デート・ア・ライブ【魔を滅する転生逢】簡易小説・十香デッドエンドその1
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御試し版で、その1とか銘打ちながら続かないという可能性も。
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またぞろ、見た事の無い街並みの中で呆然と突っ立っているユート。
抜ける様な青空には機械で武装をした少女達が悠然と飛び回り、某かの魔力的な武器を使ってユートへと攻撃を仕掛けて来る。
「ハァー」
嘆息を一つ吐く。
この世界に来たばかりのユートに、あんな年端もいかない──中には例外も居るが──少女達に狙われる理由を思い付かない。
或いは、異世界から顕れた存在と戦う次元警備員か何かという可能性もあり、どうしたものかと悩む。
ユートは世界間を限定的ながら移動が可能であり、その手段は数千万年程度前の地球に打ち込んだ楔。
【機神咆哮デモンベイン】乃至、【斬魔大聖デモンベイン】の世界にて闘った最終決戦で、原作でも戦闘が星間から遥か時間軸まで波及をしていたが、それにより恐竜の滅亡した時代とも云える数千万年前に降り立ったユートは、その少し前にクトゥルーからの陵辱を受けており、神氣をたっぷりと吸収していたが為、出来心? でそれを使った神獣創りを敢行した。
陰陽五行思想に則って、方位と属性を持たせた神獣であり即ち──
東方に木の応龍。
西方に金の麒麟。
北極に水の霊亀。
南極に火の鳳凰。
中央に土の黄龍。
尚、応龍は極東は日本の関東地方で埼玉県麻帆良市に拠点を置いている。
勿論、それは【魔法先生ネギま!】が世界に存在をしている場合で、殆んどの場合が何も無い荒れ地へと結界を張った場所だ。
応龍がユートの再転生先を知っていて、気を利かせたのが拠点とした理由。
応龍は自らを『応龍』と書いて『おうる』と名乗っており、意識の一部を人型として活動する際には着物が似合う大和撫子な姿を執っている。
因みに神獣形態の場合、ユートの記憶から読み取ったのか、応龍皇の姿として活動をしていた。
その全長は万里の長城に匹敵すると云われていて、推定八千キロメートルにも及ぶ巨体を持つ神獣形態。
その形態を自ら応龍皇と名乗る辺り、存外と気に入っているのかも知れない。
勿論、この世界のゲートにも分体を置いているし、その気になれば分体を顕現させる事も可能だが、基本的に俗世間には関わらない事を旨とする四霊や黄龍は仮令、世界が滅ぼうとも動かないだろう。
彼ら神獣の任務は飽く迄もゲートの守護と隠匿で、世界が滅亡してもゲートが無くなる訳でもない。
ユートが命じれば動くのはマスター特権である。
閑話休題……
話は逸れたが、来たばかりのユートが攻撃を受けている以上、其処には某かの理由が存在する。
その理由は解らないが、彼女らを見てユートが思った事は唯一点……
「エロティカル」
だったそうな。
実際、空を舞う彼女らが身に付けているアンダースーツはレオタードも斯くやなデザインで、ピッチリとした胸部と下半部は某・赤バンダナが曰く『ちちしりふともも』を体現しているものだった。
手足にはアーマーっぽいのが着き、背部から機械的なユニットを背負って兵装もそれに備わっているし、戦闘装束なのは判る。
何より、あれには防御壁が展開されているらしく、単純な物理攻撃では墜ちないであろう。
とはいえ、所詮は人間がちょっと武装をした程度、ユートにとっては敵にもならない存在だ。
故に数分後……
「ガハッ!」
血反吐を口から零して、地面に埋まる一人の少女の姿が在った。
銀髪をミドルショートのボブカットにし、蒼いサファイアの如く瞳をした少女は憎々し気に睨んでくる。
何故か一人だけが突出をしてきて、囮任務でも仰せ遣ったのかとも思ったが、隊長らしき女性──少女に非ず──が悲痛な表情で叫んでいる事からその線は薄いかも知れない。
「げふっ!」
構わずユートは背中から拳を入れると、少女を地面へと叩き伏せてしまう。
聖闘士のパワーで叩き付けたからか、手加減こそしていたが地面にクレーター穿たれ、結界らしきモノで護られた少女もその衝撃には堪らず、肺の中の空気を吐き出してしまった。
その際、喀血して顔を埋める地面が赤に染まる。
隊長らしき女性がヘッドセットで通信を始めたのを見遣るが、特に感慨を持たないユートは再び銀髪少女へと攻撃を加えるべく拳を振り上げ……
「待って欲しい!」
様としたら、降りてきた隊長らしき女性が制止の為に声を掛けてきた。
「何かな?」
「か、勘違いで攻撃を仕掛けた無礼を許して欲しいとは言わない。だが、彼女を放して貰えないか? 攻撃は私の責任に於いて中断をさせると約束をする!」
「へぇ?」
話を聞くと、どうも彼女らはユートを〝精霊〟と云う隣界に住まう人間とは異なる生命体の一人だとし、攻撃を仕掛けたらしい。
根拠はユートが顕れたのと同時期、空間震と呼ばれる災害が起きていたとか。
然しそれは勘違いでしかなく、実は程近い別の場所に識別名称【プリンセス】が現界していた様だ。
「早い話が冤罪……か」
「申し訳無い」
ユートの力に関して訊かないのは、一方的に会話すらせず攻撃を仕掛けた事の詫びみたいなものだろう。
ユートは少女を手放し、女性に渡すと同時に小瓶を投げて寄越す。
「これは?」
「メガポーション。その娘に飲ませると良い。ダメージが回復する筈だから」
そう言ってユートはその場を離れ、【プリンセス】の居る場所へと向かう。
隊長らしき女性はユートが居なくなった後、逡巡をしながらも試しに自らを傷付けて舐める程度に飲んでみると、見る見るその傷が消えていった。
「鳶一一曹……!」
毒でも無さそうだと考えた隊長は、気絶をしていた少女──鳶一というらしい──へと飲ませる。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
鳶一折紙アンチではないけど、万が一に誤って襲って来たらこうなる……といった感じです。
本当は因果の糸に絡め取られたのを視て、トドメを刺さなかった感じだけど。
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日時:2014年09月22日(月) 04:58
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返信コメント
レヴィアタン
この作品では分身くるみが救済されてそうですね
そのうち本体すら強くなって分身が本体を吸収という形での再統合とかありそうですね
日時:2016年04月07日(木) 04:20
Crank
>Q.活動報告に小説や小話を投稿してもいいですか?
>A.禁止はしていませんが、あまり推奨できません。小説投稿サイトなので、小説や小話は投稿機能を使って投稿して下さい。
FAQより
日時:2014年09月22日(月) 08:16
七
実際、空を舞う彼女らが身に付けているアンダースーツはレオタードも斯くやなデザインで、ピッチリとした胸部と下半部は某・赤バンダナが曰く『ちちしりふともも』を体現しているものだった。
まさかここで赤バンダナが出て来るとは…。(笑)
この原作の話も、個人的には見てみたいです。
日時:2014年09月22日(月) 05:20