それを成しえるのはケットさんを置いて他に無く、歴史的なものであると断言します。
ただ、これを楽しく、趣味で成しえているのならいいのですが、書くことそのものが苦労ではないのでしょうか？
そこだけが心配になってしまいます。

内容は、思いがけず懐かしいＳＦ、ボトムズなどの名を見れて嬉しいですね。新しいものでは、例えばシドニアの騎士など、本当に嬉しいものです。

さて、細かいところに触れるべきではないと思いながら、勝手な感想を書くことお赦し下さい。
先ず初めに、私としては作品に設定が従うべきだと思っています。
ヤマトも西遊記の現代版（イスカンダルはアレキサンダーのサンスクリット語）という構想が始めにあり、そこから設定を作り上げています。
もちろん科学的リアルさがあった方が良い作品であるし、ものによっては科学的リアルさを楽しみの主体にしたＳＦ作品もあります。
ただしリアルさには限界があり、例えばミノフスキー粒子などという現代科学で分からないような謎を放置しておきながら、細かいところ、コロニーやモビルスーツの動きなどを問題にしても仕方ありません。
銀英伝でもゼッフル粒子はともかく、ヤンの氷塊攻撃は物理的に無理なことです。質量を増大させるような高速に、短時間で到達することは絶対にできません。核融合炉を用いても燃料の数％しかエネルギーにならず、仮に宇宙空間物質を取り込んでも星系内のあの距離では無理なことです。

まあ、銀英伝は時間軸を未来に取り、設定の自由さを増した歴史小説なのでそういった整合性は必要ないのかもしれません。マヴァ―ル年代記は中世ハンガリー、アルスラーン戦記は同じく中世イランを舞台にとったもの、それと同分類のものであるならば。
ＳＦととらえなければ（実は私はそう思っているのですが）、例えばロミオとジュリエットで神父はあんな方法じゃなくジュリエットを恋の賞味期限まで隔離するのが合理的な方法である、と言うのと同じくらい、設定にこだわらなければ、と思います。

ＳＦの分類であっても、未来技術（ワープでも核融合でも）が出てきて、現在の技術がベースではない以上、妙な設定に見えても、実は将来そうなる可能性があります。19世紀の人が現代を見たら、ケータイやパソコン、アシモ君がいるのに、なぜ書けないボールペンやすぐ壊れるビニール傘があるのか不思議に思うでしょう。

もう一つ、これは解明されていないことではありますが、人類は果たして本当に増え広がることを目的としているのでしょうか。
創世記の神の命令、産めよ増やせよ地に満てよ、そして万物を支配せよ、という西洋史観が当たり前になっていますが、本当にそうなのかと。
遠い観念的問題ではありません。
現代日本でも耕せば住める集落、下手な発展途上国より肥沃で、水もあり、楽に暮らせる土地がいくらでもあるのに放棄されています。結果人口再生産などされていません。意識の上でも、子供が多い方がいいなどという価値観は少数です。
ＤＮＡが個体数拡大を望んでいても、人類種はそれ以上に個を重要視し、増えない方が楽なら増えません。生活を犠牲にし、コストをかけて宇宙コロニーを果たして作るでしょうか。失業問題解決という以外に。
いや、そもそもＤＮＡが無限増殖を望んでいるのかも不明です。
未来、今現在の私たちが当たり前に思っている種の存続が本当に続くのでしょうか。

精神的な意識としての人類存続ということでは、地球幼年期の終わり、のバガボンド、あるいはシドニアの騎士の落合が参考になりますね。
例えとしてはエヴァの人類補完計画もその変形になるでしょうか。
ＡＩ系のＳＦなら山ほどありますね。

宇宙服の考察も面白いものです。本当、その通りですね。
将来はロボットになりますでしょうか。小ささ、小回り重視であれば。
人の感覚点の問題がありまして、例えば棒を持つと人の感覚点は棒の先に移動します。あたかも棒の先が指の先に感じるんですね。イチローのバットもそうなんでしょうか。
これが起きやすいのは、人型のものであるのは自明なことです。外科内視鏡は、操作している、という感覚であり、指とは思えません。ですので上手い下手が出やすいのです。誰でも自分の指感覚が得られればいいのですが。
この感覚点の問題からすると、人型というのもなかなか非合理とは言えません。もちろん、工夫次第でなんとかなるとは思います。

勝手なこと書きましたが、ケットさんの試みは貴重であり永遠に残すべきものと思います。
できれば知見を得られた分だけ継ぎ足して、サグラダファミリアのごとく完成を目指してほしいと心から思います。

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なぜなら人間は自分のテリトリーから遠い者達ほど無価値でどうでもいいものとして扱います

例えば、運動会で自分のクラスを応援するのはなぜでしょうか
勝って得られるだろうほんのわずかな称賛のため、あれほどエネルギーを使って応援する必要があるでしょうか

人は自分とその周りだけを活かすよう、その可能性を最大にするよう、他を死滅させたがる生物のようです
そうプログラミングされてるとしか言い様がないですね

それはしかし善悪の基準とは異なり……結局人類の一部でも長く永続させるなら、そのプログラミングの勝ちですね


最後に本題から外れた話をします
今のc3植物(ほとんどの植物)は、二酸化炭素補償点が何と100ppmほどです
一方、昔、石炭紀には今の地球大気の数十倍の二酸化炭素がありました
それを徐々に植物が使い潰して、二酸化炭素資源を枯渇させ 、おまけに酸素汚染まで引き起こしました
もしも人間が文明によって二酸化炭素濃度を280ppmからv字反転させなければ、あと数十万年、数百万年後には植物のほとんどが二酸化炭素不足で死に絶えていたでしょう

要するに何が適者生存といっても、非常に物事は複雑化しているわけで…… ましてそれに善悪の倫理基準を加えると、解析不可能なレベルになるのではないかと
せめて目の前の事柄しか考えられない能力しか人類は持ち合わせていないのか……

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適者生存、それが進化と呼べるのは確かですが、善悪という基準とは適合しない場合があり、
しかもそれは今後益々問題となりそうです

今までも学問化、文明化という「社会的進化」は矛盾を孕んでいましたが、今後は科学技術の発展に伴い、人体そのものを改変するガチの進化待ったなしの状況ですから
人間の「なんとなしの忌避感」、あるいは「原始的拒否感」とそれは相容れなそうです
もちろん、どちらが正しいのか、進化基準で考えるべきなのか善悪基準で考えるべきなのかは分かりません……
それこそ後から振り返るのでなければ

これからも各種思考実験、期待します！

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