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(0)「いよいよ決勝か……」
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(0) 大洋が宿舎の部屋で呟く。ドアをノックする音が聞こえる。
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(0)「大洋、入ってええか?」
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(0) 隼子の声に大洋が答える。
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(0)「どうぞ」
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(0)「お邪魔するで」
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(0) 隼子と閃が大洋の部屋に入ってくる。閃が椅子に腰かけて口を開く。
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(0)「早速だけど、決勝に向けての対策会議といこうか」
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(0)「その前に聞きたいことがあるんだが……」
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(0)「ん?」
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(0)「明日の決勝に勝つとどうなるんだ?」
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(0)「え? 優勝だよ」
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(0)「それは分かっている。その後のことだ」
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(0)「その後のこと……ああ~そういうことね」
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(0) 大洋の言葉に閃がうんうんと頷く。隼子が尋ねる。
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(0)「なんや、どういうことやねん?」
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(0)「正確にはまだ決まっていないみたいだけど……東日本大会との優勝チームと対戦することになるんじゃないかな」
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(0)「え? 東日本大会、ホンマに開催出来るんか?」
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(0)「情勢が落ち着き次第、どうやら開催する方向で話が進んでいるみたいだけどね」
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(0)「ロボチャンにはかなりの金額が動くとはいっても、何ともたくましい話やな……」
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(0)「では勝てばいわゆる優勝決定戦に進めるというわけか」
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(0) 大洋の問いに対し、閃は首を傾げる。
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(0)「実はその辺も未確定なんだよね、双方の優勝チーム以外にも西日本から数チーム、東日本からも数チーム出場させて、規模は例年よりは小さいけども一応の全国大会として開催しよう、っていう話も小耳に挟んだよ」
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(0)「ホンマかいな?」
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(0)「試合数が出来る限り多い方が貴重な実戦データなど、色々と得るものがあるからね」
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(0) 閃が右手の親指と人差し指をくっつけ、残りの三本指を立ててみせる。
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(0)「なるほど、色々とな……」
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(0) 隼子がため息交じりに頷く。
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(0)「……思惑はともかく、ここまで来たら勝ちたいところだな」
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(0)「それはそうやな」
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(0) 大洋の言葉に隼子が同意する。
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(0)「では閃、会議を始めてくれ」
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(0)「了解。それじゃあ……」
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(0) 閃が大洋の部屋に設置されているモニターに映像を表示させる。
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(0)「ふう……」
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(0) 日課のランニングを終えた幸村が格納庫へ戻ってきた。
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(0)「ご苦労様、精が出るわね」
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(0)「姉上?」
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(0) 幸村に対し、伊織が声をかける。
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(0)「またちょっと時間がとれてね。大会期間中だから情報機器でのやりとりは出来ないけど、またここに戻ってくるって会社の人に聞いたから、激励しようと思って待っていたわ」
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(0)「そうでしたか」
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(0)「まずは決勝進出おめでとう」
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(0)「ありがとうございます」
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(0)「武者修行の成果が出たわね」
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(0)「いや、成果があったかどうかと言えるのは……明日優勝してからですね」
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(0) 幸村の返答に伊織が笑う。
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(0)「ははっ、確かに、少し気が早かったかしらね」
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(0)「ふふっ……」
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(0)「それで? 明日はどうかしら?」
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(0)「うちと電光石火、そして、沖縄の三つ巴になると見ています」
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(0)「沖縄の……琉球海洋大学の『シーサーウシュ』ね」
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(0)「ええ、そうです」
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(0) 伊織の言葉に幸村が頷く。
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(0)「瀬戸内海で彼らを見たときもかなりのポテンシャルを感じたけど、まさかここまでやるとはね。正直驚いたわ」
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(0)「あの近接戦の強さは恐るべきものです。距離を取ろうとしても、高速移動を用いてその間合いを一瞬でなくしてしまう……実に厄介極まりないです」
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(0)「『縮地』ってやつね。対策は?」
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(0)「もちろん、無くはありません」
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(0)「流石ね」
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(0)「やってみないと分からない所はありますが……」
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(0)「電光石火については?」
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(0)「恐らく距離を取ってくるでしょうね」
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(0)「なるほど、射撃モードか飛行モードを主体にした戦い方をしてくるか……あの変形はかなり面倒じゃない?」
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(0) 伊織の問いに幸村は首を振る。
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(0)「いいえ」
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(0)「そう? あの戦いぶりも結構厄介じゃない?」
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(0)「上手くかき回してくれれば、むしろ好都合というものです」
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(0)「そう……彼らは?」
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(0)「彼ら?」
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(0)「いや、越前ガラス工房所属の『TPOグラッスィーズ』よ」
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(0)「ああ……一応データには目を通しましたが、正直ここまで勝ち上がれたのが不思議なほどです。勿論油断は禁物ですが、そこまで警戒するほどではないかと……」
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(0)「そうね。今日の準決勝での勝利もエテルネル・インフィニのライフルが暴発したからですものね。警戒し過ぎるのも良くないか……」
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(0) 幸村の答えに伊織も納得したように頷く。
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(0) ♢
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(0)「あ……そこ……」
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(0)「ここかい?」
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(0)「そう、そこ……あ、いい……」
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(0)「うん、これでどうだい?」
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(0)「とってもいい……はっ! こ、こんなことしている場合じゃない!」
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(0) いつきが慌てて修羅に向き直る。修羅が両手をもみながら笑う。
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(0)「大分溜まっているね~山田ちゃん」
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(0)「誤解を招く言い方止めて下さい! ……確かにモニターとにらめっこですから、眼精疲労は蓄積されているとは思いますが……それより明日の決勝に向けての作戦会議です!」
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(0)「作戦なんて必要ないさ~」
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(0)「そういうわけには行きません!」
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(0)「大体作戦を立てても、俺は覚えられないよ」
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(0)「た、確かに、それはそうかも……」
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(0)「でしょ~? もう今日は寝ようよ~」
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(0)「疲れを取る為にも、早く睡眠を取るのも必要ですか……って、な、なんで一緒に寝るみたいな流れになっているんですか!」
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(0) いつきは顔を真っ赤にして声を上げる。それに対して修羅は苦笑する。
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(0)「勝手に変な意味で受け取らないでよ……マジに俺、もう眠いさ」
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(0)「明日また確認しますけど、対戦相手のデータにはざっと目を通しておいて下さい」
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(0)「う~ん……」
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(0) 修羅は眠そうな目をこすりながら、いつきの持ってきた情報端末を操作する。
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(0)「長崎県代表、二辺工業所属の『電光石火』、三機合体のロボットです。近接戦闘、射撃、飛行モードと変形することが出来ます……恐らく、明日は射撃か飛行メインでくるかと」
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(0)「なんでよ?」
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(0)「……鹿児島県代表、高島津製作所所属の『鬼・極』がいるからです。この機体も我々のシーサーウシュと同様に近接戦闘を滅法得意としている機体ですから」
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(0)「接近戦は避けてくるだろうってわけね……」
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(0) いつきの説明に修羅は頷く。
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(0)「ええ」
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(0)「もう一機は?」
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(0)「え? 福井県代表、越前ガラス工房所属の『TPOグラッスィーズ』ですか?」
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(0)「そう……そのPTAプレッシャーズだかなんだか……」
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(0)「勿論、データはありますよ……二機の連携には多少目を見張るものがありますが……今大会や北信越大会の戦いぶりを見ても、そこまで用心するほどのものでは無いかと」
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(0)「そうかな~?」
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(0)「そうですよ、昨日の一回戦も今日の準決勝も相手がトラブルに見舞われて、ラッキーで勝ち上がったようなものです。大星さんも見たでしょう?」
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(0)「まあ、見たけどね……」
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(0)「それともなんですか? 格闘家特有のオーラみたいなものでも感じたんですか?」
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(0) いつきが笑う。
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(0)「いいや、特別そういうのは感じなかったけどね……」
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(0)「じゃあ良いじゃないですか」
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(0)「う~ん……」
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(0) 修羅が頬杖をつきながらTPOグラッスィーズのデータをしばらく見つめる。
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(0) ♢
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(0)「……決勝、試合開始!」
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(0) 審判のアナウンスが試合会場に響き渡る。
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(0)「始まったな、フンドシも締め直した、準備は万全だ」
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(0)「そんな報告いらんねん」
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(0)「さてと、電光石火に合体しよう、大洋」
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(0)「分かった」
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(0) 三機は合体し、電光石火となる。隼子がモニターを確認する。
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(0)「シーサーウシュも鬼・極も近い位置まできてるで」
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(0)「まあ、接近してくるのは予想通りだね。こちらにとっても向こうにとっても……」
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(0) 隼子の言葉に閃は頷く。大洋が叫ぶ。
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(0)「その予想を裏切る!」
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(0)「!」
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(0)「⁉」
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(0) 電光石火は近接戦闘モードから変形することなく、そのままの形態で、シーサーウシュや鬼・極のいる方向へ勢いよく突っ込んでいく。