17歳ほどの兄が生き残る為じゃなく、生き残らせる為に、命懸けで妹の命を繋ごうとするのも…地獄で一人の少女を守る為に全部捧げてる覚悟、すき…その死の描写も、その手を掴めなかった感じでとても良い

託されて、託され続けて、最後に母親の重さが伝わるのが凄く、凄く…悲しいけど、すき
最後に声が消えて、音がなくなっていく感じがいい
きっとルーナちゃんが立って、母親が座りながらの体勢で抱き寄せて…力もなくて喉も乾いてるから耳元で囁くように、掠れた声だけれども聞こえるように顎をルーナちゃんの肩にのせてたと思うんです
支えられなくなっていくのも、守りきれなかった母親が、死にながら力が抜けて自身を支えられなくなる
ルーナちゃんが、その嵩んでいく重さで徐々に伝わってくる母親の死に耐えられなくて、預けられていく母親の体を支えられなくなっていく
そんな両方の感じがしてしまって、とても…とても…
最初に目覚めた時に抱きしめてくれて、守ってくれて、身を委ねさせてくれて…
最期に抱きしめきれなくなって、守れなくなって、身を預けられて重さに変わってしまうの…悲しすぎるけど、すき…
村の全員から生きることを託された重さ、自分の代わりに死んでいった人達に感じてしまう罪悪感の重さも加わって、ルーナちゃんの心すらも支えることが…って感じが、つらい

村の全ての人から愛をもらったと、貴方だけでも、お前だけでも、お前さんが、生きてればいいことがある、何とか生き残ってと、愛を思い出すたびに、村の出来事を思い起こすたびに、みんな死んだ。私は、まだ、生きているって自分のために起こった死と自分の生を罪のように、噛み締めるように思い出してしまうルーナちゃん…
ルーナちゃんの頭の中は母の死を思い返すだけで、思考が詰まってしまう程には辛い
その愛を受け取ることが申し訳なかったけど、それをずっと手放したくなかったってのもあって…死が鮮明に書かれていたのが兄と母っていうのも、身内で愛を一番近く感じられた人の一番手放したくない愛が手からすり抜けて沈んでいく、そんな風に書かれてて…すき

花も枯れて、風景が色褪せて、託され続けたその行き着く先が行き止まりってつらすぎる
みんな死んだ、私だけが生きているって事実だけが頭の中をずっとぐるぐるしてるのも、思考の行き止まり感あってな…

純粋に今までの出来事を考えたくないってのもあるんだろうけれども、ルーナちゃんが喋り辛いの、食事も水分も会話も取れてないから、口がおぼつかないってのもありそう
誰もいないし、力使っちゃうから…

モルガンのところ、多分fate特有の召喚のあのシーンみたいな感じになってそう(召喚してないけど
あるいはベディヴィエールが看取った時のシーン…
アーサー王の、姉っていう時に少し間があるの、あんま認めたくないんだろうなぁ…復讐の相手だからね

託されたものを無意味なものにしたくない
貴方だけでも生きてくれっていう優しい祈りだった筈が、そう言ってくれた人々の為に戦い続ける呪いに変わってしまう
本来優しい筈の村の人たちが怨念になってまでルーナちゃんを守ってくれたように、その死を無意味なものにしない為に闘い、生き続けると誓ったルーナちゃん…
そうなってまで守り通したい、微かな声があるって感じが好き

雑に考えたってモルガンはそう思うけど、ルーナちゃんからしてみればある程度考えてそうに見えたの、やっぱりモルガンの優しさ…ってなる
雑に、本気ではなく考えたかもしれないけど、それでもやっぱり言葉を選んであげてるんだなって

村の人々を思い出すたびに、みんな死んだ、私だけが生きているとなっていたのが、忘れない、無駄にはしないってなるの良い
純粋無垢な子供だった自分でいること、思い出を、愛を、感情を、子供らしさを、弱さをそこに置いて、それでもこの村で育った私でいること、この村最後の生き残りであることはやめないって悲しい覚悟だけど、いいな
でも、その弱さは置いたはずだけど、そこまで綺麗に捨てされるものでもないから、振り返っちゃうの良い…
黒い薔薇、花言葉は永遠不滅の愛
その場所にルーナちゃんの愛情が残ったというべきか、人々から手向けられた愛情というべきか…

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