鉄火で咲く、狂気の花 鉄血のオルフェンズif
▼文章、ストーリー、描写などについての紹介など
時系列は2期の少し前。1期の出来事を経て軌道に乗った鉄華団の持つ採掘プラントにて、1体のガンダム・フレームと1人の少女が掘り起こされる。
そのガンダム・フレームの名はガンダム・フェニクス。
その少女の名はジゼル・アルムフェルト。
ガンダムと、彼女が、300年前の厄祭戦の時代から現代へと舞い戻り、オルガ・イツカ、そして鉄華団との出会いから始まる物語。
(16行省略されています)
本作の主人公のジゼルは狂人である。だけど己が生まれた世界における、善も悪も常識も非常識もはっきりと理解しているから、やたらめったら暴れるわけでもないしみだりにその本性を口にはしないしそれを誇ることもしない。分別があるからってその狂気が許容されるわけでもないゆえに。しかし彼女は許される許されない関係なく存分に狂い、欲を満たす。
表面だけ見れば、クールでミステリアスでなんかハーモニカ吹いてる少し変わった美少女。内情深く知る者からだと、いつ爆発するかわからない危険物でもあり、望むモノさえ与えることができれば契約を必ず履行する悪魔でもある。でもそんな劇薬的な彼女だからこそ、家族のために止まることのできない鉄華団に、客観的な視野を与える気付けとなりうる。
彼女が与える影響は鉄華団だけではなく、力の信奉者であるマクギリスにも及ぶ。厄祭戦をアグニカ・カイエルと共に生き抜き、アグニカを深く知るからこそ彼女はマクギリスにある言葉を伝える事ができる。そしてそれが起点となり物語は大きく変わっていく。
しかし、彼女は狂人である。鉄華団に与えられた仕事は完璧にこなすが、その過程において己の欲が為に敵も味方も何もかも利用する。アグニカが遺した組織の後継であるギャラルホルンが腐敗していようともどうでもいいし、むしろジゼルに暴れる大義名分を与えてくれてありがとうございます。結局はそこに行き着く、そんなのが主人公の鉄血のオルフェンズ再構成ものです。
己のうちに潜む狂気に気が付いたとき、幸か不幸かそれを振るう才能を持っていた。でも世界はそれを簡単に許してくれなかった。だから彼女は、
今日こそは、誰かを殺して良い日でありますように──と。
神に祈りを捧げる。
▼読む際の注意事項など
中盤辺りからほぼオリジナルストーリーです。
独自解釈、独自設定の要素あり。
▲短縮する
チャボくん/2019年06月30日(日) 18:11/★ (参考になった:13/ならなかった:2)