哀れ間桐臓硯、哀れマキリ・ゾォルケン、かつて全ての悪の廃絶を願い、
己の代で完成してしまった一族の魔術の才に抗い、それでもと問い続け、正義に燃えた青年の姿は500年の時に無残にも
蟲に成り果て散りました。
救いなく打ち倒される悪として描写される彼ですが、そんな彼に末期の言葉を投げかけられるのは、
それこそユステーツァの残滓たるイリヤ以外にないでしょう、なんともいえない寂寥感が胸を満たします。
しかしながら、今回こうしてサーヴァント連合軍によって桜が臓硯の呪縛から開放されるというのは、実に感慨深いです。

エミヤシロウの愚痴がなんともはや虚しく…。
彼は結局、理想に溺れて溺死したわけで、
そんな生前からしてみたら、こうしてサーヴァントもそのマスターも欠ける事なくあり、
しかも同盟を組んで聖杯戦争を停戦状態に持ち込むという離れ業を演じて見せたヤンには思うところあったのでしょう、
が、しかし、それでも自分殺しはいけませんとおもうのです、私は。
Fate発表当時から学校仮面と謗られてきたのは、どこか彼に残る幼さを無理やり鎧った結果なのだと思いますが、
それが私にはいささか以上に不愉快に見えてしょうがないのです。
つまり、現状の彼に「ざまぁ」とか「NDK」とかやってやりたいｗ

次回楽しみに待ってます。

▲短縮する

そしてあの蟲爺の本体の蟲（＝アイリスフィールの成れの果てである、第四次聖杯戦争での小聖杯の欠片）が取り除かれた今、最早桜がマキリの小聖杯として暴走（黒桜化）することは有り得ないでしょう。
考えてみれば、黒桜は「始まりの御三家の、浅ましい欲望のための短絡的な行動」が壮絶な化学反応を起こした結果生まれたわけですから、悪い意味において「始まりの御三家の最高傑作」ですね、まったく褒め称える気になれませんが。

それにしても時臣や蟲爺は、大聖杯の汚染を全く知らなかったのでしょうか？
自分自身で大聖杯を汚染した挙句、ドイツに逃げ帰ってほったらかしにしたアハト翁は論外としても、「冬木の管理者（セカンドオーナー）」や「始まりの御三家」の肩書が聞いて呆れますよ。
知らなければ「大聖杯の整備点検」を60年間全くやってないことになりますし、知っていたら「自分の悲願のためなら、そのために何万人死のうが、冬木市や日本が滅びようが知ったことではない」という外道の極み（でもFate世界の魔術師としては、むしろ模範的かつ典型的）な思考の持ち主ということになりますね。

こうしてみると、Zeroの雨生龍之介は、「もっともらしげな大義（根源への到達、死を知る）を口実に、外道な振る舞いを自己正当化する」という魔術師（衛宮切嗣も例外に非ず）の下種下劣な側面を誇張した存在にしか見えなくなってきました。

▲短縮する