Moiその17、戦時用回復魔法≠平時用回復魔法

 先日、『灰燼のカーディナル・レッド』(西村西)なるラノベをみて、思いついたこと。
 原作では区別をつけていなかったけど、

●同じ回復魔法でも、戦時と平時では違う

 のではないかと思った。
 いわゆる「生命力」の供給源が違っている。
 平時の場合は、植物やら自然環境やら、生命力旺盛な存在からわけあたえてもらう。もともと余るほど持っていたので、リスクは少ないし根本的な治療にもなる。
 戦時の場合は、そういった自然環境そのものば破壊されている場合が多い。爆発やら火炎放射やらしている中では、植物たちとて生命力を分け与えてはくれないだろう。平時と同じでは回復魔法は成り立たない。けど、戦時こそ何より重要不可欠な魔法。
 そこで、供給源を別に―――『死者』たちから収集する。

 殺されてしまった人間たち。人間としての生命活動は停止してしまっているけど、生物としての活動は停止していない。残った死体を構成する体細胞たちは、殺されてもずっと生き延びている。……その生命力使う。
 同じ人間だったものなので、平時のモノより浸透しやすい。即効で治療することができる。
 ただし、あまりにも同じなので、死者の記憶や怨念までも侵食する。
 戦闘継続のためだけの治療ならば、怨念被害はほぼ無視できる。それが、戦場の兵士たち全ての願いでもあるから。けど、ソレを平時に利用してしまうと……話は違ってくる。
 


 戦場では大量の生命力が漂っている……。ただし、怨念つきの。
 対処療法と根治療法。同じ治療なれど、全く別の治療法。
 そういった使い分けが魔法にも、あってもいいのかと思った。


日時:2020年05月27日(水) 16:02

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