巨狼と円卓との間にある数多のすれ違い
▼ストーリー
何故かダークソウルに登場する灰色の大狼シフとしてFateの世界に転生した主人公。
騎士王に拾われ「カヴァス」の名を授けられたその日より、円卓の騎士と巨狼のすれ違いの日々が始まる。
(36行省略されています)
(俺の事はシフって呼んで欲しいんだけど……)
▼文章、描写などについての紹介など
「円卓組から見る巨狼シフと、巨狼から見る円卓組のギャップが強すぎて逆に読みやすい」
この二次創作品最大の魅力はズバリ「すれ違いの幅の広さ」でしょう。次点はオリ主最大にして唯一の悩み。
高い文章力や視点の切り替えの巧さもさることながら、オリ主ことシフ視点とそれ以外の視点の差が面白いです。
オリ主ことシフの視点ではほのぼのとしたギャグ。シフと呼んでくれない事を嘆きつつ白亜の城でのほほんと過ごしていく。
それ以外の視点ではシリアス。巨狼カヴァスを接点にアルトリアを始めとしたブリテンの者達に心境の変化が生じていく。
尚、オリ主は自身を「シフ」と呼んでいますが、それ以外は彼を「カヴァス」と呼んでいます。この時点で勘違い要素全開。
オリ主は全く喋れず、シフとしての能力と静かな佇まいもあって、周囲はオリ主のギャグめいた人格を知る由も無し。
しかもFateの中でも特に殺伐としている円卓組だからか、喋らず行動で示すオリ主の存在は日に日に大きくなっていきます。
ハーメルンでは多い「勘違い物」も、ここまで両者の見方が違ってくると一粒で二度美味しい作風と化しています。
オリ主は勿論の事、アルトリアを始めとしたその他のキャラクターの心境なども繊細に書かれていて読み応えがあります。
番外編も充実しており、Fate二次創作品ということもあって夢も広がり、今後が楽しみになっていく作品だと私は思います。
▼読む際の注意事項など
・上記にも書いたように、相互理解不能レベルの勘違い物です。
・オリ主はダークソウル世界から来たシフと言っても過言ではなく、結構なチート性能を持っています。
・オリ主最大にして唯一の願い「シフと呼ばれる事」が叶う確率は非常に低いです(推薦者視点)
異世界転生物は勿論、勘違い物・オリ主チート物・「オリ主の願いくらいさっさと叶えてやれよ!」という我慢が苦手な方はご注意ください。
▼推薦者から一言
「頑張れシフ。負けるなシフ。シフと呼ばれるその日まで」
巨狼カヴァスとしても大狼シフとしても応援したくなる、もどかしくも将来が楽しみな作品です。
何故応援したくなるかというと、彼はシフと呼ばれる努力を続け、決して諦めない不屈の心を持つからです!(空回りしてるけど)
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ヤトラ/2018年04月15日(日) 22:16/★ (参考になった:12/ならなかった:8)