それにしてもこのファン・フィクション、実は、複雑な論理から日本のアニメネタまで、結構入り組んだ作品で、かなり翻訳しづらそうな物語でしたね……
まさか、２９章の〈変化師〉やエルリック兄弟、プレシア・テスタロッサ、それに『まどかマギカ』の話が伏線だったとは、完全に予想外でした

この作品のことは、これからもずっと忘れないと思います
マルフォイの変化やスリザリン寮メンバーの活躍、ヒロインチームの激闘、そしてクィレル先生と星々……どれも記憶に残る場面ばかりでした
美しい情景描写、たまにみんなまだ一年生なんだと思い出させてくれる子供っぽさの表現、ブラックユーモアや残酷で胸に迫る場面、誰もがどうしても合理的に振る舞えない人間らしさを出してしまうところなど……
どの部分も本当に良かったです！

そして何より、３０章の太陽部隊の行進歌がとても良かったです
この作品には何度も驚かされましたが、その中でも一番意表を突かれたのが、この、戦いのさなかでも善良さと自分たちらしさを失わない姿勢でした

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原作へのリスペクトも最大に感じ。この作品を持ち上げることが原作の粗探しにならないことはファンである自分にとっても気持ちが良かったです。

作中で紹介される論文や認知心理学の用語は、ネット記事やビジネス書などでも見かけるものも多くありますが、それを実際に活用した時の効用や反動。リスクも含めて語られるのは、初めて見ました。
作中で最後に語られていた通り、この物語を読むだけでも不足なのでしょうが、それでも論文よりも内容が自分の人生に肉薄してくる感覚があります。

ハリーポッターと合理主義の方法という題名に違わず、見返してみれば終始、ハリーと合理主義との関係性を描いていたのだと気付かされます。
入学の時には完成されていると思い込んでいた合理性が、様々な体験から不十分なことを思い知らされ、さらに人間はそういうふうにはできていない。ことに気づき。真に合理的になることは難しく、以前の自分より正気になろうとすることしかできないのだとわかりつつも、合理の道を進もうとするそんな非合理的で美しい姿に心打たれました。

これからの人生、何度も読み返します。実用書兼、聖書として大切な人にも勧めようと思います。

作者様や翻訳者様への感謝まで書き連ねると超長文になるので、ひとまず感想だけ書かせていただきました。
最高でした。本当にありがとございました。

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そしてそのことに後悔もない。

二次創作というのは、あくまでファンメイドの、公に開かれた場所ではないところで楽しむものであって。また原作があってできるものだと思います。ですから、この二次創作がいくら素晴らしいからって、自分がそれを大げさに神格化しようとしていることに気づくと少し気恥ずかしさもあります。しかし、その原作だって、もっと文脈の深いハイカルチャー的なものからは"俗"的なものだとみなされることがある。

何が言いたいかというと、誰に何を言われようと、面白いものは面白いし、好きなものは好きだよなぁ…ってことです。
そう思わせてくれるほど、世界のあらゆる創作物を薙ぎ倒せると思わせてくれるほど、面白い、素晴らしい作品でした。
ただただ、尊敬と感謝の念が絶えません。
ありがとうございます。

(実は今まで2222...という非ログイン名で感想を書いていたのですが、流石に、何となくちゃんとログインして感想を書きたくなりました。別に大した違いはないのですが。)
確か40話ぐらいから見始めたのですが、そんな感じで、たまに感想を書きながら、長らく、本当に長らくこの作品を追うことができて私は幸せでした。

また、こんなことを言うのもあれですが、この作品で初めて翻訳者という存在を間近に感じたようにも思います。
今の私にとってはこの作品の作者は、二次創作の原作者と、翻訳者様の二人だと感じているわけですが、この感覚は今まで全く持ったことのない感想です。
正直に言ってしまえば、まだかなまだかなと、毎話の翻訳を心待ちにしていた分、翻訳者様の方が私にとっては作者に近い存在に感じています。(この捉え方が翻訳者としての考え方と相反するものでしたらお許しください)
もちろん、原作が存在して、翻訳がされている、というのが仕組みではあるのですが、それを超えた──例えば二人組の漫画家のような──感じ方をしています。
私はずぼらな読者の方で、翻訳者に無頓着でしたから、自分がこういった感じ方をしているのは驚きです。
これからは翻訳者様の名前や何を翻訳しているかなどを気にするようにしたいと思います。
新しい世界を見せてくれて、ありがとうございます。

私にこの作品を出逢わせてくれて、
ただただ、ありがとうございました。
そして長きにわたり、お疲れ様でした。

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