悪役の存在と主人公のかっこよさ

勧善懲悪ものではおなじみの悪役。時代劇では「お代官様これを…」「ほほぅ?越後谷、お主も悪よのう…?」と、あくどい存在は欠かせません。ある種、悪役あってのヒーローともいえます。

さて、色々な作品においても主人公に敵対する存在は出てきます。それこそライバルだったり、越えるべき壁、倒すべき敵役などそれは形を変えて登場します。ある意味、主人公に対する存在として、物語を盛り上げる存在でもあると思います。

でもふと思うってしまうのが、主人公を良く見せようとして変に悪役を作り上げているんじゃないか?と。悪い奴をヒーローがやっつけて、キャー!ヒーローかっこいい!という展開は王道です。でもヒーローのかっこよさってそれだけじゃないと思うんですよね。敵を倒すだけじゃなく、日常においても「かっこいいな」って思える要素はあると思うんですよ。それこそさりげない仕草とかで。

仕草に関しての例として、仮面ライダーディケイドの門矢士では、口は悪いし態度もでかい、ある種の俺様系ですが、毎回「こいつは…」とその世界のライダーを褒める。我が魔王こと常盤ソウゴは、世界を良くしたいと王様を目指そうと決意し、時にゲイツらと衝突しながらも絆を深めていった。別に悪役がいなくてもそのキャラの良さは出せると思うんですよね。

悪役って確かにいると便利なんですが、だからと言って何でもかんでも悪役にを出すのもおかしいよな?と思うんですよ。主人公に対して酷い事や悪いことを言ったからと、あいつは悪役だ!となって主人公に成敗される。ヒロインや周りはキャー素敵!となるんだけど、それってどうなんだろう。なんというか、主人公に否定的な存在、主人公が気に入らない存在、いたら都合が悪い存在を片っ端から悪役にしないと駄目なんだろうか。
時に物語全体から、こいつを悪役にしてやる!っていう何かがにじみ出てるのを感じることもあるんだよね。それこそ主人公に反論した結果、物語から性根が腐ったゲス野郎にされてしまったり、主人公等に「そこまでやるか?」って制裁を受けたりするし。主人公が、自分に否定的、気に入らない存在を悪とみなして成敗し、キャーかっこいい!って展開にしても、むしろ主人公たちの方がよっぽど悪役になってる場合があるわけで。

悪役は主人公が活躍するための立役者なんだけど、主人公のかっこよさのために周りが何でもかんでも悪役にされてないか?と思うんだよね。


日時:2020年05月28日(木) 00:54

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SINSOU

>>ふぷっちょさん

コメントありがとうございます。
十把一絡の悪役にしたって、やられ役という見せ場はあると思うんですよ。北斗の拳の悪役たちは、色々とインパクトのある塵際ですから。
ちゃんとした悪役って、主人公と対立するような立場ですから、色々と大変でしょうね。書き手としてそれは解ってはいるつもりになってますが…。名作って、主人公を成長させるような悪役がいると思うんですよ。ジョジョとか毎回様々な場面で相手が強敵でしたから。

単に主人公が気に入らない存在を悪役にしていくような流って、どんどんと主人公が悪役になっていくように感じるんですよね。なにせ、成長しないんですから。


>>HAYさん

コメントありがとうございます。悪役やキャラクター作りって大変だと思います。本当に週刊誌や長シリーズの漫画家や作家の方々には敬意の念しかありません。

悪役を倒すのは確かに見栄えがいいと思いますし、解りやすいと思うんです。悪を倒す=主人公が正義という扱いですから。ただ仰る通り、必ずしも成長に敵が必要なわけではないと思います。
様々な経験が成長の糧になるわけですから、日常の中でもしっかりと成長は描けると思います。戦いや経験を通して、主人公等の成長を描くのって、大変ですけど楽しいと思いますから。

敵対する悪役にしても、信念や美学があったり、最初はただのかませだったのが成長して強敵になるというのも魅力的になると思うんです。プリンセスプリキュアのクローズみたいに、キュアフローラを通して色々と成長してラスボスに至るとか、因果関係もばっちりで、まさにライバルでしたから。

単に、主人公にとって都合の悪い存在や気に入らない存在を悪役にして、踏み台やかませ役する展開って、最終的に主人公が増長すると思うんですよ。なにせ、どんなことをしても叱責もされず、常に正しいって言われ続けているのですから。


日時:2020年06月07日(日) 20:03

HAY

確かに悪や敵との戦いは、主人公の魅力を伝えるには効果的ですけどね。
でも、壁を越えるという意味なら、仲間割れとか自身の考えで犠牲が出た時とか、自然災害とか病気とか知人の死とかもありますから、必ずしも敵や悪である必要はないと思います。
これらは現実社会の都合もありますから、使いにくいかもしれませんが。

けど、主人公達には戦闘能力だけでなく、精神的にも成長して欲しいと思いますから、敵をやっつけるだけでなく、自身の反省にも活用して欲しいですね。
それに、戦いや苦境の中で得たものが、同じような戦いや苦境でしか役に立たない、発揮されないというのは、あまりにも情け無いと思います。
また、いざというときにスゴい奴は、日常でもなんとなくその風潮があると思います。
バトル作品では省略されがちですが、日常でもちゃんとしている描写も欲しいと思いますね。

あと悪や敵役も、ちゃんと主人公達と戦う理由がある方がいいですね。
人気のある作品って、悪や敵にも魅力があるものが多いと思います。
その方が、相手を破った主人公達もより魅力的に感じると思います。

ただ、何人ものちゃんとしたキャラを作るのって、簡単ではないでしょうけどね。


日時:2020年05月30日(土) 23:13

Blood Knight FUP

うーん圧倒的家の田村関連の話ですな。

悪役としてはあれだけど悪役にもやっぱり主人公達をマイナス面から突いてそれを糧に成長させるような要素とかあって良いと思うんですよね。
まぁ流石に全員が全員そんなのであるべきとは言わんけども一人二人はいても良いと思う。

まぁそう言うのって作る側からすれば大変だし結構頭捻る必要あるから意外と簡単そうで難しいってのもあるけど


日時:2020年05月28日(木) 13:33



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