正しく生きられなかった者達が織り成す、こんな敵連合は如何ですか?
▼文章、ストーリー、描写などについての紹介など
此れは、主人公であり世界一の不幸者でもあるヴィラン、月無凶矢が幸福になる迄の物語。
不幸者と弾かれ者を筆頭に、目的の似通った同士達がヒーローへ、ひいては社会へと示すアンチテーゼ。
(15行省略されています)
月無凶矢が敵連合という居場所を与えられるところから始まり、そこでの死柄木弔との出会いをきっかけに、そこから様々な者達との関わりを深めていく様と、キャクターの異常さや関係の歪さを描いていき、悪役視点で物語が展開されていくという内容。
存在するだけで他者に不幸を撒き散らしてしまう月無凶矢や大切なものを少しずつ自覚し成長していく死柄木弔、他の仲間達との関係性や在り方、各々が抱える思いや壊れっぷり、それに相対するヒーローの卵達の葛藤や決意、キャラ同士でのコミカルな会話等を非常に丁寧に描写されていて、たとえそれがどれだけ歪んだもので、どうしようもなく破綻していて、救いの無いものだと分かっていても、それらがとても尊いものに感じられ、そういうところに自分は惹かれました。
まさしく敵連合は、正しく生きられなかった彼ら彼女らにとっての居場所であり、心地の良い場所であり。
自分の個性によって不幸であることを強いられ続け、歪んだ幸福の形を求めるようになった主人公にとっての束の間の安らぎの場所でもある。
僕のヒーローアカデミアが好きという人はもちろん、あまりこの作品のアニメや漫画を見たことは無いという人にも楽しんで読むことが出来、読み手の期待を裏切らず、きっと新たな視点を見出してくれる、そんな魅力溢れる二次創作だと思うので、興味を持ったという人は是非とも読んでみて欲しい。
▼読む際の注意事項など
※敵連合はあくまでも社会の敵です。
※暗い内容ばかりというわけでは無く、所々明るい描写等がちゃんとあるので、暗い内容が苦手という方にも読めると思います。
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立川涙子/2019年04月20日(土) 23:25/★ (参考になった:47/ならなかった:3)