行別ここすき者数
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(0)『もう一度吹っ飛べ!!!』
(0)「〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!」
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(0)哲郎の魚人波掌とハンマーの魚人波掌がぶつかってせめぎあい、辺りに衝撃が駆け抜ける。 哲郎の使った防御特化の《引き潮》でもハンマーの身体から放たれる攻撃を跳ね返す事は容易ではなかった。
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(0)バキィン!!!!!
(0)「うわっ!!!!」 『うおっ!!!?』
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(0)遂にぶつかり合っていた衝撃が爆発し、哲郎とハンマーはそれぞれ 吹き飛ばされた。2人はそれぞれ 体勢を整えて再び向かい合う。
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(0)(……………!!!
(0)僕の《引き潮》でも弾かれるなんて!!)
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(0)『…………今のがお前の《引き潮》か。
(0)お前がそれと顎へのケリでレーナ・ヴァインに引導を渡した事は調べがついてんだ。
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(0)お前、最近天狗にでもなってたんじゃねぇか?』 「!!!」
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(0)哲郎は魔界コロシアム、そしてエクスとの後はレーナとアイズンの2人に圧勝した。 それは彼の心の奥底、彼自身でも自覚できない所に【慢心】という腫瘍を作ってしまっていたのではないか と 哲郎はハンマーの一言で気付かされた。
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(0)『俺の言ったことがデタラメだって言うんなら、この状況を何とかして見せろ。
(0)出来なきゃお前はラドラ様の崇高な目的の生贄になるだけだ!!!』
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(0)ハンマーはカジキの構えを取り、哲郎に狙いを定めた。
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(0)魚人波掌 《海鼓 》!!!!
(0)「!!!!」
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(0)ハンマーは再び水中を叩き、衝撃波を放った。 それはどんどん大きくなり、哲郎を覆う程の大きさとなって迫って来る。
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(0)哲郎はそれを下方向に移動して躱した。
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(0)(……………ダメだ。 これじゃ いつか根負けする……………!!! 何か 何か無いのか!?
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(0)この魔法の弱点が………………!!!)
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(0)哲郎は必死に思考を巡らせた。
(0)この水中というハンマーに絶対的に有利な状況を何とかしないことには 彼に近づくことすらままならない。
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(0)(…………!! 待てよ 確かあの時!!)
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(0)哲郎の頭を過ぎったのは ハンマーの『普通の人間ならあっという間に窒息してお陀仏だ。』という言葉だった。
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(0)そして哲郎は1つの事に気付く。
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(0)もし自分が普通の人間なら、真っ先にここを出ようとして上方向に浮上するだろう という事を。
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(0)(……………もし それで上側を念入りに硬くしているとしたら、下側はどうなんだ………。
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(0)やってみる価値はあるぞ!!!!)
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(0)哲郎の頭の中で1つの作戦がまとまった。
(0)その直後 身体を翻して下方向に泳いで潜る。
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(0)((!? 何だ………!?))
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(0)水圧とは、水中でその深さを測る貴重な要素である。 哲郎の身体はそれに【適応】し、それを感じることが 出来ないが、 それは同時に どこまでも潜っていける身体ということでもある。
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(0)そして、哲郎は水圧を感じることはできないが、それを利用して攻撃する事は出来る。
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(0)(………『普通は上に浮上しようとする』と踏んで上を硬くしているなら、 その分 下の方は脆いんじゃないか…………!?)
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(0)ハンマーはこの水中は自分の意のままに出来る と言った。 それならば深さも自在に調整出来る。
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(0)それでも哲郎はこの家には地下があるということを知っていた。 どれだけ深くても潜り続けていればいつかは地下にたどり着く
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(0)哲郎はそう信じて潜り続けた。
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(0)カンッ!! 「!?」
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(0)哲郎は硬い地面にぶち当たった。その音は天井とは違って軽い音だった。
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(0)『甘いと言ったろう!!!
(0)俺がそれをやるのを見逃すと思うか!!!?』
(0)「!!!」
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(0)哲郎がこれからやろうとしていることを察してか ハンマーが血相を変えて急接近して来る。
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(0)「………いいえ。 もうあなたには付き合えません。 ここは出ていかせて貰います!!!!」
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(0)哲郎は上方向に腕を上げた。
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(0)魚人波掌 《水圧轟打 》!!!!!
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(0)バガァン!!!!! 『!!!!』
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(0)哲郎は海底に向かって魚人波掌を放った。
(0)そこを中心に亀裂が走り、海底が崩落する。
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(0)『!!!!』
(0)(よし!!! 上手くいった!!!)
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(0)魚人波掌 《水圧轟打 》
(0)水中で 下方向の相手に対して打つ魚人波掌
(0)掌に水の重量を乗せて放ち、深ければ深いほど 破壊力は増す。
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(0)哲郎は海底に出来た穴を潜り、遂に水中を脱した。
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(0)「………………
(0)………やっぱり普通の水とは違うのか………。」
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(0)哲郎は天井に空いた穴と そこから零れない 水を見て そう呟いた。
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(0)(………すぐここに水を引き込まない辺り、 広範囲な分 あまりコントロール出来ない魔法みたいだな……………。)
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(0)天井の穴からハンマーが降りてきた。
(0)その顔は 怒りに汚れている。
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(0)「…………全く やれやれですよ。
(0)ようやく あなたの術中から抜け出せました。」
(0)『…………正論だな。 俺もまだまだ改良が必要なようだ。
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(0)………後 2分もあれば、ここにもあの水を引き込める。 その後はもうお前にターンはやらねぇよ。』
(0)「その心配はありませんね。
(0)【その後】は決して来ない。 2分以内にあなたと片をつける!!!!」