反面、詩織の事は行動のみ。かつハルトが分かる事のみです。
彼女の心の葛藤云々は見えず、『好きだったかもしれない男に似ている男に告白され、付き合った』『今彼に不誠実だから、好きだったかもしれない男に振ってほしいと頼んだ』という事実しか見えないんですよね。

思春期ゆえの彼氏彼女という関係に興味がある、幼馴染との関係を壊す恐れ、代理の表れた都合の良さ、諸々が合わさった結果が今の詩織の状況。多分、探せば見つかるくらい小さな世界の一つの流れだと思いました。

幼馴染との年数が数週間で、という感想もありましたが、そりゃあ条件が良い方とるエゴはあるでしょう。むしろないとおかしい、人間だもの。

まずいものより美味しいものを、汚いものより綺麗なものを、『壊れてしまう恐れのある関係よりも、気兼ねのない新しい関係を』ーー詩織は自分の都合の良いものに手を出したけれども、それ自体は悪いことではないはずです。責められはするかもしれないですけどね、人間には感情というものがあるので。

これがまあ、すでに夫婦であったり婚姻関係であったり、彼氏彼女であったなら大問題なわけですが、幼馴染という『だけ』でしかなく、付き合ってもいない『ふわふわした関係』で、道徳的にも問題のない状況。これで将来は浮気する云々っていうのはちょっと飛躍しすぎだし、かわいそうだなぁと思います。

個人の想像でしかありませんが、おそらく詩織はその『ふわふわした関係』が好きだったのだと思います。そして、おそらくそれを維持したくもあったし、一歩外に踏み出す勇気もなかったのでしょう。ゆえに花火やらなんやら、いまだに主人公に執着している節がある……それが主人公を傷つけているとも知らずに。

そりゃそうです。だって彼女は『読者』じゃない。ハルトが潜在的に自分を好きだったなんて知りません。だからこそああいうケジメを求め、傷つけた。彼女なりに精算しようとしたのでしょうが、しかし、それをハルト≒読者はわからない。
この辺りの認識の齟齬が、他の方が引っかかる部分でもあるのでしょうが……それが人間関係ってやつかなぁとも思うわけです。
誰かにとっての善いことは、誰かにとっての悪いことである。それがこの作品の『人間っぽい』ことだと思いましたし、私の好きな点でもあります。

察しが悪い、といえばそれまでですし、自己中だ、と言われれば頷くしかないでしょう。では彼女は全てが唾棄すべき悪女なのか、と問われると、さあ果たして。人間なんて、そんなもんだ。

色々厳しい感想もあるとは思いますが、どうか作者さんは続きを紡いでいただきたい。こう、あれなんだ。色々詩織擁護みたいなことしたけども、ハルトくんに幸せになってほしいのだ。

幼馴染という形から少しズレてしまった歯車。これが別の何かと噛み合うのか、はたまた空回りするのか……気長に楽しみにしております。個人的には石黒ちゃんがヒロインだとすごく嬉しいです、はい。

長々と失礼いたしました。それでは、お体にお気をつけて。

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-追記-

あとハルちゃんと詩織の友達も何も言わないのはおかしい気がする
2人のことを散々夫婦だ何だと言ってたのに 突然詩織は高見とイチャイチャしている 普通なら直接詩織に聞くと思う
その過程で ハルちゃんに語った経緯を話して 聞いた友達もこれ拗れてる両思いだなと 第三者のポジションならすぐ思い当たる
ハルちゃんはともかく クラスで人気あると思われる詩織が友達にも何も言わずにここまで話が拗れてるのはおかしくないですか？
実は2人共ボッチだったんです なら分かるが
話題性タップリな2人プラス高見を 放って置く友達は変じゃね？

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