超一流のハンターが君を攻略したいのだが――いいかね?
▼ストーリー
ハンターは死と常に隣合わせだ。ちょっとした事ですぐ死ぬ、そんな理不尽な職業である。
しかしそんなハンターだが、その職に就く者はそれでも一定数いるのだ。
(33行省略されています)
例えばそれは、単純に金が欲しい者、名声を求め者、モンスターに何かの想いを抱える者と様々である。
そして数いるハンターの中に、超一流のハンターがいた。そんな彼がハンターをする理由はただ一つ。
――一流のハンターになればモテるって聞いた。
▼文章、描写などについての紹介など
「君を攻略したいんだが、そんなクエストはあるかな?」
「おや? 報酬の中に君が入っていないようだが」
「それじゃ、結婚しよっか」
「おい、皆大変だ。集会所にラージャンが紛れ込んでるぞ。こやし玉投げろ、こやし玉」
これら全て、女性に対する主人公の台詞です。ラージャンが一体混じっていますが全て女性に対するものです。
一見すると軽薄そうな男性、という印象を受けるかも知れませんが、実はそうではありません。
受付嬢やナルガ少女、ラージャン(雌)などなど、主人公は様々な女性と関わる事になりますが、彼は誰に対しても「誠実」なのです。
モテるためにハンターをやっているが、彼には彼なりの信念がある……というのも、一つの魅力かと思います。
彼の過去から起因する信念や思い、そして人間関係……その一つ一つがゆっくりと解けていき、最期の最期に花開く。
「とても綺麗な物語」という言葉が、この作品を表すのに最も相応しいと私は思っています。
そしてなんと言っても特徴的なのが、装飾的な技法を切り捨てた文体です。
主人公の一人称が圧倒的に占める一話一話ですが、簡素な文体であり、文量も決して多いとは言えないにも関わらず、心情を中心とした物語の展開が組み込まれています。
しかも、話のテンポが良く、思わず笑ってしまうような場面も所々に。
一話が4000字とちょうど良く、また話数も17話と短め。
かなりオススメしたい作品となっております。
そして最期に――タイトルの意味を理解した時、あなたは鳥肌立つ事間違いなし。
▼読む際の注意事項など
・所々に独特な言葉遣いがあり、ちょっと躓く事があるかもしれません。
・テンションMAXで読むのも構いませんが、この作品は静かな時間に読む事をオススメします。
▲短縮する
AAAtea/2017年08月30日(水) 22:37/★ (参考になった:54/ならなかった:4)