行別ここすき者数
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履歴はこちら。
(0) 世界が重なるという事は、己の常識が揺らぐという事でもある。
(0) 俺は甲河朧を見て、それを思い知った。
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(0)「対魔忍の甲河朧と申します。
(0) 後輩二人がお世話になったそうで……あの、何か?」
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(0)「ああ。
(0) 失礼。
(0) ヤタガラスのサマナーである 入即出やる夫と申します。
(0) 後輩の方々とくらべて挨拶が丁寧だなと思いまして」
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(0)「まぁ。
(0) あの二人またやったのね。
(0) 後でお説教しておかないと」
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(0) 誰だこいつ。
(0) そんな事言える訳もなく俺は朧と握手をする。
(0) とりあえず、状況を確認したい。
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(0)「こちらに朧さんがこられたのはどのような理由で?」
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(0) 俺の確認に、朧がちらりと牝の顔を出す。
(0) あー。
(0) これ色仕掛けで俺を落としに来たな。
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(0)「はい。
(0) 色仕掛けでやる夫さんを落とせればと思いまして」
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(0)「ちょっと」
(0)「へぇ……」
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(0) こっちの内心を読んだ朧があっさりとぶっちゃけ、叢雲とステンノの目が好戦的になる。
(0) さすがエロゲ出身悪落ちくノ一。
(0) 色仕掛けにためらいがない。
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(0)「真面目な話として、ここ最近一気に急増している魔物がらみの事件で関係者が足りないのです。
(0) そんな中、新星のように現れた、悪魔召喚師。
(0) 何処も狙わないわけ無いじゃないですか?」
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(0) おかしい。
(0) 対魔忍なのに会話がまったくエロくない。
(0) 試しに下ネタジョークをかましてみる。
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(0)「という事は、種付けおじさんとして人生を謳歌することも可能と?」
(0)「もちろん。
(0) とはいえ、殿方にわかりやすく言うならば、お好きなAVやゲームよりも競馬と思っていただいた方が分かりやすいかと」
(0)「俺はノーザンテーストという訳だ」
(0)「どちらかといえば、サンデーサイレンスになると信じております」
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(0) 浪漫と言えば浪漫なのだが、こうもう少し何というか、あけっぴろげだと萎える。
(0) そんなことお構いなしに、甲河朧はぶっちゃけ続ける。
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(0)「あ。
(0) 私だけでなく、こちらに来ている水城不知火と井河アサギもやっちゃっていいんで」
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(0) 本当にこの国もう駄目かもしれない。
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(0)甲河朧
(0) ベースレベル 23
(0) メガテン世界修正 ベースの56% = 12
(0) サイコロブースト +60% = 19 問題なく魔法が使えるので+修正
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(0) さすがアサギのライバルになるだけあって強い。
(0) 何よりも悪落ち系だけあって頭が対魔忍でない(ここ強調)。
(0) なお、彼女の指導で八津紫や井川サクラもこっちに来ているらしい。
(0) もちろん手出しOKだそうだ。
(0) これで手を出せるならば喜んで出したい所ではあるのだが、これ明確な地雷である。
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(0)「どっちなんだろうな。
(0) ノマドが潰れると困るから、対魔忍側が俺に人身御供を差し出したか、俺を取り込んで魔族側に引き入れるつもりなのか」
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(0) ホテル業魔殿にて朧との会談後。
(0) 俺はコーヒーを飲みながら、考えを口にする。
(0) それを聞いていたのは、叢雲とステンノだけでなく、ここに逃れてきた東風谷早苗と八坂神奈子と洩矢諏訪子の三柱だった。
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(0)「どっちもあるだろうね。
(0) ここにいる間に色々見させてもらったが、ひどいもんじゃないか」
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(0) どうやら政府中枢は対魔忍世界で固まったらしく、総理は朝井考次郎、官房長官は野々村広男と名前が出てきている。
(0) もちろん魔族と繋がっているのは言うまでもない。
(0) これで国民が苦しんでいるならばまだしも、笑ってしまうことにこの国は未だ史上空前の繁栄を謳歌しているのだった。
(0) 理由は簡単。
(0) 学園都市から流れる超技術に、東京キングダムや地下都市ヨミハラという快楽の都を抱え欲望が金を生み、金が金を生んでいた。
(0) そしてメガテン世界と繋がったことでマッカが流通するようになるとこの流れは更に加速する。
(0) バブルはフロンティアがある限りは破綻しない。
(0) 日本はこの魔界という新たなるフロンティアを得て、欲に溺れ、金に溺れ、新たなるソドムとゴモラとして名をはせようとしていたのである。
(0) これで庶民が貧乏になるなら怒りもするが、金持ちが更に金持ちになっただけで、治安の悪化は夜一人で出歩かないようにレベルなのがまた、この国の治安組織と退魔組織の優秀さを物語っている。
(2) 多分、日銀総裁以上に頭を抱えているのは、マッカ製造管理者の魔王ルキフグスなのだろうなぁ。
(0) 多分、今円安マッカ高が進行していて、マッカ製造が追いつかないとか。
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(0)「なるほど」
(0)「どうしたの?
(0) やる夫?」
(0)「いや、一つ納得いく事があってな」
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(0) ソウルハッカーズの魂収集システム、あれはマッカ製造の為の資源鉱山の役割を果たしている訳だ。
(0) そりゃ、ファントムソサエティーが本計画にするわな。
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(0)「で、私達を学園都市から助け出して、どうするつもりなのかな?」
(0)「天海市攻略の為に助力をお願いしたい」
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(0) 洩矢諏訪子の質問に俺は即答する。
(0) 今回動かすのはクズノハと関東魔法協会だが、彼らだけでは戦力が心もとない。
(0) 囚われずに動ける遊撃戦力がどうしても欲しかったのだ。
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(0)「具体的には?」
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(0) 東風谷早苗を危ない目に合わせたくない八坂神奈子が俺の目を見つめて問い詰める。
(0) 俺もこんな所で神様の機嫌は損ねたくないのであっさりと種を明かした。
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(0)「サポートして欲しいハッカー集団が居る。
(0) 『スプーキーズ』って言って……」
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(0) 話し合いの後、洩矢諏訪子が俺の耳元でささやく。
(0) 考えてみれば、彼女の子孫が東風谷早苗という設定だったっけ。
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(0)「早苗を孕ませてもいいけど大事にするんだよ。
(0) さもないと祟るから」
(0)「あら?
(0) 既に二人いるのにまだ欲しいのかしら?」
(0)「へぇ……
(0) 色々とお話が必要みたいね」
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(0) あのカエル神。
(0) 二人に聞こえるように言いやがった。
(0) ハーレムってのも楽じゃない。
(0) 手出しOKでもその後ろにある地雷を見て、俺はハーレムのデメリットを学んだのだった。