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(0) 朝、エガタ学園の生徒会室に徹夜後のちょっとした休憩をしていた時にモモトークに着信が入る。
(0) 眠気で重い瞼を無理矢理にあけ近くにあったエナジードリンクでカフェインを摂取する。そうしてスマホに手を伸ばす。
(0) モモトークを送って来た相手はホシノだった。いつも電話をしてくるホシノらしくないと疑問に思いつつもモモトークを開きメッセージに目を通すと一瞬で目が覚める。
(0) モモトークにはこう書かれていた。
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(0)『ヤマト、先に謝っておくよ。ごめん。
(0)実は昔からカイザーからスカウトを受けてたんだ。カイザーPMCの傭兵として働く、その代わりにアビドスが背負っている借金の大半を肩代わりする……そういう話でね。
(0)つい昨日、やらかしちゃってアビドスの借金の利子が増えて、更に三億円を近い内にカイザーローンに支払わなくちゃいけなくなった。
(0)だからこの話を受ける事にしたんだ。
(0)アビドスを……ユメ先輩とヤマトとシロコちゃんとアヤネちゃんとノノミちゃんとセリカちゃんと過ごした私達の大切な居場所を無くしたくは無いから。
(0)中途半端に押し付ける形にはなってしまうけどすぐにアビドスが無くなる事態だけは避けることが出来る。
(0)身勝手なお願いだけど、どうかお願い、アビドスのみんなをユメ先輩を支えてあげて欲しい。
(0)さよなら、ヤマト。
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(0)追記
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(0)実は私、ヤマトのこと好きだったんだよ?もちろん男性としてね』
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(0) 全て読み終わってスマホを下ろし深く椅子に座り込む。
(0) わかっていたとはいえ来るものがある。そんなに俺は頼りないのかと思うが、これがホシノなのだ。喪うことを大切なものが傷付くことを酷く恐れている、1人の少女。
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(0) だからこその選択、大切なものの為なら自 分 だ け で ことがすむようにしてしまう。昔からそうなのかそれとも喪いかけたあの時からなのかそれとも誰かに似てしまったのか定かでは無いが酷く寂しく感じる選択だ。
(0) だが、しかし――
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(0)「それを認める程俺もアビドスの生徒も先生も聞き分けは良くないんだぜ?ホシノ」
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(0) 椅子から立ち上がると電話をかける。
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(0)「もしもし、ヤマトだエ ク リ ク シ は動けるか?」
(0)『いつでも』
(0)「そうか、全員アビドスに向かってくれ。敵はカイザーPMCだ」
(0)『了解致しました。生徒会長』
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(0) 俺が電話を切ると同時に着信が入る。先生からだ。
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(0)「もしもし、ヤマトだ」
(0)『ヤマト!ホシノが!!』
(0)「知っている、こちらに律儀にお別れのメッセージを送って来たよ」
(0)『ヤマト……』
(0)「言われなくともわかってる。先生は先生に出来ることをしてくれ。俺も俺に出来ることをする」
(0)『わかったよ。大人としては情けないかもしれないけど頼 ん だ よ 』
(1)「先生に一つ言っておく……情けなくとも誰かを頼れるやつは取りこぼさないやつだ」
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(0) 先生との通話も切ると俺は部屋から出て歩き始めた。
(0) 今から始まる奇跡にはまだ必要な人がいる。一人たった一人ホシノが本当の意味でただいまと言えるアビドスに必要な今もなお眠る眠り姫が。
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(0) ホシノがいなくなった直後のアビドス自治区ではカイザーPMCが暴れ回っていた。
(0) 理由は簡単。ホシノがいなくなったからだ。アビドス最後の生徒会員であるホシノがいなくなればアビドスは事実上の機能停止状態であるからだ。
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(0) しかし、それを許さないものたちがいる。アビドスの対策委員会とシャーレの先生だ。
(0) 更には便利屋68もアビドスに力を貸してカイザーRMCと戦闘を繰り広げていた。
(0) そんな中新たな銃声が爆発と共に戦場に響く。
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(0)「今度はなんだ!?」
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(0) 突然のことにアビドスの抵抗に苛立っていたカイザーPMC理事は声を荒らげ爆発が起きた方向を睨む。
(0) アビドスに便利屋68も新たな乱入者がいるであろう方向に目を向ける。
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(0) 戦場を突き進むのは五人の生徒達。その全員が同じ服に身を包み同じマークをつけている。唯一違うのはそれぞれがつけるフルフェイスのマスクのみ。
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(0)「誰だ一体…………なぜ奴らがここにいる!?」
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(0) 全くもって見知らぬ存在の出現にカイザーPMC理事は混乱するが次の瞬間驚愕に体を震わせる。彼女らの腕につけられたマークを、まるで包帯で作られた人型のようなマークを見て。
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(0)「我ら死により命を助けられしもの、我らが死の為に我らの命を尽くさん。我らが命は我らの死の為に」
(0)「ふ、ふざけるな!!」
(0)「我らは死の操り人形。我らエクリクシ、愛する死と生を繰り返せしものの為に撃鉄を今、起こす」
(0)「こんなところで終わる訳には!!」
(0)「これより任務を開始する」
(0)「「「「「我らと死に安息を」」」」」
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(0) そう言い放った彼女達の横には黒い人型が立っていた。