつも空を眺めてボーッとしていたり、仙人染みた達観した儚い雰囲気にぬら孫世界の住民は危うさを覚えて過保護になる。

 このまま消えていなくなるんじゃないかと今世の家族が不安になっていると、ある日突然今までの雰囲気を吹き飛ばした子供本来の明るい性格に変化したツナ。

 何か楽しいことでもあったの、と聞く今世の家族にツナは泣き笑いながら言うんだ。

「大切な、何よりも大切な人と会えたんだ!」

 それ以来、暇があればツナは家を飛び出して公園へと向かうようになった。気になって尾行した組の者が見たのは、七人の幼くも個性豊かな少年少女に囲まれて心から笑う、ツナの姿だった。

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 実は復活勢もぬら孫世界に転生している設定。
 それぞれ産まれ場所は違えど、記憶と能力は継承している模様。この世界にはない『ボンゴレ』を作るのもいいかもね。


日時:2020年05月17日(日) 14:31

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