軌跡シリーズを原作とした中でも、屈指の傑作
▼文章、ストーリー、描写などについての紹介など
閃の軌跡を原作とし、トールズⅦ組にオリ主を1人加えたのが始まり。オリ主はかなり強め(最強ではない)であり、原作主人公たちを導く立場となりつつ、自らも苦難を乗り越えていくのが物語の主軸である。基本的には原作のストーリーに沿った展開になるが、オリジナルストーリーも少なくない。
以下に作品の魅力を述べる。
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・主人公をはじめとする多数のオリキャラが、非常に上手く作品内に溶け込んでいる。それぞれのセリフや行動だけでなく、背景や過去設定も綿密に作りこまれている。しかも、この作品で驚異的なのは、作者だけでなく、読者が考案したオリキャラも多数採用している点である(どちらも合わせれば、現時点で30人以上)。ここまで大多数のオリキャラが出てくるにも関わらず、それぞれが薄っぺらになることなく、存分に魅力が描写されている作品は他にない。更に、オリキャラ全てにおいて美麗なイラストが用意されているだけでなく、戦闘中における助太刀シーンのイラストまで導入している(「超獣の玩具 ーin オルディスー」)ことからも、作者の力量は計り知れない。
・原作キャラにおいても、全くと言っていいほどキャラ崩壊していない。原作キャラだけでもかなり人数が多いのに、本作では更に多数のオリキャラが登場している。にも関わらず、それぞれの行動やセリフにも違和感は全く見受けられない。これは、作者の原作に対する理解が深い証拠であろう。
・戦闘描写も非常に秀逸。迫力や綿密さ、テンポの良さを兼ね合わせており、読者を飽きさせることがない。キャラの動きや技だけでなく、戦闘中における心情描写もすばらしい。また、”平級”、”上級”、”準達人級”、”達人級”、”絶人級”というオリジナルな強さの階級を導入していることも、戦闘描写の質の高さに貢献している。
・戦闘以外においても、コメディシーンやシリアスシーンを上手く使い分け、作品に旨みを持たせている。原作準拠のストーリーのみならず、オリジナルストーリーにおいてもコメディとシリアスを使い分け、話の流れが単調にならないようにしている。
▼読む際の注意事項など
・主人公はかなり強いが最強ではなく、しかも強さの割に敗北や苦難が多い。故に、チートな主人公最強系が好きな人にとっては、好みに合わない可能性がある。
・メインヒロインが3人おり、主人公も3人全員愛すると明言しているので、その点が受け入れがたい人はいるかもしれない。ただし、ヒロインたちに対する真剣な想いはきちんと描写されているので、たとえ好みに合わなくても、そこまで不快感はないと思われる。
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黒い翼/2021年03月25日(木) 03:23/★ (参考になった:3/ならなかった:6)