行別ここすき者数
小説本体の文章上でダブルクリックするとボタンが表示され、1行につき10回まで「ここすき」投票ができます。
履歴はこちら。
(0)「……えっと、回想してるところごめんなさいなんだけど……えっと、はじめまして」
(0)「は、初めまして」
(0) だよねえ! 初めましてでいいんだよねえ!
(0) 少女の挨拶によって、まずは関係性の確認ができた。
(0) 別に俺が忘れてたとかそういうわけじゃない。
(0) もともと知り合ってなかったらしい。
(0)「ええと……どこから話したらいいかな?」
(0)「いや、どこからと言われても……そっちの手札に何があるか分からないから何も言えないよ?」
(0)「そう……じゃあ、ちょっと待ってね」
(0) 言うと、目の前のロリは機械のような動作で立ち上がる。
(0) そして自身の着ていたオーバーオールを脱ぎ、中に来ていたシャツを脱ぎ。
(0) さらにはその下の肌着にも手をかけ――
(0)「いやちょっと待って! 何で脱ぎ出した! 俺を犯罪者にする気か!」
(0)「うるさい。フカこそ少しはまてないの? 見せたほうが早いんだから」
(0) 慌てる俺とは対照的に、落ち着き払ってストリップを続ける少女。
(0) 高い位置で縛ったツインテールがピョコピョコと揺れ、かわいらしい。
(0)「じゃあ、脱ぐね……?」
(0) ……ああ、神様。
(0) どうしてでしょう、すごく背徳感があります。
(0) 俺が脱がせているわけでもなければ、脱いで欲しい状況でもないのに。
(0) なぜか、とっても悪いことをしている気になってきました……。
(0) 手を合わせて、天に謝罪をする俺氏。
(0) しかし、そんな胸中を知ってか知らずか、少女は次々と服を脱いでいく。
(0)「……はい、これで全部。フカ、よくわたしの胸を見て……」
(0)「そんなこと……俺、ロリコンじゃないし」
(0)「いいから、見て。見れば、だいたいのことはわかる」
(0) 彼女が脱いでいる途中はさすがに目を覆っていたのだが、仕方ない。
(0) まずこの少女が何者なのかも知らないけれど、こうなったら穴が開くほど見てやろうじゃないか。決意すると、俺はゆっくりと指をずらし、少女の柔肌に視線を向けた。
(0)「……………………えっ」
(0) しかし、開けてびっくり。
(0) そこに、あるべきものが存在しない。
(0) 潤いのあるきめ細やかな少女の肌は存在するのだが、ただそれだけだ。
(0) へそや乳首など、人間の体の表面にあるべき部分が一つも存在していない。
(0) 俺は、彼女の裸を見つめたまま固まった。
(0) 傍から見たらすごく犯罪チックな絵になっているが、そんなことを気にしてる余裕はない。
(0) ただ唖然として、その場から一歩も動けなくなってしまう。
(0) それから、どれだけの時間が経っただろうか。
(0) 全裸の少女を見つめたまま、ずいぶんと時間が経った気がする。
(0) でも、何か考えようとしても頭がちっとも働かない。
(0) だって、俺が今見ているのは脳で処理できないほどの情報量。
(0) いや、むしろ情報は普通の裸より少ないわけだけど、それでも理解できない現象だ。
(0) そういった面では、レベルアップにも通ずるものがあるのかもしれない。
(0) なんて、またも頭を歌舞伎役者の肌みたいに真っ白にしていたときだった。
(0)
(0)「……ごめんフカ。やっぱり、そんなに見られると恥ずかしい」
(0)
(0) ほんのり頬を赤く染めたロリが、俯きがちに呟いた。
(0)「あっ、ご、ごめんっ!」
(0) 咄嗟に謝って、視線を逸らす。
(0) 頭の処理が追いつかなかったとはいえ、見過ぎだったかもしれない。
(0) ……まあ、見せてきたのはロリのほうなんだけど。