>第二次上州征伐
桶狭間前のこの時期に各地の防衛戦力ほとんど手を付けずに総兵力二万の外征軍団仕立て上げるとか、周辺勢力からすると最早無理ゲーでしかない。天下統一現状最有力であろう三好家でもそんなんできんだろうに。もしかしてソビエト式根こそぎ動員かけたら現時点でもう北条は10万人動員できるんじゃないか？
>現在の時系列はおそらく1556年頃
この認識は間違っちゃいないんだが、織田家に良晴がパイルダーオンしちゃったせいでこれから歴史が猛烈な早回しをはじめるのが…梅雨頃に長良川の戦いだとして最速なら翌年頭に桶狭間発生とかいうゲームみたいな動きしかねんぞ。情報受け取った兼音が宇宙猫になること請け合いである。

>箕輪籠城
「籠城するとは言ったが『誰が』とは一言も言ってない！」うーむこれは完璧な叙述トリック。てっきり越後がまた無理を通してくるとばかり…。
考えてみれば下野国人も佐竹も里見も北条に「次はお前な」と言われる立場だからそら抵抗勢力が多いうちに動くわな。佐竹なら連合軍の旗頭として家柄十分だし、軍略は業正と(まだ当主じゃないはずだけど)頼重がなんとかできるし、まだまだ策はあるっぽいし。
というか河越夜戦書いてた頃にここまで構想できてたのか。すごいなぁ…。

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上野衆と大道寺党の氏時隊は見事な空城の計で死に体になってるので、すぐに救援しなければ文字通り全滅してしまいますが、藤田家で何かあれば氏邦も戦場を離れなければならなくなります。
氏時隊に後詰めを送らなければ三家老の一角が壊滅、上野の国人衆どころか譜代の信頼まで失って寝返りが相次ぐので、下野から来た敵軍との野戦を避けて退却は絶対にできない。

となると、最高指揮官の氏政は一門不在で、しかも兵糧の差配を委任されていた盛昌を頼れない状況で、南武蔵衆以外の氏照隊と北武蔵衆を氏時隊への援軍と下野の敵軍の迎撃の2つに再編成しなければならない。
氏照と南武蔵衆は退却、氏邦も藤田家鎮圧のために離脱、氏政の手元にある戦力は氏邦が残した北武蔵衆と、氏照隊に編成されていたものの南武蔵衆ではないので残るであろう松田家。
一門も三家老筆頭の盛昌もいなければ、上州攻めの軍勢の中で氏政の次に地位が高く、兵力が多いのは松田憲秀ということになります。

そもそも若手の不満を解消するための遠征なので、地位と兵力を無視して憲秀以外をどちらかの指揮官にするのは無理でしょう。
嫌でも初陣の憲秀を寄せ集めで統制が取れていない部隊の指揮官にしなければならない状況を作り出されている、空城の計より、むしろこちらの方が恐ろしいです。

-追記-

よく考えると、軍を2つに再編成するにしても、氏政が北武蔵衆を率いて下野の敵軍を迎撃、憲秀が松田家とその他若手を率いて氏時隊の救援って選択肢しかありませんね。
今までの経緯から憲秀に北武蔵衆が従うはずがないことに加え、北武蔵衆と松田家の手勢が氏政の手元にある主力なので、両者を一緒に行動させるのは普通に考えてあり得ない。

初陣の憲秀にやらせるなら、完全にイレギュラーな存在である下野の敵を野戦で迎撃させるより、氏時隊の救援に向かわせる方がまだ安全。
逆に言えば、そもそも氏政も実戦経験が少ないので、実戦経験が多い精鋭の北武蔵衆は動員兵力が限られていると分かっている長野より、正確な兵数が不明な下野の敵の迎撃に向けるのが常識的な選択。

北条家が上州攻めを始めた時点で、北条家次期当主の氏政を野戦に引きずり出して首を取り、長野が三家老の2つを殲滅するプランを立てて、この時点で半分成功させている化け物が敵陣営にいるんですよね……。
一族と大身の家臣の寄騎という氏康様が内政を安定させるために敷いた統治政策が、動員が始まった時点で敵に編成がある程度読めてしまうという、軍事面で凄まじいマイナスに働いている感があります。
小田原にいても報告を受けてすぐに事態を理解できるでしょうし、自分の統治政策が北条家と姉妹の命の危機を招いていると知った氏康様は精神的ショックで倒れてしまうのでは。

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