クラブハウスにはルルーシュ以外にも…

目が見えなくて足も動かない車椅子の最愛の妹・ナナリー。名誉ブリタニア人であるものの忍者の家系でずば抜けた戦闘能力を持つ咲世子。重傷を負い植物状態の紅月ナオト。息子の彼が心配でシュタットフェルト家のメイドとして働きつつ、ルルーシュの家に出入りしつつ目覚めぬ彼の世話をする母・紅月仁美。戸籍上はブリタニア人であり貴族令嬢ながらも、実は日本生まれの日本育ちの出自を持ち、反ブリタニアを掲げたレジスタンス活動に勤しみ、目覚めぬ兄が気がかりで名目上はルルーシュの彼女として彼の家に出入りする紅月カレン。そして、契約者兼共犯者として傍若無人にも我が物顔でクラブハウスに転がり込んだ謎の女・C.C.。

余談だが、ルルーシュ達に引っ捕らえられ、本人はクラブハウスに行きたがっていたけれど、『お兄様』の座を独占したいルルーシュ個人の感情で同居を許して貰えず、リョウたちのアジトに居候する羽目になったクロヴィス。

ただでさえ、今でもルルーシュの周囲は十分カオスなのに、ここにシャーリーまで交ざったらどうなることやら。カレンだけでなく部屋の中をＹシャツと下着で堂々と彷徨くような破廉恥な他の女まで囲ってたと知れば、嫉妬のあまり大暴走するのは目に見えてますが…。

本当にこの娘は、原作本編をリアルタイムで見てた頃から思ってましたが、明るく真っ直ぐで優しい性格は好きなんだけど、何かと行動のタイミングが悪い子でもありましたな。

第一話でルルーシュの携帯に電話をかけてしまい、（あんな状況で携帯電話の電源を切っておかなかったルルーシュも悪いのですが）その着信音でシンジュクゲットーにいたルルーシュは隠れていた所をクロヴィス親衛隊に発見されて、C.C.とギアスの契約をしなくてはならなくなりましたし、『R2』でも妙なタイミングで記憶が戻って、ロロに迂闊な発言して、コンプレックスを刺激したばかりに殺されてしまいましたし…。本作でもタイミングの悪い所は変わっていないようで…。

一方スザクは裁判で無罪放免となり、釈放された所を租界へ買い出しに来ていた『亡国のアキト』でお馴染みのリョウ・ユキヤ・アヤノといった３バカトリオに遭遇していたところに、護衛を撒いて逃亡中だったユフィまで加わりさらに混沌とした状態へ。

ギャラの存在を仄めかされて、金銭欲が刺激されたリョウの一存で、盗んだバイクならぬ出くわした（リョウ達はどっかの貴族の娘だと思ってた）皇女様を攫って走り出し、誘拐して身代金を要求しちゃえばさらに丸儲けと一攫千金の野心が芽生えた所に、彼女がエリア11の副総督に就任する予定だったブリタニアの第三皇女だったと知り、渦中に首を突っ込んだ事で青褪める事に…。降ってわいた幸運におかしな欲を持ち出したばかりに、自ら地獄の釜の蓋を開けて片足を突っ込む羽目になろうとは、人間とはまことに業の深い生き物ですな。

原作のスザクとの『ローマの休日』のような１日だけのラブロマンスじみたバカンスならぬ、日本最後の首相の息子の裏切り者・侵略軍事国家のお姫様・そしてアングラで活動するナンバーズのテロリスト３人組という、これまたおかしな珍道中になってしまいましたな。

この時の金が手に入ると分かった時のリョウとアヤノの目は『忍たま乱太郎』のきり丸のように、目が円か￡（ポンド）になって口から涎を垂らしていた様子が容易に想像できました。

これが縁で、ユフィが個人的な伝手でリョウ達にギャラ次第で依頼を頼む様な、雇い主と傭兵のような関係になりそうで、ワクワクします。何だか『銀魂』の銀時・新八・神楽の万屋一行を思わせますね。

彰とシャーリー、スザクとユフィ＆リョウ・ユキヤ・アヤノといった異色の組み合わせが、あっちもこっちもピンチでどうなることやら。

ルルーシュはシャーリー（と彰）のピンチに駆けつけてくれるのか。シャーリーはこの騒ぎの中、生きて帰る事が出来るのか。

よしんば来てくれても、シャーリーはともかく彰の方は、日頃の恨みを晴らす千載一遇のチャンスと言わんばかりに、カレンと二人で騒動のどさくさに紛れて暗殺して消そうとする様子が容易に想像できます。

リョウ・ユキヤ・アヤノはユフィを連れ出したはいいものの、絶対に追手を差し向けてくるであろうユフィの姉・コーネリアの魔の手から逃れる事が出来るのだろうか。ユフィからスーパーリッチなギャラはぼったくれ…ゲフンゲフン、手に入るのか。そして、なし崩し的に巻き込まれたスザクは、釈放されたばかりでただでさえ立場が微妙なのにどうなってしまうのか。

この交わらなさそうな２つのドラマが、如何に同時進行するのか楽しみです。

では、最後に現在放送中のアニメで、中の人がスザクと同じ櫻井孝宏さんでもあり、僕の好きな漫画家・藤田和日郎先生の好きな漫画の一つ『からくりサーカス』から、（藤田先生も描いてて楽しかったと公式Twitterで呟いておられた）人形遣いのヤクザ・阿紫花英良の名台詞でもあり、今回の騒動が収束した後でリョウがユフィに言いそうな言葉で、今回のコメントは締めたいと思います。

『で…お代はいかほどいただけるんで……？』

▲短縮する