『と』は、ごく自然な流れの時に使われる接続助詞ですので、『心外』と本人が述べているのだから、この場合は少々不適切です。

「サグメさんに、こうも嫌われる『とは』些か心外ですね」
　のように「というのは」の意味で用いる『とは』を使用するか、

「サグメさんに、こうも嫌われると（まさかそんなことを言われるとは思わなかったので）傷付きます」

　という風にした方が良いです。


・ドレミーは私からの返答を待たずに、吐露のように言葉を続ける。

『吐露』は心情を打ち明ける行為その物のことをさす
、サ変動詞ですし、基本的には何か吐露する対象を明示して用いる言葉ですので

・私に対する不満を吐露するかのように言葉を続ける。

　とした方が自然だと思います。（ただこの部分は明確な根拠を用意出来なかったのでスルーしてもらっても構いません）


・「悪夢の味なんて、知りたくない」
・「内側から穢れに犯されそうだもの」

　この部分はドレミーから悪夢の話を聞きたくない、聞いてしまうだけで穢れてしまいそう、という部分なので、『内側から穢れに犯されそう』よりも『耳が腐り落ちてしまいそう』などの、外部から悪影響を受けるような描写にした方が良いのではないでしょうか。


・夢から覚める前に、形だけでも殺しておく。

　この部分は個人的に気になった箇所なのですが、月人の嫌う穢れが生命の生き死にから来る以上、形だけとはいえ「他人を殺す」行為そのものが穢れを生み出すのではないか、という部分が引っかかりました。蓬莱の薬の描写から、生死の概念そのものが穢れだと思っていたので、ここは気になります。

それこそサグメの矛盾した在り方なのか、それとも実際の死でなければ無問題なのか。その辺りの描写があればもっと良かったのかな、と思います。


【総評】
　総合的に見れば短いながら良く纏まっています。むしろ短いからこそ無駄な描写が無く、余韻がより強く残るようになっていると思います。また内容も興味深く、大変読んでいて楽しい作品でした。
　今回難癖つけのように批評させていただきましたが、充分に文章も読みやすく、そこまで強い違和感を覚えるような描写もありませんでした。
　これからも執筆頑張ってください。

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