タイトル侘しい仔竜と逃亡王子小説ID271014
原作ファンタジー / 日常作者ムラムリ
あらすじ僕は騎士を喪った。
私は母を喪った。
僕は母を殺された彼女に申し訳なく思った。
私は騎士を殺された彼を哀れに思った。
僕は構えた弓を投げ捨てた。
私は命を差し出した彼に寄り添った。
僕達はまだ幼過ぎた。
私達はまだ温もりから離れたくなかった。
僕達は助け合わなければ生きられなかった。
私達はそれぞれでは立ち直れなかった。
そんな生活も月日が経てば気慣れたものになっていった。
ぎこちない日常も季節が巡れば心安らぐものになっていった。
彼女の牙は大きな脅威も恐れ慄くものだった。
彼の弓は気付かれないままに獲物を仕留めてみせた。
何よりも気の知れた仲になった。
寝食を共にするのが当たり前になった。
寒い日に身を寄せ合って眠るのが心地良かった。
暑い日に水を浴びせ合うのは楽しかった。
でも。
けれど。
僕は王子であるという事実からは逃れられなかった。
私は人と共に生きる事への苦難を知らなかった。
※なろうにも投稿してます
タグドラゴン ムシュフシュ ファンタジー 書き出し祭り 日常
必須タグ残酷な描写
掲載開始2021年10月11日(月) 08:15話数連載(完結) 30話UA2,437
最新投稿2022年04月08日(金) 13:15しおり13件お気に入り33件
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