「玉響の輝き」後書き

 初めましての方は初めまして、もし何処かで私の過去作を読んだことがある人はお久しぶりです、てぇてぇ学部留年生ことilruと申します。

 今回は拙作「玉響の輝き」を最後まで読んでいただき誠にありがとうございました。ここでは後書きと言いつつも、どっちかというと誕生秘話的な話をさせてもらいます。最後に今後の予定を書いているので、興味ない方はそこだけ読んでいただいて構いません。これから長々と話す内容は完全に蛇足ですので。

 さて、3月にダスカに一目惚れしてウマ娘にハマり、5月の日本ダービーで競馬にもハマり、そして凱旋門賞の存在を知って以降ずっと作者の胸中を巣食っていた「日本の馬が凱旋門賞を勝つ姿が見たい」という妄想を形にしたのが今作となります。もしクロノジェネシスかディープボンドが勝ってたらこの話が世に出る事は無かったでしょう。




 しかし思い立ったは良いのものの、いざ書く段階になると色々な問題が浮き上がってきました。

 まず初めに主人公の名前です。実際の競走馬にはいない名前で、日本のウマ娘を強調したかったので出来るだけ和風っぽい名前が良いなと頭を捻り「ガイセンカグラ」という名前に決まりました。

 ちなみに凱旋門賞を制した際、実況がカグラの名前を絡めた気の利いた一言(サクラスターオーの「菊の季節に桜が満開」やディープインパクトの「最後の衝撃」みたいな感じのやつ)を言う筈だったんですが、中々思いつかず終いにはその事をすっかり忘れてしまったまま書いてしまいました笑。もし読者の方にそういうのを思いついた方がいれば是非教えてください。




 さて、名前が決まったら次は彼女をどういうウマ娘にするかです。これも結構迷いました。というのも先行や差しでは普通すぎて面白くない、どうせなら逃げでド派手に勝ちたいなと書く前は思っていたのですが、調べていくとどうも凱旋門賞は逃げが不利な模様。いくらつまらないからといって逃げは余りにも非現実的なのではないか。そう思っていた時にエリシオを知り、過去に逃げで圧勝した馬がいるなら書いて良いよねという事で思い切って逃げにしました。

 その後も逃げは逃げでもツインターボのような大逃げか、セイウンスカイのような幻惑逃げか、それともサイレンススズカのような逃げて差すかなど色々考えましたが、最終的にあの形に落ち着きました。

 性格について、これは完全に作者がただTS好きなだけです。ほら、見た目淑女の子が一人称オレでアホっぽくてたまにイケメンになるのってこう……良いじゃん? 

 実は勝負服も結構趣味に走っています。上半身はオープンショルダーの巫女服ですが腋あたりがバックリ開いているので腋は丸見えですし、さらし越しに横乳がバルンバルンしてますし、何ならおへそと鼠蹊部が横から見えたり見えなかったりします。下は下で作者のフェチによって白のガーターベルトを履いてます。我ながらかなりえっちになったなって思ってます。
 ちなみになんでそうなったのかと言うとえちえち系に関しては無知無知なカグラが「こんな感じの勝負服ならトレーナー喜んでくれるかな!」って無邪気に頑張った結果です。可愛いね。

 作者の力不足で薄味でなってしまったTS転生要素の一つである前世について、記憶を持ったまま転生するかそれとも前世の記憶は保持しておらず夢でのみ見るものか悩みましたが、TSって言うなら前世覚えてねぇとまず性自認が男にならないと気付いたので前者となりました。

 牝馬のガイセンカグラが凱旋門賞で安楽死となっているのは、前世で果たせなかった事を今世で成し遂げる形にしたらストーリーの展開が分かりやすいよなって思ったのと、単に作者が曇らせというか苦しみながらも前に進む女の子が好きなのでこうなりました。

 容姿も作者が銀・白髪が大好きなので白毛です。今年何かと話題になったソダシの影響が多少あります。体格も出来るだけケツとか胸とかタッパとか全体的にデッカい子でいて欲しかったので常識の範囲内でデカくしました。太腿はもっとデカく出来た気がするけど。
 目の色は赤じゃ普通だなと思って蒼にしましたが、勝負服が紅白なので結果的に色合いが凱旋門賞の本場フランスの国旗と同じトリコロールになって割と良かったなと思ってます。




 話が少し逸れましたが、カグラの設定が決まった次はどこの世代にブチ込むかです。これはガイセンカグラ(牝馬)がエリシオ産駒である事を事前に決めていたので、母ポップスの初年度産駒以降、だから大体1990年以降の何処かにしようと決めました。

 そして当時は余り未実装馬を書くつもりは無かったので日本馬が出ていない年を探して、その中からウマ娘実装馬が同期にいる年と条件を絞っていくと、最終的にファインモーションがいた2002年世代となりました。
 そこからはファインモーションを出すならエアシャカールも出したいなとか、世代が近いオペ達やアグネスタキオンとマンハッタンカフェも出したいな〜みたいな感じで登場キャラも決めていきました。スーパークリークに関してはマジでカグラに聖母爆裂耳かき攻撃をトレーナーにして欲しかっただけなので、別に史実で関わりがあったとかそんなんは無いです。

 ちなみに、さっき未実装馬を余り出すつもりが無いと言いましたが、実は1人だけ出そうと決めていた史実馬がいました。その名前はポップロックであり、血統ではガイセンカグラの全弟です。史実での彼の活躍はジャパンカップ有馬記念メルボルンカップで2着と見事なシルバーコレクターであり、実はガイセンカグラの永遠2着の設定もここからきています。単に作者が凱旋門賞は勝ってほしいけどG1無双チートキャラは嫌だったと言うのもありますが。
 実はアンケートも本来はポップロックを出す確認のつもりとして実地したのですが、あれやこれやと書くうちに出すタイミングを逃し、その代わりに同世代のシンボリクリスエスやユウキャラットなど同期の子がオリキャラとして出る結果になりました。

 こうして設定も徐々に決まっていき、キャラに対する解像度が余りにも低すぎる問題があったり、そもそも当時ファインモーションがアプリに実装されておらず彼女の扱いに悩んだりなど色々ありましたが、最終的にはあの形に落ち着きました。アドマイヤベガも実装してくれ。




 その次は最終目標である凱旋門賞へ至るまでの小目標、つまりシニア秋までの国内のレーススケジュールをどうやって決めるかです。ウマ娘の中では同期がファインモーションしかいない2002年世代、二次創作なのに唯一の実装ウマ娘を出さないのか如何なものかと言う事で牝馬、そしてティアラ路線へ進む事を決めました。
 牝馬路線を進むと決まったら、あとはダスカとか、ソダシとか、クロノジェネシスとかを見ながら出走するレースを決めていきました。アルテミスSはソダシ、チューリップ賞はダスカの影響ですね。彼女の競走成績はその内閑話に追加します。

 そしてレースを決めるにおいて1番の懸念であったのが賞金です。ティアラ路線でファインモーションと戦うなら当然エリザベス女王杯は外せないのですが、しかしそれでは日本一賞金が高いジャパンカップへの出走は現実的では無くなります。オグリキャップは忘れてください、あの子は例外です。他にもダービーなど高額賞金レースに出れないので、本当にこれで行けるのかめちゃくちゃ悩みましたが、クリンチャーよりは稼いでるだろうからまぁ良いや(鼻ほじ)と思ったので無事賞金問題はクリアしました。年代によってレースの賞金も凱旋門賞出走に必要な賞金も違うから無理じゃない?と思われるかもしれませんが、そこはまぁご都合主義という事でご容赦を。一応ダメ押しで宝塚記念を追加したので。それに近年の凱旋門賞で行動した日本馬はみんな宝塚記念でもいい結果を残しているのでちょうど良いかなって、ナカヤマフェスタとかオルフェーヴルとか。

 後はレースをとおしてファインモーションとイチャコラしたりバチバチに闘志燃やしたり、先輩達と交流していけたらなと密かに目標としながら書いていました。これは割と達成できたような気がします。




 本作を書くにおいて作者が個人的に意識して頑張ったのは、如何にガイセンカグラを可愛く、魅力的に書くかです。

 匿名からわかる様に作者はてぇてぇ展開を描くのに苦手意識がありました。というか書いた事がありませんでした。なのでカグラを通しててぇてぇ描写を勉強し、最終的に自作で身悶えられるようになりたいなと思いながら書いてました。

 てぇてぇとはそもそも一体なんなのか、そんなボッチが友達の存在意義について考える様な根源的問いを抱えながら、作者が思うてぇてぇを全力で書いたのが今作です。正直トレーナーと死ぬほどいちゃついて欲しかっただけ。カグ×トレはガチ。
 ついでに言うとカグラが攻めになるのはトレーナーだけで、基本的には総受けです。そこまで描写出来たかはおいといて、作者の中ではそう。デジたんが相手だと両方ヘタレるんで大丈夫だろと思うかもしれませんが、先にデジたんが自棄になってなんやかんやでカグラを押し倒……しはしなさそうだけど最終的にデジたんの無自覚攻めでカグラが尊死するのでやはり受けでしょう。多分、きっと、メイビー、知らんけど。
 ファインモーション相手だと同期故の気安さで調子に乗るので誘い受けみたいになります。オペとかアヤベさんとかタキオンだとメス堕ち待ったなし。ちなみにウマ娘とイチャイチャすると嫉妬したトレーナーが攻めに回るのでどう足掻いてもカグラは総受けです。



 さて、本作の特徴といえばやはり主人公が登場しない、というか主人公がいないところで物語が進む点ではないかと個人的に思っております。

 基本的には記者目線の一人称、トレーナーとカグラの甘いひと時だけは三人称で物語を描写しました。

 こ実は最初はカグラの一人称で書こうと思っていたのですが、展開を考えるうちに一人称では作者が書きたいことが書けないことに気づき、それをどうにかするために三人称に変えました。
 しかし完全に三人称では、2話のトレーナー達のやる気が下がった描写や、ファインモーションの姉と会った際の「いやお前もかい」と言った描写が誰視点の意見なのか分かりません。別にそれはそれで良かったのですが、誰の意見か分からないまま一人称的描写をするのが気持ち悪かったので、それを解消するために記者を打ち込みました。
 そして記者をどのように登場させようか考えて、あのような導入となりました。





 そんなこんなで気づいたら性癖の坩堝となっていた拙作ですが、書き始めた当初ここまで伸びると思っておらず、お気に入りは100、評価も色が付けば良いかなくらいに思っておりました。しかし蓋を開けてみればルーキー日間1位となったり、総合日間ランキングにも度々載ったりと想像以上の結果となりました。評価バーが赤色で終えられるのは作者として常に掲げていた目標だったので本当に嬉しかったです。これも全て読者様のお蔭でございます。ありがとうございます。



 今後は気が向いたら引退後のカグラを番外編として気が向いたら投稿しようかなと思っております。現実世界(私たちの時空)でガイセンカグラがウマ娘に実装された時の掲示板とか、ウマ娘世界でのカグラを応援するスレとか、作中で語ったダスカとウオッカとの話とか、後はポップロックガチ勢としてウィニングライブに現れるカグ……謎のウマ娘Gさんの話とか。実際に書くかは置いておいてアイディア自体はあるので、気が向いた時に書いて投稿しようかなと考えています。ですが本編であるガイセンカグラのトゥインクルシリーズの話はこれでひとまず完結です。彼女のトレセンでの推し活はまだまだ続きます。

 もし何かご質問などあればこちらか感想の方でしていただければその場で、或いは番外編を投稿する時にまとめてお答え致します。

 感想・評価はいつでもお待ちしております。ファンアートも募集してます。というか欲しいです。くれ(強欲)

 随分語った様な、全然語り足りない様な不思議な気分ですが、こんな調子で話し続けたらキリが無いのでこれで後書きも終わりとさせていただきます。最後にもう一度、拙作を読んでいただきありがとうございました。あなたにとってガイセンカグラが忘れられぬ存在になっていれば幸いです。


日時:2021年12月29日(水) 00:29

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返信コメント

掘っ建て小屋

本当に大好きな作品です。お疲れ様でした!番外編めっちゃ楽しみにしてますっ!!


日時:2021年12月27日(月) 12:18

笑う宝箱

完結までお疲れさまでした。


日時:2021年12月27日(月) 12:11



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