行別ここすき者数
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(0) 月面周回軌道にジュピトリス級超大型輸送艦が浮かんでいた。
(0) 全長2000メートルを超えるこの巨体は木星からヘリウム3を運ぶ巨大タンカーであり、往復四年の乗員の生活を支える移動コロニーでもあった。
(0) 中には工業区画もあり、シロッコはそこで自分の設計したMSを製造までしている。
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(0)「そりゃ、基地いらんと答えるな」
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(0) そんな巨艦から連絡用シャトルが宇宙港に着陸する。
(0) 俺はぼやきながら宇宙港でシロッコを出迎えた。
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(0) シロッコのニューソクデ大将への印象 100で好意的
(0) 98 クリティカル
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(0)「パプテマス・シロッコ大佐です。
(0) この度、月方面艦隊監察官として赴任してまいりました。
(0) 一年戦争の英雄の下で働けるとは光栄です」
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(0)「たまたま生き残った俗物でしかないよ。私は」
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(0)「謙遜を。
(0) 常に世の中を動かしてきたのは一握りの英雄です。
(0) 貴方にはその力がある」
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(0) 侍らせた女たちには目もむけず、まっすく俺をだけを見てシロッコは手を差し出した。
(0) 握手をして執務室に入ると彼は本題を切り出す。
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(0)「ティターンズの一部には、閣下を排除しろという声があります」
(0)「知っているよ。
(0) てっきり君がその刺客かと思っていた」
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(0) 俺の冗談をシロッコは白々しく吐き捨てた。
(0) また、様になるから本心かどうかわからないのが困る。
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(0)「ご冗談を。
(0) 私が刺客ならば、あんな杜撰な襲撃など企画しませんとも」
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(0)「まるで、君だったら成功していたかのような口ぶりだな」
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(0)「当然です。それだけの自負は持っているつもりです」
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(0)「ならば私は幸せ者だ。
(0) 君を敵に回さずに済みそうだ」
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(0) なお、背後にいる叢雲・ステンノ・マシュは殺気バリバリである。
(0) ついでに言うと、オボロは重武装の警護兵とともに隣で突入準備をしていたり。
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(0)「世界の都合というものを洞察できない輩は排除すべきです。閣下。
(0) 少なくともあなたはそれを理解している」
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(0)「臆病なだけだよ」
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(0) シロッコはテーブルに命令書を置いた。
(0) 正規の監察官の任命書とその権限が書かれている。
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(0)「私を任命した上の目的は、エゥーゴをつぶす間、閣下に動かれては困るので足止めしろという事です。
(0) 特に現場に出られると、先日のようにテロに襲われかねません」
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(0)「で、私以外の将官だったらティターンズの権限で横紙破りを押し通すと考えた訳だ。
(0) バスク大佐あたりかな?このやり口は」
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(0)「今だ、反政府組織に賛同せずに連邦軍の秩序を支えている閣下の尽力は、ジャミトフ閣下も評価しておいでです」
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(0)「ほほう。
(0) てっきりエゥーゴ共々邪魔だから消そうと考えているのかと思ったよ」
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(0) とても生臭い会話なのに、互いに隙を見せない。
(0) こっちはこれ以上の大事にしたくないし、シロッコの方は少なくともティターンズ強硬派のやり方を軽蔑しているからこそのやり取りである。
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(0)「君の顔を立てよう。
(0) ジャミトフくんによろしく言っておいてくれ」
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(0)「ありがとうございます。閣下。
(0) ジャミトフ閣下には私の方から伝えておきます」
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(0) シロッコが去ったあと皆で気を抜いたが、見えないところは汗でびっしょりだった。
(0) ニュータイプのプレッシャー怖い。
(0) あれ以上らしい覚醒アムロやシャアやカミーユやハマーンとは本当に会いたくないと心から思った。
(0)
(0)
(0)1 ティターンズ攻勢 エゥーゴ艦隊壊滅 月面制圧
(0)2 同上
(0)3 ティターンズ攻勢 エゥーゴ艦隊撃退
(0)4 同上
(0)5 ティターンズ攻勢
(0)6 戦力拮抗
(0)7 エゥーゴ反攻
(0)8 エゥーゴ反攻 ティターンズ艦隊撃退
(0)9 エゥーゴ反攻 ティターンズ艦隊壊滅 エゥーゴ勢力急拡大
(0)10 熱烈歓迎
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(0)9 エゥーゴ反攻 ティターンズ艦隊壊滅 エゥーゴ勢力急拡大
(0)
(0)
(0)損害
(0) マゼラン改 28隻
(0) サラミス改 68隻
(0) MS 882機
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(0) 内 撃沈 3%
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(0) シロッコが月方面艦隊監察官に着任して俺の動きを縛ったあと、ティターンズはジャマイカン少佐の指揮のもとエゥーゴ掃討の為に艦隊を派遣し見事なまでに壊滅した。
(0) というより、ジャマイカン少佐の指揮に動員された連邦艦隊が次々と離反・降伏し作戦が大失敗するという惨状に見ていたシロッコも失笑を禁じ得ない。
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(0)「当然ですな。
(0) マスコミはどうであれ、この月方面艦隊で閣下を襲ったのは誰が知らぬ訳ないでしょうに」
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(0) マ・クベ中将の感想も辛辣だが、ちょっとしたいやがらせとして派遣した月方面艦隊のティターンズ指揮官にジョン・コーウェン少将、参謀にエイパー・シナプス中佐を派遣したのである。
(0) 気づけば交代させるつもりだったがシロッコは黙認し、ジャマイカン少佐はティターンズの権勢しか見ていなかったので見事なサボタージュが発生。
(0) MSもジムⅡがほとんどだったから、ティターンズのハイザックがカミーユやクワトロ・バジーナに軒並み叩き落されると、出撃拒否が出る始末。
(0) かくして、ジャマイカン少佐は監察官であるシロッコによって更迭され、シロッコはティターンズ内の地位を固めることに成功する。
(0) そして、エゥーゴの勢力は急拡大し、ほぼ内戦は不回避の状況となった。
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(0)「連邦議会か」
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(0) 俺は呟く。
(0) この惨状を打開するためにティターンズは次の連邦議会でティターンズの権限拡大を通そうとしており、エゥーゴはこの成功を糧にして連邦議会への地保を固めようとしていた。
(0) そのためには、指導者であるブレックス・フォーラがダカールに向かわなければならない訳で。
(0) 次の戦場は大気圏を巡る衝突であると確定したのである。