行別ここすき者数
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(0)≪魔王視点≫
(0)「魔王様。どうなさいますか?今すぐ軍を向かわせる事は可能です」
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(0)私は二年前、どうしていただろうか。確か勇者が生まれたという事は知っていたはずだ。だが、勇者が生きていた事から別の何かをしていたはず…。あっ。そうか。
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(0)「いや、いい。それよりも確かいくつかの村で食料不足という報告があったな。おそらく人類側の工作かなにかだろう。そちらの対策に軍を使え。勇者はまだ気にしなくていい」
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(0)食料不足等の民からの信頼を失う可能性のある事態の解決は急務だ。一揆が起こる可能性もあるし、人類の付け入る隙にもなる。それに勇者は人類の戦力となるまでまだ時間がかかるし、今もこれでいいだろう。
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(0)「ではそのように。ところでこの後の会食はどうなさいますか?」
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(0)うわ。そんなのあったな。確かあの時の会食はめんどくさい老人どもの昔話に付き合わされるだけだし、一回聞いているのだから無視でいいだろう。
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(0)「私は少し急用ができた。また後日とでも言っておいてくれ」
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(0)「承知致しました」
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(0)そう言って、一度礼をすると、リースは部屋を出て行った。それを確認し、服を着替えて帽子を深く被る。
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(0)さて、勇者の元へ行くとしよう。
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(0)「【転移 ココサ村】」
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(0)≪勇者視点≫
(0)教会にいる人達から勇者についての説明を受ける。それも一度聞いたものなので適当に流しておき、リュアと共に家に帰った。
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(0)「いや~明日にはもうばいばいかぁ~。こんな早く学園にいっちゃうなんてねぇ」
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(0)「仕方ないよ。勇者の使命だからね」
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(0)勇者は戦い方を学ぶために学園に行くことが義務づけられている。本当は後からリュアも来るけど、今は黙っておいた方がいいだろう。
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(0)「もぉ~!私と離れるのは悲しくないわけ~?なんでそんなにあっさりしてるんだよ~」
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(0)「そりゃ寂しいけど、たった一年間だし、休暇だってちゃんとあるんだよ?一番近い休暇は一ヶ月後だしね」
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(0)「そうだけど~!」
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(0)納得いかない様子のリュアに苦笑しながら、俺は立ち上がった。
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(0)「リュア。俺はちょっと出てくるよ」
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(0)「え?どこに行くの?」
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(0)「う~ん。秘密!じゃあね!」
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(0)そうして、俺はリュアが到底追いつけない速度で飛び出した。
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(0)「ここらへんでいいかな?【転移 魔王】っと。いらないみたいだな」
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(0)ココサ村の転移ポイントに到達し、リュアがついて来ていない事を確認して魔法を唱えようとすると、目の前の空間が揺らいだ。俺の記憶の限り、ここに転移して来る奴なんてどこにもいない。つまり…
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(0)「よっ。魔王お前にも記憶が残っているようだな」
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(0)「ほう。勇者よ。この様子だと、貴様にも記憶が残っているのか」
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(0)この世界だと初めての、俺達にとっては二度目の、勇者と魔王の出会いだ。
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