行別ここすき者数
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(0)「点呼!」
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(0)「一!」
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(0)「二!」
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(0)学園の制服を着た若者が大声で点呼をあげている。生徒たちの表情はどれも険しく、恐怖をなんとか大声で誤魔化そうとしているようにも見える。
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(0)そんな生徒達の中で、一際目立つ存在がいた。
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(0)戦場に向かうと言うのに、やけに目立つ白い鎧を身に纏い、白く輝く剣を頭に掲げている。
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(0)「行くぞ!お前達には俺がついている!俺は!この聖剣に誓って!絶対に勝利してみせよう!」
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(0)勇者の声を聞き、恐怖にうちひしがれていた物達の目に光が灯る。立ち上がり、前を向いて、周囲の人に混ざり、歓声を上げはじめた。
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(0)しかし、ここは戦場である。
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(0)「【雷魔法 ライトニング】!」
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(0)勇者が突如空に向かって雷を解き放つ。そして、空中に突然現れた岩を粉々に砕いた。
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(0)パラパラと当たっても痛くないほどに小さな破片が降り注ぐ様子をみて、学園の生徒達は固まる。
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(0)「さあ!覚悟を決めろ!絶対に生きて帰るんだ!」
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(0)「「「う、うおおおおおおお!!!!!!」」」
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(0)百人にも満たない、練度の足りていない新兵が、勇者を先頭に、戦場へと放り込まれた。
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(0)多くの血が流れる戦場で、生徒たちは獅子奮迅の活躍を見せていた。
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(0)勇者が率先して敵を狩っているというのもあるが、なによりも大きいのは何度も繰り返した勇者との模擬戦だ。彼等は、強者との戦いに慣れていた。敵である魔族は、勇者よりも弱い。それは事実であり、生徒たちに勇気を与えた。
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(0)絶対に孤立せず、味方と死角をカバーしあうことで死なない事を優先する。しびれを切らした魔族を誘い込み、一気に叩く。
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(0)その動きは、これ以上ないくらいに完成されていた。安定した戦いを続け、徐々に戦況は人類側が有利に傾いていた。
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(0)そんな中、一人のローブを着た男が突如空に現れた。
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(0)音もなく、魔力の乱れも感じさせない転移に、気づけるものは誰もいない。たった一人、勇者を除いて。
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(0)「全員!退避ー!!!!」
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(0)「【炎魔法 煉獄】」
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(0)業火が、戦場を包み込んだ。それは、中にいる生物をすべて焼き付くさんと徐々に狭まっていく。中には魔族も人類もいて、このままではどちらも仲良く灰となり、肥料の一つとなるにちがいない。
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(0)「誰だお前!」
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(0)勇者が空中に浮かぶ男に向けて声を荒げた。しかし、男はなにも話さず、さらに空中に様々な色の球を出現させた。素人目にみても、一つ一つが人を跡形もなく消し去るほどの力を持っている事が分かる。
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(0)勇者は対話が出来なさそうだと諦め、聖剣を構えて、目を閉じた。
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(0)そんな勇者に向けて、大量の球が向かっていった。
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