これは抗う物語
▼文章、ストーリー、描写などについての紹介など
この物語は、主人公である少年ゼファーが、苦しんで苦しんで苦しみぬいて。
色んな人と出会ったり失ったり奪われたり育んだり、様々な出来事を経て英雄に変わっていく物語、だと思います。
(32行省略されています)
断言はできません。まだこの物語は終わっておらず、主人公もそこまで至ってしまってはいないので。
ただ一つ言えるのは、この物語は抗う物語です。
様々な困難や絶望。いろんな理不尽に時には折れてもまた立ち上がり、理不尽な運命に抗う物語。
それは主人公だけでなく、大人も、子供も、誰もが誰かに希望を見て、絶望に抗っていく物語です。
どんな状況でも、心の炎だけは絶やしてはいけない。大切なものをあきらめてはいけない。守ることを、苦しまないことを、幸せになることをあきらめてはいけない。
そう語りかけてくる。そんな物語でした。
そして、この物語はそれだけでは終わりません。この物語は主人公だけで完結していません。
出てくる人物に皆、歴史があり思いがあり、どうしようもない矛盾や、こだわりや不合理や。そういったものを抱えています。
それでも。絶望があっても、喪失があっても。人は人を許せるんだ。人は人と手をつなぎ、わかりあえるんだ。たとえバベルの塔なんかがなくっても、他人の心が分かる力なんてなくっても。
少しずつふれあい、近づいて、距離を縮めて、時には傷つけあって。
様々な想いが交差する、傷だらけの腕たちの物語。ぜひとも、一度読んでほしいと思います。
▼読む際の注意事項など
▲短縮する
玉露3/2015年02月01日(日) 02:43/★ (参考になった:22/ならなかった:30)