>時間稼ぎ
実際現時点において唯一「御家や領国統治の責任を負っていない」のが政景なので、誰が適任かと問われればこうもなるよね。本人は死ぬ気なく頭を回し続けて最善手を出そうとしているし。なお馬の合う年下の姫武将に死ねと命じなければならない氏政や北武蔵衆の心情が滅茶苦茶になる事は考慮しないものとする。ショック療法で憲秀に更生の目が出たのは収穫とはいえ割に合わねぇ…。

>名誉
>ナポレオンと同じ思想
産業革命くらいまではカネと同等か以上に名誉が男達を動かす原動力だったからねぇ…島津の捨て奸もナポレオンの国民軍もそこに名誉があってこそ成立したモノだし、朝倉宗滴の『勝事本候』にしたって「戦勝という名誉」が前提だし。何なら全ての価値をカネで考えるようになった現代でさえ命や利益より名誉を重視する人間も多いから今でも原動力の一つではある。

>兼音出陣
出陣するとは思っていたが、遠征軍救援ではなく連合軍の退路を国ごと遮断に動くとは。これ下野国人は勝とうが負けようが孔明の策にかかった魏軍よろしく「殴られる前に殴りに行って帰ってきたらあべこべに居城が奪われていたでござる」となるのか…しかも佐竹領はノータッチだから佐竹軍だけは外交交渉で脱出可能という逃げ道まで作ってやがる。これを咄嗟に戦略として提出できる胤治はやはり軍師の鏡、実家から引き抜いて正解だったよ。
しかしこれ氏政や遠征軍の面々を完全に信頼した策だよなぁ。しれっと武田へ援軍要請という越権行為もやってるし、策の破綻もそうだが戦後各方面からなんと言われるか心配になって来た。
>とち狂ったことをし始めないと良いのだが
すいません、噂の義妹は十倍の兵率いる老虎相手に突撃して煽って誘引撤退戦かまそうとしています。ヤバいですね！撤退路と救援路がばっちり噛み合ってるのは結果的にファインプレーなのが…武田の旗色？「全国区になった元地下アイドルに『助けて』と頼られた強火のファン一号」が向こうに居るじゃろ？

▲短縮する

下野に侵攻して一国を落とすことで事態を打開して更に勢力拡大までしようとしていますが、相手もその作戦を考慮している可能性もありますし思惑通りに上手くいくほど甘くはないだろうと思いました。手勢はわずかでしょうが唐沢山城は堅城ですし、多功一族らを擁する宇都宮家も舐めてかかると足元を掬われますかねないですから。とはいえ、下野を落としきれなくとも本拠地を攻撃することで上州の下野勢を撤退させられれば氏政本隊への援護になるので、ハイリスクとはいえ作戦としてはありだと思いました。

兼音は、北条の為に天下を狙い織田家と対峙できるまでに勢力を早く拡大しようという戦略の為にやや焦っているところがあるので、そこが弱点のように感じました。いくら実力があるとはいえども勢力を急拡大すれば原作の織田家や今回のように綻びが生じますが、その原因の一つである諜報要員の不足等は短期間で解決しにくいにも関わらず、仮に下野を手に入れると問題は更に深まりかねないと思いました。

兼音の戦術や戦略はとても素晴らしいですが、東国諸氏を比較的短い期間で平定し永禄の変にも介入しようというのは、北条家への信頼の高さや大局を見すぎているがゆえに見通しがやや甘いように感じます。もっともそれは原作の織田家などにも言えることですし、原作の信奈達も兼音も不可能と思われた事を実現してきたわけですから、兼音なら一見無理そうな戦略を実現する可能性もあるとは思います。また、私は優秀だけれども偶に隙がある所もキャラの魅力だと思います。

>永禄の変
三好長慶がどうなるかわかりませんが、三好家との絡みが楽しみです。また、相手は原作チートの細川藤孝なので思惑通りに活かせてはくれなさそうで楽しみです。

>武田家
史実のように上州に勢力を伸ばしたい一派もいるでしょうから、今後の動きが楽しみです。

長文の感想失礼しました。一番大切なことは作者様が書きたい作品を書くことですから、只の感想として流してくだされば幸いです。今後も楽しみにしています。

▲短縮する

＞敵に、どちらに氏政様がいるか見分けることはできないはず。
＞目の前の脅威を排除するべく、業政本人が望まずとも配下が襲いかかってくる。

凄い、これは凄いです。
軍を2つに分けるのは合理的な判断というか他に選択肢がありませんが、どう考えても圧倒的少数の捨て駒の中に氏政がいるはずがないことは、業政が気付かないはずがありません。
ですが、寄せ集めの国人衆は大名レベルの視点を持ってないので、そこまで分からずに目先の功績に逸ってしまいますし、現状の業政の立場は大名ではなく山内上杉側の上野の国人衆の顔役でしかないので、強く統率するのは無理。
業政が上野の国人衆の性質を利用して氏時隊を死地に追い込んだのと全く同じ発想に自力で到達して、アドリブで業政へのカウンターに使おうとしてる政景の戦略眼、業政を足止めする戦略目標を達成しつつ生きて撤退するために軽井沢までの行軍ルートも考えてる戦術眼は一流武将になってるどころか一流武将の域を超えかけてるレベルですね。
最初に考えた側の方が読みが深いので、普通こういうカウンターは失敗しますが、自分がやった作戦を即カウンターされたからこそ相手が自分と同じことをしてる可能性に真っ先に気付いてしまう、釣られた国人衆を殲滅するための伏兵が仕込まれてる可能性を疑って全力で氏政を追撃できなくなります。
業政を足止めする最適解をアドリブで出せた今の政景は、部隊を指揮して戦術レベルで軍神ちゃん側の部隊と戦う武将としてなら普通に川中島でも通用すると思います。
遠山の生まれで兼音の義妹なので元々かなり格が高いですし、陪臣ではなく氏康の直臣な政景が生還したら格に実績と名声が釣り合って、単なる「一条家の跡継ぎ」を超えて元忠に近いポジションの北条家自体の重臣になりそうです。

憲秀の啖呵、松田家当主なので邪険にできないだけで、憲秀を絶対嫌ってた垪和氏続辺りは印象が100%変わったでしょうね。
上州攻めに参加してる諸将で、これでも憲秀を嫌い続ける武将はいないと思います。
本陣にいない諸将も、フラットに物を見れる信為は後から話を聞いて憲秀を見直して根回しに動くでしょうし、本人が自分の能力を自覚したので地位だけ高い足手まといじゃなくなったのは不幸中の幸いだと思いました。

下野に攻め込む兼音の判断は、情報不足で上州攻めの軍勢の危機レベルを現場より軽く考えてるのかなと思います。
兼音に風魔の連絡より島左近の連絡が先に届いたのは、この時点でも風魔の諜報力が相手に負けてる証拠ですし、それなら青備えが下野を攻めても「確実に氏政を殺しきるために情報をわざと握り潰して下野の諸将に自分の所領が攻められてることを教えない」みたいなえげつないこともできてしまうのでは？
仮にそこまでの諜報力がなくても、風魔を使って情報戦をやる北条のやり方は関八州に知れ渡ってるので、「風魔が流した虚報ということにする」のは難しくないと思います。

兼音の珍しい失敗というか、原胤治は兼音の軍師ではなく兼音が軍師をやれない時に代わりをやるための人材なのですから、こういう非常事態で兼音と同行しなければならない必然性は胤治にはないはずです。
兼音が下野に攻め込むなら胤治が鉢形城に行けば上野で包囲されてる軍の生存率はかなり上がると思いますし、どちらかというと下野に行く兼音の代わりに自分が上野に対応する選択肢を出せなかった胤治の判断ミスだと思うのですが、胤治のミスも現場の深刻さが正確に伝わってない情報不足のせい、更に言えば風魔の情報に頼れる前提になってた兼音と胤治の無意識な部分が最大の問題ですよね。
風魔の諜報力に頼りすぎてた部分は、松田家の家格に自信を持ちすぎてた憲秀を批判できませんし、兼音が自分で気付いて今のうちに反省できなければ将来織田家と戦う時に松永久秀や竹中半兵衛に翻弄されてかなり痛い目を見ると思います。

独断で武田と連絡を取るのもヤバいですが、完全に氏尭の管轄な白河結城を氏尭の頭越しに勝手に動かすのはもっとヤバいのでは。
普通の家なら、北条でも五色備えの特権と今までの凄まじい戦功がなければ事後に切腹間違いなしですよね。

氏尭と遠山と元忠の黒備えは小田と佐竹に釘付けにされて動けない、本拠の小田原と関東公方がいる鎌倉を焼かれたら北条の面子が潰れるので水軍を管轄してる綱高の赤備えも動けない、氏時と大道寺は箕輪城で壊滅寸前、氏邦と氏照と黄備えの綱成も氏政と一緒に上野で包囲されてて大ピンチ。
状況を整理すると、御三家はどこも動けない、国主を任されてる一門も伊豆の幻庵以外は誰も動けない、五色備えもフリーなのは兼音の青備えと信為の白備えだけで、北条の主力のほとんどが死に体にされてて、氏政だけじゃなくて北条全体が地獄になってますね。
仮に兼音が独断で動いてなくても、この状況で青備えを他の戦線に動かすのはあり得ない選択肢ですし、戦が得意じゃない上に風魔を管轄してる幻庵を情報戦で負けてる中で動かすのも無理でしょう。
この状況で総大将をやれる格と実績があるのは消去法で氏康本人か宿老の信為、隠居した盛秀を引っ張り出すかなので、里見が陸上で動いたら氏康が動かせる直臣は最初から対里見を見越して配置されてる白備えと、江戸城代でかなり大きな兵力を持ってる太田康資くらい。

利に聡いからこそ、ここで北条が勝ったら謀反のチャンスは二度と来ないって分かる嗅覚を持ってるでしょうし、江戸城代でかなり大きな兵力を持ってる太田康資が北条が負けると見て江戸城主とかを餌に里見に寝返ったら、氏康まで詰み寸前になりません？
氏康が前線に出たら、康資が後方を寸断して氏康が包囲されて氏政と同じように死地に陥る。
氏康の性格なら情報を集めるために江戸に留まる可能性の方が高そうですが、その場合、いくら白備えが精鋭で信為が優秀でも相手が里見義堯なので大損害は確実。
信為だけで義堯に勝てるなら、そもそも里見が警戒対象になりませんし。

関八州でほぼ覇権を握ってるどころか、日本全体でも圧倒的な国力を持ってる北条家がここまで窮地に陥ってるのは、どう考えても国ごとに国主と寄騎を置く氏康の統治政策の弱点を徹底的に突かれたから。
自分の手元で動かせる戦力がほとんどないことを氏康が理解してしまったら、氏尭以外の姉妹が全員戦死しかけていて、氏時や綱高のような年長の一門も、兼音も近くにいない氏康が錯乱せずに冷静な判断力を保てるのかな？とも思います。

▲短縮する