行別ここすき者数
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(0)ブランシュの武装決起に始まり無頭龍 の九校戦介入、果てには大亜連合の横浜侵攻と、普通なら経験することの無い密度の濃い一年を過ごした達也達
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(0)そんな激闘の一年を終えた達也達は、新年を迎えて初詣のために日枝神社に向かうために準備をしていた
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(0)この日、1/1にはリーナの着付けの為にシルヴィが家に来ていた
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(0)リーナ「ねぇ、達也、深雪。これどうかしら?」
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(0)リーナが用意したのは赤の振り袖…だが下が短くスカートのようだった
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(0)その格好にリーナ以外の家の住人が固まった
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(0)達也「リーナ…それ…」
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(0)深雪「それ…時代遅れ です!!」
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(0)リーナ「え?」
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(0)シルヴィ「リーナ…いえ、総隊長殿?貴女にはファッションについて教えなきゃいけないようですね」
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(0)リーナ「シ…シルヴィ!?」
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(0)シルヴィ「取り敢えず、着替えてきますので皆さんはここにいてください」
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(0)シルヴィがリーナを連れて着付けに行った後、達也の着付けを手伝うために深雪も達也と部屋に戻り、水波も自分の着付けに部屋へと向かった
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(0)その後、先に着物に着替え終わった水波が準備をしていると、着物に着替えたリーナとシルヴィがリビングへと現れた
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(0)水波「シルヴィさんお疲れ様です。利奈姉様もシルヴィさんもよくお似合いです。所で2人の付けてるその髪飾りやペンダントは達也兄様からのプレゼントですか?」
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(0)リーナ「そうよ。少し早い誕生日プレゼントだそうよ。」
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(0)水波「紫のキキョウ…なるほどそういうことですか。お義姉様、これからも達也兄様をよろしくお願いいたします」
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(0)シルヴィ「ちょっと固いですよ、水波ちゃん。私のも達也君からの贈り物です。にしてもよくわかりましたね」
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(0)水波「深雪姉様が髪飾りを貰って舞い上がってまして…」
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(0)深雪「あら、私がなにかしら?」
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(0)水波達が話している時に着物に着替えた深雪と袴に着替えた達也が下りてきた
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(0)リーナ「達也…袴似合いすぎよ…」
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(0)シルヴィ「まるで若頭ですね…」
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(0)達也「俺はヤクザかなにかか?」
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(0)深雪「よくお似合いです、お兄様!!」
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(0)水波「そうです、よくお似合いです!!」
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(0)達也「あ、ありがとう」
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(0)シルヴィ「そろそろ時間ですね、向かいましょうか」
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(0)達也達がコミューターで目的地に付くと、そこには何時ものメンバーが揃っていた
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(0)達也「おはよう皆。そして、明けましておめでとう、これからもよろしく」
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(0)レオ「お、おう。よく似合ってんな、その格好。」
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(0)美月「本当によくお似合いです。利奈ちゃんと並んでお似合いのカップルですよ」
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(0)リーナ「ほ、本当!?」///
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(0)深雪「リーナ、私はまだ認めてないから」
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(0)達也「2人は仲がいいのか悪いのか…あ、みんなは初めましてだと思うが、この方は俺と利奈が幼い頃にお世話になった方だ。」
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(0)シルヴィ「はじめまして、シルヴィア=マーキュリーと申します。達也くんとリーナちゃんのお世話をしてました。宜しくね」
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(0)達也「俺の父親が軍人なのはあの時知っただろ?だから親が家を空けることが多かったのだが、その時に当時学生だった彼女がよく家に来ていたんだよ」
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(0)リーナ「私も親が仕事であちこち飛び回るから達也の家に住んでいたのよ。だから私も彼女と面識があるの」
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(0)ほのか「へぇ~、大変だったんですね、達也さん。」
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(0)達也「まぁ、それはもう慣れたかな」
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(0)深雪「こんなところで感傷に浸ってないの。それよりも早く初詣しましょ?」
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(0)深雪の言葉で当初の目的を思い出した達也達はそのまま初詣の為に神社の境内へと入っていった
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(0)少し後ろを歩いていた達也の横に深雪が来る
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(0)深雪「よろしかったのですか?」
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(0)達也「ああ。本当のことをいえばあいつらが混乱するのは目に見えているし、何よりも周りの目があるなかで話す内容ではない」
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(0)深雪「そうですね。では、今後も伝えないつもりですか?」
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(0)達也「ああ。卒業と同時にお別れなんて伝えたら取り乱すに決まってるさ」
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(0)深雪「でも戻ってくるのでしょう?」
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(0)達也「その時には、既にUSNA人として、だけどな」
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(0)この後、初詣では、厄介ごとに巻き込まれないように、割りと真剣に祈った
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(0)翌日、達也とリーナの姿は家にはなかった。
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(0)今回は向かう場所があった。
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(0)今回向かうのは達也の生家である四葉家
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(0)四葉家は旧山梨県と旧長野県の県境付近にある地図にも乗らない集落のなかにある
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(0)否、集落自体が四葉家である
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(0)達也達は四葉家の最寄駅である小淵沢駅につくと車が止まっていた
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(0)達也「お迎えご苦労様です。穂波さん」
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(0)穂波「奥様の指示っていうのもありますが、私も久々に会いたかったんですよ。」
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(0)達也「そ、そうですか。」
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(0)リーナ「こんなところで停まってたらお義母様に怒られるわ」
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(0)達也「リーナ、お前いつから母さんのことをそう呼び始めたんだ?」
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(0)リーナ「前に会った時にお義母様からそう呼びなさいと。」
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(0)達也「そうか…まぁいいや。俺達は婚約者だからな。普通はもっと前から呼ぶものだし」
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(0)やがて四葉家の周りを囲む結界の前につく
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(0)達也「ここは俺に任せてください」
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(0)達也が鍵の無系統魔法を放つと、結界の一部が開いてトンネルが出来た
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(0)トンネルを抜けると、四葉家の集落に出た
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(0)その一際大きい屋敷の前に車が停まり、下りると入り口に初老の男性執事が立っていた
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(0)「お久し振りです。達也様、リーナ様」
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(0)達也「葉山さん。出迎えご苦労様です。」
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(0)「奥様方がお待ちです。」
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(0)達也とリーナは『仮装行列 』で見た目を変えると葉山の案内に従い、中に入っていった。
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(0)先程まで新年会をしていたのか、人通りが多かった。
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(0)「奥様。国際魔法協会の者が参られました」
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(0)真夜「入りなさい」
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(0)「失礼いたします」
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(0)中に入ると真夜だけではなく、各分家当主が揃っていた
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(0)「誰だお前は!!」
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(0)真夜「静殿、お静かに。お久し振りです、国際魔法協会常任理事のタツヤ=アルデバラン大佐殿」
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(0)タツヤ「お久し振りです、四葉真夜殿。」
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(0)「なっ、こ、国際魔法協会だと、、、」
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(0)タツヤ「本日は、お招きいただきありがとうございます。あ、彼女は付き添いです。」
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(0)「タツヤ=アルデバランはUSNA軍魔法師戦闘部隊〈S.T.A.R.S.〉のナンバーツーだぞ。」
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(0)「なんでそんな人物が四葉に…」
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(0)タツヤ「本日は、我々に協力していただいている四葉真夜殿に新年の挨拶をと思いまして」
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(0)真夜「そうですか。そのためにわざわざ日本まで来ていただいて…後で今後について私の書斎で話し合いましょう?」
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(0)タツヤ「それは是非ともお願いいたします。それに、我々も今休暇中で少し前から日本に滞在しておりますので、ご心配には及びません」
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(0)「魔法師の海外移動は認められてないはずですが?」
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(0)タツヤ「協会理事の特権ですよ。」
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(0)真夜「そうですね。では、後程書斎の方でお待ちしておりますので、しばらく客間の方でお待ちして貰ってもよろしいでしょうか?」
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(0)タツヤ「ええ。構いません。」
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(0)真夜「そうですか。葉山さん、この方達を客間の方へ」
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(0)「かしこまりました。」
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(0)達也とリーナが葉山に連れられて部屋から出る
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(0)真夜「さて、話を続けましょうか」
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(0)客間に着くと、達也とリーナは『仮装行列』を解除して素の状態になった
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(0)達也「これで分家を欺くことは出来た。だが、九校戦での動きから風間達也が疑われつつあると思うからな。分家の干渉はまだ続くだろうな」
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(0)リーナ「そうね。最悪四葉達也の記憶を消してあげたら?」
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(0)達也「いや、それはやめておこう。擁護派の人間を失うのは不味いし、黒羽家の実働部隊は使える。まぁ、襲ってきたら返り討ちにすれば良いだろう」
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(0)すると、葉山が部屋に入ってきた
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(0)「達也様、リーナ様。準備が出来ましたので書斎にご案内いたします」
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(0)一応部屋の場所は分かっているのだが、達也とリーナがそのまま向かうのは不味いという配慮によるものだった。
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(0)再び『仮装行列』を発動して、葉山の後をついていく
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(0)道中で見る分家の当主や執事服の男(おそらく序列四位以下のアウターと呼ばれる者達であろう)は達也を見ると多少の恐れを見せていた
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(0)達也(昔は最強の魔法師一族と呼ばれていたが、やはり時代と共に堕落していくんだな。…深雪がこれをどう巻き返すか、見物だな)
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(0)やがて書斎にたどり着くと、真夜から入りなさいと声がかかる
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(0)部屋に入ると達也は真夜に抱きつかれた
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(0)受け止めると扉が完全に閉まっているのを確認して『仮装行列』を解除した
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(0)真夜「久し振りね、達也。」
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(0)達也「ええ、母さん。ただいま」
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(0)真夜「お帰りなさい、達也。リーナちゃんもお帰り」
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(0)リーナ「ええ。ただいま帰りました、お義母様。」
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(0)真夜「ちゃんと呼んでくれてるのね。ありがたいわ~。」
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(0)達也「まさか分家の当主が来てる時に招待するなんて驚きましたよ」
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(0)真夜「これで達也が変装して入ってきても問題なくなったから良いじゃない」
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(0)達也「そうですけど、」
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(0)真夜「ただでさえ貴方を殺すのを賛成していた分家の当主達に狙われているのよ?これくらいはやっとかないと大変よ」
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(0)達也「うっ…それは…」
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(0)真夜「私は達也、貴方の身を心配しているのよ!!」
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(0)リーナ「お義母様…私も賛成です」
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(0)達也「リーナまで!?」
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(0)真夜「貴方のことを心配しているのは私だけじゃないんだから」
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(0)達也「母さん…分かりました。そういうことにしておきます」
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(0)真夜「じゃあ、今日は久し振りに親子の茶会を始めましょう?」
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(0)その後、しばらく話をして、話が終わると『仮装行列』をかけ直して四葉家を後にした