八幡とわーるどとりがー・・・八幡ってB級なんだぜ・・・? (ちゅんちゅん丸)
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八幡の戦い~小町にそそのかされて~

初投稿です。八幡とワートリのクロス作品が好きで、自分でも書きたくなりました!
特に深く考えずフィーリングでいくので細かいとこはご容赦ください。あとアイマスも好きです(聞いてないか)
内容的には俺たちの八幡がワートリの世界でB級で自分の隊を作るために奔走する話。
ボッチキングの八幡が隊員を四苦八苦しながら集めるというサクセスストーリー・・・
八幡のヘタレ受け属性がダイスキデス・・・いろんな作品で出てくるキョドってる八幡とかご褒美でしかない・・・ついでに個人的に那須さんはワートリに出てくるキャラのなかでも生粋のSであるという妄想も展開します。あんな鬼みたいなバイパー使う人がただのきれいでかぁいいやさしい娘なわけがない、そして、那須さんのバイパーでハチの巣にされたいと思う今日この頃です。そんなこんなでよろしくお願いします。




「フンフンフフーン、フンフフー♪フンフンフフーフレデリカー♪」

明日世界滅びないかなー、いや、イケメンとリア充だけ滅びないかなーと物騒なことを考えながら、陽気な鼻歌を口ずさみボーダーの廊下を進む少年がいた。

 

「フンフンフフーン・・・・はあ・・・・・」

突然大きなため息をつき、アホ毛を揺らしながら目を腐らせる少年は一人言をつぶやく・・・

 

「たすけてよー小町ちゃーん・・・・お兄ちゃんには一人で勧誘なんて高等テクニック無理だよう・・・・」

近くに人がいればドン引きしそうなことを大変目を腐らせながら少年、比企谷八幡はつぶやく・・・

 

「B級に上がったはいいもののまさかチームを作ることになるとは・・・つかまじでメンバー勧誘するとかボッチには難易度たかすぎでしょ・・・」

少年は現在B級の隊長(妹の比企谷小町と二人だけ)を務めており、現在はそのチームメンバーを勧誘するためにランク戦ブースに向けて歩いていた

 

「だいたいコミュ力モンスターの次世代型ハイブリッドボッチなんだから小町が勧誘してくれればいいじゃねえかよ・・・俺が言ってもみんな怖がって遠慮しちゃうじゃんか・・・」

現在の比企谷隊は隊長の八幡とオペレーターの小町の二人だけである。

先の大規模侵攻で両親を失った兄妹は最初親戚の家に厄介になっていたが自分達で自立するべくともにボーダーに入隊していた。

兄の八幡はトリオン量がそこそこ多く(加古さんより少しすくないくらい)戦闘もアタッカー、シューター、スナイパーのすべてにおいてそこそこの適正をみせていたが、妹の小町はトリオン量は平均をやや下回りながらも(木虎くらい)アタッカーを目指していたが戦闘にあまり適性がなかった。そのため妹の安全を心配するシスコンキングの八幡の懇願によりしぶしぶオペレーターに転向していた。

 

八幡がB級に上がる前のC級時代からふたりはいくつかのチームから勧誘されたていたがそのすべてを断り自分たちのみでチームを結成していた。

それはボーダーの部隊は基本的に4~5人で作られておりそのうち戦闘員が3~4人(オペレーターの負担軽減のため3人が主流だが)オペレーターが1人である。そのためすでにチームとして機能しているところに2人そろって入ることが出来ないためであった。

八幡は特に秀でた部分はないが遠~近までそつなくこなせるためいくつかのチームからバランサーとして勧誘されていたが先の理由から断っていたし、小町もそのコミュ力や明るさから多くのチームから勧誘されていたが同じ理由から断っていた。

その中でも特に八幡が二宮隊と影浦隊から声を掛けられた時は兄妹そろって生まれたての小鹿のように恐怖に震えながら断わり、

小町の友人である日浦茜の在籍する那須隊に小町がアタッカーとして勧誘されたときは本気で小町がいなくなる恐怖に八幡がガチ泣きしながら断わっていた。

ついでにこの時の八幡の恐怖の表情が那須の琴線に触れてしまったことから八幡の苦労は始まっていた・・・

 

「なにが「小町は戦闘ぜんぜんだし、勧誘は隊長の仕事だよ、ごみいちゃん♪」だよ・・・・めっちゃかわいくて思わずがんばる!って言っちゃったけどこれやっぱ無理ゲーでしょ・・・むしろ人生が無理ゲーだが・・・」

 

そう、メンバーを勧誘するにあたって妹は協力せず兄に任せていたのであった。

大規模侵攻からの八幡の行動理由は全て小町を守るためであり、そんな兄には感謝してるし嬉しくもあるのだが、もっと八幡に自分のために行動して欲しい自分の幸せも考えて欲しいとも考えていた。

そのため今回のメンバーの勧誘を八幡にやってもらい友人づくりに活かしてもらいたかったのである。

 

 

「しかもチーム二人しかいないのにランク戦にエントリーするとかなんなの?お兄ちゃんまた泣いちゃうよ?マイスイートシスターと二人だけで十分だと思ってたのに・・・」

 

生活する分にはB級に上がり防衛任務をするようになったことで不安はなくなり余裕も出来ていた、そして妹と二人だけのチームは八幡には居心地がよく満足していたのだが、妹の小町はそうではなかった。

 

妹のためにと友人を増やさず彼女も作ろうとしないで訓練や防衛任務、ランク戦ばかりのため、せめて隊員を増やして兄が信頼できるような人を増やしついでに友人も増やすことで兄のコミュ障を克服させたかったのである。

 

さらに少しまえから忍田本部長からも隊員を増やすようになぜか小町が注意されたり、曰く

「比企谷の能力は集団戦闘で生きる、町や家族を守るためには一人ではすぐに限界がきてしまう」と、他にも「お兄さんの弟子に」「ヒキタニ君ぱないわぁ」「ランク戦しようぜ!!」などなどなぜか隊長である八幡でなく小町に苦情や相談がよせられていた。

そんな日々にめんどくさくなった、というのも八幡に勧誘させている理由の一つでもあった。

 

「はあ・・・とりあえずC級のランク戦見ながらいい感じのがいるか見るか・・・・まあ声かけても逃げるか、びびって話にならないだろうけど・・・・みんな目が・・!?ってびびりすぎでしょ・・・まあ俺も超キョドってるけど・・・・」

 

B級以上ではそれなりに認知されてきている八幡だがC級隊員を勧誘しようとすると、そのキョドリ方と腐り目でみな逃げてしまうのである・・・

小町が声を掛ければ簡単な話ではあるが、兄に友人作りの練習兼あわよくばお姉ちゃん候補の確保をして欲しいため、しばらく勧誘には八幡に一人でやってもらう予定であった。

ついでにチームランク戦に一人で挑ませることでチームメンバーの必要性を兄自身に理解してもらいたかったのである。

 

「前期のランク戦は地獄だった・・・一人で2チーム相手にするとかなんなん・・・小町め・・・なにが「間違ってエントリーしちゃった、でも頑張ってねお兄ちゃん♪」だよ、またもやあまりのかわいさに八幡頑張る!って答えちゃったけどつらすぎんだろ・・・・」

 

本当は間違いではなく、忍田本部長と小町による共謀なのだが、八幡には知る由もなかった。

チームメンバーの援護がないことがばれている八幡は常に最初に狙われ続け、2チーム計6人対八幡1人という対図になることが多く、そこからなんとか一矢報いようとあがき続けた結果八幡戦法が完成したのであった。

 

それは開幕と同時にスパイダーとメテオラのトラップを仕掛け、陣地を形成。この際にこっそり「八幡帝国である!!」と叫ぶのが八幡的お気に入りらしい、そんなことを言って遊んでるところを実況されたりもしていたが・・・

その後陣地に近づいてくる相手にはアイビスでシールドごと粉砕し、近づく敵にはスパイダートラップに加えバイパーとメテオラの雨を降らせ、それでもだめならメテオラで発生した爆発に紛れて接近してスコーピオンで倒すという戦法をひたすらに繰り返し、なんだかんだで単独でB級中位まで上がれたが、そこが限界だった。

 

個々のトリガーの実力はマスタークラスにやや届かない程度だが遠~近トリガーの併用と戦術によりなんだかんだでA級とそん色ない程度には戦えるようにはなっているが、個人では中位が限界だった。

 

「まあたしかに俺の戦術だと個人でやるよりメンバーがいたほうが戦術は広がるし小町も守りやすくなるしな・・・」

前期のランク戦のシーズンで奮闘したものの、何も出来ずにスナイパーに落とされることもあれば、那須隊等のコンビネーションにやられることもあり、チーム戦術の重要性を身に染みて理解していた。

 

「つか隊員募集について相談したらみんなめっちゃ嬉しそうにしていたな・・・特に小町と忍田さん」

そう、なんだかんだで1人でもB級のランク戦に勝ち星をあげ始める八幡に2人はこのままA級まで1人で行ってしまうのではと危惧していたのである。

なんだかんだでシーズン後半戦には八幡戦法は対策され、ポイントが伸び悩んでいたが、それでもメンバーの必要性に思い至ってくれないのでは、と思っていたのである。

 

「つか、あんな嬉しそうにするなら、勧誘も手伝ってくれりゃいいのに・・・・とついたな」

なんだかんだでランク戦ブースについた八幡は端っこの目立たない位置にあるベンチに座り、C級ランク戦を観戦しはじめた。

目立つところにA級3バカがわいわいさわぎながら対戦しているのも眺められる好立地を確保し少しほっこりしながら自分自身の戦術に活かせるものがないかも観察しているあたりさすがの趣味人間観察である。

 

「さて、めぼしいのはいるかなー・・・個人的にはアタッカーとシューター1人づつか、シューター2人がいいんだよなー・・・」

とつぶやく八幡の近くに2人の少女が近づいてきた

 

「こんにちは、比企谷くん」

 

「比企谷おつかれ~」

 

と声をかけてきたのはB級のガールズチームである那須隊の那須と熊谷であった。

那須は病身ながらもトリオンの研究でボーダーに協力しており、八幡的きれいな人ランク1位にして戦闘になると悪魔のような(本人には言えないが)バイパーの鳥かごにより相手チームを追い込むというチームのエース兼隊長である。

熊谷は弧月の使い手にで、アタッカーであるものの、メインは那須のガードや日浦の援護等であまりみずからポイントを取りに行かないが、そのガードの技術はかなりのものである。

ここにはいないがスナイパーの日浦は特徴的な泣き方をする奈良坂の弟子で小町の友達である、一緒にいない現在は小町と2人で女子会をしていた

那須隊のオペレーターの志岐は引きこもりで八幡もあったことがないが、日浦曰く「比企谷さんにはかなりシンパシーを感じている」らしい。

 

「・・・・よう、2人とも・・・」

端っこのほうに目立たないように居座ったはずが那須隊2人の登場により視線が集まり始めていることに居ごごちの悪さを感じながら返事をする八幡

 

「となり、座るね?比企谷くんはランク戦に来たの?」

 

「あたしも座るねー。つかあんた嫌そうにしすぎでしょ・・・・」

 

となぜか八幡を挟んで座る2人。めっちゃ距離をつめて座り完全逃がさないモードである。

 

「え・・・なんで挟むのん・・・・いや、今日はメンバーの勧誘に来たんだじょ・・・・」ボソボソカオマッカ

 

なぜかランク戦ブースにくるとこうして逃げ道をふさがれることが多いことに不思議に思いつつ超絶キョドリながら返事をする八幡。じつはこのキョドリ方が一部ボーダー女子の間で琴線に触れまくっていることに本人は気づいていないが・・・

 

普段の腐った目と比企谷家遺伝のチャームポイントであるアホ毛のアンバランスさに加えて時折みせる捻デレと身体的距離を詰めたときの必死にキョドっているのを隠そうとしてまったく出来ていないところなどが一部女子に人気なのである。

 

「勧誘?那須隊に入ってくれないの・・・・?」ウワメヅカイウルウル・・・

 

「へえ・・・・うちの隊に入ればいいのにねえ・・・?」ギロ・・・

 

いつもどおり、という感じで息ぴったりに八幡を責める2人、内心はキョドる八幡をみて楽しんでいるが・・・

 

「ヒッ!!・・・・い、いえ・・・しょんなことはじぇんじぇん・・・そのしゅみましぇんでしゅ!なんでもしますので許してくだしゃい・・・」

 

毎度のことながら美少女2人に詰め寄られ超キョドリながら謝罪する、ほんとは入ろうとしても小町と2人では入れないのだが、それどころではなくなってしまい全く気付かずに取りあえず謝罪する男。それが八幡である。

 

「ほんと!?じゃあ次の土曜日買い物につきあってね♪」ニコー

 

「なんでも・・・だもんね?あたし達の荷物持ち兼那須のナンパ除けよろしく~」ニコニコ

 

まさに計画通りといわんばかりにニコニコしながら約束を取り付ける、さすがのチームプレーである。

 

「あ、ちなみにさっき小町ちゃんと茜ちゃんも声かけておいたから那須隊と比企谷隊でお出かけだね」ニコー

 

「比企谷モテモテだねーよかったねー」二ヨニヨ

 

完全封鎖とばかりに追い打ちをかける2人、八幡を動かす場合の常套手段であるウワメ使いからの涙目コンボ~そしてラストに小町の承認をつければ八幡に逃れるすべはないのである

 

「え・・・小町ちゃん・・・???はあ・・・・わかった」

頭をガシガシしながら諦める八幡。いつもの押してダメなら諦めろである。むしろ今回は押す瞬間がなかったが・・・

 

「・・・・まあ詳細決まったら連絡くれ・・・・俺はメンバーの候補を探すから行くな」

といい加減周りの視線にうんざりしていた八幡が逃げようとするが

 

「え?それなら一緒に見ようよ、私たちも手伝うよ?」

 

「そうそう、小町のチームメイトだしあたし達も気になるしね」

 

と八幡の袖を掴み絶対に逃さない態勢をとる2人、さすがのチームプレーである。ほんとさすがのチームプレーである。

 

「それとあとで私達とランク戦してくれる?久々に比企谷君と対戦したいな♪」

 

「・・・・はあ・・・・どちらも了解した。とりあえずいい感じのがいないか探すの手伝ってくれ、ランク戦はその後な、つか那須にはバイパーでハチの巣にされて、熊谷にはずたずたにされる未来しか見えないのだが・・・やっぱり今回もバイパーとスコーピオンしばり?」

 

すでにチームを組んでいる2人の意見は参考に出来ると考え、座りなおす八幡。逃げられないから諦めたともいえるが・・・ちなみに毎回こんなことしているためC級の男子隊員には嫉妬や妬みから勧誘してもまったく話を聞いてもらえなくなっていた・・・

 

「もちろん♪比企谷とのアタッカー対決はすごくいい訓練になるしね!ちなみに勧誘するメンバーの細かい希望はあるの?」と熊谷

 

「そうだな・・・小町に害をなさないやつがいいな、あとマッカン好き・・・」

 

と八幡、この時点で男子が候補からほぼ消え、マッカンがあるため女子も限りなく候補から消えていることに本人は気づいていなかった・・・

 

「比企谷君、現実をみましょう?もう少し現実的に希望を考えましょう?」

 

「それほぼだれも入れられないじゃない・・・」

 

と2人はあきれている・・・希望にポジションや性格等具体的なものが一切ないのにこの絶望感である・・・さすが八幡とも言えるが・・・

 

「んー・・・マッカンは置いといて、あまりにぎやかな子とか小町ちゃんに声かけそうな男の子はむずかしいよね・・・」

 

さらっと八幡的ポイントの高いマッカンをスルーしながらもやや具体的になる人物像。

 

「そうね、あたし達も仲良くしたいから女の子がいいかな・・・・デモコイツニテヲダスノハ・・・・」

そしてなぜかの女しばりにややあせるものの確かに小町に近づかないように男子を入れる気が全くないことに気づく八幡。

 

「あれ?それって無理ゲーじゃね?俺に女の子を勧誘するテクニックも度胸もないよ・・・?」

とつぶやく八幡ますますもって絶望感が押し寄せてくる・・・やはりここはコミュ力モンスター小町を召喚するしか・・・と考え始める八幡。

 

「まあその辺はフィーリングでいきましょう?とりあえず比企谷君的に気になる子がいるか見ましょうか」

 

「そだね、あとは面白そうな子とかね、勧誘方法なんかは後で考えればいいでしょ」

 

と、那須と熊谷、同時進行で内部通信では志岐とも連絡をとり八幡が勧誘する際の記録方法について協議していた・・・

勧誘対象を自然と女子に限定させキョドリながら勧誘する八幡を記録する算段をつけているのである。自分から話しかけることの少ない八幡のレアな瞬間がくるとあっては記録するのは当然の流れであった。

 

「それもそうか・・・最悪忍田さんや小町にお願いすれば「「それはダメッ!!」」うおっ!!まじかよ・・・お前らも隊長の仕事が~とかいう気かよ・・・・」

 

自分で勧誘するのは早々に諦めていた八幡だが2人に強烈にストップをかけられる

 

「と、当然でしょ?た、隊長なんだからメンバーの勧誘っていう大事なことは他人に任せちゃだめだよ!」

若干どもりながら記録出来なくなる可能性をとめる那須

 

「あんたそんくらい自分でやんなさいよ・・・」

と熊谷も援護する

 

「まじか・・・・はあ・・・せめて那須とか小町とかについてもらうくらいならいいか?さすがに俺が1人でいったら相手が怖がって話にならないと思うんだが」

とやたらプッシュしてくることに若干の疑問を感じながら了承する八幡。しかし自分一人では成功する可能性はないためアドバイザーの同席を要請する

 

「!!うん♪基本的には比企谷くんに話してもらうけど私たちが協力するから安心してね♪」

と八幡からの要請にご機嫌になりながら那須がうなずく

 

「そうと決まればい良い子がいないか見よっか!」

チョロイな・・・とか考えながら観戦にもどる熊谷

 

「だな・・・はあ・・・見つかって欲しいようなそうでないような・・・」

こうして八幡のボーダー勧誘生活は始まるのであった・・・次回に続く!!

 




と、こんな感じで勧誘生活についてのSSで行く予定でっす、どこまでやるかはわかりませんが、結成して俺たちの戦いはこれからだエンドが濃厚な気がする昨今です。
基本的には俺ガイル勢は出ない予定だし、どちらの原作にも絡まない予定ですが、ほんわか生徒会長とかはるのんとか海老名さんとかいろはす好きだから出したい気もしますが・・・・それでも良いよって人は読んでくれると嬉しいです、あと、ワートリキャラは八幡に対してSになるという自分の説を賛同してくれる人がいるのか不安です・・・あまりたたかないでいただけると助かりましゅ!!


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八幡の戦い~二人候補みつけますた~

こんばんは、2話目書いてみました

興味を持ってくれる方がどれくらいいるか不明ですが、八幡の巻き込まれ体質がうらやましいです、ついでに那須さんのバイパーでハチの巣にされたいです・・・・

そんな願望によりところどころへんてこになっていますがうまいこと脳内で補填してもらえると助かります。

つか、話し方に差をつけたり気づいたら八幡視点で書こうとしたリ他の人視点で書こうとしたりフラフラしてしまう・・・ドンマイ、自分。


八幡トリガーセット

メイン バイパー アステロイド スコーピオン シールド

サブ メテオラ アステロイド アイビス スパイダー

ガードしても無駄っぽい相手が居る時はシールドすらぬいてグラスホッパー入れて機動力向上させたり守備的に行くときはエスクードをいれてみたりもする。基本気分で入れ替える。

最近那須と出水に合成弾を教わったためギムレットとトマホークを練習している。お気に入りはギムレットであるが、いまだに練習中のため、合成に出水の倍くらい時間がかかってしまう。

 

時系列的には俺ガイルは2年に進級したくらい、ワートリは修が入隊するくらいかなーと考えてるけど、基本適当にいくます。

 

八幡のスペック 戦闘は基本的にはシューター寄りのオールラウンダー、何一つマスタークラスに届かないためパーフェクトオールラウンダーではない。

ランク戦では第一に狙われるため長期戦や生き残ることをあきらめ潔くバックワームを入れていない。

相手が接近するまでにスパイダートラップをしかけ、ひたすらアイビスとメテオラを乱射しまくる。そこそこのトリオン量のため火力優先のアイビスをほとんどの隊員はガードできないが大砲と呼べるほどの破壊力は当然ない。メテオラとあわせてトリオンを瞬間燃焼させて戦う短期決戦型。

そのためランク戦で最後まで生き残ったことはなく、だいたい序盤で何人か削ってから敗北するケースがほとんど、ごくまれにトリオン切れで退場するケースもある・・・

戦闘力敵にはシューターとしては那須に及ばず、アタッカーとしても熊谷とトントンくらい、縛りなしでいけば八幡のほうが強くA級3バカにはギリ5分の戦いができるくらい。

入隊時期は木虎と同じらへんで一年ちょっとくらい、入隊時はガンナーの木虎に勝ち越していたが、スコーピオンを使い始めてから負け越している。特にスコーピオン対決になると手も足もでない・・・B級に上がりたてのころに2人で考案したのがスパイダーの使い方である、八幡が主にトラップとして、木虎が機動力にとそれぞれの活用法を見出した。

それからというもの年齢は違うがお互いをこっそりライバル視している。ついでに小町もオペレーターに転向してはいるが隙を見つけては木虎に稽古をつけてもらっている。木虎、日浦、小町は同じ学校でなかよし15歳組。ちなみに15歳組の修は違う学校かな?と考えてます。

 

 

ーランク戦ブースー

 

「よくみえないわね・・・」と熊谷がつぶやき

 

「そうね・・・比企谷君もっと近くでみない?」と那須が提案する

 

「そうしましょう、比企谷君もっと見やすいところに移動しましょう?」と加古さん←new!!が追撃する

 

 

先ほどからランク戦ブースの端で目立たないように(那須、熊谷の加入で視線を集めていたが)見学していた八幡だが、なぜか気づいたら加古も加入し八幡いぢり隊が増えていた。

そこで放たれる3人の発言に八幡は追い詰められていく・・・

 

「そうか、じゃあ俺はここで見学しているから那須達は向こうに行ってていいぞ?」

と無理だろうな・・・と思いながらも一応発言する。

すでに目立つところに連れてかれ散々注目を集めて精神力をゴリゴリ削られた後にそれぞれとランク戦をさせられ体力的にも削られる未来と、そこから解散しても今度はA級3バカに絡まれる未来も見えていた・・・・もはや未来視のサイドエフェクトばりの精度である。ただの経験則だが・・・

 

「「「一緒に行こ?(行くわよ?)」」」

一斉に言われる八幡、当然頭の中ではきっぱりとお断りしているが・・・

 

「ア、ハイ・・・ワカリマシタ・・・・」

 

ドナドナの歌を頭の中でリピートしながら連行され、C級のランク戦が良く見える位置に移動して4人で座る。先ほどとは段違いの視線の集まり方にうんざりする八幡。そんなヘタレ受けなのが俺たちの八幡。

 

 

「・・・ところでこれは何の集まりなのかしら?」

よくわからずここに同席していながら今更に質問する加古。普通の家庭から生まれたなぜかセレブオーラをまとっている謎の多い人。最大の謎はチャーハンの味付けだがここでは割愛しておく。

 

「比企谷君がチームメンバーを勧誘するみたいで、その候補探しです」

 

「小町ちゃんや忍田さんに説得されたり、前期のランク戦でいろんなチームからいじめられたからねー比企谷は」

 

と那須と熊谷が答える、何をしていたのか知らずにさらっと入っていたことに驚きつつもマイペースな彼女らしいと無理やり納得し説明する2人

 

「あら、そうなの?加古八幡になってくれればうちの隊にはいってもいいのよ?」

と八幡をいじり隊の加古は八幡をいじり始める。当然その発言と同時にジリジリと距離を詰め始めることも忘れない

 

「え・・・・いや・・・・その、俺ちょっとアレがアレなんで、あと小町もいるんで・・・・」

ボソボソと顔を真っ赤にしながら適当極まりないお断り的な返事をする、当然目線はあっちこっちにさまよいながらめちゃくちゃキョドっていた・・・

 

「そう・・・それは残念ね・・・」

あいかわらず良い反応するわね~とか思いながら少しも残念そうにせずニコニコしている

 

「ところでどんな子を探しているのかしら?」

すでに一緒に探す気の加古。なんだかんだで小町とも仲が良くやはり比企谷隊に入るメンバーが気になるのだ

 

「そうですね・・・小町に手を出さず、マッカン好き「比企谷君??」・・・じゃなくて、アタッカーとシューターを探してます。なんならシューター2人でもいいくらいです」

マッカンが諦めきれず再度候補に入れようとするも那須に迎撃される、やはり世の中は甘くない・・・

 

「あとは小町ちゃんに手を出さないか心配だから男子はNGだし、あんまりよくしゃべる子も難しいかな・・・?」

 

「そうそう、シスコンにしてコミュ障だからね~比企谷は」

 

「それから比企谷君はおとなしめの女の子でシューターかアタッカーを勧誘したいんだよね?」

 

「自分の言いなりになる子がいいんだよねー?」

 

「え・・・なにその俺を落とし入れる事を目的とした言いまわし・・・?ホント周りからの視線がヤバイものになるんでマジでやめろください・・・」

 

相変わらずいいコンビネーションである。そんな那須隊二人の攻撃に涙が出そうになる男がいた、われらが八幡である。当然スルーされるが・・・・

 

「なるほどね、ならわたしも協力するわね、頭文字にKがつく子はいるかしら?」

やはりそこはゆずれないのか・・・と考える、視線は相変わらず刺さるものの那須も加古も八幡よりシューターとしての実力は上である。メンバー候補を探すにあたってこれほど心強いメンバーはそうはいないだろう

 

「そういえばガンナーではだめなの?」

そう、なぜかシューターにこだわる八幡、射程もちのなかでも銃のトリガーを使うガンナーではなくシューターを希望していたのが気になったのである

 

「そうね・・・もしかしてトリガーも希望があんの?アタッカーだとなにがいいの?」

なにも考えてないような発言をすることが多い八幡だが、このようなケースだとかなり深く考えていたりするので確認する

 

「そうだな・・・実はいくつかコンビネーションを考えてて応用の効くシューターの方がやりやすいんだ、メインはハウンドとアステロイドのやつだといいが・・・理想はバイパーだが那須や出水のように弾道設定するのは難しいからな・・・・アタッカーなら弧月でもスコーピオンでも問題ないが弧月使いのほうがいいな」

とさっきまでマッカンとか言ってた口ですらすらと答える。じつはいくつかチーム戦術は考えており、そのためにメイントリガーに関してはよどみがなかった。

 

「あらそうなの?それならおもしろい子達がいるわよ?2人組でシューターの女の子」

とあっさりと答える加古。じつは少し前に見かけていた2人で、片方がKだったため勧誘したが2人一緒がいいと断られてしまったと説明する。

 

「1人はアステロイドでもう一人がハウンドね、あまり積極的にランク戦をしていないからまだC級だけど2人とも実力的にはB級中位くらいね」

とかなり有望そうなか感じである。八幡的にもかなり乗り気になってきているが問題はここからだった・・・

 

「あ、その2人組私も知ってます、でもたしか片方の子が男嫌いだったような・・・・」

性別の壁という強大な壁である・・・実は正確にいうなら百合であるだけで男嫌いではないのだが男を寄せ付けようとしないため似たようなものである。

 

「あ~あの子たちかー・・・ためしに弧月使わせても結構いい動きしてたなー、男寄せ付けようとしないけど」

以前声を掛けられて少し稽古してあげたときのことを思いだした熊谷。あまり男に関与しようとしない2人のためガールズチームである那須隊に相談に来たことがあったのである。

 

「ぐぬう・・・なんだそれ・・・性別の壁とか無理だろ・・・いや、男嫌いでなくても難易度高いけど・・・ちなみに今はいるのか?」

かなりの有力候補っぽい感じの2人がみつかり嬉しい気もするが、とんだ肩透かしである。声かける前から無理っぽいとわかり少し安堵している部分もあるが・・・・極力声を掛けたくない、働きたくない八幡である。

 

「たぶんいると思うけど・・・・あの2人結構目立つからね」

と周囲を探してみる事しばらく・・・

 

「いるわね・・・相変わらず仲よさそうにしてるわ」

加古の示す方向に話しかけられるのを嫌うように八幡達が最初にいた場所とは逆サイドの端に2人仲良く座って入る。

 

「ほんと相変わらず他人を寄せ付けないね・・・たまに個人ランク戦してるけどここにいるといつも2人で話してる、っていうよりイチヤついてるし・・・」

見るかぎり片方の子がお菓子を食べさせたりとデレデレしながらお世話をしている・・・近寄るなオーラ全開でイチャついているのである。八幡とは違うベクトルで近づきずらいのであった。

 

「なにあれ・・・?・・・あんなん無理やて・・・・節子さん・・・・あれちゃうて・・・あれ男嫌いやなくて百合や・・・・いや大して変わらんけど・・・・」

そんな自分とは違うベクトルのオーラに思わず言語が壊れる八幡。まだそれなりに距離があるのに凄いオーラである・・・

 

「つかなにあれ・・・?オーラ凄いんだけど・・・え?ホントにアレ前からいた??全然知らなかったんだけど・・・?あんな凄いオーラ気づかなかったとか逆にやばくない!?」

八幡がいまさらながらに戦慄している・・・クラスメイトすら覚えられない八幡だからこその芸当であり、自分と関係ないことに関しての情報の遮断が天才的ですらある。

 

 

「う~ん・・・たしか前回かその前の入隊だったと思うけど・・・?」

 

「そうね、その時から結構目立ってたからね、あの2人組は」

 

那須と熊谷は当然のように気づいていたため入隊時のことを話すことに、

入隊時の戦闘訓練でもバムスターを30秒かからずに倒したこと、その他の地形踏破訓練や隠密行動、探知追跡訓練でもすべて1,2位を独占しておりかなり話題になっていたらしい。

当然いろんな隊員が話しかけるものの男には話も聞かず、女には普通の対応をしているのだが、若干の迷惑そうなオーラを放つそうな・・・

 

「あの子達も比企谷君とおなじで2人一緒じゃないとチームに入らないと言っていたからちょうどいいんじゃないかしら?」

加古や他の人からの誘いをすべてこの理由で断っていた。たまに2人一緒にというところにはランク戦をして判断しているらしいが今のところ彼女達の眼鏡にかなうところはなかったらしい。

 

「なるほどな・・・とりあえずどんな感じかはわかった。俺には無理なことも良くわかった・・・死のう」

すごく嫌な予感がしてきた八幡、これからの未来に不安しか感じなくなり突然の宣言をする。

 

「まあまあ、とりあえず話してみようよ、意外と気が合うかもしれないでしょ?」

 

「私結構シューターの訓練とか付き合ってるから最初は普通に話してくれると思うよ?」

 

「そうよ?せっかく候補が見つかったんだから話してみましょう?」

自殺宣言も軽く流されやはり逃がしてはくれないらしいことに冷や汗が出始める八幡。もはや逃げられないことにうすうす感づいているものの嫌なものは嫌なのである。

 

「・・・・いかないとだめ?」

ためしにかわいくいってみる八幡、首をかすかに傾けるあざとい感じに・・・「キモイ」・・・ならなかった、キモかった。

 

「とりあえず私たちが話してうまく比企谷君としゃべれるようにしてみるね、あ、ニゲチャダメダカラネ・・・?」

 

「こんどご飯もおごってもらうからねー」

と歩いて行く2人。加古はどうやら八幡が逃げないように監視するつもりのようだ

 

「・・・・サンキュ・・・・」

てれってれになりながら感謝する八幡、自分一人では話しかける事すら困難だったろうが、ふたりのおかげでかなり最初のハードルが下がっているので素直に感謝する。すごく照れながら。

 

「「・・・!!まかせてっ♪」」

めったに出ない捻デレを見れてテンションマックスの2人は意気揚々と向かっていく。男に興味はなさそうだが、なんだかんだで比企谷とある程度うまくやっていきそうな2人組だと考えているのである、是非とも比企谷隊に入隊させようと気合を入れるのであった。

 

 

 

それからしばらくして・・・・・

 

「おことわりします」

 

三つ編みの子にひたすら世話をしてデレまくってた子が取りつく島も無く答える。むしろ何かを言う前に断られていた・・・腰あたりまである髪は茶色のストレートで落ち着いた雰囲気の美少女である。世話をしていた頃とちがって今はゴミを見るような目で八幡を見ている。

 

「え~?すこしは話を聞いてあげようよ~大井っち~」

と三つ編みの子は援護?している。きれいな黒髪を三つ編みにしたほわほわとしたマイペースそうな子である。そしてやはり美少女だ・・・と八幡が考えているとさらに茶髪の子の視線が厳しくなる、ついでに那須、熊谷、加古の視線もきつくなる・・・

 

「・・・!!北上さん、なんて優しい・・・・コホン、しょうがないですね、北上さんに免じて話を聞いてあげましょう・・・・キタガミサンニテヲダシタラコロス」

渋々・・・超嫌々話を聞いてくれる態勢に入る。那須と熊谷経由でこれなため、普通の男が話かけた場合はその比ではないのであろう・・・

 

「・・・ありがとう、まずは自己紹介からするが、俺は比企谷八幡、現在B級の比企谷隊の隊長をしている」

 

周りからの厳しい視線に泣きそうになりながらも嫌々でも話を聞いてくれる事に感謝しつつ名乗る。

 

「北上だよ~」

 

「大井です」

とこちらは簡潔に名乗る、茶髪の子が大井、黒髪の子が北上というらしい、もういいでしょ?と言わんばかりの目を大井がする。

 

「・・・よろしく。実はいま俺の隊で隊員をぼしゅ「おことわりします」・・・・ア、ハイ・・・」

八幡がめげそうになる心をふるいたたせて何とか話そうとするもインターセプトされ完全に心が折れる。

 

「では、話は以上でしょうか?これから北上さんと買い物に行かなくてはなので失礼しますね、お姉さま方もお疲れ様です、また時間のある時にでも訓練つけてください」

 

「う~ん、やっぱ難しいよね~、まあまた今度お話聞くよ~それじゃ」

 

と比較的北上は好意的に接してくれるものの大井には全く相手にされず帰ってしまった

 

「「「・・・どんまい・・・・・」」」

3人に慰められつつ泣きそうになる八幡。今回は全く話が出来なかったが、比較的北上という子は話しを聞いてくれそうなのでそのうち心が回復したら、いつかきっとまた頑張ろうと思う八幡であった。

 

「ま、まあ・・・今まで男が自己紹介出来たの見たこと無かったから・・・」

 

「そうそう、また機会をみて話してみましょう?私とくまちゃんも協力するから」

 

「そうね~あの子達相手なら頑張ったんじゃないかしら?」

それぞれ励ましてくれる3人、かなりの攻略難易度である。

 

「・・・ありがとうございます。とりあえず情報収集と、小町と忍田さんにも相談してみますね。あとまた次勧誘するときも頼む」

それじゃ・・・といいながら立ち去ろうとするもののまたもや捕まる八幡、ニコニコしながら両サイドから腕を掴まれている、さらに加古のセレブオーラがダークサイドに落ちる。

 

「「「それじゃあ気を取り直してランク戦やろっか?(やりましょう?)」」」

ここからが本番だと言わんばかりにニコニコしながら八幡を引きずっていく

 

「・・・・ちなみに拒否権は・・・「「「あると思う?」」」・・・・・ア、ハイ・・・ハチマンランクセンダイスキデス・・・」

ドナドナの歌を心の中で歌いながら引きずられていく。

その後3人と10本ずつ、さらになぜかチーム戦の練習ということで那須隊対八幡で対戦させられその後さらに3バカともやらされ精神的にも体力的にもボロボロにされている八幡がいるのであった・・・・

 

 




お疲れ様です。

そんなこんなで勧誘対象は艦これから北上、大井になりました。下の名前は秘密ってことで・・・・
クレイジーサイコレズ・・・・ぱないですよね・・・・

八幡のあり方と大井のキャラが自分的に最高に好きです・・・最近のであれば、クオリディアの天河舞姫とか、アイマスキャラ入れたかったのですが、なんとなく艦これにしました。

基本勧誘の話しなので起伏がありませんが、そのうち戦闘描写にもチャレンジしてみます、ついでに視点も安定させます・・・ゴメンナサイ

そんなこんなでつっこみどころ満載ですが次回もよろしければ見ていただければとおもいます。あと、ついでに那須さんは実はS説も賛同してくれるとうれしいです・・・



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八幡の戦い~メガネ人口増やそうぜ?~

こんばんわ、第三話です。

数多の提督達の絶望を覆し、願いを叶え、立ちはだかる強敵を駆逐してきたハイパーズ・・・・
きっと現代で聖杯戦争が執り行われればほぼ最強クラスの英霊になるんじゃないかと思ったり、思わなかったり・・・・そんなハイパーズをいかにして味方に引き入れるか・・・・絶賛考え中です。ダレカタスケテェ~




ー翌日、比企谷隊 隊室にてー

 

「ではでは~第8万回比企谷隊ミーティングを開始しまっす♪どんどんぱふぱふ~♪」

 

「「「「「いえーい!!」」」」

 

「・・・・ええー・・・・」

 

「ふむ・・・」

 

とある隊室にてそれは行われた。

比企谷隊隊員の比企谷小町が軽い、そして明るいノリでミーティングの開催を告げる

 

そこには比企谷八幡だけでなく、那須隊のメンバー(志岐はPC越し)といつの間にか小町が連れてきた東隊東春秋がいた。

東は最初のスナイパーとしてかつてのA級1位を率いていた人物で、戦術や隊員の指導にも尽力していて八幡がスナイパーの練習をしているときにもちょくちょく声を掛けてくれたり、たまに焼肉を奢ってくれる。

 

「では本日の議題ですがー・・・比企谷隊は!これより2人ボッチを脱却して!!チームになりたいと思いまっす!!」」ババーン!!

 

「「「「おおーーー!!」」」」

 

「ほう・・・」

 

「ねえ、なにこの温度差?隊長俺だよね?なんで空気になってるの??つかなんで東さんまでいるの?正直意見聞けると嬉しいけど八幡いきなりすぎてキョドっちゃうよ?」

 

と隊室内の温度差にかなりドン引きの八幡、自分が隊長ではあるものの、妹の小町には当然のように頭が上がらず、那須隊のメンツもいつもいろいろ手伝ってもらったり(訓練やら、防衛任務やら)定期的にいじられるためやはりこちらも頭が上がらず、東に関しても戦術やスナイパーについて教わっており、やはり頭が上がらないため、確実にこの隊室内ではカーストが一番低い八幡であった。

 

「えー、先日うちのゴミいちゃんがついに隊員を増やすことに賛同しまして、本日は隊員勧誘の対策会議をしたいと思います!!」

 

「なるほど・・・」

 

先ほどから薄い反応を返し続ける東だがその実非常に興味が湧いてきていた。

なにせ自らをボッチと言い続ける八幡が隊員を勧誘すると言うのである。以前東も八幡を勧誘し断られた事があったりもしたが、そんな八幡が自分から勧誘すると言うのだ。これが興味をそそられないはずがなかった。

 

入隊当時からそこそこのトリオン量と戦闘に対する適応力、なにより観察眼が他の隊員とは違っていた八幡。

 

本人は目立つのを嫌うため入隊時の訓練はばれないようにやや手を抜いたり、ランク戦でも目立たないようにたちまわっていたが、東の眼はごまかせなかった。

 

「あの比企谷がついにちゃんとしたチームをつくるとは楽しみだな・・・俺も協力しよう」

 

秀でた能力はないが、その戦闘スタイルはバランサーとしてはすでにA級でも遜色ないレベルに達していた、それなのにチームを小町以外と組まずにいたため能力を活かせていないことに東や忍田等は嘆いていたのである。

 

そんな八幡がチームを、隊員を勧誘するとあって、小町の暗躍によりすでに忍田、東でバックアップしていく確約が取り組まれていた。

 

「「「「「ありがとうございますっ♪」」」」」

「・・・・うす・・・・」

 

小町、那須、熊谷、日浦がニッコニコしながら感謝し、志岐がパソコン越しからこっそり会釈をし、八幡が照れながら感謝する

 

「ではでは~隊長であるゴミいちゃんからその候補さんたちの説明をおねがいします~♪」

 

そこから八幡は大井、北上についてと候補にした理由や最初の挨拶しか出来なかったことを話した。

 

「私からみても比企谷君の隊には向いてると思うのだけど・・・」

 

「そうだね、男以外には割と普通に話すけど、比企谷の希望を満たす数少ない子達だと思うのよね、男じゃなければ」

 

「なにっ!!マッカンか!?「んなわけないでしょ」・・・・ですよねー・・・・」

 

いわゆる小町に手を出さず、2人ともシューターである。すでに2人でコンビを組んでいるのであれば連携についても取りやすいであろうと考えられる。さらにいうなら多少イチャつくものの、その実二人とも穏やかな時間を好むようだ。騒がしいのを好まない八幡にとってはかなり有力候補であった。男を寄せ付けない、という点がなければだが・・・

 

「ほう・・・それは・・・戦闘動画はあるのか?」

かなり気になるのか聞いてくる東、やたら目立つ二人組がいるとは聞いたことがあったが、基本スナイパーである東は個人ランク戦を見る習慣が無かった。

 

「はい・・・那須さん、熊谷さんとの訓練と個人ランク戦の動画がいくつかあります」

 

動画を流して全員で確認する。北上がアステロイドで、大井がハウンドで戦っている。C級ながらもすでにかなり使いこなしているのがうかがえる。

 

「すでに戦闘ではB級中位くらい、シューター限定でいけば比企谷君と互角に近いくらいです」

那須が分析しているが、その横で八幡がこっそり傷ついていた・・・

 

「え・・・?俺そんなに弱いの・・・・?いや、こいつらが強いのか・・・?そこそこ強くなってた気がしてたけど、俺の気のせい・・・??」

 

こっそり傷ついてる八幡をスルーして話は進んでいく。

八幡の真骨頂はあらゆる局面に対応できる分析力と対人戦闘における観察力である、個人の戦闘力はそんなでもなかったが、その観察力により戦闘の前半では負け越していても後半は相手の動きに対応し勝率が右肩上がりになるのだ。今後さらに各トリガーを使いこなせばかなり上位に食い込めるポテンシャルを持っていた。が、現時点でそうフォローしてくれる人はこの中にはいなかった。

 

「ふたりとももう少しで正隊員になれるのでうまく加入すれば次のランク戦はチームで出来そうね、比企谷」

 

「たしかにこの戦いぶりならB級中位どころか上位も問題なさそうだな」

 

東に太鼓判を押される2人組、それくらい2人の戦いぶりはC級のなかでも異彩をはなっていた。全員で見ているモニターのなかでは那須のバイパーをアステロイドで撃ち落とす北上と、ハウンドでボロボロにされているC級隊員を冷めた眼で見ている大井の姿があった。どちらも八幡に勝るとも劣らないトリオン量と戦闘力だった。

 

「あとは男嫌いを何とかできればいいのだけど・・・」

八幡以外の全員が大井が男嫌いと考えていたが、八幡はそうは考えていなかった。彼の眼には違うように映っていたのである、というより謎のシンパシーみたいのを感じていた、だが現時点では確証がないため那須の発言にもだまっている。

 

「なるほど、了解した。まずは情報が必要だな」

おおよその状況を把握したのか東が告げる、その発言に乗せるように

 

「ですね、とりあえず、小町と志岐、日浦は2人の情報を、特に大井の情報を頼む。それで那須と熊谷にはすまないが2人に稽古をつけてやってくれないか?俺には無理だからな、この埋め合わせは必ずする」

と那須隊と小町にむけ頭をさげる

 

「了解、あたしにまかせときな、B級に上がれば他のトリガーも使うからね、対アタッカーの訓練はまかせな」

「そうね私もシューターとして出来る限り協力するわ」

こころよく承諾する2人、良い雰囲気のなか小町が爆弾を投げる

 

「ありがとうございます♪協力してもらう那須さんたちには小町特製のごみいちゃんなんでも券を3枚づつプレゼントしますね!!」

過去に1度使われたなんでも券をここで各員に3枚づつという暴挙にでる小町

 

「「「「!!まかせてっ♪」」」」

めっちゃニコニコしながら了承されてしまった八幡。やはりここでも発言権はないのである。

基本なんでもとはいっても買い物に付き合えだとかそういうレベルのため早々にあきらめる

 

「・・・はあ・・・よろしく頼む・・・・」

しかし後に安易に了承したことを激しく後悔することになるとはこの時の八幡には知る由もなかった・・・

 

「なら俺は忍田さんと沢村さんと連動してそれとなく比企谷のとこに行くように誘導しておこう」

 

八幡的にどうやって誘導するのかさっぱりだったが東さんだからと納得する八幡。そんなこんなで隊室から出ていく東を見送る。

 

「ありがとうございます、今度焼肉行きましょう、・・・そんで俺は俺で少し調べものとやることができたから那須達はまた後日結果を教えてくれ」

 

「「「「「了解っ!」」」」」

とそれぞれ元気良く返事をし、隊室からでていく。そして八幡もとある相談をしに出かけるのであった。その背中はまるでリストラを宣告されたサラリーマンのように哀愁漂うものだったと後に通りすがりのとある隊員は語った・・・

 

 

ー玉狛支部ー

 

「こんちはーすみません、宇佐美いますかー・・・」

隊室をでて八幡が向かったところは玉狛だった。これから八幡が行うことに宇佐美の協力が必要になったのである。ちなみに八幡と宇佐美は同学年で総武高校に通っているのである。

 

 

「はちまんか、うさみならちょっとまて」

やたら態度のでかい子供がなぞの生物にまたがりながら答える。林藤陽太郎、玉狛支部のお子様で動物と話ができるサイドエフェクトをもつ5歳児。ちなみに謎の動物を陽太郎は犬だと思っているが、実はカピバラで名前は雷神丸といい無駄に超カッコイイ名前である。

 

「おう陽太郎元気にしてたか?今日は宇佐美に用があるんだが、少し待たせてもらっていいか?」

 

「うむ、ゆっくりしていけ」

やはりずいぶんな態度だが、なんだかんだでなつかれているため苦笑しながら宇佐美を待つ八幡、なんだかんだでお兄ちゃんスキルを発動してなんだかんだと陽太郎と遊ぶことしばらくして、なんだかんだで待ち人がくる

 

「迅さん?おかえりー・・・・ん?あれ?もしかしてお客さん!?やばい!おかし無いかも!!」

ずいぶんな荷物を持ちながら慌て始める宇佐美、抱えている荷物が危険なバランスになりつつあるため、いくらか奪いながら八幡は話しかける

 

「落ち着け、俺だ。今日は宇佐美に用があってきた。少し手伝ってもらいたいことがあるんだが・・・」

 

「あ、なんだ・・・八幡君か。なになに?素敵なメガネをご所望かな?メガネ人口ふやそうぜ」

 

手伝ってとお願いされつつメガネを押し付けようとする少女は宇佐美栞、玉狛のオペレーターでプログラム大好き少女である。見た目はメガネの似合う大人しい美少女だが、口を開けばメガネを進めてくるという不思議な信念を持っている。

 

「いや、今日もメガネは遠慮する、ちょいとプラグラムしてトリガーを加工してもらいたいんだが・・・カクカクシカジカ・・・」

 

とこれまでの経緯とこれからやろうとしている事を説明する。

とりあえず、大井と話が出来なかったため、C級に変装してランク戦を通して話をしようという魂胆である。

 

すでに小町経由で忍田本部長には特別に了承をもらっているため、C級用のトリガーを使いつつ、見た目を八幡とわからないように加工してもらうためであった。

 

「ふむふむ、なかなかおもしろそうだね!よろしい、ならばこのアタシがプログラムして素敵なメガネストにしよう!!」

 

超ノリノリで引き受ける宇佐美、なんだかんだでメガネもちゃっかりつけさせる予定である

 

「お・・・おう、メガネは・・・・まあいいか、そんな感じで頼む。なるべく俺とわからないようにしてくれ」

 

「まかせて!・・・・・じゃあはいこれ!!」

話している間にさっさとプログラムを終わらせてしまう宇佐美、ものの数分であった・・・

 

「え・・・?ちょ・・・・いくらなんでも早すぎない?頼んどいて聞くのもなんだけどちゃんとやってくれたん??」

あまりにすぐのことなので思わず疑う八幡、それも当然の事で、見ている限り彼女が今したのは八幡のトリオン体らしきものにメガネを付け、髪の色を変えただけに見えたのである

 

「ん?ばっちりだよ!!宇佐美さんにお任せあれ!!これで初見で八幡君だとわかる人は居ないから安心して!!たぶん小町ちゃんでもすぐには気づかないと思うよ!!」

やたら自信満々であるため、なんだかんだで流されて納得する八幡

 

「そ、そうか・・・・まあ宇佐美が言うならそうなんだろうな、よくわからんが・・・・まあ、サンキュ。今度飯でもおごるわ」

 

「うんうん、いいところのどら焼きでもいいよ~もしくはメガネ人口増加に協力してくれればもっといいよ~」

 

「おう、前向きに検討するわ・・・んじゃあな、陽太郎、宇佐美。またくるわ」

 

ひらひら手を振る宇佐美と陽太郎に別れを告げて玉狛支部を出ようとする。目指すはランク戦ブースである。しかしそうはいかなかった・・・・

 

「あ、八幡がいるじゃない!ちょうどいいわ、あたしと勝負しなさい!!訓練つけてあげるわ!!!」

 

と帰ろうとする八幡に一瞬で詰め寄り襟首をつかんで確保する少女は小南桐枝。こちらも八幡、宇佐美と同じ学年で同じ総武に通っている。

腰まである髪にしっぽがあるのが特徴で、普段の騙され体質からは想像できないが、意外と勉強ができる。かなりの古株でボーダーの初期メンバーでもあり、ついでに最近では八幡の師匠であると勝手に思い込んでいる美少女である。

 

実際にはボッチである八幡に特定の師匠は居なかった、C級のころからランク戦の観察により戦闘方法を学び、B級になってからも同じようにするつもりだったのだが、ここで小町のコミュ力が爆発した。第一次小町革命である。

 

小町は相変わらず他人と干渉せずいこうとする兄にかわり、その道のプロに相談を持ち掛けたのだ。

八幡がスナイパーを練習し始めれば東に頼み、自然に八幡に声をかけ、アドバイスをしてもらえるようにしたり、シューターの練習をすれば、那須や出水、加古に頼み(二宮は怖かったが1度だけ受けてもらえた、恐怖でそれ以降は小町でも無理だった)同じようにランク戦の相手をしてもらったり、アドバイスや合成弾も教えてもらっていた。アタッカーの練習をすれば、小南、風間等にもお願いした。その中でも特に小南、出水、那須は八幡と同じ年なため、その後に友人関係になりそれを見た小町はこっそり嬉し涙を流していた。

 

そんな事を続けてるため、いつの間にか烏丸に騙されて小南は自分が八幡のアタッカーとしての師匠であると言いだしたのである。それからというもの八幡は会うたびに訓練という名の解体ショーを行わされていた、もちろん八幡の解体である。ある時は縦に半分にされ、またある時はメテオラで粉々にされ、そのあとはなんだかんだでボロボロのズタズタにされていた。

 

玉狛のパーフェクトオールラウンダー木崎レイジは言った「あれはボロ雑巾のほうがましな扱いを受けてるんじゃないか?」と・・・、それくらい八幡はボロボロにされていたが、相手のネガティブな部分ばかり見る八幡にも小南が善意でやっているのがわかるため(たまに烏丸の嘘に対するやつあたりもあるが)ありがたく、若干いやいやに訓練を受けていた。

 

さらにまだまだ勝ち越すことは出来ないが、その分析と観察により戦う度に新しい戦術を身に付け、少しづつ、確実に差を縮めて来ている八幡との戦いは女子校生(斧)と呼ばれるくらいの戦闘狂でもある小南にとって非常に好ましい事であった。

そのため、玉狛に一定期間以上来ないと小南が落ち込んでしまうため八幡は定期的に訪れていた

 

「おう、小南、すまんが今日は無理だ、今から野暮用があるんだ。でも、これが終わったらまた頼む」

 

いつもなら、嫌そうにしながらも対戦するのだが、今日はやることがあった。これがほかの八幡を知る隊員なら予定などあるはずが無いと思うだろうが、相手はモテかわだまされガールである。

 

「え!?そうなの・・・?それならしょうがないわね、今度また訓練してあげるわ!!」

 

とこんな感じである、嘘をついているわけでは無いが、ちょっとした罪悪感にかられるくらいあっさりと信じてしまう。

 

「すまんな、こんど埋め合わせする。新しい戦い方も考えてるから、また今度相手してくれると助かる」

 

嘘や欺瞞を嫌う八幡はボーダーの数少ない友人達のなかでもこのだまされガール小南と感情受信体質のサイドエフェクトをもつ影浦にはかなり気を許していた。那須隊のメンバーにもかなり気を許してはいたが、ちょいちょいいじってくるため若干の警戒心も残していた。

 

「わかったわ!また来なさい、稽古をつけてあげる!!」

 

「ああ、またな、宇佐美もサンキュな、今度どら焼き買ってくるわ、陽太郎もまたな」

 

「おお~楽しみに待ってるよ~またね~」

 

「うみ、いつでも遊びに来い」

 

そんなこんなで玉狛をでる八幡、C級用のトリガーを使いトリオン体になり、移動しながら勧誘する対象について思考を巡らせ始める

 

八幡の考えどおりであるならば、いくらか対戦した上での彼女たちの情報が必要になるはずなのである。

 

そのためにやや卑怯ではあるが、姿を変え、C級と偽って大井と北上に近づくのである。

並行して各メンバーの情報収集により作戦の成功率をあげつつ、裏を取ることで作戦を確実にする・・・

 

現状のプランでおおよそ成功率五割だろうか・・・最悪のパターンとして何割か確率を上げるプランもあるが、これは最終手段として・・・・できればやりたくないなぁーと考えながら歩くのであった・・・・

 

「はあ・・・きっとだめだろうなあ・・・・俺のサイドエフェクトがそういってるもん・・・・もってないけど」

 

嫌な予感は当たる・・・・八幡にはサイドエフェクトが発現していないのだが、本人的には気配の薄さや嫌な予感の的中率はサイドエフェクトじゃないかと疑っているのだ。

 

「これ絶対サイドエフェクトだと思うんだけどなー・・・・もっかい鬼怒田さんに言ってみようかな・・・・・でもほんとにサイドエフェクトだったらそれはそれでやだな・・・・うんうやめよう」

 

とかろくでもないことを言いながら向かう八幡、先ほど連絡したところ、どうやら八幡が玉狛に居る間に那須達が大井、北上と話していたらしい、まだいるみたいでこれからランク戦をしていくつもりのようだ。

 

「けぷこんけぷこん・・・・ちがうな、よしタイミングもちょうどいいっぽいな。いまいちばれないか心配だが早速2人と対戦してみますかね・・・・」

 

先日まで嫌だ駄目だと言っていたことなどさっぱり思考の外にいき、いつの間にか2人との対戦を楽しみになってきていることに気づかずに足取り軽くランク戦にのぞむのであった・・・・

 

 

 




次は戦闘にチャレンジしてみます、つか今やってます、むずいですね、これ・・・・なんとなくゴールは考えているのですが、なんかしっくりこないため、しばらく八幡には迷走してもらいます、がんばれ八幡!あきらめるな、俺達の八幡!!
あと、何度も言いますが、那須さんはSだと思います(願望)
追伸、リトさんばりのとらぶるを北上にやる八幡と、そのあと大井にズタズタにされる話を書こうとしたけど、そんなことしたらどうひっくり返っても仲間にならなそうなんで止めました。


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八幡の戦い~北上にはバレバレだった~

こんばんわ、4話です。

性格的なあれやこれやで同じ間隔、同じ時間に投稿していましたが、あとあと自分の首を絞めそうなので今後はランダムに投稿しますね、といっても2~3日くらいの間には投稿すると思います。

とりあえず、先に謝罪を、ごめんなさい
戦闘描写やってみたかったのですが、あれですよね、どうすればいいのやら・・・・
とりあえず、練習回という感じで優しい目で見て、うまいこと脳内変換してもらえれば幸いです。


~ランク戦ブース~

 

「ギッタギタにしてあげましょうかね!」

 

その明るくどこか能天気さも感じられる声からは想像も出来ないほどの威力でアステロイドが放たれる。相手のC級隊員はなすすべも無く粉々にされてしまった。

 

「ふふん、これが私の実力ってやつよ・・・あーよかった~勝利できて~」

 

ふわっとした雰囲気をまといながら勝利に一息つく北上、戦闘と言動のアンバランスさが那須ばりにすごいことになっていた・・・

 

 

「北上さん・・・傷付けるの・・・誰?」

 

一方、大井もゴミを見るような、光彩の失われた眼で相手のC級隊員をハウンドで追い詰めていた、先ほど北上と対戦して敗北した彼だが、その際に北上のトリオン体に傷を付けたことに大井はキレていた。

 

「海の藻屑となりなさいな!」

 

とキメ台詞を掛け相手をボロボロにする大井、北上に攻撃を当てただけでこれである。完全にランク戦の存在を脅かす行為になっていたが、本人としては北上を傷付けるものはすべて蹴散らすだけなので気にしていなかった・・・

 

 

・・・というような事があり、二人は周りから恐怖の対象として見られてしまいランク戦でポイントを稼ごうにも相手がつかまりづらくなってきていた・・・

大井としては北上に存分に奉仕出来るため、特に気にしてはいないが、さすがにそろそろB級に上がるべきかと考えはじめてはいたが、特に急いでなりたいわけでもないため思考の端に追いやっていた。

 

北上も大井と同じくそろそろB級に上がろうと考えていたため、今後のことについて話そうかとランク戦ブースの大井の愛の力で特等席となっているベンチに座り話しかける

 

「ねえ大井っち、私達そろそろB級じゃん?それからどうしよっか~?」

 

のほほん、とした感じで大井に話しかける、北上的には先日話した、比企谷隊について那須や熊谷から話を聞いて興味も持っていたし、なんだったら勧誘を受けてもいいと考えていた。ただし、大井が賛成してくれれば、だが。

 

大井がたんなる男嫌いではなく北上を思っての行為(かなりヤンデレが入っているが)だとわかっているため、どうするか・・・と考えつつ、めんどくさくなってなるようになるか~と思い始める。

 

「北上さんとずっと一緒にいます♪」

 

当然のごとく即答する大井に苦笑する北上、この友人にはいつも感謝しているがいささか行き過ぎている感もしているため思わず苦笑してしまう。

 

思えば、いつもこの友人はいつでも自分の隣にいてくれたな~とか柄にもなく考えるが、やはりそんなのは自分らしくないかと思考を切り替える

 

「あたしもB級に上がっても大井っちと一緒がいいよ~大井っちと組めば最強だよね♪でも、まあチームとかどうしよっか~?オペレーター?とかいるんだよね~?」

 

B級に上がり、正隊員となれば防衛任務に就くことが出来るようになり、そうなれば給料ももらえるようになるが、そのためにもチームを組むか組まないかで効率が大きく変わってくるのである。

 

B級では給料が防衛任務の出来高になっているため、少しでも給料を上げるには任務の時間を増やすか、多く功績を上げる必要があるのだ。そのため、B級昇格後にチームを組み、オペレーターとの連携を組むのが良いと考えられるのだが・・・

 

「そうですね、北上さんと2人だけがいいのですけど、そうもいきませんよね・・・最低でもオペレーターを見つけてチームを作るか、二人でどこかのチームに入った方がいいんですよね・・・・」

 

大井も頭では二人だけでは駄目なことは理解している(納得はしていないが)二人だけではこの先が厳しいため、北上を守り、二人の時間を作るためにもチーム、という要素は必要になることは明らかだった。

 

「ですから、最低でも北上さんに手を出す殿方は却下です。後は私と北上さんの所属するチームには強さと美しさは欠かせませんよね!強く、美しい北上さんのいるチームにいる以上はそのくらいは最低限ですよね!!!」

 

大井が男性を嫌っているのではなく、北上に男性を近寄らせないように牽制していることに気づいている隊員はほとんど居なかった・・・また、ガールズチームであろうと大井のメガネにかなう強さや美しさに届かない物はおなじく却下であった、以前話した加古隊やよく訓練に付き合ってくれる那須隊はその限りではなかったが、どちらも2人同時に加入出来ないため断念していた。

 

「う~ん、やっぱ難しいよね~・・・まあゆっくり考えようよ~とりあえずあたしはもう少し個人ランク戦してくるね~最近は那須さんに鍛えてもらってるし、このままいけば今週中にはB級上がれそうだしね~」

 

やはり難しく考えるのは自分らしくないかと気分転換にランク戦に臨む北上、なんだかんだでこういう時は流れに任せた方がいい結果にになることは昔からよくわかっているため、特に深く考えもせずにブースに入る。

 

「なんとなくだけどこないだの人たちがうまいことやってくれる気がするしね・・・っと、さてさて、今日の対戦は~っと」

 

ちょうど対戦の申し込みが入る、なんだかんだでタイミングよく入ってくる対戦に特に考えもせずに承諾する。あと少しでB級だし、自分がなれば、ペースを合わせてくれている大井もすぐにB級になるのはわかりきっているため、さっさと終わらせようかと珍しくやる気が充填されていた。

 

「お~・・・バイパーかあ・・・那須さん以外では初めてみるなあ・・・」

 

なんとなく、このランク戦がキーポイントのような気がしている北上。こんな感じの予感は大体当るため、さらに気合を入れなおす。八幡とは逆のベクトルで予感があたったり、運が良い、と言えるようなことが多いため、今回も例に漏れずその予感に従っていた。

 

「那須さん以外のバイパーは初めてだからゆっくり見てみたいけど・・・・なんとなくやばそうな気もするんだよね~」

 

そこで転送が完了する、フィールドは市街地のようだ、少し遠くに(100mくらい)相手も見える、茶髪のメガネの男性隊員だった。市街地のため遮蔽物は多く、直線的な攻撃になる北上のアステロイドに対して、相手のバイパーは自由に弾道を設定できる。リアルタイムに弾道を設定するのはB級以上の隊員でも数えるほどしかいないため、通常は設定したパターンで攻撃してくるはずである。

 

「まあ、それでも建物に隠れて攻撃出来る分向こうの方が有利かな~?でもあれ時間かかるし、詰めれば火力はこっちが上だろうし、とりあえずやってみましょうかね!」

 

那須との訓練を思い出しながら駆け出す北上、同時にアステロイドも最大数で発射する、C級ではトリガーは一つしかセットして使えないため相手はシールドも使えず、回避の一択である。そのため、北上は個人ランク戦をするときは弾の威力や弾速を設定できるシューターの利点を活かし、弾速と弾数をチューニングして射出した。今までのC級であればこれで何かしらのダメージを与えられていたが、相手はメガネをつけてC級に変装している八幡であった。

 

「バイパー・・・って、あぶね!まじか・・・・マジで数多いし、ちゃっかり弾速重視でチューニングまでしてるな・・・」

 

思ったよりギリギリになりながらもバイパーでアステロイドを撃ち落とす八幡、那須や出水のようにリアルタイムで弾道が設定出来る八幡だが、二人に比べて時間がかかるため、最低限の弾数を自分に当るダメージの大きい弾にのみ当て、他の弾はかすり傷程度になるよう回避する・・・が、動画で見たものより、弾数と速度があったため思ったよりギリギリの回避になってしまっていた。

 

「たしかに、那須に言われてなかったらやばかったかもな・・・っともいっちょバイパー・・・」

 

まさか自分のアステロイドを撃ち落とすのがC級に居ると思わず、一瞬停止してしまう北上、その隙を逃さず適当にバイパーを放つ、あまりこった弾道だと設定に時間がかかるため、シンプルな弾道で攻撃する

 

「くぅぅ、防御力はないんだよぅ~アステロイド~」

 

何とか立ち直った北上が慌てて回避しながらも反撃する、とにかく隠れての撃ちあいだと部が悪いため、接近してからの射撃戦に持ち込むべく飛び込んでいく。近づけば火力と弾幕で押し切れるはずだと考えてのことだが今回で言えば相手が悪かった

 

「やっぱそうくるか・・・・あの火力に正面から撃ちあうのはさすがにキツイな・・・・」

 

そう言いながら北上のアステロイドを回避しつつ細かく弾道設定していく。最初は北上とおなじくアステロイドを使っていた八幡だが、B級に上がり複数のトリガーを使ううちにバイパーをメインに切り替えるようになっていた、それなりに適性があるらしく、那須や出水ほどの量をタイムリーには出来ないものの、そこそこの数なら問題なく弾道がひけるようになってきていた。

 

「っと、バイパー・・・これでいったん距離とるかね・・・」

 

回避しながら慎重に弾道設定したバイパーを分割して射出する。半分は北上を建物の方に誘導するように回避方向を限定し、残りの半分はその建物に命中させ、そのがれきを北上に襲わせる。

 

「うわぁ!ってしまったー!!見失っちゃったー・・・!!」

 

崩れてきた建物に一瞬気を取られて、その隙に八幡を見失ってしまった、市街地でバイパーを使う相手を見失うということがどれだけ危険なものかは那須との訓練で身に染みて理解していた。あわててレーダーで位置を確認するも、四方八方からバイパーが飛んでくるためあわてて回避する。

 

バイパーはその特性上自由に弾道を設定できるため、今回のように相手が遮蔽物で見えなくなってしまうとどこから弾が飛んでくるかわからなくなってしまうのだ・・・通路に入れば回避方向が限られるし、建物の上にいくには大きく飛び上がる必要があるが、シールドの無いC級では空中での回避は難しい、かなり危機的状態だった・・・

 

「やっばー・・・とりあえず、この辺キレイにしようかな・・・」

しょうがない・・・と、ある程度の反撃も織り込み済みでまわりの建物に向かってアステロイドを放ち隠れる場所を減らしていく。

 

必死に回避しながら周りの建物とレーダーだよりに相手にアステロイドを半分ずつ放つ。とにかく相手に回避をさせ、少しでもバイパーの優位を少なくするべく建物を破壊していくが、やはりメテオラと違いアステロイドではすぐには建物を壊しきれない・・・・

 

「くぅ・・・・やっぱり難しいよね~、こりゃまずいかな~・・・う~ん・・・・思い切って接近しようかな~」

 

メテオラならまだしもアステロイドでは建物の破壊がうまくいかず、かといって今いるメインストリートから細い路地に入ればそれこそバイパーの餌食である、接近しようにもなかなか難しい位置取りをされていた・・・

 

「建物の上からいきたいけど、絶対あぶないよね~こまったな~・・・」

 

悩んでる間にもアステロイドを放ち続けるが、その隙を突くようにバイパーが北上を削っていく・・・

 

「よし・・・そろそろ仕掛けどきかな・・・?おそらく起死回生での集中砲火から建物の上に来るかな?・・・となれば、うまいこと誘導して決めるか・・・バイパー」

 

北上の動きからそろそろ仕掛けてくるだろうと考え、全力のバイパーを放つ、北上はレーダーで八幡の位置を把握してはいるが、バイパーがあらゆる方角から飛んでくるため、全方位を警戒しなければいけない、そのため少しづつ追い詰められていく

 

「うわぁ!左手が~・・・う~んもう迷ってられないかな・・・いっちゃいましょうかね!!」

 

バイパーによりついに左手が削られたため、決死の突貫を行う北上、全力のアステロイドを八幡の居る方角に拡散させながら放つと同時に建物の上に飛び上がる、そこからさららにアステロイドを放とうとするが、その瞬間全方位からバイパーが飛んできた。

 

自身の敗北を悟る北上、そして次の瞬間ブースに転送されていた。久しぶりの敗北と相手の戦いについて考えていると大井が飛び込んできた。

 

「北上さん!?大丈夫ですか!?」

 

「あ~大井っち~トリオン体だから大丈夫だよ~さっきの見てた?強いひとだったね~」

 

相変わらずの大井に苦笑しながら答える北上、次の大井の行動にも予想はついていた。一体彼は何をしたいのだろうかとぼんやり考えながら八幡の行動について考えるもやっぱりよくわかんないと流れに任せることにした。

 

「北上さんを傷付けるなんて許せません・・・・北上さん、申し訳ありませんが次は私にやらせてもらいますね」

 

「うん、大井っちがんばってね~」

 

すでにハイライトが仕事をしなくなっている大井に応援をとばしながら、元のベンチに戻り親友の対戦を眺める。

 

「う~ん・・・さすがに大井っちでもむずかしいかな~?あれが比企谷さんの戦い方か~那須さんに聞いてたとおりだな~でもなんでわざわざC級になってんだろ?」

 

近くのB級の人たちやA級の人も誰も気づいていないなか、北上は一切変装にだまさされることなく、先ほどの相手が八幡だと気づいていた。

特に理由もなく、なんとなくで気づいていたものの、何が目的かわからなかったため、とりあえず自分の全力でぶつかってみたが、結果は敗北だった。

敗北はしたが、北上は自分の力量は相手に示せたたと考えていたため、次の大井との対戦で何がしたいのかをぼんやり眺めることにした。

 

「よくわかんないけどがんばれ~大井っち~比企谷さん~」

 

先ほどの対戦で八幡に俄然興味がわいてきた北上、明日にでも大井に内緒でコンタクトを取るのもありかと考え始める。

 

「う~ん、でも勝手に男の人に会うと大井っち怒るかな~?那須さんに聞いてみようかな~?」

 

と、これからの事を考えている間に大井と八幡の戦いが始まった、C級のランク戦のため、あまり凝ったフィールドはない。先ほどと同じような市街地に転送されていた、開幕と同時に雨のようにハウンドが八幡に降り注いでいた。

 

きっといつもの決め台詞を言ってるんだろうな~と考えながら二人の戦いを眺めつつ、意外と八幡と大井は仲良くなれそうだな~、楽しみだな~と微笑んでいた。

 

 

 




なんといいますか・・・こう、もっとこう・・・あれなんですよ。
とりあえず、八幡対大井は次の話でやりますね・・・・次かよ
ついでに編集中に投稿するという暴挙に出てしまった…どんまい、自分。

まだまだ模索中のため、優しい目で見てください、よろしくお願いします

タグに那須さんS説を入れてるくせにいまだS描写をためらう自分がいます・・・・
ただでさえしょっぱい文章が、大変なことになりそうで・・・・・おいおいやっていきたいと思います。つか那須さん推してるけど、今後の流れが大井っちヒロインルートに入りそうで怖い・・・・ヤンデレ大井っちの作品が好きです・・・

そんなこんなでまた見ても良いよって方はもう少し自分の妄想に付き合っていただければと思います。


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八幡の戦い ~大井は北上がすべて~

こんばんわ、5話です

なんだかんだで大井を仲間にする算段がつきました・・・・・たぶん。いけるよね?これ・・・・・?

え~那須さん那須さん毎回言ってますが、今回も言います・・・・・・これ大井っちヒロインじゃね?

いや、いつのまにかハーレム要素がまじりつつあることに驚愕してます、おかしい・・・・筆をとった最初は那須さんのバイパーに蹂躙されるだけの八幡を書くつもりだったのに・・・・なんだそれ
メインヒロイン→那須(女神系S)、大井(クレイジーサイコレズたまに女神)。 天使→小町、北上。 義妹→日浦。 サブヒロイン→加古、熊谷、宇佐美、小南、三上(出てない)綾辻(やはり出てない)黒江(入れるタイミングわかんない・・・大井、北上と同期くらいで考えてるけど深く考えるのは辞めよう・・・・)
・・・・ハーレムだとこんなかんじになるんですかね?いや、まだ八幡が蹂躙されるだけの話に修正できるはず・・・!!無理か。

そんなこんなで今回もいろいろやらかしてますが、うまいこと脳内で良い感じにしてもらえるとたすかります。


ー C級ランク戦 大井対八幡 ー

 

「海の藻屑になりなさいな!」

 

海とは一切関係の無いフィールドでお決まりのセリフを吐きながら大井は全力で先ほど北上を撃破したC級の男性隊員(八幡)に攻撃を仕掛ける、いわゆる「ハラワタヲブチマケロ」的なやつである。

 

「よくも北上さんを・・・ユルサナイユルサナイユルサナイユルサナイユルサナイユルサナイユルサナイユルサナイユルサナイユルサナイユルサナイユルサナイユルサナイユルサナイユルサナイユルサナイユルサナイユルサナイユルサナイ・・・・・」

 

瞳のハイライトが仕事をしなくなった事によりバイオレンスさがとんでもない事になった大井が放つトリオン量に任せた弾数のハウンドを八幡は泣きそうになりながらバイパーで撃ち落としつつ、建物や地面に当るように誘導して回避していく

 

「ちょ・・・・何あれ、ヤバイめっちゃ怖いんですけど・・・こりゃ映像よりこぇぇよ・・・つかハウンドの量がヤバイ、ハイライトの消えた眼もヤバイし、さっきからヤバイばっかな俺が一番ヤバイ・・・・」

 

ヤバイヤバイ言いながらも必死さの中に多少の余力を残しつつ回避していく、確かにギリギリではあるものの、普段から加古や那須、出水の鬼のような攻撃に泣かされている八幡にとっては回避がギリギリながらも精神的には余裕があった・・・・

 

「ユルサナイユルサナイユルサナイユルサナイユルサナイユルサナイユルサナイユルサナイ・・・・・」

 

北上を傷付けられたことに烈火の如く怒りながらも心はクールな大井は内心では現在の自分では勝利は難しいだろうと半ば確信しつつあった。おそらく勝率は2~3割であろうか、そんなことを考えながらもひたすらに攻撃の手を緩めずハウンドを放ち続ける。勝てるかどうかでは無い、勝つのだ、的なやつである。

 

実力差があるものの、先ほどの戦闘からトリオン量に関しては大井に分があると判明したため、北上と同じく下手な小細工はせず、ひたすらに火力でごり押しするのが最も勝利に近いであろうと考えていた

 

「うぉ・・・なんだあのトリオン量、出水くらいあんじゃねーの!?つかあんなんシールドの無いC級で回避できるわけないだろーが!!」

 

ハウンドの特性は追尾性能にある。威力はアステロイドに劣るものの、バイパーほど細かい設定がいらず相手を追尾するため、大井並のトリオン量から放たれるハウンドは那須の鳥籠と同レベルの理不尽さがあった。

 

実際C級で大井のハウンドから逃げ切れた隊員は居らず、これまで大井に肉薄出来たものやダメージを与える事ができた物もほとんど居なかった・・・

 

「やりますね・・・やっぱりハウンドの弾速だと撃ち落としますか・・・!でも、北上さんの前で無様に負けるわけには行きません!!」

 

バイパーの弱点はその複雑さにある。先の対戦から少ない弾速ならすぐに設定し撃ち落とす事ができるようだが、凝った弾道設定にはある程度時間がかかるのは確認できたため、大井はその時間差と火力差をさらに自分に有利に進めるべく、接近していく

 

「んなっ!!接近してきやがった・・・!!そんなのこれまでの対戦でしてなかっただろ・・・」

 

大井の接近に驚きながらも距離を取りながら戦術を組み立てていく八幡、普段から小南に師匠面されながらボロボロにされているため、そこからこのパターンにおける対策を考える・・・が、やはり接近しながらのハウンドの全力攻撃をさばききれず、少しずつトリオン体が削られていく・・・

 

「!!いける・・!?このまま接近して・・・・!!これは北上さんの分!!」

 

恐ろしい勢いでハウンドを放ちつつ、自身も一気に加速し八幡に肉薄する。それと同時にこぶしを振るう、当ってもトリオン体を傷付けることは出来ないが、吹き飛ばしたところでハウンドを放てば詰みである。そのまま格闘戦に持ち込んでいく

 

「うおっ!お前シューターの癖に格闘戦仕掛けるとかどういうことだってばよ!」

 

「だまりなさいっ!おとなしく私に殴られた後ハウンドで滅びなさい!!生まれてきた事を謝罪しながら滅びるのです!!北上さんに攻撃した罪は重いです!!」

 

「おいっ!それ完全にランク戦の存在意義否定しているだろうが、つか負けろじゃなくて滅びろかよ!!」

 

小南や木崎レイジと格闘戦の訓練もしていたため、何とか応戦できるものの、拳と拳の間でハウンドを放たれ、かなり危険な状態に追い込まれる八幡、ついでに精神的にも削られていた。

 

普段の戦闘ではある程度相手の行動パターンや得意な戦術を把握した後に対応していくため、今回のようにパターンに無い攻撃や分析する間も無く攻撃し続ける相手は苦手としていた。

 

「だが・・・これで負けるようじゃあ、小町は、家族は守れないんだよ!!」

 

珍しく熱くなって全力を出すことを決意した八幡、C級相手にカッコイイこと言いながら本気になっていた・・・なんなら頭の中で種がはじけるエフェクトの演出まで脳内でしていた。きっと今日帰った後にベットで黒歴史だ~と言いながらバタバタする仕事が待っているのだろうが、そのことに気づいていなかった。

 

「え・・・?きゃっ!!」

 

可愛らしい悲鳴を上げながら投げられる大井、まさか格闘戦から腕を取られ投げられるとは想像していなかった、そのため反応が遅れてしまった、あわてて着地してハウンドを放つが・・・

 

「チェックだ・・・バイパー・・・」

 

八幡のやたらとカッコつけたバイパーによって敗北しブースに転送されてしまった。

 

那須や加古に敗北することはあったが、C級にこれほどの隊員がいることに驚きながらも、北上の敵を討てなかったことを悔やむ大井、それに最後に相手が言っていた言葉が気になっていた・・・

 

「小町は、家族は守れない、か・・・私も北上さんを守れるようにもっと強くならなきゃ!」

 

新たな決意を胸に北上に合流するべくブースを出る、ついでに先ほどの相手の顔をもう一度見ようと探すものの(北上の敵を討つことばかり考えて顔をよく見ていなかった、当然ながら八幡だと気づいてもいなかった)見当たらなかった

 

「北上さん、ごめんなさい・・・北上さんの敵を討てませんでした・・・・」

 

今にも泣きそうな顔で北上に謝罪する、たとえトリオン体であろうと、またランク戦であろうと北上を攻撃した男は潰すと誓う大井にとって今回の敗北はかなりこたえていた・・・まわりからすれば迷惑極まりなかったが・・・

 

「もう大井っち~ランク戦なんだからそんなの気にしなくていいんだよ~」

 

何度目かわからないがランク戦のあり方についてふわっと言う北上、自分が攻撃されると相手に迷惑をかけてしまうのでうかつにランク戦も出来なかったのだ。

 

「北上さん・・・優しい!!今度はあのメガネの茶色アンテナに絶対に勝ちましょうね!!」

 

「そうだね~アタシ達も早くB級に上がってリベンジしよ~」

 

一瞬で復活した大井と北上は改めて個人ランク戦に挑む事にする。ちなみに大井は顔を良く見ていなかったのでメガネと茶髪、アホ毛アンテナの部分のみをピックアップしていた。

 

北上はこの友人の勢いならすぐにでもB級に上がれそうだな~とのほほんと考えながら大井と共に再度ブースに向かうのであった。

 

 

ー比企谷隊隊室ー

 

「はあ・・・・あぶねえ・・・・普通に負けるとこだった・・・つかまじなんなんあいつら、普通に強すぎるでしょ、これB級になったらシューターでは負けそうな気が・・・あと、ほんとに眼鏡と髪色だけでばれないもんなんだな・・・」

 

大井との対戦にギリギリ勝利を収めながら(最後のハウンドでダウン寸前になっていた)誰にも見つからないうちに自身の隊室に戻りC級のトリオン体を解除した。

 

道中もバレないかとドキドキしていた八幡だが、隊室に戻りトリオン体を解除してようやく一息つく・・・・北上にはバレバレだったがそのことをまだ八幡は知らなかった。

 

想像以上に二人が強く、大井に至っては普通に負けそうだったため、久しぶりに本気を出してしまったと大好きなマッカンを飲みながら考える、ついでに今更黒歴史になりそうなセリフに後悔しまくっていた。

 

「いや・・・バタバタするのは帰ってからだな、それよりも大井を何とか説得する必要があるな・・・おそらく、目的は俺と同じだろうしな・・・」

 

八幡がボーダーに居る理由は街を守るとかネイバーを倒すとかでは無く、ただ小町を守るということだった、そして大井もまた北上を守るためにボーダーにいるのだとランク戦をしかける前の会話からわかった。

 

小町に害を成すもの、近づく男を許さない八幡と、北上に害を成すもの、手を出す男を許さない大井。

守るものは違うが、その精神においては非常に似通った部分があり、そこにシンパシーを感じていた。

 

「つかあいつ、俺の小町愛に匹敵するくらい北上の事好きすぎでしょ・・・」

 

大井の愛の前にドン引きする八幡だが、盛大なブーメランだった。

初見からいける気がしないながらも、何か大井に対して引っかかっていた理由が判明して少しほっこりするものの、いかに勧誘するかを考えて悩みはじめる・・・・

 

「たっだいま~!!あ、おにいちゃんどうだった~??」

 

「ただいまもどりました~、あ、八幡先輩もお疲れ様です~」

 

そんなこんなで悩んでいると小町と日浦が戻ってきた、日浦は違う隊のため、正確に言うと戻ってきた、という表現は間違っているのだが、頻繁に遊びに来ているため完全に雰囲気が自身の隊室のように振るまっていた。

 

「おう、お疲れ、こっちはぼちぼちだな・・・那須達はくるのか?」

 

「はあ・・これだからごみいちゃんは・・・・」

 

「はいっ、那須先輩達もすぐに来るそうです!!」

 

隊室の椅子にこれ以上ないくらいぐでっとした体制で問いかける八幡に対して小町はゴミを見るような目で、日浦はダメなお兄ちゃんを支える妹のような優しい目を向けて答える。

 

ちなみに日浦、加古隊の黒江、小町、オペレーターの三上、綾辻は八幡をいじり隊とは別の派閥に在籍していた、その名も八幡に甘え隊である。

 

妹の小町の調教・・・もとい教育により八幡は甘えられると断れないお兄ちゃんスキルが身についてしまったのだ、ついでに困っている女性も助けるというオートスキルも持っていた。それによりいじり隊とは別の派閥によっても八幡の安息は遠ざけられていた。

 

その結果、ボーダー内での八幡はB級のわりに多忙を極め、なぜか本部の覚えも良くなったために、防衛任務以外でも書類仕事や新規入隊の手伝い等やたらと振り回されていた。

 

仕事したくない八幡が何かしら言い訳をしながら断ろうとしても、涙目で上目遣いからのおねがい攻撃をされると一瞬でおにいちゃんスキルが発動して結局手伝ってしまうのだった・・・・

 

「んじゃ後日って言ってたけど那須達が来たらもっかいミーティングするか・・・はぁ・・・働きたくない・・・」

 

働きたくない・・・といつものようにつぶやきながらも那須達がついたらすぐにはじめられるように飲み物やお菓子を準備し始める。パーフェクトお兄ちゃんスキルである。

ぶつくさ言いながらも小町や日浦のお願いに弱く、何なら那須や熊谷、加古はもちろんオペレーター陣にも弱く、あらゆるものに対して負ける事においては最強の男、それが八幡であった。負ける以前に勝負にすらならないが・・・

 

そんなこんなでのんびりし始める小町と日浦の横でせっせと準備していると隊室に来客が訪れる

 

「こんにちは、おじゃまするわね」

 

「ふ~おつかれ~・・・お、茜ももうきてたのね」

 

那須と熊谷がやはり慣れた様子で隊室に入り流れるように小町と日浦の向かいに座る、それと同時に熊谷がPCを取り出し志岐を呼び出しているとまるで熟練の執事のように流れるように飲み物とお茶請けが出される。

 

「ありがとう比企谷君♪」

 

「ありがとっ、ちょうど飲み物欲しかったのよねー」

 

ほっと一息ついたところで小町が再度開始の合図を告げる

 

 

「それじゃあみなさん集まったみたいなので比企谷隊ミーティングをはじめまっす!!ドンドンぱふぱふー♪」

 

「「「イエー!!」」」

 

やはり能天気な感じにミーティングが始まる、これからどうやってあの二人組を勧誘していくか、というよりもいかにしてあの大井を取り込むか、その戦いが始まろうとしていた。

 

「え~それじゃあ小町達から、いろんな人に話をしてみたけど、基本的に会話らしい会話をしているC級の人はあまりいませんでしたね~、みんな大井さんのことが怖いみたいで少し距離を置いてる感じですかね?」

 

「あとはB級の人たちで他に大井先輩と北上先輩を勧誘しようとしている人たちもいるみたいですけど、みなさん北上さん指名みたいなんですぐにどこかの隊に入る感じはなさそうです!!」

 

『あと、入隊理由は比企谷さん達と同じようですね、姉妹では無いですが、近い親戚で親友だったようです』

 

やはりか・・と小町、日浦、志岐の報告を聞き八幡は考えはじめる・・・なんとなくシンパシーを感じていたし、ランク戦ブースでの会話や大井の行動で予想出来ていたが、理由も同じだった・・・

 

「そうなんだ・・・そうするとやっぱりお互いを守るためにボーダーに入ったのかな?」

 

「そうね、そうなると、ますます比企谷の隊に入れるべきなんだろうね」

 

もはや入隊理由と活動方針が完全に一致している大井と北上は比企谷隊以外ではうまく機能しないのではないかとすら思い始めていた。

 

「そういえばさっきあたしたちが見ている中では初めてあの二人がC級の隊員に負けてたわ・・・」

 

「あのメガネの人、バイパー使っていたわね、比企谷君と同じくらい強かったし、どこか雰囲気というか戦い方も似てたように見えたんだけど知ってる?」

 

そんな二人の発言に冷や汗をかきながらキョドリはじめる八幡、すでに自白しているようなものだがこれを理由に何をされるか想像も出来ないため知らない体で流すことをあきらめていなかった。

 

「さぁ・・・・どうだろうな・・・・それより勧誘の話だg「ええっ!?C級の人があの二人に勝ったんですか!?すごく強そうだったのに勝つなんてすごいですね!!どんな人だったんですか?」・・・・・」

 

勧誘の話に戻そうとするも普通に無理だった・・・・

 

「それがね~・・・メガネを掛けた茶髪のす・ご・く!カッコイイ人だったよ?いままで見たこと無かったと思うけどすごく強くてね?背格好なんかも比企谷君に似てたかな?」ニコニコ

 

「そうそう、ちょっとキツイ感じの目をしてるけど、それがまたカッコイイのよーあんなカッコイイ人いたかな?」二ヨニヨ

 

「ほ、ほう・・・C級でバイパーを使うとは・・・な、なかなかやるにょ・・・・」

 

「なんとなく比企谷君に雰囲気が似てたけど知り合いとか親戚だったりしないのかな?」ニコニコ

 

「さ、さあな・・・?俺は見てないから知らないが、親戚がボーダーに入ったとかは無いと思うじょ・・・・」

 

ニコニコしながら追撃してくる那須(ついでにいつのまにか距離も詰めて来ていた)に対して八幡は完全に嘘にならないレベルでごまかそうとする・・・自分なのだから見てないし、親戚でもないのだ・・・

 

「そうなんですか?ほぇ~私も比企谷先輩似のイケメンさんに会いたかったです!!」

 

「へぇ~おにいちゃんに似たイケメンさんでメガネを掛けてて茶髪ね~?気になりますね~、ねぇ?おにいちゃん??」

 

日浦は純粋に興味を示しているだけのようだが、やたら最後のおにいちゃんを強調して聞いてくる小町、その目がすでに逃げられない事を語っていたが、それでもあきらめないのが八幡である

 

「そ、そうか・・・それより勧誘の話だが・・・・」

 

「「「「・・・・・・・・・・」」」」

 

無理やり話の方向性を変更しようとするも帰ってくるのは静寂だった・・・まるでこの話を切りたいのであればわかるよな?と言わんばかりの目線だった。

 

「か、かんゆうのはなしだが・・・・・」

 

「「「「・・・・・・・・・・・・・・・・」」」」

 

それでもなおもあきらめずに続けようとするもやはり答えは静寂だった・・・ついでに目のハイライトが仕事を放棄し始めていた・・・・・さらにいうなら那須の反対側に熊谷も来てサンドイッチされていた・・・・

 

「か、かんゆ「あいたいです」・・・・かん「泣きますよ?」・・・・・この後みんなでご飯いくか?なんか急に外で食べたくなってきたな!おごるぞ?」

 

冷や汗全開でなおも悪あがきをしようとするも、ついに日浦の秘密兵器が炸裂する。これが発動してしまうとスナイパー組、特に日浦の師匠である奈良坂が大変な事になるため避けなければ八幡の未来が危険にさらされていた、ついでに那須と熊谷が八幡の両腕をホールドしてきた・・・・

 

「「「「・・・・・・・・」」」」

 

「で、デザートももちろん好きなだけ頼んでいいぞ?」

 

「「「「 やったね♪ 」」」」

 

さらに八幡が妥協案を提示することで、ようやく解放される、それまでの沈黙が嘘のようにキラキラの笑顔だった・・・・

なんとか話の方向性を変える事に成功したが、その代償は大きかった・・・・ついでに財布と精神的なダメージも大変だった・・・そんなこんなでところどころ脱線しながら比企谷隊のミーティングは続くのであった。

 

 

 

 




ふぃー・・・・とりあえず戦闘はいったん休憩します、次回は違う視点から書いてみますね、北上、大井、那須さん視点から書きつつ、八幡も~・・・・う~ん・・・・書いてみます。

どう書けばしっくりくるか試行錯誤しながらやってますので見づらくて申し訳ないです・・・良い感じに書けるように精進していきますね!!

また次回も見てもいいよーっていう素敵な方、いつもありがとうございます。よろしければもう少しお付き合いしていただければと思います。


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八幡の戦い~ハイパーズはその時~

こんばんわ、6話です

えぇ~いろんなところで叫ばれていますが、太刀川さんやばいですね・・・・・米屋が1万くらいなのに・・・・どういうことだってばよ!?

そんなこんなで北上、大井視点でやってみます。

今回もいろいろとあれですが、今回もうまいこと脳内でいい感じに変換してくれると助かります





~時間は少し戻って北上 SIDE 大井対八幡をみながら~

 

やー強かったなー・・・比企谷さんだっけ??うーん・・・下の名前は・・・はち・・・なんだっけ・・・・まあハッチーでいっか、ハッチーさん強かったなー・・・うん。

 

那須さんとか加古さんも強かったけど、同じくらい強かった。たしかあの人一人でチームランク戦やってたって誰かが言ってたような?う~んまあいっか・・・

 

それにしてもなんでC級の恰好してランク戦してるのか解らなかったけど・・・なんでだろ??やっぱりこないだ那須さん達が紹介してたけど、大井っちが話聞かなかったからかな?

 

「お、大井っちとハッチーさんとの対戦が始まった。がんばれー大井っち~ハッチさん~」

 

と、ぼんやりとなんでかな〜って考えてたらいつの間にか対戦が始まってたよ〜大井っち勝てるかな〜?

おぉ~いきなり大井っちが全力でハウンドしてるよ~あれ普通にすごい数でくるから普段だとだいたいあれで終わるんだよね~まあハッチーさんだから撃ち落とすんだろうけど・・・・・ほらね?

 

う~ん・・・これは・・・結構いい勝負してるけど・・・少し大井っちのが焦ってる?攻め急いでるのかな??

 

「あ、ねえ北上さん、さっき対戦してた人誰?北上さんがC級に負けるとこ初めて見たんだけど」

 

あら?大井っちとハッチーさんの戦いを見守っていたらさっきまで話してた熊谷さんと那須さんが戻ってきちゃった、あちゃーさっきの見られちゃったかー恥ずかしいなー

 

「おぉ~そうなんですよ~や~恥ずかしいな~・・・」

 

今は3人で改めて大井っちとハッチーさんの戦いを見ているよ~っていうか、あれ?二人ともハッチーさんに気づいてないのかな??

 

「う~ん・・・いい勝負してるけど大井さんでも難しいかな・・・・?てかあのC級強すぎない!?」

 

「そうね・・・バイパーをメインで使ってリアルタイムで弾道設定しているのは出水君と比企谷君くらいだと思ってたけど、まさかC級にもいるなんて・・・ほら、またハウンド撃ち落としてる」

 

「うわ・・ほんとだ・・・あんな変態行為バイパーで出来るの玲と出水と比企谷くらいだと思ってたわよ・・・」

 

「くまちゃん?それどういうこと・・・?」

 

「あ・・・・玲はかわいくてきれいで強いよねってこと!!気のせいだって!!あとでデザート奢るから聞かなかったことにして・・・」

 

「もう・・・・しょうがないなぁ・・・くまちゃん今回だけだよ?」

 

「スミマセンデシタ・・・・」

 

「あはは~あいかわらず仲がいいねぇ~うらやましいよ~」

 

「「あなたには言われたくないわ」」

 

あれ?なんか漫才してたから言ったのになんか返されちった・・・まぁたしかにあたしも大井っちと仲良いけど・・・なんか那須さん達の仲の良さみたいなのもいいなぁ~って思うのよ、あたしゃ・・・

 

「それにしてもあのC級の子だれかしら?なんとなく戦い方に見覚えがあるんだけど・・・?」

 

「そうよねー、でもあんな強くて眼鏡のイケメンいたっけ?」

 

う~ん・・・言おうかな・・・言わないほうが良いのかな・・・なんか変装してきてるってことは知られたくないってことだよね?ん~でもなんか言わなくても時間の問題だろうし言っちゃおうかな~

 

「や~あれ、比企谷さんですよ~・・・・」

 

「「・・・・・・・・?」」

 

あれ?聞こえなかったかな?それとも名前間違ってた??

 

「あれ?まあ、なんていうの?こないだ紹介してもらったヒキガヤさん?ですよ~」

 

「「・・・・・・・・え?誰が??」」

 

ん~??なんか噛み合って無いのかな・・・?おかしいな~・・・・・えっと、えっとぉ~・・・・

 

「う~ん、えっと・・・さっきあたしが負けて、今大井っちが対戦してるメガネで茶髪のC級の人がこないだ那須さんに紹介してもらったけど、大井っちに名前しか言わせてもらえなかったヒキガヤハチ・・・・さんですよ~」

 

うん、あたし頑張った・・・かなり頑張った。こんなに解りやすく話せるとはあたしも成長したな~

 

「「・・・・えぇ~!!!???」」

 

うわっ!びっくりしたあ~・・・・えぇ~なんでそんなに驚いてんだろ?

 

「あ、あの腐り目の比企谷が・・・ただの目つきの鋭いイケメンになってる・・・!!信じられない・・・・」

 

「でもくまちゃん・・・たしかに比企谷君とおなじアホ毛が、それに確かに戦い方とか同じだわ」

 

そんなに変わってるかな~?ちょっと眼鏡つけただけなのに?う~ん・・・まあいっか~

 

「そんなに変わってるかな~?まあなんか理由があるみたいだし大井っちは気づいてないと思うんですよ~」

 

「そ、そうよね・・・なにか理由があるのよね・・・それよりも大変だわ、小夜ちゃん、映像記録してくれる?」

 

『はい、もうしてますよ・・・それにしてもおどろきの変わりようですね・・・・』

 

「ありがと、小夜。そうねーこれはまた・・・・からかいがいあるねー」二ヨニヨ

 

うわー・・・すごい楽しそうだな~・・・・これやっぱり教えない方が良かったのかな~?ごめんねぇ~ハッチーさん、お詫びに今度もう少し大井っちと話せるようにするよー・・・たぶん挨拶と天気の話くらいは出来るよね?うん。

 

「それにしてもハッt・・比企谷さんは強いね~那須さんとどっちが強いのかな~?」

 

あたし、気になりますっ!なんつって

 

「う~ん、シューターとしてなら私の方がまだ強いけど、たぶんもうすぐ負けるわね、あと比企谷君はシューターだけじゃなくてアタッカーとしても、スナイパーとしても強いわよ」

 

「すごいよね、比企谷入隊してまだ1年くらいだけどスナイパーもアタッカーもシューターも実力だけならマスタークラスといい勝負できるしね・・・勝てないけど。ついでにポイントもそんなでもないけど」

 

「そうそう、それに比企谷君は対戦しててもあんまり全力で戦うこともないから、今の本当の強さは正確には解らないんだ」

 

「そうなのよね~本人は目立ちたくないからみたいなんだけどね・・・」

 

「へ~すごい恥ずかしがり屋?で努力家??なんだ~」

 

うん、自信ないな・・・っていうか、あたしとやってた時は全力じゃなかったのか~う~ん、くやしい・・・かな?

 

『そうですね・・・普段の言動はあれですが、それも捻くれて言ってるだけで、非常にまじめに訓練してるみたいですね』

 

うん・・・今更だけどしれっとPCが話にはいっててびっくりしたぁ~・・・・志岐さん?だっけ?まだあったことないけどPC越しでしか話したことないや・・・病弱なのかな・・・?大井っち特製カレー食べる?たまに変な味するけど美味しいよ?

 

じゃなくて!ハッチさん入隊1年であんなに強いのか・・・・しかもアタッカーもスナイパーもできるとは・・・すごいなあ~あたしも頑張ればそれくらい強くなれるかな・・・?

 

今は大井っちに守ってもらってばかりだけど、あたしだって大井っちを守りたいよ・・・・

 

「あ、大井さんが仕掛けたわ・・・」

 

「って格闘戦!?確かに、比企谷はまだそんなに早く弾道設定出来ないから、接近するのは間違いじゃないけど・・・」

 

『でも非常に良い動きですね、何か格闘技をしているのでしょうか・・・トリオン体を破壊できないでしょうが、隙は作れます』

 

「うん、それに格闘攻撃の間にハウンドを使って隙を無くしてる・・・今まで大井さんが近接戦してるの見たこと無かったけどすごいわね・・・」

 

おぉ~大井っち褒められてるな~あれこっそり大井っちが練習してたんだよね~B級に上がったらシールドあるし今みたいに簡単には倒せないだろうからいろいろな戦い方を考えなきゃって・・・やっぱり大井っちはすごいな~

 

「?・・・ん?なんか話ながら殴りあってる?っていうか怒鳴ってるようにも・・・」

 

「あ、比企谷君が投げた・・・・って背負い投げ!?ランク戦で!?」

 

『決まりですね、比企谷先輩の勝ちです』

 

うわ~大井っちのあれに対応するとはすごいな~投げちゃうんだ~ほぇ~・・・

 

「よし、すごいのも見れたし私たちは行くわね、北上さんまたね」

 

「大井に良い戦いだったよって言っといて、あとまた訓練付き合うよ、いつでも言いな~」

 

「あ、ありがとうです、またよろしくです」

 

う~ん・・・やっぱり敬語はなれないな~・・・・ついついいつもみたいに話たくなっちゃうよ~

 

あ、それよりも、きっと大井っち落ち込んでるだろうから励まさないと!ふふん、いつも大井っちには守ってもらってるし、今回はあたしが頑張るよー?

 

お疲れ様♪大井っち~♪

 

 

~北上 SIDE OUT ~

 

~大井 SIDE ~

 

はあ・・・負けてしましました・・・・北上さんの敵を討てないなんて・・・・これじゃ北上さんを守れません・・・北上さんはがっかりしているでしょうか・・・・?

 

先ほどのメガネに敗北した私はそのまま北上さんの居るベンチに足取り重く向かいます・・・ちなみに顔は覚えてません、メガネ掛けてるのと頭にアンテナがあったのは覚えているのですが・・・・それにしてもどこにもいませんね・・・・帰ったのでしょうか?・・・・まあいいです今度会ったときこそ海の藻屑にしてみせます!!

 

「北上さん、ごめんなさい・・・北上さんの敵を討てませんでした・・・・」

 

「もう大井っち~ランク戦なんだからそんなの気にしなくてもいいんだよ~」

 

あぁ!女神様!!それとも天使!?じゃなくて北上さん!!なんて優しいのでしょう!思わず抱き着いてしまいました・・・・

 

「北上さん・・・優しい!!今度は絶対に勝ちましょうね!!」

 

「も~お~♪大井っち体触るのや~め~て~よ~♪・・・ってそうだね~アタシ達も早くB級に上がってリベンジしよ~」

 

そうですよね!北上さん・・・!今回は負けてしまいましたが、次こそはあのメガネアンテナを海の藻屑にして見せます!!

 

「そういえば良い勝負だったよってさっき熊谷さんも言ってたよ~」

 

えぇ!?熊谷お姉さまにも見られていたんですか?・・・これは・・・・本格的に海の藻屑にする必要がありますね・・・・

 

とりあえずいまの感覚を忘れない内にもう少しランク戦をしていきましょう、せっかくの隠し球の格闘戦も破られてしまいましたしB級に上がった時のためにもう少しいろいろ練習しないとですね

 

「そうなんですか・・・敗北したところを見られるのは恥ずかしいですね・・・北上さん、申し訳ありませんが次はきっちりと勝利出来るようにもう少しランク戦をしていってもいいですか?」

 

「もちろんだよ大井っち~アタシも次は勝てるようになりたいしね~」

 

北上さん・・・!!そうですよね、二人で一緒にあのアンテナメガネ(茶)を倒しましょうね!!そのためにも訓練あるのみです!!

あ、でもその前に私のキタガミウムを補充するためにもいつものあれをやってもらいましょう

 

「北上さん、今日は何が食べたいですか?」

 

「う~ん、今日はちょっと悔しいから明日も頑張れるように大井っち特製カレーがいいな♪」

 

ふふふ♪きましたね・・・・いきますよ・・・・・♪

 

「わかりました♪それでは今日は特製カツカレーにしましょう♪」

 

「いいねぇ、しびれるねぇ・・・!ありがとね♪大井っち♪」

 

キ、キ、キ・・・キマシタワーーーーー!!・・・・・・ゴホン、あぁ・・・・北上さんかわいい・・・・!!この、ありがとね♪の部分が愛し過ぎてつらいです!!

 

これのために私はいつも頑張れるのです!!あぁ・・・・やはり北上さんを守っていくためにもさらに強くならなくては!!

 

「ふふ♪北上さんに喜んでもらえて嬉しいです♪さあ!それではもう少しランク戦していきましょう!!」

 

「やっちゃいましょ~♪」

 

さあ!ここから先は北上さんと一緒に一気に駆け上がりますよ!!そして次こそは覚えてなさい!茶メガネアンテナ!!

 

~大井 SIDE OUT ~

 

 




はい、というわけでそれぞれの視点でやっていきました、次はついでに那須と八幡でやっていきまう。

さて、今回も言わせてください、那須さんはキレイで優しい裏表の無い人ですって言わされたいです・・・

次回もまた見てやってもいいぜ?っていうお優しい方、毎度ありがとうございます♪次回もお暇でしたら見ていただければと思いまっす!


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八幡の戦い~アイデンティティっておいしい?~

こんばんわ。7話です

前回のあとがきで那須さんの~って言いましたがあれは嘘です。正確に言うと無理でした。
自分の理想とする那須さんを書こうとすると気づいたらすごいことになってしまいそうなので自重しました。

とりあえず八幡視点で書いてみましたが、うむむ・・・・って感じです。いろいろと練習していますのでご容赦くださればと思います


ー数日後、比企谷隊 隊室 ー

 

八幡はPCと向き合いひたすらに文章を入力していた、その内容は・・・・

 

 

""「やめて!!茜ちゃん!!そんなことをしたら・・・・・!!」

 

「あははははは!!小町ちゃん、邪魔しないで!!私から奈良坂先輩を奪ったたけのこの里と、ついでにリア充どもを根絶やしにしてやるのよ!!このブラックトリガーで!!」

 

「!!そんな・・・・!!奈良坂さんがきのこの里派じゃないからって千葉県民の聖地、ららぽをこれ以上壊さないで!!元の茜ちゃんに戻ってよ!!」

 

「うるさいうるさい!!たけのこの里とららぽさえなければ・・・・ほろびのばーすとすとりーーーーむ!!!」

 

ズドドドドドドド・・・・・ゴーゴー・・・・・・ドカーン・・・・・ニャーン

 

 

 

 

以下中略・・・・・

 

 

 

 

まさかこんなことになるなんて、あのときの私には想像もつきませんでした

 

茜ちゃんの絶望を、ららぽの平和を守るための戦いが・・・・・""

 

「魔法少女、リリカル小町、始まります・・・・・・っと」カタカタッターン!!

 

「「「「・・・・・・・・・・・」」」」

 

「ふう・・・・・良い感じだな・・・・・」キラキラ

 

「何やってんの?ごみいちゃん・・・・・」

 

おっすオラ八幡!!あの衝撃のファーストブリット・・・・じゃなくて、大井、北上との対戦から数日がたった今日、俺は隊室でPCとあっぷっぷ言いながらにらめっこをしていたんだぞ!

 

にらめっこしてたらあきたのでSSを見てたんだが、つい魔がさして自分でも書きたくなってしまったのだ、てへぺろ!!

最初はなんとなくやってたが、だんだん興にのっていい感じの文章が出来ちまった・・・・と思ってたらめっちゃ冷たい目で那須隊のメンバーと小町にすごい目で見られていた・・・・やばい・・・知らんうちにめっちゃやばいことになってる・・・・・なんとかごまかさなければ!!

 

「・・・コホン、ん、ああ、これか?これは・・・・まあ・・・・・あれだ、勧誘のシュミレーション的な?あれな感じのあれだな・・・・」

 

やばい・・・こわすぎてぜんぜんうまく言えなかった・・・・

 

「へぇ・・・・リリカル小町って?・・・・・・・なに?」ゴゴゴゴ・・・・・

 

おぉぉぉぉぉお・・・・・・やばい・・・・・・口にでてたかぁぁ・・・・・こうなったら・・・・!!押し切るしか・・・・!

 

「ん?ああ、やっぱりピンと来ないか?やっぱりカレイド小町のがいいか?んでも個人的にはそっち系ならプリズマ小町でもありだと思うんだが・・・・でもやっぱり魔法少女物だったらこの始まり方とリリカルが一番だと思うんだよな」

 

とりあえず、強引に話を進めてみよう、当然のように話せばあるいは・・・!!

 

「・・・・・は?」

 

「いや、だからリリカルがカレイドでプリズマが・・・・・・」

 

「・・・・・・・は?」

 

「ハイ、スミマセンデシタ」ドゲザー

 

当然のように無理だった…ハチマンわかってた・・・わかってたよ・・・

愛しの小町にゴミを見るような目で見られて内心ゾクゾクしながらも落ち込んでいると・・・

 

「比企谷君、とても言い難いんだけど・・・少し気持ち悪いわ・・・」

 

おおぅ・・・美人の那須に言われると小町とはまた違ったゾクゾクが・・・これはこれで・・・・いや、ないな、自分を強く持つんだ!八幡!!ちょっと美人でかわいくて戦闘も強いからって・・・完璧じゃあないですか・・・これは・・・いやいや、とくだらない事を考えながら土下座する男、それが俺だ!

 

「キモいです、あと奈良坂先輩にも言っておきますね、八幡先輩に泣かされたって」

 

「ちょ・・!それマジでヤバイやつだから!!スナイパー組全員敵にしちゃうやつだから!ヤメテ!!ほんとやめろください・・・・!!」

 

いやほんとにスナイパー組のマスコットである日浦泣かせたとか言ったらもうヤバイから・・・絶対コロスマンが大量生産されて明日からボーダーこれなくなっちゃうどころか街中歩くのも不安になっちゃう!!

 

「はぁ・・・・またったく比企谷は・・・・」

 

「今度の休みのデートが楽しみね?比企谷君?茜ちゃんも今度のデートにお詫びに何か買ってもらいましょう?」

 

「しょうがないですね!八幡先輩、今回は許してあげますけど次は言いますからね?」

 

おぉ・・・さすがは日浦だ、変な事しなければ普通にかわくてやさしい後輩、いや義妹だ・・・兄を思いやる義妹、八幡的にポイント高い!!・・・今度からはやりすぎないように気をつけよう、辞めはしないが・・・・

 

「お、おう、まかせろ・・・それとすまんな。俺もなかなかうまくいかなくてちょっとわけわからんことしてたわ・・・」

 

そう、ここ数日の俺はこれまでの俺のアイデンティティがクライシスするくらい頑張ってたのだ・・・・・比企谷八幡、がんばりますっ♪・・・・・きもいな、頑張っていたのだが、結果はふるわなかった・・・・むしろふるふるだった・・・わけわかんねぇな。

 

 

ー二人とランク戦した翌日 ボーダー通路にてー

 

「お~ハッチーさんだーこんにちは~」

 

「・・・・チッ・・・・・・!?!?っええ!?アンテナ!?いや・・・・茶色でもメガネでもないわね・・・・紛らわしい・・・ゾンビが北上さんに近づくなんて・・・・」

 

「(´Д⊂グスン・・・・よう北上、大井。これからランク戦か?」

 

「そうだよ~ね?大井っち♪」

 

「北上さん・・・・はい、ソウデスネ、イイテンキデスネ、それでは行きましょう北上さん・・・まったくなんで私が北上さんに手を出そうとするゾンビと話さないといけないんですか・・・」

 

「あははー・・・もう大井っち~やっぱり天気の話までか~・・・・あーまたねーハッチーさん♪」

 

「お、おぅ・・・またな・・・一応返事してくれたのか・・・・?」

 

 

 

ーそのまた次の日 ボーダー食堂にてー

 

「おぉ~またハッチーさんだー♪こんばんわ~」

 

「・・・・・チッ・・・・・やはりアンテナが・・・・・?でも目が腐ってる・・・・茶色じゃないし・・・・」

 

「(´Д⊂グスン・・・・・・」

 

 

 

ーまたまた次の日 ボーダーのどっかー

 

「やっほ~♪ハッチーさん最近よくあうねぇ~♪」

 

「・・・・・・チッ・・・・・じゃまなあのアンテナ毟っていいかしら?」

 

「お、おう・・・じゃなくてこれは駄目だ!!」アホゲガード!!

 

「・・・・・・チッ」

 

 

ー現在ー

 

「ってこんな感じでなー・・・東さんがどうやってんのか知らないけどボーダー内うろついてるとやたらと会うからその度に話そうとしてるんだが、なかなかうまくいかなくてな・・・・(´Д⊂グスン」

 

わりと本気でショック受けてる俺、(´Д⊂グスンって感じで自慢のアホ毛もうなだれていることだろう・・・いや、見えねえけど、あと大井が会う度に舌打ちしてるのが地味に辛い・・・あとなんでかアンテナとか茶色とかメガネって単語つぶやいてたけどあれバレてないよね!?大丈夫だよね!?うさみん!?

 

 

前回のバトルの後、俺は那須達にばれるのを恐れC級メガネモードになっていない、せっかく忍田さんと宇佐美に協力してもらったのに・・・・つかランク戦ブースに行く度に那須と熊谷、日浦に小町とに挟まれながらカッコイイメガネの人~♪って歌わないで欲しい・・・・かわいすぎて思わずトリガーオンして告白しちゃいそうになるじゃねえかよ・・・

 

「そっかーたらしの比企谷でもやっぱりあの二人は難しいかー」二ヨニヨ

 

「おい、なんだそれ、俺がたらしとかねえだろ、いいか、俺はボッチだ、しかもプロのボッチだ、たしかに最近アイデンティティがクライシスして声かけ事案が発生しかけているが、たらしではない」

 

「「「「はぁ・・・・・」」」」

 

げせぬ・・・なぜだ・・・・こいつ何言ってやがる見たいな目で俺を見るな・・・・・!!やめろ!ぞくぞくしちゃうでしょ!!

 

「ぐぬ・・・・それよりも最近はどうだ?こないだの話の後からやたら積極的に訓練するようになったんだろ?」

 

「そうね・・・あの比企谷似のスーパーメガネイケメンに負けたのが相当悔しかったみたいね、次こそは滅ぼす・・・・とか言いながらすごく一生懸命訓練してるよ」

 

「比企谷君・・・・に似たメガネさんのおかげで一気にポイントも上げ始めてたから、昨日4000Pに到達したと思うわよ?」

 

あれ?やっぱりばれてる?っていうか那須と熊谷はこれ絶対わざとやってるよね!?イケメンとか超絶美人に言われると恥ずかしいからやめて!!

しかし・・・ついにB級に上がるか・・・これは俺も早く打開策を考えないとな・・・・

 

「なぁ・・・小町ちゃん?そろそろ勧誘協力してくれない?もうおにいちゃんには無理だと思うのだよ・・・・」

 

とりあえずコミュ力モンスター小町を召還してみる。ダッツでどうだ?と心のテレパシーを送りながらアホ毛をゆらす・・・・ピョコ

 

「えぇ~まだ数日しか頑張ってないじゃん・・・・もう少し頑張りなよ・・・・」

 

しかし、ダッツでは足りないようだ・・・・召還に失敗した。ぐぬぬ・・・・ならば2個なら!?アホゲヒョコヒョコ

 

「ふぅ・・・・う~ん・・・・・」

 

お?傾いてるな・・・・ならば・・・・3個だ!アホゲヒョコヒョコヒョコ

「仕方ないか・・・んじゃああと一回一人で勧誘してみて!勧誘するチャンスあげるからそこで頑張ってみてよ、それまでに好感度を上げておくこと!!それがだめなら手伝うからさ!お兄ちゃんの成長のために敢えて手伝わない・・・これ小町的にポイント高い!!」

 

なんか那須と熊谷が顔に両手をあてながら真っ赤に震えている・・・なにに怒っているのかしらん?こわい・・・

しかし・・・なんとかなったみたいだ・・・・あと1回ならなんとかなるか・・・俺の心よ、耐えてれよ・・・・!!なんかいい感じに勧誘するタイミングを作ってくれそうだしそれまではちょいちょい話してればいいのかしらん?やだ・・・そもそも大井と話せないから結局好感度上げるの無理ゲーじゃね!?

 

「それじゃあ私たちには明日頑張ってもらおうかな、ねぇ?比企谷君?」

 

いつの間にか復活し、やたら素敵な笑顔でまたもや俺の隣に座りなおす那須さん、近い近いいい匂い、かわいい・・・・かわいいけどなんかこわい・・・・・そういえば勧誘の最初のころ土曜日に買い物の荷物持ちの依頼がありましたね・・・・

 

「そうねー明日は土曜日だしどこ行く?とりあえず10時にいつもの駅前でいいよね?比企谷?お礼が楽しみだな~」

 

ぐぬぅ・・・熊谷もいつの間にか反対側で俺の腕を確保している、そのまま折らないでね?ふえぇ~2人がかわいいけどなんかこわいよぉ・・・・そして近くていい匂いだよう・・・・・

 

「「ふふふ・・・♪楽しみだね♪」」

 

ふえぇ~~・・・・楽しみにされても八幡にできるのは荷物持ちだけだよぅ、どんどんハードルが上がるし、すごくいい匂いでかわいいけど精神的にやばいよぅ・・・・たすけてよう~小町ちゃ~ん・・・

 

「ふおぉぉぉぉぉ!!イイ感じだよお兄ちゃん!!そのままお義姉ちゃん候補ゲットだぜ!!」

 

「ふわぁ~八幡先輩すごいです!さすがです!!」

 

おおう・・・小町どころか日浦もニコキラしておる・・・・・このままでは・・・・!!ダレカタスケテェ~

 

””お兄ちゃん!電話だよ!!早く出ないと小町的にポイント低いよ!””

 

え!?なに今の音!?もしかして俺のケータイ!?小町ちゃんなにしてんの!?

 

「ねぇ・・・小町ちゃん?なにこれ?お兄ちゃん怒らないから正直に言ってごらん?」

 

俺的に最高の笑顔で言うが・・・・「キモイ、お兄ちゃん、とりあえずでなよ?話はそれからにしよ?」・・・仕方あるまい・・・・ウムッとうなずき電話に出る。

 

「はい、比企谷です」

 

””あぁ、ほんとにすぐに出たな・・・・さすが小町君だ、それよりも比企谷、今日この後夜の防衛任務に欠員が出てしまってな、申し訳ないのだが変わってもらえないか?””

 

うん?忍田さん??変わるのはいいけど、その前なんて言いました?私、気になります!!まあいいや、後で小町に聞いておこう・・・・

 

「え、えぇ・・・大丈夫ですよ、ちなみにどことですか?」

 

””ん?ああ・・・まあお前の知ってる人だから大丈夫だ、お前なら大丈夫。お前なら出来る!!自分を信じろ!!””

 

あれ?なんかキャラがおかしくなってない!?忍田さんこんなこと言う人だったっけ?なんかすごく不安になってきたが、受けた以上は仕方ない

 

「比企谷了解しました・・・」

 

””そうか、いつもすまないな・・・それではよろしく頼む、詳細は後で小町君に送っておくので聞いておいてくれ、ちなみに小町君にもすでに了承はもらっているから安心してくれ"””ツーツー

 

ん!?あれ?俺隊長だよね?なんで任務の詳細聞くのが小町の後なんだろう・・・・いや、気にしちゃ駄目な気がする・・・・それよりも小町を問い詰めねば・・・・ってあれ?いない・・・・ついでに那須達もいない・・・・まさか神隠し!?・・・・ないか、普通に書置きあるし

 

「え~なになに・・・?明日の那須隊と比企谷隊のデートに遅れないでね!あと、小町は先に帰るので防衛任務頑張ってね♪お兄ちゃん♪・・・・ふむふむって俺だけかよ!?小町ちゃん!?」

 

なんてことだ・・・・すげぇ不安になってきた・・・・明日もやばいけど今日もやばいな、すげぇ嫌な予感しかしない・・・・とりあえず防衛任務まで寝よう、とりあえずそのあとのことはおいおい考えていくとするか・・・

 

そのときの俺はいろいろと疲れてあきらめていたのだが、まさかあの時の判断がこんな大変な事態を招くとはその時の自分には予想出来た上に回避不能なため完全に思考放棄していました・・・

ー比企谷自伝より抜粋(嘘)ー

 

 




さてさていろいろとあれですが次回もいろいろとアレがアレでコレしますががんばっていきまっしょい!

八幡のキャラがつかめない・・・SSを読みすぎた弊害か・・・・原作の八幡ってどんなひとでしたっけ?もはや超絶強化の八幡しか覚えてない今日このごろです

そんなかんじで次回もやっていきますので、また次回もしょうがねぇな、見てやんよ!って方、毎度毎度ありがとうございます♪またお付き合いいただければと思います


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八幡の戦い~防衛任務、がんばります♪~

こんばんわ、8話です

関係ない話ですが、終末のイゼッタがぱないです。
姫様とイゼッタのかわゆさがぱないのです!!話も次回が気になりすぎて夜も眠れず昼寝してしまう・・・・!!ダレカタスケテェ~

コホン・・・さてさて、というわけでデートに行く前に防衛任務です、徹夜で防衛任務を行い次の日に那須隊とのデート・・・・頑張れ八幡・・・・!!






ー警戒区域ー

 

「フンフンフフー♪フンフフー♪フンフンフフーンフレデリカー♪」

 

八幡的お気にいりの歌を歌いながら絶望し続ける少年がいた、そう比企谷八幡である

少し前まで精神的な疲れをいやすべく惰眠をむさぼっていた彼だが、防衛任務の時間のため今は警戒区域に来ていた

 

「はあ・・・・これ絶対パターン青、使徒です!ってなるよなー・・・・このあとめっちゃ気まずい感じになるやん・・・・」

 

惰眠をむさぼっている間に小町から来たメールには急遽防衛任務に3人の欠員が出てしまったため、八幡とあと2人の交代要員が必要だという内容だった。そう、あと2人である・・・・・

 

「しかし・・・いや、しかしもかかしもねぇけど、これ残りの2人絶対あいつらじゃん・・・なんか東さんとか忍田さんとかめっちゃ誘導してるっぽいっし・・・誘導装置かよ!?って言いたくなるくらいめっちゃ誘導されてくるからな~任務の間めっちゃ気まずくなるやん・・・はふぅ・・・」

 

また舌打ちされるのかなーとかアンテナがーとかアホ毛にシールド張らなきゃーとか考えながら防衛任務までぼーっとしていると2人がやってきた、そう、大井と北上である。

 

「やっほ~やっぱりハッチーさんだー♪今日はよろしくだよ~♪」

 

「・・・・・チッ・・・キョウハヨロシクオネガイシマス」ペコ

 

案の定大井と北上が登場した、ついでに北上のふわっとした挨拶にほっこりしたのもつかの間、大井に睨まれて冷や汗をかく、そして一応大井も礼儀としてカタコトの挨拶とお辞儀をする。

 

八幡はゆっくりとため息をつきながら挨拶を返す

 

「おう、2人とも今日はよろしく頼む、それとB級昇格おめでとう・・・?」

 

一応の面識があるためB級昇格を祝福する八幡、実力的にはC級どころかマスタークラスとも戦える実力がある2人にはなって当然みたいなところもあるうえに、一応のレベルの面識なため疑問符がついてしまったが

 

「ありがと~♪いや~なんていうか、思ったより大変だったよ~なかなか対戦相手が見つからなくてさ~」

 

「アリガトウゴザイマス」

 

そんな八幡の微妙な態度に特に気にする様子もなく北上はにこやかに話すが、やはり大井はカタコトだった、ついでに目が「北上さんにそれ以上近づいたら滅ぼす」と言っているため北上との距離に注意しながら話を続ける

ちなみに小町に近づく男に似たような視線を向けるため、大井が視線に何を込めて睨んでいるのか手に取るように理解している八幡であった。

 

「こほん、そしたら2人は今日は初めての防衛任務か?」

 

「うん、そうなんだよね~昨日B急になってタヌキさん?にB級のトリガーを説明してもらってたら、今日の防衛任務に欠員がー困ったなーって言ってる人がいたからあたし達やりますよ~ってね♪」

 

「北上さん・・・!なんてお優しい!!」キラキラ

 

大井の盲目さが相変わらず不安になるレベルだった。

そしてこれには当然ながら東と忍田が絡んでいた、ぶっちゃけいい加減比企谷隊を増員させたいのである、いつ先の大規模侵攻のようなことがあるかわからないため少しでも強化の余地のある部隊にはさっさと強くなってもらいたいのだ。

 

なかでも八幡の部隊が完成すれば、防衛のレベルアップは計り知れないものがある。街を守ることを第一の忍田としてはここまであからさまに強化できる部隊を遊ばせるつもりはなかった。ついでに他の部隊に大井と北上の強烈な個性を受け止められる心当たりがなかったため是が非でも、という考えもあった。

 

 

そのため、大井も北上もB級に上がったばかりではあるものの八幡と互角に戦える実力があるため、防衛任務の部隊枠を調整して、北上、大井、八幡をいれたのだった。いわゆる一緒に防衛任務をやらせることで既成事実を作ろうというやつである。

 

「了解した、ちなみに防衛任務についての注意事項とか説明は大丈夫か?」

 

「う~ん・・・だいたい大井っちが聞いてくれてるから大丈夫だと思うけど、あたしはよくわかってないかな~?まぁなんとかなるよね~?」

 

「はいっ!!北上さんは私が守りますから大丈夫です!!」

 

「お、おう・・・2人ともよくわかってない感じだな・・・そんじゃあ今回初の防衛任務だが、緊張とかはあるか?」

 

「ん~ちょっと緊張してるけど、大丈夫だよ~?」

 

「む・・・私も問題ありません。・・・・ナニヲエラソウニ・・・・」

 

昨日B級になったばかりで今日いきなり防衛任務では詳細はレクチャーされてなさそうだと考え八幡が2人に聞くと案の定よく理解していなかったため、説明することにする。もちろんこれも忍田と東の共謀によるものだ、少しでも会話させるためである。

 

初の防衛任務となればお兄ちゃんスキルを持つ八幡が2人の世話を焼かないはずがないため、最初に自然に会話することができるであろうとの考えだった。

まさしく忍田、東の読み通りに2人の世話を焼き始める八幡、北上はニコニコしながら話を聞き、大井もしぶしぶではあるものの、不明点や不安も少なからずあるため、話を聞く。

 

「それはよかった、まず注意点だが・・・2人ともわかるか?」

 

とりあえず、緊張で動けなくなる、ということはなさそうだと安心しながら注意点を説明しつつ、質問を投げる

 

「注意点、ですか?訓練ではなく、実戦・・・は当然ですし、北上さんを守る・・・・これも当然ですね・・・敵の数、出現が読めないことですか?」

 

「う~ん・・・・たしかにいつ来るかわかんないよね~」

 

「そうだな、まずいつ敵が来るかわからない、というのが1つだな、侵攻があるまで相手の数も不明なのは注意する必要がある。他にはどうだ?」

 

「そうですね・・・・チーム戦になる、ということですか?」

 

「おぉーそっか~いままで1人でやってたけど、団体戦になるんだ~」

 

 

いつのまにか普通に会話しだしていることに大井と八幡は気づいていなかった、そんな2人を北上は微笑みながら見ていた。

 

「そうだな、そこが一番の注意点だ、相手がこちらより多いことがほとんどのため、孤立した場合は1人で多数の相手をする必要性がる、だがそうならないためのチーム戦だ、まあ1人でチームランク戦をしてた俺が言える話ではないが、防衛任務の場合は常に、チームや一緒の班になった隊員と連携をする必要がある」

 

「なるほど・・・特に私たちはシューターだから接近戦にならないように連携が必要になるんですね」

 

「おぉ~なるほど~たしかに1人でいたら囲まれちゃって大変だもんね~」

 

「その通りだ、だから戦闘になったらオペレーターの注意を聞くのとマップの確認を忘れないようにしてくれ、今日は沢村さんがオぺレーターをしてくれるからアドバイスをよく聞くこと、あと、今回は俺が戦闘の指示をだすようにするから個人の判断で動かないようにしてくれ」

 

「・・・・わかりました、今回は指示に従います。ヨロシクオネガイシマス」

 

「了解だよ~よろしく~ハッチーさん♪」

 

今更ながらに普通に会話していたことに気づく大井、いきなりの不機嫌モードに八幡はビビり、北上は苦笑しながらも、やはり大井と八幡は仲良くなれそうだな~と初めての防衛任務で緊張していたのも忘れて微笑んでいた。

 

「よろしく頼む、まあずっと警戒していると疲れちまうから、巡回しながら適度に気を抜いてくれ、もし、トリオン兵が来るとしても、ゲートが開く前にオペレーターが教えてくれるから安心してくれ」

 

「は~い♪了解だよ~♪」

 

「わかりました。」

 

そうして任務につくことしばらく、まだ任務の時間も半分すぎたくらいの頃にオペレーターをつとめる沢村がゲートの発生を告げる

 

「ゲート発生、座標誘導誤差3.44・・・!!3人共注意して!数が多いわ!」

 

「おぉ・・・・・たしかに多いな、2人とも落ち着いて対応すれば問題ないから連携していくぞ!」

 

「・・・・は、はいっ!」「うわぁ、りょうかいだよ~」

 

予想外の数に大井と北上に緊張がはしる。普段通りに戦えばなんとかなるはずだが、初めての任務と想像以上の数に体がこわばっているのが見えたため、八幡はすぐに対応する

 

「まずは俺が連中の注意を惹きながら左に回り込むから2人は右側に回り込んで、相手の注意が完全に俺に向いてるのを確認したら1体ずつ確実に仕留めていってくれ。複数を一度に攻撃するとヘイトがそっちにいっちまうから確実に1体ずつだ、注意しろよ?」

 

「そんな!?それではそちらが危険です!!」

 

「そうだよーここは一緒に攻撃したほうがいいんじゃないの?」

 

八幡のおとり作戦に大井と北上は協力することを進めるが、緊張している2人では普段の実力を出せないのは明白だった。

 

「2人とも万全な状態じゃないだろ?いいから任せろ、回り込んで落ち着いたら攻撃を開始してくれ、沢村さん、2人のナビお願いしますね、そんじゃあ頼むぞ、グラスホッパー」

 

 

 

ー 八幡 SIDE ー

 

「さて・・・とカッコつけたはいいものの、ちと多いな。沢村さん念のため増援の要請をお願いします。あと、少し本気を出しますので建物には目をつぶってもらえますか?」

 

「了解よ、忍田本部長の了承もでました、存分にやれとのことです、増援も要請しているから到着までがんばってね比企谷君」

 

よし、とりあえず本部の了承も出たことだしアレを使いますかね。増援も念のため要請したけど、あの二人の緊張が取れれば問題ないはず・・・あとはあの数に俺がどれだけ耐えれるかだな・・・・

 

「よぅし、そんじゃあいっちょやりますかね!アイビス+メテオラ=アンチマテリアルバースト!・・・なんちゃって」

 

なんとなく技名つけたくなるよね、とか考えながらとりあえず相手の注意を向けつつ、ある程度ダメージを負わせられるようにアイビスでメテオラを撃ちまくる。威力上昇効果のあるアイビスでメテオラを撃つことにより、かなりの威力の炸裂弾が発射される。

メテオラの爆発範囲が拡大されており普段の防衛任務では街を更地に変えてしまうため使えない、俺の切り札の一つだ。今回はかなりの数になるため、本部に確認して使用する。

 

遠いトリオン兵から順に砲撃して数を減らしつつ、こちらに注意を向けさせる。よしよし、いい感じにこっちに向かってきたな、今の砲撃で10体くらいは減らせたか?全トリオン兵のヘイトがこちらに向いたのを確認して少しづつ後退しながらメテオラトラップを仕掛け、アイビスを放つ、ここからは通常のアイビスで攻撃する。さすがに建物壊しすぎて罪悪感が出てきた・・・・だ、大丈夫だよね!?ちゃんと忍田さんに確認とったし、怒られないよね!?

 

「よっと・・・こっちで~すよ~っと、おらおらだ~!なんちゃって」

 

「比企谷君、大井さんと北上さんが配置についたわ、2人ともなんとか落ち着いたみたいだから攻撃に入るわね」

 

「了解しました、大井、北上、確実に1体ずつ頼む、そちらに敵が行かないよう注意するが、囲まれないように注意してくれ」

 

「了解だよ~北上、いきま~す!アステロイド」

 

「少し取り乱してしまい失礼しました、大井、戦闘開始します。ハウンド!」

 

おぉ・・・さすがだな、もう持ち直したか、・・・確実に1体ずつ一撃で仕留めているし、この調子なら問題なさそうだな・・・・あとは俺が囲まれないようにしつつ大井と北上にヘイトが行かないように注意してればいけそうだな・・・

 

ー 八幡 SIDE OUT - 

 

それからしばらくして東隊が応援に駆け付ける頃にはすべてのトリオン兵が沈黙していた。

 

「東隊現着した。・・・・・が、どうやら片付いているようだな。無事か?比企谷」

 

「ぜぇ・・・・はぁ・・・・つ、つかれた・・・・はい、ギリギリでしたが無事です。すみません東さん」

 

トリオン体のため、本来なら肉体的な疲労はないはずだが、今回のゲートは3人で対応するには規模が大きく、また大井、北上に敵のヘイトが向かないように普段の数倍神経をすり減らしながら戦っていたため、敵が沈黙した現在その分のあれやこれやが八幡の精神を疲弊させていた。

 

「無事でよかった。それにしてもこれだけの数を3人で対応するとはさすがだな、これは次回のランク戦が楽しみだな、早く勧誘成功させないとだな」

 

「えぇ、あいつらも最初は初めての防衛任務でいきなりこの数が来てたんでうまく動けなかったんですが、途中からは緊張も抜けたのかいい動きをしてくれましたよ、今回はさすがに部隊増員の必要性を痛いくらいに感じましたね」

 

「はっはっはっ!そうだな、はやく3人でのランク戦ができるよう応援してるよ、後は俺がやっておくから3人は少し早いが帰還していいぞ、比企谷ももうトリオンギリギリだろう」

 

「ありがとうございます、もうトリオン体を維持するので精一杯で・・・・助かります、それじゃあ先に失礼します」

 

東の許可と沢村への報告を行い帰還することにする八幡、東と別れて大井と北上の元に向かう。

 

2人は東と話していたところから少し離れたところに背中合わせでへたり込んでいた、初めての防衛任務にしては規模が大きすぎたため、かなり緊張していたが、戦闘が終了したことにより反動で動けなくなってしまっていた。

 

「大井、北上、お疲れさん、少し早いが交代してくれるみたいだ。帰還するぞ」

 

「おぉーよかったよーもうへとへとで戦えそうにないから助かるよー・・・」

 

「りょうかいしました、今回はありがとうございました・・・・まさか私があんなに取り乱してしまうなんて・・・・」

 

「おぅ、まあ気にすんな、いきなりあの量は誰でも焦るからな、まぁあんなに大奮発してくることは滅多に無いから安心してくれ」

 

「うぅ・・でも今回あたし達全然ダメダメだったよ~・・・」

 

「北上さん・・・・そうですね・・・私も1人では北上さんを守り切れなかったです・・・・」

 

今回の規模は本来ならB級に上がりたての部隊では対応しきれない数だった。それこそB級上位かA級でないと苦しい規模の数が侵攻してきていたのだ、その中でも誰一人脱落せずに対応しきったことは褒められはしても落ち込む要素など無いのだが、2人はうまく対応できなかったために落ち込んでいた。

 

「俺はぼっちだからな、1人対たくさんっつーのには慣れてんだよ、だからそんなに落ち込むな、この規模を初めての実戦で対処しきれたのはすごい事なんだぞ?さすがハイパーズだな」

 

自動お兄ちゃんスキルが発動した八幡は落ち込んでいる2人の頭をなでる。

 

小町の教育により自動お兄ちゃんスキルを保有する八幡は落ち込んでいる女性をみるとオートで励ましてしまうのだった。

 

「そうだよね~あたしと大井っちは最強だからね~今度はちゃんと戦えるように訓練するよ~!」

少し顔を赤くしながらもはにかみながら北上が八幡に応える(ちょうかわいい・・・八幡心の声より)

 

「ふ、ふん・・・!当然です!北上さんと私ならこれくらいは出来て当然です!・・・・ですが、最初は対応しきれませんでした、あなたの指示がなければもっと苦戦していたでしょう・・・ですから、あの・・・・あ、ありがとうございます」

最初は安定の睨みながら強がるものの、途中から顔を真っ赤にしながらツンデレを発動させる大井。これまで睨まれるか、おどされるかばかりだっため、いきなりの大井の変わりようにきょどりはじめる(ツンデレ・・・だと・・・!?八幡心n以下同文)

 

「おぅ、まあお前らならすぐに俺よりも強くなれると思うぞ?まぁ今回みたいな戦いは俺の得意分野だから、いつでも相談してくれ、聞きにくければ那須に聞いてくれてもいい・・・ぞ・・・・・・と、とにかく!今日は帰還しよう!そうしよう!」

 

「おぉ~?了解だよ~♪今度訓練お願いするね~♪」ニコニコ

 

「ふふ♪そうですね、それもいいかもしれません、私もお願いします」

 

落ち込んでる2人に自動お兄ちゃんスキルが発動し頭を撫でるだけでなく柄にもなく励ましてしまい、途中から恥ずかしくなってごまかしながら帰還しようとする八幡をみながら2人はにこやかに応える。

 

これまでの大井とは違い、そこにはわずかばかりの信頼の気持ちとほんの少しの笑顔が生まれていたのであった・・・・

 




と、いうわけで、少し大井っちとの壁を削ってみました・・・安直か・・・・!
仕方ないんや・・・このままではどうあっても仲間に出来なそうだったんや・・・!そんなこんなで攻略難度を少し下げていきたいと思いまする。

そして気づいたのですが、大規模侵攻が年始にあって、半年前に修入隊してたんすね・・・つーことは6月くらいか・・・時系列とか考えんのめんどいな・・・

さてさて、それでは次回も、俺が見てやんよ!!っていう優しい方、これからもお付き合いいただければと思います♪


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八幡の戦い~ガイアの試練~

こんばんわ、9話です

デート?回です、那須や熊谷に振り回される八幡、うらやましいですね・・・

ワールドトリガー最新話、これからエスクード大活躍しそうですね・・・
はたしてヒュースはバイパーとエスクードをどう使うのか・・・私、気になります!!

自分の八幡にもエスクードいれようかな・・・・実際シールドとしてはめっちゃ硬いしね、障害物としても使えるし・・・・んでも空中戦では使えないんですよねー・・・悩みどころです


 ー比企谷家ー

 

「お兄ちゃん朝だよーおきてー!!」

 

「こ、小町ちゃん・・・あと、5時間、いや・・・8時間寝かせてくれ・・・」

 

先の防衛任務が少し早く終わったものの、やはり深夜の帰宅となり、家に戻ってすぐに寝たのだが、やはりめちゃくちゃ疲れがたまっていた八幡は無駄な抵抗をしていた。

 

「んもうっ!!早く起きてくれないと玲さん達に怒られちゃうよ!?はやく起きてくれないと小町的にポイント低いよー!?」

 

「ぐぬぬ・・・しかしだな小町ちゃん・・・俺さっき寝たばっかなんだけど・・・?」

 

八幡が疲労しているのは理解しているし、突然の交代でも文句ひとつ言わずに防衛任務に入る八幡の優しさを小町は誇らしく思っているし、なんなら今回の交代は小町や東、忍田が仕組んでいたことなので若干の申し訳なさもあるが、それはそれ、これはこれである。

 

今日は前から楽しみにしていた那須隊(引きこもりの志岐を除く)と小町、八幡でお出かけである。小町は今日をとても楽しみにしていたのだ。

 

「うんうん、いつも防衛任務を頑張ってくれているお兄ちゃんには感謝感謝!さっすが小町のお兄ちゃんですな!!」

 

「お、おう・・・・・だから・・・な?寝てもいいよね?・・・」

 

「でも、約束したよね?お兄ちゃん?玲さん達もすごく楽しみにしてるよ?」

 

「ぐぬぬ・・・・・はぁ・・・・わかった、今起きる」

 

「さっすが小町のお兄ちゃんだね♪そこにしびれるあこがれるぅ~♪」

 

「おい、そこはポイント高いとかじゃねぇのかよ・・・・いや、ポイントあっても使い道無いからどっちにしろあれだが・・・・」

 

八幡が起床するのを確認した小町は朝食を準備するべく部屋を出ていく。朝から元気いっぱいの小町にやれやれ、と思いながらも今日のお出掛け(デートではないと八幡は思っている)について考えるも、まぁ小町達についていけばいいかと思考放棄していると

 

「あ、お兄ちゃん、今日は服これ着てね。あと、髪もちゃんとすること!まだ少し時間あるから行くところもちゃんと考えるんだよ!」

 

と、戻ってきた小町に釘をさされる。兄の思考を完璧にトレースしている小町には那須や小町についていくつもりなのはバレバレだった。

 

「え・・・小町ちゃん?あれ・・・?俺も考えるのん??」

 

「あったりまえだよ!!大井さんと北上さんの勧誘の手伝いのお礼も兼ねてるんだから、ちゃんとお兄ちゃんも行くところ考えないとだよっ!!」

 

「むぅ・・・そういわれると返す言葉もないな・・・どうしよう・・・・」

 

いつの間にかいなくなっている小町に聞くこともできず、途方にくれはじめる八幡、ただでさえ美人ぞろいの那須隊とのお出掛けで精神的に削られているのにさらに何かしらのお礼も、となるとボッチたる八幡にはハードルが高すぎた

 

「まぁしょうがねえか、実際あいつらのおかげで大井と北上と少し話せるようになってきたしな」

 

そんなことをつぶやきながら、これからのことを考える。とりあえず、買い物に付き合いつつ、何か好きなものとか贈るかな・・・と考えながら小町の待つリビングに向かうのであった・・・

 

 

ー比企谷家 リビングー

 

「「いただきます」」

 

これからお出掛けのため、いつもより軽めの朝食を食べつつ、う~ん・・・・とかぐぬぬ・・・とかうなる八幡を見て苦笑しながら小町は朝食を食べていた。

 

人付き合いが苦手な兄が、誰かのお礼を必死に考える姿などこれまでには全く見られなかった姿である。大規模侵攻により両親がいなくなってからというもの、八幡は小町の安全と生活を守ることを最優先で生きてきたため、友人らしいものや、遊びにいく、といこともほとんどなかったのだ。

 

ボーダーに入り、B級に上がってからは少ないながらも友人ができて、まれではあるが遊びに行くことも増えてきていたことに小町は喜んでいた。

 

「うんうん、いっぱい悩んでいいよ~玲さん達が喜びそうなこと、好きなものとかを考えてね~お兄ちゃん♪」

 

これも練習だよ♪そんな顔をしながら八幡に笑顔を向ける。このまま那須か熊谷がおねえちゃんになってくれないかな~とか考えながら八幡をみてニコニコし続ける。小町的候補はもちろん、那須、熊谷であるが、小南や綾辻、三上、加古も八幡と仲良くしてくれているため、おねえちゃんになってほしいな~とか考えていた。

 

「ぐぬぬ・・・しかしだな、小町ちゃん?お兄ちゃん友達いないから、何をすればいいのやら・・・・」

 

「う~ん・・・・たしかにお兄ちゃんにノーヒントではちょっとかわいそうな気もしてきたかも・・・お兄ちゃんを気づかう小町、今のポイント高い♪」

 

「お、おぅ・・・そうだな、やっとでたなそれ、ポイント制終わったのかと思ったわ。・・・・つか、そうなのだよ小町ちゃん?お兄ちゃんには圧倒的に経験値がなさすぎるのだよ、無さ過ぎて逆に今日敢えて何もしないのもありなのではとか思うまである」

 

「はぁ、これだからごみいちゃんは・・・・しょうがない、今日のデートで小町がそれとなく玲さん達がほしそうなものに話を誘導するからうまい事やりなよ」

 

「おお・・・さすがマイエンジェル・・・助かるわ・・・愛してるぜ!小町!」

 

使うタイミングと相手を盛大に間違えている八幡に苦笑しながらも心の中では全力で応援している小町はこれからのデートをうまい事誘導しなければ!と使命感に燃えるのであった・・・

 

「まったく、今度からはちゃんと自分で考えるんだよ?それじゃあそろそろいこっか!玲さん達を待たせちゃだめだから早めに行くよ!!」

 

「へいへい」

 

こうして、八幡のあらたな挑戦が始まるのであった・・・・

 

 

 

ー 八幡 SIDE ー

 

「ふえぇ~・・・もう無理よぉ~・・・・八幡ギブだよぅ~・・・」

 

朝小町に起こされ朝食を食べてから今までの間に俺の精神力は削られまくっていた、あまりの疲弊の仕方に那須や日浦が気をきかせてくれ、少し早めの昼食となったためこうしてテーブルに突っ伏しているのだが・・・

 

「はぁ・・・まったくごみいちゃんはこれだから・・・もう少ししっかりしないとだよっ」

 

プンプンとか言い出しそうな感じで小町が怒っている、かわいい・・・じゃなくて、仕方無いんや、仕方なかったんやで・・・・どう仕方なかったかというと・・・

 

 

 

~集合場所にて~

 

「おまたせ~比企谷君、小町ちゃん」

 

「おはよー比企谷、小町~」

 

「おはようございますっ八幡先輩!小町ちゃん!!」

 

「おっはよ~!!」

 

「お、おう・・・・・・・ぐふぅ!!」

 

さらっと挨拶?をかえした俺に強烈なボディーが入る。

 

「は?ちがうでしょ?ごみいちゃん。デートの待ち合わせの定番教えたでしょ?」

 

「い、いや・・・小町ちゃん?俺に服褒めるとか無理やて・・・いや確かにめっちゃかわいいけど・・・」

 

そんな小町とのやり取りが聞こえていたのか那須達はそろって真っ赤な顔を手で隠して少しうつむき気味にプルプルしていた・・・そ、そんな怒っちゃうのん?ビクビク

 

 

~その後の買い物~

 

「な、なぁ・・・那須さんや?」

 

「ん?なにかな?比企谷君♪」

 

「あ・・・あの・・・・手が・・・・・しょの・・・・」

 

買い物だー!と元気よく歩き始める日浦と小町の後ろで那須に手を繋がれちょうドキドキしている俺がいた。

 

「いやなの・・・?」ウルウル

 

ぐぬぅ・・・そんなうるうるされたらめっちゃ可愛いし、守りたくなっちゃうやん!そんな子に嫌とか言えるわけあらへん!!

 

「ア、イエ、ナンデモナイデス・・・ちなみにくまちゃんさんや・・・・?」

 

「あ?」

 

こわい!こわいよ!!くまちゃんさんってちょっと言ってみただけなのに・・・セクハラエリートに向けるのと同じくらい怖い顔で睨まないでぇ・・・・

 

「し、失礼しました!あの、熊谷さん・・・?」

 

「・・・・・なに?比企谷」

 

「あ・・・あの・・・手が・・・・その・・・・」

 

そして、那須と反対側の手を熊谷が掴んでいた。そう、手を繋ぐではなく、掴まれていた。ドキドキ感が那須とちがう・・・・

 

「いやなの?」ギヌロ

 

そんな思考が読まれたのかめっちゃ睨まれる、そんなん嫌とか言えるわけあらへん・・・・こっちは怖いよう・・・・でもくまちゃんもかわいいんだよな~・・・はぁ・・・・

 

「ア、イエ、ナンデモナイデス・・・・・ぐすん・・・・」

 

そんな感じで那須と熊谷にサンドイッチされてる俺はかわいさと怖さでドキドキのハラハラで、ついでにそんな俺は道行く男にめちゃくちゃ睨まれて終始ビクンビクンしていた。

ついでに買い物に来ているはずなのに那須も熊谷もそんなびくびくしている俺をめっちゃニコニコしながら見ていた・・・あの・・・買い物は?

 

ーそして現在 レストランにてー

 

そんなこんなで午前中の買い物という名の八幡拷問ゲームは対外的にはハーレムキングの優雅なデートにしか見えなかっただろう・・・が、めっちゃ疲れた・・・小町ちゃん?これもう無理じゃないかな・・・・

 

そんなこんなで絶望していると注文していた品が来た。とりあえず適当なところに入ろうという話になって適当にそこでいいか、って話になって、適当に入ったらめっちゃきゃるんってかんじの店だった。なにこれぜんぜん伝わんねぇな・・・

 

うん、っていかここ女性の比率高くないっすかね・・・・?八幡の気のせい・・・?気づいてはいけないことに気づいてしまったのでは・・・とガクブルしていると那須が話しかけてきた

 

「そういえば、比企谷君は昨日の夜防衛任務ヘルプで入ってたんだよね?疲れてたよね?ごめんね?」

 

「そうなの?だから比企谷そんなつかれてるんだ?」

 

「あ~いや、まあそうっちゃそうだが・・・・まあ問題ない。」

 

現在の疲労はあなた達がかわいすぎるからですとか八幡死んでも言えない・・・

 

「ほんとに?無理はしないでね?」ニコー

 

「うんうん、玲を悲しませないとは、比企谷もなかなか解ってきたね!でも無理はしないでね」

 

「さすがですっ!八幡先輩!!」

 

「うんうん、えらいよーお兄ちゃん、もう少ししっかりしてたら小町ポイント上げるんだけどなー」

 

おい!小町!!そこはさすおになタイミングだろうが!なんで日浦が言うんだよ!!あと、那須の笑顔がかわいくてまぶしい!!そして熊谷がめずらしく優しい!!こんなに優しい世界があるなんて・・・・八幡感動した!!

 

「じゃあそんな頑張ってる比企谷君に・・・・はい、あ~ん」ニコニコ

 

 

 

ぜ、絶望したぁぁぁーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!

 

 

 

 

っていやいや、無理やて、ほんまあかんて・・・・・美少女のあーんとか俺が恥ずか死ぬわ!!

 

「い、いや・・・しょの・・・・那須さん・・・・?」

 

「・・・・・あ~ん」ウルウル

 

「食べないとわかってるわよね?」ギヌロ

 

「がんばれ!おにいちゃん」

 

「頑張ってくださいー!!」

 

「ぐぬぅ・・・・あ、あ~むぐ・・・」

 

「どう?おいしい?」

 

「お、おう・・・・うまいぞ、ありがとうな」カオマッカ

 

「そう、それはよかったわ」ニコパー

 

ぐわぁぁぁぁぁ!!ま、まぶしい!!あとかわいいいいいいいいい!!そして恥か死ぬぅぅぅぅぅぅーーー!!!

 

「「「うんうん」」」

 

熊谷と日浦と小町がめっちゃうなずきまくってるけど、これめちゃくちゃ恥ずかしいぃぃぃ!!なんなん!?みられながらあーんされるてぇーーーー!!

 

そんなこんなでめっちゃ恥ずか死した俺は完全にノックアウトされていた・・・そんな俺を満足げに見た後那須、熊谷、日浦、小町で会話は進んでいく・・・

 

「そういえば昨日の防衛任務ってやっぱり北上さんと大井さん?」

 

「そうですよー、いやーさすが、東さんですよねーさすあず!!って感じです、いい感じに大井さんと北上さんをお兄ちゃんのとこに誘導してくれるんですよね~」

 

おい、小町、そこで使うのかよ!ちゃんとさすおにも使っていいのよ?そんな俺の心の声は当然スルーされる

 

「ほわぁ~さすが東さんです!スナイパーの合同訓練でもたまに教えてくれたりとかすごく優しいんですよ!!」

 

うんうん、俺も一人で訓練してるとよく声かけてくれて、アドバイスくれたり、焼き肉連れてってくれるんだよなーまじ東さん尊敬するっす!リスペクトっす!!キャラじゃねぇな・・・

 

「へーそーなんだ・・・・それで?比企谷は2人と少しは話せるようになったの?」

 

「ん?ああ・・・なんかまだ、B級のトリガー渡されて軽く説明されただけっぽかったから、いろいろ説明したりしてたら少しは話せるようになった・・・・と・・・・・思う?」

 

うん、たぶん大丈夫だよね?これで次に話しかけたときには?なに調子に乗ってるんですか?話しかけないでください気持ち悪いですとか言われたら、八幡立ち直れなくなっちゃう!

 

「なんで疑問形なのよ・・・」

 

「でもっそっか・・・少しは仲良くなれたのかな?よかったね比企谷君♪」

 

「よかったですね!八幡先輩!」

 

「さすがだよ!お兄ちゃん!!」

 

おぉ・・・・やっときたか、さすおに・・・でもやっぱイメージが合わんな・・・もっとおしとやかにさすがです、お兄様♪って言われたいな・・・

 

「それじゃあそろそろ午後の部行きましょうかー!!午後はお兄ちゃんの服を見ます!!」ババーン!!

 

「「「おおーーー!!」」」

 

・・・・たすけてーーーーーだれかー!!誰でもいいから助けてーーーーー!!神様仏さま天国のお母さまーーーー!!!

そんな俺の願いは無慈悲にも踏み倒されるのであった

 

「おぉ~?ハッチーさんだ~♪やっほ~昨日はありがとね~♪」ニコニコ

 

「あら?お姉さま方に比企谷さん、こんにちは、昨日はありがとうございました」ペコリ

 

 

・・・・神は・・・・死んだ・・・・・おぉ・・・・ガイアよ・・・・!!なぜにこうも私に試練をお与えになられるのですか・・・・・!?

こうして俺の休む日と書いた試練の日は続くのであった・・・・・




そんなこんなでガイアの試練は続く!!

世界の怒りを買った八幡はどう対応していくのか・・・・!!
どないしよう?

ちなみに忘れてましたが、大井と北上は八幡の1つ下の16歳という設定で行きまする。

次週、それでも大井はツンデレるの回!!

次回もはぁ・・・やれやれだぜ・・・って感じでも見てくれる皆さまへ、もうしばらくお付き合いいただければと思います。


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八幡の戦い~大井、ツンデレる~

こんばんわ、10話です。

なんだかんだで10話です。思ったよりSSの投稿が楽しいです

へっぽこなあれやこれやですが、読んでる方から優しい反応がくるのは嬉しいものですね・・・ありがとうございます!

節目の10話ですが、これからもよろしくおねがいします♪

少し慣れてきたんで次回から俺ガイル原作に少しだけ絡もうと思います、時系列的にね!しょうがなくね!!少しだけね!!

そんでもって少しづつキャラも増やしていこうかなって思います♪



前回の続き!!

 

1、防衛任務夜の部を終えた八幡は深夜に帰宅したものの、ほんの少しの睡眠で最愛の妹にたたき起こされる

 

2、朝食を食べるが、そこで最愛の妹に試練を与えられる(小町ヘルプ使用可)

 

3、道中いろいろといじられ、精神的に削られる、ついでに道行く人に超睨まれる

 

4、昼食事に那須にバカップル的なことをされ恥か死ぬ。

 

5、休めない休憩は終わりをつげ、新たなるガイアの試練が始まった(大井、北上参戦)←今ココ

 

 

そんなこんなで昼食を終え、午後の部に出発しようとしたところに大井と北上がチーム八幡に合流していた、2人もこれから休憩らしく、そのまま八幡達の隣のテーブルに座っていた。

 

ガイアよ~とかつぶやいて思考放棄し始めた八幡を放置して女性陣は話し始める

 

「こんにちは、大井さん、北上さん」

 

「今日は買い物?相変わらず仲いいわねー」

 

「こんにちは!大井先輩!北上先輩!」

 

「やっほー♪昨日の防衛任務でけっこうがんばったからご褒美に大井っちと買い物にきてるんだ~♪」

 

「こんにちは、那須お姉さま、熊谷お姉さま、それと日浦さんも、それと・・・」

 

「あ、こんにちは!大井さん、北上さん、小町は比企谷隊のオペレーターで、そこの比企谷八幡の妹の比企谷小町っていいます!!」

 

那須、熊谷、日浦が挨拶をし、北上、大井が返すが、小町は名前などは聞いていたが直接の面識はなかったためにこやかに自己紹介をする。

 

「おぉ~ハッチーさんの妹さんか~♪北上だよ、よろしく~♪」

 

「そうなんですか、はじめまして大井です。よろしくお願いしますね、小町さん・・・・・・・・ん?小町?どこかで・・・・?」

 

そんな小町の自己紹介に北上はにこやかに応え、大井も同じく返すが、小町、というワードにひっかかる・・・・が小町の続くトークによって流されてしまった

 

「はい!よろしくですよ~♪いや~お二人とも綺麗でかわいいですね~♪ハイパーズの噂どおりですね~♪」

 

「いや~なんていうか、その、照れるな~・・・」

 

「ふふ、ありがとうございます♪お姉さま方や日浦さん、小町さんもとても魅力的です♪・・・ところで皆さんも買い物ですか?」

 

「ええ、比企谷君と小町ちゃんと私たちでね、よかったら大井さんと北上さんもどうかしら?」

 

「みんなでお買い物しましょー♪いいよねっおにいちゃん♪」

 

当然この流れになった場合に八幡には選択肢は残されていなかった・・・・というより現実逃避していたためよく聞いていなかった。

 

「ん?あぁ、いいんじゃね?・・・よくわ「「やったー♪」」・・・・・」

 

よくわからんけど、と続けようとする八幡に小町、日浦がかぶせる

 

「わぁ~よろしくね~♪」

 

「ふふ♪よろしくお願いします♪」

 

小町、日浦が元気いっぱいに喜び、北上、大井が買い物の仲間になった!八幡の精神的継続ダメージが増加した!!

 

「んん!?これもしかしてまずった?」冷や汗ダラダラ・・・

 

今更ながらにまずい流れになったことに気づいたが、もう八幡にこの流れを止めることは不可能だった・・・なんなら最初から無理だった。

 

「ちなみにこれから比企谷君の服を見に行って、それからみんなの服を~って考えてたんだけど2人はどうかな?」

 

「おぉ~ハッチーさんの服か~確かにかっこいいから服とか見るの楽しそうだね~♪」

 

那須の質問に北上が応えるも、まさかの腐り目には触れずに純粋にかっこいいと評価していることにこの場の全員が驚愕していた。

 

「北上さん!?ま、まさか・・・そんな・・・・」

 

「ふおぉぉぉぉぉぉ!?まさかのお兄ちゃんをストレートにかっこいいっていう人がいるなんて!!是非!お姉ちゃん候補に!!」

 

北上の爆弾発言に大井は驚愕して震えだし、小町は感動のあまり北上を急遽おお姉ちゃん候補にランクインさせていた。

 

そんな中、八幡はというと・・・・

 

「天使や・・・天使がおる・・・・かわいい・・・・・っは!いかんいかん、プロのボッチだぞ、俺は・・・・正気に戻れ、俺!!」ブツブツ

 

と、北上にノックアウトされかけていた・・・・

 

「へぇ~・・・これは面白くなりそうね~?ねぇ?玲」ゴゴゴ

 

「ふふふ・・・そうね、くまちゃん、これは楽しくなりそうだわ・・・」ゴゴゴ

 

「ふわぁ~さすがです!八幡先輩!!」キラキラ

 

そんな八幡を楽しそうな目で熊谷と那須が見る。これから降りかかるガイアの試練が八幡を襲うのであった・・・・

 

 

ー服屋にてー

 

「それでは~これより、第一回、誰が一番お兄ちゃんを輝かせるか大会をはじめまっす!!」

 

「「「「「わぁー!!」」」」パチパチ

 

そんな小町の号令のもと八幡の着せ替え大会が始まった。

 

「じゃあまずは茜ちゃんから!!」

 

「はいっ!八幡先輩!これ着てください!!」キラキラ

 

「あ、あの・・・・小町ちゃん?日浦?これ、めちゃくちゃ恥ずかしいのだが・・・・」

 

「ダイジョーブダイジョーブ!!イケルヨーイケルヨー」

 

「だめ・・・・ですか・・・・」グス・・・

 

当然ながら八幡が抵抗を試みるが、小町が適当にごまかし、日浦が泣きそうになることで退路が断たれる。

 

「ぐぬぅ・・・はぁ・・・わかったよ・・・似合ってなくても笑うなよ?八幡泣いちゃうからね?」

 

そんなこんなで美少女が集団で待っているなか、ボッチの着せ替え大会が始まるが当然八幡は泣きそうだった・・・・

 

「うぅ・・・・ど、どうだ・・・・?」

 

最高にキョドりながら日浦セレクションの服をきた八幡にそれぞれが感想をいう

 

「うん、比企谷君とても良いと思うわ♪」

 

「うんうん、ちゃんとした服着れば結構良い感じじゃない」

 

「おぉ~♪ハッチーさんカッコいいよ~いいねぇ~しびれるねぇ~♪」

 

「そ、そんな・・・北上さん・・・・くぅ!少しは認めていますが、やはり殿方は危険だわ・・・」

 

北上の言葉で大井の八幡に対する好感度が少しづつ下がっていることに誰も気づかずに、八幡の着せ替えショーはしばらく続いたのだった・・・

 

「うぅぅ・・・・お兄ちゃんもうお婿に行けない・・・・恥ずかしい!」

 

着替えるたびに那須、熊谷、北上がやたらと大絶賛するために、ちょっと調子に乗っていた八幡は、着せ替えが終わって移動するタイミングになって我にかえっていた・・・・黒歴史に入りそうなくらい恥ずかしくなっていた。最後の方は八幡自身かなりノリノリになっていたのだ・・・

 

「本当に似合ってたんだから恥ずかしがらなくたっていいじゃない、比企谷も気に入ったからその服かったんでしょ?」

 

「うぅ・・・そうなんだが、こんなイケメンご用達の服を目が腐っている俺が着ても、あいつ調子にのってキモーイとか言われちゃうじゃん・・・・」

 

「そんなことないよ~ハッチーさんカッコイイよ~♪」

 

「そうです!八幡先輩はちょっと目はきついですが、すごくカッコイイですよ!!」

 

「お、おう・・・そんな事言ってくれるのはお前らだけだよ・・・ありがとうな・・・・」ナデナデ

 

落ち込んだり、恥ずかしがったりする八幡を励ます北上と日浦はまるで駄目なお兄ちゃんを励ます妹のように見えた、そのため当然のように例のスキルが発動し、2人の頭を撫でる・・・・

 

「「えへへ・・・・♪」」

 

こうして自動お兄ちゃんスキルの被害者は増えるのであった・・・・そんな3人を見ていた那須と熊谷はあるプランを提案する。

 

「たしかに比企谷の目はきついからね~もう少し中和?出来れば少しは自信がつくんじゃない?」

 

「そうね・・・比企谷君、眼鏡とかどうかしら?」キラン

 

「ほほう・・・・これはこれは・・・・小町的にもありです!!早速いきましょ~!!」

 

「え!?ちょっと!?まだ俺のターンなの!?ちょ!!メガネは、メガネだけはやめてぇ~!!」

 

大井、北上勧誘の最初の頃に眼鏡をかけC級に変装して大井と北上に接触したことがあるため、この場で眼鏡をかけるのはよろしくなかった。

 

そんな八幡の必死の抵抗もむなしく・・・・

 

「メガネかけてるお兄ちゃん、大好き♪」

 

小町の一言で決着がついてしまっていた、そんな必死の抵抗(笑)ではなんの抵抗らしい事も出来ず、メガネショップにたどり着いてしまった・・・

 

ぐぬぬ、とかいやしかし、だのとつぶやく八幡を放置して各々が物色しはじめるる

 

「それじゃあ・・・・小町はこれで!!」メガネ装着

 

「私はこれにします!!」メガネ装着

 

「うーん、あたしはこれかな?玲は?」メガネ装着

 

「そうね、私はこれにするわ」メガネ装着

 

「北上さんにはこれが良いと思います♪」北上にメガネ装着

 

「じゃあ大井っちにはこれかな~♪」大井にメガネ装着

 

「「「「「「どう?似合う?(いますか?)」」」」」」

 

「お、おう・・・まあいいんじゃね?・・・むしろみんなすっげえかわいくてびびるわ」

 

後半のセリフは心の声が漏れた結果である、本来の八幡には当然似合ってる、だのかわいい、といったセリフなど言えるはずも無いが、6人からの一斉攻撃には耐えられず、思っていたことがそのまま口に出てしまった

 

「「「「「やったね♪」」」」」

 

「あ、ありがとうございます、、、」

 

八幡の心の声によりにこやかにハイタッチを交わす中、大井だけは真っ赤になってうつむいていた・・・男からまっすぐにかわいい、と言われたことなどほとんどなかったため、思わず照れてしまっていた・・・・とてもキュートだった。

 

「「ふわぁ・・・・大井さん(先輩)かわいい(です)・・・・・」」

 

「いや~ハッチーさんやるねぇ♪大井っちが男の人にこんな顔するなんてびっくりだよ~♪」

 

「え・・・?もしかして今の声に出てたん?・・・・・・もうヤダ、帰りたい・・・・」

 

そんな照れている大井のあまりのかわいさに日浦と小町はくぎ付けになっていた、北上はほほえましくなり、八幡は恥ずかしすぎて帰りたくなっていた、今日はベットでバタバタする仕事が大変そうである。

 

「「ふふ♪まあまあ♪」」

 

当然そうはさせずと那須と熊谷が両サイドから八幡を捕獲する。何も言わずに完璧に八幡の逃げ道を塞ぐさすがのチームプレーである。

 

「か、かわいいって・・・・はっ!!い、いえ・・・その・・・べ、別に殿方にかわいいって言われても嬉しくありませんからね!?わ、私は北上さん一筋ですから!!そ、その・・・・」ゴニョゴニョ

 

「「「「「「「か、かわいい・・・・」」」」」」」

 

普段の大井からは想像出来ない態度である、思わず全員の声が一致してしまうほどの破壊力だった。

 

「ふぉぉぉぉぉぉ!!・・・ツンデレが・・・大井さんかわいすぎです!!是非お姉ちゃん候補に!!」

 

そうして北上に続いて大井も小町的お姉ちゃん候補にランクインするのであった・・・

 

「わ、私の事はいいですから!ほ、ほら!比企谷さんのメガネを選ぶのでしょう!?あ、これなんかいいんじゃないですかね?これ、すごく似合いますよ!!」八幡にメガネ装着

 

「「「「「あ」」」」」

 

小町、那須、熊谷、北上の声が重なる。図らずも大井が選んだメガネは八幡がC級に変装していた時と同じデザインのものだった、そしてその瞬間、大井の中でパズルのピースが埋まり始めていた・・・・

 

「ほ、ほら・・・・とてもよく似合って・・・・ん?メガネ?・・・・アホ毛アンテナ・・・・こまち・・・・」

 

「あ、あの・・・・大井?その・・・・非常に言いにくいのだが・・・・」カオマッカ

 

「少し黙ってください・・・・小町・・・・メガネ・・・・まさか・・・・ん?どうしたんですか?顔赤いですが?」

 

「うわぁ!八幡先輩の眼鏡姿かっこいいです!!それに大井先輩すっごく大胆ですね!!」

 

「や~やるねぇ~大井っち~♪」

 

「うふふ・・・比企谷君大胆ね♪」ゴゴゴ・・・・・

 

「へぇ・・・・比企谷、わかってんでしょうね?」ゴゴゴ・・・

 

「ふぉぉぉぉぉ!!いいよ!!お兄ちゃん!大井さん!!小町的にポイント高いよー!!」

 

「そ、その・・・大井・・・・近い・・・・・」

 

八幡にメガネを掛けた姿勢のまま考え始めていたため、大井の顔が急接近していたのだ。それに気づいた大井は当然、さっきの比では無いくらい顔を真っ赤にして慌て恥じめる

 

 

「・・・・・!!!こ・・・・これは・・・・違うんです・・・・・アンテナが・・・殿方で・・・・比企谷さんが・・・・・きゅう」

 

「うおっと・・・・気絶しちまったか・・・・・つか、バレなかったのを喜ぶべきか近くで顔を見て気絶されたことを傷つくべきか・・・・」

 

目の前で羞恥のあまり意識を手放してしまった大井をオートスキルで介抱しつつ複雑な心境になる八幡に北上がやさしく声をかける

 

「や~ハッチーさんごめんね~♪アタシも大井っちもあんまり男の人の知り合いいないからさ~免疫がない?っていうかね~とにかくごめんね~」

 

「あれま、これはちょっとからかいすぎちゃったかな~」

 

「そうね・・・こんどみんなであやまりましょう」

 

「うぅ・・・反省です・・・」

 

「しょうがないか・・・じゃあお兄ちゃん、小町達はちょっと早いけど帰るね!ちゃんと大井さんと北上さんを家まで送るんだよ!!」

 

「はぁ・・・・まあ無理やり起こすわけにもいかねぇしな、北上、すまないが道案内頼めるか?」

 

熊谷、那須、日浦が大井と八幡をからかいすぎたことを反省し、小町も仕方ないか、と今日の買い物を終了し、大井を家まで送るように八幡に指示する。

当然シスコンとオートスキル持ちの八幡に断るという選択肢はないため送ることにする。が、一人で大井をおぶっていれば職質待ったなしなので北上の同行を依頼する。

 

「う~んさすがにそれは悪いよ~大井っちが起きるのを待つから大丈夫だよ~?」

 

「気にすんな、これも小町の教育でな、ここで大井を置いて帰ったら小町に晩飯抜きにされちまうからな」

 

「うんうん、ご飯どころか家にいれないよ~」

 

さすがに申し訳ないのか断ろうとするも八幡の捻デレシスコンオートお兄ちゃんスキルと小町の援護射撃により北上も八幡の好意に甘えることにする

 

「う~ん・・・それじゃあハッチーさんお願いするね?那須さんたちもごめんね~今度また買い物行こうよ~」

 

「「「もちろん♪」」」

 

「それじゃあお兄ちゃん、大井さんのことちゃんと送ってあげてね♪」

 

「大井さんと北上さんのことよろしくね!比企谷君♪またお買い物行こうね♪」

 

「しっかり送りなさいよ~またね!北上さん!」

 

「八幡先輩。北上先輩またお買い物行きたいです!」

 

「おう、おまえらも気を付けて帰れよ、そんじゃあ北上、行くか」

 

「りょうかいだよ~よろしくね♪ハッチーさん♪」

 

それぞれと別れの挨拶をして帰路につく北上と八幡、そして八幡の背中には大井が安らかな寝息をたてていた・・・・

 

こうして休みの日と書いた八幡の試練の日は八幡にいくらかの黒歴史を追加し、大井と北上の好感度を変化させ、大井の意外な一面を見たことで幕を閉じようとしていた・・・

 

 

後日、那須隊へのお礼の品を遅れながらも購入した八幡が那須隊に真っ赤になりながらプレゼントを渡したり、気絶して送ってもらったことを謝罪しにきた大井がかわいかったりしたため、またもや八幡心の声が発動したりしていたのはまた別の話。

 

 

 

 

 

 




ふははははは!!大井ッちが好きだ!!ツンデレの大井ッちが好きだ!!でも那須さんの方がもっと好きです!!・・・いや、大井ッちの方が好きかも!?・・・・どっちも好きです!!

ちなみに北上様は戸塚とかと同じで違う枠組みですね、那須さんと大井ッちが好きで、小町と北上は天使枠です。

難攻不落となっていた大井ッちの攻略難度を下げすぎたせいで一気にちょろいんというか自動お兄ちゃんスキルの犠牲者というか・・・・バランスむずかしいね!!

さてさてこれで10話終わりました、ふん!べ、べつに暇で仕方ないから次の話も見てあげるんだからねっ!っていう方。ご褒美です、ありがとうございます!これからもお付き合いいただければと思いまっす♪


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八幡の戦い11~俺ガイルの始まりはふんわりと~

こんばんわ、今回からサブタイに話数もいれていきます、11話です

いつもコメントいただきありがとうございます!!少しづつお気に入りも増えてきたりとうれしい限りです♪もっと増えてもかまわんのですよ?チラッ

今回はふわっと俺ガイル原作に触れますが、今後も出るかは不明です。

でも、個人的にゆきのんとかいろはす、海老名さん、めぐりんは好きなので少しは絡みたいですね・・・・という思惑によりふわっと絡みます。




ーガイアの試練から数日後ー

 

「ね~ね~ハッチーさ~ん・・・・訓練付き合ってよ~♪こないだの防衛任務の時にいつでもどこでもいくらでも訓練付き合ってやるぜ!って言ってたじゃ~ん」

 

「比企谷さん、先程先生から解放して差し上げたのに北上さんのお願いを断るとは何事ですか?いい度胸ですね・・・」ゴゴゴ

 

学校でひと悶着あった後、八幡、大井、北上はボーダー本部に来ていた、その道中に北上に訓練に付き合ってほしいとずっと言われていたのだが、八幡はのらりくらりとかわし続けていた。

 

なんだかんだで前回の大井ツンデレ事件の衝撃により眼鏡のことが大井の頭から抜け落ちているようでほっとしている八幡だが、今日は先約があるため、北上の訓練に付き合えず、だが、お兄ちゃんスキルを持つ身では断ることも難しかった。

 

「いや、そこまでは言ってねえから、確かに訓練に付き合うとは言ったが、そこまで献身的では無いから、あと大井さん?怖いのでそんなに睨まないでくれない?」

 

ここ最近ちょろいんルートを走り始めている大井だが、いまだに比企谷隊への加入を渋っていた。今ではそれなりに八幡の実力を認めているし北上も懐いているためやぶさかではないのだが、最初に思いっきり断っていたため今更やっぱり入ります、と言いづらいのだった。ツンデレだった。ついでに八幡を直視するのが恥ずかしくてとりあえず睨んだりしてごまかしているとかいないとか・・・

 

「ぶーぶー!いいじゃんいいじゃん~!訓練付き合ってよ~」

 

「だだっ娘になってる北上さん、かわいい!!」キラキラ

 

八幡の手をとり左右にぶんぶん振りながらっ駄々っ子になる北上、それを見た大井が興奮する

 

「く・・・なにこの娘、めっちゃかわいいんですけど・・・天使かよ、天使だな・・・」ブツブツ

 

そしてそんな北上にノックアウトされた八幡、ブツブツとつぶやきながら北上に手をぶんぶんされている・・・

 

なんでこんなことになっているかというと・・・・

 

 

ー学校にてー

 

八幡先生に呼ばれる~例の課題でめっちゃ怒られて友達いないことをディスられまくる~強がってみるも強制奉仕活動を命じられそうになる~

 

と、よくある流れで拉致られそうなところに職員室にあらわれ颯爽と救い出してくれたのが大井と北上だったのだ

 

その際のやり取りが

 

「友達はいるのか?」

 

「少しは・・・」

 

「ほう?学校で君が友人と話しているのを見たことがないが?」

 

例の課題を読み上げられた八幡、友人の有無を聞かれ、正直にいると答えるも、目の前の暴力教師平塚は全く信じていなかった

 

「まぁ、1人が好きなんで・・・あとバイトがあるので部活も入れないですし」

 

「ふむ・・・・では君におすすめの部活があるのだが」

 

「いや、だからバイトが「「失礼します」」・・・あるんで部活は無理です」

 

八幡の発言の途中に見知った女生徒2人組が入ってきた、驚きながらも発言を続ける・・・彼女達はどうやらプリントを提出に来たようだ

 

「ふむ・・・友達のいない君の性格とか孤独体質が少しは改善できるかもしれないぞ?それとこれはふざけた課題に対する罰でもある」

 

そんな平塚の発言を聞いている間にも要件の終わった2人が今度は八幡達の方にやってくる

 

「いや、だから友達いますかr「あ~ハッチーさんだ~♪」・・・よう、北上、大井」

 

「こんにちは、比企谷さん」

 

そして八幡の発言を遮りながら北上が挨拶をしてそれに大井が続く、職員室であることを忘れているのかのような元気な声だった

 

「1年の大井と北上か。比企谷を知っているのか?」

 

「しってるよ~♪こないだも助けてもらったんだ~♪」

 

「はい、同じ職場の先輩です、先日もアドバイスをいただいたりと助けてもらいました」

 

「そ、そうなのか・・・比企谷はバイト先ではどうだ?」

 

まさかの職場の後輩とやらの参戦により動揺する平塚、それでも職務を全うすべく普段の八幡に着いて質問するも

 

「そうですね・・・たしかに普段の言動はあれですが、非常にまじめに働いていますよ?」

 

「うんうん、比企谷さんの友達にもよくしてもらってるんだ~♪」

 

さっきまでの会話を聞いていたのか八幡を擁護し始める大井と北上。そんな2人に感謝している八幡に対し、平塚はそうか、とつぶやきながら要件を言う

 

「ほんとに友人がいるのか・・・まあいい、今度バイトの無いときでいいから私の部活に入って欲しい、もちろん君の都合を優先するし、運動部でもないから安心してほしい」

 

「はぁ・・・どうして俺なんです?」

 

「うむ、理由は後日説明するが、君の助力が必要な生徒がいるんだ、おそらく君のような者にしか救えないと私は考えている。ついでに働き次第では内申もつけよう、どうだ?」

 

「はあ・・・わかりました、後日話は伺います」

 

最初に罰で~とか友人のいない~だのとごねられて強制入部になるかと思われたが、案外話のわかる教師、それが平塚だった

 

「うむ、助かる、では帰っていいぞ」

 

「はい、失礼しました」

 

「「失礼しました」」

 

こうして俺ガイルの始まりを告げるストーリーはあやふやに過ぎていくのであった・・・・

そしてそんな八幡の窮地を救った2人は八幡に訓練に付き合って欲しいと話すのであった・・・・冒頭に戻る

 

 

 

 

「ね~ね~・・・・いいでしょ~ハッチーさ~ん・・・・」

 

「はぁ・・・次はありませんよ?先ほど職員室で困っているようでしたので仕方なく救って差し上げたお優しい北上さんにそれ以上その態度をとると・・・・・・・・・・・もいでしまうかもしれません」

 

かわいらしくおねだりをする北上に八幡はほわっとして、その後の大井の発言とその目線の先にあるアホ毛を必死で守る。

 

「ヒッ!?そ・・・しょの・・・・訓練に付き合いたいのはやまやまなんだが、すまない、今日は先約があるんだ、だが、そうだな・・・よくよく考えたらあいつらに聞けばいいのか」

 

「ん?あぁ〜そういえば、もう那須さんには許可貰ったよ〜?」

 

「あと、小町さんの許可もいただいていますので安心してください」

 

「・・・・・・・え?」

 

本日この後は新しい戦術を試すため那須隊と合同での訓練予定だったのだ、那須隊とも仲のいい2人だからそちらに話が言ってるのは理解できるが、大井が当然のように小町に許可をもらっているのが意味不明だった。

 

「だ~か~ら~!那須さんと小町ちゃんに許可はもらってるんだってば~!!だからあたしと訓練しよ~よ~!!」

 

「八幡マニュアルにあった通り、小町さんの許可も頂いていますので、手続きとしては問題ありませんよね?」

 

可愛らしくおねだりしていた北上だが八幡的には問題点が別のところに移っていた。さらに大井も当然のように小町に認可を貰っているため、問題ないでしょう?と言わんばかりの顔をしていた。可愛いかった。しかし、その発言のなかに聞き逃すわけにはいかないフレーズがあった・・・

 

「え?なにそのマニュアル、俺知らないんだけど・・・っていうか、なんで本人じゃなくて、小町に聞くことが正しい手続きみたいな感じになってるのん?」

 

「あれ~?ちがうの~?なんか直接言っても絶対断るから~って教えてもらったんだ~」ニコッ

 

「このあいだ小町さんと連絡先を交換した際に比企谷さんへの依頼をするマニュアルをもらいましたので、その手順通りにしたのですが・・・・?」ハテ?

 

2人そろってニコニコしたり小首をかしげたりと大変かわいらしく、まあいいか・・・って気持ちになりかける八幡だったが、すんでのところで踏みとどまった、無駄な抵抗になるのだが・・・

 

「その・・・いろいろ聞きたいことがあるんだが・・・・それは小町からか?」

 

「そうだよ~♪」

 

「はい」

 

とりあえず拡散元を確認する、情報の拡散をとめる必要がある・・・このままでは八幡の日常が!マニュアルをなんとかしないと俺の明日が~とか考えながら情報を集めることに、拡散をとめ、各員から回収すればまだなんとかなるはず・・・!そう思っていた八幡だが

 

「ちなみに、それはどのくらい拡散してるんだ?」

 

せいぜい那須隊と加古、小南くらいか?と考えて聞く八幡だが、その返答はたいへんだった

 

「そうですね、正確なところは不明ですが、小町さんとかかわっているボーダーの方なら大体持っていると思いますよ?少なくともオペレーターと本部の方はほぼ全員持っているはずです」

 

「なん・・・だと!?」

 

本当にたいへんなことになっていることに驚愕する八幡、これでは回収するのは困難である、そして、入隊して1年そこそこの八幡に対してのマニュアルの拡散速度が異常すぎて小町のコミュニケーションスキルにも驚愕していた。どれだけ八幡を働かせるつもりなのか・・・

 

「ま~ま~大丈夫だよ~基本ハッチーさんにお願いをするときの方法がいくつか書いてあるだけだからさ~」

 

「そうですね、最終的な決定は小町さんが行うようですから、おそらく無茶なことはないと思いますよ?」

 

「ねえ?なんで最終決定権が小町にあることを当然のような感じで話してるのん?普通本人だよね?」

 

「「まあまあ」」ニコニコ

 

「・・・・そのニコニコでごまかすのもマニュアル?」

 

「「えへへ」」

 

とりあえずごまかすときはかわいく笑顔だよ!笑顔!!渋っているときは上目遣いで(涙目なら効果アップ)これが八幡とのやり取りの基本スタンスである。

 

「かわいい・・・・・こ、こんなことで・・・く、くやしい!でも許しちゃう!!」

 

当然ごまかされてるのを理解していながらもそれ以上追及できなくなってしまう八幡であった。

 

「仕方ない・・・・あとで小町にはあまり広めないように注意しとくか、このままだと俺死ぬし・・・・働きすぎて。働きたくない、働きたくないでござる・・・」

 

「まったく、これくらいで・・・もっとしっかりしないとだめですよ?」

 

八幡の働きたくない宣言により大井の世話焼きスキルが反応する、右手の人差し指を八幡に向けてやや前傾になりながら左手を腰にあて、仕方ないですね、という姿は八幡的にぐっとくるものがあった。かわいかった。ダメな先輩にメッ!ってする大井がかわいかった。

 

「ま、まぁ・・・話を戻すが、そういうことなら構わないぞ?いろいろと納得いかんがどうせ俺が何言っても無駄だろうしな・・・・」ハア

 

「やった~♪ハッチーさんと訓練~♪」

 

「「やだこの娘(北上さん)すごいかわいい」」

 

大井のかわいさに照れた八幡はわかりやすく会話の流れを変え訓練の同行を了承する。そしてそれを喜ぶ北上の姿をみた八幡と大井の発言が被る、似たもの同士である。

 

「そんじゃあ行きますかね・・・」

 

「お~♪」

 

「はいっ♪」

 

その後、ハイパーズと普通に会話しながらやってきた八幡にランク戦ブースにいるほとんどの隊員が驚愕して、さらに那須隊と合流することで周りからの視線がすさまじいことになり一瞬で帰りたくなる八幡であった・・・




いつも読んで頂きありがとうございます♪

大井っちへの愛が止まらない・・・・おかしい、最初は那須さんメインのはずだったのに・・・・いまからでも那須さんにハチの巣にされるだけの話に戻せるだろうか・・・・(意味不明)

さてさて、そんなこんなでほぼ大井っちは攻略されていますが、ツンデレのせいでいまだ比企谷隊に入れていません、今後のイベントで加入予定ですのでもうしばらくお付き合いいただければと思います。



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八幡の戦い12~訓練と天使とハラショーと~

こんばんわ、12話です

前回の話で俺ガイルは絡まなくてもいいんじゃね?ってコメントがありまして・・・・たしかにほんわかストーリー(仮)な今作は俺ガイル原作の話と合わなそうなんで今後は基本絡まない方向でいきたいと思います。いろいろとコメント頂きありがとうございました!!

前回の大井っちへのコメントをみてすごくテンションが上がりました♪自分の大井っちへの愛が少しでも読んでくれる方々に伝わるようにこれからも精進していきます!!


ー比企谷隊 隊室ー

 

「ふう、危なく死ぬかと思った・・・」

 

自分の隊室に入ったことで一気に気が緩んだ八幡は安堵のため息をこぼす、最近では普通に話せるようになっていたためすっかり忘れがちになっていたことだが、周りを(特に男)寄せ付けないことで有名なハイパーズと一緒にランク戦ブースに突入してしまったために、周りからの視線が大変なことになっていたのだ、

 

ニコニコ顔の北上に手を引かれながらやってきた八幡と、それを微笑ましく見ている大井の姿はまるで仲の良い家族のような暖かい雰囲気だったのだが、周りの視線に気づいた八幡と大井は大層慌てていた。

 

大井にいくら声を掛けても無視や睨まれていたC級からすれば、まさにハトがアステロイドを食らったような顔をしていた。

 

「私としたことが油断してしまいました・・・まさかあんなに注目されてしまうなんて」

 

もともと北上と大井のATフィールドによりかなり注目を集めていた2人だが、今回はこれまでの視線とは質が違っていたのだ。というよりも大井の場合は普段北上しか見ていなかったため気づいていなかったともいえるが

 

「や〜あれはすごいね〜あたしもびっくりしたよ〜」

 

さすがの天然ほんわか少女北上でも、先ほどの視線には思うところがあったらしく、苦笑していた。

しかし、八幡の試練はそこで終わりでは無かったのだ・・・

 

 

「おまえらあそこで追撃仕掛けるとかボッチに対する思いやりが足りないと思うのだが・・・・」

 

「いやーあははー比企谷達がすごい注目されてて、楽しそうだったからつい、ね?」

 

「ねえ?なんで楽しそうなの?あんな視線ボッチには地獄なんだけど」

 

そう、ただでさえ注目を集めていたのにそこからやたらと笑顔を浮かべた那須隊が合流したのである。完全にワザとと思われるレベルでめちゃくちゃにこやかに、可愛らしく合流してきたのだ。その瞬間周りの視線は驚きから殺意にかわりすべてのヘイトが八幡に集中したことで一気に帰りたい衝動に駆られていた。

 

「ごめんね?比企谷くん?面白そうだったから、つい・・・」

 

「面白そう、でボッチを追い込むのやめてほしいんだが・・・」

 

「「えへへ」」

 

両手を合わせながらごめんね?ってする那須と熊谷は少しあざとさを感じながらも大層可愛らしく、八幡はがしがしと頭をかきながらそっぽを向いて顔を赤くしながら許すのであった

 

「ま、まぁ気にしてないから気にすんな、最初から隊室で合流すれば良かったんだしな、まぉ正直ぼっち的にはキツイ視線だったから今度から少し配慮してくれると助かる」

 

「ありがと♪それじゃあそろそろ訓練始めましょうか?」

 

比企谷くんの反応は楽しんだしね、という言葉をこっそりつぶやきながら本日の目的に移る。

 

新しい戦術を試すのが目的である。早速と言わんばかりに準備に入る各員

 

そんなこんなあれやこれやで志岐にステージを準備してもらい訓練室に入る

 

まず最初は八幡対那須、その後に大井対熊谷、北上対那須~のローテーションだ。本来ならランク戦ブースでやる予定だったが、八幡の涙の懇願により隊室の訓練室を使うことにしたのである。

 

ー八幡 対 那須ー八幡 SIDE

 

「さてさて、今日の課題はスコーピオンとシールドを併用した接近戦だからな、がんばりまっしょい!」

 

俺はそんなキモいことをつぶやきながら那須に突っ込む。先日ランク戦ブースで三輪のシールドの使い方を見ていたのを試してみよう。

 

俺はシールドを8分割して前方に展開する・・・八幡だけに。おもしろくねえな・・・

本来イーグレットをシールドで防ぐのは集中させる必要があり大変だし、その場合には他のガードが無くなってしまうがこれなら少ないシールドで受け流すようにすれば他の攻撃にもシールドを回せるのではないかと思ったのだ。

1人でチーム戦に挑んでた時にはガードした横から攻撃のパターンにやられたものである・・・・

 

「那須、今回は俺アタッカーとして行くからヨロシク」

 

「そうねの?わかったわそれじゃあよろしくね」

 

そうして訓練の開始と同時に俺は那須に向けて走り出すと周囲にシールドビット的な感じで展開させる、イメージはガンダム00のロックオンの機体である。つかこれ五芒星とか描きながら展開できないかな・・・・リリカルな感じのシールドみたいにさ

そんな余計なことを考えながら突っ込んだせいかいきなり初弾が直撃してしまい左手が吹き飛んだ、いかんいかん、集中せねば・・・

バイパーなら問題ないがシールドを分割しているため、正面から受けることは避けるべきだろう、斜めに受け流すイメージで・・・・

 

 

 

 

 

 

「う~ん・・・考えは面白いけどさすがに難しいんじゃないかな?」

 

「ぐぬぬ・・・・」

 

そんなこんなで今現在7連敗中、ほとんど近づけませんでした・・・・鳥かごに対応するには錬度がたりなすぎたようだ・・・だが大分はじけるようになってきたし、次はうまくできる気がする・・・コツもつかんできたし。

 

「うふふ・・・それじゃあ比企谷君、いくよーバイパー♪」

 

かわいらしく言っているがえぐい感じのバイパーが飛んでくる、4方向から4発ずつくるそれを回避したりシールドビットではじき、残りをスコーピオンで切り裂いていく。うむ、最終的にはスコーピオンではなく回避とシールドで防ぎ切りたいなー・・・

 

「すごいすごい♪じゃあ次はこれで!トマホーク♪」

 

完全に遊ばれているのがわかるくらいすっごいニコニコしながら今度は合成弾を放つ那須、誘導炸裂弾のため、今までのように近くで受けるわけにはいかない・・・

 

「それなら・・・ファンネル!!」

 

ついつい言ってしまった・・・トマホークは自分から離れたところでシールドビットに当てれば問題無い。そしてその煙幕に隠れて一気に肉薄すれば・・・・

 

「ざんねん♪狙い通りでした♪」

 

煙幕から抜けた瞬間那須のフルアタックバイパーが飛んできて緊急脱出・・・ぐぬぬ・・・・完全に遊ばれてるな・・・・さっきからすげえニコニコしてるし・・・・

 

こうして那須との訓練は全敗に終わり、その後も何回か相手を変えて練習するもなかなかうまくはいかなかった、これからも精進していこう。

 

「じゃあ最後にチーム戦の練習しようか?ちょうど茜ちゃんと小町ちゃんも戻ってきてオペレーター付きで3対3でできるしね、大井さんと北上さんも正式に入ったわけではないけど付き合ってもらってもいいかな?」ニコ

 

「お~♪チーム戦か~楽しみだねぇ~大井っち~♪こないだの防衛任務ではハッチーさんの足を引っ張っちゃったけど、今回はがんばるよ~!!」フンス!!

 

「ふふ♪そうですね、がんばりましょう北上さん♪比企谷さんも隊長としてお願いしますね?」ニコ

 

「お、おう・・・・お手柔らかにたのむわ」

 

最後にチーム戦か・・・ここでうまい事やれれば、大井の心証よくなるかね?幸い北上も大井もやる気十分って感じだから面白い戦いになりそうだな・・・・

そうして俺たちはフィールドにランダムで転送されてチームランク戦の練習を開始した

 

「よし、それじゃあまずは2人とも合流を優先してくれ、小町は合流ポイントをナビしつつ狙撃ポイントの洗い出しを優先、俺は那須と熊谷の足止めを行う」

 

「は~い、小町におまかせ~♪」

 

「「了解(だよ~)」」

 

さてさて、マップ上のマーカーは北西に大井、南に北上、東側の北と南が那須、熊谷、バックワームを使ってる日浦は当然消えてるが、那須と熊谷の動きから予想は出来る。おそらく那須と熊谷がそれぞれの中央に向かって動いているからその後方付近にいると予想できる、ちなみに俺はほぼ中央にいた

 

「大井、北上は日浦の狙撃に注意してくれ、それじゃあいくかな・・・グラスホッパー!からの~アイビス!!」

 

俺はグラスホッパーで直上に大きく飛ぶと同時にアイビスを出す、それから熊谷、那須と思われるマーカーに向けてアイビスを放つ。日浦の場所は不明だがおおよその方向は予想できるためシールドを張るのも忘れずに砲撃する

 

「ふむ、日浦もさすがに今のではつられないか、小町、北が那須で南が熊谷だ。プランはBで行くから2人のナビを頼む、ポイントは北東、北上はバックワーム装備、大井は北上のガートをしつつ、那須に回り込むように動いてくれ、移動ポイントとタイミングは小町に任せる。勝つぞ」

 

「「「了解(だよ~)」」」

 

さてと・・・それじゃあこちらも熊谷と那須の注意をひきつけますかね・・・

 

「もいっちょグラスホッパー!!からの~狙い撃つぜ!!」

 

ほんとはぜんぜん狙ってないけどね・・・・レーダー頼りで適当に砲撃する。さすがに当たらないが注意は引けたようだ、2人がこちらに向かってくる

 

「今回のチーム戦も1人でやるの?大井と北上と協力したら?」

 

「ま、それはみてからのお楽しみってことでな、ちゃんとした勝負にするから安心してくれ」

 

そんなことを話しながらバイパーで牽制しつつシールドビットを展開させる、まずは日浦の位置の特定を急がなければ

 

「小町、まだか?おそらく那須と熊谷の動きから東側の中央付近だと思うんだが」

 

「う~ん・・・たぶんここか、ここかな?」

 

「了解した、ポイント1は俺が狙撃する、2は北上が頼む、大井はどちらも攻撃できる体制をとりつつ、那須を警戒、いくぞ!!」

 

それと同時に俺はグラスホッパーで熊谷をはじき、その瞬間アイビスを出現させ放つ、もう一つのポイントも北上が攻撃してるだろう。

 

 

「あれ~避けられちゃった~ハッチーさんこっちに日浦さんいたよー」

 

「了解した、北上はそのまま追撃、大井は那須を抑えてくれ、その間に熊谷の戦闘力をけずる」

 

「「りょうかい(だよ~)」」

 

アイビスを消してスコーピオンを出す、狙撃がなくなったため、シールドを消してサブでバイパーを放つと同時に一気に肉薄する、熊谷はシールドでバイパーを防ぎつつ弧月を横なぎにふるうが、スコーピオンで受け流しつつすれ違いざまに熊谷の左腕を落とす、更にそのまま距離をとり、熊谷にメテオラを放ちながら那須に向かう。

 

「熊谷の腕は落とした、このまま2対1で那須を落とすぞ、大井」

 

「はいっ、早めにお願いします。さすがはお姉さまです、私一人では難しいです・・・」

 

「すぐに合流する、それまでは耐えてくれ、合流したら那須の視界をふさぐから、そのままフルアタック」

 

「わかりました」

 

そんな通信をしながらも、熊谷の進路を妨害すべくやや移動速度は落ちるがスパイダーを仕掛け、大雑把に弾道設定したバイパーを放つ、本来弧月を両手持ちして戦うスタイルだが左腕を失った熊谷では今後の戦闘力低下は否めないだろう。

 

「よし、配置についた、行くぞ、トマホーク」

 

「了解です、ハウンド!」

 

そうして大井と連携して那須に攻撃を開始する、とその間に北上の方から光が上がる、

 

「今、日浦ちゃんを落としたよ~」

 

「よくやった、北上はそのまま熊谷を攻撃してくれ、おそらく那須と合流してガードに入る筈だ、横から攻撃してくれ」

 

よし、日浦に仕事をさせずに落とせたのはでかい。熊谷も戦力低下しているから連携すればかなり優位に戦えるだろう・・・

 

 

 

 

 

・・・・・と思っていた時期が俺にもありました・・・・はい、負けました。・・・うそやん!?あそこからひっくり返すとかマジかよ・・・

 

「いや~いまのはさすがにやばかったわね~まさか即席チームにここまで追い込まれるとはね~やるじゃない比企谷」

 

「くまちゃんの言うとおりね、すごいわ比企谷君♪いきなりであそこまで戦えるなんて」ニコニコ

 

「うぅ~ごめんよ~ハッチーさん・・・あたしが熊谷さんに負けちゃったから・・・」ショボン

 

「そんな!北上さんは悪くないです!!私がもっとうまく戦えていれば・・・・」グヌヌ

 

そう、左腕を落としただけで大井との合流を優先した後、北上に熊谷を追撃させようとしたが、熊谷が片腕ながらも意地で北上を撃破し、それに動揺した大井が那須に倒されてしまった。そこからは俺も粘ったのだが、熊谷を倒して那須の腕を飛ばしたところで敗北してしまったのだ・・・

 

「いや、2人ともよくやってくれた、むしろ今のはあの状況で北上を撃破した熊谷がすごかったってとこだな、だから気にすんな、それよりも勝たせてやれなくてすまなかったな」ナデナデ

 

あ、しまった、またオートスキルが出てしまった・・・小町の教育のせいで落ち込んでる子を見ると気づいたら手が出てしまう・・・手がでるって字面だとやばさがぱないな・・・まあ北上もニコニコしてるから大丈夫だろう・・・

 

「うぅ~次は勝とうね?ハッチーさん・・・」ニコッ

 

「お、おう・・・・・くっそかわいいなおい」ボソッ

 

落ち込んで若干涙目になりながらも強がって笑顔を向けてくれる北上にラブアローシュートされてしまった・・・さすがは小町に並ぶ天使だ、この笑顔守りたい・・・

 

「それと、大井もすまなかったな、せっかく那須を抑えてくれてたのに」

 

「いえ、私の力不足でした、北上さんを守れるようにもっと強くならないと・・・!」

 

フンス!と意気込みながら胸の前でぐっっとこぶしを握って気合を入れる大井・・・すごくハラショーです。がんばるぞいとか言ってくれないかな・・・言ってくれないか。

 

「どぅわぁぁぁぁぁぁ~!!何もできなかったです~すみません~!!」

 

「よしよし、次は頑張りましょうね茜ちゃん♪」

 

「次はちゃんと守るからね、ごめんね?茜」

 

うむ、あっちはいい感じにゆるゆりしてますな・・・・すごくハラショーです・・・・

 

「うんうん、いい感じだよ♪お兄ちゃん♪小町的にポイント高い♪」

 

「いい感じに終わらせようとしているが、小町?帰ったらマニュアルについて話があるからな・・・」

 

「・・・・えへ♪お兄ちゃん、大好き♪」ダキッ

 

「・・・・ハッチーさ~ん・・・・もっと~・・・」

 

くそう・・・マイエンジェル小町にこんなこと言われたら許してしまう・・・!!ついでにさっきから北上が横で撫でて欲しそうな顔しててヤヴァイ・・・かわいい×かわいい=すごくハラショーで八幡的にポイント高い!!

 

 

 

その後、結局八幡マニュアルについてはかなりうやむやにされたが、なんとかこれ以上の拡散は止められたのでそれ以上はあきらめることにした。べ、べつに小町に嫌われそうだからやめたんじゃないんだからね!・・・ないな。

こうして先生に呼び出されたことをすっかり忘れた俺の一日は妹に抱き付かれながら北上を撫で、キャーキャー北上に興奮している大井をなだめて過ぎていった・・・・

 




と、いうわけで、今回は普通に訓練の話でした、那須さんと絡みたかったのです・・・・

自分の那須さんにバイパーで~っていう願望が出てしまった・・・前回の大井っち大プッシュ祭りからのまさかの不意打ちをしてしまった、大井っちフィーバーを楽しみにしていた方、申し訳ありませぬ・・・

また八幡の学校についてのコメントも頂きましたので次回あたりにふんわりと設定入れますね、大井っちと北上のトリガーセットとか各員のパラメーターとか考えた方がいいんですかね?

今後は正直戦闘とか大規模侵攻的な話にもってく気はいまんとこあんま無いのでそこらへんは気分が乗ったら書きますね?

それでは一句 大井っち 大好きすぎて 鼻血だす マガジンの川柳少女読んでたら浮かんできました・・・
  
読んでくれた方々今話もありがとうございました♪これからもよろしくお願いしまっす!!


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八幡の戦い13~べすとぷれぃす?~

こんばんわ13話です

今回は少し短めに、あと簡単な設定?的なものを入れます

基本的に今後はあんま戦闘的な話はいれない予定ですが、一応トリガーセットも入れておきます。




今更ですが設定でっす

 

総武高校にかよっているボーダー隊員

3年 荒船、犬飼、今、国近、加賀美、穂刈、

 

2年 那須、小南、宇佐美、綾辻、氷見、奈良坂、三上、辻、熊谷、出水、米屋、三輪

 

1年 北上、大井、歌川、菊地原、染井、小寺、照屋、烏丸、時枝、佐鳥、志岐、

 

ってかんじです。だが、日常系作品を自称している今作ではあんまり出ません。オペレーターでもう少し、ボーダーの戦闘員で絡ませやすい槍バカ、弾バカ、迅バカにこちらももう何人かのみの登場予定です。

現時点でダブルクロスしている今作ですが、これ以上のクロス予定はありませんが、気が向いたら艦これからもう一人くらい友情出演するかもです。

 

 

大井トリガーセット

 

メイン ハウンド スコーピオン メテオラ シールド 

 

サブ  アステロイド スコーピオン シールド バッグワーム 

 

感覚派な加古のトリガーセットを参考にしている。接近戦をするためスコーピオンをいれ、北上を守るためにシールドはメインとサブの両方に入れている。得意技はスコーピオン2刀によるスターバーストストリーム(仮)

 

北上トリガーセット 

 

メイン アステロイド メテオラ バッグワーム シールド

 

サブ  アステロイド バイパー ハウンド シールド

 

こちらは出水のトリガーセットをそのままコピーしている。

トリガーセットを決めるときに考えるのが面倒だったから八幡と大井に泣きついて一緒に考えたというエピソードも、意外と合成弾が「やってみたらふわっとできた」ため出水のトリガーセットを入れることに。

なんだかんだで八幡より早く合成できたことに地味に傷ついた八幡がいたとかいないとか・・・・

 

八幡トリガーセット

 

メイン スコーピオン アステロイド アイビス スパイダー 

 

サブ  バイパー メテオラ シールド グラスホッパー 

 

チームでの戦いの必要性を実感したため、トリガーセットを変更した八幡、合成弾の作成が北上の方が早いことに気づいたため、合成弾をやめた。最近の流行はシールドビット(仮)を使った近接戦闘。

シューターとしては早々に北上と大井に勝てないと考え近接戦闘寄りなトリガーセットに。

 

学校では基本一人の時間を~という八幡の願いからボーダーの人間が休み時間などに絡んでくることは無いが、イベントや体育のペア等でさりげなく絡まれているため、原作の八幡ほど孤立していない。クラスでは宇佐美、氷見、綾辻が同じクラスなためちょくちょく委員会や生徒会、クラスの仕事を押し付けられたりしている。

ついでに北上と大井は大規模侵攻以降一緒に住んでいます。

 

 

 

 

ー総武高校 購買にてー

 

那須隊、北上、大井との合同訓練の翌日学校の昼休みにて八幡は購買で本日の食糧を確保するべく並んでいると、最近では聞きなれた少女たちから声を掛けられる

 

 

「やっほ~ハッチーさん♪昨日ぶり~♪」ニコニコ

 

「こんにちは比企谷さん」ペコ

 

「おう、2人とも購買か?」

 

見ればわかるだろ的な質問を投げる八幡だが、大井と北上の昼食が購買のパンというイメージがわかなかったためなんとなく、という感じで聞いていた。

 

「そ~なんだよ~いつもは大井っちのお弁当なんだけどね~たまには購買で買うのもいいよね~♪」

 

「すみません北上さん・・・私が寝坊してしまったせいで・・・・」シュン

 

「気にしないでよ大井っち~いつも作ってくれてるし、今日はそのおかげでハッチーさんに会えたしね~♪」

 

「北上さん・・・!」ウルウル

 

普段はきっちりしっかりまじめな大井は今日は珍しく寝坊してしまい、そのために弁当を作り損ねてしまったのだ。申し訳なさそうに謝る大井に北上はにこやかに気にしないで、と言いつつ流れるように爆弾発言を放った。並みのボッチなら今頃告って振られちゃう、振られるのかよ、というテンプレートを頭の中で繰り広げる八幡は華麗に北上の発言をスルーする。

 

「しょ、しょうか・・・」

 

スルー出来ていなかった。

そんな八幡を見てなごんだのか、珍しく大井が八幡に話しかけていた。最近では北上が大分八幡に懐いてしまっているため、クレイジーサイコレズと謳われているいる大井でも先ほどの発言くらいなら特に気にしていなかった。

 

「ふふ♪あ、失礼しました//そ、そういえば比企谷さんは普段どちらでお昼をとられているんですか?」

 

「ちなみにあたし達は教室で食べてるんだ~♪大井っちのお弁当はおいしいんだよ~♪」ニパー

 

「「なにこのかわいいいきもの・・・・・」」

 

そんな北上のほんわかニコニコによって骨抜きにされる大井と八幡。

 

「・・・っは!お、おれは普段はベストプレイスで食べてるぞ、あまり人が来なくて静かに過ごせるんだ、雨の日は無理だし、冬は寒くて大変だがな」

 

「べすとぷれぃす?」

 

「静かにすごせるんですか?もしよければ今日私たちも同席してもいいでしょうか?」

 

微妙な発音で聞き返す北上に若干きゅんきゅんしつつ大井が八幡に同席を求める。普段教室で食事をしているが、北上と静かな時間を過ごしたい大井としては騒がしい教室で食べるのは本意ではないし、それとは別に八幡に相談があったのだ、なんならその相談事のせいで昨日は寝るのが遅くなってしまっていた。

 

「ん?まあいいぞ?んじゃあパン買ったら行くか」

 

「おぉ~!たのしみだねぇ?大井っち」

 

「はいっ♪そうですね北上さん♪」

 

「いや、そんな楽しみにされるようなとこじゃないからあんまりハードル上げないでくんない?」

 

「「えへへ♪」」

 

めっちゃにこにこしている2人がかわいすぎて少し顔を赤くして購買に視線を戻す八幡、そしてそんな八幡の反応が嬉しいのか北上は流れるように八幡の手を握りぶんぶん振りながら楽しそうに世間話を始める。

 

購買でそれぞれパンを購入し、ベストプレイスにいくまでも北上は八幡の手を取りながら楽しそうに最近の出来事を話し、それに大井と八幡が相槌を打っていると間もなく目的地に到着した。ちなみに移動している間は終始八幡の顔は赤かった・・・

 

「ん、ここが俺のベストプレイスだ、あんまり人が通らなくて静かに過ごせる、それとここはいい感じの風が流れるんだ」

 

「へ~いいねぇ~♪」

 

「そうですね・・・静かですし、気持ちのいい風です。とてもいい場所ですね♪」

 

最近ちょろいんルートを爆走している大井はそんな感想とともに穏やかな微笑みを八幡に向ける。最近では忘れがちになっていたし、なんだかんだでお兄ちゃんスキルにより大井と北上を妹のように見ていたが、こうもまっすぐに感謝と微笑みを向けられるとすぐに赤くなってしまう八幡であった。それをごまかすべくどかっと雑に座り2人を促す

 

「お、おう。サンキュな、それよりも早く飯を食べようぜ」

 

「は~い♪ごっはん~♪ごっはん~♪」

 

「ふふ♪そうですねそれではご飯にしましょうか♪」

 

そうしてパンを食べ始める3人、ニコニコしながら「おいしいね~♪」という北上に「そうですね♪」と大井が応え、それを静かに八幡が眺めていた。

そうして穏やかな時間が流れてしばらく、食事が終わった北上は大井の膝枕で穏やかな寝息をたてていた。

 

そんな北上の頭を優しく撫でながら、大井の頭は考え事でいっぱいだった・・・・それは・・・

 

「今更なんて言えば比企谷隊に入れてもらえるかしら・・・・」ボソッ

 

「ん?大井、なにか言ったか?」

 

「い、いえ!なんでもありません!!風が気持ちいいなって思って//」

 

「そうだな・・・・そう言ってもらえると案内した甲斐があるってもんだ、ありがとな」

 

「は、はい//こちらこそありがとうございます・・・」

 

「「・・・・・・」」

 

「う~ん・・・・大井っち~体触るのや~め~て~よ~・・・・・ムニャムニャ」

 

「「!!」」

 

「このご時世にムニャムニャって言うとは・・・さすがは小町に次ぐ天使ってとこか・・・・しかし、お前らやっぱりそういう関係なのか?」

 

「・・・・かんけい?・・・・っは!いえ!!そういうわけではありません!確かに私は北上さんが大好きですが!比企谷さんが考えているような・・・・その・・・//」

 

北上の寝言に八幡が若干引きながら大井に尋ねると、あたふたと両手を前に突き出して顔と一緒にぶんぶん振り否定する。必死になって否定しようと慌てている大井が普段のクールな感じとは違いたいへん可愛かった。

 

「ま、まあ?俺のクラスにも腐女子いるし、人の好みはそれぞれだからな、俺は気にしないぞ?」

 

「あ、ありがとうございます・・・っじゃなくてですね!?その・・・いえ、もういいです・・・・はぁ・・・・」

 

八幡の説得を早々にあきらめる大井、今日の本題はそこではないことを思い出してどうしたものかと再度考え始める・・・そんな大井を見て八幡も思うところがあるのか静かに過ごし始めた・・・

 

そうして無言の時間が続く、先ほどの穏やかなものとは違い、何やらブツブツ言いながら顔を赤くしている大井は大変かわいらしかったのだが、先ほどから何かを言おうとしては辞める、ということを繰り返しており、そんな大井の変化を敏感に感じ取った八幡はいつでも土下座が出来るように心構えしていた・・・とりあえず、さっきのからかい過ぎたかな?とかよくわからないけど大井は怒っているのだろうと考えていたのだ・・・さすが八幡である。

 

「あ、あの・・・・!はち、じゃなくて比企谷さん!!その・・・・えっと・・・」

 

「お、おう・・・・よくわからんが落ち着け、とりあえず土下座すればいいか?それともMAXコーヒーか?」

 

「い、いえ・・・・その、そうではなくてですね・・・・ぐぬぬ・・・・」

 

最初に思いっきり断っていたせいで今更やっぱり比企谷隊に入れて下さいと言うことが出来なくなっている大井。異性に対して免疫が無いためどうすればいいのかわからなくなってしまった。あまりにもわからなくなりすぎて思わず涙目で八幡を睨んでしまうのであった・・・

 

「なんかわからんが、すまん・・・・」

 

「い、いえ・・・そうではないのですが・・・・その・・・・」

 

よくわかってない八幡がよくわからずに謝罪するが、大井の頭の中ではそもそも隊員を勧誘する話はどこにいったのだろう?とか最初の頃はちょくちょく勧誘してきたのに最近では全くそういう話をしてこない、会話の内容は訓練か日常会話のみ、すでに勧誘は辞めたの!?そっちから勧誘してくれないと!みたいな感じでだんだん怒りがこみあげてきていた。

完全に八つ当たりだが、大井のプライドが自分から入れてくれと言うことを否定していたのだ。もっとも恥ずかしくて万が一いま八幡が勧誘してもツンデレを発動して断ってしまうのだろうが・・・・

 

そんなこんなで微妙な空気は予鈴の音によりかき消され、北上を起こした大井は2人で教室に戻るのであった

 

「そ、そろそろ次の授業が始まるので戻りますね?す、素敵な場所を教えて頂きありがとうございました」ペコ

 

「うぅ~眠いぃ~ハッチーさんまた後でね~あと今度からあたし達もここで食べていい?」

 

「おう、かまわんぞ。そもそもここは俺専用ってわけじゃないしな」

 

「ありがと~♪じゃあまた明日も一緒に食べようね~♪」

 

「ありがとうございます、それでは失礼しますね」

 

「おう、またな・・・・・ふぅ・・・・・それにしても大井はなにに怒ってたんだ?後で小町か那須に相談してみるか」

 

こうして総武での昼休みが終わり、そのまま放課後、八幡は昨日の平塚の部活に加入してほしいという話を聞き、いくつか交渉した結果、例の部活への加入を見送るのであった・・・・見送るのであった・・・・

 

また、その際には綾辻を召喚し生徒会の仕事を手伝う、ということで平塚の説得に協力してもらった。内申を~とねばる平塚に綾辻は生徒会枠に八幡を入れることで封殺し、無事、八幡の平和は守られたのであった・・・

 

その時の八幡はたしかにそう思っていたのだが、この安易な生徒会加入(仮)が後に新たな仕事を呼び込む事に気づいていなかった・・・・

 

 




と、いうわけで強引に俺ガイル原作の話と離れさせてもらいました、今後は名前くらいしか出ないと思います、同じクラスだしね、しょうがなし・・・・

ぼちぼち大井っちが仲間入りしそうですね、ちょろいん化しすぎたからツンデレでバランスをとった結果が今の大井っちです。

ほぼ陥落している天の邪鬼な大井っちをいかにして素直に比企谷隊に入れるか、今後はそんな話になります。

それでは今話も読んで頂きありがとうございました!これからもよろしくお願いします♪


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八幡の戦い14~新たな職場、それは生徒会~

こんばんわ14話です

ここにきてようやっと追加キャラ参戦です、綾辻はいろんな方が参戦させているからいいかな~とも思っていたのですが、ワートリ感出すために出場してもらいました。

冷静に見返してみると自分のこれ、全然ワートリ感無いんですよね・・・・ほぼ那須隊と北上、大井しかでないし、そんなこんなでボーダーの顔に参戦してもらいました

ひゃみさんかわいいよ、ひゃみさん・・・・


ー生徒会室ー

 

昼休みに大井、北上と昼をとり、平塚にお断りをしたその翌日の放課後、比企谷八幡は生徒会室に連行されていた

 

「どうしてこうなった・・・・・」

 

「よろしくね!比企谷君♪」

 

本日の八幡のスケジュールはというと・・・・

1.愛しのシスターに優しくたたき起こされる

 

2.愛しのシスターを学校にデリバリー

 

3.自分の教室に付き、寝たふりをするも綾辻に放課後開けておくように通達される

 

4.北上、大井と昼ごはん しふくのひと時だった・・・

 

5.午後の授業を華麗に聞き流す

 

6.授業終了と同時に帰ろうとするも宇佐美、氷見、綾辻に確保され、連行される~

 

そんな感じの流れだった。

朝教室に入った時に綾辻に言われていた時から八幡に逃げる道は残されていなかったのだ

 

昼に天使北上の癒しパワーによりリフレッシュされていたはずの八幡は、これからのお仕事という名の生徒会の手伝いにげんなりしていた、ついでに他の理由でもげんなりしていた

 

「それとだな、綾辻に氷見、宇佐美、たのむから学校で話しかけるのは勘弁してくれませんかね・・・・ボッチは視線にビンカンなのですよ?」

 

「うん、ごめんね?でも今日から比企谷君も生徒会員だから一緒に行くのは自然でしょ?」

 

「ごめんね~?八幡君はこうでもしないと逃げそうだったからね~?あ、お詫びに眼鏡あげようか?」

 

「私たちも手伝いますのであきらめてください」

 

「ぐぬぬ・・・言い逃れするための一時的加入だと思ってたのに本当に生徒会に入れられるとは・・・・仕事したくないでござる」

 

こうして八幡は最近得意になってきたドナドナの歌を口ずさみながら生徒会室に連行されていたのであった・・・

 

「まあまあ♪比企谷君書類仕事早いからいてくれると助かるんだよ~お願い♪」

 

こうして両手を合わせてかわいらしく小首をかしげながら話すのは綾辻遥、ボーダーの顔である嵐山隊のオペレーターで防衛任務だけでなく、広報活動や入隊指導、学校では生徒会副会長と優等生の中の優等生である、その容姿からボーダー、学校にファンも多く、こうして一緒に歩いてるだけでもかなりの数のヤローから殺意のこもった視線で睨まれていた・・・い、胃が・・・・とかつぶやきながら八幡がどんよりしていると

 

「もう!生徒会に入っちゃったんだからあきらめなよ八幡君、ところで眼鏡は?」

 

語尾に眼鏡をつけ続けている少女は宇佐美・・・・結構前に説明したので割愛する、今日も眼鏡姿が素敵である

 

「しょうがないですね、あとでMAXコーヒーを差し上げますので頑張ってください」

 

先ほどからクールに対応している少女は氷見亜季、二宮隊のオペレーターで元あがり症で鳥丸に恋する乙女連合の1人、つるつるヘアが特徴である。

なんでも鳩原さんに何かを言われて2秒であがり症を克服したとかいう逸話をもつ少女である。普段は超クールなのに犬飼からひゃみさんとか呼ばれているという一面も持っていた、その少女は八幡の前にMAXコーヒーを置き、これで文句ないでしょう?という顔をする。とてもクールだった。

 

「はあ・・・入るって言った以上しょうがねえか・・・・んで?俺は何すればいいんだ?」

 

「ありがと♪じゃあこっちの書類の整理をお願い!」

 

「了解だ」

 

そうして書類仕事をしていると、最初の頃は無言で仕事をしていた3人が話し始める

 

「そういえばもうすぐ6月か~ランク戦が始まるね~」

 

「おお~そういえばそうだね~まあうちは関係ないけどね~」

 

「玉狛はランク戦参加できないからしかたないですね」

 

そういえば、と綾辻が話だし、それに宇佐美、氷見が続く、そんな会話をしながらも作業速度は衰えることなく会話は続いていく

 

「うちは木虎ちゃんが入ったから今回は結構いいとこまで行くと思うんだ~♪みんな気合はいってるからね~!!」

 

フンス!と気合をいれる綾辻、すんごいスピードで書類を片付けながらの姿は少し抜けててかわいかった

 

「おぉ~!そっか~木虎ちゃんかーたしか八幡君仲良かったよね?」

 

「そうなんですか?」

 

綾辻にほっこりしている八幡に宇佐美と氷見が問いかける、たしかにほぼ同期でB級に上がってからしばらくはスパイダーの研究や個人ランク戦をしたりと木虎と八幡はそれなりに仲がよかった。

 

実際には2人とも互いをライバル視しているのだが、現在ではB級で小町と2人ボッチな八幡と、今やボーダーの顔となった嵐山隊の木虎では勝敗は明らかではあったが・・・・

 

「ん?まああいつが嵐山隊に入るまでは一緒に訓練とかしてたな・・・いまじゃあ勝てる気がしないけど」

 

「そうなんだ~♪そういえば比企谷君のところはどうするの?」

 

「めんどいから出ない」

 

「あれ?そうなの??でもこないだ小町ちゃんが申請にきてたよ?」

 

「なん・・・・・だと!?」

 

木虎の話から今度は八幡の方に話題が飛んでくるが、八幡は前回の小町の強制参加申請による一人ぼっちの戦争で懲りていたため、当然のごとく参加しない旨を話すが、そうもいかなかった。やはり小町が先回りして参加申請をしていた・・・・

 

「まあまあ、八幡君のとこも今は大井さんと北上さんの2人が参加してるから今回は結構いいとこにいくんじゃない?」

 

「・・・・・ん?」

 

宇佐美の発言に小首をかしげる八幡、なにか重大なことを忘れている気がしていた。そんな八幡の態度をスルーしながら話題は進んでいく。

 

「あの二人ですか、隊長がめずらしく褒めていましたね、あの二人を。なかなか見どころがあると。あと比企谷君が勧誘していると話したら珍しく楽しそうに笑っていましたね」

 

いろいろと厳しいことで有名な二宮、教えを乞うてもぼろくそに言われすぐに根を上げてしまう隊員がほとんどで、そのためこれまでは特定の弟子をとらなかった。

だが小町の依頼によりシューターとして以前一度だけ八幡に訓練をつけてからはそれなりに気にかけるようにしていた。ぼろくそに言ってもめげず、呑み込みが早く、トリオン量も申し分なく、素質も有りで教えるのが楽しかったらしい。

それ以降は小町が二宮に怖がって依頼に来ず、出水や那須、加古のところに行ってるとしって若干落ち込んでいたとかいないとか・・・まさかのツンデレだった

 

「二宮さんか・・・あの人との訓練があったから俺は強くなれた気がするよ、あの訓練は地獄だった」

 

「そ、そうなの・・・?」

 

「ああ、とりあえず個人ランク戦をして一回ごとにぼろくそに言われるんだ、二宮さんの基準になるまでひたすら・・・・あれで何度心が折れそうになったか・・・小町の笑顔が無かったら辞めてたかもしれん」

 

「そ、そうなんだ・・・・さすがだね、いろいろと」

 

そんな八幡のシスコンに綾辻と宇佐美が苦笑いをすると

 

「それでは今度のランク戦では大井さんと北上さんと比企谷くんで参加するんですね」

 

氷見が話を戻してくれる、さすがは敏腕オペレーターである。八幡が作り出した微妙な空気をすぐさま戻してくれる・・・が

 

「あれ?でも申請はたしか比企谷君だけだったような・・・?」

 

「・・・・・・・・・」冷や汗ダラダラ

 

「そうなの八幡君?あれ、大丈夫!?眼鏡いる!?」

 

「・・・・・・・てた」

 

はて?と首をかしげる綾辻にかわいいなとか考えながら八幡は冷や汗をかいていた、そんな八幡の変化に心配した宇佐美が慌てて眼鏡を掛けさせようとするのをガードしながら衝撃の事実を口にしていたが、だれも聞き取れていなかった

 

「「「??どうしたの??」」」

 

「・・・・・・・忘れてた」

 

「「「「え?なにを?」」」

 

八幡の忘れてた宣言に3人がそろって首をかしげながら聞き返す、無駄に息ぴったりで綾辻はかわいらしく、氷見はクールに、宇佐美はほわほわしながらとそれぞれのかわいらしさが際立っていたが、今の八幡は違うことで頭がいっぱいだった

 

「その・・・・勧誘するの、忘れてた・・・・・てへぺろ」

 

「「「ええ~~~~!?」」」

 

そんな八幡の発言に驚愕する3人、はっきりと発言したことで吹っ切れたのか、今度はそんな3人のそれぞれの反応に心がぴょんぴょんすんじゃ~とか考える余裕が生まれていた、現実逃避とも言えるが

 

「え!?なんで!?最近よく話してたりするの見るからてっきりもう比企谷隊に入ったのかと思ってたよ!?」

 

「「うんうん」」

 

そんな綾辻の発言に氷見と宇佐美はそろってうなずく、今日のシンクロ率は異常だったと後に彼女らは語ったとか・・・

 

「うむ・・・それなんだがな・・・・最近よく絡まれてたからか、俺もそんな気になってたが、よく考えたらちゃんと言ってなかったわ」

 

やべー、っべーとかつぶやきながら八幡が話すと3人共あきれてしまったのかため息をつく。

 

「「「はぁ~~・・・・・」」」

 

「なんか、その・・・・すみません」

 

とりあえず謝罪する八幡、困ったときは謝罪だよ♪謝罪♪そんなどっかのカナリアみたいなことを考えながら謝罪する。

 

「うん・・・・まあ八幡君だしね、しかたないね~」

 

「そうですね、幸いチームランク戦のメンバーー変更は途中でも可能ですから今からでも大丈夫です」

 

「そ、そうだね!私達も手伝えることがあれば言ってね!」

 

「うぅ・・・・すまん、助かる。とりあえずこの後本部に行って小町に相談してみるわ」

 

「うんうん、そうした方がいいね♪それじゃあこの書類もさっさと終わらせちゃおう!!」

 

「「おぉー♪」」

 

そうして気合を入れなおす綾辻に氷見と宇佐美が元気よく返す、言った後で氷見が恥ずかしくなったのか若干顔を赤くしているのがかわいらしかったが、作業速度が先ほどまでの1.5倍くらい加速していた。とんでもない速さだった。

 

「え?・・・・これ俺いる?」

 

そうつぶやくのも無理はないほどの処理速度だったが、なんだかんだでその速度と変わらぬレベルで八幡も作業していたため、あっという間に終了した。

 

「う~ん・・・・さすがにみんなでやると早いね~♪それじゃあ今度は勧誘がんばろっか♪」

 

そう言いながら大きく伸びをする綾辻に一瞬目を向けるも慌ててそっぽをむく八幡、二つのお山がとても無防備だった・・・・それに気づかず綾辻は元気よく協力宣言をする。普段から生徒会やボーダーの仕事を手伝ってもらっているため、恩返しできると喜び勇んでいた。

 

「ようし、それじゃあ早速本部に行って対策会議をしようか!!」

 

宇佐美はすごくノリノリに、楽しくなりそうだな~♪とか、大井と北上にも眼鏡かけさせたいな~♪とか考えていた。

 

「私も及ばずながら手伝いましょう、比企谷君にはいつも隊の仕事や委員会の雑用なども手伝ってもらっていますしね」

 

氷見もクールに協力を申し出る。八幡マニュアルで半分脅しに近いレベルで隊の仕事を手伝わせたり、二宮の訓練の相手をさせていることに少なからず申し訳ないと今更ながらに思い始めていたのだ。

 

そんな綾辻は善意だが、氷見と宇佐美は余計なことを考えながら八幡に協力を申し出るのであった。そんな3人に対して八幡は感動して

 

「お、おう・・・・すまん、助かるわ・・・サンキュな」

 

と顔を真っ赤にして感謝するのであった。

 

ひねくれ者の八幡が素直に礼をする、という超レアなものを見れた3人のテンションは高かった

 

「「「お姉ちゃんに任せなさい♪」」」

 

キャラ崩壊をした3人に八幡は苦笑した。3人共かわいらしくポーズをとると元気よくボーダー本部に向けて歩き出す

 

「それじゃあ行くよ!比企谷君♪パンツァー・フォー♪」

 

どんどんキャラがぶれていく綾辻に若干不安になってくる八幡だが、だれも気にしていないのかそんな綾辻について宇佐美、氷見と歩き出し、それに八幡が続いていく。

 

こうしていつの間にか話せるようになったことで、すっかり忘れていた北上、大井勧誘作戦が再始動するのであった・・・・




実はこの道中に某ビッチさんがクッキー(木炭)を渡そうとしますが、ヒッキー呼びでは誰も反応せずにスルーするという話があったとかなんとか・・・

こうして新たなる仲間を迎えたチーム八幡とゆかいな仲間たち、この話は最初の頃にも言ったように、仲間を確保する話のためもうぼちぼち終わる予定です。

その後の話とか、アフター的なのも考えていますが、とりあえずそこまでは全力で頑張らせて頂きますのでもうしばらくお付き合いください!

それとお気に入り登録や感想などいつもありがとうございます♪少しでも読んでくれた方々が楽しんでもらえるようにこれからも精進します!!

それでは今話も読んで頂きありがとうございました♪


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八幡の戦い~やってみたかった番外編~

こんばんわ、14.5話です

一度やってみたかった番外編です。やばい、大井っちが好きすぎて大井っちだけでしばらく書いていけそうな気がしてきました・・・ワートリメインのはずなのに主要キャラが全然増えない不思議・・・・そんなこんなで14.5話です




ー番外編その1 ハイパーズの休日ー

 

「あぁ・・・おそくなってしまいました、北上さん怒っているでしょうか・・・」

 

私は今、北上さんとのデートのために待ち合わせ場所に向かっています。ですが、途中で忘れ物に気づいて取りに行っている間に待ち合わせ時間に間に合わなくなってしまいました。

 

「あぁ、北上さん!一応メールは送りましたが、私が遅れたせいで悪い男が寄り付いたりしていないでしょうか・・・・」

 

北上さんは私の天使で非常にかわいらしいですから、きっと今頃有象無象の輩に声を掛けられて迷惑しているに違いありません!あぁ、あの時私が待ち合わせのデートをしたいだなんてわがままを言ってしまったせいで・・・すみません北上さん・・・同じ家に住んでるのですからおとなしく一緒に行けばよかったのに!

 

「北上さんっ!!」

 

「あ~♪大井っち~やっほ~♪」

 

「はぁはぁ・・・すみません、遅れてしまってすみませんでした・・・・・」

 

「ん~?そう?あたしもさっき来たから大丈夫だよ~♪」

 

あぁ!女神さま!!じゃなくて北上さん、なんてお優しい!!さりげなくデートでの待ち合わせの定番をしてくれるなんて・・・大井的にポイント高いです!!あ、思わず小町さんのが移ってしまいました。

 

「あ、ありがとうございます・・・・ふぅ。それはそうと北上さん!?」

 

「ん~?どうしたの大井っち?もうおなかすいた?」

 

「いえ、それは大丈夫です!それよりも、だ、だめですよこんなに足を出しては・・・変な男に目をつけられてしまいます」

 

「えぇ~大丈夫だよ~?誰も見ていないって~」

 

北上さんは自分の魅力をわかっていません・・・先ほど私が合流してからも周りの男がいやらしい目でこちらを見ています・・・・北上さんに手を出す輩には容赦はしませんよ!

 

「も~相変わらず大井っちは心配性だなー・・・・ほら行こうよーそろそろ映画始まっちゃうよー?」

 

「あぁ!北上さん、待ってくださいー!」

 

周りの視線から北上さんを守るためにも映画の後は服を買いに行きましょう・・・!もう少し肌の露出を減らして・・・・うん、これでいきましょう!

 

「北上さん♪映画の後は服を見に行きませんか?」

 

「おぉ~、いいねぇ~♪楽しみだねぇ~大井っち♪」

 

「はいっ♪」

 

さて!今日もたくさん北上さんにご奉仕しますよー!!大好きです!北上さん♪

 

 

ーSIDE 北上 -

 

今日は大井っちとのデート?だけど、なんでか一緒に行くのでなく待ち合わせをしたいって大井っちが珍しくお願いしてきた。不思議だね?一緒に住んでるのにね?

 

ほんのちょっとだけ遅れてきた大井っちはすごく申し訳なさそうだったけど、ほんとに少しだけなんだから気にしなくてもいいのにな~

 

それから、なぜか大井っちに服をダメ出しされちゃった・・・・足が~って言われても、大井っちじゃないんだからそんなに声かけられたりしないのに心配性だな~大井っちは・・・

 

「北上さん♪映画の後は服を見に行きませんか?」

 

「おぉ~、いいねぇ~♪楽しみだねぇ~大井っち♪」

 

まあでも大井っちがこうして楽しそうに笑ってくれるならあたしもうれしいからいいんだけどね?

 

モブ1「お、おいあの娘!すげぇかわいい!!」

 

モブ2「うぉ!ほんとだ!胸も!」

 

ほら・・・・あの人達も大井っちの事しか見てないし・・・・大井っちは気づいてないっぽいけどね?いつも自覚してください~とか言うけど無自覚なのは誰だって話だよねぇ?

 

 

 

こうしてハイパーズのデートは始まった・・・・・

 

 

 

ー番外編その2 八幡の休日 -

 

「お~~~~いおいおいおい・・・・・!」

 

文字で書くと意味不明だが、俺は今おいおいと泣いていた・・・・日曜のヒーロータイムからのキュアキュアでぷりぷりなあれを視聴して泣いていた。そんな俺を見て小町が理解できないって顔をしているが、なぜこの感動が伝わらないのだろう?

 

「ふぅ・・・・日曜のヒーロータイムも終わったし本読んでダラダラする仕事でもするかな!」

 

最近の俺はアイデンティティがクライシスするくらい働いてたから今日はがっつりだらだらしよう!!具体的にはたれぱんだが嫉妬するくらいにはダラダラしたいと思う所存です!!誰だこれ・・・・

 

「えぇ~お兄ちゃん、せっかくの休日なんだから小町の買い物に付き合ってよー!」

 

「いやだ、断る、休む日とかいて休日と読むのだよ?小町君」

 

とりあえず拒否る、普段の俺なら二つ返事で了承していたが、ここ最近は忙しくてたいへんだったのだ、すごくたいへんだったのだ・・・・・・・

 

「えぇ~デートしようよ~!!小町的にポイント低いよ~?」

 

ほんと最近の俺の働きっぷりといったらもう、あれだよ?すごいよ?学校いって、北上と大井と那須隊と訓練して学校いって、小南にずたずたにされて大井と北上と防衛任務して、学校いって二宮さんにぼろくそに言われて心が折れた後、大井と北上と訓練したり・・・・だいたい大井と北上といるな・・・・

 

「おにいちゃんは最近すごく頑張ったから今日は休みたいのだが・・・・」

 

「うぅ~・・・それはわかってるけど・・・最近お兄ちゃんとあんまり2人で過ごせてないから・・・・休日は一緒お出掛けしたいなって・・・だめ?」ウルウル

 

「いや、だめじゃないな・・・・だめじゃない。すまない小町、また悲しい思いさせちまったみたいだな」

 

「ううん、ごめんね?疲れてるのにわがまま言っちゃって」

 

これは、反省しないとだな・・・また小町を悲しませちまったみたいだ。小町を守るって決めたのにな・・・申し訳なさそうにする小町の頭を撫でる

 

「気にすんな、その、あれだ。たまには小町二ウムを補給しないとだしな、千葉の兄妹にとっては妹の愛情枯渇は致命的だからな、ちなみに次点はマッカン」

 

「ふふ、なにそれ♪んじゃあデートに出発だー!おー♪」

 

「にゃー♪」

 

「いや、カマクラ、お前は留守番だから・・・」

 

「にゃー・・・」

 

こうして比企谷兄妹の休日は始まった・・・・

 

「あ、お兄ちゃんその服装チェンジで」

 

「おまっ・・・このタイミングで言うなよ」

 

出かけると見せかけてこの仕打ち、さすがは小町である。お兄ちゃんせっかく出かける気になってたのに上げて落とすとは・・・・

 

「まあまあ、小町セレクションズからこの服装で行こうかな♪」

 

「仰せのままに、お嬢さま」

 

「お兄ちゃん似合わないよそれ・・・あとキモイ」

 

「ぐすん・・・・」

 

ちょっとカッコつけようとしただけなのに・・・・八幡悲しくて家出しちゃうよ!?あ、これからお出掛けでしたね、てへぺろ。

 

「くだらない事考えてないでいくよー?」

 

 

 

こうして比企谷兄妹の休日は始まりそうで始まらなかった・・・・

 

 

ー番外編その3 那須と森のくまさん -

 

とある休日、那須の家に熊谷が遊びに来てくつろいでいると那須が唐突に発言した。

 

「くまちゃん、森に行きたいわ」

 

「え?急にどうしたの?」

 

病弱な体をトリオン体でなんちゃらかんちゃらな那須であるが、生身の体も影響を受け始めているのか、たまに非常にアクティブなことをしたがる那須が今日も唐突な発言をしていた。

 

「森に行きたいわ」

 

「いや、聞こえなかったわけじゃないんだけどね?なんで急に森に行きたいのかなって気になったから聞いたんだけど」

 

「最近体の調子がいいから思い切ってみようかなって思ったの」

 

たしかに最近の那須はあまり病弱な感じがしないくらい元気だった。特に八幡と絡んでいる時等はツヤツヤしているとさえいえた、病弱なのに・・・

 

「わかった。ならいきなり山とか森に行ったりは危険だから、今日は近くを散歩するよ」

 

「うん、ありがとうくまちゃん♪」

 

「最近は体の調子もいいみたいであたしもうれしいよ、慣れてきたら森に行こう」

 

なぜかやたらとアクティブな那須をなだめて妥協案を提示する熊谷。

 

「そうね♪もっといっぱい歩けるようになったら一緒に森のくまさん歌いましょうね♪」

 

「それが目的!?」

 

「うん♪楽しみね♪ある~ひ~♪もりの~な~か~♪」

 

なにやら今日の那須はおかしいな、と思い始めてはいた熊谷だが、本格的に那須のキャラがおかしくなってきていた・・・・

 

「え!?ちょっとほんとは玲体調悪いの!?大丈夫!?」

 

「うん♪絶好調だよ?さぁくまさん・・・・じゃなくてくまちゃん散歩に行きましょう♪」

 

「うん、まあ玲が楽しいならもういいや・・・ついでに買い物に行きましょうか」

 

結局自分はからかわれていただけだと理解した熊谷は那須のキャラ崩壊には触れずに流すことに決めるのであった・・・こうして那須と熊谷の休日は始まった

 

 

ー番外編その4 北上とー

 

「う~ん、まいったね~・・・・大井っちとはぐれちゃった」

 

映画をみた北上と大井はその後服屋にて北上の着せ替えを楽しんでいた。気に入った服を数点大井が購入してる間に北上はフラフラとあたりを見て回ってるうちによくわからないところに来てしまっていた

 

「う~ん・・・・どこだろここ?なんかさっきまでと全然違うとこにいる気がするなぁ~」

 

くまったくまったとつぶやきながらさらにふらつき迷走していく北上、迷子になる典型である。

 

 

モブ1「ねえねえ彼女ーひとり~?」

 

モブ2「ねね、俺らと一緒に遊ばない??」

 

「ん~大井っち探さないとだから遠慮するよ~じゃ~ね~」

 

大井の教育により知らない男に声を掛けられたら適当に流すこと!まともに相手してはいけません!と言われているため、適当に流して捜索という名の迷走を再開しようとするが、今日のナンパはめんどかった

 

モブ1「まあまあそんなこと言わずにさ~」

 

モブ2「ほら、こっち来いよ!」

 

と北上の手を取り無理やり連れて行こうとするがそうはいかなかった・・・・

 

「ゴミの分際で北上さんに触れようなどと・・・・身の程をわきまえなさい」

 

北上を引き寄せて、男の手を叩き落す大井。はぐれてから数分しかたっていないのに北上が思ったよりも遠くに移動していたため駆け付けるのに遅れてしまったのだ。

 

モブ1「いってぇな・・・こりゃあ2人まとめて付き合ってもらうかな」

 

モブ2「へへ・・・・・・ぐはぁ!!」

 

モブがいやらしい目を大井と北上に向けながら話そうとしていたところでモブの片方が吹き飛ばされる

 

「おい、お前ら、俺の天使たちになにしてやがる・・・・」ゴゴゴ

 

ようやっと八幡の登場である。腐った目をさらに腐らせて睨みをきかせる

 

モブ1「モブ2-!?て、てめえなにしやがる!!」

 

「あん?聞こえなかったのか?俺の天使たちにその薄汚い手で触んなこの豚野郎って言ったんだよ」

 

モブ1「んなっ!?さっきよりひどいこと言ってんじゃねえか!!」

 

八幡の挑発に乗せられたモブはナイフを出し、切りかかるが・・・・

 

「あほが、そんなおもちゃでビビるわけないだろうが・・・・しばらく寝てろ」ズガッ

 

なんやかんやで八幡に適当に倒されるモブ達、一通り片付いたところで何事もなかったかのように話し出す

 

「よう、北上、大井奇遇だな」

 

「おぉ~ハッチさんだ~♪」

 

よくわかってないのか北上は能天気に応え

 

「ふん!別に私一人で問題ありません!・・・・・ですが、面倒ではありましたので感謝します」ペコ

 

大井は最近安定してきたツンデレを返す・・・がだんだん八幡の言っていたことを理解してきたのか顔が赤くなっていく

 

「そ、それよりもなんですか今の天使たちって確かに北上さんは天使ですが私まで天使扱いするとはどういうことですか最近少し話すようになったからといって調子に乗ってるんですかそれともこのまま部隊に勧誘しようかなって思ってるんですか是非加入したいと思っていますがまだ恥ずかしくて無理なのでしかるべきタイミングで誘ってくださいごめんなさい」

 

「お、おう・・・・早口で何言ってるかよくわからんかったけどすまん」

 

「い、いえ・・・・忘れてください、それよりも・・・・ん、コホン。あらためましてありがとうございました」

 

何やら違うキャラのお断り芸を披露した大井のキャラ崩壊には触れずにウム、とうなずきながら八幡が話そうとすると小町と那須、熊谷がやってきた

 

「おりょ?大井さんと北上さんだ!こんにちは~♪

 

「あら、こんにちわ大井さん、北上さん」

 

「奇遇ね~つか、なにその転がってるの?」

 

「まあ気にすんな、ただのオブジェだ」

 

小町、那須と挨拶し、熊谷は転がっているモブに触れるが八幡が華麗にスルーする

 

「おぉ~?那須さんに熊谷さんに小町ちゃんだ~♪やっほ~♪」

 

「こんにちは、熊谷お姉さま、那須お姉さま、小町さん」

 

「ふむ、せっかくですからこないだの買い物の続きをしましょう!!」

 

元気よく小町が提案するとみんな特に異論はないようですごく楽しそうにニコニコしていた、反対に八幡の顔はどんどん曇っていた

 

「えぇ~・・・また美少女軍団にボッチのゾンビがまじるとか・・・・帰っていい??」

 

「「「「「却下」」」」」

 

「デスヨネー・・・・はぁ・・・・・まぁたまにはこういう休日もありかな?」ボソ

 

こうして比企谷兄妹と那須、熊谷、大井、北上の休日は過ぎていくのであった~

 

 

 

 

 




というわけで番外編でした、実は他にも阿武隈を北上の友達枠で出そうかな~とかも考えてたんですが、いまいち口調がわかんなかったのでやめましたまる

14.5話です、一回やってみたかった番外編、サイドストーリー的なの好きです。なんだったら北上と大井の過去偏とかもやりたい・・・・そのうちタイミングがあれば書きますね

それでは今話も読んで頂いた方々に心からの感謝を!また次回も読んで頂ければと思います♪


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八幡の戦い15~スペシャルゲストの登場~

こんばんわ15話です

自分の書いてる話の中で宇佐美さんが完全にイロモノ枠に入りつつありますが、原作ではクッキーを作ったりする女子力の高い素敵で眼鏡の似合う美少女です。

個人的にワートリキャラの中ではかなりポイント高いのですが、どうして自分のとこではこうなってしまったのやら・・・

そんなこんなで15話です、どうぞ~


-比企谷隊隊室ー

 

八幡が宇佐美、綾辻、氷見とボーダーに到着してしばらく、那須隊と小町とスペシャルゲストと合流してミーティングが執り行われた

 

「そ、それでは~比企谷隊ミーティングを始めたいと思います~・・・い、いえ~い」

 

「「「「「い、いえ~い・・・・・」」」」」

 

普段なら明るい声とノリで元気よく開催の宣言をする小町も、またそれに元気よく合いの手を入れる那須隊やほかのメンバーもどこか緊張していた

 

「・・・・・・・・・・」ゴゴゴ

 

「どうしたんですか?みなさん、普段のような感じで大丈夫ですよ?」

 

すさまじいプレッシャーを放ち続けるゲストの横で氷見は平然と周りを促すが、あまりの恐怖と緊張感からとてもそんな雰囲気にはなれなかった

 

「うぅ・・・お、おにいちゃん・・・・お義姉ちゃん候補を連れて来てくれたのは小町的にポイント高いけど、二宮さんもいるとか聞いてないよぉ~・・・」ボソボソ

 

「す、すまん。綾辻と宇佐美、氷見に協力を要請したらそのまま氷見が呼んでくれたんだ・・・」ボソボソ

 

「・・・・・どうした?はじめないのか?」

 

 

「「は、はいっ!!」」

 

二宮の一声にそろって敬礼する比企谷兄妹、さすがの息の合い方である。あと2人とも若干涙目になっていた

 

「隊長張り切ってますね、そんなに比企谷隊と戦うの楽しみですか?」

 

「フン・・・・・!なんの用かと呼ばれて来てみれば、早く終わらせたいだけだ」

 

少し顔を赤くしながらジンジャーエールを飲む二宮、ただのツンデレだった。

 

「え・・・・あ、ありがとうございます、二宮さん」ペコ

 

「なに?比企谷のスキルって二宮さんにも効くの??いや、いくらオートスキルでも二宮さんにはないでしょ・・・?」

 

「そうね・・・さすがにそれは無いと思うけど・・・・」

 

那須、熊谷が二宮の意外な一面に驚愕しながら話していると、小町がそういえば、と話し出す。

 

「おにいちゃんやっと勧誘するの思い出したんだね?小町の準備は出来てるからいつやろうか?」

 

「お、おう?・・・・・んで?なにやんの?」

 

「B級昇格おめでとうの会だよ♪」

 

八幡が大井と北上の勧誘を忘れて日々を過ごしている間も小町は準備していたのだ、少し遅くはなってしまっていたが、そこで大井と北上を勧誘すれば晴れて比企谷隊の完成である。

 

最近では大井も八幡の事を認めてくれているのか対応も一時期からは考えられないくらい柔らかくなり、小町や忍田によりいつも訓練や防衛任務も組んでいるため、もはや既成事実的な感じで準備万端なあれやこれやが仕組まれていた。

 

「お、おう・・・・そうなのか」

 

「うんうん♪最近はいい感じで話せているし、大井さんも北上さんもまんざらでもないと思うんだ♪」

 

「そうね、最近は訓練の時にも比企谷君の事を聞かれることも多いし、2人とも今なら断らないんじゃないかな?」

 

「そうそう、思い切って勧誘すればいけるよ!きっと、たぶん。・・・・・たぶん?」

 

「念のためメガネつける?」

 

「いいとこのどら焼きいるかなー?」

 

那須は好意的な意見を述べるが、熊谷、宇佐美、絢辻は曖昧に答える。むしろ絢辻と宇佐美は個人的な希望だった。

 

「おい、せめてもう少し自信もってまともなこと言ってくれ・・・・」

 

「チッ・・・それならさっさと話せ比企谷、もうすぐランク戦も始まる、あまり悠長にしている時間は無いぞ」

 

超キレッキレに八幡を睨みつける男とそれにビクビクする男、それが二宮と八幡である。

 

「ひ、ひゃい!すみませんでした!!すぐに行動に移したいと思います!!」

 

「フン・・・それならいい、あとの話はお前の妹と那須隊、オペレーター共でやれ。氷見手伝ってやれ」

 

「わかりました」

 

「よし、比企谷行くぞ、ランク戦に付き合え。これからお前も隊長になるんだ鍛えなおしてやる」

 

「エ・・・・・・元から隊長なので「文句あるのか?」・・・ア、ハイ」

 

「とりあえず俺と、辻、犬飼とそれぞれ50本づつやるか・・・・」

 

「エ・・・・・・八幡死んじゃう・・・・・」

 

「なにかいったか?」

 

「イエ、ヨロシクオネガイシマス」

 

「フン・・・・行くぞ」

 

こうして二宮と八幡が隊室から出ていった、泣いている八幡を見捨ててしまったことに罪悪感を感じながらもこの場で二宮に逆らえるものはいないため、せめて死なないことを祈るのであった

 

 

「「「「「がんばって生きてね、、、、比企谷君(お兄ちゃん)・・・・」

 

そんな少し暗いムードを無視して氷見がつぶやく

 

「ふふ♪本当に隊長は比企谷君が好きですね・・・」

 

「「「「ええぇ!?」」」」

 

とんでもない発言だつた、小学生が好きな子を〜みたいな感じのあれなのである

 

「はい、比企谷君は叩けば伸びるから鍛えがいがあるって隊長が楽しそうに話してましたよ?勧誘もなにか手伝いたいみたいでしたから今回呼んだんです。こんなに楽しそうな隊長は久しぶりですね」

 

「えぇ~?あれそういう態度だったの?」

 

「う~ん・・・・でもそうすると二宮さんの印象がずいぶん変わりますね~」

 

「うん・・・・正直意外・・・かな?」

 

「眼鏡かけさせたいな~・・・・・・」

 

氷見の説明に熊谷が納得のいかない顔で、小町がなにやら楽しそうに、那須も意外そうな顔をする、宇佐美はすでに空気扱いだった。日浦や綾辻もおどろいているのかやや放心していた

 

「ふふ♪うちの隊長もなかなか捻くれていますからね。それよりも大井さんと北上さんのB級祝いの段取りの話をするのでしょう?」

 

「あ、そうだね!!それじゃあ・・・・・・」

 

こうして小町、那須隊、氷見、綾辻、宇佐美の話し合いは何人かが空気になりながらも進んで行くのであった・・・・

 

 

ーランク戦ブースー

 

「フン、今日はこれくらいにしておくか」

 

「あ、ありがとうございました」

 

辻、犬飼、二宮とのランク戦を終えた八幡は完全に燃え尽きてカッスカスになっていた・・・

 

「いやー比企谷ちゃん成長したねー?」

 

「そうですね、俺と犬飼さんに5割、二宮さんに2割の勝率とは、恐れ入ります」

 

「フン、トリオン量は十分なんだからもう少し思い切って動け、前半に様子を見て消極的になりすぎているぞ。攻め気が無いのが明白だ。後半への対応も遅すぎる」

 

「あ、はい、すみません」

 

二宮隊とのそれぞれの訓練が終わり、総評しているが、ほぼ二宮の独壇場だった・・・その後もひたすらボロクソに言われ続ける八幡

 

「だが、最後の方の動きは悪く無かった。あの動きが常に出来るようになればA級にも勝ち越せるだろう」

 

「あ、あざっす」

 

最後にちょっとだけ褒める。本心では自分から2割も勝てるようになった事を喜んでいるのだが、恥ずかしくて素直に言えない二宮だった。ツンデレだった。

 

「比企谷ちゃんはさすがだねー」

 

「そうですね」

 

そんな二宮と八幡をニコニコ見ている犬飼と辻は楽しそうであった。そんな2人を睨みつけてから今度は別の方向をみて二宮は声をかける

 

「フン、ついでだ。そこにいる2人も鍛えてやる、こい」

 

「え?」

 

「あちゃー見つかっちゃったかー」

 

「す、すみません・・・」

 

二宮の一声に八幡ははて?と思いながらそちらを向くと最近見慣れた二人組がいた。

八幡の解体ショーを見ていた北上と大井がバツの悪そうな顔でやってくる

 

「は、はじめまして、北上です」

 

「大井です」ガルル

 

二宮に睨まれているため北上はやや震えながら、大井はそんな北上を守るべくやや好戦的な態度で名乗る。

 

「犬飼だよーよろしくー」

 

「つ、辻だ・・・です」ビクビク

 

「二宮だ、お前らが最近話に聞くハイパーズか、比企谷の戦いを見ていたのだろう、ついでだ、お前たちも鍛えてやる。2人まとめてかかってこい」

 

「えぇ?2対1だよ?いいんですか?」

 

「甘く見られたものですね・・・」

 

「フン、かまわん、ハンデはそれくらいで十分だろう」

 

C級相手とは言えほぼ敵のいなかった2人をまとめて相手にするなど、普通であればA級でも厳しいはずであるが、二宮は別格であった。

 

「北上、大井この二宮さんはシューター最強の人だ、この人とB級で対戦できることはあんまり無いから、出来る時にやっといたほうがいいぞ。めちゃくちゃ勉強になるから。あと普通に2人でやらないと無理だと思うぞ」

 

「う〜ん、そういうことならお願いします」

 

「オネガイシマス」ガルル!

 

まだ納得してはいない顔の北上とやたらと好戦的な大井。こんな2人も実際に二宮と戦えば理解できるのだろう

 

そうして二宮とハイパーズの戦いが始まった

 

 

 

 

が、ひたすら二宮に蹂躙されるハイパーズは書く気が無かったので割愛された・・・

 

 

 

 

「フン、まあまあだな。個々の動きも連携も悪く無い、が北上は攻撃が馬鹿正直すぎる。フェイントをいれるなりそこの比企谷の戦いを見るなりしろ、あと大井は真面目にやれ、北上がウィークポイントすぎる。そいつを信用しろ。守ることばかりに気が向いているから勝てないんだ」

 

ハイパーズ相手に9対1という結果で終わった対戦の総評を二宮が告げる。女の子相手でも容赦が無かった

 

「うぅーわかったよ〜ありがとうございました〜」

 

「くっ!ありがとうございました・・・なんですかこの人、化け物ですか」ボソボソ

 

連携して攻撃しようにも二宮の圧倒的な火力になすすべもなく、大井はひたすらフルガード、北上が何とか反撃をしていたものの、終始一方的な戦いだった

 

「特に大井、お前はこのままでは問題外だ、個としての戦闘力は問題ないが、チーム戦を理解していない。北上の足を引っ張っていることに気づけ」

 

「!!!」

 

「むむ・・・大井っちの悪口はだめだよ~」

 

二宮の一言に衝撃を受ける大井、北上がフォローしているが、それも耳に入っていなかった・・・

 

「私が・・・・北上さんの足を引っ張っている・・・・?」

 

「そ、そんなことないよ~大井っち」アセアセ

 

「フン、少しは自覚があるようだな、あとはそこの比企谷に聞け。今後も戦っていくのならよく考えることだ」

 

そうして二宮はフンっといいながら去っていった、ちょっと言い過ぎたかな?って若干後悔していたとかいないとか・・・

 

「あちゃ~まあ2人とも気にしないでいいからね~、うちの隊長きついこと言うからね~」

 

「そ、しょうですね、い、いい戦いだったと・・・思いましゅ」

 

犬飼、辻もフォローをして、それじゃあと帰っていく。

 

あとに残された北上、大井、八幡はちょっと重い空気になりながらも話し始める

 

「北上さんを守るために入ったのに・・・足を引っ張っているなんて」

 

「そんなことないよ~大井っち~だよね?ハッチーさん」

 

「そうだな、少なくとも二人のコンビネーションには目を見張るものがあるな、ただ・・・・」

 

「ただ?」ウルウル

 

八幡の発言に意識を向け、見つめる大井。本気でへこんでいるのか目にうっすらと涙を浮かべて見つめてくる姿にドキドキしながら八幡は話を続ける

 

「少し過保護すぎるかもしれないな、俺もお前も小町や北上を守るために入隊している。だが小町は戦えないが北上は違うだろう?守られるだけの存在ではないぞ?」

 

「!!!!」

 

八幡の発言とこれまでの行動に思うところがあるのか大井が再び衝撃を受ける。先ほどの戦いでも自分の攻撃は散発的でほとんど北上に任せて2人の防御に専念していたのだ。

 

「あのね?大井っち、いつも守ってくれてありがとね?でもあたしも大井っちを守りたいよ」

 

「北上さん!!ごめんなさい!!」ダキッ

 

北上の発言に泣きながら抱き付く大井。ごめんなさい、と謝る大井を北上は優しくなだめている。しばらくそうしていると大井も落ち着いてきたのか八幡が話を続ける

 

「まぁそういうことだ、さっき二宮さんが言ってたのはそういうことだ」

 

「そうだったんですか・・・・・」

 

「大井っち、今度は2人で二宮さんやっつけようねぇ?」

 

「そうですね!今度は2人で、2人で倒しましょう!!」フンス

 

あらたな決意を胸に闘志を燃やす大井と北上。そんな2人を見ながら八幡は微笑む、ついでに2人の頭を撫でていた

 

「それなら、俺も混ぜてくれないか?俺もまだまだ二宮さんに勝ち越せないんだ」ナデナデ

 

「そうだね~ハッチーさんも一緒に勝とうね~」ニコニコ

 

「そうですね、比企谷さんも一緒に勝ちましょう」ニコッ

 

顔を赤くしながらもうれしそうに北上と大井がうなずく、こうして八幡とハイパーズの新たなる決意と結束が生まれた。ほとんど勧誘しているような発言の八幡のセリフだが、はたしてこのセリフは部隊として一緒に戦ってくれという発言なのか、ただ一緒に訓練しようという発言なのかよくわからずひたすらモンモンとしている八幡と大井がいたとかいないとか・・・・

 

こうして八幡の戦いはB級昇格祝いの会に持ち越されるのであった・・・

 

 




というわけで、スペシャルゲストは二宮さんでした、捻デレ、ツンデレ、ヤンデレが大好物の自分により二宮さんまでもが犠牲に・・・どこに需要があるんだこれ・・・・

そうして遂にともに戦うことを決意する八幡とハイパーズ、しかし微妙な言い回しによりちょっとフワフワしています。

これまで読んでくれた方々ありがとうございます、まだもう少し続きますのでお付き合いいただければと思います。ペコリ


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八幡の戦い16~つまりそういうことなんです♪~

こんばんわ16話です

いつも感想、お気に入り登録ありがとうございます♪

ラストにむけて勇往邁進していきますので宜しくお願いしまっす!


ー昼休みのべストプレイスー

 

スペシャルゲストの二宮襲撃ツンデレ驚愕事件の翌日、いつも通りに午前の授業を受け流してからの昼休み

 

いつものべストプレイスにていつも通りに総菜パンを食べようとしている八幡。最近おなじみの少女達と共に至福のひと時を過ごそうとしていたが今日の大井はいつもと違っていた

 

「どうしたんだ大井?調子でも悪いのか?」

 

心配そうに声を掛ける八幡だが、北上はがんばれ~とニコニコし、大井は真っ赤になりながらうつむいていた

 

「あ、あの・・・・ですね・・・・・その・・・・」モジモジカオマッカ

 

「お、おい、大丈夫か!?顔も赤いし保健室に行くか!?」アセアセ

 

全く状況を理解していない八幡はどうすればいいのかわからずにあたふたしていた

 

「い、いえ、体調は問題ありません・・・・・」

 

「そうなのか?無理そうなら言えよ?」

 

北上の様子からも本当に体調は問題ないのだろうとパンを食べようとする八幡だが、いたずらな天使が八幡の手からパンを奪っていた

 

「今日はパン禁止だよ~ハッチーさん♪」ニヒヒ

 

「おい、北上さんや?そのパン様を返してはくれないかのう?」

 

いたずらっ娘な北上かわいいのうとか考えながらなんとかパンを取り返そうとするも北上は自分の体で守るようにしているため手が出せなかった・・・・

 

「パンばっかりだと体に良くないんだよ~?ね~大井っち?」ニコニコ

 

「そりゃそうだけどもそれがないとそもそも食べるもんがなくなるんだが・・・・」

 

「うぅ・・・・・・あの・・・・」カオマッカ

 

「ね~大井っち?そう思うよね~?おおいっち?」ニコニコ

 

「あ、あれ?なんか急に寒くなってきたんだけど・・・・き、北上様?」

 

ひたすら顔を赤くして俯いている大井にニコニコしているけど雰囲気が変わってきている北上に挟まれている八幡は状況がわからないものの、なぜか冷や汗をかき始めていた

 

「あ、あの!」

 

「ひ、ひゃい!!」

 

ずっともじもじしていた大井が突然大声で話しかけたため、八幡も驚いてかみかみになってしまった

 

「あのですね・・・・うぅ~その・・・・・」モジモジ

 

「大井っち、がんばれ~」ニコニコ

 

なんか今日の大井はやたらめったらかわいいなぁ、とかもじもじしてるところを優しく抱きしめて大丈夫だよっていってあげたいな~でもその後お縄になるから駄目だな、やはりイケメン滅びるべしとかぐだぐだと考えているうちに大井が話し始める

 

「スーハー・・・・スーハー・・・・よし!あの!はちま、比企谷さん!毎日パンだと体に悪いですから、今日はこれを食べてください!!」ズイッ

 

そういいながらかわいらしい包みを八幡に渡す大井、まるで憧れの先輩にラブレターを渡すみたいだな、もらったことないけど、とか考えながら包みを受け取る

 

「え・・・・?」

 

「あの、毎日パンですと体に良くないですし、一緒に二宮さんに勝つためにも健康でいてもらわないと困りますから!あ、あとべ、別にいつも北上さんと2人分のお弁当を作っているのでもう一つ作るのも大して手間はかかりませんし・・・・だ、だからその・・・・はちま、比企谷さんのためだけに作ってるわけじゃないんですからね?」カオマッカ

 

「お、おう、そのありがとな?」

 

これ以上は無いというくらい顔を真っ赤にしながらあっちこっちに視線をそらしてモジモジしている大井は必死に言い訳という名のツンデレを披露していた、そんな大井にこちらも顔を真っ赤にしながら八幡が感謝をする

 

「べ、別に北上さんのついでですからね!?勘違いしないでくださいね!?二宮さんに勝つためですからね!?」

 

必死に弁解をしている大井だが、はたから見たらそれこそ勘違いしてしまいそうな態度に北上はニコニコしていた

 

「いいねぇ~大井っち~がんばったね~♪」

 

「おう、サンキューな、大井」ナデナデ

 

なんだかんだと言っているが、大井の気遣いが嬉しかった八幡はいつもどおりにオートでお兄ちゃんスキルを発動させてしまう

 

「はぅ・・・・い、いえ・・・・・どういたしまして・・・・・です」

 

「あぁ~いいなぁ~大井っち~、ねぇ~ハッチーさんあたしも撫でてよ~」

 

「はいよ」ナデナデ

 

普段の八幡ならなんだかんだと言い訳をしながら断りそうなお願いだったが、大井の気遣いがあまりにも嬉しかったために二つ返事で北上を撫でていた

 

「えへへ~ハッチーさんに撫でてもらうのは気持ちいいね~♪ねぇ~?大井っち♪」

 

「はいっ♪・・・・・・・・っは!い、いえ!別にそんなことは、確かに悪くはありませんけど・・・・!?」

 

「お、おう・・・・・?」

 

「////・・・・・コホン、そ、それよりもお弁当を食べましょう、時間が無くなってしまいます」

 

北上の発言に思わず正直に答えてしまったり、その後再度ツンデレをしたりと今日の大井のヒロイン力はカンストしていた。

なんとか立て直すべく、いまだ顔を真っ赤にしながらもなんとか最初の下りである弁当の話に戻していく。

 

「お、おう。そうだな、いただきます」

 

「「いただきます」」

 

「おお・・・すげえな・・・・まじでうまそうだ」

 

「き、恐縮です・・・・//」

 

「大井っちのご飯はおいしいんだよ~♪」ニコニコ

 

ニコニコしながら八幡に自慢げに話す北上、もっきゅもっきゅと口いっぱいにご飯をいれる姿に八幡と大井は胸をぴょんぴょんさせながら食事を始める

 

「おお・・・・うまい。まじでうまいな、バランスも考えられてるみたいだしすげえな」

 

「ありがとうございます♪北上さんに食べてもらうんですからこれくらいは当然です♪」フフン

 

さっきまで真っ赤になっていた大井だが、今は北上のフワフワオーラのおかげでいつもの調子に戻ってきていた、両手を腰に当ててフフンと胸を張る大井の姿に今度は八幡が顔を真っ赤にしてしまう

 

「そ、しょうか・・・・さすがだな、ほんと、さすがだな・・・・まじで」

 

「・・・・・?ありがとうございます?」

 

「ごちそうさま~!おなかいっぱいだよ~♪今日のお弁当もおいしかったよ~♪いつもありがとね!大井っち♪」

 

あっという間に食べ終わった北上はニコニコしながら大井に抱き付く、幸せいっぱいという北上に幸せそうに微笑む大井、とてもゆるゆりしていた

 

「もう少しで私も食べ終わりますからもう少し待ってくださいね?」

 

「ごちそうさま、まじでうまかった、大井はいい嫁さんになれるな」

 

いつもの北上の膝枕お昼寝タイムのために急いで食べ始める大井に八幡が再度ぶちこむ、

 

「ぶっ!ごほっ!ごほっ!な、ななな////」

 

「あ、すまん。なんかへんなこと言っちまったな、忘れてくれ」

 

「ん~・・・今日はハッチーさんの膝で寝ようかな♪おじゃましまーす♪」ポスン

 

大井が真っ赤になってアワアワかわいらしくあわてている間にも北上は眠くなってきたらしく、八幡の膝に頭をのせてしまう

 

「「んなっ!!!」」

 

そんな北上の行動に大井と八幡が同時に驚愕する

 

「ハッチーさん撫でてよ~・・・・・」

 

「お、おう。・・・・・なにこのかわいい生き物、天使かよ・・・天使だな、うん」ナデナデボソボソ

 

「えへへ~♪ありがとね?ハッチーさん♪おやすみ~・・・」ZZZ

 

「ぐぬぬ・・・・私の幸せタイムが・・・・・」

 

光の速さで幸せそうに寝始める北上。そして膝枕をしている八幡をくやしそうに見つめる大井、睨まれている八幡は冷や汗をかいていた・・・・

 

「なんていうか・・・・その、すまん。代わってやりたいのはやまやまなんだが・・・・」

 

「そんなことをしたら北上さんが起きてしまいますので却下です」

 

「だよなぁ・・・・」

 

「しかたがないので、今日は比企谷さんに譲ってあげます、その・・・その代わりと言ってはあれなんですが・・・・・わたしも撫でてもらってもいいですか?」

 

「お、おう・・・・そんくらいならいい・・・ぞ?」ナデナデ

 

「うふふ・・・・♪ありがとうございます♪」

 

こうして腐った目の男が黒髪美少女を膝枕し、隣に座る茶髪の美少女とともにナデナデしているという不思議な空間が完成した。ハーレムにしか見えなかった。

ついでにその場面を宇佐美に撮影され、後ほど那須と小町に正座で質問攻めされる八幡がいたとかいないとか・・・・

 

そうしてしばらく過ごしていると、またもや空気が変わり始める

 

「「あ、あの・・・」」

 

話を切り出そうと大井と八幡の発言が被ってしまう

 

 

「「お先にどうぞ」」

 

またもや被る、完璧なタイミングだった、2人ともやや苦笑しながら今度は別々に話しはじめる

 

「レディーファーストだ、お先にどうぞ?」

 

「む、ずるいですね。まぁいいです、あの、小町さんが招待してくれたんですが、私たちのB級昇格祝いをしてくれるみたいで、その、ありがとうございます」ニコ

 

「あ、あぁ・・・まあそのなんだ?那須達や小町がどうしても祝いたいって言ってたからな」

 

大井の微笑みに胸をドキリンコさせながら八幡が応える

 

「比企谷さんは祝ってくれないんですか・・・・?」シュン

 

「ちょ、その表情は反則だろう・・・・ボソボソ・・・・い、いやもちろん俺も祝うぞ、むしろ祝いすぎて祝ってないように見えるまである」

 

「ふふっ♪ありがとうございます♪楽しみにしていますね?」ニコニコ

 

「なにこの娘、最初の頃からは想像できないくらい優しい微笑みなんですけど、北上だけじゃなくてこいつも天使かよ、天使だな。むしろ女神かもしれん・・・・」ボソボソ

 

「・・・・?」ニコニコ

 

「あ~その、まあがんばるわ。」

 

「はいっ!」

 

天使にして女神である大井がとてもニコニコと微笑んでいるため八幡は本題を話しづらくなってしまっていた、元々コミュ障であるため、本来聞こうとしていた勧誘についてが話しづらくなってしまっていた

 

「ぐぬぬ・・・・一緒に戦うとは言ったものの、これ部隊としてか、打倒二宮としてなのか・・・どうしよう?」ボソボソ

 

次のランク戦に「は?なんですか、一緒に二宮さんを倒すことは了承しましたが、部隊に入ることは了承していませんごめんなさい」と言われてしまうのではないかとドキドキしていたのだ・・・・・ただのコミュ障だった。

 

ちなみにこれを小町に相談したところ、途中までは大喜びだった小町、ポイントもグングン上がっていたが、最後に大暴落してとんでもなく冷たい目で見られていた。

 

 

「いまさらなんていえばいいのやら・・・・」

 

「何をです?」ニコニコ

 

「すまん、独り言のつもりだったんだが・・・・・」

 

「困ったことがあるなら聞きますよ?」ニコニコ

 

非常に上機嫌なのか、北上に向けるような優しい微笑みを継続している。その慈愛にみちた微笑みについ聞いてしまう八幡

 

「そうだな・・・・これは友達の友達の話なんだが、そいつは仲良くなりたい子がいたらしいんだ、それまでいろいろ話して少しづつ話すようになってきたんだが、いざ、友達になろうとして思い切って話したつもりが、中途半端に伝えたせいで本当に友達になってくれたか不安になっているらしいんだ、もう一度友達になってほしいって言う勇気がないらしくてな・・・・」

 

「ふむ・・・・バカなんでしょうね?その方は」

 

先ほどまでの微笑みが嘘のように冷たく答える大井、そんな態度に予想以上にダメージを受けてしまう

 

「ぐふぅ・・・・!そ、そうだな・・・・・バカかもしれん」

 

「その後も普通に仲良くしているのでしょう?つまりそういうことなんですよ、きっと♪」

 

「そういうもんなのか?」

 

「はい♪そういうものですよ♪」

 

よくわからん、という顔をしている八幡に再び微笑む大井、本当にこの人は普段はやる気がないし、変なところでポンコツなんだから・・・と内心で苦笑しながら話す

 

そうこうしていると予鈴がなり昼休みが終わろうとしていた。

 

「あ、そろそろ行かないとですね、北上さん起きてください、昼休みが終わってしまいますよ」

 

「う~ん・・・眠い、大井っち~・・・」

 

「北上さん、いきますよ?それでは比企谷さん、またボーダーで、失礼しますね」

 

「うぅ~ハッチーさんありがとね?じゃあ行くよ~・・・また後でね~ふわぁ~」

 

「おう、またあとでな・・・・・・ふむ、そういうもの・・・・ね」

 

 

こうして八幡の戦いは最終章を迎えようとしていた・・・・

 

 

 

 




というわけでラストスパートに入ります。その後の話は考えてないのでもしかしたら違うシリーズを書き始めるかもしれないですし新章に突入するかは考え中です。

とりあえず、いろいろと書いてみたいなって思いつつ、ハイパーズを書いたりするかもです。個人的にゆるゆりしている作品が好きな自分ですので加賀と瑞鶴とか鈴谷と熊野とかも大好物だったり・・・・デレステとかこのすばも書きたいんですよね・・・・・何番煎じだって話ですが

とりあえずこの先のことはこの話が終わってから考えますね!それまではどうぞお付き合いくださいませ♪



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八幡の戦い17〜提督と呼んでみたかった〜

こんにちわ17話です。

今回のやりとりは悩みますた、自分的には原作の八幡だったらどうするんだろうっていう考えから始まった話なのですが、納得のいく形に出来ませんでした。
最終的にこんな感じになんじゃね?って思ってるのですが、どうでしょうかね?そんな17話です、



ー比企谷隊隊室ー

 

B級の昇格祝いをしてくれるということで小町に呼ばれている大井と北上はもはや通いなれてきた扉を開いて比企谷隊の隊室に入りながら挨拶をする

 

「失礼します」

 

「やっほ~♪」

 

「あ、大井さん、北上さん!いらっしゃいですよ~♪」

 

そんな2人を元気な声で出迎えてくれるのは比企谷小町。それ以外にも那須隊のメンバーに加古もすでに椅子に座ってくつろいでいた

 

「今日はわざわざありがとうございます」

 

「ありがと~♪」

 

「いえいえ~お義姉ちゃん候補が増えて小町的にもポイント爆上がりですからね~♪くつろいで下さい、いまお兄ちゃんがいろいろ持ってきますんで♪」

 

感謝の意を示す大井と北上にニコニコしながら八幡に目線で指示を飛ばす小町、これではどちらが隊長かわからなくなっていた

 

「ほい、2人ともおめでとさん」

 

軽い一言とともに大井と北上に飲み物を渡す八幡、北上と大井が受け取るのを確認して小町が開会の音頭をとる

 

「え~それでは!大井さんと北上さんのB級昇格を祝って!かんぱ~い!!」

 

「「「「「「かんぱ~い」」」」」」

 

「・・・・・かんぱい」

 

いつものように小町が元気よく声を掛け、八幡以外のメンツが元気よく返す,そしてこれまたいつも通りに八幡がこっそりとカンパイしていた。

そんな小町や那須隊、加古の気遣いに大井と北上は嬉しさ満開の笑顔で答える

 

「みなさん、ありがとうございます!いつも訓練に付き合ってくれるお姉さま方に八幡さんに小町さんも!」

 

「う~ん♪いいねぇ~しびれるねぇ~♪ありがとねっ♪」

 

大井は嬉しさいっぱいに、北上はいつものセリフで感謝の言葉を告げる。そんな2人に那須と加古はこれからの話をしていた

 

「それで、結局部隊はどうするの?頭にKがあるし行くところがないなら北上さん、歓迎するわよ?」チラッチラッ

 

「それなら大井さん、もし行くところがないなら那須隊に入る?」チラッチラッ

 

「あの、その・・・北上さんと一緒でないと・・・」チラッチラッ

 

加古と那須が楽し気な目線を八幡に送りながら2人を勧誘し始める、いわゆる早くお前が勧誘しないとほかに持ってかれるぞ、的な視線を向けていた。

それに気づかずに、大井はまじめに応えつつ、助けてという目を八幡に向けている、そんな3人の視線によくわからんという顔をしている八幡に今度は小町が睨みをきかせる

 

「おにいちゃんおにいちゃん!大変だよ!早くしないとお義姉ちゃん候補が連れてかれちゃうよ!!」

 

加古、那須の思惑を理解している小町は八幡にさっさと声かけろよと後押ししている。これぞA級部隊のオペレーター陣と考えたとりあえず横やり入れて焦らせろ作戦である、そうして大井と北上がどこか別の部隊に連れてかれると焦る八幡はこれにたいして・・・・

 

「ん?まぁいいんじゃね?」

 

と答えてしまった。ほんとは天使達と別れるのは死ぬほど嫌だけど自分より強くて頼りになるしで八幡的には強引に止めることが出来なかった。

当然そんな八幡の寝ぼけた発言にそれ以外のメンツから表情が消えてしまっていた

 

「「「「「「「は?」」」」」」」

 

「え?なにこれ・・・・めっちゃこわいんですが・・・・」ガクブル

 

「そこはその二人は俺の部下だからっていうところだよごみいちゃん!!」

 

「え?そうなの?でもまだ正式に言ってないし、那須と加古さんのが強いしでだな・・・・」

 

「そうじゃないでしょ!一緒に戦う約束したんでしょ!?」

 

そんなやり取りをしている小町と八幡、那須と加古もなにやってんだこいつ、という目であきれていた。またここまでの間熊谷と日浦、志岐もいたが、とくに絡める雰囲気ではなかったため、空気と同化しながらお菓子を食べていた。

そんなやり取りをしていると、大井がどこか辛そうな表情をしていた

 

「お姉さま方、すみません、やっぱり私は北上さんと一緒にいたいので、部隊への勧誘にはお答えできません」

 

「やっぱりあたしも大井っちと一緒がいいよ~」

 

「それとすみません、用事を思い出したので帰りますね、今日は本当にありがとうございました、あ、北上さんはもう少し大丈夫ですからゆっくりしていて大丈夫ですからね?それでは失礼します」ペコ

 

そうして大井は隊室を出て行ってしまった、あちゃ~という顔をした面々と、渋い顔をした八幡が残され、空気になっている日浦と熊谷と志岐は、ドラマを見ている気分になりながらお菓子を食べていた。

 

「ごみいちゃん、今のは無いよ、このごみいちゃんめ」

 

「・・・・・・・」

 

「このバカ!ボケナス!!八幡!!」

 

「そうね、ほんとにバカで八幡ね」

 

「八幡は悪口じゃねぇよ・・・・」

 

「比企谷君、ごめんね?ちゃんと言えなかったことを後悔しているみたいだったから私と加古さんでああ言えばチャンスになるかなって思ってたんだけど・・」

 

「いや・・・・・那須も加古さんもすまない」

 

「まったく、全部ごみいちゃんが悪いに決まってんじゃん」

 

「・・・・決まってるのかよ」ハァ

 

「ハッチーさん・・・・・」シュン

 

「ちょっくら出るわ、悪いな・・・・」

 

そう言いながら逃げるように八幡は隊室から出て行ってしまった。

那須と加古は申し訳なさそうにしているが小町は怒っていた。最近の八幡は友人も増えてきていたし、お義姉ちゃん候補も着実に増えてきている、中でも大井と那須は小町的にもポイント高く、これから大井と北上と部隊を組むならなおさら仲良くなれると楽しみにしていたのだ。

だからこそ那須と加古に相談して今回の手段に出ていた。もはや兄の中でも大井と北上と組むことは確定路線のはずだった、それ以外の選択肢など兄の中にはないはずである。そんな中でほかの部隊が勧誘するとなればいくら捻くれ者の兄でも何かしら行動に出るだろうと思っていたのだが、自己評価の低さと自分の意思や希望を通すのがへたくそすぎて小町は泣きそうになっていた。

 

「ごみいちゃんのばか・・・・大井さんと北上さんがどっかに行っちゃったらどうすんのさ」

 

「ん~たぶん大井っちなら大丈夫だと思うよ?」

 

「あら、そうなの?」

 

激おこな小町は大井と北上がどこかに行ってしまうのではと不安になっていたが、その北上は最初こそ悲しそうな顔をしていたが、今はいつも通りののほほんとした顔をしていた

そんな気楽そうな北上の発言に加古が問いかける

 

「大井っちが何かしようとしてるみたいだから大丈夫だよ~♪」

 

「なんにも解らないけどなんかすごい安心感あるわね・・・・」

 

気楽な北上の内容がなにもわからないけど自信満々な笑顔にいつの間にかあれ?これほんとになんとかなんじゃね?って空気になり始めていた。

 

「う~ん、それなら後は大井さんとお兄ちゃんに任せて小町達は女子会に移行しましょうか?」

 

「そうね、そうしましょうか・・・・チャーハン作ろうかしら?」ボソッ

 

「女子会しましょう!女子会といえばお菓子ですよね!比企谷君が戻ったらご飯にしましょう」

 

とりあえず、とばかりに小町が空気を読んで提案をするが、加古がその幻想を破壊しようとしていた。以前八幡が加古チャーハンにより倒れていたのを目撃したことがある那須が慌てて全力で女子会にもっていきつつ八幡を生贄に捧げていた。

 

「それもそうね・・・・それじゃあお菓子を食べながらお話しましょうか?」

 

「おぉ~♪おっかし~おっかし~♪ドーナツあるかな~?ドンドンドーナツドーンといこ~♪」

 

「ドーナツは、ハイこれ♪それじゃあお話しましょう♪」

 

キャラがぶれ始めている北上にドーナツを渡した小町がついでとばかりに詰め寄り問いかける

 

「はいっ!ではまず小町から!!ずばり北上さん!うちの隊に入ってくれますか!?」

 

「うん?ハッチーさんと大井っちと一緒にいたいから結構前からあたしは入りたいなって思ってるよ~」

 

「結構前からってどれくらい前なの?」

 

「う~ん・・・・よく覚えてないけど、ハッチーさんと初めて話したときにティンときたって感じかな?」

 

いろんなキャラのネタを放り投げる北上に空気になっている志岐が俄然興味を出し始めていたが、空気らしく特に触れずに空気していた、そんな中北上の発言に素直に驚愕しているのが那須だった

 

「え?あの時には!?それならどうして比企谷君の勧誘に協力しなかったの?大井さんも北上さんにお願いされたら断らなそうだけど・・・・?」

 

「う~ん・・・なんとなく、大井っちとハッチーさんに仲良くなって欲しかったから・・・・かな?」

 

「あら、ということは、男嫌いの大井さんに無理強いさせたくないから比企谷くんが仲良くなるのを待ってた、ということかしら?」

 

「ほうほう!なるほどなのですよ~♪小町もお兄ちゃんに聞いたことがあったんですよ~♪最初は北上さんとはなしたら~?って言ったんですけどね?まずは大井に言うって聞かなかったんですよ」

 

「つまり比企谷君も北上さんに頼んで入ってもらうのではなく、大井さんに認めてもらおうとしてたのね」

 

「今じゃあすっかり仲良しであたし的にも嬉しいよ~♪このまま大井っちとハッチーさんとずっと一緒にいたいね~♪」

 

「ほうほう!ほうほう!!これはもしかして小町的にポイント高くなる予感♪」

 

「大井っちも今はハッチーさんと一緒に戦いたいみたいだからね♪後は大井っちがなんとかしてくれるんだ~♪」

 

「何とかってどうするのかしら?」

 

やたらと楽天的に考えている北上に加古が問いかける

 

「どうするんだろうね~♪」ニコニコ

 

一切の曇りのない笑顔で北上は答える、答えになっていなかったが・・・・こうして那須、加古、小町、北上の女子会は過ぎていった・・・空気になっていた熊谷、日浦、志岐はいつの間にか寝ていた・・・・

 

 

 

 

ーボーダー内休憩所にてー

 

「それで?なにか言い残したことはありますか?」

 

私は今比企谷さんを正座させて説教していました。先ほどの比企谷さんの発言に悲しくなり、思わず飛び出してしまったのですが冷静になると非常に腹が立ってきたのでこうして休憩所に比企谷さんを呼んでお話していました。

 

「あの、しょの・・・・しゅみませんでした!」ドゲザー

 

「ふむ・・・どうしてあやまっているんですか?私は遺言はありますか?と聞いているのですが」

 

冷や汗をかきキョドりながら土下座をしている比企谷さん・・・・なんでしょうか、この胸の奥からこみあげてくる気落ちは・・・・もっと困らせたくなってきました。

 

「いえ、その自分は死んでしまうのでしょうか?小町を残して逝くわけには・・・・・あ、はい、その、すみませんでした!」

 

「あらあら、どれにたいして謝罪しているのですか?比企谷さん?ど・れ・で・す・か?」ニコニコハイライトオフ

 

「え・・・その・・・・なんといいますか・・・・・」ゴニョゴニョ

 

私は笑顔で比企谷さんに問いかけます。先ほどの失礼な発言への罰なのですから少しくらいは困ってもらわないとですよね♪

冷や汗を流しながら目をさまよわせて・・・・そんなに怖いのしょうか?まったく女性の笑顔に対して失礼な態度ですね♪これはもっと言わないとでしょうか?

 

「・・・先ほどの発言に対してですか?」

 

「は、ハイ。その先ほどは申し訳ありませんでした」ドゲザー

 

「反省していますか?」

 

「はい、海よりも深く反省しています」ドゲザー

 

「比企谷さんの言う海は深度2メートルくらいの深さですか?反省しているように見えないのですが」ニコニコ

 

先ほどから土下座し続けているため表情は見えませんが、アホ毛の動きから相当動揺しているのがうかがえます、こんなに慌てるなんてほんとに反省していなかったんでしょうか・・・?

 

「大変申し訳ありませんでした!なんでも言うことを聞きますので許してください!!」ドゲザー

 

「なんでも・・・・ですか?」ニコニコ

 

「いや・・・!それは・・・!」バッ

 

うふふ♪言質頂きました♪これはこれは楽しくなってきましたね!私の発言に慌てたのか比企谷さんが顔を上げて発言を撤回しようとしていますがそうはさせません

 

「誰が顔を上げていいと言いましたか?」ニコー

 

「はっ!申し訳ありません!で、ですが、その・・・死ねとか痛いのは勘弁していただければと思うのですが・・・」

 

「それは比企谷さん次第ですかね?でもそうですね・・・3つほどお願いを聞いてもらえますか?それで今回の事は許してあげます」

 

「3つも・・・!?」

 

「何か?」

 

「いえ、なんでもありません!!」

 

私や北上さんを、特に北上さんを傷つけておいて3つだけで許してあげるのですから文句などないでしょう?と考えながら笑顔を向けるとなぜか比企谷さんが泣きそうな顔をしていました、むう・・・失礼ですねほんとに。

 

「結構。それではまず最初のお願いですが、これからの質問には正直に答えてください」

 

「ん?そんなんでいいのか?好きなのは小町、マッカン、趣味は読書「死にますか?」いえ、なんでもありません。畏まりました、なんなりとご質問下さい」

 

なんでしょうこの人は、本当に反省しているのですかね?まあいいです、それでは最初のお願いを消化しましょう

 

「まず、先ほどの事ですが、あれは本心ですか?正直に答えてください」

 

「そ、その・・・正直大井と北上がどこかに行ってしまうと思うとその・・・アレで、でも俺にはそんな権利もないから・・・・その・・・・」カオマッカ

 

「ふむ・・・わかりました。まぁ比企谷さんにはそれが限界ですかね?」

 

ふむふむ、真っ赤な顔の比企谷さんも悪くないですね・・・じゃなくて!やはり本心ではありませんでしたか。

 

「では次のお願いですが・・・・」

 

「お、おう」

 

「私と北上さんを比企谷隊に入れて下さい」

 

「お、おう・・・・・え?」

 

「聞こえませんでしたか?私と北上さんを比企谷隊に入れて下さい。もちろん隊長は比企谷さんで、これからは小町さんだけでなく私と北上さんも守ってもらいます、そのかわり私と北上さんはあなたと小町さんを守ります。宜しいですね?」

 

まったく目だけでなく耳も腐っているのでしょうか?自分からは言いづらそうだったので私から言ったのに何が不満なのでしょうか?失礼ですねまったく!

 

「・・・・そんなことでいいのか?俺よりも強い奴はボーダーにたくさんいるし、頭のいい奴やイケメンなんかもいっぱいいるぞ?」

 

「構いません。私も北上さんも比企谷隊で戦うのを望んでいますので。それで、入隊は許可して頂けますか?」

 

「・・・・もちろんだ、これからよろしく頼む、大井」

 

ふふん♪これで終わったような顔をしていますが、私の本題は次ですよ♪それにしても先ほどからずっと土下座させたままでお話していますがこれは絵的にどうなんでしょうかね・・・?

 

「ありがとうございます、それで最後のお願いなんですが」

 

「え!?まだあんの・・・・?」

 

「当然です、3つと言ったでしょう?」

 

「はぁ・・・わかった」

 

「ふふ♪それでは最後のお願いなのですが・・・・今後は私と北上さんの隊長として相応しい能力と態度をお願いします」

 

「ぐ、具体的には・・・・?」ダラダラ

 

思ったより効果がありましたね・・・・随分動揺していますね・・・・

 

「天使のように美しい北上さんの隊の隊長になるのですから、先ほどのような自己犠牲(笑)みたいなのは却下です、また、目立ちたくないからといって訓練やランク戦で手を抜くのも却下です」

 

「むぅ・・・・俺の性格や考え方はすぐには直せないが、努力しよう。つか、手を抜いてってなんだよ・・・・?」オドオド

 

これでばれてないつもりなのでしょうか?そんな冷や汗流しながらオドオドしていたら態度で丸わかりなのですが・・・・

 

「まぁ最初に気づいたのは北上さんですが・・・何回10本勝負をしても4回しか勝てませんでしたからね、おかしいなとは思っていたんです」

 

那須お姉さまとやると大体2~5本だったり調子によってばらつくのに比企谷さんとは絶対に4本なのですから、明らかに手を抜いていますよね、最初は全然気づきませんでしたが。大方私達のポイントを上げやすいようにしてたとかなのでしょう。本人は認めないでしょうけど・・・

 

「いや、たまたまだろう・・・・お、俺はいつでも本気でやってるし?い、いつも全力で空気になろうとしてるまである」

 

「正直に話してくださいね?怒りますよ?」

 

「・・・・・・・」ダラダラ

 

「今度からは全力でやること、いいですね?」

 

「むぅ・・・了解した。今後は訓練の時は「常にです」・・・・常に手を抜かないことを約束する」

 

「はい♪なので当面の目標はA級昇格ですね、比企谷さんにはソロポイントで10位以内に入ってもらいます。東隊長や忍田本部長に聞いたところそのくらいの実力はありそうっていってましたよ?」

 

「なにそれ・・・超過大評価なんすけど・・・・・」

 

「約束ですよ♪とにかく、すべてにおいて私達の隊長として相応しくなってください、疲れた時や休みたいときはしょうがないので私がお世話してあげますので安心してくださいね♪」ニコニコ

 

そうですね・・・そのうち眼鏡を掛けてもらいましょうか・・・腐り目の隊長では北上さんのいる部隊にはふさわしくないかもですしどうにかして中和出来るようにしたいですね・・・あ、それと大事なことを忘れてました

 

「あ、あと大事なことを忘れてました、最後におねがいしたいのですが」

 

「3つじゃねぇのかよ・・・・まあいいや、なんだ?」

 

「私や北上さんがお願いした時には頭を撫でてください♪約束ですよ♪」ニコッ

 

「かわいい・・・・・はっ!おまっ!それ卑怯だろ・・・・はぁ・・・・了解した」

 

「ありがとうございますっ♪それじゃあ早速訓練に行きましょうか?もう手を抜くのはだめですよ?」

 

「わぁーってるよ」

 

「それでは行きましょう♪比企谷隊長・・・いえ提督♪」

 

隊長よりも提督の方が呼びやすいですね・・・・これからはボーダー内では提督と呼びましょう♪今まさにすごい嫌そうな顔をしていますが・・・・気にせずに呼んでいくことにします。

 

そうして私は嫌そうな顔をしている比企谷提督の手を引っ張りながらランク戦ブースに向かうのでした。

 

これからこの普段はダメダメな比企谷さんを更生させつつ私の天使である北上さんのお世話ができるのですからこれからの生活が楽しみですね!張り切っていきますよ♪

 

 

 

 




というわけで、最終的には大井っちが大活躍しました。今回の話は本当に迷走につぐ迷走で、現状の自分の文才ではこれが限界でした、ぐぬぅ(´Д` )

なんだかんだで八幡が大井とか北上をまともに勧誘するのが想像できないんですよね、小町か北上が言えば瞬殺なことですが、あえて八幡にやらせるというコンセプトのせいで17話もかかってしまいました(笑)

今後はいくつかその後の話を投げて行きますのでもう少しお付き合いして頂けると嬉しいです!

いつも読んでくださる方々、ありがとうごさいます!今後もよろしくお願いしまっす!!


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第2章比企谷隊の日常編
比企谷隊の日常1 新たなる旅立ち、それは正座から始まる


こんにちは!新章開幕であります!!

これからは日常系作品として適当に投稿していきますね!おおよそ週に1~2回くらいの更新スピードで行きます

比企谷隊に入った大井と北上、今後もそんな彼ら彼女らの日常の話を書いていきたいと思いまっす!

それでは新章開幕です!


ー比企谷隊 隊室ー

 

そこには異様な光景広がっていた、普通の人から見たら、もしくは通りすがりの人が見たら皆が不審に思うだろう光景が広がっていた・・・・・が、我が比企谷隊の隊室においては日常の一風景になりつつあったため妹の小町と隊員の北上は早々に隊室から出て行ってしまっていた、大方那須隊のところにでも遊びに行ってるのだろう。

 

小町が日浦とクラスメイトで友人なのと俺と那須、熊谷がよく訓練をしているためボーダー内では比企谷隊と那須隊のメンツで絡んでいることが多くお互いの隊室を自由に行き来していた。

当然その中に俺は含まれていないが・・・・だってガールズチームの隊室に入るとか無理でしょ・・・そんなこんなで今日は小町と北上は那須隊のところに遊びに行ってしまい我が隊室には大井と俺が2人きりになってしまっていた。

 

近すぎず、遠すぎずの距離で2人で見つめあい、2人の間には会話は無く、静寂が部屋を包んでいた。そんな中俺が微笑むと大井も笑顔で返してくれた・・・・・眼は笑っていなかったが・・・・

 

「それで?これはどういうことですか?」ゴゴゴ

 

「・・・・・・・・・・」ダラダラ

 

腕を組んで立ちニコニコ(眼は笑っていない)の笑顔で俺に問いかけてくる大井の後ろには黒いオーラが漂っていた・・・・そしてその向かいにはいつも通り、と言いたくはないがいつも通り正座させられている俺こと比企谷八幡がいた、ふぇぇ・・・怖いよう・・・・笑顔だが、内心では怒り狂っている大井に正座させられている俺は恐怖で冷や汗が止まらなくなっていた・・・・はい、最近よく大井に正座させられている私です。

おかしいよね?ここ比企谷隊の隊室で俺隊長なのに、最近普通に座ったことほとんどないんだぜ?いつも天使の小町と北上におかしや飲み物を給仕したり大井に説教されて正座させられたりで椅子に座った記憶があんまりないんだ・・・・グスン

 

「くだらない事を考えてないで質問に答えてください!どうして黙っているんですか?こ・れ・は・な・ん・で・す・か?」ニコッ

 

「し、しょの・・・・数学の答案です・・・・・」ガクブル

 

「そうですね、その答えは間違ってはいないですね・・・・ですが私が聞いているのはそういうことではありません、もう一度聞きますよ?八幡さん・・・これはどういうことですか?」

 

そう言いながら大井は一枚の紙を提示する、そこには数学のテストの答案と横には赤ペンで一桁の数字が記入されていた。100点満点中で・・・・・一桁の数字が記入されているのみだった。

 

そういえばいつの間にか大井の俺への呼び方が比企谷さんから提督になり今は八幡さんになっていたなぁとか現実逃避してみる。先日唐突に提督呼びをしてきた大井だが、その呼び方が北上にも移り2人で提督呼びを始めていたのだが周りの視線があまりにも痛いためなんとか名前呼びに戻してもらっていた。

その際に戦闘時は提督呼び、普段は名前という比企谷隊ルールが新設されていたがなんじゃそりゃとか思った。

ついでになぜか大井が比企谷から八幡と呼ぶようになっていたのだ、ぶっちゃけ大井のような美少女から呼ばれると恥ずかしいのだが本人がなんてことないように呼んでいるのをみたら自意識過剰過ぎてキモイとか言われそうだからそのまま受け入れていた。最初の頃は恥ずかしくてめっちゃキョドりまくっていたが・・・・

 

「その、俺は私立文系に進学予定でだな・・・・数学は必要ないのだからであってだな・・・」アセアセ

 

「遺言はそれだけですか?先日私と約束しましたよね?隊長として相応しくあってくださいと・・・・その約束をこんなに速やかに撤回するとは思いませんでした・・・・」ゴゴゴ

 

なぜか大井の後ろに修羅が見えるような気がする・・・・サイドエフェクトかな?イナズマイレブン?装神少女なのん!?腕を組んでいる大井と強調される双丘がハラショーです・・・・そして後ろのオーラが怖い・・・・対する俺は正座で蛇に睨まれたカエル状態であった

 

「ま、待ってくれ!!言い訳を、言い訳をさせてくれ!!」

 

「いいでしょう・・・・言ってみて下さい」

 

この言い回しで状況を好転させる奴がいるのか不安になるような大井の言葉と態度だが俺は一縷の望みをかけていた!まだだ!まだおわらんよ!!

 

「そ、その約束は先日の話だが、このテストは先週だ!!」ドヤァ!

 

「・・・・・で?」

 

大井の目からハイライトが消えたぁ!だ、だがっ!

 

「つ、つまり今回のテストにおいては契約外の事であってだな・・・・」

 

「・・・・・・・」

 

眼が・・・!ハイライトが・・・・なんか汚物を見る目になってきてる気がするぅ!それでもっ!

 

「だから今こうして俺が正座させられているのは違うのではないかと・・・・」

 

「・・・・遺言はそれだけですか?」

 

どどどどっどうしよう!?このままだと俺死んじゃうのん!?だとしても!っここで小町を残して死ぬわけにはいかないんだぁーー!

 

「はい、申し訳ありませんでした!今後このような事が無いように苦手教科をなくし、大井と北上の隊長として相応しくなれるように精神誠意取り組んでいきます、ですのでどうか命だけはご容赦ください!」ドゲザー

 

かっこいいことを考えなが最高に情けないことを言う俺、八幡です。

 

「そうですか・・・・では具体的なプランの提示をお願いします。現状一桁の点数をどのように改善していくのですか?」

 

しかし我が隊の女神兼北上のお世話係である大井さんは容赦がなかった・・・・最近は八幡更生委員会の委員長に就任したらしいですよ?なにそれ怖い・・・

 

「・・・・・・・・」

 

「どうしたんです?具体的にどうするつもりですか?」

 

「・・・・・え、えと・・・・一生懸命勉強します?」

 

「なんで疑問形なんですか・・・・はぁ、しょうがないですね幸い私は数学得意ですから1年までの範囲は私が教えましょう、2年の範囲は那須お姉さま達にも協力を要請します」

 

「まじか・・・・ち、ちなみにゴールは・・・?」

 

「ふむ、そうですね・・・国語が学年3位ですから、それに合わせて数学も10位以内に入るのが最終目標ですかね?ですが、とりあえずは苦手克服と次回のテストで80点を目標にしましょう」

 

なにに合わせてんだよ!?とかとりあえず80点とかなかなかに横暴な目標を立案する大井だが、現状の俺にこの少女をとめるすべは持ち合わせていなかった・・・

 

「せめて60点くらいとかになりませんかね・・・?」

 

「ダメです!八幡さんはやればできる方ですからこのくらい問題ないはずです!」

 

せめてもの妥協案を提示する俺だがスイッチの入っている大井には無駄な抵抗であった・・・いつものように左手を腰に当て、右手の人差し指を俺に向けながらやや前かがみにメッ!ってしてくる・・・・ダメなお兄ちゃんをしかるしっかり者の妹みたいでめちゃくちゃかわいかった、かわいさニューウェーブだった。

 

「めっちゃかわいいなおい・・・・」ボソ

 

「何か言いましたか?まったく、能力はあるのにどうしてこうなんでしょうね?まったく!私と小町さんがいないとダメダメですね!ほんとにダメダメのダメ幡です♪仕方ないから私がしっかりとお世話してあげますね♪」ニコニコ

 

めっちゃ楽しそうにボロくそに言ってますね・・・つかダメダメのダメ幡て・・・・泣くよ?

つか大井さんほんとに楽しそうっすね・・・こっちは正座のし過ぎで足がしびれてきたし、さっきから目の前で腕を組んでいる大井の双丘とか太ももとかおへそとかに視線がもってかれそなのを必死に抑えているというのに・・・・・

 

ちなみにB級に上がってから大井と北上はジャージみたいな服装で戦っていたのだが、我が比企谷隊に入った際に小町が「もっとかわいい服が良い!」と言い出したために変更されていた。

 

俺に服装のセンスがないことはわかっているため、小町は那須隊の志岐と他のオペレーター陣に相談したことで現在では大井と北上の服装は例のへそ出しセーラー服になっていた。ちなみに俺は最初こそ提督らしい白い詰襟とメガネを進められていたが、試着したとたんに却下されてその後適当に決められた。なにも感想も言わずにひたすら真っ赤になるなんてよっぽど似合わなかったんだろう・・・・八幡悲しい。そんなこんなで俺は太刀川さんみたいなコートスタイルとハイパーズはへそ出しセーラーと部隊として統一感の無いよくわかんない感じになっていた。

 

ついでにそんなハイパーズの恰好を見た他の隊員からはすげえ拍手された。ランク戦しに言ったら拍手されるとか意味不明過ぎてビビったわ、那須隊の服とか今回のハイパーズの服とか志岐のセンスはかなり好評のようだ、本人は引きこもりのくせに・・・・

それと大井と北上が比企谷隊に入ったことでハイパーズがハイパートリオになるのかしらん?とかドキドキしていたが、どうも周りからはハイパーズでひとくくりになっているらしく俺はついで扱いだった。か、悲しくなんてないんだからねっ!

 

「・・・・と、いう風に進めていきます、宜しいですね!?」

 

「は、はい・・・・了解しました」

 

やっべぇ・・・・ぜんぜん聞いてなかったわ・・・・・正座状態から見える大井のへそとか太ももから注意をそらそうと全力で違うことを考えている間も大井は話していたらしいがほとんど聞いていなかった、しょうがないやん!美少女のへそと太ももが目の前にあるんだもん!・・・もんはないな、キモイ。

 

「では今後は八幡マニュアルにある、校内での接触禁止は除外していきます。今後は休み時間ごとに私かオペレーターのお姉さま方が八幡さんの元に向かいますが、決して逃げないように。目標達成までは休む暇はないと思ってください。当然休日も講師陣の誰かが八幡さんの自宅に伺います、小町さんには了承をもらっていますしすでに講師陣も何人かは了承をもらっていますので」

 

「・・・・・・・え?」

 

こうして大井先生が爆誕し、家から学校からボーダー内において俺に休みがなくなることが宣告されてしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 




そんなこんなで新章開幕でした!

数学の赤点テストと大井・・・・となればこんなことを大井が放置するわけないよね?っていうことで大井による八幡改善計画が始まるのでした。

感想、評価、お気に入り登録ありがとうございます!もはやワートリである必要性に疑問が浮きまくりな今作ですが、これからもよろしくお願いします!


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比企谷隊の日常2 八幡更生委員会

こんばんわ!日常編2話でっす!!

ワートリが休載になりましたね・・・・先が気になりますが、葦原先生の早期復帰をお祈りします!

八幡更生委員会が本格始動していきます、大井、小町の策略により新たに八幡強化作戦が実行されようとしていた

ちなみに大井の求めるレベルは成績10位以内、コミュ障卒業、友達100人です、小町の希望はお義姉ちゃん候補確保だが、最近は全く心配していないため、お義姉ちゃん(仮)のフォローをして楽しんでいます。

そんな比企谷隊の日常です。それでは今回もよろしくお願いします!


ー比企谷隊隊室ー

 

「では、これより八幡更生委員会ミーティングを始めます、進行は私、八幡更生委員会、委員長の大井が務めます」ペコリ

 

・・・・・なんだ・・・・・これは・・・・・

 

 

「それでは本日の議題ですが八幡さんの更生問題についてですが・・・・・・」

 

・・・・・え?まじでなにこれ?

 

俺は今、自身の隊室で勉強をしていたのだが、先ほどからやたらとオペレーター陣が入ってきてどんどん肩身が狭くなっていた、そうして肩身の狭い思いをしてしばらくするといつの間にかミーティングが開始されていたのだ・・・・どういうことだってばよ?

 

「まず、数学の成績については・・・・・・・・・・・・・次に休日のローテーションについて・・・・・・・・・・・・生徒会活動の・・・・・・・・・・・・・眼鏡・・・・・・・・どら焼き・・・・・・」

 

いやいやいや!無理でしょ!?全然勉強できないっすよ!?なんか不穏な議題が飛び交ってる気がするんですけど!?つか眼鏡とかどら焼きって関係あんのかよ!?とか、気になって先ほどから全く課題が進まないですけど

 

そんな不穏なミーティングが行われている現在俺は隊室の端っこで床に座って勉強している。机はみかんの段ボール箱だ・・・・・もう一度言おう、床に座ってみかんの段ボール箱を机にして勉強している・・・・・・グスン

 

もちろん、ちゃんと勉強するのでちゃんとした机で勉強させてくださいってお願いしたんよ!?そしたら大井が「平均点超えるまで却下です♪ちゃんとした机と椅子に座りたければ・・・・・わかりますね?」ってすげえ笑顔で言われっちゃったんだよぅ!!さっきからキモイな・・・

 

そんなわけで先ほどから隊室の端っこでさみしく勉強中である・・・・・くそう、目の前では俺の監視役として北上が寝ていた、監視役どうした・・・さっきっから寝言で「ハッチーさぁん♪」とかドキドキしちゃう・・・しかもやたら気持ちよさそうに寝ているため、さっきから俺もだんだん眠くなってきていたりドキドキしたりとなかなかに鬼畜仕様な勉強環境だった。

 

「では、最後にグループ分けを発表します。Aグループ、私、北上さん、小町さん、Bグループ那須お姉さま、熊谷お姉さま、日浦さん、志岐さんCグループ、綾辻お姉さま、氷見お姉さま、三上お姉さま、メガネ(宇佐美)のローテーションで行きます」

 

「あれ!?私の扱いひどくない!?」

 

「しつれい、かみました。Cグループ綾辻お姉さま、氷見お姉さま、三上お姉さま、うさみん」

 

「訂正してそれなの!?」

 

「問題ありません、また各補佐としてオペレーター陣と加古お姉さま、小南お姉さまにも協力してもらいます。防衛任務等で欠員が出る場合や八幡さんの逃走が予想されるためボーダー内や学校での監視は補佐メンバーの方々に協力してもらいます」

 

なんか、すげえことになってるんだが・・・・あれ、俺を監視して矯正するためのメンツなんだぜ?ギャグだろ?

 

「休み時間はCグループの綾辻班、放課後はBグループ那須班、もしくは補佐メンバー、ボーダーではAグループ北上班がメインで担当します、休日には交代制で午前中を勉強時間として、午後からは八幡さんを自由に使ってください」

 

・・・・・これ、俺の休まる時間が完全に奪われている気がするのは気のせいかな・・・・・・休む日と書いて休日は?ぷりぷりできゅあきゅあタイムは・・・?

 

「それと毎日ではさすがに八幡さんが持たないとのことですので週休2日制で行きます、具体的には火曜と木曜ですね」

 

「メインの強化項目は数学となりますが、各教科も底上げしますので、担当教科については後日連絡いたしますので宜しくお願いします」

 

 

「それでは、本日のミーティングを終了します、皆さまお忙しい中八幡さんのために集まっていただきありがとうございました」ペコリ

 

こうして俺の包囲網が完成してしまった・・・・先ほど名前は上がらなかったが、訓練時には二宮隊、風間隊、東さん、嵐山隊までしごきにくるらしい・・・・・逃げちゃだめかな・・・?

 

だいたい八幡更生委員会ってなんだよ・・・?他にも太刀川さんとか米屋とかやばいのいんのにさ・・・・・こないだ聞いたら太刀川さんは風間さんが、米屋は三輪が担当するからって言われたんだが、その時に俺の人員数おかしくないですかね?っていったんだよ・・・・そしたら小町にお願いされたからって言うんだぜ?仲の良いオペレーター陣は解るけど東さんとか忍田さんとかまでみんな口をそろえて言うんだからビビったよ・・・・・小町どんだけおねだり上手なんだよ!?たかだかB級隊員にたいしてどんだけ張り切っちゃってるのん!?逆にボーダーの将来が不安になったよ・・・・これ小町のコミュ力とおねだりスキルがすごいのか、東さんや忍田さんがやばいのか判断に困る事案だった。

 

ついでに教官の命令は絶対だそうです・・・まぁもともと逆らえないんですけどね!?もし逆らったり逃走した場合はペナルティが発生するらしいです・・・・八幡死んじゃう・・・・・

 

 

こうして俺の日常は比企谷隊の女神と天使達によって奪われていくのあった・・・・・ダレカタスケテェ・・・・

 

 

ー次の日ー

 

爽やかな朝だ・・・小鳥さんおはよう♪ニコ・・・・あ、飛んでった・・・俺の笑顔そんなにキモイっすかね・・・・小鳥さん・・・・グスン

まあそんなことより昨日の事は夢だろう、いくらなんでも現実味なさすぎるしね!B級の冴えないボッチの育て方とかどこに需要があるんだって話だしね!俺ににたいして投入される戦力がおかしすぎるしね!!さーて、今日も張り切ってボッチするぞー!!ガチャ

 

「「「「おはよう♪比企谷君♪」」」」

 

そんなフラグを建てまくっていたら、まさかの強襲をうけてしまった・・・・フラグ回収早すぎませんかねぇ・・・・・そう、朝起きてマイラブリーエンジェル小町におはようと言おうとしたら、そこには小町だけでなく綾辻、宇佐美、氷見、三上がいた。

 

「・・・・え?なんで朝からお前ら家にいるの?」

 

現実逃避していた身としましてはせめて学校くらいまでは逃避していたかったのだがあまりの急展開に逆に現実逃避しているまであるな・・・・意味わかんねぇや、思考が全く追いつかねぇ・・・・つかマジでなんで居るのかしらん!?

 

「おはようお兄ちゃん♪遥さん達はお兄ちゃんの監視・・・・じゃなくて迎えに来たんだよ!」

 

監視っすね・・・・まあ確かに逃げる気満々だったけどさ・・・・休み時間に強襲されたらボッチなんか一瞬で蒸発されちゃうしね・・・視線で。

 

「そういうことだから、朝は一緒に登校だよ♪比企谷君♪」

 

「早く着替えてきなよ~?あ、洗面所におすすめの眼鏡あるからね!つけて来てね!」

 

「朝食も準備できていますので急いで下さい」

 

「ふふ♪比企谷君の家で朝食って不思議な感じだね♪」

 

綾辻、宇佐美、氷見、三上と順番に話しているが思考が未だに追いついていなかった俺は生返事をしながら登校する準備をする、顔洗って~着替えて~としているうちにだんだんと思考がクリアになっていく

 

・・・・え!?マジで!?あんなファンクラブとかありそうなメンバーと一緒に登校!?ボッチの俺が!?

 

・・・・・無理無理無理無理!!!!マジで無理だって!やばい、このままじゃやばい・・・・・!!とりあえず今日は逃げよう、あとで「あっごっめーん、寝ぼけて一人で登校しちゃったーてへっ」とか言ってごまかそう。そんで明日からはせめて人員を減らしてもらえるように交渉しないとこのままじゃ視線とか視線とか、あと嫉妬の視線とかで死んでしまう。ボッチはさ・・・・注目されると死んじゃうんだぜ?

 

よし、そうと決まれば逃走しよう、幸いあいつらは朝食をとるためにリビングにいる、窓から逃げよう。そう考え窓を開け家から逃走しようとした俺だが、我が隊の女神様はそんな俺の行動などお見通しだったようだ・・・

 

「おはようございます♪八幡さん♪」

 

逃走しようとした俺の後ろにはニコニコ笑顔の大井が立っていた・・・・もちろん眼は笑っていなかった

 

「お、おわた・・・・」カガクブル

 

こうして新たなるガイアの試練が俺に与えられるのであった・・・・・

 




そんなこんなで初日から比企谷隊の女神、大井がフルスロットルで仕掛けます

はたして八幡に明日はあるのでしょうか?ちなみに小南や加古が補佐なのは小南は支部が違ったり、加古は学校が違うためです、が、ぶっちゃけ八幡にプレッシャーを与えるためにわざと比企谷隊でミーティングをやっていただけでわりと適当に空いてる人が行く予定になっています。

今後は小町のお願いによりボーダー組が学校でも絡んでくるようになります。小町まじぱねぇ・・・・この作品のなかで一番強化されてるのは小町かもしれませんw

呼んでくれた方々ありがとうございます!



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比企谷隊の日常3 諦めたらそこで終わりです

こんばんわ!日常編3話です!

タイミング的に現在時系列が5月位なのですが、鳩原さんの下りは省略します!
もうすでにいなくて、二宮隊も降格していると思って下さい。ついでにそのくだりも触れる予定はないのです。



そんなこんなで八幡更生委員会の活動開始です!どうぞ~


ー通学路ー

 

その集団は一体なんなのだろうと道行く人すべてに思わせるような不思議な集団が歩いていた。

 

全体図で言うと男1、女6といういわゆるハーレム集団に見えた、俯きがちな男は目に覇気が無いというか、腐っているというか・・・・そんな感じだが顔のつくりは悪くないため見方によってはイケメンにも見える。周りの女性陣はいずれも美少女で学内でファンクラブがありそうな容姿をしていた。

 

そんなハーレム集団が歩いているとあっては道行く人の注目を浴びるのは当然のことと言えた。

 

「あ、あの・・・視線が痛いので俺一人で登校してもいいっすかね・・・・?」

 

「「「「「「却下」」」」」」

 

「・・・・・・デスヨネー」ハァ

 

周りから見たらハーレムの集団だが、実際は囚人を護送している、という方が正しいのだろう。朝に逃走を図った囚人(八幡)は看守(大井)に見つかり複数の監視(北上、綾辻、宇佐美、氷見、三上、大井)の元に学校までドナドナされていた

 

「ちなみに八幡さん、今後も逃走を図るつもりでしょうけど、無駄ですので早めに諦めた方がいいですよ?」

 

「・・・・な、なんのことかな?」

 

「その間が答えになってますね・・・・まあいいです、逃げるのは無駄です。もし逃走を図ろうとしてもボーダーが総力を挙げて確保しますので早めに諦めて下さいね。ちなみに逃走を図るごとに小町さん印の八幡チケットが各員に発行されていますので早期の降参をお勧めします」

 

八幡チケット・・・それは小町のお願いと同等の威力を持つといわれている対八幡用の最終兵器である。これを使用された場合八幡はほぼ無条件でチケット使用者の指揮下に入るという八幡的に非常に厄介な物であった。

実際に使用されても仕事の手伝いや買い物の荷物持ち程度がほとんどではあるが・・・現在では大井、北上獲得作戦の協力報酬として各オペレーターがそれぞれ5枚ずつくらい所有しているそれをさらに拡散しようというのだからその恐怖は計り知れなかった。

 

「その、もう逃走はしないのでせめて距離をおかせてくれませんかね・・・・視線が・・・・・ね?」

 

「えぇ~?ハッチーさんあたし達と一緒に登校するの嫌なの?」ウルウル

 

注目されたくない八幡が距離を置こうとするも隣を歩く北上の涙目のお願いによりあえなくハートをラブアローシュートされ撃沈されてしまった。

ちなみに現在の布陣は先頭に綾辻、三上、次に北上、八幡、大井、最後尾に氷見、宇佐美の2-3-2のフォーメーションを組んでいる。センターは八幡で両手を北上と大井に拘束されていた。一見するとハーレムのようだがその実八幡を逃がさないように囲んでいるのであった。当然学校付近になると周りの視線が一層きつくなり、そのころには八幡は周りからの視線でカッスカスになっていた・・・・

 

 

 

ー八幡のクラスー

 

そのまま八幡の護送が完了しようとしていたころ、さあ教室に着いたら授業まで寝ようかね!と校門に入るころには思っていた八幡だが比企谷隊の女神は甘くは無かった

 

当たり前のようにそのままの布陣で八幡のクラスに到着したが、周りからの視線は一層不快なものになっていた

 

「ふむ・・・・なるほど・・・・そういうことですか」

 

なにやら考え事をしている大井、八幡の所属するクラスに入り、周りが騒然としながらその集団に注目しているのを見渡しながら何やら納得していた。クラスメイトから八幡がどのように思われているのかがわかりやすい八幡に対するヘイトスピーチがちらほらと聞こえていた。

 

「あ、あの・・・大井さんや?もう教室に着いたんだし自分の教室に行った方がいいんじゃないかなって八幡思うんだっ、あ、綾辻と三上と宇佐美と氷見もそろそろHRだろうから・・・な?」

 

「え?だめだよ?休み時間は私たちとお話してもらうよ?」

 

「それと放課後も生徒会あるからね?」

 

「そういうことです、諦めて下さい」

 

「うんうん♪」

 

周りからの視線やヘイトにげんなりしている八幡だが三上、綾辻、氷見、宇佐美は周りの言葉が聞こえているだろうに全く気にせずに話しかけてくる。

 

「八幡さん、休み時間は勉強ではなく、コミュニケーションスキルを磨いてもらいます。各休み時間毎に厚生委員会から派遣されてきますので、都度会話の練習をしてもらいます。正直この教室の八幡さんに対する評価は不快です。ですので早期解決に動きますので」

 

「む~ハッチーさんかっこいいし、ちょう優しいのに・・・・・」ムスー

 

「北上さん、気持ちはわかりますが今は我慢して下さい、きっともう少しすれば周りの八幡さんへの評価もかわりますから」

 

周りからの八幡に対する評価が著しく低いことを理解した大井と北上はすでにかなり不機嫌になっていた。周りとの干渉を苦手とする八幡であるが、学校ではそれが顕著に出ており、今も周りからはボッチのくせにやら根暗やら誰あれ的な発言が飛んでいるのが許せなかったのだ。

 

本当なら今すぐ声を上げて訂正させたいところだが今のタイミングで言っても逆効果であるため我慢していた。この評価を改める機会はすでにすぐそこまでに迫っていたのだ、だからそれまでは我慢しつつ少しづつ八幡の印象を改善するべく家から学校、ボーダーまで様々なタイミングで話しかけたり勉強したり訓練したりしていた。

 

「すまないな、北上、大井・・・・」

 

「「ストップ!!」」ガシッ

 

自動お兄ちゃんスキルが発動しそうになる八幡の両手を綾辻と氷見が慌てて止める、さすがにこの状況で自動スキルの発動は周りからのあれやこれやがたいへんだからだ。

自動スキルのため、通常なら反応のむずかしいスキルだが、2人の所属する部隊は二宮隊は一人減ってしまい今は3人だがもともと4人の部隊で、嵐山隊は戦闘員4人である、そのためこの二人の能力は他のオペレーターよりも高性能だった。

 

「おおぅ!?っとすまん、またやっちまうとこだったわ、サンキュな・・・・あ、あと手を放してもらえると・・・」カオマッカ

 

「「むぅ・・・・・」」ムスー

 

「まぁまぁ、撫でてもらえなくて残念なのは解るけど今は我慢してね?後でいっぱい撫でてもらえばいいでしょ?」

 

撫でてもらえなくて若干不機嫌になる北上と大井に三上がすかさずフォローする、さすが風間と共に小型高性能を誇る敏腕オペレーターである

 

「うんうん♪八幡君のナデナデは気持ちいいからねー♪安心するって言うかねー?眼鏡かけてくれたら安心感倍増だしね♪」

 

八幡チケットの主な使用目的が撫でることとメガネを掛けさせるいう宇佐美は各オペレーターが5枚くらい持っている中ですでに残り1枚まで使っていた。マジ無駄遣いである。前の3人に勝るとも劣らない能力を持っているはずだが、この作品の中ではポンコツだった。

 

「コホン、まぁ別に?そんなに撫でて欲しくはなかったですけどね?全然撫でて欲しくなんて・・・・・その、少しくらいは撫でて欲しかったですね・・・」ポショ

 

「ちぇーしょうがないかー・・・じゃあハッチーさんお昼にはいっぱい撫でてもらうね?」ニコ

 

「・・・・・もう、ゴールしちゃってもいいかな・・・・・こんなん可愛すぎて無理やん」

 

「ふふ、そうそう♪こんな感じで休み時間も話そうね!比企谷君♪風間さんにも面倒見てやれーって言われてるしね!」ニコニコ

 

「そうですね、これまでは八幡マニュアル通りにあまり話しませんでしたが、隊長共々これからよろしくお願いします」ペコ

 

「生徒会と嵐山隊の手伝いもよろしくね!」キラキラ

 

「眼鏡もねっ!あとこなみも寂しがるから定期的に玉狛にも来てね!!」ムフー

 

「お、おう・・・・そ、その、ほら、あれだ、・・・・HRはじまるぞ!」カオマッカ

 

それぞれファンクラブがありそうなオペレーター達のニコペコキラムフーによりてれってれになってしまう八幡であった。

 

 

「そうですね、では朝はこれくらいにしましょうか、それでは八幡さんお昼にまた来ますね?逃げるつもりでしょうがもう一度言っておきますね?・・・諦めて下さい。ではまた」

 

「じゃーねーハッチーさん、また後でね?それと、頑張ってね!!」フンス!

 

不吉な予言染みたことを言いながら大井が、八幡を励ましてから北上が教室から出ていく。それを見届けてから三上も自分の教室に戻り綾辻、氷見、宇佐美も席に着く。ハフーと、ようやく一息つく八幡だったが、それも一瞬のことですぐに教師が入ってくる。

いまだ視線が刺さるが気にしないようにして八幡は昼の逃走警戒を練り始めることにした。大井の予言もあるので少々・・・かなり・・・・とてつもなく嫌な予感しかしないが、それでも彼は隊長として、男として逃げることを選択するのであった・・・・・逃げるのかよ。

 

こうして八幡の大脱走計画(笑)が始まろうとしていた・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 




というわけで八幡の負けられない戦い(笑)が続きます

ちなみに大井の計画は職場見学です、細かいタイミングは覚えてないので適当にいきますが、大井的な計画ではここで八幡を活躍させる計画であるとかないとか・・・

俺ガイル原作に絡むと見せかけてほぼ出てきませんのであしからず・・・

呼んでくれた方々ありがとうございます!!これからもよろしくお願いします!!!


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比企谷隊の日常4 八幡厚生委員会の本気

こんばんわ!日常編4話です!

八幡の大脱走(笑)が始まって終わります!

いつも感想、お気に入り登録、評価等ありがとうございます!これからもバンバン大井っちを活躍させて、ジャンジャン八幡をいじめていきますのでこれからも宜しくお願いします!!


ー学校内のとあるデットスペース 八幡SIDEー

 

「ふふふ・・・・・ふははははは・・・!」

 

誰もいない校舎のとあるデッドスペースにて小声で笑う俺ガイル。

 

朝のやり取りの後からは本当に大変だった・・・・1限が終わると宣言通り三上、綾辻、氷見、宇佐美が来襲して話し始めるし、何なら三上はクラス違うのにわざわざ来ていたのだ。特に話す相手もいなかった俺がボーダーであることを知っているクラスメイトはいないためそれはもう周りの視線やヘイトがぱなかった・・・・ぱないの!

 

「はぁ・・・・まじでどうしよ・・・勢いでバックレたけどコレ絶対後でちょう怒られて説教されたあとにぼろぼろになるまで働かされる未来しか見えねえな・・・俺のサイドエフェクトが言ってるもん・・・・・・」

 

学校とボーダーのマドンナ的存在の綾辻だけでもやばいのに、小型高性能、マスコット的存在の三上にクールビューティひゃみさん、メガネの素敵な和風(残念)美人なうさみんとそれぞれファンクラブがあるらしい4人(ちょっと調べたら本当にあった、ちょうびびった)に休み時間ごとに突撃されていた俺はもはや学校中の男子生徒の敵だった・・・・おかしいよね?俺誰にも迷惑かけないように過ごしてたつもりなのにいつの間にか敵ばっかりになっちゃったよ・・・・・グスン

そんな状況に対抗するべく俺は逃走計画を立てていた。確かに大井と北上の隊長として相応しくあろうと努力はしていくつもりではあるが、はたして大井に命令されて(この時点でどうなのかという質問は受け付けない)それで強化された俺は果たして俺なのだろうか?そんなものは本物ではないと俺は考えたのだ。

俺の求める本物は、決して誰かに矯正されて手に入るものではないはずだ!だから俺は、俺自身の考えと俺の求める本物のために、そのために逃走を選んだのだ!そう、俺は…本物が欲しい!!カキカキ・・・・

 

 

「よし、捕まった時の言い訳・・・もとい反省文・・・・・いや、謝罪、でもなくて、理由はこんなもんでいいだろ」

 

いろいろと言い訳を考えながらついでにこの後来るであろうお説教とかに備えるべく言い訳を考える。ちなみに現在は昼休みにはいって5分たった位である、昼休みに突入する少し前にステルスヒッキーを発動し誰にも気づかれることなく教室を抜け出し久しぶりの1人の時間を満喫していた。

ついでにこのステルスヒッキーだが、こないだ開発室のタヌキに発覚してしまい危うくサイドエフェクト認定されてしまうところだった・・・あのタヌキはわかっていないのだ、俺みたいなボッチがサイドエフエクトがあってそれが気配が薄いとかもういじめまっしぐらに決まっている・・・・必死に土下座しつつしばらく書類仕事や新トリガーの実験に手伝うことを条件に見逃してくれたが・・・・おっと思考がそれてしまった。

 

「ようし、久しぶりの一人の時間だ、対策もしてきたし昼休みの間くらいは時間が稼げるだろ、マッカン飲んでのんびりしますかね!」

 

その時の俺はまさかもう扉の前に絶望が迫っているのを知らなかったのだ・・・・

 

 

ー時間少し戻って大井のクラス授業中 大井SIDEー

 

さて・・・・そろそろ昼休みになりますが八幡さんはそろそろ逃走するころですかね?まったく無駄な行為だと八幡さん自身も理解しているでしょうになんでわざわざ自分の首を絞めに行くんでしょうね?

 

「ふむ、やはり逃げましたか・・・・」ハァ

 

マナーモードにしていた私の携帯に綾辻お姉様からの連絡が来ました、本来なら授業中に端末の操作をするのは褒められたものではありませんが、綾辻お姉さま達や私等のボーダー組はある程度の端末の操作が認められているため(もちろん私的な利用はNGですが)今回のような正当な理由(正当です、間違いありません)があるため確認するとやはり八幡さんが消えたとのことでした。

ふむ、どうやら今回は本気で逃げる気のようですね・・・・あの無駄サイドエフェクト(笑)を使用したのでしょう。授業中に逃げるとなるとそれなりの本気度が伺えます・・・

 

「さて、こちらは少し早く授業も終わりましたし早々に確保しましょうか・・・・とりあえず三上お姉さまと氷見お姉さまにメールをしましょう」

 

どうやら八幡さんは私と小町さんが取り付けた発信機に気づいていたらしく(本部長認可の元につけていますので犯罪ではありませんよ?)教室から反応が動いていませんでした。

三上お姉さまの所属する風間隊には地獄耳の菊池なんとかさんがいるため、それを利用しつつ歌川さんと共に校舎の捜索を依頼します、氷見お姉さまにも部隊の犬と辻?に捜索を協力してもらいましょう、犬とついているのですからきっと嗅覚で何とかするでしょう、同様に宇佐美お姉さまと綾辻お姉さまにも放送で八幡さんを呼び出しつつ他のボーダー組にも捜索を依頼します。

そんな一通りの段取りをつけるとチャイムが鳴りました。授業が終わりましたね、これからが本番です。まずはボーダーの開発室室長に電話しましょう。小町さんに聞いたタヌキに電話します

 

「もしもし!鬼怒田だ!」

 

「もしもし、私はB級比企谷隊の隊員大井と申します、お忙しいところ申し訳ないのですがお時間宜しいでしょうか?」

 

「なに!?比企谷隊だと!?」

 

「はい、比企谷小町のいる比企谷隊です」

 

「おぉ~♪やはり小町君のところか~♪小町君がどうかしたのかね?」

 

どうしましょう・・・・小町さんのアドバイスで開発室長に電話しましたが、ボーダーが不安になってきました・・・さっきまで高圧的になってたのに小町さんの名前を出したとたんにすごくにこやかになって逆に不安になってきました・・・

 

「すみません、ある隊員のトリガーの反応を探してもらいたいのですが」

 

「むむ・・・・それは・・・・・」

 

「できませんか?」

 

おかしいですね?トリガーの位置は常にボーダーで把握できるはずなのですが・・・・・

 

「いや、無論できるが、すまんがいくら小町君の部隊と言え個人の隊員の位置を教えることは出来んのだ」

 

なるほど、そういうことですか・・・たしかによく知らない男性が北上さんの位置を把握していたら私はその人を生かしておくことは出来ないでしょうから当然の措置と言えますね

 

「そうですか、小町さんが開発室長はもう一人のお父さんみたいで優しいから困ったことがあれば相談するといいよって聞いていたのですが・・・・・」

 

「なに!?小町君がか!?」

 

「はい・・・・ですが仕方ありませんね・・・・小町さんと一緒に違う方に相談しまs「まぁ私に任せたまえ!それで?誰を探してるんだね?」・・・ありがとうございます♪・・・・・ちょっろ・・・」ボソ

 

ボーダーの開発室長がこんなにちょろくていいのでしょうか?北上さんの個人情報が流出しないか不安になってきましたが・・・・まぁとりあえず目的を優先しましょう

 

「小町さんの兄の比企谷八幡の所在を知りたいのですが・・・校内にいるとは思うのですが先ほどから連絡がつかないと小町さんが心配していまして・・・・・」

 

 

「ふむ・・・・比企谷八幡・・・・むぅ・・・・・・」

 

「どうしましたか?」

 

「・・・・スマン、あやつのトリガーは今メンテナンス中で開発室にあるので本人の居場所はわからんのだ・・・・」

 

「そうですか・・・・小町さんに伝えておきますね?」ピッ

 

ふむ・・・やりますね・・・・八幡さん。使えないタヌキとの交信を終了し私は考えていました、まさか発信機だけでなくトリガーの対策までするとは・・・・ボーダー支給の携帯は持っているようですが、こちらも反応なしですか・・・・・・今のところ他の更生委員会メンバーからも発見の報告はありません・・・・すでに昼休みに突入して5分経過しています、早急に見つけましょう。

 

「あまり知られたくはないのですが仕方ありませんね・・・・北上さん、すみませんが八幡さんが迷子になっているみたいなので見つけてもらっていいですか?」

 

「ふぇ?ハッチーさんが?・・・わかったよ~あたしも探すね?大井っち♪」

 

ふぇ?ですって!!ふぇ?って!!・・・・可愛すぎますよ北上さん!!危うく八幡さんを探すのをやめて抱き付いてしまうところでした・・・・・あれ?もう抱き付いていましたね・・・・・まぁ抱き付きながら探せばいいでしょう♪

 

「お願いしますね?北上さん♪早く見つけてお昼にしましょう」ギュー

 

「そうだね~♪大井っち♪・・・・・う~んこっちにハッチーさんっぽい感じのがいる気がする~・・・・」

 

ふふふ・・・まさか私に最終兵器北上さんを使わせるとわやりますね八幡さん・・・これは今後の訓練と仕事を増やすしかありません・・・私と北上さんのお昼の時間を削った罪は重いですよ?

そして北上さんの特技・・・・ボーダーで言うとサイドエフェクトと言うのでしょうか?・・・・ボーダー的に言うと超直感とでもいうのでしょうね?昔から北上さんは感が良く、こういう探し物等が得意でした、あまり知られたくないため秘密にしていましたが今回は仕方ありません

 

「ん~・・・・」ムムム・・・

 

ムムムってしてる北上さんかわいい・・・・♪今すぐほっぺにキスしてしまいたくなるのを我慢しつつ待っていると突如ぴこーんって感じに北上さんが指差します

 

「あっち!」ズビシッ!

 

ドヤ顔の北上さんかわいい!!っと・・・・あっちは特別棟ですか・・・3階ですかね?

 

「こちら大井、ターゲットを捕捉しました、特別棟の3階にいますので至急確保して下さい、ホシが逃走を図る場合は多少手荒なことをしてもかまいません」

 

ふぅ・・・・これで任務完了・・・・いえ、お楽しみはこれからでしたね・・・・フフフ

 

「北上さんもありがとうございます♪すぐに八幡さんも来ますのでお昼にしましょうか?今日は気分を変えて特別棟で食べましょうか♪」

 

無事任務を終えた私と北上さんは仲良く特別棟に向かうのでした

 

ー特別棟3F とある空き教室ー

 

そこには簀巻きにされて泣いている男がいた、そう比企谷八幡である。そして、その教室には大量のボーダー隊員がいた。

彼は自身のサイドエフェクト(仮)で逃走を図る際に発信機を外し、携帯の電源を切り、誰にも見つからずに1人で昼休みを過ごす予定だった・・・・・・だった。

 

「シクシク・・・・ほ、ほんとにうちの高校に通うボーダーが全員で来るなんて・・・・!!」

 

簀巻きにされている八幡は恐怖に怯えながら泣いていた。本来ならボーダーのA級3バカである出水や米屋はそれを見て笑っているはずだが、実際笑っていたら大井やオペレーター陣に睨まれて今は教室の隅で正座させられていた。

 

本来なら八幡を捕捉する手段の無い大井達だが、北上の隠しスキルにより逃走時間わずか9分であった・・・

 

「お、お前ら任務以外でトリガー使いやがって!あとで忍田さんに怒られて減給されるかもなんだぞ!」

 

今回の八幡の逃走はかなり本気だったらしく発見された後の逃走ルートも確保されていたのだ・・・・教室から逃走用のロープがすぐに出せるようになっており、万が一見つかってもそこから逃走する手筈だったのだがバンジージャンプのごとく教室の窓から生身で飛び出した(ちょう危険と後ですごく怒られていた)八幡を待っていたのはグラスホッパーだった・・・・そうして窓から飛び出した八幡は飛び出した勢いそのままに窓の高さまで飛び上がりトリオン体のボーダー組に確保されていた。

 

「問題ありません、八幡更生委員会の活動として忍田本部長と城戸司令の許可はもらっています。……小町さんが」

 

本当にこの組織は大丈夫なのだろうか・・・そう思わせる突っ込みどころ満載の発言だった。そんな発言に絶望したのか八幡が今度はブツブツとつぶやきだす

 

「ゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイ・・・・・・」

 

よっぽど怖かったのだろう壊れた機械のように謝罪をし始める八幡に優しく微笑む大井・・・・ただし八幡は簀巻きにされていて絵的にやばかった

 

「これでわかりましたか?今後は無駄な手間を取らせないでくださいね?」

 

「・・・うぅ・・・・お、お前ら、よく考えてみろ!もしこのまま俺の更生が進んだとしてだ!目をキラキラさせながら語尾に~ごらん♪とかつけてみろ、そんなやつ俺じゃないだろう!?趣味は瞳の中の星を数えることです♪とでも言わせるつもりか!?」

 

壊れた機械から一転今度は逆ギレしながら必死に説得を試みようとするミノムシ八幡の発言に教室に集合したボーダーが全員苦い顔をする

 

「なんだろう…嵐山さんのパチモンみたいだね…キモイ」

 

あまりにも人数が多くなりすぎたため、その発言が誰かは不明だったが、その声が聞こえていた八幡は大声で泣き始めるのであった…簀巻きのままで。

 

こうして八幡の第1回大脱走は無事に、一方的に八幡のハートを傷つけながら終わるのであった…

ちなみに昼休みが終わっても八幡が泣き止むことはなく、午後の授業を任務扱いで欠席してなだめ続ける綾辻、三上、氷見、宇佐美、大井、北上であった…北上は昼寝していたが。ちょう職権濫用だった。

 

 

 

 

 

 

 

 




というわけで、八幡の大脱走は無事失敗に終わるのでした!まぁ知ってましたよね…ここで逃げ切るようならそれはもう八幡では無いとさえ言えます。まぁもとからあんまり八幡感だせてなかったかもですが…
これから八幡厚生委員会は八幡のイメージアップのために活動します!職場見学イベントでの八幡の活躍(笑)が始まる…
さらにブラックトリガー1航戦を操るS級隊員加賀や、A級部隊金剛隊、新たなるヒロイン候補の航空巡洋艦も参戦するかも!?


はい、無理です。そんなキャラ増やせるわけないやん?んでも艦これから誰か出したいですよね…職場見学を機に八幡の周りが変化していきます、その中であらたなる出会いが…キマシタワァー!!!!…と嘘予告でした、てへ。

そんなこんなでこれからも宜しくお願いします!


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比企谷隊の日常5 みーてぃんぐなう

こんばんわ!日常編5話です!!

基本適当な妄想の垂れ流しの今作ですが、毎話ふと思いついたら2~3時間かけてポチポチしてかいてるためあまり細かい設定は考えてないのですが、最近は結構慣れてきたんじゃね!?って思い始めている昨今です。

そんな今作ですがいつも感想、評価、お気に入り登録ありがとうございます!


八幡更生委員会の本気により八幡の心にちょっとしたトラウマを植え付けたその後は大変だった。

 

5限を任務扱いでサボっていた各員は何食わぬ顔をしてその後教室に戻り何食わぬ顔をしてそのまま授業を受けて何食わぬ顔をして放課後を迎えていた。

 

その後数々の視線から目を背け続けてようやっと帰れるばいとか考えている八幡の元にさらなる試練が与えられる。その試練を与える人物は当然のように八幡のクラスに再度強襲してきたのだ。

 

「さて、八幡さん、帰りましょうか?」ニコニコ

 

「さ~てかえりましょ~♪」ニコニコ

 

授業の終了とほぼ同時に大井、北上が教室に参上→教室内はザワザワと騒ぎ始める→八幡またもや注目されげっそりする→クラスメイトの綾辻、氷見、宇佐美が八幡を連行する→またもや教室内が騒然とする(今日一日繰り返されたのに飽きずにっべ~って騒いでいた)→八幡またもや泣きそうになる(涙目)→教室から出ると八幡更生委員会のメンバーの他にも学校に在籍するボーダー隊員のほとんどが待っていた→八幡が泣き崩れる 完!

 

そうして八幡の帰宅?ボーダーへの出社イベントは朝の護送よりもさらに人員を厚くして行われた結果八幡はさらにげっそりしていた

 

「どうしてこうなった・・・・・」

 

それからの出来事は八幡のトラウマランキングでもなかなか上位に食い込むくらいのトラウマだった。

学校からボーダーまでの道のりを朝の警護を数段上回る超VIP待遇で送迎されるという状態で朝以上に注目を集めていたのだ。

ぞろぞろとボーダーの隊員により護送されている八幡の内心は嘆き悲しんでいた、気ままな一人の時間を奪われ今日一日中周りからの視線に晒されていた心はずたずたであった。

 

「八幡さんの自業自得です!まったくもうっ!」プンプン

 

「すごいね~ハッチーさんは人気ものだね~♪」ホワホワ

 

八幡のお昼の逃走にちょっと、そこそこに、かなり激おこな大井はプンプンとかわいらしく怒りながら過剰なまでに人員を補強して八幡を完全包囲していた

 

「う、うれしくねぇ・・・・つうかマジで俺入隊して1年そこそこの冴えないB級隊員でしかないんだが?なんでこんなことになってんだよ・・・・」

 

もちろん八幡護送計画に協力しているボーダー隊員のほとんどが小町にお願いされたためである。

 

「そんなことはどうでもいいですから、今日の訓練を開始しましょう」

 

「そ、そんなこと・・・・・」ショボーン

 

いつの間にかボーダーについていた八幡達はいつの間にか解散していた警護組にまばらに挨拶をしながらランク戦ブースに向かう。

 

「今日はね~たちかわさん?って人に訓練してもらうんだって~♪ハッチーさんがんばってね~♪」

 

「え・・・・・あの戦闘狂の・・・・?」

 

ニコニコ笑顔でいつも通りに八幡と手を繋ぎながら歩いていたら北上が今日の晩御飯の話をするかのようにさらっと告げるその相手に八幡はげっそりしていた。太刀川慶、それは戦闘狂で一人だけおかしなポイントを所有している変態アタッカーである。あとひげでダメ人間。強い以外にいいとこのない男だった。

 

「はい♪私と北上さんは那須お姉様たちと訓練してきますので八幡さんはしっかりと訓練してくださいね?ちなみに今日の訓練相手は太刀川さん、二宮さん、風間さんです、しっかりとポイント稼いでくださいね?」ニコ

 

「いやいやいや、無理だろ、そんなボーダートップクラスの相手にポイント増やせとか無理だから!」

 

ボーダー内でもトップの実力をもつ相手とランク戦をしてポイントを増やせと比企谷隊の女神は八幡に課題を出す。とてもにこやかだった。

 

「確かに私や北上さんでは難しいですが、八幡さんならきっと勝てますよ♪それにポイント差がありますからもし全敗しても大丈夫ですよ・・・・たぶん。まあ小町さんは怒るとおもいますが・・・・・まあポイントうんぬんは冗談ですので頑張って強くなって私と北上さんと小町さんを守って下さいね?」

 

冗談です♪と言いながらかわいらしく微笑む大井に胸がきゅんきゅんしている八幡。なんだったらサービスでウインクもついてきていたりとサービス満点の大井ととなりで両目をつぶっている北上。たぶん大井の真似をしてウインクしようとしていたが、失敗していた模様でその微笑ましい様子にさらにぴょんぴょんしてやる気がフルチャージされていた。

 

「よう、比企谷!ランク戦やろうぜ!!」

 

ひげコートにそう言われた瞬間フルチャージされたやる気が一気に減少したそうな・・・・こうして八幡の戦いは始まった・・・・

 

 

 

 

一方その後大井と北上は那須隊の作戦室に来ていた

 

「すみません、お待たせしてしまいましたか?」

 

那須隊の隊室に入ると八幡更生委員会のメンバーがほとんどそろっていたため謝罪して席に着く大井と北上。

 

「まだ時間前だから大丈夫よ、大井さん。少し早いけれどそろったみたいだから始めましょうか?」

 

大井の謝罪に大丈夫と微笑みながら那須がつげると他のメンバーもうなずく。

 

「コホン、それでは八幡更生委員会の定例ミーティングを始めたいと思います」

 

パチパチパチパチ

 

大井の開催の合図に委員会のメンバーが拍手をする。みなとても楽しそうであった、訓練という名の八幡更生委員会の定例会が執り行われていた。

 

「まず、本日は八幡さんの護衛お疲れさまでした。案の定逃走を図りましたが、まあ想定内ですね。それと今回の件で皆様もお気づきでしょうが、今後は学校での八幡さんへの不当な評価を改善していくのを優先項目に追加したく思いますがどうでしょうか?」

 

パチパチパチパチ

 

「ありがとうございます、それでは数学の成績改善と並行して八幡さんの評価を改善することを優先していきます、小町最高顧問、なにかありますか?」

 

「はい♪じゃんじゃんやっちゃってください!!」

 

「ありがとうございます、それでは今後の活動ですが、休み時間等はメンバーがそれぞれコミュニケーションの練習として話しかけて下さい」

 

大井の話に綾辻が挙手する。大井がどうぞ、と言うと綾辻は立ち上がり質問する。

 

「今日みたいに人数が多いと逃走する危険性があるよね?当番?みたいなのを決める必要があるかな?」

 

「そうですね~ごみいちゃんは視線を浴びるのが苦手なので一人か二人の方がいいかもですね♪」

 

綾辻の質問に小町がそれあるっ!っといいながら肯定する。学校での出来事を思い出しているのか各メンバーも苦笑いしていた

 

「では、ローテーションで決めましょう、次に八幡さんの評価改善に来週行われる職場見学を利用したいと思います」

 

大井の提案に今度は熊谷が挙手して発言する

 

「でも、今の比企谷じゃあ逆に絡んでくる人が居そうな気がするけど?F組のちゃらちゃらしたのとか縦ロールとか」

 

「フフン♪こんなこともあろうかとっ!!宇佐美お姉さんの出番だね!!」

 

「私にお任せください」

 

熊谷の当然の疑問に宇佐美と志岐が勢いよく立ち上がる

 

「その問題に関してはこのお二人にお願いする予定です、詳細は詰めていく必要がありますが、志岐さんがデザイン、考案した隊服とうさみんのメガネ効果を使います」

 

「「「「「「「「なるほど」」」」」」」

 

大井の提案に全員が納得顔である、SS界でおなじみの眼鏡イケメン八幡効果を使うのである。このサイドエフェクト(新)を使うことにより腐り目がごまかされルックス的な問題は解決である

 

「後は職場見学までにある程度比企谷君のコミュ障を改善して人前で話せるようにしていくわけね?」

 

うんうんとうなずきながら那須が今後の動きについて発言する

 

「そうです、小町さん経由で忍田本部長と交渉してあります。当日は比企谷隊も嵐山隊と協力して職場見学の進行をしていく予定です」

 

「なるほど、生徒会役員にしてボーダー隊員、さらに嵐山隊と共にいれば評価を改めざるをおえないですね」

 

クールに氷見もうなずく。欲を言えば八幡にもう少しポイントがあればボーダーでも木崎レイジに次ぐ二人目のパーフェクトオールラウンダーという箔もつくが、それは致し方ないだろう。

 

「後はおそらく何人かと対戦させれば十分だと思います。そういうことで各員は八幡さんが逃げ出さない程度に休み時間に会話の練習をさせつつ、志岐さんと宇佐・・・うさみんさんは八幡さんのトリオン体の改修をお願いします。」

 

「「「「「「「了解」」」」」」」」

 

大井の最終確認にそれぞれいい笑顔で答える、もし万が一この場面を八幡が見ていたら全力で逃げだすだろうな~とか考えながら北上は昼寝に移行するのであった。

 

 

 

 




というわけで職場見学に向けて八幡更生委員会がさらに活躍していきます!

これから八幡はどうなってしまうのでしょうか!?そしてそのままハーレムルートに入るのでしょうか!?今のところ未定です。3日後くらいの私に聞いてくださいw

そういえば、少しずつ不器用ながらも更新して、少ないながらも評価をもらったり、感想もらったりといつもありがとうございます♪特に感想はにやにやしながら見ていますwそうして最近気づいた事実・・・・・あれ?平均評価下がってる???


そう、まさかの戦いながらも退化しているという・・・・・あれ?おかしいな・・・・・少し慣れてきたかなーって思ってたのに・・・・まぁそういうの欲しさにやっているわけではないので気にしてはいませんが、そんなしょうもない自分に少し笑ってしまった昨今でした。

そんなこんなで少しづつ退化している今作ですがこれからもよろしくお願いします♪


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比企谷隊の日常6 大井のたわわ

こんにちは!日常編6話です!!

少し前から職場見学に触れつつも今回も行きませんww

いつになったら行くのでしょうね?これ・・・・気長に待ってて下さいませ




「それでは、本日の定例ミーティングを終了します。皆様お疲れさまでした」ペコリ

 

「「「「「「「お疲れさまです♪」」」」」」」

 

八幡厚生委員会の定例ミーティングが終了してそれぞれ那須隊の隊室から退出していくオペレーター陣を見送りながら大井は今後について考えていた。

 

「さて、そろそろ八幡さんの訓練も終わっている頃ですかね?回収してから隊室で勉強、それから防衛任務ですね」

 

なかなかのハードスケジュールである比企谷隊、それも当然で大井、北上、比企谷兄妹はすでに先の大規模侵攻により両親を失っているため生活費を稼ぐ必要があるのだ。そのため、他の隊よりも多く防衛任務を入れていたり、本部の沢村本部長補佐の仕事を手伝ったり、開発室の手伝いなどを多くこなしていた。

 

「小町さんと北上さんは夜から防衛任務がありますのでそれまで少し休憩していてください。隊室で仮眠もとって下さいね?」

 

「了解でありますっ!」

 

「は~い。大井っちはどうするの~?」

 

大井の指示に小町は元気よく敬礼して応え、北上は素直にうなずきながら大井はどうするの?と不思議そうな顔をしていた。

 

「八幡さんの訓練もそろそろ終わると思いますので回収してから隊室に向かいますね?その後は防衛任務まで八幡さんと勉強する予定です」

 

勉強しながら八幡の新隊服のデザインや職場見学の段取りも考えないとですしね、と考えながら応える大井に納得したのか北上はふわふわとした笑顔でうなずく

 

「わかったよ~♪ハッチーさんをよろしくねぇ~大井っち?それじゃあアタシたちは先に行って休んでるね~?」

 

「小町も先に行って休んでますね!」

 

「はい♪私と八幡さんもこのあと向かいますので」

 

ニコニコと笑顔で手を振りながら北上と小町を見送ると、さて、とつぶやきながら八幡がいるであろうランク戦ブースに向かう

 

「今日の訓練相手はハードでしたから八幡さんの体力が残っているといいのですが・・・」

 

トコトコと歩きながらボーダーの通路を歩く大井の前になにやら大きなゴミが3つ転がっていた。

 

「「「・・・・・・・・・」」」

 

「・・・・・・なんでしょうね?これ」

 

はて?と床に転がる3つのゴミを見ながら何とも言えない顔をしながらつぶやいていると、なにやら慣れた様子でごみを回収しにきた隊員が登場した。

 

「あ~いたいた、こんなところで伸びていたのか~そんじゃあ回収していきますかね~よっこいしょ!」

 

なれているのかゴミ1であるところの太刀川を素早く回収(片足を掴んで引きずっていた)していく出水に会釈をしながら大井が見送るとさらに次の改修業者が現れていた

 

「お~みごとに倒れてるね~♪それじゃあ回収していきますか」

 

やはり慣れているのか楽しそうにゴミ2であるところの二宮を回収(やはり片足を掴んで引きずっていた)していく犬飼にやはり何が起きているのかわからずに会釈をする大井。

 

ボーダーの通路を歩いていたら大きなゴミ(人)が転がっていて・・・いや人が3人も倒れていたというのに誰も特に気にする様子もなく、まるで恒例行事であるかのように関係のないものは通り過ぎ、関係者はそれを回収していく・・・状況を理解していない大井は頭に大量のはてなを浮かべながら最後のゴミ3であるところの八幡をみる。

 

「よくわかりませんが、犬や出水の態度からケガや病気というわけではなさそうですね・・・・とりあえず回収していきましょうか」

 

そうつぶやきながら大井はトリオン体に換装し八幡をお姫様抱っこして自身の隊室に搬送する。絵面が大変な事になっているが気にせずに歩きだしていた・・・

 

道中に那須と会ったので状況を説明すると苦笑いしながら「いつものことだから大丈夫」とのことで安心して隊室に運ぶ。ついでにこの時那須と熊谷に写真を撮られていた八幡は後日盛大にからかわれていたとかいないとか・・・・・

 

「まったく、八幡さんらしいというか・・・本当に優秀な人なのにどこか残念なのはなんなんでしょうね?ねぇ?八幡さん?」

 

気絶している八幡をお姫様抱っこしながら現状の自分と八幡の状態に苦笑しつつ八幡に話しかける大井。もちろん気絶している八幡に応えられる訳が無いのだが、その大井の表情はどこか楽しげであった。

 

そうこうしているうちに隊室に戻ってきたが、どうやら北上と小町はすでに寝ているらしく2人並んでベイルアウト用のマットで寝ていた。

 

二人の愛らしい寝顔に鼻血を出しそうになりながらも八幡をソファーに寝かせる大井。普段は正座ばかりさせられている八幡が北上と大井、小町専用のソファーを使用するのは実に久しぶりの事であったとか。

 

八幡を寝かせてから大井は北上と小町の撮影会を一人開催する。プロさながらに様々な角度から撮影する事しばらく、ようやく満足したのかやや興奮気味の表情でムフーと一息ついてから今度は八幡を撮影し始める。以前までは北上LOVEというかクレイジーサイコレズだったが、現在の大井は普通に比企谷隊LOVEだった。ちなみにここまでの大井の行動はすべて無音で行われていた、完全に忍者のような物音の消し方だった。

 

「さて、こんなところですかね?八幡さんの写真はあとで那須お姉さま達に送るとして、私も少し休憩しましょうか、八幡さんがこれでは勉強も無理ですしね」

 

しずかに八幡の頭側に座りながらゆっくりと頭を持ち上げ自身の膝にのせる。八幡の寝顔を特等席で鑑賞しながら今後の事を考え始める。やりすぎた事はやや反省しつつ逃げない程度に八幡を追い込む算段を考える。

 

「・・・・・・うぅぅぅ・・・・・・」

 

しばらくすると静かに気絶していた八幡が苦しみ始めていた。ちなみにその時大井は八幡の今後の罰について考えていたのでちょっとビクッってしてしまった。

 

「八幡さん?」

 

びっくりしたのは置いといて心配そうに八幡の表情を見る大井、周りの反応や那須の言葉から待っていれば起きるかと思っていたが苦しみ始める八幡に不安になる大井だが・・・・

 

「うぅぅぅ・・・・チャーハン・・・・・こわい・・・・・海鮮とチョコは無理ですよ・・・・・・助けて・・・・・こまちぃ・・・・大井・・・・・」

 

すごく苦しそうにしながら意味不明なことをつぶやく八幡、何気に小町と大井の名前が出てくることにドキドキしながら落ち着かせるように八幡の頭をなで始めていた。

 

 

「なにかよくわかりませんが大丈夫ですよ?私も北上さんも小町さんもここにいますからね?大丈夫ですよ~?」

 

やさしく囁きながら頭を撫で続けることしばらくしてようやく八幡が落ち着いてきていた。

 

「ふふ・・・やっと落ち着いてくれましたね・・・それにしてもチャーハンってなにがあったのでしょう?」

 

いわゆるワールドトリガー界で有名な加古さんチャーハンである。太刀川、二宮、風間との訓練を何とか生き抜いた八幡が生きる喜びについて考察しているといつの間にか防衛任務で八幡更生委員会のミーティングに参加出来なかった加古に回収されていたのだ。ちなみに風間は防衛任務で無事だった。しかしそのことを大井は知らないため、今でも頭に大量のはてなマークを浮かべ続けていた。右手の一刺し指を頬に当てながら首を傾げる姿は大変可愛らしかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・・ん?・・・・ここは?」

 

しばらくすると八幡が目を覚ました。眠りのプリンスが目を覚ましてゾンビにジョブチェンジしていた。そう表現したいほど目のよどみが悪化している八幡に苦笑気味に大井が微笑みかける

 

「おはようございます、気分はどうですか?」ニコ

 

そんな大井の微笑みを近距離で見た八幡は顔を真っ赤にしながらキョドリ始める

 

「す、すまんっ!!すぐにどくから!!」

 

「構いません、この後は防衛任務なのでそれまでは休んでいて大丈夫ですよ?」ニコ

 

あわてて起き上がろうとする八幡の頭を押さえながら微笑む大井。恥ずか死しそうな八幡は顔を真っ赤にしながら大井に膝枕されていた。

そんな恥ずか死している八幡に微笑みながら大井は頭を撫でつづけていた。

 

「あの・・・・・大井しゃん?その・・・これは・・・・?」

 

「八幡さんの自業自得とはいえ今日は少しやりすぎてしまいました・・・すみません」

 

「いや、それはあれなんだが・・・まぁもう少し控えめにしてもらえると助かるんだが・・・」

 

八幡の質問には答えずに撫で続けながら今日の反省をする大井に自身も逃げてしまった罪悪感からゴニョゴニョしてしまう

 

「そうですね・・・前向きに検討しておきますね?ですが今後の八幡さん次第ですね♪」

 

すごくいい笑顔で応える大井に八幡は苦笑いしていた・・・ほんとにいい笑顔だった。

 

ついでに八幡の頭は大井の膝に乗っておりその目線からは大井のたわわが・・・すばらしくハラショーしていてとても心臓に悪かった・・・・いろんな意味で悪かった・・・・

 

「それ、絶対改善しない人の言い方・・・・」

 

たわわに視線が行きそうなのを必死に逸らしながらもなんとか軽口を返す八幡に意地の悪い笑顔を浮かべながら大井は八幡に忠告する。八幡からはたわわで大井の表情は見えていないが声が意地の悪い感じであった。

 

「ふふ♪どうでしょうかね?八幡さん次第ですよ?これからも八幡さんには頑張ってもらう予定ですからね。防衛任務までまだ少し時間があります、今日は仕方が無いのでこのまま休んでまた頑張りましょうね?」

 

「・・・・・・はいよ」

 

無理に起き上がろうとしたり、逃げようとすれば大井の怒りを買うのは目に見えているため死ぬほど恥ずか死しそうな八幡だが、大井の微笑みとナデナデとハラショーなあれやこれやの誘惑に負けてそのままでいることに、最初は恥ずか死していたがしばらくすると再度の眠りについてしまう八幡であったとさ・・・・・

 

「ふふ・・・・♪あ、そういえばなんで倒れていたのか聞き忘れてしまいましたね?」

 

すでに再度の眠りについてしまった八幡をいまさら起こすわけにもいかず、なんだかもにょもにょした気持ちで防衛任務までの時間をこれからの対策や準備について考察して過ごす大井であった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




というわけで話が進みませんでしたw

ぼちぼち職場見学にふれつつ八幡を今後もいじめていきたいと思いますのでお付き合いください

それといつも感想、お気に入り登録、評価とありがとうございます!!前回のあとがきで同情して登録や評価してくれた心優しい方々にも心からの感謝を!!

これからも不器用なりに楽しんで頂けるように投稿していきますのでこれからもよろしくお願いしまっす!!

それと最近になって気づいたことですが、しばらく投稿してくるとなんか最初の頃のが気になってきますね・・・・・途中で更新停止してリメイクする方の気持ちがわかりました。・・・まぁリメイクしてもたいしてクオリティが変わらないので自分はしませんが、いろいろと直したくなりますよね・・・・そんなこんなで今後もよろしくお願いします♪


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比企谷隊の日常7 デザインを考えましょう

こんにちは、日常編7話です

今回も職場見学にはいきません!!
準備期間長いな・・・大丈夫です!次は行きますから!!

次の話こそ職場見学にいって八幡(新)がちょうかつやくしますからー(棒読み)




ー比企谷隊 隊室 大井の膝枕事件の翌日ー

 

「それでは次の議題ですが、八幡さんの新隊服のデザインについてです、いくつかサンプルを作成していますのでこちらをご覧下さい」

 

そう大井が発言しながら志岐に合図を送るとプロジェクターにいくつか隊服のデザインが表示されていた。いつの間にプロジェクターなんぞ設置したんだろうか・・・・?

 

「では、テーマを説明します、まず、それぞれの隊服についてですが、共通項目としてコートとついでに眼鏡は必要だよね?という宇佐美先輩、那須先輩、綾辻先輩、加古先輩の意見により、基本デザインはコート着用となりますのでインナーとコートのデザインをいくつか作成しています」

 

志岐が説明とともにプロジェクターに投影される隊服デザイン・・・・・っておい。なんかいくつか見た事あるのがまじってるんだが・・・・

1番 SAO キリト風

2番 今の隊服(太刀川隊風)に装飾追加した感じ、おもにチェーンとか中二っぽいカスタム

3番 ALO キリト風

4番 GGO キリトちゃん風(なぜか髪が黒髪ロングストレートになりお化粧もするらしい)

5番 軍服風(コードギアス ナイトオブラウンズみたいな感じ)

6番 執事服

 

・・・・・うん、なんだこれ・・・・・・ほぼほぼコスプレになってんじゃねえかよ!?つかなんだ4番、女装するのかよ・・・・そしてキリト率高すぎぃ!!!志岐・・・・いくら映画化するからってSAO推しすぎでしょ・・・・ってなんで4番について語り出してるんですかねぇ?え!?着ないよ!?どれもコスプレみたいでいやだけど女装とか一番無理だからね!?お願いだからそれだけはやめてくださいオネガイシマス!!

 

「フガー!!フガガガガー!!フンガー!!」バタバタ!

 

そんなおれの切実な思いを発言するべく必死に説得をこころみようとしているが、悲しいかな、現在の俺は簀巻きにされた上で口も塞がれていた、フガーしか言えない・・・・フランドルかよ・・・

 

「お兄ちゃん、うっさい!今会議中だから静かにしてて!!」

 

「ふ、ふが・・・・」シュン

 

ぐすん・・・・小町ちゃんひどい・・・・お兄ちゃんの恥ずかしがる様子と簀巻きにされた上に床に転がされてついでにこれからコスプレさせられそうになっているのに、なんかすごい良い笑顔で目もめっちゃキラキラさせてるんですけど・・・ダレカタスケテェー!!

 

「そうですね、どれも捨てがたいですね、特に4番。すごく、ものすごく気になりますね」

 

あ、あれ?大井さんや?なんでそんなに女装させたがってるんですかね!?わざわざ言い直す程なん!?他のオペレーター達はニヤニヤしながら冗談混じりの顔でこちらを見てるが俺にはわかる。あの大井の表情は本気で候補に入れる気だ・・・全力で候補から外してもらいたいところだが、現状の俺にはコイキングのようにバタバタする以外に対抗手段がない。これから私、どうなっちゃうのぉ~!?・・・・キモイな。

 

「では、一応この候補でデザインを進めて宇佐美先輩にトリガーの設定をしてもらいます、いくつか候補を設定して簡単に他のデザインも試せるように進めていきます」

 

「宇佐美さんにおまかせだよっ!!」フンス!

 

「どれも非常に魅力的なデザインで決めずらいですね・・・・特に4番とか、非常に魅力的です」

 

どんだけ女装させたいんだよ!!久々にクレイジーサイコレズになっちゃうのん!?

 

「ん~それじゃあ全部採用しようか?」

 

「「「「「「「「「え?」」」」」」」」」

 

え・・・・・!?どういうことなん!?どういうことなのん!?うさみーーーーん!!私、気になりません!!やぁぁぁぁぁぁめぇぇぇぇぇぇぇぇてぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!

 

「ふふん♪こんな事もあろうかとってね!!前々から八幡君にいろいろな眼鏡と服を着てもらおうと思ってたからね!トリオン体になるセリフをいくつか設定してそのセリフ毎にデザインを変えれるように出来るよ!!」フンス!

 

「「「「「「「「「あなたが神か!!!!!」」」」」」」」」

 

おまえら鬼か!!!「フガーーーーー!!!!!」くそう!!突っ込みも満足にできねぇなこれ!!

 

「じ、じゃあ・・・・・ネコミミとかメイド服も・・・・」

 

モジモジしながら顔を赤くして三上が問いかけているが、その内容は悪化していた!おーーーーい!!やめてくれぇぇぇぇぇ!!!!可愛い顔してお前らそろいもそろって鬼かぁ!!※周りにはフガーとしか聞こえていないが全力で突っ込んでいます

 

「ふふん♪もちろん出来るよ!!」

 

「ほんとっ!?じゃあ後でデザイン送るね?」

 

「あ、じゃあ私も艦隊これくしょんってゲームの那智と榛名と大和の衣装着せたいかな~♪」

 

宇佐美の返答に嬉しそうにデザインを考え始める三上ぇ・・・・可愛い笑顔で鬼みたいなことしやがるとか思ってたらさらに上を行く猛者が現れやがった、いつの間に参戦してたんですかねぇ?国近さんや・・・・そんな危険な事言うとその二つのメロンわしづかんじゃうぞゴラァ!・・・すみません、嘘です許してください、睨まないでください、振りかぶらないで大井さん!!やめてぇぇぇぇぇ!!※全部フガーとしか発音できてません

 

「ふぅ・・・これでしばらくは静かになりますかね?」

 

 

 

 

 

その大井の手には赤く染まった棒状の何かが握られていたそうな・・・

 

 

 

 

 

 

ーその後のミーティングー 八幡が気絶したためダイジェストでお送りします

 

綾辻「やっぱりトリオン体に換装するときに決めポーズをしてもらってコートをはためかせたいよね!!」

 

宇佐美「それある!!」

 

志岐「トリオン体になった瞬間風もないのにコートをバタバタさせる機構ですね、確かに必要な要素です」ウンウン

 

氷見「隊長から、スーツはないのか?とのことです」

 

宇佐美「それある!!」

 

加古「それじゃあデザインはそれくらいにしましょうか?次はセリフね」キラーン

 

志岐「とても大事な要素ですね、決めポーズと合わせて非常に重要な要素です」ウンウン

 

宇佐美「眼鏡をクイってしてあくまで執事ですからって言ったら執事服に換装する設定とった~♪」

 

小南「なにそれ!?イミワカンナイ!!」

 

三上「えっと・・・・・それじゃあ「比企谷、抜刀」でSAOキリトで!!ポーズは中世の騎士みたいに剣を掲げる感じ!!」

 

綾辻「それなら私は右手を胸の前に挙げてから横に伸ばす感じで「天装!!」でALO風で」

 

北上「ん~それじゃあジョジョ立ちで「震えるぞハート~以下略」で軍服風にしようかな~」

 

氷見「隊長からポケインスタイルで「ジンジャーエール」でスーツにしてくれ、とのことです」

 

国近「う~ん、それじゃー「比企谷抜錨します」で大和、那智、榛名をランダムにして欲しいかな~?」

 

熊谷「みんな容赦ないわね・・・・・」

 

小町「じゃあ普通にポーズなしのトリガーオンで今までの隊服(装飾追加ver)にしましょうか?」

 

那須「それじゃあ後はGGO風は・・・「リンク・スタート」にしましょうか?」

 

日浦「どれも楽しみですね!!」

 

大井「大事なことを忘れてました、「おかえりなさいませ、お嬢さま、もしくはご主人様」で猫耳メイド服は外せません!!スカートのすそをつまんでお辞儀する感じで!!」

 

熊谷「どんだけ楽しみにしてんのよ!?」

 

宇佐美「うんうん♪いいね~♪後は基本的に全部眼鏡つけていいんだよね!?」

 

熊谷「みんな欲望に忠実すぎじゃない!?今日って八幡更生委員会のミーティングよね!?」

 

北上「楽しみだねぇ~♪」

 

大井「そうですねっ!楽しみですねっ!北上さん♪」

 

那須「ふふふ♪比企谷君の困った顔が楽しみだね!くまちゃん♪」

 

熊谷「いや、さすがにこれは比企谷が辛すぎるでしょ・・・・」

 

那須「そうかな?なんだかんだで比企谷君なら大丈夫だよ♪」

 

熊谷「どっからくんのよその自信は・・・」

 

大井「うふふ・・・北上さんに小町さん、八幡お姉さま・・・・・楽しみですね!」キラキラ

 

熊谷「あ、うんもういいや、あたし疲れたから先に帰るわ・・・・」

 

みんな「おつかれ~♪」

 

 

 

 

こうして八幡が気絶している間にあれやこれやと決まり、おそらく最後の良心である熊谷も離脱したことでいよいよもって八幡厚生委員会の暴走を止めることは出来なくなってしまった。

 

はたして八幡の明日はいづこに!?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




というわけで、暴走し始める大井と八幡更生委員会のメンバー達。

八幡は果たして無事に職場見学を迎えられるのでしょうか!?そして八幡更生委員会はどこに向かっているのでしょう・・・そんなこんなで次回こそ職場見学に行きます!!たぶん!!

いつも感想、お気に入り登録、評価、等ありがとうございます♪相変わらず迷走している今作ですがこれからも不器用なりに楽しんでもらえるように書きたいと思います!!

それでは次回、八幡の真のサイドエフェクト(メガネ八幡)が発動します!!これからもよろしくお願いします!!


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比企谷隊の日常8 職場見学1

こんにちは8話です

前回の話で暴走していた八幡更生委員会ですが、今回も駆け抜けます

前回の話の感想でメイドはやらないといったな?・・・あれは嘘だ。

そんなこんなで暴走委員会と八幡のお話です、あとボーダーの説明とか流れとか変えてるのでご容赦を。


ーボーダー 訓練室ー

 

なんだかんだと引っ張り続けていた職場見学がついに訪れてしまった・・・

そして今現在嵐山さんがボーダーについて説明している。さすが嵐山さんだ、手慣れているのか説明に淀みがない。なんかチラチラと此方を見てはいるもののその説明は完璧だった。

 

「まずはボーダーのトリガーについて・・・」

 

イマイチ集中しきれていない嵐山さんの説明は続いていく、最初に嵐山さんや木虎が出てきた時に騒いでいた総武高校の生徒達は現在半分は嵐山隊、もう半分は俺に視線が行きイマイチ集中出来ていなかった。

 

「か、帰りたい・・・つか胃が痛い・・・」ボソ

 

表情こそかえずにボソリと呟く俺ガイル、誠に遺憾ながら本来ならば生徒会として、またボーダー隊員として嵐山隊の補佐をする予定だったが、現状では補佐どころか嵐山隊と総武の生徒の集中を妨害している要因となってしまっていた。

 

「大丈夫だよ~似合ってるからがまんしてね~♪」ボソ

 

「似合ってるって言われて嬉しいわけないだろうが・・・」ボソ

 

嵐山さんが説明している横には佐鳥、木虎、時枝がいて時折こちらをチラチラと見ている・・・・まぁね?俺もこんなんがいたら視線向けるもんね、仕方ないのは解るんだがとにかく生きるのがつらい・・・

嵐山さんとは少し離れたところに綾辻とその横に俺、更に大井、北上、小町と並んでいる。ちなみに綾辻や大井に向かう視線ももちろんあるのだが、現時点で視線が向けられる先の大半は俺に向かっている。え?自意識過剰じゃないかって?そんなわけないだろう・・・考えても見て欲しい。

諸君らがボーダーに職場見学に行ったとしよう、テレビでよく見る嵐山隊が出てきてキャーキャーするのもいるだろう。だが!その横に黒髪ロングの猫耳メイドが居たら諸君らはどちらを注目するだろうか!?

もう一度よく考えて欲しい・・・ここは、ボーダーはあくまでもネイバーとの戦争をする組織である。その説明を受けているのだ、諸君は。その横に猫耳メイドが居る、しかもニコニコしている綾辻の隣の少し後ろに!!まるでお嬢様に仕える熟練のメイドのごとく!!この場違い感半端ない空間で諸君らは果たして嵐山さんの説明をまともに聞けるだろうか!?つか嵐山さんも集中できてないしね・・・・E:猫耳メイド服  を装備した俺は誰にぶつけることもできないから表面上は涼し気な顔をしながら脳内で叫んでることしばらく、説明もぼちぼち終わりそうだな・・・帰りたい。

 

「それじゃあ次はトリガーについて・・・・・」

 

 

 

 

 

 

どうしてこうなったかというと~

 

「それじゃあ八幡さんの職場見学当日のデザインを決めたいと思います」

 

そう告げると大井はおもむろにくじをズイッと俺に差し出してきた

 

 

「・・・・・?」

 

「引いてください」

 

「・・・・・・え!?」

 

「当日のデザイン候補です。これくらいは八幡さんに決めてもらおうかと思いまして・・・おすすめはこのくじです」

 

そう大井が指し示すくじには激熱!!と書かれていた・・・・精神攻撃か、やるな大井。決めさせると言いながらくじを準備して一切こちらに選択権を持たせていないくせにくじを引かせることであたかも俺にも選択権を持たせているかのように思わせている。さらにくじの見える部分に細工を施すことで俺を例の女装の(キリトちゃん)デザインに誘導するつもりなのだろう

 

「ぐぬぬ・・・・」

 

みたところ激熱くじ以外はなんか丸められたり端を曲げたりと何かしらの加工がされているため、それぞれ希望のだろうその中で一つだけ何も加工されてない物がある・・・これはトラップか、おそらくこれがメイド服かキリトちゃんか。

 

俺の性格上激熱はとらないと読んでいるはずだから、おそらくこれが通常の隊服だ!!

 

「これだ!!」

 

そう言いながらくじを引いた俺の手には E:猫耳メイド服 と か か れ て い た !

 

「・・・・・・・」ガーン!!

 

「やったぁぁぁぁぁっぁぁ!!」

 

俺が意気消沈して崩れる横では三上が見た事ないくらい爽やかな笑顔でぴょんぴょん跳ねて喜びを表していた・・・・

 

「まさか自分から激熱を選ぶとは思いませんでした・・・・せっかく解りやすく通常の隊服(装飾追加VER)のくじには何も加工していなかったのに・・・・」

 

そう言いながらも大井さんや、すごくニヤニヤしながらこっちを見るのやめてくれませんかね・・・

 

「いや、ちょっとまて!いや、待ってくださいお願いします!!」ドゲザー

 

「「「「「「「どうしたの?メイドさん」」」」」」」」

 

「ぐぬ!?いや、それはだめだ、ただでさえ俺の肩身が狭いのに女装野郎になったら存在できなくなる!!それだけはどうか!!」ドゲザー

 

「大丈夫!!比企谷君すごく似合うから!!絶対大丈夫だよ!!」

 

「ファイトだよ♪」

 

三上と綾辻はノリノリみたいだが、これは譲れない!

 

「いや、そもそもそんなん着たら俺の更生が出来んだろう?・・・・・したくもないけど」ボソ

 

そんな反論も予想していたのだろう、といかこの流れ完全に既定路線っぽいすね・・・・なんか誘導されてる感がぱない。

 

「大丈夫です、まずは猫耳メイドで注目を集めます、この猫耳メイドさんを八幡さんの姉、というか親戚ということにする予定です。姉企谷さん、いえ姉幡?まあ名称はあとで決めますが、八幡さんと小町さんの姉という設定で行きます」

 

「設定って・・・・それ承認通るわけないだろ」

 

「問題ありません、すでに沢村さん経由で忍田本部長と小町さん経由で城戸司令にも承認はもらっています。設定としては比企谷隊4人目の戦闘員ですが、今まではスカウトに出ていたことにしています、オールラウンダーでトリガーセットも八幡さんと同じって言うことにしてあります」

 

城戸司令・・・・あんた・・・つか小町よ、お前がラスボスなのか・・・!?なぜに俺をここまで追い込むのだ・・・・つか承認降りちゃうのかよ!?もう無理だな、諦めよう。

 

「・・・・・・・んで?」

 

「お、やっと諦めたね?八幡君には猫耳メイド服(メガネ)で注目を集めた後に各トリガーの説明をしてもらいます!!ただし!そのままやるのではなくて~」

 

 

 

 

 

そうして俺の運命が猫耳メイド服に決まっていた経緯に思いを馳せていると嵐山さんの説明が終わったらしい、そろそろか・・・ちなみに猫耳メイド服の俺の正体は八幡更生委員会のメンバーしか知らず、嵐山さんや他のボーダー隊員にはやはり親戚の~という説明をしている。まさか猫耳メイド服で来ると思わなかったのだろうが・・・

 

「それじゃあ各トリガーの説明をしていくのでスナイパーは佐鳥、アタッカーは木虎、ガンナー、シューターは時枝、決めきれない者は綾辻と比企谷さんのところに集まってくれ」

 

はい、綾辻と俺のところに男子生徒の7割が来ました!!死にたい。残りの男子生徒が木虎に、女生徒はばらばらだな・・・佐鳥のとこには2~3人しかいないな、どんまい。ちなみに俺の名前は決めてない、比企谷で十分でしょ?俺以外の比企谷隊のメンバーもそれぞれの集団に説明を始めている

 

「ではオールラウンダーについてこちらでは説明しますね~それでは比企谷さんお願いしますね~」

 

もう俺かよ!説明投げすぎでしょ!!ばれるのが怖いからあまり話したくないがここで怪しまれるのもだししょうがないか・・・

 

「かしこまりました、それではオールラウンダーについて説明します」

 

「っべー!お姉さんマジきれいっしょ!!お名前教えて欲しいわぁ~!!!」

 

「すみません、そういったのは申し訳ありませんが・・・・それではオールラウンダーについて・・・・」

 

「それじゃあお名前を~」「スリーサイズ~」「猫耳メイド萌える~」

 

話を聞けよ・・・・・・ただでさえこんな服人前で着させられて説明もしなきゃなのに泣きたくなってきた・・・・グスン

 

「「「「「「「「・・・・・・・・・・」」」」」」」」」

 

そうしていろいろなあれやこれやがあった俺が本当に涙ぐんでいると・・・・?なんか急に静かになったな?なんかみんなボーっとしてるが大丈夫か?まぁいいやとりあえず説明しちゃおう※涙目にラブアローシュートされていました

 

「それではオールラウンダーですが~・・・・」

 

なんかボーっとしててあまり集中していないからかあんまり俺の話聞いていないけどまぁいいや、この方が説明しやすいし

 

「以上です、何か質問ありますか?・・・・・・とくになければ以上です」ホッ

 

なんとか説明できたじぇ・・・・胸に手をあてホッとしていると周りからズキューン!とか聞こえたが気のせいだろう、気のせいだと信じたい。ハチマンキコエナイついでに向こうでやたらりっぱなカメラを構えている大井も見えていない、なんかすごい勢いで撮られている気がするけどキニシナイ

 

「・・・ほっとした表情の八ちゃんかわいい・・・・っは!それでは実際にトリガーを使用した訓練を実演します、はちちゃん訓練室にお願いします」

 

「八ちゃんって言うのか、かわいい・・・・・ツンとしたクールな感じとメガネに猫耳メイド服・・・・・やるな、ボーダー」ウンウン

 

おまえ何もんだよ・・・つか俺の名前はちちゃんなのね・・・・

 

「かしこまりました、リンク・スタート」

 

綾辻に恭しくお辞儀をしてGGOキリトちゃんモードに換装する、無駄な技術だな・・・ちなみにこのトリガーレイジさんのと同じ拡張型のトリガーで本来なら14個トリガーセットできるらしいが以前のと同じトリガーセットしか入っていない、残りの容量はすべてこの換装システムに使用されてるらしい。まじでうさみんあほでしょ・・・

 

「キリトちゃん・・・・・だと・・・・・・!?ボーダー・・・恐ろしい子!!」

 

だからお前何もんだよ・・・・もういいや・・・無視して訓練室に入ろう

 

「それではこれから八ちゃんに仮想戦闘モードで実際にネイバーと戦闘してもらいます、この後皆さんにもやってもらいますので参考にしてくださいね、それでは、訓練開始!」

 

訓練室にはいるとやや小型になったバムスターが現れる、その気になればすぐに倒せるが今回は実演が目的なためある程度長引かせながらスコーピオンで削ったりバイパーを当てていく。

 

「1分経過、八ちゃんそろそろ倒してもいいよ~」

 

「かしこまりました」

 

そうつぶやきながらメテオラで目隠しをして一気に肉薄して目を切り裂く!っとこんな感じですかね、そうして訓練室からでるとうるさかった

 

「ほぅ・・・・猫耳メイド服でキリトちゃんで強いとは。恐れ入る」

 

だからお前誰だよ・・・

 

「っべーマジ可愛くて強いとかまじっべーっしょ!!」

 

うむ、なに言ってんだこいつ?日本語で頼む。

 

「おつかれ~八ちゃん♪」

 

「いえ、それでは私はこのあと防衛任務なのでこの後は八幡に任せます」ペコリ

 

「は~い、ありがとね~♪」

 

そのまま訓練室から出て綾辻に報告してから優雅に去るぜ・・・・なんか後ろの方がうるさいけど気にしない、ハチマンキコエナイ

 

さて、今度は執事モードに換装する「あくまで執事ですから」ひとりでこれ言うのはずいな・・・・そうして綾辻の元に戻る。

 

「すみません綾辻さま、遅くなってしまいました」

 

「なん・・・・だと・・・・!?メガネイケメン執事!?ボーダーめ!まさかこれほどとは・・・・」

 

さっきからおまえはいったいどこに向かってんだよ・・・・

 

「大丈夫だよ~比企谷君♪防衛任務だったんだしね!それよりこれから八ちゃんと交代してお願いね?」

 

「かしこまりました、お嬢様、それではこれから従妹の八にかわりオールラウンダーの担当をします比企谷八幡ですよろしくお願いします」ペコリ

 

うむ、うるさい・・・さっきまでうるさかった野郎が静かになってこちらを睨んできているのも解せぬが、女子もキャーキャー言っててうるさい・・・・・そんなにキモイっすかね・・・・

 

こうして八幡の職場見学は続く・・・・




というわけで続きます、年始は暇なので近くまた更新すると思います。

八幡女装の話ってちょいちょい見るけどどんな感じになるのか考えてましたが、自分のイメージ的には艦これの那智のイメージが近い気がしますが皆様はどうでしょうか?そんなくだらない事を考えている31日でした。

いつも感想、評価、お気に入り登録ありがとうございます、これからもちょいちょいやっていきますので宜しくお願いしまっす!!


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比企谷隊の日常9 職場見学2

こんばんわ!そしてあけましておめでとうございます!!

さてさて職場見学が続いていきます。

ちなみに前回登場した猫耳八幡ですが、当初の予定にはない登場のため、扱いに困っていますww
まじでどうしよう・・・まあそんな感じで予定とは違うルートを走り始めている今作ですが、これからもよろしくお願いします!!


前回のあらすじ!

 

引っ張り続けていた職場見学が始まったよ!!

猫耳メイド服(メガネ)を装備した俺は嵐山隊と共に案内役として参戦していた、そう猫耳メイド服で。いちおう比企谷八幡の親戚で従姉の比企谷八重、19歳、好きなものはまーぼーどーふってことになっているらしい。八重(やえ)で通称はちちゃんらしい。ふむ、いらん設定だな。もう二度と出るわけないのにね(フラグ)

 

やたらと名前を聞かれたり男に群がられたけど適当にスルーしてなんやかんやと進行して今度はメガネ執事モードで参戦である。うむ、今度は女が近寄ってきた・・・・キャーキャーしないでもえませんかねぇ・・・・

こうして俺の職場見学後半戦が始まるのであった・・・・

 

 

「それではこれより皆様にも実際にネイバーとの戦闘訓練をいていただきます、先ほど私が使用したのはB級隊員用のため複数のトリガーを使用しましたが、今回皆様が使用するのは訓練用のため一つのみとなります」

 

ほんとこれな、せめて2個くらい入れた方が訓練になると思うんだけどムリかな?無理だよね、予算がないわい!って怒られそうだわ。

 

「あ、あのっ比企谷さんのおすすめはなんですか!」「それ気になるー!」「あと携帯の番号も気になりますっ!」

 

う、うるせぇ・・・・さっきまではだんまりだったのに・・・そんなに執事が珍しいですかねえ・・・個人的にはさっきの猫耳メイド服の方がインパクトあったと思うんだが・・・いや、もちろんもう二度と着たくないけどね!!(フラグ)そんな考えなど表情に出ないように気を付けながら淡々と返す

 

「そうですね、おすすめは弧月かアステロイドですね、オールマイティなトリガーです」

 

「それじゃあみんな~順番にやっていくよ~」

 

ナイスフォローだ綾辻!またもや進まなくなりそうな空気を綾辻が素敵に無敵な感じでフォローしてくれる。さすがはマドンナだ!・・・関係ないか。

 

そこから次々とネイバーに挑んでいく生徒たちを見ていく、うむ、視線がキッツイ!おかしいな、さっきまで男ばかりだったのに気づいたら今度は女ばっかりなんですけど・・・・チラチラ見ないで!こっちを見ながらモジモジして「あ、あの・・・!」とか言わないで!囲まないでぇー!!

 

そんな拷問のような時間を過ごす事しばらくようやっとだいたい終わったらしい・・・・ふぅ・・・あと少し、あと少しだけでいい、持ってくれよ俺の体と精神!!

 

一通り終わったのかまた生徒が集合すると嵐山さんが前に出てくる

 

「それじゃあだいたい終わったかな?そしたら次はランク戦をします!ランク戦とは~」

 

猫耳メイド服が居なくなったため嵐山さんの説明がスムーズになる、うむ、さすがだ嵐山さん。なんかこっちを見て超驚いてたけどもう持ち直しているみたいだ、メガネ執事モードの説明してなかったですよね・・・てへ。

 

更生委員会のメンバー以外のボーダー隊員もちょっとびっくりしながらこちらを見ている・・・まあね、俺が執事服のコスプレするとか思わないよね、普通。

なんか女子生徒の視線もやたらとこっちに来てる気がするなぁ~やだなぁ~・・・普段教室にいる時は一切視線なんか感じないのに・・・・あ、最近はそうでもないや、綾辻たちのせいでかなり針の筵だったわ。

そんなことをぼんやりと考えていると嵐山さんの話も終わったようだ

 

「~~~というわけでこれから先ほどの訓練のタイムで上位10人の生徒VS比企谷隊の比企谷隊長の対戦と正隊員同士のランク戦をしてもらう!オーダーは比企谷隊の大井隊員と那須隊の那須隊長、それと同じく比企谷隊の北上隊員と嵐山隊の木虎、最後に比企谷隊の比企谷隊長とA級1位の太刀川隊の出水のランク戦をしてもらう!」

 

あ、あれ?なんか予定と違うくない!?なんか俺の名前が2回くらい聞こえた気がするんすけど・・・つか比企谷隊全員参戦かよ・・・・おかしいな、予定だとあとはニコニコしてれば終わりって聞いてたのに・・・

 

えぇ~・・まじでやんの~って視線を綾辻と大井に向ける・・・大井がすげえいい笑顔で笑っている・・・・ア、ハイ。やれってことっすね・・・もうあいつが隊長でいいんじゃないかな?いや、今よりひどいことになりそうだから駄目だな。え?これのデザインどうすんの?このまま?って視線を向けると今度は綾辻がカンペを出す・・・なになに?SAOモード?いつもの隊服じゃ・・・あ、だめっすか、ハイ。

 

「それじゃあ上位10人隊比企谷隊長の対戦を行う!!ちなみにハンデとして比企谷隊員にはスコーピオンとバイパーのみ使用可とする!1対10だが比企谷、いけるよな?」

 

「かしこまりました。問題ありません」

 

「はは、お手柔らかに頼むよ」「っべー、ぱないっしょ!」「ふん!あーしぜったい負けねーし!」

 

うん、なんかクラスで見た事ある人達ばかりだな・・・F組率高すぎない??

 

他にもなんかJ組のやたらめったら美人さんがはいったりなぜか平塚先生まで入っていく・・・あれ!?あの人白衣だけど生身でやる気なのん!?

 

「それでは・・・比企谷、抜刀!」

 

ポーズをとりながら執事モードからSAOモードに換装する、その際にうさみんの無駄トリガー技術の粋を集めたコートをはためかせる機能が働いていいかんじに「ヴァサァァ!」って感じにマントがはためく。うん、まじ超無駄。これにトリガーホール2個分使うってわけがわからないよ・・・・

ついでにその瞬間またもや大井がごっついカメラで激写している気がするがキニシナイ。ついでにまわりもやかましいけどキニシナイ。

 

「メガネイケメン執事が今度はキリトきゅんに!!」「さすがだな・・・メイドからGGOとくれば執事からSAOも納得のいくチョイスだ・・・悪くない」「っべーまじっべーっしょー!」

 

うん、キャーキャーやかましいし2人目はもうこないだからどこに向かってるのかわかんねえし、3人目はさっき対戦室に入った人とは別の人なんですかね・・・?

 

「では行ってまいります」

 

そうして対戦室に入ると綾辻のアナウンスが聞こえる

 

「それでは比企谷隊長対総武選抜チームの対戦を行います」

 

そうして始まるランク戦?のようなもの、たしか使っていいのはバイパーとスコーピオンか・・・転送されたフィールドは総武高校の周辺らしい、俺は解りやすくグラウンドの真ん中に移動して選抜チームを待つ、移動すんのめんどいしね・・・そうこうするとまるで水戸黄門のように囲まれる俺。え、いいの?そんなに簡単に囲んでも・・・どうしよう・・・今すぐバイパーで一掃出来そうだけど少しは対戦っぽくした方がいいよね

 

「やぁぁぁぁってやるぜぇ!!」「やっちまえー!!」「イケメン死ね!!」「僕の計算によると・・・」

 

とそれぞれ鬼のような形相で突っ込んでくるモブ達4人を適当にあしらいながらバイパーを設置していく・・・ふむ、金髪イケメンとか縦ロールたちは様子見しているみたいだな、まあ1人相手じゃそう何人も一度に攻撃できないしね。

そう考えながら円を描き回避を続ける、そしてその円を中心に向かうように少しづつ小さくしながら螺旋を描いていく・・・中心に達した瞬間にモブに右手のスクリューアッパーを食らわせながら叫ぶ

 

「飛竜昇天破!!」

 

「「「「な、なにぃぃぃーーー!?」」」」

 

それと同時に螺旋軌道上に設置していたバイパーを起動させる、もちろん弾道は中心にむかって螺旋を描き、中心に達した瞬間に竜巻のように上空へ放たれる。それにより絡んできていたモブ達が竜巻に巻き込まれるゴミのように吹き飛んでいった。

 

「さて、次はあなた達の番です、申し訳ありませんが時間が押してきてしまいましたので少し本気でやらせてもらいます」ペコリ

 

「え・・・・?」「っべー・・・」

 

大技に時間をかけすぎたせいで少し時間が押してしまった、綾辻から早急に、というオーダーが入ったのですぐに終わらせるべくとりあえずさっきの大技を見ていてボーっとしてるクラスメートらしき人達を切る。

 

「これで、6人。あと4人ですね」

 

残りは金髪イケメンとJ組の美人さんと縦ロール、平塚先生か。つか先生、ラスボス感出しながらコートはためかせないでよ・・・ちょっとかっこいいとか思っちゃったじゃん。

とりあえずバイパーを放つ、それっぽく適当に当たればいいなーって感じで、当然全員避けるが・・・あ、先生に当たった、気絶した。そりゃ生身じゃ避けれねぇよ・・・あんた何しに入ったんすか

 

「・・・・これで7人」

 

「くっ・・・!!強い」「あーしが負けるわけが!」「・・・・・」

 

なんかイケメンがこれまた劣勢になりながらも勝利をあきらめていない主人公の顔をしていたので瞬時に肉薄して手足を切り裂いて蹴とばす、おーとんでったなー・・ついでに縦ロールさんはバイパーを全方位から飛んでくるようにして逃げ道を無くして倒した。

 

「これで9人残りはあなただけですね」

 

「・・・・」

 

なんだろうこの美人さん、すごくきれいだけどさっきからすごく無表情なんすけど・・・・まあいいや、と一気に距離を詰めて切り裂こうとするも・・・防がれた!?

 

「・・・・・やりますね」

 

「昔護身術として武術をいくつか習っていたのよ、でも貴方の速さには正直まいっているわ、今のもさっきまでのを見ていたから何とか対応できたけど・・・・」

 

そう話しながらも何合か打ち合う、さすがにこちらの速度についていけないのか少しづつ劣勢になる美人さん。そうして一瞬のスキをついて美人さんの腕を飛ばしてその隙をついて決着した。うむ、普通に強かった。

 

フィー終わった終わったと思ったが、まだもう一戦しないとかーっと思い直す。やだなぁーめんどいなぁー。

 

そうして対戦室からでるとまたもやキャーキャー言われる。もう堪忍してかーさいぃ・・・視線が辛いのぉ・・・・そう嘆いていると(表情は涼し気に、大井と小町の鬼の特訓によるものである)大井と北上がやってきた

 

「おつかれ~、ハッチーさん♪」

 

「お疲れ様です、八幡さん。さすがですね、あれだけの人数を鮮やかなお手並みでした。まあ最初のは少し余計な気もしましたが」

 

「おう、サンキュな。次はお前たちの番だ、2人とも格上相手だが頑張れよ」ポンポン

 

そう言い微笑みながら2人の頭に手をのせポンポンする、おっと、うっかり普段の口調になってしまった、やはりオートスキルが出る時は難しいな。

・・・うん?なんか周りが静かだな・・・なんか女子が顔を赤くしてポーッとしているが・・・まあいいや

 

「うん!ハッチーさんあたし頑張ってくるよー!!」フンス!!

 

「私も、八幡さんの期待に応えられるように頑張ってきますね」フンス!!

 

2人には格上相手だから難しいかもだが是非勝って欲しいものだ。気合十分とばかりに胸の前で両手で握りこぶしを作り意気込んでいる。うむ、かわいい。ちょっと顔を赤くしているけどかわいいは正義である。あと先ほどの大井と北上を見ていたのか男子生徒達も顔を真っ赤にしてポーッとしていた、気落ちは解る。だがお前らのような有象無象におれの天使達はやらん!!そんな思いを視線に込めておく、うむ、ビビってくれたようだ。あれ?ちょっと顔を青くしてるな・・・やりすぎたかな・・・

 

「なんだか妹を見守るお兄さんみたいで素敵♪」「あの鋭い視線がたまらない♪」「罵ってほしい!」

 

うん、なんかやばいのが聞こえた気がするが気づかなかったことにしよう・・・ハチマンキコエナイ。

こうして八幡達の職場見学は続く・・・・

 

 

 




と、そんな感じでまさかの次回に続くパターンに!くそう、やっぱり中途半端に原作に絡むとめんどいな・・・

ちなみにメガネ執事八幡の正体には総武校の生徒はあれ?なんか聞いたことがある気がするレベルですらほとんどいないがイケメンとか腐女子はあれ?もしかしてくらいには気づいてるって感じです、ボーダー組は名前を聞いてメガネ八幡を見て驚愕しながら気づいてる感じですね。

今回の職場見学でやたらと好評だった猫耳メガネメイドとメガネ執事八幡にボーダーもこれ広報に使えんじゃね?って思ったり思わなかったりするそうな・・・

そんなこんなで最初の頃の超漠然とした超いい加減なプロットとは調布と田園調布くらいの違いが発生している今作です

それといつも感想、お気に入り登録、評価ありがとうございます!これからもよろしくお願いします!!


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比企谷隊の日常10 こうして職場見学は終わる

こんばんわ!10話です!!

寒いです!寒くて死にそうです!!それはそうと、もうすぐこのすば2期ですね!楽しみすぎて吾輩今から前かがみです!!

今度はこのすばの二次創作を書こうと心に決めてしまいました。このすばの二次創作増えそうだから考え中ですが・・・

それでは途中脱線したりわけわからんことしていた職場見学編最終話です


「よぅし!それじゃあ張り切ってやっちゃいますかね!」

 

「ふふ♪よろしくね?北上さん♪」

 

俺こと比企谷八幡VS総武選抜チームの対戦が終わり、今度は北上VS那須である。

うむ、そういえば最近北上と大井と訓練してないな・・・・太刀川さんや二宮さん、東さんや風間さんに鍛えてもらってばかりだったのだ・・・まあ数日で劇的に強くなるものでもないが、あのころの那須隊や一人でのんきに訓練してた頃が懐かしいぜ、とか考えてしまった。・・・誰か僕に休みを下さい。

 

そうしてくだらないことを考えている間に北上と那須が転送されていた。

 

 

・・・・・なにあれ?・・・・・え?

転送された北上はジョジョ立ちをして動かない、那須もその場で天地魔闘の構えをしている。いやいやいや、おかしいでしょ!?

 

「ほう・・・この空気・・・・先に動いた方が・・・負ける!」

 

・・・なんだこいつ?またもやわけわからんこと言い出すモブをスルーしていると、北上と那須のまわりに光の弾丸が形成されていく。

北上はアステロイドを、那須はバイパーをそれぞれ最大数、フルアタックで展開していた・・・多い!多いよ!!何あれ!?2人で全力で展開するとあんなんなの!?なんか英雄王のゲートオブバビロンみたいな感じで2人とも展開しているんですけど・・・・ちょっとしたトラウマになりそうな光景だな。ぶっちゃけ怖い、なにが怖いってあんなとんでもない数を展開してるのに2人ともめちゃくちゃ笑顔なのが何より怖い。

 

なにやらまわりも異様さに呑まれたらしく固唾を飲んでいる。

そんな緊張感の中、ついに2人が攻撃を開始した・・・おぉすげぇ・・・那須が放ったバイパーを片っ端から北上がアステロイドで迎撃している。

ふたりとも一歩も動かずお互いの弾丸を迎撃していく、しゅごい・・・いつのまにあんな数であの芸当が出来るようになったんだ?しかも今度は互いにゆっくりと歩きながら近づいてるし・・・やばい、ニコニコ歩いて近づきながらフルアタックしてくる美少女とかシュールすぎて怖いんすけど。

そんな芸当をして残り15mくらいになった瞬間同時に走り出したと思ったら2人でくるくる回りながら「じゃーん♪」と言いながらポーズをとっていた。

 

・・・え?なにあれめっちゃ可愛いんすけど。じゃなくて対戦は!?なんかそのままニコニコしながら出て来てるし・・・なにあれちょうかわいい。

 

「「じゃーん♪」」ポーズ!!

 

おお・・今度はみんなの前でポーズしている。めっちゃかわいいな、おい!!

あまりのかわいさにまわりのやつらもほっこりしながら拍手してる。

 

「どうどう?ハッチーさん見てたー??」

 

「ああ、見てたぞ、すごかったな」

 

まるで犬のようにぴょんぴょんしながら北上がやってくる。うむ、ドヤ顔ちょうかわいい、しかもちょう褒めて褒めてーっていいそうな顔してる、犬かな?

 

「褒めて褒めてー♪」

 

あ、言ってきた。うむ、やはり小動物というか、子犬のようなかわいさを発揮している北上、ならばよかろうといつもどうりに北上の頭に手を乗せて優しく撫でる・・・・と見せかけて少し強めにわしゃわしゃした。

 

「キャー♪」

 

思わず犬にするような感じで北上をわしゃわしゃし、北上もキャーキャー言いながら楽しそうにしていた。うむ、ちょうかわいい、さっきからかわいい言い過ぎだな、まあかわいいからしょうがないか。

 

しばらくそうして遊んでいると今度は大井と木虎のようだ、「行ってきます!!」と気合十分に入っていく大井を北上とじゃれ合いながら見送る。さてさて、こんどはどんなファンタスティックな戦いを見せてくれるのかな?

 

「ふふふ・・・今度はどんなファンタスティックな戦いをしてくれるかな?」

 

さっきのモブと思考がかぶった・・・すげぇしょっくなんすけど・・・しょんぼりしながらも北上を撫で続けるのを忘れない、これぞ上級お兄ちゃんスキルである!

 

そうすると今度は大井と木虎の戦いが始まった、いや、戦いなのか?これ・・・先ほどの戦いのようにお互いの放った攻撃を今度はお互いにスコーピオンで切り伏せていく、さらにいつの間にか展開されているスパイダーを使い高速軌道に入る。え?あれってピンボールか!?スパイダーを使用して2人で疑似ピンボールって・・・・そうこうしているとその勢いのまま大きく上に飛び上がりくるくる回転しながらしゅたって着地して2人で「じゃーん♪」ってやっていた。なにあれちょうかわいい。

 

先程と同じくニコニコしながら出てきた二人はやはり先ほどと同じく「「じゃーん♪」」ってポーズをとっていた。うむ、大井はもちろんだが木虎があんな遊びみたいなことをやるとは意外だ、しかも超どや顔で、うむ、なかなかかわいい。

 

「ふふん♪どうでしたか八幡さん?」

 

「ああ、さすがだな、大井。びっくりしたよ」

 

俺の前で腕を組みしながらドヤ顔する大井の頭に手を置きポンポンする。満足そうな表情の大井、隣では北上もニコニコしていた。あぁ・・・天使達に囲まれて俺は超幸せだよ・・・さっきから綾辻に言われてた執事っぽい口調で話すこととか超忘れてたけど・・・・あ、でも綾辻も大井もニコニコしてるしセーフだよね?それよりもこの幸せ空間を少しでも長く満喫しよう。ん?なにやら見た事ある気がする女子が近づいてきた。

 

「ねぇねぇ?もしかして比企谷君って総武校2-Fの比企谷君?」

 

「・・・・・・・・」ダラダラ

 

やっべぇ・・・超忘れてた、幸せ空間で心をぴょんぴょんさせる時間が一瞬で終わり現実という名のクソゲーがやってきた、やっべぇ・・・・そういえばそもそもこれが目的だったよ。

 

「あれ?よくわかったね♪そうだよ!この比企谷くんは総武高校の2-Fの比企谷君だよ!」

 

『え、えぇぇぇぇ~~~~~!?このメガネイケメン執事さんが!?』

 

ほう、さっきの人はクラスメイトだったのか、そして代わりに返答してくれてありがとう綾辻よ、どうりでなんとなく見たことがあるわけだ。つかそんなに意外っすかね・・・

 

「あ、あのいつもクラスだと寝てて全くしゃべらないボッチだけど最近よく綾辻さん達とキョドリながら話してた目が腐ってた人!?」

 

うん、的確な表現だけど八幡のハートがズンガズンガ傷んだよ?

 

「そうだよ♪よくわかったね~?あとでみんなにサプライズする予定だったんだけどね~?」

 

『いやいや!十分びっくりしたから!!』

 

すげえな2ーF、息ぴったりじゃねぇか、クラスの女子達がキラキラした目で近寄って、いや、囲んでくる。TA・SU・KE・TE!!

 

「うわぁ~すごい!本当にかっこいいね~♪見直したよ~♪」

 

「キモイ人かと思ってたけど以外かも!」

 

他にもあれやこれやとしゅごい質問攻めだ・・・・てっきりボッチのくせに~とかすごい言われるかと思ってたけどなかなか好評のようだ。しゅごいな執事服!!

囲まれて質問攻めにされている俺はさっきから「お、おう・・・」とか「し、しょうか・・・・」とかばっかりでまともに応えられていないが、キャーキャー言いながら「かわいい~♪」とか言ってきた。・・・・ちょっとまって、なんかその表情俺を追い詰める時の那須の表情みたいにめっちゃキラキラしてんですけど・・・ハチマンコワイ。

 

そんな俺を見て大井も北上も小町も満足気だ、那須や熊谷、綾辻、氷見、宇佐美、三上もウンウンとうなずいている。あの・・・そろそろ助けてもらえませんかね・・・?

ほら、あっちで嵐山さんと出水が困った顔してるじゃん!?予定だと俺と出水の対戦もする予定だったんですけど・・・・まぁ、出水と戦うのめんどいし働きたくないからいいんだけど、こっちはこっちで注目を浴びすぎて死にそうなんすけど、あ、嵐山さん待って!そんな「まぁいっか」みたいな顔でやれやれしないでぇ~!!

 

 

その後意外だったのが男子生徒の反応だった、もちろん嫉妬の視線もあったが「はちちゃんを紹介してほしい」と顔に書いてある奴らが多く、あからさまに俺に対して敵対的だったり嫉妬の視線を向けられることが予想より少なかった。「イケメン死ね」とか「ハーレムかよ」とかちょう睨んでくるやつらもいたが・・・

 

っていうか「はちちゃん」効果すごいな、なんかそっちもちょいちょい聞かれてるんすけど・・・那須と同じで体が弱くてあまり動けないとか適当に言い訳してごまかした。さすがにあれ俺っすとか言えない。お願いだからオペレーター達や大井、北上も言わないでほしい・・・・この黒歴史は永久に封印しなければならないのだ!

 

「ふふん♪どうですか?八幡さん、あなたはやれば出来る人なんですからこれからは少しづつ自信を持ってもらってもいいんですよ?」

 

「ハッチーさんが人気者になれてあたしも嬉しいよ~♪」

 

「おぅ・・・すぐには難しいかもだがこれから頑張っていくわ、ありがとな、大井、北上」ニコ

 

そうして微笑みながら北上と大井の頭を撫でる。まったく、ハイパーズは最高だぜ!!

 

こうして八幡と八幡更生委員会の戦いは途中脱線や道草、予定外の要素を追加しながらも終わったのであった。じゃーん♪




というわけで職場見学編でした!ふう・・・・猫耳メイドを出したすぎて予想外の展開になってしまったが、どんまい自分!!書き直したい気もするけど、しません!展開とかあれやこれやなんかは二次創作だからね!気にしないでね!!

さてさて、今後は・・・どうしましょうかね?ハーレム展開かな~・・・昔よくあったメガネ八幡がハーレムする話にするか、個別ルート行くかは考え中です。とりあえずもうしばらくほわほわな日常のストーリーをやっていく予定です。ついでにこのすばも書きたくなってきたのでそちらと並行してやっていこうと思ったり思わなかったりなので、もし万が一違うのを投稿してて、万が一見かけたらそちらもよろしくお願いします!いや、まだ書くかわかりませんが・・・

そんなこんなで読んでくれた方々ありがとうございます!これからもよろしくお願いします!!


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比企谷隊の日常11 職場見学あふたー

こんにちわ!日常編11話でっす!!

職場見学が終わり八幡の周りがにぎやかになります、まぁ、この話の中ではあまり登場人物は増やせませんが・・・話の裏ではもう八幡はハーレムキングのごとく女子がキャッキャしてるのです・・・・本来なら羨ましいはずが今作の八幡にはかわいそうという感想しか出てこない不思議。

おかしいな・・・・少しくらいハーレム感出そうとしてるんですが、おかしいな・・・なぜだ・・・

そんなこんなではじまるよ!!


ー 職場見学から数日後 -

 

オレ、ハチマン、アサオキタ、ゴハンタベテ、ガッコウイク・・・

 

オレ、ハチマン、ガッコウ、ダイスキ・・・・・・・・嘘、無理、やだ、超行きたくない、働きたくないし、学校もやだ、唯一の安息の地であった家ももはや俺に安らぎはくれなくなってしまったりとかしてくれちゃっていたりした。うむ、今日も言動がブレッブレで絶好調だな!だれかTA・SU・KE・TE!!

 

コンコン

 

「・・・・・・・」ガタガタ

 

あぁ・・・今日もまた一日が始まってしまう・・・我が隊の女神様が降臨されてしまった・・・・うぅぅ・・・・

 

「八幡さん、朝ですよ?ってそんなに怯えなくてもいいじゃないですか・・・・」シュン

 

あ、シュンとした大井かわいい・・・じゃなくて!!あぶねぇ!早くもお兄ちゃんスキルが発動してしまうとこだったぜ・・・・シュンとした大井の顔を見た瞬間俺は立ち上がり大井の頭に向かっていた右手を左手で抑えこんだ。ここ最近お兄ちゃんスキルが頻発していたため、最近になってようやくオートスキルの制御が出来るようになったのだ。

まだ2割位だけどね!!8割がたとめれずに発動してしまうオートスキルだが、今回はうまく止められたようだ・・・ふぅ、まったく小町の教育のせいでシュンとした少女を見ると勝手に発動してしまうこのスキルには困ったものだ・・・・今もシュンとした大井の頭を撫でてるし・・・あれ?これ制御できてなくね?

 

「あ~、その、すまん・・・最近学校もボーダーも安息の地がなくなってな・・・絶望という名の今日が来たことに怯えていただけで大井に怯えていたわけじゃないぞ?」

 

はい、嘘です。正直大井さんも最近怖いっす。なにが怖いって職場見学からこっちやたらと俺に女装させようとするのがなにより怖いっす。

訓練のたんびに女装するかしないかでもめて小町や北上に強制的に女装させられるまで続くんだぜ?

勿論天使(小町)と天使(北上)にお願いされたらノーと言えない俺だがさすがに毎回訓練する度キリトちゃんモードになるのはなぁ・・・もともとクレイジーサイコレズだった大井だが、どうやら大井のハイパーセンサーに引っかかってしまったらしく事ある毎にキリトちゃんモードを進めてくる大井が怖かった。

 

「そうですか、それは安心しました、八幡お姉さま、おはようございます♪」エヘヘ

 

「・・・・・あぁ、おはよう・・・・大井・・・」グスン

 

もうね?ちょくちょくお姉さま呼びしてくるの・・・えへへってはにかみながらおはようしてくれるのは大変可愛らしいし、見ているだけなら非常に幸せな気分になれるんだけどね?お姉さま呼びはね?やめて欲しいかなって。

個人的には職場見学後はキリトちゃんモードとかコスプレとかは黒歴史として封印して二度としないつもりだったんだけどな・・・・

 

「あ、失礼しました、つい・・・早く準備してくださいね?もう朝食もできていますので」

 

つい・・・ね・・・大井さんや?そろそろ満足してくれませんかねえ?

 

「わかった、すぐに行く」

 

こうして俺の日常は始まる。職場見学以降装着を義務付けられているメガネを装着して絶望という名のドアを開けるのであった

 

 

 

ー 学校 ー

 

「ひゃみさん、ありがとう・・・・・・・!!」

 

学校にいつも通り、・・・誠に遺憾ながらすでに日常となってしまったハイパーズとの登校後、メガネモードになったのとボーダーであること、ついでに生徒会に加入しているというボッチらしからぬ複数属性によりこれまでの学校に着く→寝るが出来ずやたら話しかけられるようになってしまっていた俺だが、今日は二宮隊の出来る女、クールビューティーひゃみさんの機転により難を逃れ日直の仕事をしていた。

 

常日ごろから働きたくないと主調している俺だが、注目されるか仕事をするかの二択を迫られた場合ならばどちらも拒否した上でどちらも強制されるのである。あれ?二択じゃないな・・・・つまりこのあと結局クラスメイトに絡まれるのかな・・・・グスン

 

「いえ、こちらこそ日直の仕事を手伝ってもらいありがとうございます。少し疲れているようでしたので・・・一時的なものではありますが、少しでも息抜きになればいいのですが」

 

あれ?ひゃみさんってもしかして本当は女神なのかな?最近うちの女神は闇落ちしちゃったけど・・・ひゃみさんって言っても怒んないし、まぁ恥ずかしいからもう言わないけど・・・

 

「あぁ、正直かなり参ってたから助かった、つかボーダーだって知られてからの周りの反応がキツイ、ボッチは視線とか注目されるのとかは苦手なのに・・・」

 

「ふふ・・・そこを改善していくための私達八幡更生委員会ですからね?ある程度は我慢してください。ですが本当につらくなったら言ってください、今回のように一時的ではありますがなんとかしましょう、隊長にも助けてやるようにって言われていますからね?」

 

そう言いながら微笑む氷見の笑顔は普段のクールビューティーと違い暖かい笑顔だった・・・八幡惚れそうだわ。

 

そんなこんなで氷見と日直の仕事をしながらちょくちょく来るクラスメイトの追撃をのらりくらりと過ごして午前中が終わるのであった

 

 

ー お昼 ー

 

「あ、あの・・・八幡さん、これ・・・」モジモジ

 

「お、おう。いつもありがとな、大井」カオマッカ

 

大井さんや、そんなに顔を真っ赤にしてモジモジしながらお弁当を差し出すのは勘弁してもらえませんかね?すげぇ可愛くて八幡のハートがきゅんきゅんして告白して振られそうなんですけど。・・・・振られちゃうのかな?キリトちゃんモードならワンちゃんあるかな?いやいやいや、それはだめだ!!

 

ふぅ・・・危うく大井ルートに突入してるくせに見た目はゆるゆりしてる感じな俺の青春ラブコメは間違っているが始まるとこだった・・・・ついでに養子として北上がいる未来まで見えてしまった。

 

「今日のお弁当もおいしいね~♪」ニコニコモグモグ

 

ほふぅ・・・北上さんや、お前と氷見だけだよ、俺を癒してくれるのは・・・・北上の笑顔に癒されていると、そういえば生徒会長の笑顔もなかなかの癒し力だったな、たしかめぐりっしゅとみんなは言ってたな。

うむ、たしかに北上と生徒会長が机の横にいたらそれだけでめちゃくちゃ癒されて勉強とかすげぇはかどりそうな気がするな・・・

 

「そうだな、大井、今日の弁当もおいしいぞ。いつもありがとうな」

 

「ふふ・・・こちらこそありがとうございます♪」

 

すごくニコニコしながら俺と北上を見つめる大井、あぁ・・・お昼の大井はこんなにも美しく、可愛らしく、まさに女神のようなのに・・・なぜに俺に女装をさせたがったりクレイジーサイコレズなどという業を背負ってしまったんだい!?

 

そんな悲しい業を背負いながらも暖かい陽だまりのような笑顔を浮かべている大井に俺はこっそり涙してしまっていた。ほんとになんでこんな優しい子が・・・八幡悲しい!!

 

「ふぅ~♪ご馳走様!あ、今日はこの後先生に呼ばれてるから先に戻ってるね~?それじゃあまた後でね!大井っち、ハッチーさん!」

 

ご飯を食べ終わると同時にばびゅーんって感じで行ってしまう北上を見送る。基本的に俺も大井もあまりしゃべらないため静かな時間が流れていた・・・・うむ、いい感じだ。

 

ここ最近の激務と注目により疲れた心がさらにめぐりっしゅされていく・・・・めぐりっしゅて・・・

 

「ふぁ・・・・あ、すみません!//」

 

しばらくすると大井が欠伸をして顔を真っ赤にさせていた、かわいいな・・・っていうかそうか、弁当を作ったり、俺を起こしに来たり、ここ最近激務だったのは俺だけじゃなかったな

 

「ん・・・・寝るか?」ポンポン

 

いつもは食後は北上の昼寝タイムが始まるのだが、今日はいない、しかも大井もかなり疲れているはずだ、昼休みの少しの時間位休ませてあげたかった。たまに、ほんとにたまーに大井も膝枕を所望してくるため俺は膝をポンポンしながら大井に問いかける。

 

「う・・・その・・・そうですね、正直少し疲れているので・・・し、失礼します・・・//」

 

顔を赤くしながらぽしょぽしょつぶやき俺の膝に頭を乗せる大井、そんな大井の頭を普段北上や小町にやるようにやさしく撫でる。

 

「ありがとう・・・ございます・・・八幡・・・さん・・・・」スースー

 

おお・・・あっという間に寝てしまった・・・随分疲れていたんだな・・・・穏やかな寝顔の大井の頭を撫でながらこれまでの事、これからの事を考える。随分と一緒にいる気がするがまだ大井と北上と出会ってそんなに経ってないんだよな・・・・それなのにもはや大井と北上は俺の中で小町と同じくらい大きな存在になっていた。

 

まったく、こいつらに会う前の俺からしたらまったく考えられない変わりようである・・・・メガネ効果や女装はマジで今でもあれだが

 

「大井、いつもサンキュな、正直女装させられるのはあれだが、その・・・・なんだ・・・・いつも感謝してる」

 

静かに大井の頭を撫でながらつぶやく八幡、そうして穏やかな時間はチャイムの音がするまで流れていくのであった。




うむ、おかしいな・・・書く前までたまには甘いの書くかってテンションだったんですが、気づいたらいつも通りになってしまった・・・・先週くらいにハーレムやるかって思ってた自分よ・・・・・帰って来てくれ。あとついでにタグの那須さんよ・・・どこいった・・・(次出るよ!)

まぁ、そんな感じでこれからも続きます、そういえば時系列的に6月に入るとランク戦が始まるのか・・・まあ気が向いたら書きますね?

それでは、いつも感想、評価、お気に入り登録ありがとうございます!これからもよろしくお願いします!!




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比企谷隊の日常12 お姫様抱っこの罠

こんにちは!12話でし!!

さてさて、前回那須さんの回だよ!と言った自分ですが、なかなか難しかったです。
実は自分の理想とするどSの那須さんならいくらでも書けるのですが、大幅な、それはもう大幅な性格改変になるため自重した次第でして・・・どこまでならセーフかね?とか考えながら書いていたら時間がかかってしまいました、てへ☆

そんなこんなで那須さん回です☆ちなみに今話は第三者視点でいきます☆ここ最近は八幡視点で書いてましたがやっぱり苦手でござるな・・・


ーランク戦ブースー

 

場所は市街地フィールドA、天候、晴れ

 

相対するは少年と少女、少年は久しぶりの同格との対戦に珍しく胸を躍らせ、少女もまた久しぶりの少年との対戦にワクワクしていた。

 

”個人ランク戦10本勝負 開始”

 

そのアナウンスと同時に走り始める少女、那須はニコニコしながら少年、八幡に向かって駆け抜けていくのであった・・・・

 

 

 

 

 

 

その数分後、那須の鳥かごにより追い詰められた八幡の泣き声と敗北を知らせるアナウンスがあった。対する那須の表情はツヤツヤニコニコしていて、それを見ていたC級隊員たちは顔を青くさせていたとか。

 

「・・・グスン、久しぶりのスーツバカの二宮さんや戦闘狂の太刀川さんから逃げて那須とのんびり訓練出来ると思ってたのに・・・・・なんであんなに凶悪になってるんだよ・・・」ウルウル

 

「ふふ♪比企谷君強くなったね♪あんなにバイパーを避けられるなんて」ツヤツヤ

 

那須の勝利で終わった先の対戦だが、その内容は終始那須の優勢であった。

というかニコニコ笑顔でぴょんぴょん飛び回りながらバイパーを縦横無尽に放ってくる那須に八幡が若干、結構、かなりビビっていた。

ついでに前日に深夜の防衛任務があったり、先ほどまで学校だったため、メガネ効果により話しかけられたり、放課後に生徒会もあったりと地味に疲労がたまっていたため八幡の動きが精彩を欠いていた。

 

「ぐぬぬ・・・地獄の特訓でかなり強くなったと思っていたんだが・・・やっぱりシューターとしては那須には届かないな・・・」

 

「オールラウンダーの比企谷君にシューター対決で負けるわけにはいかないからね?でも通常の対戦だったらきっともう比企谷君のほうがずっと強いよね?」

 

「ん~どうだろうな・・・いい勝負は出来ると思うが、まだ勝ち越せる気はあんまりしねぇな」

 

八幡的には本気でそう思っているのだが、那須にはそうは聞こえなかったため、ややジト目で追及する

 

そもそもこの少年はあまり手札を見せないように対戦するため、本気の全力がどの程度なのかが不明なのである。八幡自身は常に全力で挑んでいるつもりではあるのだが、シューターにはシュータとして、アタッカーにはアタッカーとして訓練に臨んでいた。オールラウンダーと対戦するときも基本すべての手札を晒すことはなく、常に相手と同じスタンスで訓練していた。

大井との約束により訓練で手を抜くことは無かったが、しかし、本気の全力、というものも出していないのが現状だった。

 

「最初の頃はおんなじシューターとして訓練したかったから私からシューター対決を挑んでいたけど、最近はスナイパーとアタッカーの訓練を多くしてるよね?シューターやめちゃうの?」

 

「いや、そんなことはないぞ?ただ、俺にはシューターやアタッカー、スナイパーのどれかに絞って戦える能力はないんでな、どれもそこそこしか使えないし。最近はあまりやってなかったが、もうシューターとしてなら北上と大井にも負けそうだしな・・・・」

 

べ、別にそれが悔しくてアタッカーとスナイパーの訓練ばっかりしているんじゃないんだからねっ!?と話しながらも八幡は理由を話していた。

曰く、比企谷隊の戦術の幅を広げるため、曰く、三人シューターじゃ応用力に欠けるのでは、曰く、北上の方が合成弾の作成が速かった等々・・・・

 

「~~~ん~~~・・・つまり、北上さんと大井さんに負けそうで怖くなったから現実逃避してたってこと?」

 

頬に人差し指を当てながら首を傾げて八幡に問いかける那須の一言に八幡はぐうの音も出なかった

 

「・・・・・・・・・・」ダラダラ

 

「そういうこと?」ニコ

 

笑顔で追い詰める那須、彼女はこの追い詰められているときの八幡の表情がお気に入りだった。ただのSだった。

ニコニコしながら八幡の顔を見つめる那須とその笑顔にドギマギしつつ、どう話の流れを変えようか思考する八幡の対決は意外な形で終了した。

那須の顔色がやや赤くなっていたのだ、先程の対戦でも時折動きに違和感を感じていたのだが、どうやら体調がすぐれないらしいと判断した八幡は会話を終わらせて休ませることにした。

 

「なぁ、もしかして体調があまり良くないんじゃないか?」

 

ややジト目で那須の顔をうかがう八幡。

 

「・・・あ、あはは・・・・//」

 

とりあえず、困ったときは笑顔だよ!笑顔!!とばかりにややぎこちなく笑顔でごまかしにかかる那須だが、オートお兄ちゃんスキルに次ぐ八幡の代表的な?スキルであるところの世話焼きスキルが発動したために無効化されていた。

 

「・・・おい、熱あるんだろ・・・・、さっきの対戦も動きに違和感があったからおかしいと思ってはいたが、熱、あるだろ?」ジトー

 

「・・・そ、そんなことは・・・そ、それよりももう一回!今度はオールラウンダーで「悪いが訓練は終わりだ」・・・・・あうぅ・・・//」

 

ごまかしながらも、もう一度対戦しようと話す那須の言葉を遮りおでこに手を当て熱をみる八幡。

訓練の休憩としてトリオン体を解除して熱を測っている、そのためメガネモードの八幡を至近距離でみたことにより那須は顔を真っ赤に染めていた。

 

「やっぱり熱があるな・・・」

 

「うぅ・・・それ絶対理由ちがう・・・//」プシュー

 

先程までの八幡をいじっていた優位性は八幡の世話焼きスキルにより一瞬で覆されてあっという間に八幡のターンになっていた。

そんな八幡のスキルのより顔を真っ赤にしている那須だが、決して体調不良によるものだけではないだろう

 

「?・・・まぁやる気があるのは結構だが、あまり体が丈夫じゃないんだから熊谷や日浦に心配かけないようにしろよな?」

 

「・・・・・むー・・・・」ムスー

 

八幡のスキルにより優位を奪われたのと久しぶりに八幡と2人で訓練していたのを中断することになった那須は頬を膨らませ私、不満ですアピールをしていた。

 

「おっと、そんなに頬をふくらませても無駄だぞ、めちゃくちゃかわいいが、却下だ」

 

「むー・・・・//」カオマッカ

 

きっぱりと宣言する八幡のセリフにさらに顔が赤くなるのをごまかしつつ、再度頬を膨らませる那須。

普段は清楚で可憐なイメージの強い彼女がここまで子供っぽい態度をとるとは、よほど体調がすぐれないだろうと判断し強行手段にでることに

 

「とりあえず話はあとだ、医務室に行くぞ。ちょっと我慢してくれよな」

 

そう言いながら背中を向ける八幡、おんぶしてやんよ、と背中が物語っていた

 

「・・・・・・」フルフル

 

無言で顔を横に振る那須、どうやら本格的に体調が悪化しているのかどんどん行動が幼児化してきているな、急がねばと内心焦り始める八幡

 

「・・・どうした?医務室まで運んでいくぞ?」

 

普段の八幡であれば恥ずかしくて無理だし、熊谷か女性隊員にお願いするところだが、世話焼きスキルにより羞恥心は思考の外に行き、那須の体調が最優先項目になっていた、そのため、迷いなくおんぶすると考えている八幡だが、今現在目の前にいる体調不良なお姫様はそれでは満足できなかった。

 

「・・・・っこ・・・」

 

「・・・・おかしいな・・・難聴系スキルは持っていないんだが・・・・もう一度いいか?早く医務室にいくぞ?」

 

「・・・・だっこ・・・」ムー

 

「?・・・おう、だからほれおんぶしてやるから」

 

「・・・・お姫様だっこ!!」ムー!!

 

「・・・・・・・」ダラダラ

 

ようやく羞恥心が帰ってきた八幡。おんぶもお姫様抱っこも変わらなくね?とは思うが、八幡的には調布と田園調布、もしくはアステロイドとバイパーくらい違うものであった。

そのため、普段小町が体調を崩したときにおんぶしていたように那須におんぶすることは・・・今の正気の状態では無理だが、世話焼きスキル中なら可能だ。しかしお姫様だっこはスキル中でも羞恥心によりかなりの難易度を誇っていた。正直違いがよくわからないが、とにかく難易度が高かった。

 

「お・ひ・め・さ・ま・だっこ!!!」ムー!!!

 

相変わらず幼児化している那須、ここがランク戦ブースであることも忘れて完全に駄々っ子になっていた、そんな那須の表情にきゅんきゅんしている男性隊員が続出していることなど完全に忘れて八幡に絡んでいた

 

「わ、わかった!わかったから!!後で文句いうなよ!?」

 

「うん♪だいじょーぶ!!」ニコニコ

 

とにかく那須を医務室に連れていくことが最優先だと考え、いろいろと諦めた八幡は急いで那須を医務室まで運び、その道中終始那須はご機嫌顔でニコニコしていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ー その数時間後 ー

 

 

「・・・・・死にたい//」プシュー

 

しばらく休んだことにより体調が回復してきた那須は正気に戻り顔を真っ赤にして両手で顔を覆って嘆いていた

 

「大胆ね~玲?おひめさまだっこぉ~☆」ニヤニヤ

 

「那須お姉様・・・・かわいい・・・//」

 

布団にくるまり嘆いている那須にニヤニヤ顔で熊谷が絡み、そんなもだえる那須に大井がうっとりしていた。

 

「おまえら・・・・・」

 

八幡はそんな熊谷の後先考えない行動ににあきれたり、北上だけでなく那須へのラブっぷりにあらためて大井のクレイジーさを目の当たりにしていたり、なんだったらいつの間にか志岐から送られてきたお姫様抱っこの動画に恐怖していた。

 

「比企谷君・・・・」ジロリ

 

顔を真っ赤にした那須が八幡に話しかける、目には涙がたまりウルウルした目で八幡を睨みつける那須にちょっと、かなりドキっとしながら八幡はお、おうと返すと

 

「これはセクハラだよ?罰として今度私のお願いを聞いてもらいます」ムスー

 

「ちょっ!まて!あれはお前がああしないと「ああってなにかな~?」うるせぇ!熊谷!ニヤニヤしながらからんでくんな!ああしろって那須が行っただろ!?」

 

那須のまさかの発言に驚愕する八幡、弁明の途中でニヤニヤしながら絡んでくる熊谷を一蹴しつつ説得を試みる。

 

「むー・・・セクハラ・・・・いち・いち・ぜろ・・・」ボソ

 

「・・・くそう!なんというマッチポンプ!!自分で言いながらなんという仕打ちだ!!」

 

しかし、当然この場では八幡の味方になる者はいないため(大井は那須の珍しい顔を見れてご満悦の様子だった)早々にあきらめていた

 

「く、くそ・・・わかった・・・・那須のお願いを聞こう。だから警察にだけは勘弁してください・・・・」グスン

 

すでに八幡は涙で前が見えなくなっていた、普段からそれなりに仲良くしていた那須を慌てて医務室に連れて行ったのにこの仕打ちである。

 

「うん♪楽しみにしてるね!」

 

そうして応える那須の笑顔は目にうっすらと涙をためながも温かい微笑みだった。

 

「お・ひ・め・さ・ま・だっこ~☆」ニヤニヤ

 

「うぅ・・・・・もう殺して~~~//」

 

いい感じで終わりそうなところだったが折角流した話題を熊谷がぶり返して再度那須は布団にくるまるのであった・・・・こうして那須が正常に戻り熊谷が飽きるのにさらに1時間くらいかかったのであった。

 

 

 




というわけで那須さん回でした☆やはり自分には大井っちしかないのか・・・・那須さんオンリーだとなかなかポチポチが進みませんな・・・今後は那須さんとか大井っちにひたすら絡まれる八幡をポチポチ書いていこうと思います!

追伸、最近TS作品よく見ますよね・・・?なにを隠そう自分もTS作品が好きです!

幼女戦記とか、TS八幡とか・・・・このすばのTS占星術師もよかったな・・・・いいですよね☆誰かもっと書いてくれてもいいんだゾ☆

以上、次回作の候補的な妄想的な希望的なあれやこれやでした。

それでは謝辞を、いつも読んでくださりありがとうございます!それとお気に入り登録や評価、感想等々ありがとうございます!これからもどうぞよろしくお願いします!!

次回予告!ついにランク戦が始まる!?よろしくです!!


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第3章比企谷隊の挑戦編
比企谷隊の挑戦1 ランク戦が始まる詐欺


こんばんわ!新章突入です!!

これよりランク戦編に突入します!ちなみに戦闘描写はあまりありません!あくまでもランク戦に向けての話がメインとなりますので!






ー 比企谷隊 隊室 -

 

「えぇ~、ごほん!ついに始まります!」

 

とある日のボーダーにて、小町にメールで呼び出された八幡、大井、北上は個人ランク戦以外に特に予定がなかったため比企谷隊の隊室に集まっていた。

隊室に入り北上と大井が仲良くソファーに座り、八幡が各員に飲み物を提供した後にいつも通りに床に正座したのを確認した小町はおもむろに切り出していた。ちなみに八幡の席もあるのだがいつの間にかこれが普通になってしまっていた。

なんの主語もない単語だが、北上には伝わったらしく

 

「はじまっちゃいますね~♪」

 

ラジオかよっ!って言いたくなるような北上のセリフだが、大井はついに始まりますか・・・とつぶやいていた。どうやら思い当たる事があるらしい。八幡は何のことかわからないけど嫌な予感しかしないため、とりあえずいつでも土下座できるように準備していた。

 

「そうです!始まっちゃうんです!!」フンス!

 

「ついにこの時が来てしまいましたか・・・・」ゴクリンコ・・・・

 

何を話しているか理解していないがすでに正座しながらやや手を前に出し始めてゆっくりと土下座を始めようとしている八幡を置いてけぼりに小町と北上と大井の話は盛り上がっていた。

 

「いや~ついにこの時が!って感じだね~」ニコニコ

 

「フフン♪私と北上さんが組めば最強です!!」フンス!

 

「おお~♪頼もしいですね~♪ね?お兄ちゃん?・・・・・・・・ってなんで土下座してんのさ・・・・」

 

そう小町が声を掛けるとそれはそれは綺麗な土下座をしている八幡がいた。

その土下座はただの土下座では無かった、見る人すべてに何かを考えさせるような・・・謝罪のためだけの土下座ではない、まるで芸術か、もしくは生き様か、そんな八幡の人生を掛けた男のDO・GE・ZA!だった。

 

とりあえず何かやるらしい→大井と北上と小町が張り切ってる→これ絶対他の隊員達も絡んでくる奴や→あ、これあかん、絶対メンドイやつや→とりあえず許してもらおう。←今ココ

 

そんな感じで思考をしていた八幡は小町、大井、北上が仲良く話している間に体中のトリオンをチャクラのように練りこみ、すべてのトリオンを燃焼させながら土下座を放っていた、イメージ的には。

 

そんな八幡の全力の、まさに全身全霊をかけた土下座を見た三人はかなり引き

 

「八幡さん・・・・まだ私たちは何も言っていませんが・・・その未だかつて見たことがないほど完成された全力の土下座はなんですか?」

 

顔は笑顔を浮かべて入る大井だが、明らかに怒っているのがわかるくらいひきつった笑顔だった、土下座中の八幡にはもちろん表情は見えないがその声に恐怖し、ビクゥッ!!っとわかりやすくうろたえていた

 

「い、いや・・・しょの・・・・」ダラダラ

 

土下座を出すのが早すぎたことに気づいた八幡だが、今更辞めるわけにもいかず、土下座したまま言い訳しようとするも、なにを話していたか不明なためひたすらにオドオドしていた。

 

「なにか後ろめたい事でもあるんですか?正直に言ってください、絶対に許しませんから」ニコ

 

許す気はないらしい・・・

 

「許してあげないんだ!?」

 

「ん~?大井っち~許してあげよー?」

 

「仕方ないですね・・・今日のところはこれで許してあげましょう、北上さんに感謝してくださいね?」

 

一瞬で意見を覆す大井、基本的に北上イコール正義である。先ほどまでの絶対許さないオーラが一瞬で引っ込んでいた。

 

「はっ!ありがとうございます!!」ドゲザー

 

なにやらチンピラに絡まれた時のやり取りをやっている各員、八幡的にはまことに不満で、遺憾の意だが、これが比企谷隊の日常だった。

そんな日常の一コマ的コントも終わり大井が改めて仕切りなおす

 

「それじゃあそろそろ本題に戻りますが、八幡さん、なんの話か理解していますか?」

 

「・・・・・・て、定期テスト・・・の話・・・だろ・・・・・・・?」

 

先程の会話から推察して話す八幡、まったく自信が無かったうえにまったくもって不正解だった。

 

「はぁ・・・・これだからごみいちゃんは・・・・・」ヤレヤレ

 

「さすがハッチーさんだねぇ~」ニコニコ

 

「まったく・・・最近少し良くなってきたと思っていましたが、やっぱり八幡さんですね・・・正解はチームランク戦です!」

 

ドッギャーン!!とばかりに胸を張り宣言する大井、効果音付きで堂々と宣言していた。

ようやく本題に入る彼ら彼女ら、話が進まないことに定評のある比企谷隊だった。

 

「おぉ・・・そうか、そろそろそんな時期だったな・・・・そういやうちって何位だっけ?」

 

まったくもって忘れてた八幡の質問に小町が14位だよ~と答える、前期のチームランク戦はまだ北上と大井が比企谷隊に加入する前のため、八幡一人で戦い抜きながらもB級の中位に入っていたのだ。

そもそも小町のお義姉ちゃん候補探し兼八幡の友人作りをさせるために、味方増やせよ!と言わんばかりに小町が無理やりチームランク戦を八幡一人に参戦させていたのが前期のランク戦である。

その結果なんだかんだと紆余曲折して今期は大井と北上という超大型新人も入っているため、上位を狙えるだろうとテンションアゲアゲな三人だった。それに対して八幡は

 

「なるほど・・・よし、今期の方針は中位キープでいこう!」

 

「その案は却下です」

 

日和まくっている八幡の提案を即座に却下する

 

「やるからには上を目指します、A級です!固定給です!!」

 

あれ?こんなキャラだっけ?って思わせるような大井の発言と目のお金マークだが小町は腕を組みながらウンウンと無言でうなずいていた

 

「いや、確かにA級の固定給は魅力的だが・・・」

 

「だがじゃありません!B級でも生活は出来ますが、私達は皆両親がいない以上防衛任務で稼がなくてはなりません!可能な限り防衛任務に参加してはいますが、こうも生活リズムが不安定では健康によくありません!北上さんと小町さんの!!」

 

お金が理由と見せかけてやはり北上第一の大井にホッとしながらも、確かに、とうなずく小町LOVEの八幡。大井も八幡も基本的に自分より北上、小町が優先のため、その彼女達の健康を言われてしまってはうなずくしかなかった。

 

「いや、しかしだな・・・A級に上がるって言っても今の俺たちじゃ難しいぞ?」

 

「ん~っと、今のポイントが、お兄ちゃんがスコーピオンで5500、バイパーで5700、アイビスで6500ってなにこれ・・・・先月より下がってるじゃん・・・・・たしか6000ちょっとくらいあったよね?てっきりたくさん訓練してたから7000以上あると思ってたんだけど?」ジトー

 

「あ~・・・・その、それはだな・・・・」

 

大井と小町のジト目に言い訳を始める八幡。こないだまで八幡更生委員会の働きにより、強化月間にはいっていた八幡だが、その訓練相手はシューター最強のジンジャーエールマン二宮と戦闘狂にしてアタッカー最強のダメ男太刀川、更には風間や東とボーダー最強のメンツに訓練を付けてもらっていた。

 

「んで、その内容が基本対戦形式で本数が50本とかやってたんだよ・・・あんな人達相手にむしろポイントの減少をこれで済ませた俺をむしろ褒めてあげたいくらいだ」

 

実際に勝てない場面でも相打ち狙いをしたり、勝ち越すことが出来ないながらもB級隊員としてはかなり善戦していただろう八幡。その努力は理解しているため大井は仕方ないな、とため息をついていた

 

「ふむ・・・ならば今回はゆるしてあげましょう、感謝してくださいね?」

 

「はっ!ありがとうございます!」

 

大井の指示で二宮や太刀川と対戦させられていた八幡は、それに気づかず大井に感謝していた。マッチポンプだった。

 

「ん~アタシと大井っちが5000くらいだから・・・あれ?マスタークラスっていくつだっけ?」

 

「8000ポイントですよ~♪」

 

「いやこれ無理でしょ・・・・」

 

イケイケムードだった先ほどとは変わって部屋には沈黙が発生していた・・・ポイントがすべてではないものの、目安にはなる、そのポイントの差がA級の壁の高さを物語っていた。

そんな沈黙のなか、ぽんと手をうちながらそういえば、と小町が話し出す

 

「あ、そういえばお兄ちゃん、この後会議室行ってね、なんか呼んでたから」

 

「は?なんでだよ・・・」

 

「さあ?とりあえずそろそろ時間だから行ってきなよ?ランク戦の事はまた後ででいいからさ」

 

事前告知なしで突然宣告する妹に若干イラっとさせられながらも、ごめんねっおにいちゃん♪と言われてすぐに気分を持ち直し行ってくりゅ!と言いながらスキップで向かう八幡であった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さて、やってまいりました〜会議室です・・・・なにやら重い空気がドア越しに感じられますが、いったい八幡選手は何をしてしまったのでしょうか〜?」

 

会議室に着いた八幡だが、ドアから感じる空気に現実逃避気味につぶやいていた。

 

「えぇ~・・・・これ絶対怒られるやつじゃん・・・・・逃げていいかな・・・・?」マワレミギ

 

ガチャ

 

「ダメです、さぁ、比企谷君、入りなさい」

 

逃げようとした八幡の声が聞こえていたかの如くタイミングよくドアが開き、やはり聞こえていたのか八幡のつぶやきを即座に却下した沢村本部長補佐に右腕を掴まれ死刑宣告を受けた八幡は冷や汗を大量にかきながら入室した

 

「し、失礼しましゅ・・・・」ダラダラ

 

八幡が噛みながら入室すると、ボーダーの司令である城戸や本部長の忍田、支部長の林道や他にも鬼怒田、唐沢、根付などのボーダーの上層部がそろっていた

 

「来たか・・・座りたまえ」

 

まさに指令!っといったポーズで着席を促すのは司令である城戸政宗である。気の弱い人が睨まれたら死にそうな、そんな強面な城戸からの指示に、ボーダー最弱と言ってもいいくらい(言い過ぎか)気の弱い八幡(ある意味最強のメンタルの持ち主だが)は全身から冷や汗をかきながら携帯のバイブレーターのごとくガタガタ震えながら着席していた。

 

「あ、あにょ・・・・じ、自分は・・・その・・・・なんで呼ばれたんでしゅかね・・・・?」ガタガタ

 

ここでもし隊務規定違反でクビだ、と言われてしまったら小町を養えなくなってしまう、つかマジでなんで呼ばれたん!?と恐怖している八幡。

そんな八幡に死神の鎌を振りかぶるかのように城戸が告げる。

 

「比企谷隊員、八幡更生委員会とは何かね?」

 

「す、すみませn・・・・・・・は?」

 

とっさに謝罪をしようとした八幡の耳に届いたのはおおよそ八幡の予想とはかけ離れた、むしろ八幡的に聞きなれてしまっていた単語だった。

 

「ふむ・・・・もう一度聞こう、八幡更生委員会とは何かね?」

 

「・・・・・・・・・は?」

 

こうして比企谷隊のランク戦は始まろうとしていた・・・・・のか?

 




というわけでランク戦が始まるよ詐欺です!さてさて、今回は何話で第一試合が始まることやら・・・・あくまで日常回(八幡いじり)がメインですので激熱バトル展開は期待しないでください・・・・・え?知ってる?デスヨネー・・・・

そんなこんなでこれからもよろしくお願いします!!


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比企谷隊の挑戦2 ランク戦の話すら上がらなかった

こんばんわ!挑戦編2話でっす!!

今回の話はヒロイン勢がほとんどでないという・・・ただ単にあのネタがやりたかっただけなんや・・・!!

今週は暇だったので早めに投稿できてしまった、今後はこれまで通り週1くらいで行きまう!!


ー 会議室 SIDE 八幡 -

 

はい、こんにちは~みんなのアイドル、ハッチーだよ~♪ 

 

今日はなんと!会議室に呼ばれて来てるんだよ~♪人気者は大変だな~♪

 

「ふむ・・・もう一度聞こう、八幡更生委員会とは何かね?」

 

ふう・・・現実逃避してる場合じゃねぇな・・・・城戸司令の顔が変なこと言ったら殺すって書いてあるもん。無表情だけど。

つか、自分のダメな成績とかボッチの改善とか俺から言えるわけねぇー!!

 

「えぇ~と・・・・・しょの・・・・ですね・・・・」キョドキョド

 

どうしよう、なんてごまかせばいいんだ!?助けて!と沢村さんと忍田さんに視線を向けるも、忍田さんは苦笑いを返すのみだし、沢村さんはなんか楽しそうにビデオ回してるし・・・それ、なんか志岐が持ってるのと似てますね?たまに大井とか志岐が使ってるのを見た気がするのですが、そんなんで追い詰められた俺を録画して楽しいですかね?つか助けて?

 

「君はたしか・・・捻くれているのだったか、ではこれを使おう」

 

捻くれてるって・・・まぁそうだけど、おもむろに机からなんか見たことある気がするものが出てきた、・・・なんだったっけあれ?

 

「これは嘘を看破するトリガーだ。発言した者の言葉に嘘があれば音が鳴る、それを踏まえて発言することだ」

 

それって、こないだカズマさんがやられてたやつじゃないですかぁー、やだぁー。ここネイバーと戦争する組織のはずなのになんでこんなふざけたもん使ってるんですかねー?トリガーって言えばなんでもありだと思ってるんですかねー??

 

「改めて聞こう、八幡更生委員会とはなにかね?」

 

「はい、防衛任務等で勉強がおろそかにならないように、ボーダー隊員の更生を目指した組織です」

 

ーーチリーン。

 

その音と共に城戸司令の眼光が鋭くなる。・・・八幡こわーい!

 

「ちょっ!待って下さい!間違ってはいないはずです!!」

 

ーーチリーン。

 

・・・なぜだ、なぜ鳴るんだ・・・・!!まさか、あのカズマさんと同じ展開なのか!?・・・だとしたら・・・・だとしたら・・・・言いたくねぇなぁ・・・・グスン

 

「自分の赤点の数学のテストと教室で誰とも話さないコミュ障を見たうちの隊員がこのままじゃ恥ずかしいから改善してよっていうのが目的の組織です」

 

ーー今度は鳴らない。

 

「ふむ、だが他の隊員からの報告を聞く限りそれだけではないようだな?何度か君が正座させられているのを見たという報告もあったが?」

 

「禅の心を学ぶために精神統一の一環としてー」

 

ーーチリーン。

まだ全部言えてないんすけど・・・・

 

「正直、勉強したくないし、訓練もめんどい。人と話すのも苦手だし防衛任務とかだるい、働きたくないなー、将来は絶対に専業主夫になろうと心に決めています。そんな感じの発言をしているのを見つかるたびに隊員に正座させられていました」

 

ーー鳴らない。

 

畜生!カズマさんの気持ちが痛いほどわかっちゃったよ・・・このトリガーきらいだ!

 

「では、次に、この委員会のメンバーだが、君の隊の隊員の他に、那須隊、嵐山隊、風間隊、加古隊、二宮隊、東隊、他にも玉狛やオペレーター等こちらで把握してるだけでも相当数いるようだが?君の更生目的にしては多すぎるのではないかね?」

 

「自分の更生と共に他のメンバー間の連携を密にとったり、訓練のスケジュールを調整し、普段のランク戦だけでなくあらゆる状況に対応できるようさらなる戦力強化を」

 

ーーチリーン

 

「はい、最初の頃はうちの隊員と那須隊長、たまに綾辻隊員や宇佐美隊員、氷見隊員に見てもらうのみだったのですが、ことある毎に自分が逃走を図ったり、家に立て籠ろうとていたため、人数が増えていきました」

 

ーー鳴らない。

 

ううぅ・・・なんでこんな辱めをうけなきゃいけないんだよ・・・!

 

「では、比企谷支部を作り、ボーダー内の第4勢力になるつもりは無いと?」

 

「グスン・・・え?なんでそんなめんどくさい事しないといけないんですか?」

 

ーー当然鳴らない。

 

当たり前だ、そんなメンドイの嫌だし、しかしどうやら城戸司令はそこを危惧していたらしい。

まぁね?確かにたかがB級の隊員ごときのためにA級部隊の隊員やオペレーター達がいろいろやってたら不思議に思うよね?八幡的にも解散してほしいなっっておもうんだっ♪

 

「つまり我々に敵対する気はないということだな」

 

「はい、まあどこかの派閥に入る気もありませんのでこれからも無所属で行くつもりですが、小町と隊員を守るためにも鋭意努力します」

 

「よろしい、ではここからが本題だ」

 

え?こんだけ心をガシガシ削っておいてここからが本題なのん!?

城戸司令が目を向けた先には根付室長がいた、ボーダーの広報担当の人だ、キツネみたいだよね?

 

「比企谷君、きみはボーダーのサイトとは別に各隊員のファンサイト、ファンクラブみたいなものがあるのは知っているかね?」

 

「は、はい、一応は」

 

俺には関係ないが、綾辻や嵐山さんはもちろん、氷見とか宇佐美とか那須とかのもあったはずだ、最近は知らんがなんなら大井と北上のもそのうち出来そうだな・・・つかこれ俺となんの関係があるのん?

 

 

 

 

この時の俺は自分がフラグを建てたことに気づいていなかった・・・・

 

 

 

 

「これを見たまえ」

 

そうすると根付室長が端末を操作するとなにやら一覧がモニターに出てきた

 

「ふむ、さすがは嵐山くんと綾辻君だな、素晴らしい人気だ」

 

にこやかに忍田さんがうなずいているが、・・・それどころじゃない!!

 

「なん・・・・だと・・・・!?」ガクブル

 

「木虎君に三上君、那須君に国近君・・・・比企谷・・・比企谷!?しかも二つ!?」ガタッ!

 

あれれ~?おかしいぞ~?嵐山さんとか綾辻に比べて桁が少ないけど、なぜか比企谷の名前のサイトが二つあるぞ~?KOMATIと小町かな?

 

「そうです、比企谷隊の隊長である比企谷八幡隊員だけでなく、先日の職場見学時のみ限定の比企谷八重隊員のファンサイトがあるのです」

 

・・・・キコエナイ、ハチマンキコエナイ・・・・黒歴史が追いかけてくるよう・・・!おのれ!先ほどまでのは確かにジャブのごとき前座だった、これはまずい、これはまずいでござる!!

 

「あぁ・・・先日沢村君経由で小町君から申請のあった仮装のことか、女装してると思われたくないから隊員がいることにして欲しいと言われて、一時的に比企谷隊にいることにしていたんだったか・・・」

 

たしか・・・と思い出しながら忍田さんが話している。まさかそんなちょっと職場見学に出たくらいで・・・そんな・・・・ばかな・・・・

 

「はい、先日の職場見学の動画が配信されていたらしくその後の反応が想像以上に大きくて・・・すでに比企谷隊から名前は消えているのですが、それがさらにミステリアスに見えたらしくさらに人気が出てしまいまして」

 

恐る恐るサイトを見ていくと、ボーダーのメイドさんやら罵ってほしいだの、なにやらおぞましいものがたくさん書かれていた。

 

「さらにそれ以降入隊希望も増えていることからもこのままいなかったことにするのは難しいかと・・・」

 

「ふむ・・・・」

 

やっべー・・・これもしかして今後あっちで過ごせとか言われないよね?すごい嫌なんですけど!?

 

「・・・・・どうしたものか・・・」ボソ

 

なんか城戸司令つぶやいてなかった!?そういや、たしかこれ小町が城戸司令にも認可もらった的な事言ってたような・・・いやまじでどうやったのか不明だが。

そんなことを考えていると、今度は唐沢営業部長が発言する

 

「では、こういうのはどうでしょう?比企谷隊にそのままいるのはランク戦や防衛任務がある以上好ましくありませんので、比企谷八重隊員には個人隊員として活動してもらう、ということにします。たしか大学生という設定のはずなので講義であまり出られないということにして防衛任務を少なめにしつつ、入隊日には協力してもらうようにすれば問題ないかと」

 

問題大ありです!黒歴史を正式採用しないで!!

 

「ふむ・・・・」

 

ふむじゃねぇよ!なにそのお、いいじゃんそれ、それでいこうみたいな表情は!いや無表情で何考えているかわかんねぇけどさ!!

 

「では小町君にはそのように打電しておきます」

 

あ・・・・オワタwこれもう確定だわ・・・

 

「安心したまえ、八重隊員の分も報酬は発生する、それと今後は比企谷隊には広報部隊として嵐山隊と共同で動いてもらうことも増えるだろう、他の隊員にも伝えて・・・・いや、後で君の妹に通達しておこう。これもまた別で給料が出るから安心したまえ」

 

「あ、はい・・・・・」

 

「それでは今後はそのように、詳細は君の妹から聞くように、それでは戻りたまえ」

 

「あ、はい・・・シツレイシマシタ」

 

そうして俺は油の切れたロボットのごとくギクシャクしながら会議室から隊室し、自分の隊室に戻るのであった

 

 

 

「はぁ・・・ただいま・・・・」

 

どうやら小町と北上は出かけてしまったようだ・・・・大井が出迎えてくれた

 

「おかえりなさい八幡さん・・・・・どうしたんですか?顔から精気が失われていますよ!?」

 

「グスン・・・すまない・・・少し休ませてくれ・・・・後で話す・・・・」

 

そう言いながら力なくソファにどすんと座る。もう、気力がわかない・・・・女装したくないなぁー・・・あ、ここ北上と大井のソファだ、早くどかなきゃ・・・・だめだ、立ち上がる気力がわかない・・・

そうぼんやり落ち込んでいると大井が回り込んできた

 

「まったく、しょうがないですね・・・・」

 

そして、やさしく俺を抱きしめてきた、Oh・・・柔らかいのが・・・・それにいい匂いが・・!

 

「よしよし、大変でしたね、八幡さんは頑張ってます、私が保証します。ですから今は休んで下さい・・・・ね?」

 

そうして俺の頭をポンポンしてくれた、うぅ・・・温かい、人情が身に染みるとはこういうことか・・・・・

 

「すまない、少し休む・・・」

 

「はい♪」

 

こうして俺は大井の胸の中で意識を手放していくのであった。

 

 

 

ちなみに、意識を取り戻したときには大井に膝枕されている状態になっていた。

その後、北上と小町も戻っていたので、会議室であった内容を話した、八幡更生委員会の暴走のせいでひどい目にあったと話しながらジト目を向けたら大井が(∀`*ゞ)テヘッってやったのが異常に可愛かったので2秒で許してしまった。

 

「それにしても、キリトちゃんモード・・・・じゃなくて八重さんモードがそこまで人気になるとは・・・・これはもう仕方が無いですよね!」キラキラ

 

「大井さんや・・・すこしは反省してくれ?すごい怖かったんだぞ!?」

 

「そうですね、前向きに善処しつつ検討します」ニコ

 

あ、これ人にやられると異常にイラつくな・・・今度からあんまりやらないように前向きに検討しよう。

 

こうしてランク戦の話は進まずに比企谷隊の日常は過ぎていった。

 

「あ!ランク戦のこと話すの忘れてた!!!」

 

「「「あ・・・・」」」

 

 

 

 

 




というわけで!ランク戦編と見せかけて全く話すら上がらない回でした!!

仕方なかったんや・・・・ほんとはランク戦の話をしたかったけど、チリーンのネタがやりたくなったんや・・・あと八幡TSも出したくなったんや・・・・今後は警告タグ追加するかも?

次回からはまじめにランク戦編として進めていきますのでよろしくでしゅ!!


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比企谷隊の挑戦3 ふ、ふんでほしくなんて無いんだからね!?

こんばんわ!挑戦編3話です!!

いや~10日にクラリスのライブに行って来てテンションアゲアゲでこれ書いてましたよ~♪内容なんも関連性無いけどwww

ライブの最後にクララとカレンが仮面外してびっくりでしたよ!!見えなかったけどね!!とても楽しかったです!!

それと、感想で八幡に優しく~という意見がちょいちょい見られましたので自分は考えました。




・・・・・・・・もっとやれってことですよね?と。


ー 比企谷隊 隊室 -

 

「さて、それでは前回できなかったランク戦の作戦会議をしましょう」

 

ソファーに座る小町と北上、その横に正座している八幡の前にごろごろとホワイトボードを転がしてきながら大井は宣言する。

ホワイトボードにはランク戦だよっ♪と書かれていた。前回の作戦会議ではいろいろと話が脱線したり(大井と八幡のせい)八幡が会議室によばれたり(八幡更生委員会のせい、つまり大井のせい)その後の八幡女装計画について語ったり(やっぱり大井のせい)で全く話ができなかったため、本日改めて比企谷隊での作戦会議が開かれていた。当然というかやはりというか、八幡は正座だった。

 

「ごみいちゃん、流石に作戦会議の時くらい椅子に座りなよ・・・・なんかそこだと話しづらいんだけど」

 

「そうだよ~♪ハッチーさんもソファーに座ろうよ~?」

 

 

ソファーに座る横で正座をしながらホワイトボードを見ている図は絵的に違和感がすごかった。すでに八幡の正座は比企谷隊の日常風景になってはいるが、作戦会議くらい椅子に座ってと小町と北上が発言するものの、すでに八幡の調教は致命的なまでに進んでいた。

 

「いや、確かにそうなんだが・・・正直、この隊室で普通に座るとなんか居心地が悪いというか・・・・その、落ち着かないんだよ」

 

「落ち着かないって・・・・」

 

「ちぇー・・・」

 

そんな八幡の発言にドン引きする小町とふてくされる北上。もしここに他の男性隊員、例えば出水や米屋が聞いていたらその八幡の状況、境遇に涙していただろう・・・そんな哀愁漂う残念なセリフだった。

 

そしてそれを見た大井はちょっとやりすぎたかな?とか思いながらもまあいいか、と本題に戻すことにした。

 

「それでは来週に迫った第1戦ですが、対戦相手は早川隊と松代隊です」

 

「ふむ、なるほど・・・・」

 

大井の発言にうむ、とうなずく八幡。無駄に難しい顔をしていた

 

「得意な戦術はなにかなー?」

 

「それある」

 

北上の発言にもうむ、とうなずいた。心の中では今日の晩御飯について考えていた。

 

「前回のシーズンにも戦ったことあるよね?お兄ちゃん?え~と・・・・わすれちゃった♪てへっ♪」

 

たしか~と人差し指を頬にあてて考えてはみたものの、まったく思い出せない小町であった。ちなみに北上もさっぱり知らなかった。

 

「そうですか・・・私も残念ながら早川隊のクズが北上さんに手を出そうとしたとしか覚えていないので・・・詳細は不明です、認識する価値もないです」

 

「ん~・・・俺も松代隊のゴミが小町に手を出そうとしたとしか覚えてないな・・・・」

 

「「え?そうだっけ??」」

 

大井と八幡のやたら好戦的な発言に北上と小町は首を傾げる。それもそのはずで、どちらの隊も実際には2~3会話し遊びに誘おうとしたり、訓練に誘おうとしたくらいで特にそのような事は無かったのだが、八幡と大井はやたらと過敏に反応していた。2人とも自分が認めた相手以外に小町と北上に近づけさせる気がなかった。ただのシスコンとクレイジーサイコレズだった。

 

「仕方ない、相手の顔とかもよくわからんからとりあえず小町に手をだそうとした松代ゴミ隊(八幡の誤認)を順に佐藤、鈴木、田中としよう」

 

もはや松代の名前すら使用されていなかった・・・

 

「では北上さんに手を出そうとした早川クズ隊(大井の誤認)はトム、ジェリー、ジョンスミスにしましょう」

 

おなじく大井ももはや原型どころか和名ですらない名づけをしていた。

 

「「あ、あはは・・・・」」

 

そんな2人に苦笑いをする北上と小町である。この状況ではへたに訂正しても無駄なためどうにでもなれ、と諦めていた

 

「では作戦は私と北上さんがクズ共に制裁を与えます」

 

「了解した。俺がゴミに天罰を与えよう・・・・やっぱり北上と協力して当たりたいんだが?冷静に考えたら俺一人で3人相手はキツイ」

 

「ふむ?ゴミ掃除くらい八幡さん一人で問題ないと思いますが、そうですね・・・」

 

先程から対戦相手に対してひどい言いぐさな大井だが、1人で3人相手は確かに大変だろうと考え直す

 

「それでは、こちらのクズを片付けたらすぐにそちらの援護に向かいましょう。それまでは一人で頑張ってください」

 

考え直すが、決して優しくは無い大井であった・・・

 

「いや、それあんまり変わらんから・・・・」

 

「ふむ?まったく、わがままですね・・・・それではご褒美をあげましょう」

 

わがままか?という八幡のつぶやきを無視した大井はその発言と共に妖艶な微笑みを浮かべて正座する八幡に近づいていく。え?え!?と言いながら後ずさろうとする八幡の肩を抑えて顔を近づけていく

 

「きゃー♪大井お義姉ちゃん大胆!!」

 

その横では手で顔を隠しながらキャーキャー喜ぶ小町が、顔を隠してはいるが、興味津々とばかりに指の隙間からばっちりと目撃していた

 

「おぉ~♪」ニコニコ

 

北上は普通にニコニコしながら嬉しそうだった、そうしている間にも大井の唇と八幡の唇が近づいていく・・・もう少しで互いの距離がゼロになりそうなまでに近づいていく・・・大井の妖艶な表情に金縛りにあったように動けなくなる八幡、

八幡の目には大井のつややかな唇や自己主張の激しい双丘に綺麗な鎖骨が超至近距離に迫っていた。そして・・・

 

「がんばったら・・・・・踏んであげます♪」ボソ・・・

 

ドキ!

 

 

 

大井が八幡の耳元で囁いたその発言に八幡の心臓が跳ねる、跳ねてしまった、致命的だった。

 

 

「え?・・・・・ドキ?・・・・え!?」

 

顔を真っ赤にする八幡、大井の発言にドキッとしたことやら大井の綺麗な表情やらいい匂いやら、大井の鎖骨やら双丘やらであたまがパンクしていた

 

「え?ちょっと待て、今俺ドキッとしたのか?う、嘘だろ・・・!?」ワナワナ

 

「ふふふ♪頑張ってくださいね?」ニコニコ

 

大井の囁きが聞こえていなかった小町と北上だが、その二人の表情から想像が妄想して暴走していた、主に小町が。先ほどからキャーキャーしたりパシャパシャ写真をとったり楽しそうだった。

完全にショートしている八幡を放置して話を進める。

 

 

 

「それでは来週のランク戦はそのように進めていきますので、目指せA級!おいでませ固定給!!です!!!」フンス

 

「「おぉ~♪」」

 

「う、うそだ・・・・うそだと言ってよ・・・ばぁーにいぃ・・・・」

 

こうして比企谷隊の挑戦は始まろうとしていた。

 

 

 

 

 

 

 

ー 翌週 ランク戦ブース -

 

「みなさんこんばんわ!B級ランク戦新シーズン開幕です!1日目、夜の部を実況していきます武富桜子です!本日の解説は風間隊の風間隊長と加古隊の加古隊長です!」

 

「「どうぞよろしく」」

 

「さて戦闘まであとわずか、今回の対戦ですが、早川隊、松代隊、比企谷隊の対戦となります。注目は~?や~は~り~?」

 

「比企谷隊だな」

 

「比企谷隊ね」

 

武富のやたらいらつく伸ばしながらのクエスチョンに平然と答える風間と加古、マイペースな2人だった。

 

「そうです!前期のシーズンで単独でB級ランク戦に挑み一時はB級10位まで到達した記憶は新しいです、そんな比企谷隊ですが、今シーズンではなんと!2人の隊員を獲得しての参戦です!」

 

「大井さんと北上さんね~彼女達は強いわよ?」

 

「そうなのです!聞いたことがある人も多いでしょう、ハイパーズと呼ばれる二人組ですね!なんでも入隊時の訓練ですべて1.2位を独占し、C級からB級に上がるまでの対戦でもほぼ負けなしの彼女達が加入した比企谷隊!まさに注目の一戦です!!」

 

「比企谷隊に入って3人になってもハイパーズなのはなぜだ?トリオではないのか?」

 

風間のつぶやきを華麗にスルーする武富と加古。

 

テンションアゲアゲな武富とミステリアスな笑顔の加古、無表情の風間と随分バランスの悪い実況席だった。

 

「さて、今回のMAPは市街地Aが早川隊により選択されています!これにはどういった思惑があるのでしょう?」

 

「早川隊も松代隊もスナイパーがいないが比企谷はスナイパーもこなせるオールラウンダーだ、高低差のあるMAPを避けて平均的なフィールドにしたのだろう」

 

「なるほど!おっと!そうこうしているうちに全部隊転送完了したようです!それでは、B級ランク戦、戦闘開始です!!」

 

そうして武富の合図とともに開幕したB級のランク戦、各員がそれぞれ動き出していた

 

「戦闘開始と同時にバックワームを起動する早川隊と松代隊、どうやらどちらも部隊の合流を優先するようです!それに対し比企谷隊長は動かない!さらに大井隊員と北上隊員は・・・・・・・・・・・・・んん!?大井隊員と北上隊員はどこだぁ!?」

 

画面上では力なくたたずむ八幡や早川隊、松代隊の映像が映し出されているが、話題の大井、北上の姿が無かった

 

「いないな」

 

「いないわね」ニコニコ

 

「いません!大井隊員と北上隊員の姿が見えません!そして比企谷隊長がその場に崩れおちたぁ!泣いてます!なにやら泣いているぞ!?一体なにがあったんだ~!?!?」

 

「どうやら大井と北上は参戦しないみたいだな」

 

「そうね~」ニコニコ

 

こうして大井、北上が不在のまま比企谷隊の挑戦が始まるのであった・・・

 

 

 

 




というわけでランク戦が始まります!!ついでに北上と大井の活躍を期待している方、ごめんちゃい!!あと来週のオチも先に謝罪します!ごめんちゃい!!

あ、あと個人的に早川隊と松代隊に恨みはありません、原作で出てきてないし、どんなのかわかんないから適当にダーツで決めて名前だけ借りました!まぁいつもどおり細かいとこは気にしないでいただけると助かります!!

これからもこの世界では八幡に優しくなることは稀ですが、気が向いたら糖分多めの話も書こうと思いたいなって思ってます。塩分ばっかりですもんね、ここ。

たしかにここの八幡は目から汗をかきすぎてる感がぱないですね・・・・だれか、オラに自重する気持ちを分けてから素敵なシチュエーションを提供してくらふぁい。

次週、ランク戦か~ら~の~?八幡争奪戦がはじまる!?
これからもよろしくでっす!!


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比企谷隊の挑戦4 小町は嫁にやらん!!

こんばんわ!挑戦編4話です!

今回の八幡は一時的に強化されますが、基本的に八幡の戦闘力はそこそこ強いレベルです。

強化型八幡が見たい方はあきらめて下さい。この世界のコンセプトは豆腐だったり、不憫な感じですので!!ハーレムとか王道とか俺TUEEはあきらめて下さい!

それではランク戦編です!!


ー ランク戦実況席 ー

 

「さあ、B級ランク戦1日目、夜の部!比企谷隊、早川隊、松代隊の戦いがはじまりました!!開幕と同時に動き出す各員!注目の比企谷隊長ですが・・・」

 

開幕と同時に一時的に崩れ落ちた八幡もすでに動き出していた、動くしかなかった

 

「逃げてるな」

 

「逃げてるわね~」ニコニコ

 

「逃げてます!比企谷隊長必死に逃げています!これはまるで前期のランク戦を見ているかのようです!!」

 

大井と北上の加入で今期のB級ランク戦の中で注目されていた比企谷隊だが、2人が不在のため他の隊の攻撃が八幡に集中していた

 

「なにか叫んでるのか?」

 

「あらあら、必死に叫んでるわね~、たぶん小町ちゃんにまたなにか注文されてるんじゃないかしら?全員倒さないと話さない~とか?」

 

「なるほど!比企谷隊長と言えばシスコンで有名ですからね!あり得る話です!比企谷隊と言えば最近ではハイパーズ加入、八幡調教・・・・更生委員会発足や、比企谷隊長の眼鏡イケメン化、親戚である謎のメイド戦士比企谷八重さんの登場等々、ここ最近では話題に欠かないですね!」

 

この世界ではまだ八幡が部隊増強に動き出してから一か月くらいしか経ってないという不思議、これぞクレヨンしんちゃん時空である。そんな一か月の間に比企谷隊が提供した?話題の豊富さはとんでもなかった。

 

「隊員を増やし部隊を強化する。隊長としての務めを果たすのは当然のことだ。だがもう少しまじめにやってほしいものだな」

 

「なにかあれば逃げようとするのが面白いのよね~」ニコニコ

 

「そうですね、比企谷隊長と言えば事ある毎に逃げ出す事でも有名です、今現在も必死に逃げていますが・・・・おおっと!そうこうしているうちに松代隊、土崎隊員がベイルアウト!!」

 

実況そっちのけで話しているといつの間にか八幡が一人倒していた、正直だれも戦闘を見ていなかった

 

「・・・・まじめにやるか」

 

「そうね・・・・・」

 

「はい、すみませんでした!っと、またもやベイルアウト!!逃げる比企谷隊長の不意打ちです!!」

 

「珍しいな・・・今のは比企谷の得意技、八葉六式、花鳥風月だな、あれを使うということは今日の比企谷は全力だな」

 

うむ、という感じで実況する風間に武富がつっこむ

 

「んん!?風間隊長、その花鳥風月?とは何ですか??」

 

「あれをランク戦や記録に残る場面でやるのは珍しいわね~手の内は見せたがらないのに」ニコニコ

 

「加古隊長も知っていた!?」

 

「あれは、比企谷の名前からとった、戦闘スタイルで俺もいくつかしか見たことがないが、今のはその中でも基本技の一つ、花鳥風月だな、他にもエクスプロージョン、アンチマテリアルバレット、明日から本気出す、専業主夫に俺はなる、飛竜昇天破、マザーズロザリオがあるな、だが、こんなに早く出すということは比企谷の本気が伺えるな」

 

「なるほど!以外に和名が少なかったり、パクリだったり、意味不明な名称もありますが、とりあえず突っ込みどころ満載なネーミングありがとうございます!」

 

そうこう話しているとまた一人ベイルアウトしていく

 

「あら、あれは桜花ね、今日の比企谷君は随分張り切っているわね~」ニコニコ

 

「ほう・・・・あれが桜花か、まさか奧伝まで披露するとはな・・・・」ゴクリンコ

 

「奧伝!?桜花!?いったいなんなんだ~!?」

 

あまたのあだ名をもつ八幡。ボッチ、腐り目、メガネイケメン、土下座の人、ハイパーズのおまけ等々、そこに新たに中二と技のデパートが追加された瞬間だった。

 

「しかし今日の比企谷君は随分必死ね~本気、というより必死に見えるわね」

 

「ふむ、確かに。他の2人が不在なのと関係があるのか?

 

「確かに!いったいどういうことなんでしょうか!?私、気になります!!」

 

必死に戦う八幡を見ながら実況席の3人は頭上にクエスチョンマークを浮かべるのであった

 

 

 

 

 

ー さかのぼること数時間前 -

 

 

 

「ケホッケホッ!うぅ~苦しいよ~大井っち~・・・」

 

ボーダーの医務室にて苦しそうにする北上に大井(ナース)が取り乱していた。

 

「北上さんっ!北上さんっ!!」オロオロ

 

泣きながら北上の手を握り苦しそうにしているのを必死に励ましている大井(ナース)がいた。その後ろには無力感にくるしむ八幡とそれを傍観している小町もいた。

 

「うう~・・・・ごめんね~ハッチーさん、ケホッ!ケホッ!」

 

「北上さん!無理しないでください!」

 

「ぅぅ~、今日は大事な初戦なのに・・・・ごめんねぇ~・・・・」

 

大井(ナース)も北上も泣きそう、というより泣いていた。北上は大事な日に体調を崩したことに、大井(ナース)はそんな苦しむ北上をみて心が痛んで泣いていた。小町は無言で傍観していた。誰も大井の恰好に突っ込まなかった。

 

「37.3か・・・・・高熱だな・・・・・」

 

北上の熱を張っていた体温計を見た八幡が重い表情でつぶやく、もちろん取り出したのは大井(ナース)だが・・・・まるで恋人が余命宣告を受けたような表情だった。その横で、微熱じゃん・・・とか考えている小町だが、空気を読んでなにも言わなかった、傍観していた。

 

「仕方ない、初戦は棄権しよう」

 

残念そうに装いながら八幡がサボり発言をするが、そんなことを大井(ナース)が許すはずがなかった。

 

「却下です、私が北上さんを見ていますので、八幡さんは私たちの代わりに相手を殲滅してきてください」

 

「・・・・・・・棄権しよう」

 

1人で参戦したら前期と同じように蹂躙されてしまう、そんなのは嫌だと再度棄権を提案する八幡、・・・・が、大井(ナース)の視線に語尾が弱くなっていた。大井(ナース)はそんな八幡を引っ張り部屋の端に連れて行ってから北上に聞こえないように話しだす。

今更ながらに大井のエロい格好に気づいた八幡は顔を真っ赤に染めながらも耳を傾ける。小町は静かに北上の額のタオルを交換していた。

 

「却下です!それでは北上さんが責任を感じてしまいます。いいですか?北上さんが出るまでもなかったと思えるような、そんな圧倒的な殲滅をしてきてください」

 

「いやそれムリ「わかりましたね?」・・・・・・・・はい」グスン

 

「もし、負けてきたら・・・・・・・わかりますね?」ニコリ

 

そう耳元で囁く大井(ナース)。八幡はドキンコと胸をときめかせてからランク戦ブースにトボトボと向かっていくのであった。小町はなにも言わずについていった。

 

そして道中で冷静になった八幡は前期の一人ボッチの戦争を思い出したり、大井のナース姿にドキドキしたり最近すごい勢いで増えていく黒歴史なんかを思い出しているうちに涙で前が見えなくなっていたらいつの間にか戦闘が開始されていた。

 

「小町ちゃんや・・・・お兄ちゃんはもうだめかもしれん」

 

戦闘開始と同時に崩れる八幡は小町にギブアップ宣言をするが・・・・

 

「ん~・・・・さすがに今回はお兄ちゃんがかわいそうだなぁ・・・・それにたぶん、今回負けちゃったらお兄ちゃんのっていうか八重の正体バラす気かもしれないよ?」

 

「・・・・・え?まじで??」

 

「うん、まじまじ。わかんないけど。説教だけかもしれないけど・・・あ、お兄ちゃんくるよ!!」

 

「うぉぉぉおおおおおお!!ここで死ねるかぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

そうして必死に逃げる八幡。獲物を追いかける早川隊と松代隊との鬼ごっこがはじまっていた。

 

いろいろと泣き言を言いながら必死に逃げる八幡にしょうがないと小町は最終兵器を繰り出すのであった。

 

「あぁ~そういえば、こないだ松代隊の人と早川隊の人にデートに誘われたなーお兄ちゃんを倒したらいいよってこたえちゃったなー・・・・・・・ナンチャッテ」

 

「なん・・・・・・だと!?」

 

八幡のサイドエフェクト(仮)シスコンが発動した!!八幡の戦闘力が大幅にアップしていた。

いったいこの男はサイドエフェクト(仮)をいくつもっているのであろうか・・・影が薄い、眼鏡イケメン化に次ぐ第3のサイドエフェクト(仮)だった。

 

「まぁでも小町の大好きなお兄ちゃんなら負けるわけないもんね?」ニコ

 

「ふっ・・・・当たり前だろ?小町のお兄ちゃんだからな!!小町は!俺が!守る!!嫁にはやらん!!!」

 

こうして八幡は加古や那須、志岐、宇佐美が面白がりながら勝手に名前をつけられた技を使いながら相手を圧倒する。

 

そして比企谷隊の初戦は大井、北上の不在にもかかわらず6対1対1で圧勝するのであった。

 

 

 




というわけで挑戦編でした!!次回、がんばった八幡へのご褒美会の予定!!

ここ最近おとなしかった?というか暴走していた大井っちが正ヒロインに返り咲く予定です!!

ここ最近暴走しがちだった比企谷隊の周辺が正気に戻ります!!それではまた来週!!よろしくです!!


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比企谷隊の挑戦5 八幡争奪戦

こんばんわ!5話でっす!!

オーディナルスケール見てきました!楽しかったです!!目から汗が出てきちまったぜ・・・・

そんなこんなでSAOと全く関係ない話ですが今回もよろしくでっす!!


ー ボーダー医務室 -

 

大井と北上が医務室で休みながら八幡の戦いを応援して過ごす事しばらくして、ランク戦を終えた小町と八幡が医務室に入室してきた

 

「つ、つかれた・・・・」

 

「はいはい、お兄ちゃん、医務室着いたからね~やすんでいいよ~」

 

シスコンの能力解放によりすべての力を出し切った八幡はその反動により立っているだけでも生まれたての小鹿のようにプルプルするほど疲弊していた。小町はそんな八幡を支えながら北上の休んでいるベッドの隣に八幡を休ませる

 

「おつかれ~♪ハッチーさん♪すごかったねぇ~♪」ニコニコ

 

「お疲れ様です、素晴らしい戦いでしたね。結果もとても満足です!」

 

しばらく休んでだいぶ良くなったのか北上は楽しそうに、想定以上の結果にすこぶる上機嫌な大井もにこやかに八幡をねぎらう

 

「おう・・・すまんが、しばらく、休むわ・・・・・」zzz

 

「うん、おつかれ!お兄ちゃん♪」

 

そうして泥のように眠りにつく八幡、小町曰く、このシスコンモードのスーパー八幡フィーバーは本来の能力以上の力を出せる代わりに非常に燃費が悪く、ついでにその反動も大きいため、使用後はこうして泥のように眠ってしまうとのことだった。

 

「ほほ~ハッチーさんにそんな秘密兵器?があったなんておどろきだね~?」

 

「そうですね・・・・・・」

 

そんな小町の説明にニコニコと感心している北上とうってかわって大井は先ほどまでのにこやかな表情と違いやや暗くなっていた

 

「その、小町さん?その・・・・八幡さんは怒っていましたか?」

 

最初の頃は八幡のためといろいろとやってきた大井だが、最近の疲れた八幡や、やりすぎた感のあるここ最近の行動、そして先ほどまでの八幡の1人ボッチの戦いとその反動でボロボロになってしまった姿にさすがに反省していた

 

「ん~・・・?怒ってはいなかったですかね?でもさすがに最近は少し大変そうでしたね~」

 

「そうですか・・・すみませんでした。八幡さんを・・・その・・・・ゴニョゴニョ・・・・するのが楽しくて、つい張り切りすぎたり無理をさせすぎてしまいました」ペコリ

 

「いえいえ~大丈夫ですよ~♪大井お義姉ちゃんのおかげでお兄ちゃんの周りがにぎやかになって小町は嬉しいですよ!他のお義姉ちゃん候補もたくさん増えましたしこれからが楽しみです!!」

 

割と本気で反省していた大井は小町に謝罪するも小町はむしろこれからもじゃんじゃんやってくださいと言いながら大井に感謝する。

大井、北上に出会ってからの毎日は小町にとって非常に楽しくて、嬉しい事ばかりだったのだ。以前は小町の安全の事のみを考え数少ない友人を除きあまり周りを寄せ付けようとしなかった八幡だが、そんな頃が嘘に思えるかのように今では八幡の周りはにぎやかになり楽しい毎日になっていった。

 

「まあ、ちょっと最近はやりすぎかな~って思うこともありましたけど、でもやっぱり大井お義姉ちゃんには感謝してますし、これからもじゃんじゃんお願いしますね!」

 

「ふふ♪わかりました、小町さんのためにもこれからも八幡さんを更生していきますね!」

 

ボーダーの医務室で八幡が死んだように眠り続ける横で大井と小町は改めて硬い結束で結ばれるのであった。ちなみに北上は安心したのかいつの間にか眠っていた。

 

「あ、でも大井さん、さすがにお兄ちゃんがかわいそうなので、ご褒美は普通の事がいいかなって思うのですが?」

 

先程の戦闘中にそれとなく八幡から聞いていた小町はさすがにご褒美が踏むのではかわいそうだと思っていた

 

「うぅ、そうですよね・・・・どうしましょう?」

 

基本的に八幡に似た人生を送ってきた大井。北上を守るために男を寄せ付けようとしてこなかったため、八幡が喜ぶようなことに全く心当たりがなかった。そこからなぜ踏むことに考えが至ったのかは謎だが・・・

 

「ふむ・・・これはもしかして、ちゃーんす♪ってやつ?」ニヤリ

 

「ちゃんす?ですか??」

 

なにやら怪しげな笑みを浮かべる小町、その発言の意味が解らず頭上にはてなマークを浮かべる大井。

そんな大井に小町は自信満々に宣言する

 

「フフン♪そういうことであれば小町にお任せあれ!!お兄ちゃんの事で小町にわからないことはありません!なのでお兄ちゃんの喜ぶご褒美も小町にお任せです!!」フンス!!

 

「わからないことはない・・・・」ゴクリンコ

 

「と、言うわけで大井お義姉ちゃんには次の休みにお兄ちゃんとデートしてもらいます!!」ババーン

 

「で、でぇと・・・・ですか//」カァー

 

北上LOVEな大井にとって異性と2人だけで出かけるデートはとてもハードルの高い事だった、考えただけで顔が赤くなっていく。普段から八幡と2人きりになることなど多かった大井だが、直接デートと言われると恥ずかしかったらしい。

 

「そうです!お兄ちゃんが喜ぶこと、それは女の子とのデートです!!間違いありません!!いつもめんどくさそうにしたり興味なさそうにしているのは演技です!デートしたくてしかたがないのです!!」

 

小町の力説に大井もおぉ!っとその提案にしぶしぶ乗ることに、久々のちょろいん大井ちゃんだった。そんなやり取りをしていると

 

スパァァァァァン!!!

 

「「その話、私たちも噛ませてもらいますっ!!」」

 

すごい勢いで医務室の扉が開かれて綾辻と那須が入室してきた、すごい勢いだった、ここは医務室だった。ボーダーの扉は電動のはずでゴゥーンとかウィーンとかなのにまるで学校の引き戸のように扉が開いたことに誰も疑問を持っていなかった。

 

「今回の比企谷君の戦いは素晴らしかったです!!なので私達も友達として比企谷君にご褒美を上げたいと思います!!なのでそのデートの権利は私達がもらいます!!」

 

そう宣言する綾辻と無言で腕を組みながらウンウンうなずく那須。その発言に小町はおぉぉぉぉと目をキラキラと輝かせていた

 

「そうきましたか・・・ですが!今回は比企谷隊の話です!!いくら綾辻お姉さまと那須お姉さまといえど次の八幡さんの休みは渡しません!!」

 

「ふふん、そう簡単には行きません、なぜならば!」

 

「小町さん、私達もデートしたいんだけど?」

 

やたらのりのりな綾辻の言葉に那須が追従しながら小町に問いかける、もちろん小町の答えはイエスだった

 

「大井お義姉ちゃんを優先したいけど、遥お義姉ちゃんと玲お義姉ちゃんも捨てがたい・・・・!!ムムム・・・・・オッケーです!!」グッ!

 

「そ、そんな・・・・・」ガックシ

 

ちょっとだけ悩んだものの八幡(調教)更生委員会の最高顧問である小町が綾辻と那須の参戦許可を出していたことに大井はちょっとがっかりしていた

 

「ですが!次の土曜日の休日に一人だけデートしてもらいます!日曜日は防衛任務があるので空席は一人です!!」

 

その小町の宣言に肩を並べていた綾辻と那須も距離をとる、大井と3人で三つ巴の戦いの様相になってきていた

 

「「「負けられません!!!」」」

 

そう闘志を燃やす3人をニコニコしながら眺める小町はちいさな声で八幡に謝っていた

 

「いや~楽しいな~ほんとに、それとごめんね~お兄ちゃん?なんかややこしいことになってきちゃった♪」

 

てへっ♪と心の中で八幡に謝りながらも今を全力で楽しむ小町であった。

 

 

 

 

「勝負です!!」

 

「受けて立ちましょう!!何で勝負しますか?」

 

大井の宣言に那須が謎のオーラをまといながら受ける、しかし、この場には戦闘員の大井と那須の他にオペレーターの綾辻がいた

 

「ババ抜きで勝負しましょう」

 

そう発言する綾辻にバトル気満々だった大井と那須の気が収縮する、確かに、ここは平和的に行こうと考え直してババ抜きで対戦するのであった

 

「わかりました、確かにランク戦では綾辻お姉さまが不利でしたね」

 

「ええ、それに生身の運動では私が無理だわ・・・・平和的な勝負にしましょう」

 

うんうんとうなずく大井と那須と綾辻、それぞれが机と椅子を運び着席する。そんな姿を眺めながら小町は楽しくてしょうがないといった風であった

 

「さぁ!勝負です!!」

 

まるで八幡は自分が守るとでも言わんばかりの気合で「八幡さんは私がまもります!!」・・・・大井がババ抜きに臨んでいく

 

「ふふん♪戦うだけのあなたたちがこの私に勝てるかしらね?」

 

生徒会副会長にして戦闘員4人が所属する嵐山隊のスーパーオペレーター綾辻はラスボスのような雰囲気をまといながらキャラ崩壊を促進させ臨戦態勢にはいる

 

「あらあら、うふふ♪」

 

なぞの微笑みを浮かべる那須はなにやら怪しげな雰囲気をまとっていた

 

「おぉ~♪お兄ちゃんの運命がこのババ抜きで決まる!勝手にww」

 

こうして八幡が疲労の果てに泥のように眠り、北上も寝ているボーダーの医務室で八幡の運命を決める戦いが勝手に幕を開けるのであった。いつものことであった。

そんないつも通りで、でも、とても楽しい毎日を小町は笑顔で過ごしながら次はどんないたずらをしようかと心を躍らせるのであった。




と、言うわけで八幡争奪戦でした!気分次第でこの先は書くかもですしまるっとデート回も飛ばすかもですが、その辺は3日後くらいの自分に聞いてください。てへ!

SAOみてユナとか超出したくなってきたけど、どうしようかな・・・・新キャラ出したいなーまたクロスしたいなー・・・そんな今日この頃です。

そしていつも感想をくれる皆さまへ、いつもこの世界の不憫な八幡を応援していただきありがとうございます。ぼちぼち八幡に優しい世界になるように癒し要素をいれていく予定です、あくまで予定です。個人的にはこのまま不憫なままでもいいかなって思う気持ちも無きにしも非ずなので不憫7、やさしさ3、くらいの比率で行こうかと思います。

これからもよろしくでっす!!


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比企谷隊の挑戦6 那須とデートの巻

こんばんわ!挑戦編6話でござる!

大井っちヒロイン化計画を進めようと思ってたら迷走してなぜか加古さんルートに入ろうとした自分です。てへ☆

結局感想欄にあった那須さん希望を採用した結果がこれです。

これが今のあたいの限界です、普通のデートとか書けるわけないやん!?ところどころで八幡をいじめたくなる自分をセーブするのが大変でしたよ・・・てへ☆




ー 駅前 八幡SIDE - 

 

現在時刻は10時30分。待ち合わせは11時である。朝小町にたたき起こされた俺は何やらいろいろと準備をさせられ小町セレクションによる服を着て、眼鏡を装備した後ここに降臨していた。

小町曰く、駅、11時、人、来る、とのことである。なにそれイミワカンナイ!

 

「小町ちゃんや・・・お兄ちゃん悲しいよ。折角の休みなのに、なぜお外に出なければならないんだい?っていうか、これ誰が来るのん?」

 

先日のランク戦で禁断のシスコンブーストハチンザム、いやハチザム?を使用した反動により眠り続けた俺が目覚めたときにはすっかり全快した北上とやたらとニコニコしている小町、そしてやたらと沈んでいた大井がいてなんじゃこれな状況だった。

大井は「あの時、右のカードをとっていれば・・・」とつぶやきながら悔しがっていたが、俺が眠ろうとしていた時はあんなにニコニコしていたのにいったい俺が寝ていた数時間の間に何があったのん?

 

その時小町が何やら企んでいる表情をしていたので気になっていたのだが、どうやら今日の事だったらしい。

くそう、せっかくの休日なのに・・・・っていうか小町ちゃんや、せめて相手の名前くらい教えて欲しかったなってお兄ちゃん思うんだ?誰が来るかわからないし、そもそも家でぐうたらしたいし、帰りたいよぅ!でも帰ったら小町が激おこになっちゃうんだろうなぁ~はぁ・・・

 

そんなことをグダグダと考えていると人の気配が近づいてくる。ふむ・・・いったい全体この八幡さんの休日を奪おうって輩は誰なんだい!?そんなことを考えながらそちらを向くと

 

「あ、あの~おひとりですか~?」

 

 

見知らぬ少女に声を掛けられた。

 

 

・・・・・だれ?え?ほんとにだれ?

てっきり八幡更生委員会(笑)のだれかの荷物持ちをやらされるかと思ってたけどその誰でもない・・・・まじで誰?そんな感じで思考がはてなマークで埋め尽くされている俺にその女性はニコニコと笑顔で詰め寄ってきた

 

「お兄さんかっこいいですね~♪これからどこかに行くんですか~?あ、もしよかったら一緒にお出掛けしませんか~??」

 

・・・・・ちょうぐいぐいくるな・・・八幡こわい。どうしよう・・・小町が言ってたのこの人なの?いやでもさすがに全く知らない人を俺に当てるとも考えられないのだが・・・・

 

「い、いや・・・・・しょの・・・・・・」

 

ぐぬぅ!まったく予想しない展開に思わずどもってしまった・・・・八幡不覚!!あ、よく考えたらそんな珍しい事でもないや。でも恥ずかしい!

 

「ふふ♪お兄さんかっこよくてかわいいですね♪」

 

「わ~♪ほんとだ~かっこいい~☆」

 

「ねぇねぇ?一緒に出掛けましょう?」

 

八幡は囲まれた!!そしていつの間にか謎の女性が3人に増えていた!!か、影分身を使うとは・・・・やりおるわい・・・・だれか、まじでTA☆SU☆KE☆TE☆

 

「そ、その・・・・人を待っていまして」

 

「えぇ~さっきから全然来ないし私達と行こうよぉ~☆」

 

ぐぬう・・・・間違いなく小町の指示ではないな・・・・この人達の目的はなんだ?金か?いらん絵でも買わされるのかしらん!?しかしこうも完璧に囲まれてると脱出しづらいな・・・強引に抜け出すわけにもいかんし

 

むむむ・・・・と、どうしようかと考えている間にも女性たちはぐいぐいくる。ふぇぇ~ぐいぐいくるよぅ・・・

 

「お待たせ、八幡君」

 

ぐいぐいくる女性達に囲まれていることしばらく、颯爽と白馬に乗った王子様のごとく那須隊の隊長、那須玲が現れた。あれ?気のせいかな、那須の後ろにバラが咲いてる気がする・・・さ、さわやかですね?ってそうじゃない!これはあれだ!あの、SS界とかいろいろなネタでよく見るあれだ!!デートの待ち合わせ的なやつだ!男女逆だけど!

 

「いや、さっき来たとこだぞ、れ、玲//」

 

ちょっとぉ~こういう時くらいちゃんと喋ってくださいよ~俺の口マジで無能だな!まぁ俺が知り合いの女の子を名前で呼ぶのとか無理ゲーすぎるんだよね♪てへ!

そんなことを考えていると那須の笑顔が色合いを変えた、・・・なんか寒いっていうか、背景が黒いっていうか怖いっていうか?そんな感じの笑顔になる。おかしいな・・・・那須の表情は何一つ変わっていないのにさっきまでの爽やかな笑顔と違って今はなんか土下座したくなる感じの笑顔になってきた、なにこれしゅごい。

 

「ごめんなさいね?八幡君は私の彼氏でこれからデートなの」ニコニコ

 

「「「あ、はい、すみませんでした~!!」」」

 

那須の覇王色のオーラに当てられたのか先ほどまで俺を徹底包囲していた布陣が一気に瓦解して撤退していった。

 

ふぅ、助かっ・・・ってないなこれ、那須の表情が未だに変化しないで固定されたままだし、さっきからダークサイドに落ちたようなオーラが続いているし、なんだったら俺の冷や汗も止まらないや。

 

「八幡君?待ち合わせの時間前にいることは評価するけど、他の女の子と話してるのは感心しないな~?」ニコニコ

 

「お、おう、すまなかったな那須。っていうか、今のは不可抗力だろ・・・・つか名前・・・」オドオド

 

那須みたいな美人に名前で呼ばれるとか恥ずかしいんすけど・・・

 

「言い訳は無用だよ♪今日は八幡君には私の彼氏としてデートしてもらうわ♪せっかく大井さんと綾辻さんとの数時間の死闘の先に勝利した報酬だからね!」

 

「死闘ってなにしたんだ?それよりも名前・・・・」

 

おいらの質問はスルーっすかね・・・つか死闘ってなにしたん・・・?

 

「それじゃあ行きましょう?ちょうど見たい映画があったの、あ、八幡君も私の事名前で呼んでね?」ニコニコ

 

「あ、あの・・・・那須さんや?」

 

「・・・・・・・・・・・」ニコニコ

 

またもや表情が固定される那須、おかしいな・・・・すごくきれいな笑顔のはずなのに冷や汗が止まらないや・・・・

 

「な、那須さ~ん?」

 

「・・・・・・ナマエヨンデ?」ニコニコ

 

「・・・・ウッス。れ、玲・・・・?」

 

「うん!行こう!八幡君♪」ニコニコ

 

わぁぁ~さっきまでのダークサイドの笑顔が一瞬でひまわりのような笑顔になった!表情は変わってないのに!!マジでどうやってんの!?それと那須さんや?しれっと手を握らないでもらえませんかね?八幡どきどきしちゃう!

こうしてこうして那須とのデートが始まった・・・・・

 

「まずは映画を見に行きましょう♪見たい映画があったの♪」ニコニコ

 

「・・・・・ウッス」

 

一連のやり取りですっかり注目されまくっていたことに気づいた俺は那須の手を振りほどくことも叶わずおとなしく連行されることにした。へたに抵抗したら何されるかわからないしね?

 

「そういえば、何見るんだ?」

 

「恋愛映画!」

 

えぇ~・・・・そんな俺の表情を読み取ったのか那須の表情が再度ダークサイドの笑顔になる、それと同時に俺の手がミシミシ言い始める

 

「・・・・ワア、ハチマンタノシミダナー」

 

「だよね?」ニコニコ

 

ウッス。俺に拒否権あるわけないっすよね。

そうして俺は那須に引っ張られるようにリア充たちの間を歩いていく。那須は相変わらずニコニコ笑顔だ、あ、今は普通の笑顔ですね。八幡安心。

そんなニコニコ笑顔の那須に手を握られ歩いているとなにやらむにょむにょした気持ちになってくる。むにょむにょってなんだ・・・普通に恥ずかしいんじゃい。

 

だいたいこいつは無駄に綺麗で美人だからさっきから周りの視線が集まって困る、教室で綾辻達に絡まれてるときみたいだ、八幡の精神が削られていくぜ!

 

しばらく歩いていくとようやく目的の映画館に着いた、歩いている間は俺も那須もあまり話す方では無かったので静かに歩きつつ、たまにこちらに視線を向けてくる那須の笑顔にドキドキしたり、その笑顔にかわいいなとか思ってボーっと見とれていると突然ポッと顔を染める那須にさらにドキドキさせられたりしていた。

待ち合わせから映画館に行くまでに八幡の精神が大分削られてしまった。なにこれ、なんかいつもと違う!!

 

「八幡君、私これが見たいわ」ユビサシ

 

「・・・・一応聞いてみたいんだけど、俺こっち見てもいい?」

 

「・・・・・・・」ニコニコ

 

俺の手がまたもやミシミシいいだした、その細腕のどこにそんな力があるの?

 

「・・・・・・・」ニコニコ

 

笑顔だけど、笑顔だけど!!怖いっすよ那須さん!!!こんな美人の那須と一緒に恋愛映画とかなんかこう、ね?

 

「・・・・・・・」ニコニコ

 

「・・・・ッス。冗談っす」

 

「よかった♪それじゃあ一緒に見ましょう♪」

 

まあ無駄な抵抗だよね・・・・ソードアートオンライン見たかったな・・・ユナちゃーん・・・・八幡ざぁんねぇ~ん。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

映画見終わった、お昼にしよう、あ、そこのお店のピザおいしいらしいよ?じゃあそこにしよう。

そんな感じで俺と那須は店に入ってからしばらく、那須と映画の感想を話し始めたのだが・・・・

 

「映画、面白かったね♪特にあのシーンが・・・・・」

 

「そうだな・・・・」

 

ひゃい、正直映画の内容全然入ってきませんでした!サーセン。

しょうがないやん・・・映画見てる間ずっと那須と手を繋いだままだし、たまに那須がぎゅってしてくるし、すべすべだしなんかいい匂いするし!

ちらっと那須の方を見るとすぐに気づいて少し首をかしげながら笑顔を向けてくるし!!こんなん映画に集中できるわけないやん!?

 

「あの時の・・・・・それで・・・・・・・」

 

「ああ、そうだな」

 

ニコニコ笑顔で映画について話している那須に俺は相槌を打ちながら聞いている、なるほど、そういう内容だったのか。ところどころは見ていたのでなんとなく内容を理解した。ちぃ、理解した。

 

すっかり忘れがちな事だが、那須は病身である、普段はベッドの上で過ごすことも多いため、映画を見るのが趣味だったなぁとか思い出していた。ほんとにすっかり忘れてた。てへ☆

映画の話になると随分と楽しそうである。こんなに楽しそうな那須は自身のチームメイトについてか桃缶についてか俺をいたぶっている時くらいだろうか・・・・なに最後の、八幡悲しい・・・・

 

そうしてご飯を食べながら、那須にアーンされたり、那須にアーンしたりしながら映画の話をすることしばらく、あ、アーンはもちろん断ろうとしたけど当然のように断れませんでした、俺よわすぎぃ!

那須もそんなに赤くなるならやらなければいいのに・・・いったい那須の中のなにがそうさせるのであろうか、映画の影響かな?

そんな俺たちがしばらく過ごしていると

 

「「あ、あの・・・・・!」」

 

2人の少女が話しかけてきた

 

「ん?」

 

にこやかに那須が問いかける、俺は無言だった。こういう時俺のコミュ力の無さが際立つのであった

 

「あ、あの!ボーダーの那須隊長と八幡様ですよね!?」

 

「私達、ファンなんです!!サインください!!」

 

・・・ん?様???

ていうか君達?そんな大きな声で話すと注目されちゃうでしょ?あ、店中の視線が・・・・あう。

そんな感じで現実逃避している間も少女達とにこやかに話しながら那須はサインを書いてあげていた。

那須しゅごい。俺には無理だよう・・・・ん?なにやら俺に視線が集まってるぞ?

 

「はい♪次は八幡君の番だよ?サインしてあげよ?」

 

「・・・・・・え?俺も?」

 

またまた~・・・・嵐山さんや綾辻ならともかく、俺のサインとかいらないでしょ?

 

「あ、あの!私八幡様のファンなんです!サイン、もらえませんか?」

 

そう言いながら少女は色紙を俺に差し出してくる、そんなんノーと言えるわけないやん・・・・

つか、八幡様ってなに?

 

 

 

 

 

「つ、疲れた・・・・」

 

「お疲れ様♪びっくりしたね~」

 

それからが大変だった、よくわからないままにサイン?的なものを書いたら、少女たちが熱く語り始めたのである。曰く、執事が素敵、コスプレのセンスが良い、蔑んだ目で見て欲しい等々・・・最後のやばくね?

そうしているといつの間にか店内の他のお客や通りすがりの人も集まってきていつの間にかサイン会的なものが開かれていた。食事するとこだよ?

 

「玲は理解できるが俺のサイン欲しがる奴がいると思わなかった、つかあの店長ノリ良すぎだろ」はぁ

 

「ふふ♪八幡君は知らないだろうけど、実はすごく人気があるんだよ?でもあのお店ほんとに楽しかったね♪」ニコニコ

 

終始笑顔の那須は先ほどまでの事を楽しそうに話していた、いつの間にかサイン待ちの列ができていたのだが、突如店の店長さんが列の整理をし始めたのだ、「ちょうどいい、予行演習だ!」とか言いながら張り切ってさばいていた。あの手にある最後尾の看板は・・・いや、何も言うまい。

店の外にまで行列が出来ていて申し訳ないと思っていたがちゃっかりその後注文も取ってたらしく帰る際には「ありがとう、本番の良い肩慣らしになったよ」と歴戦のスタッフの顔をした店長が食事代をサービスしてくれたのはラッキーだったような、疲れたような、そんな微妙な感じだったが、那須的には大層ご満悦のようだ。

 

「それにしても変な店だったな」

 

「そう?私は楽しかったよ?また一緒に行こうね?」ニコニコ

 

「まぁ、そうだな・・・・そのうちな」

 

「ふふ♪約束だよ?」

 

そんなニコニコ笑顔で言われたら断れるわけないやん?店を出たのはそれなりの時間が経ってからだった。

那須の体調を考えて今は那須の家に送っているところである。あ、もちろん店を出てすぐ那須に手を確保されてからここまでずっとニコニコにぎにぎされてます、はい。

そんなこんなで那須の家に着いた、道中もクスクス笑いながら映画の話や店長の話をしている那須を見ているとあっという間だったな

 

「送ってくれてありがとう♪またデートしようね!八幡君♪」

 

「ああ、またな、玲」

 

ようやく自然に言えるようになってきた名前を呼びながら那須に手を振るのであった。

 

那須が家に入るのを見届けてから俺は一人自宅に帰るべくトコトコと歩く。

考えていることは1つ「は、はずかしいぃぃぃ!!!」である。あ、声に出ちゃった・・・・

 

これ今日寝れるかな?とりあえず今日もベットでしばらくはバタバタする必要性がありそうだな・・・そんなことを考えながら帰った俺はもちろん帰った後に小町に質問攻めにされたり、翌日の防衛任務で大井にいきなり正座させられて尋問されたりしてさらにいろいろと削られていくのであった。

 

 

 

 

 




というわけでデート回でした!どうだろう・・・久しぶりにまともな感じのを書けた気がしないでもないけど・・・・

やはり、八幡に優しい世界は書きづらいなと思いました、まる。

次回、ランク戦に挑む比企谷隊に新たなる問題が!そして那須隊オペレーター志岐の秘策が炸裂する!それは友達紹介!?引きこもりのコミュ症が紹介する友達とは?

そんな感じでこれからもよろしくでっす!


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比企谷隊の挑戦7 そして新たなる出会いが

こんばんわ!挑戦編って言っていいのかわからなくなってきましたが、挑戦編7話です

今回はまたもや自分の暴走でわけわからんことをします、しょうがなかったんや、いろいろ書きたいけど他のも並行して書けなかったから仕方なかったんや・・・

そんなこんなで始まります!


ー比企谷隊 隊室ー 

 

那須と八幡のデートから数日、比企谷隊の隊室内には普段とは異なる空気が流れていた

 

「・・・・・・・・・」ゴゴゴゴゴ

 

まず、いつも通り大井が腕を組み、私怒ってますオーラを放出しているが、これ自体は比企谷隊にとっては日常の風景の一つである。なのでここは問題なかった

 

「スピー・・・・スピー・・・・・むにゃむにゃ・・・・大井っち~・・・・もう食べられないよ~」ZZZ

 

愛用のソファーに寝ころび、実際には聞くことのない寝言を言いながら、すやすや眠る北上の癒しオーラも比企谷隊にとっては日常風景である

 

「・・・・・・・」ダラダラ

 

そして、大井の前に正座している我らが八幡も大井のプレッシャーに冷や汗を流しながらひたすら少し前の地面を見つめていたが、これもまたいつも通りの風景である。

では、なにが普段とは異なるかと言うと・・・・

 

「う、うゥ・・・・足がしびれたよぅ・・・大井お義姉ちゃん~ごめんななさいぃ~」グスン

 

「小町さん、本当に反省していますか?」ジトー

 

普段とは異なり、小町が八幡の隣で正座させられているのだ。いつもなら八幡を正座させる側である小町だが、今日はその小町が八幡の隣で正座させられていた。比企谷隊にとっては異様な光景だった。

さらにご丁寧にも小町の首には『私は悪いことをしました』と書かれたプラカードをぶら下げ泣きながら正座していた。

 

「・・・・・・・・」

 

その横で嵐が過ぎ去るのを待つかの如く、存在感を限界まで薄めて八幡はひたすら地面とにらめっこをしている、その心は「頼む、こちらに飛び火しないでくれ!」である。

 

「うわ~ん!ごめんなさい~!!」

 

「全く、この点数はなんですか小町さん?あなたは今年受験なのですよ?槍バカ、弾バカ、迅バカにつづくんですか?」ニコニコ

 

泣きながら謝る小町に大井は笑顔を向けながら小町を問い詰めていた。

そう、今回の発端は、小町のテスト結果にあった。

 

最近のイベント盛りだくさんな比企谷隊にかまけていたためにテスト勉強に全く力が入らなかった小町のテストは、散々な結果になっていた。

 

「うぅ・・・大井お義姉ちゃんが怖い・・・・あと足がしびれた・・・」

 

「誰のせいだと思っているんですか?ねぇ?小町さん??」ニコニコ

 

「ひぃっ!ごめんなさいぃ~!!」

 

「それと・・・・・」チラ

 

ビクゥッ!!!!

小町への説教から今度は八幡に視線を向ける大井、その視線を向けられた瞬間八幡の体が反応していた。

 

「八幡さん?わかっていますね?」

 

「・・・・・・スミマセンデシタ」ドゲザー

 

「まったく・・・仕方がありません、KKK、トリプルKを発動します!!」

 

KKK,通称 小町、強化、期間である、ちょっと略称を使いたくなった大井であった。

 

「KKK・・・・きっと、これから・・・・うーん?小町タイム?」てへ☆

 

小町が無謀にもウインクしながらドヤ顔で大井にボケをかましていた。その瞬間、小町の地獄行きが確定したのでった。大井の笑顔がぴくぴくしていた。

 

「いい度胸ですね?小町さん?」ニコ

 

「大井お義姉ちゃん?顔が怖いよ?笑顔だよ、笑顔!」ニ、ニコ

 

そんな大井に小町がさらに仕掛けていた、本人もやってしまった自覚があるのか必死にひきつった笑顔を浮かべながら大井を鎮めようとしていたが、完全に逆効果だった。大井の怒りがさらに加速していく

 

「なるほど、小町さんにはよちよちうさぎさんコース(イージーモード)で行こうと思っていましたが、いいでしょう、てくてくうさぎさんコース(ベリーハード)を希望ということですね?」

 

「あ、あれ?・・・・・大井お義姉ちゃん・・・・・?」

 

やっちまった!という顔で真っ青になりながら大井と八幡を見る小町、その眼にはうっすらと涙が浮かんでいた

 

「安心してください、ちゃんとした点数を取ればいいだけの話です、それまでは小町さんにはボーダーの活動は休止するようにとの沢村さんからも指示を受けています」

 

「えぇ~!!そんな!!小町の楽しみがぁ~!!」

 

ショックを受ける小町、大井はどこかとおもむろに連絡を取り始めていた。

 

「八幡さん、そういうわけですので小町さんの休暇中はチームランク戦にはオペレーターのヘルプを依頼しています、もちろん途中棄権は無しです。A級を目指しますよ!」フンス!!

 

「はぁ・・・しょうがないか、了解だ」

 

最早隊長である八幡そっちのけで話が進んでいくが、誰もそれを気にしていなかった。

 

「小町さんの勉強のために本部の一室を貸し与えてもらえました。私達はランク戦があるのでたまにしか見れませんが、その代わりに本部の方や小町さんと仲の良い方に勉強を見てもらえるように手配してありますので安心して勉強に専念して下さいね?」ニコ

 

「うわーん!!大井お義姉ちゃんのいじわるー!鬼ー!巨乳ー!!」

 

「む、胸の事は関係ないでしょう!?まったく、八幡さん、私はこれから小町さんの勉強を見てきますので後はよろしくお願いします」

 

「ん、わかった。すまないが小町を頼む、小町もしっかり勉強しろよ?」

 

小町の巨乳発言と大井が手で隠そうとしたことにより反射的に視線が吸い寄せられていた八幡だった。

 

「あ、それとこの後小町さんの代打でお願いしたオペレーターの方が来ます。志岐さんの紹介ですのでそちらもよろしくお願いしますね?」

 

そうして「う、裏切り者~!!」と叫ぶ小町を連れて大井は八幡の返事も聞かずに隊室から出ていく。

後に残されたのは元ボッチのコミュ障八幡と、天然居眠り娘北上だけであった。

 

「お、大井さんや・・・・?俺に見知らぬオペレーターとコミュニケーションをしろと?・・・・」

 

あわ、あわわわわわとつぶやきながら対応の準備をしていく八幡。とりあえず志岐に連絡するとメイドモードになるように言われたのでメイドモードの八重ちゃんに換装する。

それと同時にお菓子や紅茶の準備をしていく、北上はとりあえず起こさないように慎重にベイルアウト用マットに運んでおく、あわわとか言いながらもばっちり対応の準備が進んで行くのであった。

 

そうこうして八幡が準備をしていると隊室に来客が

 

「ん?志岐か・・・・・・志岐!?ここまで1人で来れたのか!?」

 

ボーダーきっての引きこもりである志岐が一人で比企谷隊の隊室に来ていることに驚愕する八幡だが

 

「はい、こんにちは比企谷先輩、相変わらず素敵なメイド服姿ですね、今日は私の友達のオペレーターを連れてきました」

 

大井経由で小町のテスト結果と休むことを聞いていた志岐は大井からの相談でオペレーターを紹介していた。

本来ならコミュ障の志岐より綾辻や三上に聞いた方が効率がよさそうなものだが、八幡の隊服のデザインや、自身の隊服のデザインなどをしてもらったことで大井の中で志岐へ過剰な期待が生まれていたのだ。

そんな大井の過剰な期待に応えつつ、八幡の隊服デザインの影の立役者を紹介するのであった。

 

「素敵って言われても悲しいだけなんだが・・・・・・って友達!?志岐に友達がいるのか!?」

 

なにやら今日はサプライズな日らしいと考えながら志岐の爆弾発言に驚く

 

「む、失礼ですね・・・・私にだって友達くらいいますよ、那須隊のみんなとか、比企谷隊のみんなとか、ともちゃんとか・・・・」

 

「ほとんど身内に最後エア友じゃねーか・・・・」

 

八幡のセリフに憤慨ですと激おこな志岐だが、彼女は本来なら生粋の引きこもりで滅多に家から出なかったり、ボーダーにすら任務以外では来ないのだ。

 

今日はなにが起きたのか、志岐が比企谷隊の隊室にあらわれた事に違和感しかない八幡であった。

 

「ふふん、それに今日は私のコスプ・・・・隊服デザインを手伝ってくれた友達を連れてきましたよ?」

 

志岐のキャラ崩壊が進んでいく、あの隊服をデザインしたのを手伝ったって・・・・あまり良いイメージがないなぁとか考えていると志岐の横から長い黒髪をポニーテールにした女の子?いや、女性が現れた。

綺麗な黒髪と大井に勝るとも劣らない体系の彼女は手をモジモジとさせ、視線をあっちこっちに飛ばしながら若干顔を赤くしながら自己紹介をした。

 

「こん・・・・にちは、滝本・・・ひふみ・・・・です、よろしく・・・お願いします!」

 

すごくあたふたしながらぎゅっと目をつぶって必死に自己紹介をするひふみをみて八幡は思った。

 

オペレーターなのにコミュ障かよ!と。

こうして新たな戦いが始まる・・・・

 

 

 




というわけで、ボッチとコミュ障の出会いでした!

学生の多いボーダーなんだから、レンタルオペレーターとかいけるやろ、あ、そういえば小町は受験生やん、よし、さらにクロスしよう、そんなことを思いながら書きました。

反省はしている、だが後悔はしていない!キリッ!!

この調子で他の作品もクロスしてやろうかとか考えている昨今ですが、大井っちと北上の影が薄くなってきている事が懸念事項です。

でも、いろいろ書きたいやん?艦これいっぱいいるし、このすばとかSAOとか・・・ね?

おかしいな、大井っちヒロイン化計画が・・・・
とりま、次回もひふみんのターンでいくます!よろしくです~!!


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比企谷隊の挑戦8 ひふみんかわいいよひふみん

こんばんわ!8話でござる!!

ひふみんかわいいよひふみん!

NEWGAMEのキャラはみんな可愛いからこまりますね!まったく、かわいすぎるのも考え物ですな!まったく。

そんなこんなでこれ戦闘とか何時やんの?な挑戦編です!


ー比企谷隊 隊室 八幡 SIDE-

 

大井が小町を勉強のために連れ出してからしばらく経ち、我が隊室には大井から伝えられた引きこもりの志岐からの紹介である代打オペレーター滝本さんが来ていた。

とりあえず俺は滝本さんをソファに座らせてお茶菓子を出したのちに、滝本さんに聞こえない位置に志岐を呼び、話を聞くことにした。

 

「おい、志岐さんや、お前は大井からオペレーターの紹介を依頼されたんだよな?」

 

俺はなるべく笑顔を意識しながら志岐に問いかける。八幡オコッテナイヨ?

 

「比企谷先輩、素晴らしい笑顔です。とてもドキドキしてきますね。メイドさんに笑顔で問い詰められる、とてもメニアックです!」

 

しかし、志岐は全く聞いていなかった・・・、そのままジト目で志岐を見つめ続けると、ポッと顔を赤らめながら視線をそらしてしまう、って、違うわ!!なんだそのヒロインみたいな反応は!!

 

「おい、オペレーターの紹介だよな?あの人明らかに俺とかお前とかと同じコミュ障だろ!?オペレーターできんのか??」

 

いやまあ目の前にコミュ障オペレーターがいるんだけどさ・・・あの人あきらかに俺や志岐よりコミュ障レベル高そうなんだもん

 

「私が言うのもなんですが、コミュ障レベルでは私や比企谷先輩の数段格上ですね、ちなみに男性も苦手なので今回その恰好をしてもらってます」

 

「おい、それ明らかにダメな奴だろ・・・・」

 

志岐の発言にげんなりしながらつっこむ、ちらりと滝本さんの方を見ると何やら俺のメイド服姿をキラキラした目で見ていた・・・あ、目があった瞬間ビクってして真っ赤になりながらあたふたし始めた。何あれかわいいなおい。

 

「安心してください、ひふみん先輩は比企谷先輩の正体を知っています。今その恰好をしてもらっているのもいきなり男の恰好で会うとフリーズして話が出来ないのでひふみん先輩の好きな格好で会ってもらったんです」

 

どうやら男性恐怖症?に近いらしい滝本さんは男性に話しかけられるとフリーズしてしまうらしい、だからコスプレ好きな彼女のために俺はこの格好をさせられた・・と、なにそれ?

 

「どっちにしろオペレーターは無理だろ・・・・」

 

「私同様にひふみん先輩も比企谷先輩なら話せると思いますし、オペレーターとしての技量は保証しますので、まずは一度話してみませんか?」

 

ふむ、志岐の表情からどうやらかなりの自信があるらしい、たしかにこいつもかなりのポンコツで男の前だと固まってしまうが、オペレーターは問題なくこなせている。ちなみに俺の前だと平気らしいが、それってなんていじめかな?

 

まぁそこまで言うのならばいいだろう、少し滝本さんと話そうと、志岐と共に滝本さんのところに戻る、どうやら滝本さんはまたもやチラチラと俺の服装(メイド服)を見ていたらしく、俺がそれに気づくとまたもやあたふたし始める、なんだろう、この、守ってあげたくなるような感じ・・・・大丈夫だよって言いながら抱きしめてあげたい・・・その後大井にすげぇ説教されそうだな

志岐は滝本さんの隣に座り、俺はその向かいに座った。座った瞬間ビクッとした滝本さんだが、この娘ちょっとビビりすぎじゃありませんかね?かわいいけどさ・・・?

 

「その、改めてはじめまして、比企谷隊隊長の比企谷八幡です。あ、この格好はですね、その・・・・」

 

む、改めてこの格好の事を説明するのはずいな。

 

「あ、あの・・・その・・・比企谷八重・・・さん・・・・ですよね?」

 

うむ、決して視線を合わせないようにしながらオドオドしている滝本さん・・・なんか癒されるな・・・・頑張れって応援したくなる感じだ

 

「あ、はい。そうです。ご存知だと思いますが一応周りには内緒にしてもらえると助かります」

 

「それは・・・大丈夫、です。話すのは・・・苦手・・・だから」

 

なんかつっこみづらいな・・・俺もあんまりこういう言い方しないようにしよう。

 

「あ、ありがとうございます、それで今回うちのオペレーターの代打をお願いしたいのですが・・・」

 

「っ!?」

 

え?滝本さんがびっくりしてるんですけど?志岐さんや?どうなってるのん!?そんな視線を志岐に向けると

 

「ふふ♪さすがは比企谷先輩ですね・・・実はだいたいの人がひふみん先輩との会話を成立できなかったのです。こうして話をした上でオペレーターの依頼をされたことに驚いているんですよ、たぶん、おそらく?」

 

なるほど?よくわからん。ちょっとオドオドしてるけど普通に会話してなかったかしらん?

 

「とりあえず、お願いしてもいいですか?」

 

再度確認しよう、確認、大事。

 

「は、はい・・・!」

 

ハッとして正気に戻った滝本さんが元気よく(滝本さん的に)応えてくれる。うん、この人めっちゃ癒されるわ・・・・なにこの愛玩動物みたいな視線の動かし方・・・ちょっと顔を赤くしながら視線をあっちこっちに向けるとか、かわいすぎるでしょ・・・・

 

「ありがとうございます、それじゃあ次のランク戦お願いします。」

 

こうして、新たなる仲間を加えて比企谷隊の次の戦いが「あ、あの・・・・!」・・・・なにさ。

 

「あ、あの・・・・次のランク戦・・・トリオン体・・・のデザインを・・・・」

 

「・・・・・え?」

 

どゆこと?と志岐に視線を向けると、志岐はてへっとわざとらしい仕草をしながら俺に新たなる死刑宣告を告げる

 

「ひふみんとの約束で、ランク戦の代打の協力報酬として、比企谷先輩のトリオン体の隊服のデザインを自由にしていいですよって約束してます」

 

「うぉい!」

 

あやうく突っ込みながら志岐はたくとこだった・・・・っぶねぇな、いや、はたいてもいいでしょこれ、なにその約束・・・そんなげんなりした表情をしていると滝本さんがキラキラした目で見つめてくる、なにこれ、めっちゃ綺麗な目なんですけど、やばい、超キラキラしてるし、これ普段とは絶対違う理由で断れないやつですやん。

 

「大丈夫・・・・!・・・まかせて・・・!」

 

すっごいキラキラした目で胸の前でこぶしを作りながら滝本さんがめちゃくちゃかわいらしく言うが・・・・まじかぁー・・・・

 

「えぇ~っとその~ですね?」ムムム

 

「・・・・だめ・・・・かな?」

 

どうしようかと悩んでいると滝本さんが目をウルウルさせながら聞いてくる、くそう!こんなの、こんなの断れるわけないだろうがぁ!

 

「あぁ~・・・・その、なんだ、ほどほどにお願いします」

 

頭をガシガシと書きながら滝本さんに応えると、これまたびっくり、めちゃくちゃかわいい笑顔で「うんっ!」って頷いて八幡の心はぴょんぴょんしました、まる。

 

それからしばらくは戦術の確認と相手チームの動きを確認していた。

滝本さんの話し方は少しゆっくりだが、必要最低限の会話で済ませてくれるのはありがたい。

 

その後、起床した北上と滝本さんが自己紹介をし、北上の犬っぽさに緊張が取れた滝本さんが北上の頭を撫でるのを鑑賞していた。おかげでここ最近で荒んだ心が癒されるのであった。まじひふみんと北上と小町は俺の天使だな、うん。

 

いくつか確認した後にお互いのメールアドレスを交換して解散した。その際のメールが

”今日はありがとう!気合入れてナビするからね!!あと隊服もお楽しみに(^▽^)/”て書いてあった。なるほど、メールでやり取りする方がスムーズなんすね、隊服は・・・まぁ、最近では感覚がかなりマヒしてきたのでよほど変なのでも掴まされないかぎり大丈夫だろう。

 

こうして我が比企谷隊に新しい癒し要素が加わったのであった。

 

 

 

 




というわけでひふみん先輩のターンでした!

とりま、今後はこのまま小町が戦闘員にジョブチェンジしてひふみんオペレータールートとまさかの八重とひふみんであらたな部隊結成ルートで考え中です。もしくは全然違うことするかもですが・・・

結果は二週間後くらいの自分い聞いてください。とりあえず次回はひふみんオペレートによるランク戦です、まあ戦闘描写は毎度の通りに適当に行きますがね、ふひ。

そんなこんなでこれからもよろしくお願いします。


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比企谷隊の挑戦9 ひふみんしゅごい

こんにちは、ちゅんちゅん丸です。

あいも変わらずこれもはやワートリじゃねえだろな感じの昨今ですが、今回はちょっとだけワートリ感出しました。

よく考えたらこの世界でまだ迅さんの暗躍発動してねぇな・・・ワートリの主要キャラが割と出てないのにワートリのクロスと言い張る不思議!!

そんなこんなで今回はランク戦しますが、はたしてこれはどうなんだ?な今話です、つっこみどころしかないけど、ひふみんまじひふみんと唱えてから、まあフィクションだしね、とかるく流してもらえると助かります。納得しづらければサイドエフェクトかな、と思って無理やり納得してもらえると助かります。

というわけでそんなん無理やろ、な挑戦編9話です


ーランク戦 比企谷隊作戦室 八幡 SIDE -

 

「さて、第2戦です、前回のランク戦はやむにやまれぬ事情で参戦できませんでしたが・・・」

 

「今回はあたしの体調もばっちりだよ!!」

 

「そうです!私と北上さんが組めば最強だということを証明して見せます!!」

 

「やっちゃいますかね~♪」

 

さーてさて、ついにやってきましたランク戦、第2戦・・・・ないわ~、まじないわ~・・・・

なんか大井も北上も超ノリノリだけどさー、2人でくるくる回りながら踊っている。大井と北上は気合十分のようだ。

・・・・ないわー・・・・これないわー・・・・

 

「がん・・・ばってね・・・・」パチパチ

 

ちっちゃな声で大井と北上を応援しながら手をチパチパしてる滝本さんにふわっとした気持ちにさせられながら俺は当然ながらテンションダダ下がりだった。それもそうだろう。

 

「なあ、俺ほんとにこの格好で参戦しないとだめなの?」

 

俺は自分の恰好を見ながら大井、北上、滝本さんに問いかける、ちなみに小町は今訓練室にいない、マイスイートシスターがいないランク戦に意味はあるのかと世界に問いかけながら、目下の疑問を問いかける。うまいこと言えてねえな・・・

 

「いいんじゃないですか?とても良くお似合いですよ?」ニヤニヤ

 

「ハッチーさん、すごくにあってるよ~」ニコニコ

 

「・・・・ばっちり・・・・・だよ・・・!」グッ!

 

大井はニヤニヤしながら、北上はニコニコしながら、滝本さんはどことなく満足そうなドヤ顔でそれぞれ褒めてくれたが・・・・

 

「しかしだな・・・・これはなんというか、違うと思うんだが・・・・残念なことにたいがいの恰好は大丈夫だと思っていたんだが、流石にこれは予想していなかった・・・・」

 

俺はもう一度自分の体を見る、うん、すごいモフモフしていた、右手を見る、もこもこだ。左手を見る、やっぱりもこもこしている・・・・ついでに言うならその両手は大きな丸い物体、まるで頭にかぶるためにあるかのような球体状の物を持っていた。

 

「たしかにその発想はありませんでしたね・・・・・」

 

「う~ん、かわいいな~♪ハッチーさん、抱き付いていい?」ダキッ!

 

俺のモフモフとした腕をにぎにぎしながら大井がちょっと悔しそうな顔をしている、そして北上も抱き付いていいかと聞いた瞬間に抱き付いてきた、・・・俺の答え聞いてね?

 

「かわいさを・・・前面に出して見た・・・よ?」

 

どことなく満足そうな顔をしながら滝本さんは微笑む。その笑顔は癒されるけどその行いはなかなかに鬼畜だった、っていうか滝本さんと志岐のこれまでの傾向から絶対にどっかのアニメネタで来ると思ったのに、まさかのテディベアで来るとは・・・意外だった。

 

「とても可愛らしいのですが、流石に動きづらいのでは?」

 

抱き付いている北上を俺と大井の2人で一心不乱に撫で続けながら大井が問いかけるも問題ないとばかりに滝本さんが応える

 

「危なくなったら・・・・パージできるよ?」

 

そう言いながら今回のテディベアモードの諸元をモニターに表示する。よくみたらこれ包帯とか大量に巻いてあるからあれだ、ボコられクマのボコだわ、やっぱりアニメネタだったのね・・・・

扱い的にはトリオン体のアーマーらしい。マジでボーダーの上層部は大丈夫か?こんなんランク戦に使用するとかあのタヌキのおっさん気でも触れたんじゃないだろうか・・・

 

「なになに・・・・移動力50%ダウン、火力20%アップ、防御力30%アップ、かわいさニューウェーブ・・・・これが言いたいだけかよ・・・」

 

しかし移動力は低下するが、火力と防御力は上がるのか・・・・見た目はあれだがなかなかおもしろいな、これ。いわゆるロマン機体的なもんだな、ヘビーアームズとかジ・オとか、デンドロビウム的な・・・・

 

ふむふむ、と諸元を見ていると、突然滝本さんが何かを思い出したらしく「・・・・あ・・・」と小さい声を上げていた。何ぞや?と視線を向けると、顔を真っ赤にした滝本さん(ちょうかわいい)が手で顔をちょっと隠しながら恥ずかしそうに「これ・・・ランク戦で・・使用禁止だった・・・」と・・・・・・なにそれ?

 

「まあ、そうでしょうね・・・・」

 

「えぇ~!!だめなの~??可愛くてモフモフなのに・・・・」

 

最初からわかっていたのか大井はうなずき、北上はとても残念そうにしていた。なんだったの?ここまでのやりとり・・・・そんなことを考えながらボコをパージするといつもの見慣れた隊服が新選組の服になっていた。

 

「「「・・・・・・・」」」

 

「似合って・・・・るよ・・・!」グッ!

 

まさかの二段構えに俺と北上と大井が無言になっていると滝本さんがサムズアップしながら称賛してくる、さっきまで真っ赤になりながら恥ずかしがっていたのになかなかの策士だった・・・・・

 

まあいいか、と考え直し、思考を戦闘モードに切り替える。つっこみたいけど、この調子だといつまでたってもランク戦始まらないしな・・・

 

「よし、そんじゃあ緊張もとれたところで本題だ。今回の対戦は荒船隊と柿崎隊だ、基本的には滝本さんにスナイパーの射線が通りづらいとこをナビしてもらいながら大井と北上は合流を目指す、俺は遊撃で荒船隊と柿崎隊の牽制をしていく」

 

「わかりました」「わかったよ~♪」

 

「柿崎隊も合流を優先してくるはずだから、先に合流しつつ、向こうの合流を阻害出来るのがベストだな、スナイパーには十分注意してくれ」

 

そうして作戦の最終確認をしていると転送時間になったようだ、

 

「それじゃあ行きますかね・・・・」

 

「めざせA級!おいでませ固定給!!」

 

「やっちゃいましょ~♪」

 

「がんばって・・・ね・・・!」

 

 

こうして新生比企谷隊のランク戦が始まった・・・・

 

 

 

 

 

 

ーランク戦開始からしばらくたった後ー

 

 

「滝本さんすげぇな・・・・・・・」

 

「本当にすごいですね・・・・・」

 

「おぉ~・・・・・♪」

 

”そんなにほめても何もでないぞッ!(´ω`)それと、もうすぐ3時方向からくるよ!10M下がるとスナイパーの射線が通るから注意だよっ!( ̄^ ̄)ゞ”

 

まず、めちゃめちゃ指示が的確だった。開始から俺が指示だしする前に北上と大井の合流ルートを出し、俺に荒船隊と柿崎隊を牽制しやすいポイントをほぼ同時に案内していた。ひふみんしゅごい。

 

その後バックワームを使用して消えているはずの荒船隊の半崎の位置を的確に突き止めて俺の狙撃で先制した。ひふみんまじしゅごい。

 

さらに柿崎隊の合流ルートを予想した上で大井と北上のフルアタック×2でガードの上から柿崎隊の巴を倒すことが出来た。ここまでわずか数分の出来事だった。ひふみんまじ女神。

 

さらにさらに、ここまで滝本さんはいっさい話さず、指示をチャットで行っていた。話すの苦手だからって並行してチャットで会話するとかまじぱねぇな・・・リアルタイムのログとチャットの会話が視界の左下の方に表示されていた。ひふみんまじひふみん。

 

”大井ちゃんと北上ちゃんのフルアタックで巴君脱落したよ!やったね!!☆*:.。. o(≧▽≦)o .。.:*☆”

”柿崎君と照屋ちゃんが合流!ムムム・・・・注意だよ!!( ̄Д ̄)ノ”

”荒船君見失っちゃった!!たぶんこの辺!!・・・・気を付けてね!ヽ( ̄д ̄;)ノ=3=3=3”

”穂刈君はココ!北上ちゃんと大井ちゃんがあぶないよっ!助けてぇー!!|( ̄3 ̄)|”

”ハチ君はそのまま移動した方がいいかも!見つかっちゃったかもー(ノ_<)”

”小町ちゃんから伝言です、がんばってね、お兄ちゃん♪だって!頑張ろうねっ!ふぁいとだよっ!!(≧∇≦)”

”あ、次の衣装、可愛いのがいいかな?・・・3歩後退!ばっくだよ!”

 

っと、最後のチャットを見た瞬間後退すると同時に目の前に着弾する。まじでひふみん有能すぎじゃないですかねぇ・・・狙撃をチャットで回避させるとか鬼でしょ、しかしこの方向は荒船さんか、よし。最後の方の余計なチャットは見なかったことにしよう。

 

「見つけたぜ、子猫ちゃん・・・・」

 

言ってみたかったセリフを言えた俺は満足しながらも荒船さんに接近していく。穂刈はすでに北上と大井が補足しているから倒すのも時間の問題だろう、後は俺が荒船さんを押さえればスナイパーに警戒する必要がなくなる!

 

”見付けたぜ、子猫ちゃんwwwwハチ君、荒船君は男の子だよwwwww”

”子猫ちゃんwwwwwwwww”

 

なにやらつぼに入ったらしい滝本さんのチャットに草が生えまくっていた・・・・俺の道化っぷりはいかがかな?

 

そんなことを考えながら荒船さんを捕捉した俺は攻撃態勢に入る。

 

「狙い撃つぜ・・・」

 

”あ、あぶないかもー”

 

俺のセリフと同時にチャットが流れ、それと同時に俺の右腕が吹き飛んでいた。ここにきて柿崎隊か!!

 

”これは、ところがぎっちょん、ってやつだね!どんまい!!( ̄Д ̄)ノ”

 

やっべー・・・・これ3対1じゃないですかねー?滝本さんのチャットにちょっとイラっとしつつ、見ると明らかに荒船さんと柿崎さん、照屋に囲まれてるわー・・・あ、誰か遠くで落ちたな

 

”いま大井ちゃんと北上ちゃんが穂刈君を落としたよ!ハチ君絶対絶命だけど頑張ろうねっ!”

”最短ルート表示、合流まで45秒!ハチ君がその前に落とされる確率87%、いけるよ!たぶん!”

”回避、逃走ルート表示したよ!メテオラで視界を隠しましょう、ニンニン!”

 

 

そんなこんなでその後も奇跡のような指示で何とか合流を果たすも、荒船さんの意地の狙撃により柿崎さんが落とされ、その荒船さんを俺が狙撃した。

それとほぼ同じタイミングで大井と北上のクロスファイヤにより照屋が落とされ、その置き土産で俺も落とされてしまった。

 

こうして比企谷隊のランク戦第2戦は滝本さんの神がかった、ちょくちょく遊び心のあるオペレートにより6対1対1で勝利することが出来た。ひふみんまじ女神。ひふみんまじひふみんだと思いました、まる。

 

 

 

 




お疲れさまでした、まあ無理やろ!と思いますが、この世界のひふみんはオペレーター最強のコミュ障というわけわからん称号を持っているという・・・・

ルルーシュのような先読みと相手の行動パターンの分析により神がかり的なオペレートを実現させる!チャットで!!ちょくちょくふざけながら!!

そんなこんなでこれからもいろいろと無理やりやっていきますが、適当に頭空っぽにしながら見ていただければと思います。伏線も、細かい設定もないこの世界ですが、これからもぼちぼちやっていければと思いましゅ。


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比企谷隊の挑戦10 比企谷八重の受難

こんばんわ、そしてゴメンナサイ

これまで見てくれていた人ならばわかると思いますが、今回も完全に思い付きの暴走です。

もはや意味不明過ぎて逆に意味不明になっているまである感じです。

いつもどおり適当に頭空っぽにしながら軽い気持ちで見てもらえばと思います。



ー ランク戦2戦目終了後 八幡SIDE - 

 

「勝利!大勝利ですよ!!北上さん!!」

 

目指せA級を掲げる大井は今回の結果に大満足のようだ、八幡安心。北上に抱き付きながらとても素敵な笑顔を浮かべている。うん、いつもこうなら俺も安心なのだが・・・

 

「ふふん♪あたしと大井っちにかかれば楽勝だよね♪」

 

・・・・・・あ、あれ?俺は?たまたま抜けてただけだよね?

 

「はやくもB級上位入りです♪ここからが大変でしょうが、A級まで全速で駆け上がりますよ!!」フンス!!

 

「おー♪」

 

うむ、やはりうちの天使たちはかわいいと言わざるを得まい、こころが癒される、言ってることは超難易度高いけど

 

それにしてもまさか荒船さんと柿崎さん達相手に6点もとれるとは・・・ひふみんまじひふみんと言わざるを得まい。この言い方楽しいな・・・

まさか、オペレーターの差でここまで優位に進むとは・・・小町に今度滝本さんに弟子入りするように言っておこう、うん。

 

その後の大井のテンションの上がりようはすごかった、北上と一緒に隊室で踊りだすわ、勉強から戻った小町も踊りだすわでもう、すごかった。とても眼福です、ああ、この映像を高画質のビデオで撮って疲れた時に見れるようにしたい・・・

 

テンションアゲアゲな大井と北上、小町を眺めながら滝本さんと2人でチパチパ手を叩きながらマッカンをすすっていたのだが、その後の滝本さんとのやり取りで問題が発生した。

 

「・・・・追加・・・しといたよ?」

 

うん?隣に座る滝本さんが顔の前に両手でマグカップを持ちながら(ちょうかわいい)唐突に告げた内容に俺は頭上にはてなマークを浮かべた。愛・・・とかかな?

 

「何を追加したんですか?」

 

聞いた後に、あ、これ聞かない方がいい奴や、と思ったのだが・・・時すでに遅し

 

「・・・・衣装。八重ちゃんの・・・時、メイド服と、キリトちゃんモード・・・・だけでしょ?・・・」

 

やわらかく微笑みながら聞いてくる滝本さんにちょっと、かなりドキドキした。内容は聞きたくなかったが・・・・まじかー・・・・

 

「そうですか・・・・ちなみに今度はなんのキャラですかね?」

 

はぁ・・・八重モードにはあまりなりたくないのだが・・・・謎の人気のせいで俺だとばれないようにしながら防衛任務しないといけないとかなんてイジメですかね?まぁ俺が女装してるって知られたくないからしょうがないんだけどさ・・・大井と小町とボーダーの命令とはいえ、超恥ずかしいっす。

でも、ことある毎に女装させたがる大井や、今も目をキラキラさせている滝本さんにお願いされると断れないんだよなぁ・・・いやホントまじでなんなん!?絶対滝本さんや大井の方が似合うし可愛いんだからわざわざ俺にメイド服とか着せなくてもいいのに・・・なんなら滝本さんのメイド服とか超見たいまである。

そんなことを考えていると滝本さんがかわいらしくややドヤ顔で告げたその服装は・・・

 

「マシュの服・・・・だよ?・・・最初のほうの・・・・明日、着て・・・・ね?」

 

ほう・・・・・俺にミニスカートをはけと・・・・無理でしょ、鬼か!

 

「あの、ミニスカートはちょっと・・・・その・・・・アレが、アレで・・・」

 

やっぱり滝本さんに着てもらいたいなって八幡思うんだ・・・・なんで俺なん?

 

「大丈夫・・・・似合う・・・よ」フンス

 

ちょっとドヤ顔でフンスってしてる滝本さん・・・うん、ちょうかわいい。もうね、ひふみんマジひふみん。コスプレの時だけは目がめっちゃキラキラしててもうね、こんなん言われたら断れるわけないですやん?・・・・はぁ。

 

 

 

 

そんなこんなで次の日、今日は八重モードでの防衛任務の日である。

 

学校で昼休みに北上と大井と一緒に至福のお弁当タイムで癒されたまでは良かった、まぁ休み時間の度に誰かしらが話しかけてくるのはあれだったが・・・放課後に綾辻に生徒会に拉致られて書類整理をさせられたため、ちょっと、かなりお疲れモードな俺だが、本当に疲れるのは学校を終えたこれからである・・・

 

「ふぅ・・・・ボーダーに着く前に八重モードにならないとか・・・・・いやだなぁ・・・・」

 

すごい恥ずかしいんだよ・・・今日は小町と滝本さんのオーダーによりボーダーにつく前に八重モードになるように厳命されているのだ、何かまた企んでいるんだろうなぁ・・・それでも素直に従っちゃう俺ってばまじシスコン。

 

「はぁ・・・それにしてもなんで八重モードになると普段声かけてこないような連中が話してかけてくるんだよ・・・・」

 

八幡でいる時は男の隊員からやたらと睨まれることが多いのだが、八重モードになると手のひらを返したようにめちゃくちゃ話しかけてくるのだ・・・ほっといてくれませんかね・・・?

 

だいたい八重の時に話しかけられる度いつばれるかとちょうドキドキして精神的疲労がヤヴァイ。こないだとか余りにも疲れすぎてすげぇ冷たく対応してたらなぜか「冷たい視線と言葉、ありがとうございます!」とか言われて感謝されたし、まじでドン引きだった。

 

「む、そろそろボーダーか・・・・はぁ・・・・」

 

そうつぶやきながら俺は八重モード(マシュ服VER)に換装する。黒のワンピースと赤いネクタイに白とグレーのパーカー、黒のタイツを着用している。うん、マシュの服だ。体系とか髪とかメイクとかいろいろ変化した自分の体を見る、女性っぽい体系になり、髪は黒髪ストレートに、すげえなトリオン、なんでもありじゃん・・・・・・ん?

 

「あれ?なんか違和感が・・・・?服が変わったからか?」

 

なんか違和感があるな・・・・なんだ?あと、足元が超スースーする。ミニスカートってこんなスースーするん?めっちゃ心もとないのですが・・・・そんなミニスカートのあまりの防御力の低さに愕然としているうちに違和感のことはすっかり思考の外に行ってしまった。そして、これが策士ひふみんの術中にはまった瞬間だった・・・

 

「まぁ慣れるしかないか・・・・慣れたくないなぁ・・・・さっさと防衛任務に行こう、おっと口調が・・・」

 

話し方には気を付けよう・・・・こんなんでばれたくないしな。そんなこんなでボーダーについた、マシュの恰好してるせいか周りの視線が痛い。今度からは普通の服にしてほしいっす・・・・つか、女装したくないっす。

そんなことを考えながらボーダーの通路を進んでいると向かいから書類を持った三上が歩いてきていた、が、その挙動がおかしい

 

「き、きゃー・・・あしがー・・・」

 

すげえ棒読みになりながら、しかしそれなりの勢いで突っ込んでくる三上を受け止める。小町の教育によりこんなにわざとらしく突っ込まれても避けれないのだ。

なにこの状況・・・わざとらしく突っ込んできた三上は俺の胸に顔を埋めていた。顔は見えないが耳が真っ赤である。なにがしたいのであろうか?

 

「大丈夫ですか?三上さん」

 

どこで見られてるかもわからんからね、口調は八重モードでいかねば・・・・あの、触りすぎです、スリスリふにょふにょしないで下さい三上さんや・・・って、んん!?お、俺に・・・・・胸がある・・・・だと!?

愕然とする俺をよそに三上は幸せそうに俺の胸に頭を擦りつけている・・・・なにこれ

 

「・・・・至福です・・・//とても素敵な感触だよー♪」スリスリ

 

「・・・・大丈夫そうですね」

 

やたら満足そうな三上を少し強引に引きはがし一緒に書類を拾って手渡す。そんなに残念そうにしないでくれ、胸に抱き付きたいなら俺よりも大井とか国近さんがお勧めです。

っていうか、さっき感じた違和感はこれかー・・・・滝本さんの仕業か?ひそかにバストアップされてるし・・・こないだまでの控えめな胸がそれなりに豊かな感じになっている・・・なにがしたいんだってばよ・・・

 

三上と別れてから再度通路進んでいると今度は那須が具合悪そうにしていた・・・・表面上は。・・・・なんかチラチラこっち見てるし・・・・これ素通りしちゃだめかな・・・・・だめだよね。

 

「はぁ・・・・あの、那須さん、大丈夫ですか?」

 

「あ、八重さん・・・・あぁー体がふらつくー」

 

三上に続いて那須も棒読みで言いながら俺の胸に突撃してくる・・・ぽふん、という音と共に那須も三上と同様にスリスリしてくる・・・・・もうやだ、なにこの羞恥プレイ・・・・

 

「うんうん♪とっても可愛いね♪それにやっぱりこれくらいのサイズが良いよね!感触的にも見た目的にも♪」

 

楽しそうにふにょふにょしながら那須は満足顔で話していた・・・くすぐったいっす・・・

 

那須と別れたその後も綾辻や熊谷が突撃して同じことをしていた・・・・そうして比企谷隊の隊室に来る頃には俺はすっかり疲れてしまったのだった・・・・一体何が目的なんだってばよ・・・・

 

そんなことを考えながら自身の隊室に入ると今度は大井が突撃してきた

 

「き、きゃーあしがー」

 

棒読みで突撃してくるのも共通なのか大井をこれまでと同じように受け止める、もうなんだってばよ・・・

 

「これは一体なんなのかな?」

 

さすがに意味不明過ぎたので俺の胸でスリスリふにょふにょしている大井に聞く、なるべく怒らないように笑顔を浮かべるように気をつけるのが大変だった・・・

大変嬉しそうにふにゃっとした表情で俺の胸に顔をうずめていた大井は表情を一変させキリッっとした表情で答えた

 

「ラッキースケベです」

 

・・・・・・・・え?

 

「・・・・・・・え?」

 

「ラッキースケベです!!」

 

超自信満々に応える大井に俺はそれ以上の答えを持ち合わせていなかった・・・・やはり俺がラッキースケベされるのは間違っている!!




正直に言おう。八幡に大井やら那須やらがラッキースケベをする話が書きたい。そう思ったので書きました。ただただそれだけの話だった。

簡単に言うと最後のセリフを大井に言わせたいだけでした。

リトさん的な感じで八幡がラッキースケベをすることはあれど、されることはないな、あるわけないしね・・・・・・・書くか。

そんな感じで始まった今話でした。てへ。

次からはいつも通りに日常系?な感じのほのぼのストーリーになる予定ですのでよろしくお願いします。


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比企谷隊の挑戦11 真の戦いの始まり

こんばんわ!今期のアニメが始まりましたね!

オラもうわくわくすっぞ!って感じです。冴えカノが楽しみでしょうがありません。

そんなこんなで挑戦編です、まあぼちぼち書くことなくなってきたので挑戦編の完結をもってこのシリーズは終わろうかと思ってます。たぶん。

まだ何話か続きますので宜しければ最後までお付き合いいただければと思います。
それでは挑戦編11話です~


ー 比企谷隊 隊室 -

 

「困りましたね・・・・」ハァ

 

「こまった・・・・ね・・・・・?」フム

 

「困ったね~♪」ニコニコ

 

「・・・・んで?どーすんの?お兄ちゃん?」ハテ?

 

「・・・・・・どーするかなぁー・・・・」ハァ

 

比企谷隊の隊室にて頭を抱えて悩む5人は1つの連絡事項に頭を悩ませていた。

大井はこめかみを抑えながら悩ましい、という感じで、ひふみは普段からあまり表情が変わらないためわかりずらいが、困った、という感じで少し難しい顔をしながら、北上はよくわからないけどニコニコしながら真似をして困ったと言いながら、小町はそんなみんなを代表して八幡に尋ねるが、当の八幡も困っていた。

 

ラッキースケベ事件?の翌日にその連絡事項は送られて来ていた。

 

「うーん・・・・さすがにこれは・・・・・・」ムムム

 

「がんばって・・・・ね」フンス

 

「~~~~~♪」鼻歌中

 

「どうすんのさ、お兄ちゃん、次の対戦」

 

悩み続ける大井と応援するひふみ、楽しそうに鼻歌をしている北上を代表して小町がさらに八幡に問いかけるのは、次のランク戦の対戦カードである。

 

「いや、どうすんのさって言われてもだな・・・・影浦隊と二宮隊って・・・・・これ無理ゲーじゃね?」

 

そう、その日に届いた通達には次のランク戦の対戦カードが記されていたが、その対戦相手が問題だった

 

「いえ、悩んでばかりではいられませんね!むしろ好機と考えましょう、幸いまだ3戦目です、ここでボーダートップクラスとどれだけ戦えるかを知るチャンスです!!」

 

大井は自分を鼓舞するかの如く気合を入れる。まだ自分たちの実力では二宮隊や影浦隊といった元A級部隊には及ばないまでも、どこまで通用するかを知るチャンスであり、万が一ここで負けることがあってもこの先の対戦で巻き返すことも可能である。

 

「頑張ろうね~大井っち~♪」ニコニコ

 

「ふぁいとだよ・・・・!」

 

「まぁ、そうだな。やるだけやってみるか・・・・、ってかカゲさんとこってA級じゃなかったか?なんでB級にいるんだ?」

 

この際諦めてやれるだけやるか、という心境になった八幡だが、素朴な疑問を投げかけていた。記憶ではなんらかの違反でB級に落ちた二宮隊のことは把握していたが、影浦隊がさりげなくB級にいる事に今更気づいた八幡だった。

 

「ん~たしか、影浦さんが、根付さんだかを叩いたとか・・・・だったような?それで減点されただかでB級になったとか言ってたような?」

 

実にあやふやな説明を小町がしているが、非常に納得の理由だった。

 

「カゲさんらしいな・・・・。そんじゃあまぁ、作戦を考えますかね・・・・」フム

 

その八幡の宣言から冒頭のように考える各員、若干一名はウトウトし始めていたが、そんな中ひふみがぼそりとつぶやく

 

「ハチくんが・・・・抑える?」

 

その一言に大井と小町は頭にはてなを浮かべていたが、もともと口数少ない同盟の八幡にはそれで伝わったらしく

 

「やっぱりそうなりますよね・・・・・はぁ」

 

そんな八幡とひふみに大井と小町がどういうことだいとばかりに尋ねると、八幡は説明しましょうとばかりに眼鏡をクイっと上げる。

 

「つまりだ、今度の対戦カードはどちらも元A級だ、個人の戦闘力では当然俺達に勝ちの目は無い」

 

「そうですね、せめて北上さんと私の2人でようやく、といったところですか」

 

「ふんふん」

 

八幡の説明に大井と小町がうなずきながら先を促す

 

「そうだな、そして、この二つの隊の中で最も厄介なのは二宮さんとカゲさん、絵馬だ、この3人に対してどう対応するかでこの対戦の結果が大きく変わる」

 

「二宮さんと影浦さんは解りますが・・・・」ハテ?

 

「射程もちだから・・・・・だよ?」

 

「それならゾエさんとか犬飼さんも銃型のトリガーですよ?」

 

大井の疑問にひふみが応え、それにたいして小町が質問する。

個の戦力として二宮と影浦はボーダーでもトップクラスの実力の持ち主である。現在の比企谷隊の実力では一人では逃走推奨、2人ならばギリ互角かやや劣勢、3人ならなんとか勝てる、といったレベルである、それ以外の隊員なら2人いれば、といったところだろうか。

 

「まあ単純に言うと、長距離射撃が出来る絵馬を早めに落とせば、俺たちはトリオン量の合計だけならこの二つの隊に大きく勝ってるからな、そこをうまい事できれば火力勝負で勝機が見えてくるってことだ。」

 

「確かに・・・私と北上さんと八幡さんのトリオン量はボーダーの中でも多いって那須お姉さまが言ってましたね・・・・・」

 

「んー・・・・つまり?」

 

考えるのに疲れたのか、小町が早く説明しろよと聞いてくる

 

「つまり、俺が狙撃で絵馬を落としつつ、カゲさんと二宮さんを釣る。この2人に殺されないように頑張って抑える、その間に2人で他の隊員を倒してもらうって感じが理想だな。影浦隊はそれぞれ個別に動くから俺が絵馬を落とせない場合は絵馬優先、次にゾエさん、犬飼と辻に合流されていたとしても2人なら火力勝負に持ち込めば勝機は十分にあるだろう。問題は・・・」

 

長々と説明する八幡にふんふんとうなずきながら大井は聞いていたが、北上はすでに夢の中で大井の膝枕で寝てしまっていた。話をほとんど聞いていない北上だが実際の戦闘になれば大井との完璧な連携を取りながら戦えるので誰も何も言わなかった。

そして八幡のセリフにひふみが応える問題点は

 

「ハチ君が・・・・落ちるまでの・・・・時間?」

 

「そうです。カゲさんと二宮さんは狙った獲物に向かってくる習性があります、それを利用して2人を釣るのは問題ないと思いますが、正直この2人相手にそれほど長く持ちこたえれる気がしないんですよね・・・・・むしろ瞬殺で落とされそうな未来しか見えないまである」

 

元A級の隊長である2人の行動パターンをまるで動物の習性のように例える八幡だが、実際にこの2人はそのような習性をもっていた。

 

「今のハチ君だと・・・・・2分くらい・・・・は持つよ?」

 

「2分て・・・・カップ麺も作れないじゃん」

 

ひふみの発言に小町ががっかりだよ、と言わんばかりに自分の兄を見る。だいたいいつも情けない兄だが、大事なところでは結果を出していくのが八幡である。今回もなんだかんだでなんとかするんじゃろ?と思っていたが。

 

「・・・・そうなんだよなー・・・・っべー、まじっべーわぁ・・・・」

 

その八幡の表情に、あ、今回は本気で無理なパターンか、と悟る小町であった。

 

「なるほど、わかりました。確かに私達隊には今のところそれくらいしか勝機はなさそうですね、幸いまだ次の対戦まで一週間ありますので引き続き訓練しましょう」

 

時間はまだ一週間ある。大井と北上は犬飼、辻、絵馬対策として那須隊の3人と訓練することに、小町は次の定期テストに向けて泣きながら勉強に、今日の先生は月見らしい。月見は三輪隊のオペレーターで東の戦術の正統後継者にしてA級隊員の中にも複数の戦術の弟子がいたりするスーパーオペレーターである。何気にひふみともなかよしだったりする。

そして我らが八幡はというと・・・防衛任務に向かっていた、八重の恰好で。

 

「とりあえず対策としては出水さんと米屋さんに三つ巴で対戦してもらいましょうか・・・・」

 

防衛任務上がりにでもランク戦ブースに行けば、磯野~野球やろうぜ!!と言わんばかりにからんでくるのはわかりきっている事である。防衛任務の時間以外は必ずと言っていいくらいランク戦ブースにいるのである。

 

「今日の防衛任務は急な欠員のヘルプですからそんなに遅くはならないでしょうしね」

 

そんなことをつぶやきながらひふみん作の新衣装であるところの織田信長(FGOバージョン)を着ている八重はトコトコとボーダーの通路を歩いていた。

 

「本当はあんまり頑張りたくはありませんが、なんならこの格好も恥ずかしいのですが、是非もないよネ」

 

恥かしいのは恥ずかしいんのだが、この格好をすると小町や大井、ひふみが喜ぶのである、それならば八幡にとっては是非もないのである。

 

そんなことを考えながら歩く八重を見つめている隊員がいることに彼は気づいていなかった

八重を見つめる少年はまるで運命の出会いをしたと言わんばかりの表情でつぶやく

 

「め、女神だ・・・・・」

 

こうして比企谷八重の受難は続き、比企谷八幡の挑戦は続くのであった。

 

 




と、言うわけで、このシリーズもあと何話かで終わろうかと思います。たぶん、5.6話くらい?気分で前後するかと。

八重の話は気分が乗れば掘り下げるかもですが、基本はランク戦が終わったら終わる感じで行きます、A級に昇格できるか否かも気分で行きたいと思いますが、相変わらずちゃんとした戦闘はしない予定ですので!

次のシリーズは・・・・・考え中です!いくつか書いてますが、ティンとこないと言いますか・・・・文章書くのって難しいよネ!!

まあそれはまた終わった後の自分にお任せってことで!これからもよろしくです!!


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比企谷隊の挑戦12 八幡の受難

こんばんわ!挑戦編12話です。

いろいろとアレがアレで困ったものですが、今後もアレするべく頑張っていく所存です!!

うん、意味不明ですね・・・・さてさて新アニメが始まっていますが、今期もなかなかに気になるのがあってもう、あれですね・・・書きたい。うん。

そんなことを考え続けている昨今でした。超マイナーなのとか超書きたいです・・・

そんなこんなで八重の次は八幡の受難です~


ー 警戒区域 -

 

街を進む異形の化け物、トリオン兵と呼ばれるその存在は町を破壊しながら警戒区域の外へと侵攻していた。

しかし、そんなトリオン兵の侵攻方向にはトリオン兵を打ち倒すべく立ちふさがる者がいた。

 

どこぞのスマホゲームの第六天魔王の恰好をしたその人物は、手にしたスコーピオンを指揮棒のように振るいながら唱えるー

 

「咲き誇れ、ロンギフローラム!!」

 

ぐだぐだなことで有名な織田信長の恰好をしたその人物の周辺に複数の槍(アステロイド)が展開される。某ぐだぐだな魔王の三段撃ちではなく、なぜか某炎使いの王女様の技名を叫んでいた。そして展開したアステロイドをスコーピオンを振るい目標に向けて射出する。特にスコーピオンを振るう必要性は無かったが、気分的な問題だった。

 

小規模なトリオン兵の集団は放たれた攻撃により半数が行動不能になる。生き残ったトリオン兵が反撃しようと第六天魔王の恰好をしたその人物、比企谷八重に向かおうとするも、爆撃のように攻撃が放たれ続けることにより近ずくこともできずに撃破されていた。

 

「ふぅ・・・・目標、沈黙しました」

 

すべてのトリオン兵が沈黙したのを確認した八重はオペレーターであるひふみに報告する

 

「お疲れ・・・・さま。あとはやっとく・・・ね?」

 

コミュ障ながらも超一流のオペレーターであるひふみはすぐさま回収班を手配しながら八重をねぎらっていた。

 

「ふぅ・・・さっきの技名を言いながら攻撃をする、で今日の滝本さんの課題はクリアですかね?」

 

「うん・・・満足」

 

今日の防衛任務前になんか技名言いながら攻撃してほしい、と突然言い出したひふみのお願いに、渋々、非常に渋々で嫌々ながらも実行してしまう、それが比企谷八重だった。

 

そうしてしばらく八重とひふみで雑談していると、防衛任務の時間が終了した。そんな話の中で次回の服装はジャンヌオルタらしいことが判明した。通信越しなため表情はわからないが、いつものようにささやかなドヤ顔を浮かべながら張り切ってデザインしているのであろう、どうやら最近のひふみはFGOブームらしい。

 

「ん・・・・時間・・・・だよ?お疲れさま」

 

「はい、お疲れ様です滝本さん。今日もオペレーターやってもらってありがとうございました」

 

「大丈夫・・・・私も、楽しい・・・・よ?」

 

「それは・・・・いえ、それなら良かったです、それでは私はこれからランク戦に行ってきますので」

 

「がんばって・・・・ね!」

 

なにを楽しんでいるのか・・・・いろいろな服を着せて楽しむひふみに八重はあえて触れずに訓練に向かう。

 

その後、警戒区域からボーダーの本部に戻りいったん自身の隊室に戻ると、八重から八幡モードに換装する。そうして一息ついた八幡は、いざ!と意気揚々とランク戦ブースに向かうのであった。

 

ボーダーの通路をてけてけと歩くことしばらく、ランク戦ブースについた八幡は仲良くランク戦をしている米屋と出水、緑川を発見したのでランク戦しようぜ!とらしくもなく声を掛けようとした、が、後ろから右肩を掴まれたことで断念するのであった。その右肩を掴んだ御中は誰だい?っと振り向くとそこには・・・

 

「よぉ~う比企谷、ランク戦殺ろうぜぇ~~?」

 

獲物を見つけたライオンのような表情をした影浦がいた。まさかの次回の対戦チームの隊長自ら対戦を挑んでくるのであった。そうして八幡の受難が始まった。

 

「ア・・・・・ハイ、ヨロシクオネガイシマス・・・・・」

 

さっそくなみだ目になりぷるぷると震えながらノーと言えない日本人を発動する八幡と、いい暇つぶし相手を見つけたと上機嫌な影浦は、お互い正反対の表情を浮かべながらランク戦をするべくブースに入っていくのであった。

 

 

 

ー その2時間後 -

 

「ふぅ~なかなか楽しめたぜ!比企谷また殺ろうぜ~!!」

 

いちいちぶっそうな単語を使用する影浦にいつも通りにカッスカスにやられた八幡は

 

「ウ・・・・ウイッス」

 

と力なく返事しながら意気揚々と立ち去る影浦を見送るのであった

 

「ま、まさかの2時間ぶっ通しで対戦するとは・・・・・・死ぬかと思った。いやトリオン体は幾度となく殺されたけど・・・・」

 

影浦が飽きるまでの2時間ひたすらに対戦し続けていた八幡、もはや何回殺されたかも不明だが、幾度となく殺されたおかげで方針が固まってきていた。

 

「まぁ、何回も殺されたけど、おかげで・・・・おかげでって嫌だなぁ・・・・おかげで対策のようなものも浮かんだから良しとするか・・・・・・」

 

そうつぶやいた八幡は任務完了、とばかりにランク戦ブースから立ち去ろうとしていた。

 

当初の予定であった出水や米屋、緑川はまだ元気にランク戦をしていたが、最早影浦に倒されすぎて疲れ果てていたためそれはまた明日の八幡にまかせようと、自身の隊室に戻ろうとしていた。

 

まってろよ、愛しのマイシスター!と心の中で叫びながら踏み出す八幡は今度は左肩を掴まれたことでその思考と歩みをを中断するのであった。

一体全体今度は誰だい?っと振り向くとそこにはセレブオーラをまといながら微笑む加古がいた。そして八幡の受難は続くのであった

 

「比企谷君、お腹すいてるわよね?」

 

素晴らしい微笑みで八幡に死刑宣告を行う加古を前に、当然八幡は全身から冷汗をかきながら視線をあっちこっちにさまよわせながらこの状況から逃走すべく返事をした。

 

「あ、こんにちは加古さん。すみません、今は「すいてるわよね?」・・・・・ハイ、トテモオナカスイテマス・・・・・」グスン

 

返事の途中でかぶせてくる加古に当然ノーと言えなくなる八幡であった。

 

「そう、それは良かったわ、それじゃあうちの隊室にいらっしゃい♪新作のチャーハンをご馳走するわよ?」

 

「ワ、ワァー・・・・アリガトウゴザイマス・・・・・ハチマン、チャーハンダイスキ」

 

ニコニコ微笑む加古と、表情は笑顔を作りながらも、迫りくる自身の死に必死に抗いながらも一縷の望みを捨てず、どこかはかなさをたたえる感じで八幡は連行されていくのであった・・・・

 

 

 

 

 

ー 1時間後 - 

 

「ぐぬぅ・・・・・・き、今日のもまた、いいパンチ打ってくるチャーハンだったな・・・・・」

 

なぜ、魚介類とケーキやアイスを混ぜたがるのか・・・・加古チャーハンへ素朴な、しかし切実な疑問を考えながらボーダーの通路をふらふらになりながら歩く。

どうも今日は厄日らしい、一刻も早く帰らなければ、かえって愛しの小町の笑顔に癒されなければと弱々しく、けれど少しづつ歩んでいく八幡。

 

何度も倒れ、そのたびに立ち上がり、少しづつ、愛する小町の元に歩こうとしている八幡であったが、今日の厄日っぷりはそれどころではなかった

 

「あ、比企谷君、ちょうどいいところに!ちょっとお願いがあるんだ♪」

 

生まれたての小鹿のようにプルプル震えながら歩いていく八幡に通路の先から歩いてきた両手になにがしかの書類を抱えた綾辻が声を掛けてきていた。その発言に危機感を覚える八幡のとる行動は解りやすかった

 

「あ、綾辻・・・見てもらえばわかると思うが、今俺こんな状態なんすけど?つか、この後アレが「ちょっとお願いがあるんだ♪」・・・・・ウイッス」

 

先程の加古と同じように発言を食いながら発言する綾辻に当然八幡は何も言えなかった・・・・そうしてまだ八幡の受難は続いていた

 

表情を一切変えずに、最初の華やかな笑顔のお願いから一変して、食い気味なお願いは恐怖で冷や汗が出るという八幡的に意味不明な現象に会いながらも当然のように断れなかった。

 

「それじゃあうちの隊室にレッツゴー♪」

 

「はぁ・・・・しょうがないか・・・・んで?なにをやるんだ?」

 

「疲れてるところにごめんね?今日は書類整理を手伝って欲しいんだ、なんか今回は八重さんファンクラブからの入隊希望者が多くて・・・」

 

「・・・・すみませんでした」

 

八幡更生委員会の策略により女装させられただけなのに、そのせいで仕事が増えたとあれば罪悪感が発生してしまう、それが世話焼きマイスター八幡であった。

先程からおなかの中で暴れまわる凶悪チャーハンを意志の力でねじ伏せながら手伝いを了承する八幡はニコニコと鼻歌交じりで進んで行く綾辻に連行されていくのであった。

 

 

 

ー さらにしばらくたった後 -

 

「ありがとう♪おかげで随分はやく終わったよ♪ありがとね♪」

 

そうして綾辻の仕事の手伝いを終えたころにはそれなりに遅い時間になっていた。もはやほどんどの体力を使い果たしていた八幡は最後の力を振り絞りながら、最愛の妹が待つ自身の隊室に歩みを進めていた。

いちおうあまりのふらふらっぷりに嵐山隊の面々が心配してくれていたがそれを丁重にお断りしたことを今更ながらに後悔しながらゆっくりと歩を進めていた

 

「ぐぬぅ・・・・それにしてもなんだ今日のこの厄日っぷりは・・・・もはや呪いでもかかったのかと疑いたくなるレベルなんだが・・・・さすがにもうないよな・・・・」

 

そうつぶやきながらボーダーの長い通路を歩む八幡だが、体力の限界を迎えようとしていた。

通路の壁に手をつき、崩れそうになる体を何とか支えながらそれでも進もうとしていたが、それも限界を迎えようとしていた。

 

「あ・・・・もう・・・・・無理・・・・」

 

その最後のつぶやきと共に倒れそうになる八幡だが、ポフッという音と共に誰かに受け止められていた。

 

「・・・大丈夫?八幡君?」

 

そんな倒れそうになる八幡の頭を胸で受け止めた少女、那須玲はたまたま通路を歩いていたらフラフラしながら歩く八幡を見かけていたのであった。

意識が飛びそうになっていた八幡だったが、那須の声とふにょっとした柔らかくて素晴らしい感触に何とか踏みとどまれていた。

 

「・・・・スマン・・・玲・・・・・ん?ふにょ?」

 

通路を歩いていた八幡~バランスを崩す~那須の胸にヘッドダイブ~ふにょふにょ?・・・・つまりリトさんだった。

それを認識した瞬間フリーズしかけていた意識が覚醒して慌てて飛びのく八幡だった。

 

「あわ、あわわ・・・・・す、すまん!いや、申し訳ありませんでした!!」ドゲザー!!

 

慌てて離れた八幡はすぐさま土下座の体制に移行する。もはや今日の厄日っぷりは半端ないらしい、まぁ最後のは若干あれではあったが・・・

 

「そんなことはどうでもいいわ!八幡君大丈夫!?随分辛そうだったけど・・・医務室行く!?」

 

まったく気にしていないどころか八幡の体調を心配する心優しいイケメンな那須であった。

そんなイケメンモードに入った那須に八幡はドキドキさせられながらも、大丈夫、すまないと答えながら立ち上がっていた。

 

「本当に大丈夫?」

 

「あ、あぁ、問題無い。隊室にもどって休むわ・・・・っと」

 

再度問いかける那須に応えながら歩こうとする八幡だが、まだ少しふらつくらしく、若干ふらついてしまう。

そんな八幡の挙動を見ていた那須はジトーっとした目で八幡を見つめる。

 

「じーーーー・・・・・・・・」

 

「いや、じーって口で言われても可愛いだけだから」

 

「//ふーん・・・・・八幡君、医務室に行こうか?」ニコ

 

「いや、大丈夫「後でくまちゃんにさっきの報告しようかしら・・・・」・・・・じゃないな、すまないが玲、医務室まで付き合ってくれないか?」

 

強がろうとする八幡だったが、那須の一言によりあっさりと折れてしまうのであった・・・・

その後ふらつく八幡をトリオン体に換装した那須がお姫様抱っこで運ぶという八幡的にポイント低いイベントが発生する。

那須はニコニコしながら、八幡は羞恥で顔を真っ赤にしながら運ばれていく姿が多数の隊員に目撃されそのたびにさらに顔を真っ赤にする八幡、こうして八幡の受難な一日は過ぎていくのであった・・・・

 




というわけで八幡の受難でした。今度は普通のラッキースケベ入れるか、と考えたのはいいものの、素直に八幡にラッキースケベを入れるのもなんかあれだったので、その前にしこたま八幡いじりを入れてしまった。

次回は八幡更生委員会のその後の話でも・・・いったい全体いつになったら挑戦するのか相変わらずアレですが、残り数話、お付き合いいただければと思います。




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比企谷隊の挑戦13 八幡更生委員会

こんばんわ、挑戦編13話です

ダンまちみてますか?れふぃーやたんカワユイでござるな・・・・ほんまにカワユイでござる。

いやはやまったくけしからん、まったくもってけしからんかわゆさですな!!思わずソードオラトリア全巻買ってしまったやないですか!!まったく!!

と、言うわけで今日は八幡更生委員会のミーティングの話です、いつも通り適当に聞き流しながらヘーフーンって感じで細かいとこは流してもらえると助かります


ー比企谷隊 隊室 -

 

影浦隊と二宮隊との対戦まであと数日と迫った本日の比企谷隊の隊室には多くの隊員が訪れていた。

普段から、比企谷隊の隊員である八幡や小町、大井や北上に加えて、最近ではひふみがヘルプでオペレーターについたり、それ以外にも那須隊の那須や熊谷、日浦等がちょくちょく遊びに来ることが多い比企谷隊対室だが、今日は普段の顔ぶれに追加して八幡更生委員会のメンバーも集まって定例会議を行っていたのだ。

 

それぞれソファに座ったりして持ち寄ったお菓子を食べたり話している中、ホワイトボードをごろごろと転がして大井が定例会の開催を告げていた

 

「え~コホン、それでは本日の議題ですが・・・・最近のこまった八幡さんについてです。まずは報告からお願いします」

 

大井の開催の挨拶と共に今週の報告が始まっていた、捻くれボッチにしてコミュ障の八幡を真人間にしつつ、数学の残念な点数を改善しようと集まったこの八幡更生委員会だったが、思いのほか八幡の更生がうまくいき、むしろうまくいきすぎたことで別の問題が発生しつつあった。

 

「ではまず私から報告するね、今週の月曜日、比企谷君と駅前の本屋に行った際に、男性二人にナンパされている少女二人を比企谷君が颯爽と救出する事案が発生しました、私を放置して見知らぬ少女のところに行くなんて遥的にポイント低いと思いました」

 

捻くれ少年の妹のものまねをしながらまず最初に発言したのは綾辻だった。それはたまたま本屋で八幡と出会ったときの話で2人が帰ろうとした際に不良たしき男達に絡まれて困っている少女達を見かけたのだ、そこからの八幡の行動は早かった、綾辻に一言告げ、颯爽とナンパしている輩を撃退し、怯えていた少女達を安心させるようにお兄ちゃんスキルを発動し頭をポンポンとしていたのだった。

 

「それで・・・・その結果、見事にその少女二人は八幡ファンクラブに加入した上、ボーダーに入隊する気になったみたい・・・こまったね?」

 

「はぁ・・・さすが八幡さんですね・・・まさか更生がここまで成功するとは・・・・」

 

メガネイケメン化した八幡は日ごろの綾辻や三上、氷見や宇佐美のコミュニケーション練習の結果、それなりのコミュ力を確保しつつ、お兄ちゃんスキルと世話焼きスキルによりボーダー入隊からまだ1年ながらもすさまじい人気上昇っぷりを発揮していた。

今回のようなケースは他にも報告されており、なくしものを一緒に探したり、事故にあいそうな犬を助けたり、仕事を手伝ったり、不良に絡まれているところを助けたり、警戒区域外にでたトリオン兵に襲われそうなところを助けたりとその活躍は多岐にわたっていたのだ。

 

「ほんとにお兄ちゃんがここまで覚醒するなんて小町もびっくりです!」

 

うんうんとうなずきながら小町も嬉しそうにしていた。覚醒以降は八幡に学校に送ってもらうたびにクラスメイトから質問攻めにあっているのだ。おかげでお義姉ちゃん候補に困ることも無く、さらには友人に兄を自慢したりと大変満足している小町だった。

 

「はい、私も八幡さんがこれほどまでになるとは・・・・しかし、ほんとにこれどうしましょうかね?」

 

更生に成功したことには満足しているものの、こまりました・・・と大井の表情はすぐれなかった。最初の頃は八幡の更生が成功を収めたことに喜んでいた八幡更生委員会の各員ではあったが、日が経つにつれてその喜びもしばらくすると陰っていくのであった。

 

「・・・次の報告です。水曜日の夕方、警戒区域の外周付近に中隊規模のトリオン兵が出現しました。当直の隊員が抗戦するも、一部が警戒区域外にでて、近くにいた学生の集団に襲い掛かろうとしたところを比企谷君が間一髪で撃退しました」

 

続く氷見の報告は非常にギリギリな内容の物だった。中隊規模のトリオン兵に当直の隊員が対応していたものの、あまりにも外周すぎたため、対応が遅れてしまっていたのだ。大井が被害はあったのかと問うと幸いにもなかったようだが、問題はそこからだった

 

「被害はありませんでした・・・ありませんでしたが、その時襲われそうになっていた女子中学生を比企谷君がその、いわゆるお姫様抱っこで救出し、そのまま殲滅、その後にいつものスキルを発動したことで、救出した少女とその場にいたお友達3人もファンクラブに加入、次回入隊試験を受けるつもりのようです。正直、お姫様抱っこのところは羨ましいと思いました」

 

「・・・・・またですか・・・・・・」

 

たんたんと説明しながら個人的な感想もいれてくる氷見の報告にこまったこまったと大井が頭を抱えようとするも、まだ報告は続いていた

 

「次は金曜日だね、ボーダー内のランク戦ブースにてC級隊員同士の諍いが発生しました。その際に泣きそうになっていた少女をまたもや比企谷君がかばっていました。私も守ってもらいたいなって思いました」

 

続く三上の報告によると、なんでも入隊したての少女をB級になろうかという隊員が絡んでいたのだ、戦闘をレクチャーをすると強要する隊員を断った際に非常にめんどくさい絡まれかたをしていた少女であったが、その際に八幡が駆けつけていたのだ。

 

「その後、比企谷君はかなりのハンデを相手に与えた上でその隊員と対戦をして一方的に倒したのちに絡まれていた少女達にいつも通りにお兄ちゃんスキルを発生させていました。その後なんだかんだでその少女とその友人等複数人を弟子(仮)として教えていくことになったみたい。羨ましかったので後ほど私もなでてもらいました、えへ」

 

報告の間にちょいちょい個人的な願望をいれてくる三上だが、問題のその時絡まれていた少女は泣きながら八幡に感謝し、そんな八幡は優しくその少女の頭をなでながらはげましていたそうな・・・・その結果それを見ていたC級の少女達はそろって八幡に弟子入りを志願していた。

しかし八幡は自身もまだ入隊して1年そこそこのため弟子をとることは出来ないと断っていた・・・・・が、その返答にしゅんとした少女達に思わず弟子(仮)としてちょっとしたコツなどを時間のある時に教えると約束してしまうのであった。

 

「ぐぬぬ・・・・・またですか・・・・・またですか!!いったいこれで何人目ですか・・・!」

 

むきー!!とうなりながら大井がうなる、うなりまくっていた。いつの間にかとんでもなく人気者になりつつある状況に嫉妬しつつある大井であった。最初の頃のヒロイン感が失われていた。

 

「えっと・・・C級でこれで15人目でしょうか?すでにそのうち何人かはC級のうちにチームを組んでいますね、一色隊(比企谷第2)、第六駆逐隊(比企谷第3)でいくみたいですね・・・ともに八幡ファンクラブの中からさらに派生した八幡親衛隊として活動していくつもりみたい?・・・私も入ろうかな・・・・」

 

つらつらと報告していく三上。その内容を聞いている大井はもはやため息が止まらなくなってきていた

 

「はぁ・・・先日城戸司令に注意されたばかりなのですが・・・・比企谷派を作るつもりは無いので比企谷第2とか第3とかは控えてもらわないとですね・・・本当に、困りましたね・・・・」

 

あまりの八幡の人気の上昇っぷりにもはやため息しか出てこない大井と八幡更生委員会のメンバーであった

 

しばらくはそんな報告と今後の対応について話しながらお菓子を食べたり次の八幡の試練を話し合っていると、ふとおもむろに氷見が大井に告げるのであった。

 

「あぁ、そういえば隊長から伝言です、『今回はのってやる、成果をみせろ』だそうです」

 

二宮から八幡への伝言を伝える氷見。その発言を聞いていた他のメンバーはなんぞ?といった表情をしていたが、大井には伝わったのか随分と真剣な表情になった後にニヤリと笑みを浮かべるのだった。

 

「ふふ、それはそれは・・・ありがとうございます氷見お姉様、それでは今回のランク戦では八幡さんに存分に特訓の成果を見せてもらわないとですね♪」

 

「「「「??」」」」」

 

「どうやら影浦隊長ものってくるようですよ?ふふふ」

 

「ふふふ・・・・それはありがたい事です、ふふふ・・・・」

 

次回のランク戦で大井と八幡の作戦の不安要素であった八幡、二宮、影浦の三つ巴の対戦をいかに実現するか、という要素がまさかの二宮と影浦からのラブコールにより対戦前から実現していた。

影浦は単純に八幡と対戦したいがために、二宮もまた八幡の成長を見るべく、比企谷隊が仕掛けようとしている戦術に敢えてのるつもりだった。

ランク戦が始まる数日前だというのに早くも水面下での戦いが始まっていたのだ。

 

大井と氷見以外は頭にクエスチョンマークを浮かべている中、大井と氷見がクールに微笑み合いながら今日の八幡更生委員会の活動は終わるのであった。

 

 

 

 

 

八幡更生委員会のメンバーが退出して、小町は勉強しに、北上は大井の膝枕で眠りながら過ごす事しばらくして、思いだしたかのように大井はつぶやく、

 

 

「ああ、そういえば後で八幡さんに説教をしないとですね、これ以上むやみやたらとファンを増やしてしまっては今度こそ城戸司令に怒られてしまいますしね・・・さてどんな罰を与えましょうか・・・ふふふ♪」

 

そうつぶやく大井の表情はとても愉し気であった。

 

こうして八幡更生委員会の日常は過ぎていき、比企谷隊の最大の挑戦が始まるのであった。

 




というわけで次回はランク戦しますですのよさ。

このシリーズを書いてて思ったことがあります、やはりもっとしっかりと設定は考えていこうと思いました。

特に深く考えずに思ったこと、適当にやりたいネタを考えてからフィーリングでいつもポチポチしていたのです、もっとこう、あれですよ、内容のあるものも書けるようになりたいなって思いました。

それではまた、残り数話ですが、お付き合いして頂ければ幸いです。


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比企谷隊の挑戦14 安定の始まる詐欺

こんばんわ、14話です

安定の始まる詐欺、第六駆逐隊だしたら思いのほか進まなかった・・・・

まあどんまいである。このシリーズ読んでる人ならこの辺の細かい事?は気にしてないとあたい信じてる!!

そんなこんなでいつもどおりヘーフーンって感じで見てもらえればと!!


ー 個人ランク戦ブース 八幡 SIDE ー

 

最近周りが騒がしい・・・・・・いったい全体俺の平穏は何処に行ってしまったのだろうか・・・・う~ん・・・いつからか、そう思い返すと、やはり始まりはあの時なのだろう。

ぼっちの改善とかコミュ障の改善とか数学の点数改善とかを目的とした八幡厚生委員会とかいう八幡的にポイント低い集団により強制的に、それはもう強制的に更生されつつある現在、はじまりはその、なんじゃそれな集団をつくった存在X・・・・・我が隊の女神こと大井との出会いがすべてのはじまりだったのだろう。

 

出会いは最悪だった、なにせ最初は死ぬほど睨まれていたしね・・・・それからなんやかんやとあれやこれやして今になったわけだが・・・・適当だなぁおい。そんな過去(まだ中の時間では2か月くらい前)を振り返りながらランク戦ブースに歩いていると正面から随分とにぎやかな声が聞こえてきた。さよなら・・・・・・僕のサンドロック・・・・帰ってきて、俺の平穏・・・・

 

「比企谷さん、発見なのですっ!!」ズビシッ!

 

「でかしたわ電!!第六駆逐隊、突撃っ!!目標(比企谷)を確保するのよっ!!」

 

ははは・・・随分とにぎやかだね?どうしたんだい?発見された比企谷さん?早く逃げた方がいいんじゃなイカ?

そんな現実逃避をしていると正面から突撃してくる4人の少女達。あれ?早くね?つかこっち来てね?いや、まじで速すぎね!?

 

「確保ー!なのですー!!」「つかまえたー!!」「ハラショー」「ちょっと!まちなさいよー!!」

 

「ぐっっふぅっ!!!」

 

ズドーン!!という音と共にとてつもない勢いで雷、電、響に突撃されてふっ飛ばされる俺ガイル。

はは・・・比企谷さんってのはさ・・・俺の事だったんか・・・・・知ってた・・・・あたい知ってたよ。そうして比企谷八幡の人生は幕を閉じようとしていた・・・・・・んなわけあるかい!

 

あはははは♪とすごい勢いで笑っている雷と電は吹き飛ばした俺のおなかに手をまわしながらニコニコパタパタしていた。かわいい・・・・かわいいよ?まるで昔の小町を見ているような天真爛漫な笑顔だ、その横では響が優しい微笑みを浮かべながら倒れた俺の頭を撫でてくれている。そしてそれをわたわたしながら注意しようとしている暁、お姉さんぶってて超かわいい。ほんとにね?4人ともちょうかわいいんだけどね?

・・・さすがにトリオン体で思いっきり抱き付かれておよそ5メートルくらい吹き飛ばされた今の状態ではそれどころじゃないって言うね・・・さすがに生身で喰らうとやばいっす・・・・帰ってきてよ、俺の平穏・・・・ぐすん。

 

しばらく痛みにうずくまっていることしばらく、ようやく復活した俺は倒れていた体を起こして突撃ラブハートしてきた4人組を見上げた。

 

「やぁ、八幡。こんにちは」

 

そうクールに今更な挨拶をするのは響。正直名前?で呼ぶのはためらわれるのだが、この少女は名前を何度聞いても響としか教えてくれないのだ、おかげで俺は小町以外では那須に無理やり呼ばされるくらいしかしていなかった名前呼びをしなくてはならなかった、正直、こそばゆくも恥ずかしい、という心境である。教えてくれないかな・・・君の名は?

 

「あははは!元気ないねー!そんなんじゃだめよー?」

 

めっちゃ笑いながら話す少女は雷、いかずちと読むらしい・・・こちらも名前を雷としか言わないため、やむなく呼ぶことになってしまった元気少女である。

 

「はわわわわ、ごめんなさいなのですー!!」

 

このはわはわしている少女は電、いなづまというらしい。名前は・・・・うん。特徴ははわはわしててちょうかわいい。ひふみんと並べて鑑賞していたいくらいだ。2人ではわわわ、ってしているところをはわわわ、ってしながら眺めていたい。そんな人生も悪くないと思った。

 

「いつまでボーっとしているの?レディーを待たせるのは良くないわよ!」

 

大人ぶっているこの少女は暁、やはり暁としか教えてくれない少女はレディ扱いをして欲しいらしく、これまたとてもかわいい、背伸びした感じがなんともね?コーヒー飲ませたらケホッケホッってして涙目になりそう、かぁいいよぅ!

 

少し前から懐かれるようになったこの少女達、見た目小学生にしか見えないが、何気にボーダーのC級隊員である。本来の年齢を聞いても教えてくれないのだが、きっと中学生くらいなのだろう。

たしか黒江が最年少隊員って聞いた気がするしな、きっとそうだろう、うん。

 

そうこうしていると右手を電に、左手を雷に確保され、暁の先導のもと、ランク戦ブースに向かう。ちなみに響は後ろから俺の首に両手をまわして背中にぶら下がっていた。

正直懐かれているのは素直に嬉しいが、事案にならないか不安である、そう思いながら周りを見ると微笑ましいものを見るような感じでほっこりした視線を向けられていた、とりあえず安心。

 

「今日も特訓よろしくねっ!!」

 

「よろしくなのですー!!」

 

両手を確保している少女達ににこやかにお願いされたら、たとえ俺がロリコンでなくとも聞いてしまうというものだろう・・・・シスコンにしてロリコンってなったら結構やばくね?しかし、この少女達といるとロリコンも悪くない、とか思ってしま・・・・・わない。だめ、ぜったい。

 

 

・・・・・この後めちゃくちゃ特訓した。

 

 

 

ー 次の日 -

 

 

第六駆逐隊の少女達とめちゃくちゃ特訓した翌日、今日はついに運命の日である。そう、二宮隊、影浦隊との対戦の日である。正直、今日という日が来てほしくないなって思いましたまる

 

我らが栄光ある八幡帝国の防人たる・・・めんどいなこれ、比企谷隊の隊員は作戦室に集合していた。もう少ししたら対戦の時間になるため現在は最終確認中である、確認中であるのだが・・・・

 

「い、胃腸が・・・・・」ズーン

 

背景を黒くしながらお腹のあたりを抑え、この比企谷隊の隊長たるこの俺は隊長であるにも関わらず体調管理に失敗して体調をくずしていた、体調失格だね?あ、最後ミスった。

 

「気合で何とかして下さい」

 

「だいじょーぶ?お薬飲む?にがいやつ」

 

そんな俺に大井は冷たく言い放ち、北上はその天使のような優しさで心配してくれていた、うん、ハチマンがんばる。

 

「ぷ、プレッシャーが・・・・・ぱないの・・・」ズーン

 

その俺の一言により、この場にいる、大井と北上、滝本さんに小町も微妙な表情を浮かべていた。ちなみに小町は休隊扱いのため、今回のランク戦ではオペレーターを務められないが、今日は決戦の日ということもあり、応援に来ていた。

 

「がんばって・・・・・ね!」フンス

 

「まぁ、お兄ちゃんにはたしかにプレッシャーかもねー・・・・」

 

滝本さんがいつものように応援し、小町はめずらしく同情してくれていた。そうだよね、お兄ちゃんプレッシャーにつぶされそうだよ・・・・

 

あれは昨日の事だった、第六駆逐隊の少女達と訓練をしたあとの会話である。チームランク戦の話をしていたころの事であった。

 

「明日は絶対勝ってよね!!」

 

おもむろにそう切り出す雷、いやいや、相手は元A級隊員だし、トップクラスの~と説明するが、全く聞く耳持たずだった。

 

「一人前のレディーたるこの私が応援してあげるんだからもちろん勝ちなさいよね!!」

 

ストーンな胸をはりながら謎の信頼を寄せる暁、まったくもって勝利を疑っていない純度ハチマン%な笑顔だった。

 

「なのです!!」

 

そんな2人の言う通り!!とうんうんうなずいている電、3人共、かけらも敗北など考えていない、超キラキラしたまなざしと笑顔だった。プレッシャーで胸が押しつぶされそうだった・・・・俺の敗北はつまりこの少女達の笑顔と信頼を裏切ることになってしまう、そう考えていたら胃腸が・・・・となった次第である。

 

「まぁ、その・・・応援しているよ?」

 

そんなプレッシャーに押しつぶされそうになっている俺に響は同情してます、と言わんばかりに苦笑しながらそれでも応援してくれていた、この娘何気にイケメン気質もってるなぁ・・・・

 

そんなこんなでその後も最近弟子(仮)になった少女達にも似たような感じで勝利を信じてますオーラ全開の応援をうけた結果、見事にプレッシャーに押しつぶされていたのだ。い、いちょうがぁぁ・・・

 

「う~ん、困りましたね、流石に八幡さんがこの調子では・・・・」

 

俺の不調っぷりに大井も困りましたね・・・とつぶやきながら考えてますポーズをとる、その横で北上もこまったね~?と大井の物まねをしている。なにそれかわいい、ハチマンの精神がちょっと回復した。ちょろいな

 

そんなこんなでう~ん、う~んとしていると小町の頭上に電球が煌めく

 

「ミコーン!!ひらめいた♪」

 

なにやらひらめいた小町はなにやらメモをカキカキして滝本さんに渡し、北上と大井にそれぞれコショコショと話し込んでいる、それを聞いた大井はやたらとビックリして顔全体を真っ赤にしながらわちゃわちゃしている、なにあれちょうかわいい・・・・しかしその後もでも、とかしかし、とか言いながら最終的には小町に説得されていた、流石のチョロイン大井ちゃんである、後が怖いからぜったい口には出さないけど・・・

 

なにやら準備は終わったらしく、まずは滝本さんのターンであった、なにやらコスプレをしているときのようにキャラになろうとしているらしく精神統一していた。何をするのだろうか・・・

準備が出来たのか、滝本さんはゆっくりと目を開け、まるで慈愛の女神のような神々しい笑顔を浮かべ、少し小首をかしげながらセリフを・・・

 

「大丈夫?・・・おっぱいもむ?」

 

・・・・・・告げた瞬間、世界が止まった。停止した。凍った。

 

「「「「・・・・・・・・・・」」」」」」」」

 

「?・・・・・・・・!!!!あ、あわわ・・・・・/////」プシュー

 

少しして自分の放ったセリフを理解した滝本さん、ちょうあわててあわあわしてる感じがすごくかわいかったです。うん、ちょう回復した。とりあえず小町を軽くはたいて、その場を落ち着かせる。もちろん?期待とかしてないし?ぜんぜん、うん。ぜんぜん視線とか滝本さんの二つのアレに持ってかれたりしてないし?

 

その後滝本さんが落ち着いて、改めて「がんばって・・・ね!しっかりサポートする・・・・ね!」と言われた。ちょっとがっかりとかしてないし?

ちなみに今回は滝本さんも全力でオペレートするらしく、前回のようなチャット式ではなく音声によるオペレートをしてくれるらしい。滝本さん曰く、話すぎると眠くなるらしい、さすがは俺と志岐を超えるコミュ障である。

当然見返りとして、今度のイベントで一緒にコスプレさせられることになってはいるが・・・・

 

「それでは次は小町から~♪頑張ってね♪お兄ちゃん♪」

 

続くは小町のひまわりのような笑顔である。あざとくウインクしながら俺を応援してくれる我が最愛にして生きる希望の小町。いつだって俺は小町のために、小町の笑顔のために頑張るのだ。うん、ちょうやる気でた。

 

「それじゃあ次はあたし達から~いくよ~?大井っち~♪」

 

ニコニコ北上が俺の右側に、はわわっ!てしている大井が俺の左に回り込んでいた。

いったい今度は何する気だい?と考えていると、小町と滝本さんがファイトだよ!と応援している。

いったい何がはじまるのん??

 

「は、はちまんしゃん!!」カオマッカ

 

「ひゃい!!」

 

かみかみな大井にかみかみな俺。まさに神がかっていた。うまくねえな・・・・・

 

「め、目をつぶしてくだしゃ・・・・つぶってください!!」

 

「ひ、ひゃい!!」

 

変わらずかみかみな大井に物騒なことを言われた俺は再度かみかみになりながら言われた通り目をつぶる。つぶさないよ?

 

そうして目をつぶって少しするとチュッっと左右のほっぺたに感触が・・・・・・って!?

 

あわてて目を開ける俺の左右には少し頬を染めながらもニコニコしている北上とこれ以上ないくらいに顔を赤くしている大井が・・・

そんなまさかの状況に俺がはわわってなっていると、頬をほんのりと染めながら北上がいたずらが成功した時の笑顔を浮かべながら俺に問いかける

 

「ニシシ♪どう?幸運の女神のキスを感じちゃった?」

 

そんな北上にたいして俺はひたすら顔を赤くしていた、とてもじゃないが、それ雪風じゃね?とかいえるような余力は無く、ひたすらにポーっとしてしまっていた。

 

「どう?お兄ちゃん?プレッシャー薄れたでしょ?」ニヤニヤ

 

めっちゃいい笑顔で俺に問いかける小町、薄れたどころの話ではない、つかこれ大井復活できるのか?顔を真っ赤にしてフリーズしているが

かくいう俺もびっくりしていて考えがまとまらなくなっていたのだが・・・・

しかし、そんな俺と、顔を赤くしている大井に小町と北上はにこやかに魔法の言葉を告げるのであった

 

「大丈夫、お兄ちゃんなら勝てるよ」

 

いつものあざとスマイルじゃなくて、絶対の信頼の笑顔を浮かべる小町。

 

「お兄ちゃんの勝利を信じる、今の小町的にポイント高い♪」

 

かと思いきやすぐにいつものあざとスマイルを浮かべる小町の頭を少し強めに撫でてやる、キャー♪と楽しそうに笑う小町に俺の気力は満タンになっていた。

 

「あたしと大井っちが組めば最強だよね?」

 

いつも通りの周りを笑顔にしてしまう、そんな明るい笑顔の北上。

 

「そうですね、北上さんと一緒ですからね!」

 

北上の笑顔に覚醒した大井はフンス!と気合を入れている

 

2人の笑顔に現実に引き戻された俺と大井はお互いにニヤリと笑いあいながら意識を戦闘モードに覚醒させていくのであった。

そうして気合をあらたにすると大井がこちらを向いて挑戦的な笑顔を浮かべると

 

「先ほどのは勝利の報酬です、特別に前払いしましたので敗北は許しませんよ?」

 

やや頬を染めながらも大井は俺に告げる。全く、随分と報酬がはずんでいるものである、ハチマンの胸はドキドキである。ますますもって負けられなくなったが、先ほどまでのプレッシャーは不思議と感じていなかった。

 

「了解だ、大井も作戦どおり頼むぞ?」

 

ニヤリ、と俺が挑戦的に大井に返すと、大井は素晴らしい双丘の存在感を存分に発揮しながら胸を張り応える。

 

「当然です、私と北上さんと八幡さんが組めば最強だということを証明して見せます!!」

 

こうして比企谷隊の挑戦が始まるのであった・・・・・

 

 




というわけで、14話でした、なのです!を出したかった。ただそれだけである。

ちょいと・・・・かなり?強引ではありますが、大井っちヒロイン化計画を再燃させようとする俺ガイルでした。再燃したかな?

次回こそは決戦です、今度こそ挑戦します!相変わらずの行きあたりばったりな感じで恐縮ですが、もう少しお付き合いいただければと思います。


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比企谷隊の挑戦15 今度こそ挑戦が始まる☆前編☆

こんばんわ15話です

うーん、ランク戦ってやっぱりなんかあれですよね・・・・やっぱり書きづらいなって思いました。

やはり自分は特に細かく考えずグダグダな話を気楽に書きたいなぁとかなんとか・・・・戦闘も書きたいけど、なんていうかその、純情な感情が3分の1くらいしか伝わらないと言いますか・・・・ね?そんなこんなで挑戦編です、ちと長くなりそうなのでまさかの前後編で行きたいと思いまする。


ー チームランク戦開幕直前 実況席 -

 

「B級ランク戦第3戦、夜の部が間もなく始まります、実況は風間隊の三上、解説は東隊の東隊長と加古隊の加古隊長です」

 

「「どうぞよろしく」」

 

「さて、それでは本日の対戦ですが、影浦隊の選んだステージは市街地Aです、これにはどういう・・・狙いが・・・・・あると思いますか?」

 

解説らしく今回のステージについて説明しつつ、その狙いを聞こうとする三上ではあったが、正直影浦隊がなにか考えているとも思えなかったので聞かなくてもいいんじゃ?と思いつつもしっかりと役割を果たそうと問いかけていた、しかし、そんな三上の努力もむなしく解説の2人にばっさりと断言されてしまう

 

「「何も考えてない(わね)」」

 

「・・・・・・・ですよね」

 

あまりにも即答過ぎたため、ちょっと三上がムスっとしていた。それにビビった東はさりげなく補足説明を加える、無表情ながらもちょっとムスッとしている三上にわりとガチでビビっていた始まりのスナイパーだった。

 

「影浦の事だから適当に選んでいるだろうが、強いて言うなら複雑な地形では絵馬を活かせないしなにより影浦自身が暴れづらくなる、だから複雑なとこや高低差の大きいとこ以外どこでも、というところだろうな」

 

「ありがとうございます、影浦隊と二宮隊といえば、元々A級部隊です、隊務規定違反によりB級に降格している現在ですが、その実力はボーダー内でも屈指の強さです、今回その部隊と対戦する比企谷隊ですが・・・」

 

「まぁ普通に考えたらご愁傷様、といったところかしら?」

 

「だが、比企谷が簡単にやられるとも考えづらいな」

 

「そうですね、比企谷隊といえば、間違いなく今期の話題の中心になっています。前期では1人でチームランク戦を戦い抜いた比企谷隊長ですが、今期はハイパーズの加入で一気に上位入りした台風の目です。そんな比企谷隊長を応援するべく今日はいつもより多くのC級隊員が観覧席に来ています」

 

ちらりと後ろを振り返るとそこには比企谷隊の応援をしている八幡ファンクラブである第六駆逐隊やC級隊員隊がいた。誰もが比企谷隊の勝利を信じているといった表情で応援していた、何なら横断幕とか八幡の写真が貼られているうちわを持っているものもいたりと普段のランク戦とは違う雰囲気になり始めていた。

そんなファンクラブの隊員から八幡うちわを受け取りながら加古と三上は実況を続ける。

 

「さて、そろそろ転送時間です、正直八幡更生委員会と八幡ファンクラブに在籍している身としては比企谷隊長に頑張ってもらいたいところですが・・・」

 

解説的にNGな贔屓な発言をする三上に東は苦笑するしかなかった。加古もその通りと言わんばかりにうなずく。

 

「ふふ、そうね、比企谷君には早くA級に上がってもらいたいわね、私とも戦ってもらいたいわ」

 

三上と加古で八幡うちわをパタパタしているのを苦笑いしながら見ている東は、あぁ、あいついまごろプレッシャーが・・・とか言ってそうだなぁ・・・とかぼんやりと考えながらいつもと違ってやたらめったらお祭り気分になっている会場を見渡すのであった

 

こうして各部隊が転送されていくのを眺めながらお祭り気分な会場のボルテージは上がっていくのであった。

 

 

ー 市街地A 昼 天候、晴れ 八幡 SIDE -

 

 

「よし、それじゃあ特大の花火をあげましょうかね・・・滝本さん」

 

少しの浮遊感の後、俺はステージに転送されていた。場所は都合よく真ん中らへんだ、まずは二宮さんとカゲさんを釣りながらあわよくば絵馬も見つけたいところだ、ちなみに花火は俺のベイルアウトのことじゃないよ?

 

『大丈夫』

 

「了解、それじゃあ最大出力で・・・・メテオラ!」

 

まずは上空に向けて最大威力のメテオラを1発放つ、自慢じゃないが、俺のトリオン量はボーダー内でもそこそこ多い方だ、なかなかの爆発力の大玉を天空に向けて放つ、そう、これは俺からの宣戦布告なのだ。それと同時にアイビスを構える。狙いは今打ち上げたメテオラ・・・

 

「私は・・・・一発の銃弾・・・・」

 

そうつぶやきながらメテオラを撃ちぬく、なんかこれ言いながら撃つと命中力上がる気がするのだ。それと同時に大きな花火がちゅどーーーん!と上がる、これで二宮さんとカゲさんに俺がここにいることが分かっただろう、この瞬間から俺に向けて動いた人物、マップ上のこの2人がカゲさんと二宮さんだろう、そして続いて

 

「ハチマン・ヒキガヤ、行きます!!」

 

ガンダムの発進っぽく宣言しながら足元にジャンプ台トリガーであるグラスホッパーを展開し、上空に飛びたつ、空はこんなにも広かったんだ!!そんなことをふわっと考えたものの、本来の目的を果たすべく、メテオラの爆風に紛れながら滝本さんの視覚支援を受けた俺は絵馬を探す、

 

『・・・辻君、犬飼君、絵馬君見つけた・・・よ』

 

早くもマップ上で辻と犬飼がマークされる、まあ絵馬はバックワームでマップ上から消えているが直接視認できたのは大きい、おおよその位置が分かったのはありがたいな。

 しかし、そう時間はかからずに辻と犬飼は合流できそうだな、なかなかの転送運だ。ついでに逆サイドの絵馬を見つけたひふみんまじひふみん。俺は絵馬の一番近くにいた北上に取りに行かせつつ、フォローに入るであろうゾエさんを抑えつつ北上のフォローに大井を向かわせる。頼んだぜ、天使達よ!

 

中央付近に俺がいる現在、北と南からは二宮さんとカゲさんが、東に犬飼と辻、西に絵馬と北上、大井が展開している状態だ。

残念ながらゾエさんは見つけられなかったが問題ない。ゾエさんもバックワームで消えているのだろうが基本的にゾエさんは場を荒らすのがメインで直接取りに来ることは少ない、ゾエさんの適当メテオラの爆風に紛れて絵馬が撃ち抜くかカゲさんがぶっこむ、これが基本戦術だ。それに対して二宮さんのとこは二宮さんが遊撃で辻と犬飼がコンビで戦うという俺達と似たような編成である。そして今回の戦闘では俺が二宮さんとカゲさんを先ほどの爆風で挑発しているため、今頃「俺が比企谷を取りに行く」とかいってるはずなのである。そうなると辻と犬飼は俺とカゲさんを避けて西側に移動するはず、この移動時間で、絵馬を落とせれば作戦の第一段階はクリアだ。がんばれマイエンジェー北上!!

 

そんな事を考えながらも俺はいそいそとトラップをしかける。今回はメテオラトラップだ、スパイダーは仕掛けても二宮さんにふっ飛ばされちゃうしね・・・そうして迎撃準備をしていると『警戒!』滝本さんの滅多に聞けない切羽詰まった声に反射的に回避行動に移ると大量のハウンドが降り注いでくる。さっきまで俺がいた周辺は見るも無残にぼこぼこになってしまっていた。こわっ!

少し前まで自分がいたところの惨状を確認した後顔をあげるとそこには魔王がいた・・・

 

「・・・・」ゴゴゴゴゴゴ

 

「・・・今日は勝たせてもらいますよ、二宮さん」

 

ちょっとかっこよくいってみる俺ガイル。だがぶっちゃけ超怖い。建物の上にポケインスタイルで立つ二宮さん「ほう・・・」とか言いながら楽しそうにこちらを見ているが、ラスボス感がぱない・・・そしてレーダーに映るのはもう一人、二宮さんとは俺を挟んで相対するのは・・・

 

「よぉ~~~う、ヒキガヤ~呼ばれてきてやったぜぇ~?」

 

すげぇ獰猛な笑顔で俺をロックオンしましたって顔に書いてあるカゲさんが登場した、こわい。

 

あれ?俺この2人に挟まれるとか結構やばくね?なんか最初からクライマックス的な?時間かせげるかな・・・・今更ながらに、いや、元々わかってはいたが、やっぱこの作戦無理じゃないかな・・・ちょうこわい。2人とも俺の事好きすぎじゃない?まぁ挑発したの俺だけどもさ・・・とにかくこわい。

 

「しゅ・・・・すみませんね、カゲさんに二宮さん、ちょっと俺とあしょびませんか?」

 

かっこよく決めたかった・・・さすがにこの2人のプレッシャーではまともにしたが回らないじょ・・・あ、それは普段からでしたね・・・グスン

 

噛み噛みな自分にがっかりしているとまずは先制と言わんばかりに二宮さんがハウンドを放つ、俺とカゲさんに大量の弾幕が降り注ぐ中俺は必死にシールドでガードする、対してカゲさんはすいすい回避しながら俺に向かってくる、えぇー・・・その眼のロックオンは俺のままだった。こわい。

 

「この弾幕の中最小限のシールドしか張らずに接近するとか変態でしょ・・・」

 

そんなカゲさんに驚愕しながら俺も迎撃するべく二宮さんとカゲさんにアステロイドを放ちながら迎え撃つのであった・・・

 

 

 

 

ー そのころの大井 -

 

ちゅどどどーーーーーーーーん!!

 

ふむ、どうやら八幡さん達は戦闘開始したようですね・・・しかしなんですかあれ?そこそこ離れているのにとてつもない破壊音が聞こえます・・・・八幡さんは大丈夫でしょうか?今回の作戦はそれぞれが格上とのマッチアップをしていくことになりますが、中でも八幡さんの相手である二宮さんはボーダーNO,1シューターですし、影浦さんもポイントは低くなっていますが、元々はボーダーでも屈指のアタッカーです、まさしく一瞬の油断もできない綱渡りな戦いをしている事でしょう。

 

ちゅどどどどどど!ちゅどどどどーーーーーーん!!!

 

「・・・・・なんですかあれ、あそこ爆撃機でも来ているんですか?八幡さん大丈夫ですよね?」

 

『泣いてるけど・・・・大丈夫だよ・・・たぶん』

 

「たぶん・・・ですか・・・・」

 

とても不安です、早くも八幡さんのいる方角の建物が1ブロック分廃墟になってしまっています・・・『爆撃!!』ひふみお姉さまの声に反応して慌てて回避しつつ上を向くと北上さんと私の方向に向かって放たれる弾丸が見えました。弾丸の方角から北添さんのおおよその位置が判明しましたね

 

「そちらでしたか・・・・」

 

これが八幡さんの言う適当メテオラなのでしょう、これ自体を回避するのは問題ありませんが、注意すべきはこの後の煙幕に隠れた狙撃と影浦隊長の突撃です。ですが影浦隊長は八幡さんが抑えていますし狙撃は方角がおおよそわかっているため、ガードも可能でしょう。

 

どどーん!私の近くに着弾しますが問題なく回避、その隙に狙撃も飛んできましたが、これまた集中ガード。ふふん、ここまでの展開はほぼ想定内、私は予定通り北添さんを、北上さんは絵馬さんを落としに行きます。制限時間は辻、犬が合流するまでのおよそ90秒、それまでにどちらかを落として北上さんと合流しなければですね。北上さんと一定以上距離を置かないように注意しながら北添さんを探します

 

「見つけました!戦闘開始します。」

 

アステロイドのアサルトライフルに換装しなおした北添さんが弾をばらまきながら後退していきます。この場で倒せれば最高、ですが北上さんが絵馬さんを落とすまで抑えられれば、と考えていましたが・・・・

 

「別に、倒してしまってもかまわないでしょう?」

 

北上さんに爆撃をするなんて万死に値します!やはりここは私が鉄槌を下す必要があるようですね、そう考えながら私はハウンドを全方位から向かうように放ちます

 

「海の藻屑となりなさいなっ!」

 

シューターである私はガンナーに距離を置かれると射程ボーナスにより分が悪くなるため、一気に距離を詰めながら全力のハウンドを放ちなます。全方位からのハウンドを回避とシールドで対処しつつ撃ち返す北添さん、流石にそう簡単にはいきませんか・・・

しか私も負けられません!北上さんと八幡さんが頑張っているのですから!

 

いつまでも響く爆撃音に私は八幡さんの無事を祈りながらさらに接近すべくハウンドを放つのでした。

 

後編に続く。

 

 




というわけで前半戦でした。

普通に考えて勝ち目のない戦いですが、あの手この手で善戦させつつ八幡をいじめたいと思います。
ここまで読んでいる方達ならなんとなく理解していただいていると思いますが、この世界の八幡はあくまでそこそこです、俺TUEEではありませんのでご容赦を。

それでは次回、決着のランク戦にて!!たぶん決着するはず!!!

オイラ、このランク戦終わったら・・・ちょいちょい短編的な感じで書いていこうと思うんだ・・・大井っちルートとか北上編とか小町エンドとか那須とかハーレムとか・・・・


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比企谷隊の挑戦16 今度こそ挑戦が始まる☆後編☆

こんにちわ!16話です!

これにて決戦終了です!!
ぽちぽちしてたら思った以上に長くなりそうなので、途中でぶったぎって終わらせていますが、いつも通りヘーフーンな感じで受け入れて頂けると助かります


ー 市街地A 八幡SIDE -

 

「ぜぇ・・・・ぜぇ・・・・滝本さん・・・・」

 

戦闘開始からどのくらいたっただろうか・・・10分くらいか?それとも1時間くらいたったのだろうか・・・・ふと周辺を見てみると、少し前まで戦闘していた場所はもはや市街地ではなく、ただのガレキの山があるばかりとなっていた。

歩く爆撃マシーン二宮さんのハウンドやらアステロイドやらメテオラやらギムレットやらの鬼のような猛攻と、その砲撃の中からすいすい接近してきてはマンティスを仕掛ける絶対コロスマシーンカゲさんの攻撃を必死になりながら回避したり死にかけたりすることしばらく、戦況はいったん小休止状態になり、お互いを牽制している状況であった。

 

『大丈夫?・・・・おっp・・・・頑張って・・・ね///』

 

おっとぉ・・・・今は戦闘中ですのでそんな危険なセリフは辞めていただかないとですね、全くけしからん、うん、ちょう元気出た。てかまだ小町の誘導に引っ張られていたんですね・・・ひふみんてば素直かわいい・・・じゃなくて!

 

「お、俺、生きてますよね?まだ死んでないですよね・・・?」

 

『大丈夫・・・・だよ?ギリ・・・生きてる』

 

「ギリ・・・・ですか・・・・・」

 

『うん・・・・・ギリ』

 

ま、まぁ?二宮さんとカゲさんと対峙してまだ生きているだけ良しとしよう、うん。

まじで滝本さんのナビが無かったらとっくに死んでたまであるな・・・・さすがの滝本さん、さすひふだ、マジ最強のコミュ障オペレーターとかわけわからん称号を持ってるだけの事はあるな、そのくせ普段はめちゃくちゃ優しくてかわいいいとかもうそんなんただの女神でしょ・・・いや、女神を超えつつあるかもしれん・・・

 

そんなことを考えながら俺の現状を再確認してみると、あちこち傷だらけで、左手は肘のあたりで脱落中、トリオンも最初から全快で惜しみなく使っていたため残り4割もない・・・現状はガチやばいとしか言えない状態だ。大井と北上の方はどうだろうか?

 

「戦況はどうです?」

 

『絵馬くん・・・・が犬飼君に落とされて・・・・あとは膠着してる・・・かな?』

 

「あとどれくらいですかね?」

 

『もうちょっと・・・かな?』

 

「ぐぬぅ・・・・もうあまり持たないですよ・・・・・」

 

『ん・・・・・じゃあ・・・・やる?』

 

おおっとぉ・・・・これは、いいパンチ打ってきますねぇ・・・・これが無自覚エロってやつですか・・・・女の子がヤルとか言っちゃメッ!でしょ?キモイな・・・・そんなことを考えていると大井から通信が入る

 

『八幡さん、こちらの事は気にせずやってください』

 

「いいのか?」

 

おおっとぉ・・・・無自覚エ・・・いや、やめよう。ここは自重するとこだ

 

『構いません、こちらもそろそろ仕掛けますので』

 

『あたしと大井っちに任せてよ~』

 

全く、頼もしいな・・・・ハイパーズは最高だぜ!!いや、これないわー向こうも仕掛けるなら、こちらも勝負をかけるとするかね。

 

「了解した、んじゃまぁやってみるかな、そっちは任せるぞ?」

 

『了解です!』

 

『りょ~か~い♪』

 

ふぅ・・・どうやら二宮さんとカゲさんもそれぞれ部隊のメンバーと交信してたようだな、終わったのか2人とも戦闘態勢に入ったのが雰囲気でわかる。こわい。

それじゃあ第2ラウンドと行きますかね・・・・

 

「ゼロよ・・・・俺を導いてくれ」

 

かっこいいよね、ゼロシステム。まじひふみんゼロシステムかってくらい的確なんだもん。

 

『ひふみ・・・・・だよ?』

 

冷静に突っ込まれた・・・・マジかー・・・・マジモードのひふみんはあまりこの手のネタに乗ってくれないのかー・・・・

 

「あ、はい・・・それじゃあ行きます、滝本さんも引き続きよろしくお願いします」

 

『まかせ・・・・て、次は呪文詠唱・・・ね?』

 

大井と北上の方もやりながらこっちのフォローもするとかマジ神、いや女神だわ。もう毎日ひふみん拝むレベル、こんな注文だって喜んで受けちゃう!!って結局ネタやらされるのかよ!!くそ、さっきのはただ知らなかっただけか・・・・ゼロは答えてくれない・・・

 

「・・・了解です、それじゃあここからは全力を超えた全力、ハチザムで行きます、小町よ、俺を導いてくれ・・・・」

 

愛する小町を守るための力、ハチザムを使用することを決意する、それと同時にまたもや二宮さんのハウンドから第2ラウンドも始まるのであった。・・・・これ戦闘終了時にどれくらい建物残ってるかな・・・・

 

 

 

 

ー そのころの大井 - 

 

ふぅ・・・現状は辻、犬VS私、北上さんVS北添さんの状態です。

 

最初の会合では北添さんにダメージを入れることが出来たものの、辻、犬と接敵しそうになったため、北上さんとの合流を優先、その後2人で絵馬さんを落とす寸前まで来たものの。横から辻に旋空で先制されてしまいました。おのれ・・・・辻・・・

 

その後辻、犬ぺアと私、北上さんの消極的な交戦と合間でくる適当メテオラに対応しながら戦況は膠着状態になっていました。お互い決定打の無いまま時間が過ぎていき、少し前にお互いを警戒しながら八幡さんと交信し、現在は北上さんと最終確認をしているところです。

 

「それでは北上さん、作戦通り次は私が前に出ます、予定通り北上さんスペシャルからのチラチラ作戦で行きます」

 

「わかったよ大井っち~♪それじゃああたしはカバーに入るね?」

 

「はい!よろしくお願いします♪今日勝ったら大井特製カレーにしましょうね♪」

 

「いいねぇ~♪しびれるねぇ~♪ありがとねっ、大井っち♪」

 

「ふふ、それじゃあ行きますっ!」

 

北上さんの笑顔でやる気十分になった私は一気に辻に接近していきます!北添さんはおそらく数のバランスが崩れるのを待つでしょうから、ここは目の前の相手に集中します。

先ほどまでは北上さんと2人でシューターメインとして交戦していましたが、ここからは作戦通り接近戦を仕掛けます、その為にこの2人をこの道路に誘導したのですから!逃がしません!!

 

「「ハウンド!!」」

 

北上さんと同時にフルアタックハウンドを辻、犬に放ち、即座にスコーピオンを両手に展開し、辻に肉薄します!

 

「海の藻屑となりなさいなっ!!」

 

「!?!?」

 

ハウンドをガードし、私の全力の一撃を弧月で受け止める辻、実力差だけを見れば私では勝てませんが、今回のケースならば話は別です。弱点を存分につかせてもらいましょう!接近した私に驚きながらもなんとか応戦している辻に私は至近距離で微笑みながらウインクを飛ばします、キラッ☆・・・・・我ながらキャラじゃないですね・・・ちょっと恥ずかしいです、しかしその甲斐がありましたね。

 

「!?!?!?!?」

 

「うわ・・・ちょっろ・・・・・・えいっ♡」

 

私のウインクに驚いたのか弧月を取り落とす辻、あらあら?マスタークラスのアタッカーがどうしたのかしら?うふふ。隙を逃さずダメージを与えます、さすがに一度では落とせませんが、左手は頂きました!ふふふ・・・辻の後ろで犬がこちらの作戦に気づいたのか慌てていますが、北上さんの援護と私の位置取り、さらに一直線の通路という地形効果によりこちらには手が出しずらいようです、まさに作戦通り!

 

私は右手にスコーピオン、左手からハウンド、又は上段蹴りをしながら足先からスコーピオンを出す等変化をつけながら辻に攻撃を続けます。ふふふ・・・慌てていますね

さらに私の攻撃の合間や振りかぶった手の隙間、回避した瞬間等のわずかな隙間を北上さんのアステロイドが辻、犬を強襲します、本来北上さん、私、辻、犬とほぼ一直線に並んでいるこの状態はそれぞれ後衛からの射撃が通りずらいのが通常です、アタッカーとガンナーの連携は誤射の可能性があるため非常に難易度が高く、危険な戦い方なのです。ですが、私と北上さん完璧な連携で北上さんの射撃を私の体で隠しながら手と体の隙間等から攻撃を仕掛けます

 

「これこそ、私と北上さんの愛の連携技!北上スペシャル!!です!!!」

 

「くっ・・・・!!」

 

ふふふ・・・どんどんダメージを負う辻、集中したくても私のチラチラ作戦に集中が途切れてしまっているようですね・・・宇佐美お姉さま特製トリガーであるギリギリで見えそうで見えないスカートトリガーのおかげで足技を使えるのですが・・・・まぁ見えなくてもかなり恥ずかしいでけどね・・・勝利の為なら気にしてられません!!まだまだ行きますよっ!!

 

「あらあら、どうしたんですか?前を見ない悪い子は捕まえてしまいますよ?」クスリ

 

さらに微笑みアタック!ちょっと恥ずかしいですが///

 

「くぅぅっ!!」

 

びくびくしていますね、これはこれでショックですが、ひふみお姉様程ではありませんが、私もそれなりにスタイルには自信があるのでひっ!?みたいな反応は少し傷付きます・・・まぁ作戦通りなので今は良しとしましょう。照れてるのか恐怖してるのか判断がつきませんが・・・気にせず続けましょう

 

「ふふ、そうやって恥じらう姿も可愛らしいですね?」

 

「!?!?!?!?!?」

 

今です!!北上さんからの全力のフルアタックが後方から来ます!犬を牽制しつつ、上空からくる適当メテオラを打ち落とす北上さんのアステロイド、略して北アス?辻がそちらに気を取られた瞬間、私は自身の最高の技を繰り出します

 

「スターバーストストリーム!!大井スペシャル改2!!」

 

「不覚・・・・」

 

ほんとですね・・・この弱点が無ければ落とすのは難しかったでしょう・・・伝達系を切断したことにより辻がベイルアウトしていきます!!さぁ、ここからはこちらのターンです!!

 

一気に数的優位を取った私と北上さんは今度は2人で移動砲台となりながら犬と北添さんに相対します

 

「40門の魚雷は伊達じゃないってね!」

 

「九十三式酸素魚雷!やりなさい!!」

 

 

・・・・なぜでしょう、無性に言いたくなりましたが、なんですかね?今のは、魚雷・・・はて?でもなんだか私、砲雷撃戦って聞くと燃えちゃいます・・・・気にしないようにしましょう。まずはこの戦いに勝利しないとですね!

 

こうして私と北上さんはさらに弾幕を厚くしながら犬に肉薄していくのでした。

 

 

 

 

ー それからしばらくしたあとの実況席 -

 

「試合終了!北上隊員逃げ切った!!比企谷隊の勝利です!!」

 

多くのC級隊員が見守るなか、三上により試合終了が告げられた。

 

「逃げ切ったわね~」

 

「ギリギリでしたね」

 

最終局面では二宮対北上とシューター対決にもつれ込んだランク戦だったが、二宮、北上共にトリオン枯渇でベイルアウト寸前までダメージが入っていたため、消極的な交戦と滝本ナビによる北上の逃走劇により最終的に時間切れで決着がついていた

 

「あらためて振り返ってみていかがでしたか?」

 

途中いろいろと省略されていたランク戦を振り返って三上が解説のまとめを始める

 

「そうですね、やはり比企谷と影浦、二宮の三つ巴の戦いが印象的でしたね」

 

「そうね、あそこでギリギリまで粘ったうえで最後ハチザムを使って影浦君と二宮君それぞれと相打ち覚悟で攻撃を仕掛けたのは面白かったわね」

 

「決死の攻撃で影浦隊長、二宮隊長と心中しようとした比企谷隊長でしたが、二宮隊長は大ダメージを負うものの、生存していたのも印象的でした」

 

それにより三つ巴を勝ち残った二宮だったが、八幡の攻撃のダメージは大きく、トリオンも残り少なくなっていた。

 

「二宮隊と影浦隊は絵馬と辻を早い段階で落とされたのが痛かったですね」

 

「辻君の攻略法は面白かったわね~、今度私もやってみようかしら?」

 

今後那須隊や加古隊相手では辻は何もできずに退場することになるであろう、かなしい弱点が発覚していた。

 

「うまく通路に誘導して犬飼の援護を妨害し、さらにシューター、アタッカーの連携としてはかなり高度な援護を北上がしていたのも驚きでした」

 

そこからは北上、大井が優位に試合を運んでいたが、二宮が犬飼に合流したことにより、戦局は一変する。大井、北添、犬飼がそれぞれ落としたり落とされたりし、残すところ北上と二宮になった瞬間、北上は逃走を選択していた。

トリオンの残量で言えば大井が身を挺して守っていた北上が優位ではあったが、二宮相手では厳しいため、八幡は北上に逃げるように指示したのだ。

八幡の猛攻と大井の置き土産により片手、片足を失っていた二宮では北上を追うのは難しくそのまま時間切れまで北上の逃走劇は続いた。

何度かつかまりそうになる北上だったが、その都度滝本の神がかり的なオペレートにより致命傷を避けることで逃げ切っていた。

 

「圧倒的な実力差がありながらもそれぞれの隊員が実力以上の力を発揮していました。不屈の精神で戦う比企谷隊長の姿に応援席のC級隊員やファンクラブのメンバーも大きな拍手を送っています、素晴らしい戦いでした!」

 

圧倒的実力差でありながらも(泣きながら)立ち向かい(泣きながら)勝利を収めた八幡の戦いに多くのファンクラブのメンバーが感動していた。

お祭り騒ぎにに拍車がかかりつつあったため、まとめを強引に終わらせようとする三上であった

 

「以上をもってB級ランク戦第3戦夜の部を終了します、またこの後は八幡更生委員会メンバーと八幡ファンクラブの会員は打ち上げを行いますので1時間後に第三会議室に集合して下さい」

 

わぁー♪キャー♪やったー♪などの歓声で会場は盛り上がる会場。公私をめっちゃ混同しまくっている三上においおい解説・・・と苦笑する東だが、まぁたまにはこんなのもいいかな、思い直し1時間後の打ち上げに思いを馳せるのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




というわけで、無理やり決着させてしまいました!

今後は短編をいくつか上げて合計50話になったら完結にしたいと思います。たぶん…

そんなこんなでよろしくお願いします!!


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比企谷隊の挑戦17 ランク戦の打ち上げ☆

こんばんわ!17話です

今回は久しぶりに八幡に過酷な道を歩ませます!サーセン

いわゆる縛られて、泣かされる話です・・・

ちなみにこれで47話目、あと3話で完結予定です、たぶん。

その後は別の話書くか、原作入りさせるかは考え中です。

れふぃーやたんとか書きたいんすよ。




ー 比企谷隊作戦室 -

 

比企谷隊の勝利です! そう三上の宣言がされたのを確認した大井と八幡、ひふみは手に汗を握った緊迫した状態から解放されていた

 

「ぷはっ・・・・!・・・ふー・・・よかっ・・・た」ホッ

 

ひふみは止めていた呼吸を解放し、八幡的ヒーリングオーラを放ちながらもその豊かな胸に手を置いて安堵の吐息を吐く、緊張からか少し火照った頬とその色っぽい仕草に八幡がドキンコして視線を横にずらすと

 

「北上さん・・・よかった・・・ほっ」

 

自身の身を挺して守った北上が無事二宮から逃げ切った事を確認した大井がこれまたひふみに勝るとも劣らない豊かな胸に手を置き安堵の吐息を吐くのを見た八幡はまたもやドキンコしていた。

しかし、ドキンコしたのもつかの間、八幡は勝利の安堵からか緊張から解放されたためかハチザムの影響で意識がふらふらとして来ていた。

ハチザム、それは愛する小町を守るための八幡の最終奥義である。これを使用すると、本来の実力以上の戦闘力を発揮(当社比180%くらい、たぶん)出来るようになる。しかしその代償として長時間の使用が出来ないのはもちろん、使用後に疲労から意識を失う、もしくは睡眠状態になってしまうというものだった。

今回はそれを導入し影浦と二宮に対して、相打ち覚悟で行きながらも二宮を落としきれなかったのだが・・・最強シューターの壁は厚かった。

ベイルアウトから今まで何とか意識を繋ぎとめて指示をしていた八幡だが、戦闘終了の安堵により意識を手放してしまう。

 

「あぁ・・・ほんとそれな・・・つか、わるぃ、そろそろ限界だわ・・・その辺に転がし・・・と・・・いて・・・く・・・・zzz」

 

そんな意識のシーソーゲームに敗北した八幡は立っているのも限界を迎えてしまいふらふらと倒れてしまう、そんな八幡を大井は慌てて受け止めようとした、その結果

 

 

 

ふにょん

 

 

 

 

とした音とともに大井は倒れそうになる八幡をその豊かな胸で受け止めていた。

 

「!?!?!?は、八幡さん!?!?」

 

とっさの事だった、その為大井の意思とは無関係に八幡の頭を挟む形になってしまった大井は慌ててすでに意識を手放している八幡を起こそうとしてはわはわしていた、はわはわし過ぎて顔を真っ赤にした大井は八幡を起こすことも引きはがすこともできずにはわはわしていた。

 

「・・・・・・みて・・・ないよ?」

 

発言とは裏腹に両手で目を隠しながらもバッチリと隙間から覗き見するひふみであった

 

 

「zzz・・・・」

 

そんな2人の事など露知らず、大井の谷間にダイブした八幡はすでに夢の中だった・・・

 

そんなこんなであわあわしている大井とひふみの元に戦闘終了した北上が帰還して谷間に八幡な状態を見られた大井がさらにあわあわとしたり、一旦作戦室から出ていた小町が戻りニヨニヨしながら写真を撮ったりそれにまたはわはわしたりなどなど、その後の比企谷隊の作戦室内はランク戦の勝利とは別の理由で騒がしかったとさ。

 

 

 

 

ー しばらく後 打ち上げ会場 八幡SIDE ー

 

「それでは〜比企谷隊の〜勝利を祝ってぇ〜〜??」

 

「「「「「「かんぱーーーーい!!!」」」」」

 

わいわい、がやがやと聞こえるカンパイの声、楽し気な話声に俺は動かないからだと不可解な重みを不思議に思いながらも重くかぶさっていた瞼を開く・・・・いったい何がおきているんだ・・・?

 

「こ、小町ー・・・?大井ー・・・・・?すまん・・・・俺、まだ疲れてあれだから・・・・もう少し静かにしてく・・・・・れ?」

 

んん?なんかおかしくね?俺は未だ回らない頭と動かないからだに現状の把握が出来ずにいた。

おかしいな・・・んん?ええ・・・・っとなんだっけ?

 

「あ、お、おはようございます、八幡さん」

 

「おぉ・・・おはよう?・・・・どした?」

 

ようやく視界がクリアになってきた俺は動かない体を不思議に思いながらも視線をめぐらすとそれに気づいたに大井が赤い顔で挨拶してくれたのだが、ん?なんで赤いん?かぜ?

 

「い、いえ・・・・・なんでもありません、なんでもありませんからね!?オボエテナクテヨカッタ・・・・」

 

「どした?何を覚えてないんだ?つかここどこ?なんか騒がしくね?」

 

なにかに縛られてるかのように動かない体は無視して現状を確認する、確認、大事!

 

「!?いえ、気にしないでください、こちらの話ですので、ちなみに今は・・・・今は何でしょうね?打ち上げ?祝勝会?そんな感じです?」

 

大井もよくわからないのかよ・・・

 

「んで?なんで俺の体縛られてるの?しかも北上が抱き付いて寝てるし・・・・ナニコレ?」

 

「もちろん逃げないようにですよ?あと、北上さんは二宮さんに追いかけられたのが怖かったらしく、帰って来てからずっと八幡さんに抱き付いて泣いていたんです、少し前にやっと泣き止みまして・・・・あのスーツ野郎を海の藻屑にしてやろうかと思いましたよ☆」

 

プンプン!としながらもまぁ今の私ではまだ無理ですけどね、ふふ、と微笑む大井にドキコンしながらもやたらと近い北上の寝顔にもドキコンドキコンしつつ、逃げられないように縛られている現状にドキコン×3していた、やだ、八幡の心臓が大変だわ!!

 

「そうなん?え?逃げられないようにってこれから何されるん?俺・・・・つかなにそれ?俺の天使泣かせるとか生きる価値なくね?天罰与えなきゃだな、あのジンジャースーツマン二宮さんめ、絶対許すまじ・・・・ぜつゆるだわ」

 

・・・と、言ってみたもののまぁ無理ですよね・・・なんかほぅ・・・ていながら静かに切れてる二宮さんが容易に想像出来たもんその後粉々にされるまで余裕。

 

「まぁ、それは今後の課題として、まぁもうすぐ縛られている理由はわかると思いますよ?」ニコッ

 

「え、なにそれ、ホント怖い、そのすごい良い笑顔が逆に怖い、超怖い・・・助けて・・・」

 

「八幡さん、だんないよー♪」

 

うんうん、しおりちゃんかわいいよね、由乃ちゃん、だんないよー♪って・・・・・ちがう!!これから俺に良くないことが起きようとしている、逃げなければ!!

 

そう覚悟した俺だが、大井がニコニコしながらだんないよー♪と俺の口を塞ぐ・・・ついに発言の自由まで・・・タオルを口にまかれた俺はふがーとしかしゃべれなくなってしまった。はは・・・笑えるだろ?これもう何回目かわかんないんだぜ?

 

くそう!トリガーオンしようにも大井が俺のトリガーを回収しているのかトリオン体に換装できねぇ!!つかなにこの縛られ方、全然動けないんだけど!?すげえ!!・・・じゃなくて!

 

そんなこんなで俺が縄と大井と格闘している事しばらく、そろそろ近すぎる北上のご尊顔に俺のアイビスがメテオラしそうになるのをカメレオンしながらバックワームしてしばらくすると、ついにその時が訪れてしまったようだ・・・なに言ってるかわかんねぇな。

さっきからやたらと騒がしかった方に視線を向けるとなにやら小町が司会進行をしつつ、何かのゲームが始まるようだ

 

やだ、八幡ちょう嫌な予感☆

 

「それでは~明日の八幡(の所有権)は君だ☆大ビンゴ大会をはじめまーす♪」

 

「「「「「「「「いえーーーー♪」」」」」」」」

 

やだー・・・なに言ってるかイミワカンナイー・・・・・っべー

 

「それでは景品の説明です!!1位の方にはー?どどん!!なんと!1週間八幡!!」

 

「「「「「「「おぉーーー」」」」」」」」

 

いやそれ意味わかんないから!たぶん使いッパシリに使える的な奴だろうけどその言い方だと八幡になれる的に聞こえるから!!お兄ちゃん小町ちゃんの受験が心配だわ・・・・あと、この後の俺の扱いも心配だわ・・・

 

「第2位にはー?お兄ちゃんに命令できる八幡チケット3枚、もしくはC級隊員から希望の多かった1番弟子の権利をプレゼント!!」

 

「「「「「キターーーー!!!」」」」」」」

 

「ふふがっ!!ふがふが!ふがががふが!!(大井!助けて!ほどいてくれ!!)」

 

まずい、逃げないとだめだ!逃げないとだめだ!はやく・・・・北上が起きてしまわないように慎重に、しかし全速力で逃げなければ・・・・いやいや、そんなん無理やん、絶対逃げたら北上起きるやん、つまり逃げられないやん・・・・うわぁぁぁ・・・・万策尽きたーーーー!!

弟子とか無理!!無理だから!!俺は必死になって大井と小町に向かって首を横にふるふる・・・・ふるふると全力で否定のサインを送る、小町と大井は笑顔でうなずいてくれた

 

「八幡さん、だんないよっ♪」

 

デスヨネー・・・・大井さん、それ気に入ったのね・・・

 

「今、お兄ちゃんの許可も出ましたので2位~4位までの3人の方をそれぞれ1番弟子、2番弟子、3番弟子とします!!」

 

デスヨネー・・・・・って3人!?一人だけでなく3人!?無理です!絶対無理ですぅーーーー!!

 

しかし、残念ながら俺の必死の抵抗もむなしく、その後もやたらと俺にいろいろさせたりしたりするような、俺の人権が完全に無視された景品が発表されていくのであった・・・・グスン

つか俺のサインって需要あんのか?あ、そういえば那須と出かけたときになんか書かされたなぁ、一応あんのか?

他にも俺のシャツや写真、え?ホントにいるのそれ?なものが続き、いつでもランク戦券が発表された際に今までのとは違った歓声があがる

 

「よぉーしよし、それをまってたぜー!!」

 

「ふん、それは俺の券だ」

 

「おもしろいな」

 

あれあれー?なんか今、カゲさんとか二宮さんとか太刀川さんの声が聞こえた気がするぞー?ええー?俺どんだけむしられちゃうのー?つかこっわ!なんでさっきまで戦ってた隊のメンバーまで普通にいるんだよ!!意味がわからないよ・・・そしてさっきまでの景品に二宮さんが当たってたらどうすんだよ!?とか思ってたらその辺は選択できるらしい、なるほど、良心的ですね、俺以外に・・・・

 

「うーん、ハッチーさん・・・・スキーー・・・・むにゃむにゃ・・・・」

 

おおぅ・・・・・・北上さんや、それはあかん、あかんやつやでー・・・・・ドキドキしちゃう

 

こうして比企谷隊の勝利に終わったチームランク戦の打ち上げは、八幡の多大なる心労により大いに盛り上がるのであった

 

 

 

 

 




というわけで打ち上げ編でした。はは、今回も無理やりすぎたかな・・・・ゴメンナサイ。

俺TUEEな八幡しか認めねぇ的な方は見てないとは思いますが、この世界の八幡はそこそこです、ついでに言うと自分が書いた最初の目的は那須さんにハチの巣にされる八幡を書きたかったから、ただそれだけのために書いていたのにいつの間にかそれなりの量になっていました。いったいどこで道を間違えてしまったのか・・・オカシイナー

思い返せばハーレム書きそうになったり、女装させたりいろいろ踏み間違えまくったものです、ゴメンナサイ。二次創作だからゆるしてください、便利な言い訳だ・・・・

特に人気欲しくて書き始めたわけでは無かったのですが、なんだかんだで誤字報告や感想、お気に入り登録ありがとうございます!自己満足で書いてるとはいえ見てる人の反応があるというのは嬉しいものです。評価も順調に下がってるようでして、ええ。ほんと暴走しすぎてすみませんでした!

この後は個別ルート書いて、俺たちの戦いはこれからだエンドの予定?です、たぶん。もう少しおつきあい頂ければと思います。


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比企谷隊の挑戦18 ハイパーズのターン!

こんばんわ、18話です。

今回もいつも通り、無茶苦茶なことやっていますが、ヘーフーンって感じで頭を空っぽにしながらいただければと思います。


ー 学校のお昼休み べストプレイスにて -

 

とある日のお昼、いつものごとく八幡、北上、大井とプレシャスタイムを過ごすことしばらく、今回の騒動はその後の大井の一言から始まっていた。

 

「うふふ♪八幡さん、あ~ん♪」

 

「ふぇっ!?」

 

いつものように大井、北上、八幡はにこやかにお昼を過ごしていたのだが、今日の大井はいつもより数段機嫌が良く終始ニコニコしていた。どれくらい機嫌がいいかというとずっとニコニコしながら鼻歌歌ってるくらい上機嫌だった。

最近ではいつ怒られるのかとちょっとビクビクしていたため、今日の上機嫌な大井は八幡的にポイント高かったのだが、どうやら機嫌の良さが天元突破したらしく、普段なら北上以外には決してしないようなことを八幡にしかけるのであった。

 

「たまにはいいじゃないですか♪はい、あ~ん♪」

 

「えぇ~・・・・」

 

超ニコニコ、めちゃくちゃニコニコのにっこにっこにーな大井の笑顔は八幡の目から見ても何も裏の無い純粋な笑顔だっただけにその破壊力は格別の物だった。

具体的にいうと、ちょうかわいい。普段から正座させられ、説教され、縄で縛られ、タオルで発言を封じられ、基本的人権も危ぶまれるくらいの扱いを大井(八幡更生委員会)から受けている八幡だが、そんな大井がまるで北上のような純度100%な笑顔を振りまいているのである。これが噂のギャップ萌えである。

それはもう胸がきゅんきゅんするようなメインヒロイン級の破壊力だった。それと同時にあまりにも普段と違う大井に一体何が起きているのかと不安感でもきゅんきゅんしている八幡だった。

 

「・・・どうしたんだ?なんか今日はいつもと違うが?」

 

あまりの変貌っぷりに不安になったため、大井に問いかける八幡だが、強引なドリブルを開始した大井には無意味だった。

 

「あ~~ん♪」ニコニコ

 

「お、大井さん・・・?」

 

「あ~~~~~ん♪」ニコニコニコ

 

「あ、あの・・・・・・」

 

「あ~~~~~~~~~~ん♪」ニコニコニコニコ

 

「「・・・・・」」

 

「あ、あ~ん・・・・んぐ」

 

「ふふ♪おいしいですか?」ニコニコ

 

「お、おう、今日もめちゃくちゃおいしいぞ」

 

「ふふふ♪それは良かったです♪」ニコニコ

 

無駄な抵抗だぞ♪と言いながら八幡の頬を人差し指でつつく大井(ちょうかわいい)、八幡は抵抗むなしく、とても恥ずかしい思いをしながらすこぶる上機嫌な大井に食べさせられて顔が真っ赤になるのであった。先ほどからずっとこの調子である。ちなみに北上はすでに食べ終えてお昼寝モードに移行していたため、大井のストッパーはおらず(起きていたとしてもストッパーとして機能するかは別問題だが)やたらめったらかわいい大井が爆誕していた。完全にバカップルだった。

いったい何が起きているのか全く分からない八幡はただひたすらに大井に食べさせられながら、大井偽物説や二重人格説等考えながら大井の可愛さにきゅんきゅんしてそのまま昼休みは終わるのであった。

 

 

 

ー 放課後 ー

 

「ハッチーさん♪ボーダー行くよ~♪」

 

「ふふ♪捕まえました♪」

 

本日最後の授業が終わり、さて、今日もボーダーに行こうかね、と考えながら教室から出ようとする八幡の元に高速で飛来するやたら可愛い生物が飛びついてきた、北上と大井である。

 

いつも通りの天然ゆるふわパワーで八幡の左腕に抱き付く北上に八幡のクラスメイト達はまるで微笑ましいものを見るような目で見ていたが、続く大井のえいっ♪という掛け声とともに八幡の右腕に抱き付く姿を見て騒然としていた。

八幡のクラスメイト達にとって北上のゆるふわと大井のクールさはもはや見慣れたものではあったのだが、今日の大井は一味違っていたのだ。テンション天元突破なままにまさかのニコニコ笑顔からの腕ホールドである。普段のクールさなどカケラも感じられないその行為にクラスメイト達が驚くのも無理は無かった。

 

「ど、どうしたのかな?今日の大井さん随分機嫌がいいね?」

 

「むしろ良すぎませんか?」

 

そんな大井の豹変っぷりに綾辻と氷見も疑問を投げかけるものの、大井は全く気にしていなかった。ちょうニコニコだった。八幡の腕にスリスリしながら甘える大井と北上はそれはもうめちゃくちゃ可愛らしく、クラスメイト達ははふぅ・・と惚けていた。そんな周りの状況など気にしていない大井はニコニコ笑顔で絢辻に答える。

 

「ふふ♪そんなことありませんよ?さぁ八幡さん♪行きましょう♪」

 

「いこー♪」

 

いまだかつて大井がここまで音符が飛び交う会話をしたことがあるのであろうか?いや、無い。そう言えるほどに今日の大井のテンションは異常だった。

北上のゆるふわ天使パワーに勝るとも劣らないほどに癒しパワーを放ち続ける姿に逆にドンドン不安になり続ける八幡、この後一体何されるのか不安でしょうがなかった、それほどまでに普段の八幡の調教は進んでいたともいえる悲しい現象だった。

 

「「~~~♪~~~♪」」

 

北上と大井はちょうご機嫌な感じで左右から八幡の腕に抱き付きボーダーへの道を歩いていた。普段から北上と手を繋ぐことはあったが、2人で両サイドから八幡に抱き付いて歩くという異常事態に八幡の思考能力は大きく低下する。

幸せオーラを放ちまくる大井と北上、それに戸惑いながらひっぱれられている八幡を見て歩きづらそうだなぁ、でもいいなぁとか考えながら後ろを歩く綾辻達は苦笑しつつそんな姿を見ていた。

 

「んふふ〜♪」

 

ハイパーズのフィーバータイムが続く中、八幡は自身の左腕に当たる北上の控えめな夢と希望のささやかな柔らかさと、右腕を包み込んでいるたわわに実った大井の夢と希望による幸福感に精神をゴリゴリ削られながら歩いていた。それはもう大層素晴らしい感触なのだが、その素晴らしさがこれはあれか?この後死ぬのか?とそんなことさえ考えながら歩いていたのだ、ついでに周りの視線の痛さもやばかった。

 

ニコニコの大井と北上に冷や汗まみれの八幡、その3人の状況を見て後ろを歩く綾辻と氷見は八幡の幸せに慣れていない現状に涙しそうになっていた・・・あまりに不憫なその姿に今度からはもう少し優しくしようと心に決めるていたとかいないとか・・・・そんな感じでボーダーに向かう一行であった。

 

 

 

ー ボーダー 比企谷隊 隊室 - 

 

「ハッチーさ~~~ん♪」

 

「ふふふ♪八幡さ~~~ん♪」

 

その後、上機嫌なままの大井と北上を連れていた八幡は綾辻、氷見と別れ自身の隊室にたどり着いていた。何とかたどりつくことが出来ていた。

その道中は大変だった、とにかく周りからの視線が痛かったのだ、ボーダー内においても大井のクールっぷりは有名であったために、今日の大井の上機嫌っぷりはまさしく晴天の霹靂と言えた。途中女たらしやリア王やらと謂れのない無い言いがかりをされまくっていた八幡は精神をゴリゴリと削られながらも何とか自身の城にたどり着き、ホッと一息ついたのだが、すぐさま大井と北上がじゃれついてきたのであった。

 

「いったい何が起きたんだってばよ・・・・」

 

「ふふ♪にゃー♪」「ふにゃー♪」

 

おいおい、めっちゃ可愛いなおい、そうつぶやきながらまるで猫のようにじゃれついてくる2人をあやす八幡、なんという幸せだ、この後死ぬかもしれん、本気でそう考えつつある現在であった。

 

「いったいなんなんだ?今日の大井はまるで天使のようだな・・・堕天していたのがまた光属性に戻ったのか?なんという癒し力なんだ・・・・ちょうかわいい」

 

頭を撫で、喉をくすぐり、にゃーにゃーと2人と戯れることしばらく、これ小町と滝本さん、電が加わったらもう世界から戦争がなくなるどころかネイバーも侵攻してこなくなるんじゃないかな?そんなくだらないようで、しかし一度は見てみたい、そんな事を考えることしばらくすると隊室に小町とひふみがやってきた。

 

「おおー・・・これは・・・すごい破壊力ですね・・・ゴクリンコ」

 

「か・・・かわいい///」

 

どこから持ってきたのか八幡が猫じゃらしをふりふりするとそれに猫パンチをしてみゃっ!と言いながらじゃれつく大井と北上の姿に早くもメロメロになる小町とひふみはハートをラブアローシュートされていた・・・わかるぞ、うんとうなずく八幡にサムズアップしながらその姿を記録に残さんと写真を撮り、動画を撮りとせわしなく動き始める。

 

「いいよ~かわいいよ~」

 

「・・・・・・・ふふふ♪」

 

そんなこんなでしばらく撮影会が続き、満足したのか小町がおもむろに切り出す。今更すぎる感じではあるが今更な質問を八幡に投げかける。

 

「んで?お兄ちゃん、なんでこの2人猫化してるの?」

 

「かわいい・・・・ね?」

 

あまりの可愛さにトリップした小町とひふみは撮影途中から大井と北上に猫耳としっぽを付けてさらにテンションをアゲアゲしていたのだが、ようやく落ち着いたのか今更ながらにそんな質問を投げかけていた。ちなみに2人が隊室に入ってから30分後のことだった、それくらい大井と北上の破壊力はすさまじかった。

 

「わからん、今日は昼からやたらとテンション高かったんだが・・・ここに来た途端に猫化してな・・・」

 

そのあまりの可愛さに俺もトリップしてしまった・・・そう説明する八幡にそれはしょうがないね、とうんうんうなずきながら納得する小町とひふみであった。

 

「う~~ん・・・・でもなんか変だよね?」

 

いや、かわいいは正義だろ、とわけわからん返しをする八幡、少し前までの不安を吹き飛ばすくらいの可愛さがそこにはあった。

 

「・・・・・・・?」

 

北上と大井を微笑みながら撫でていたひふみ、だがある事に気づいていた。

おもむろに立ちあがり救急セットを取り出すひふみに小町は頭にはてなマークを浮かべ、八幡も何かに気づいたのかおもむろに大井と北上の額に触れる。ニコニコ笑顔な2人はにゃー♪と言いながら気持ちよさそうに目を細めるのだが、八幡の表情はちょっとほわっとしながらもしまった!という表情をしていた。

 

「熱があるな・・・・」

 

そうつぶやく八幡にえぇ!?と驚く小町、それも無理もない、北上も大井も顔色はいつも通りでむしろ普段よりも上機嫌なくらいである。ぱっと見では全く解らない状態であった。

まずは大井の体温を測り始めるひふみを見て小町も慌ててタオルやら薬を用意し始める。

 

「38℃・・・・熱・・・だね」

 

その後北上も38℃と熱があることが判明していた。

八幡、ひふみ、小町はあまりにもあんまりなその衝撃の?事実にええー・・・とそろってつぶやく。そんな3人の嘆息など全く意に介さずニコニコしながら八幡にじゃれつくハイパーズ達は熱があるにも関わらず意味不明なまでのハイテンションだった。

 

「まぁ、ちょっと、かなり信じられないが、これで今日の大井の上機嫌っぷりの原因が解った。いや、全く理解できないが理解した」

 

まったく納得のいかない表情で話す八幡に、すごい納得いかなそうだね、お兄ちゃんと返す小町。熱を出したらテンションが上がるなどそう簡単に納得のいくものではなかった。

 

「とりあえず・・・休ませよ?」

 

ひふみの提案にうなずく比企谷兄妹だが、問題はハイパーズのハイパーテンションだった。

今もニコニコしながらじゃれている2人をいかに休ませるか、それが目下の問題であった。

 

「まぁ、このまま、ってわけにもいかないしな、何とかやってみるさ」

 

キリッ!と決め顔をしながら八幡は言った。しかしその後、寝かそうとする八幡、小町、ひふみ対ニコニコ大井、北上の戦いが始まった。激しい戦いの末、八幡のお兄ちゃんスキルであるなでなでアタックとひふみの癒しオーラ、それとなぜか隊室にあったマタタビの力により大井と北上を寝かせることに成功する八幡、小町、ひふみ連合軍であった。8割くらいマタタビのおかげだったが、マタタビが有効だったことに納得のいかない八幡であった。

 

 

 

その後、体調が回復した大井と北上は猫化したあたりの記憶が抜け落ちていた。

ひふみと小町は回復した2人に安堵していたが、マタタビに反応したのが納得のいかなかった八幡が試しに大井に再度マタタビアタックを仕掛けたり猫じゃらしをふりふりしたのだが、それにムッとした大井に正座させられていた。

 

「あ、良かった、ちゃんと治ったんだな・・・・」

 

大井に正座させられたことでようやく回復を確認できた八幡はそうつぶやきながらほっ・・・と安堵するのであった。

 




と言うわけでハイパーズのターンでした。

この世界では、体調を崩すと性格が変わるという…今更ながら個別の話描こうとしたらトータル50話じゃあ全然足りないことに気づいてしましました…
そしてワートリ言いながらワートリキャラほとんど出てこないと言う安定の意味不明さに自分でも意味不明でした、次は那須さん書いてワートリ感出そうと思いましたまる。


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比企谷隊の挑戦19 那須のターン!!

こんばんわ!挑戦編19話です、挑戦終わってますが、挑戦編です。

新しいアニメ始まりましたねー・・・・まだ見れてませんが。

ちなみに前期の自分的ヒロインは
1位 レフィーヤたん 次はレフィーヤたん書こうって思いました。
2位 メテオラたん なんかこう・・・ね?時折見せる茶目っ気がたまりません
3位 しおりちゃん だんないよーに心奪われました。

え?エロマンガ先生?あれはほら・・・・妹じゃん?妹っていのはさ、なんていうかこう、聖域で、別枠なんすよ・・・小町とかもね?この世界で言うと北上とかひふみんも別枠だけど・・
そんなこんなで19話です。


ー ボーダー通路 -

 

今日も今日とて地獄のデスマーチ的な訓練と防衛任務を終えた俺と大井、北上は本日の訓練内容について話しながら隊室に戻るべく通路を歩いていた。

左手に北上、右手に大井と手を繋ぎながらてくてくしているのだが、しばらく歩いているとふと、横から視線を感じた俺ガイル。昔ならスルーしていたところだが、ここボーダーでそれをやると後が怖いので(主に大井とか那須とか)その視線の先をとらえるべく顔を向けると、なななんと!通路の横から那須が顔をだしてニヨニヨしながら俺を手招きしていた。・・・・何あれかわいい。

しかしなんとなくメンドそうな気がしたため、スルーしようとする。え?後が怖いって?ナニソレハチマンシラナイ。

 

「しかしさっきのやつはあれだ”ズドン”・・・・・な」ダラダラ

 

スルーして会話を続けようとしたら目の前を光弾が通りすぎていた。・・・・まじか。冷や汗を流しながら横を見ると壁に小さな穴が開いていた・・・おおぅ。嫌だなーと思いながらも反対を見ると・・・・やはり那須が笑顔で手招きしていた・・・・何あれ怖い・・・・さっきのニヨニヨと表情が一切変わってないのに怖い。あと躊躇なく撃ってくるとか怖い・・・行くしか・・・・ないのか・・・・

 

「・・・・・ハァ・・・しょうがないか、大井、北上、ここは俺に任せて先に行っててくれ」

 

「わ、わかりました」「はーい」

 

那須の行動にびっくりしていた大井と北上をかっこいいセリフを言って先に行かせ、俺は何やら手招きしている那須の元に向かう。お、落ち着け、もう逃げないから!だからバイパー展開しないでっ!怒られちゃう!これ以上通路に穴開けたら怒られちゃうから!俺が!こういう時はなぜか俺が怒られちゃうんだからっ!

 

「八幡君、八幡君」チョイチョイ

 

「・・・おう、どうした、那須?」

 

どうでもいいけど二回名前呼ぶのってかわいいなって思いましたまる

そんなくだらない事を考えている間も那須は手を招き招きしていた、ちょっとニヤニヤした顔がかわいいからってさっきの攻撃は忘れてないんだからねっ!

 

「あのね、八幡君、この間お願いした仕事どうなってるかな?そろそろ詰めていきたいんだけど?」

 

「ん?ああ。やっとくわ。何とかしとく」

 

仕事したばかりの俺に仕事の話をする那須に反射的に適当な返事を返す、返してしまった。だって仕事って言われると・・・・ねぇ?

 

「そっか、それじゃあ今度の日曜に10時に駅前でいいかな?」

 

「・・・え、日曜?・・・・いや、日曜はちょっと・・・」

 

キュアキュアあるんすけど・・・・?

 

「でもひまだよね?」

 

「いやまぁ確かに暇だけど・・・」

 

防衛任務も弟子育成も予定にはない、久々の完全オフの予定だった。家で一日中ごろごろする予定が・・・だめっすよね、しってた。

 

「だよね?じゃあ日曜日よろしくね♪八幡君の仕事ぶり楽しみにしてるね♪」

 

にこやかに告げた那須はそのままニコニコと手を振ってくる。おやおや、那須さんったらすごくいい笑顔だわ・・・これ拒否権とかない奴ですやん・・・やべぇ・・なにさせられるのかしらん?まったく記憶にないんすけど・・・

 

 

 

 

那須の笑顔に押されるような形で自身の隊室に戻ると大井と北上が飲み物を準備してくれていた。

 

「おぉ・・・サンキュな」

 

「いえ、それで那須お姉さまはなんと?」

 

「いや、よくわからん・・・・。なんか仕事らしいけど、よくわからん・・・」

 

大井の質問に対して俺も頭をひねりながら応えると、何一つ伝わらない説明ですね・・・と大井もあきれるような声で言った。ほんとなんだろな?その後も大井と北上と一緒になんだろー♪って歌いながら遊んでその日が終わった。平和な一日だった・・・・

 

まぁ、なんとなくやればなんとなく何とかできるだろ・・・

 

 

 

 

- そして日曜日 -

 

あの時の俺を殴りたい、そう思う今日この頃です・・・・くそう、なにが何とかできるだろー・・・・だよ!

なんともなんねえよ!!なんだこの仕打ち!つかこれ仕事でもねえじゃん!!

そんな事を考えているとにっこにっこにーな那須が手にもっているものを俺に見せながら微笑みを向けてくる、ま、まぶしいっ!

 

「どう?八幡君、これはどうかな?」

 

おいおい・・・・どういうこうだってばよ・・・仕事の話どこ行った?いや仕事したいわけじゃないんだけどね?さすがにこの状況か仕事かと言われれば、俺は逃走を選択した上で大井あたりに捕まって予定より多くの仕事を押し付けられてから2時間くらい説教されて、その後この状況になりそうなもんだが・・・なにそれ今よりひどい・・・・

 

「・・・ああ、いんじゃないか・・・・」

 

今俺は完全に浮いている事だろう・・・なにこの女の子女の子したお店は・・・えぇ・・・まぁ那須らしいチョイスではあると思うが・・・きゃぴきゃぴウェイウェイした店じゃなくて良かったかもだけどさ・・・周りの女性達の視線が痛い。

 

「八幡君、八幡君はどっちが好きかな?」

 

「どっちでもいいんじゃないかな・・・」

 

きっと今の俺は眼鏡越しにでもわかるほど死んだ目をしているのだろう・・ぶっちゃけ那須の持ってる小物の柄の違いわかんないし・・・なんでこんなに楽しそうにしてるんですかね?なにこれ?

 

そこからもずっと那須のターンだった・・・那須のファッションショーでは店員さんと那須が超ノリノリで俺まで巻き込まれていろいろ着せられたりもしていた。・・ねぇ、仕事ってなにさ?

 

 

 

そんなこんなでしばらく那須に付き従ってピクミンしていることしばらく、体力の無い那須の体調をおもんばかって現在は休憩という名の昼食におしゃれなカフェに来ている。ようし、ここは思い切って聞くしかあるめえ!と奮起する。

 

「あ、あの・・・那須さんや?仕事って・・・・なに・・・かなー?なんて・・・」

 

仕事の内容を忘れている手前、大変申し訳ないという感じを全面に押し出しながら問いかける・・・ほんと今の今までろくに確認せずに連れまわされてた俺ってばマジ素直。素直すぎてひふみんと一緒にスーパー素直コンビ組めそうなくらいまである。なんだそれ・・・

 

「・・・ん?」

 

とてもいい笑顔でコテンと首を傾げる那須・・・うん、その仕草もとてもかぁいいんだけどね?

 

「その・・・仕事ってなにかなー・・・・なんて・・・」

 

申し訳なさで胸が苦しい・・・・いったいなぜ俺は自分から仕事を求めるような発言をしているんだ・・・そっちかよ。いやもちろん那須の仕事の内容を忘れてる事も申し訳ないかなーって思わないでもないよ?ないけどさー・・・なんかはめられてる感が否めないといいますか・・

 

「うん、さっきまでのが仕事だよ?お買い物のボディガード兼デートの練習兼八幡君の篭絡♪」

 

ニコニコ笑顔でおっしゃる那須さま、なるほど、つまりいつもの買い物ってことか・・・・・ん?

 

「・・・・はちまんのろーらく?・・・・なにそれ?」

 

最後のセリフの意味がわからん・・・いや、理解できるけど理解できないといいますか・・え?

 

「うーん・・・、あのね?最近八幡君の周りに女の子いっぱいいるでしょ?」

 

「・・・なんかその言い方に肯定したくないんだが・・・・」

 

そんなハーレム王みたいな言われ方してうんとかうなずけるわけないやん・・・なんか最近学校とかボーダーで似たような事言われるけどさ・・・・誤解ですから!

 

「でも、女の子とか幼女ばかりでしょ?それでね?・・・最近あまり一緒にいられてないなーって思ったの」

 

「それは、その、すまん・・・」

 

なんか彼女をほったらかしにして遊びまくってるみたいな言われ方してるように聞こえるのは俺の気のせいかな・・・・おかしいなー・・・今の俺の現状作ったの更生委員会の奴らだと思うんだが・・・・あと第六駆逐隊は確かに幼女枠っぽく見えるけどあんま年かわんないからね?いや、教えてくれないからわからんけど。だからね?その言い方だとなんか俺がやばい人みたいに聞こえるからね?

あれー?と思うものの、この空気ではもちろん反論する事は出来ないし、なんなら周りの人達も何んとなく聞こえてるのかひそひそしながら俺の事睨んでるし・・・あれれー?

 

「それで、こないだ大井さんと仲良さそうに腕組んでたでしょ?」

 

「・・・・・あぁ」

 

あれあれー?なんか浮気現場を目撃された旦那みたいな感じになってない?気のせい?いやまぁ確かに?大井のたわわに実ったアレがとても素晴らしかったです。おっと、今はその話はNGだな、それどころじゃない。

 

「うん、それでね?いいなぁーって思ったの」

 

「・・・あぁ・・・・え?」

 

「いいなぁーって、私もしたいなーって。だめ?」

 

「いや・・・その・・・・なんだ」

 

だからそんな事言われてハイなんて言えるわけないでしょー!?いくら可愛いからって言っていいことと言っていい事があるんだからね!?つかそんなん言われたら胸がきゅんきゅんしてあれだよ?思春期の男の子はあれだ・・・いや今はそんなことを考えてる場合じゃないな・・・

 

「ふふ、まぁいきなりだと驚くよね?ちなみにこれからはきっと私だけじゃなくて八幡更生委員会のみんなもアタックしてくると思うから頑張ってね?ちなみに今日は私のターン」

 

じゃんけんで勝ったんだ♪と言いながらムフーと胸を張る那須に俺は何も言えなかった。

 

「・・・・・・」

 

なるほど、よくわからん・・・。なにそれ?いやいやいや、え?え?

混乱する俺の思考、あれー?とぐるぐるまわる思考に俺があわわってしている様をニコニコしながら見つめる那須・・・楽しそーっすね。

 

「そういうわけだから♪これはその宣戦布告ってことで♪」チュッ♪

 

あわわってしている俺の横にさり気なく移動した那須が俺の頬にキスをしてきた。

余りにも突然の出来事に俺は思いっきり後ずさり頬を抑える。今の俺の顔はきっととんでもなく真っ赤だろう。

 

「お、おまっ!な、なにゅお・・・!?」

 

余りにも突然の出来事に俺のポンコツな口はもちろんまともに仕事もせず、ろくな事が言えなかったが、そんな俺の表情が面白かったのか手を口に当てながら頬を染めた那須がクスクス微笑みながらもう片方の手で俺の頬をツンツンしてくる。

 

「ふふ、混乱してるね♪可愛いよ♪・・・・今すぐ食べちゃいたいくらい・・・」

 

「か、かわっ////」プシュー

 

那須の微笑みとセリフにより顔がさらに熱を持つ・・・・あ、あわわ・・・那須さんがイケメンすぎるよぅ・・・なんか後半物騒な事言ってたような気がしないでもないけど・・・はわわ!

 

「今日はこれくらいにしておこうかな?私も疲れちゃったしね?」

 

絶対に疲れてないよね?そんな顔ツヤツヤさせといて疲れてるわけないよね?まぁでも今日はなんかいろいろメンタル持ってかれすぎてあれだからその方がいいな・・・

 

「お、おう・・そうだな」

 

元から無かった俺の語彙力が今日はさらに失われててワロス・・・フラフラと立ち上ろうとすると、那須が微笑みながら手を差し出してきてくれた。ちょうスマートな仕草だった。

 

「お手をどうぞ、私の王子様?」

 

「あ、さ、さん・・・きゅ///」

 

イケメン!イケメンすいるよぅ!!こんなイケメンスキル放つスーパー美少女にして鳥籠の乙女にしてどSの大和撫子とかもう属性多すぎないっすかね!?つかどSの大和撫子ってなにさ!?

こんなスーパー美少女にエスコートされる俺まじヒロイン。・・・・・なにそれ死にたい。

あ、あれ?もしかして那須より俺のがやばい?腐り目にして元ボッチ、捻くれボーイ、仕事で女装、普段は幼女に戦い方教えてる男のヒロイン・・・・絶対俺の方がやばい奴やん・・・・よし、くだらない事考えまくって落ち着いてきた。帰ろう。

そう決意した俺は那須の手を握りながら一歩を踏み出すのであった。

 

 

- その日の夜 -

 

 夢を、・・・夢を見ていました。

夢の中の俺は那須と手を繋ぎながら彼女を家に送り届けていました。道中の会話でさらに何度か赤面させられた俺はとても恥ずかしがっていました、やめて!はちまんのライフはもうゼロよ!

私はそう叫びますが、那須のアタックは容赦がありませんでした。帰り際にまたも頬にチュッってされた俺はとても、とても恥ずかしくて、恥ずかしくて・・・あぁ、これはきっと夢だ、そう結論していました。

 

 

 

ー 次の日 -

 

チュンチュン・・・・・

 

朝チュンの音に目が覚める。朝チュンの音って何さ・・・・

 

昨日はなんだか壮絶な夢を見ていた気がする・・・なんか俺ハーレムと見せかけて俺ヒロインとかいうクソゲーの夢を・・・

 

「良かった・・・・夢か・・・」

 

「おはよう♪八幡君♪」

 

「おはようございます♪八幡さん♪」

 

つぶやいた俺に微笑みながら那須と大井が朝の挨拶をしてきた。俺 の 枕 元 で !!

おぉ、神よ・・・・なぜにこうも俺に試練を与えるのだ・・・・・!!

こうして俺の試練の日々は続くのであった。

 




ヒュゼレイド・ファラーリカ!!

・・・言ってみたかっただけです、すみません・・・ウィン・フィンブルヴェトル!!もなんか響きが良いですよね・・・今回の話と全く関係ないですけど・・・意味も全く解んないけど・・・
ドラグスレイブ!!とかみたいにわかりやすくないけどなんか響きが好きなんですよ・・・

さてさて、次で予定としてはこのシリーズはラストにしようと思います・・・ぶっちゃけまだまだ書きたいけど話数的にキリが良いので次で完結扱いにします・・・・たぶん。

まだまだ書きたいことあるんですよねー・・・・はぁ・・・まぁその編はまたおいおい考えていきますので!!また次回もよろしくお願いします!!


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比企谷隊の挑戦20 比企谷八幡はシスコンです

こんばんわ!挑戦編20話です。

今話で通算50話、まだまだ書きたいことはありますが、話数的にキリが良いのでここで一応の完結としたいと思います。

いろいろ書きたいことがまだまだあって、正直まだまだ楽勝で書けそうではあるのですが・・・というよりもランク戦も終わってなければ、原作入りすらしていませんからね・・・そりゃ書けるのです・・・しかし、いろいろとありまして、今回はこれにて完としたいと思います。

そんなこんなで駆け足の20話です!



ー ボーダー 比企谷隊 隊室 -

 

わいわい、きゃぁきゃぁとにぎやかに話をしている友人達をみて思う。

 

「随分と人が増えたなぁ・・・・」シミジミ

 

まるで縁側に座りながらお茶をすする老人のような雰囲気でそうつぶやく。わいわいと話す女性陣と離れた場所で床に座りながらみかんの箱にお茶とお茶請けを置きながら我が隊室の現在を見ながらふと物思いにふける。思えばここ数か月で随分と様変わりしたものである。

 

始まりは俺と小町だけであった。

先の大規模侵攻で死んでしまった親の分も俺は小町を守る、そのことだけを考えてボーダーに入り、小町もまた自分の出来ることをと共にボーダーに入ってくれた。

 

しばらく、俺の世界は小町だけであった。小町さえいれば良いと思っていた。

そんな俺達の環境が変わったのはたしかB級に上がってすぐ、小町の友達紹介として那須隊を紹介されたころだったか・・・・

それまでは誰に師事してもらうこともせず1人で訓練をして何とかB級になっていた。だがさすがに防衛任務も1人でするわけにもいかなかったため、どこかの隊と合同でやらなければと考えていたときのことだった。

 

「お兄ちゃん、友達を紹介するよ!!」

 

「こんにちは、那須隊隊長の那須玲です」

 

小町の紹介から自己紹介をした那須の花のような笑顔にしばらく見とれていたのは今でも鮮明に覚えている。

それからというもの小町のクラスメイトである日浦経由で那須、熊谷と仲良くなり、なんだかんだでよく訓練をするようにもなっていた。あの頃の那須はまだ普通に優しくて可憐な美少女だった、あのころは・・・・。

小町しかいない俺の世界に那須玲という新しい要素が加り、そこから俺の生活は激変していった。

 

同じ学年として、綾辻や三上、氷見、宇佐美、小南や出水、米屋と俺の世界は一気に広がっていった。

嘘や欺瞞を嫌う俺に対して裏の無い笑顔で話しかけてきてくれるこいつらに少しずつではあるが俺も信頼を寄せるようになっていた。

 

それから「長いです、そろそろ現実逃避は辞めてこちらを向いてください」・・・・はい。

 

最終回らしく過去を振り返りながら現実逃避をしていたのがばれていたらしい、俺のモノローグに強引に割り込んできた大井は俺の頬に両手を添えて強引に顔の向きを変えさせる。そして俺の視界には大井の顔が超至近で・・・・・うひゃぁ~///なにこの娘めっちゃ可愛すぎじゃないですかね?////あまりの近さに俺の顔が熱をもつ、きっと今の俺の顔は真っ赤だろう。

顔を抑えられている俺と大井の視線が絡み合う・・・・金縛りにあったように動けなくなり大井を見る俺とジトッとした視線を向ける大井。少し顔を動かせば唇と唇が触れ合いそうになる・・・そんなぱっと見だとキスする5秒前な感じの俺達。・・・もちろんそんなラブコメ的なことは無いのだが。

 

「さて、八幡さん、先ほどまでの私達の話を聞いていましたか?」

 

超至近距離でジト目を向けていたスーパー美少女大井たんが俺に問いかけてくる。そんなのもちろん聞いているわけがない・・・なぜなら最初の議題が今後の俺の調教プランについてだったのだから・・・だが、そこはこの俺、比企谷八幡である。

 

「おう、もちろん聞いてたぞ、俺の天使枠についてだよな?小町を中心に北上、滝本さん、電、最近だとひゃみさんも天使枠に入れてもいいかなって思っているんだが、どうだろう?」

 

「・・・・なんで私がいないんですか?」

 

「うん?大井は我が隊の女神だからなぁ・・・可愛らしい天使ってよりも美しい女神みたいな?あ、でもそれを言うなら滝本さんもか?」

 

悩みどころである・・・・ついでに言うと大井はたまに堕天するから油断できないのだ。俺のつぶやきに大井が慌てた様子で手を放し顔を赤くして怒り出していた。

 

「め、女神って・・・///って、違います!全然違います!!まったく話を聞いてませんでしたね!?」

 

「はい、すみません・・・」

 

八幡反省・・・。しかし考えても見て欲しい、何が楽しくて女性陣がきゃいきゃいと話してる俺の調教プランについてくそまじめに聞いていなければならないんだ?当然現実逃避したくもなるだろう?

 

つかさ、ホント言うとね?逃げようとしました。・・・ええ、もちろん捕まりましたがなにか?今もしっかりと首輪が付けられて逃げられないようになっていますが?・・・・ぐすん。

 

「まったく、これだから八幡さんはダメなんです!ダメダメのダメ幡です!」

 

「ダメ幡て・・・」

 

まったくもう!と腕を組みその豊満な胸を俺に強調しながらぷりぷりと可愛らしく怒る大井。至近距離でそれされると視線がついつい行ってしまう・・・・・・素晴らしいの一言につきますな。

しかし信じられるか?この娘こんな可愛く怒るくせにそれに触れると激おこして容赦無く拷問レベルの訓練を俺にさせたりボロ雑巾のように働かせるんだぜ?ただのテレ隠しで。びっくりだよね?

 

「もう!しかたがないですね!これからの事を話していたんです!!」

 

「そうなのか・・・ん?俺の調教プランじゃなくて?」

 

「それはもう終わりました!今は今後の事についてです!」

 

今後の事と言われてもな・・・・A級を目指すってやつか?なんだかんだでA級が射程圏に入ってきたんだよな~正直無理だろって思ってたがまさか俺たちがここまで善戦することが出来るとは・・・・そんなことを考えながら大井にわかったとうなずく。

 

「わかった、それならまじめに考えないとだな」

 

表情を引き締めてキリッと決め顔で俺は言った。

 

「はい、私達八幡更生委員会の今後を決める大事な話し合いです」

 

俺の真剣さが伝わったのか大井も表情を引き締めてうなずく。そして大井は俺に右手を差し出してくる、はて?と思いながらも俺はその手を取った、いわゆる握手の状態だ。そしてカシャンと俺の手に手錠が掛けられた・・・・・・うん?

 

あれー?あれー?と考えている間にも俺の拘束は強化されていく・・・あれー?

 

「では、そろそろまた逃げ出しそうだった八幡さんの拘束も強化したことですし、今後の話を始めます」

 

俺の拘束に満足したのかひとつうなずき真剣な表情で話し始める大井、あ、これ絶対やばい奴や、俺は今すぐにでも逃げたくなっていた・・・無理だけど。

 

「では今後の事ですが、八幡さんについてです。さすがに無秩序、というわけにもいきませんので今後のアクションについてですが、最終的には八幡さんの意思次第になりますが、人数が人数なので公平にアタックできるようにしたいと考えています」

 

その後もどんどん話が進んで行くデートの順番やら協定やら色仕掛けの可否やら・・・・これってもしかして・・・

いやいや、そんな馬鹿な話があるわけがないよね・・・・どんどんヒートアップしていく女性陣の話を楽しそうに聞いていた小町をちょいちょいと呼ぶ、

 

「な、なあ?小町さんや?これってなんの話なんだ?」

 

「うん?これはあれだよ!ハーレムだよ!やったねお兄ちゃん!こんなにお義姉ちゃん候補がいっぱいになるなんて小町的にポイント高いよ!!」

 

「・・・・今後の調教の話とかじゃなく?」

 

「ハーレムだよ!ハーレム!!さすがだよ!お兄ちゃん♪」

 

「ハーレムてそんなアホな事言ったら海の藻屑にされちゃうぞ?・・・大井に、俺が。」

 

またまたー、と俺は確認するが、小町はマジマジ、とちょっと真剣に応えてくる。・・・え、マジなん?

 

「んなことあるわけないだろ・・・・俺だぞ?」

 

「ん~まぁお兄ちゃんには確かに信じられないかもだけど・・・でも嫌いな人の為にここまでは普通しないよ?好きな人、大事な人だと思うからみんなお兄ちゃんの為にこうして集まってるんだからさ?」

 

まぁ、最近はちょっとやりすぎかな~って思うけどね?といたずらッ娘な小町らしい笑顔を浮かべながら俺に伝えてくる。

 

「・・・・・・・そ、そうか////」

 

少なからず好意を持たれている、という小町の話に俺の顔はさらに熱を持つ・・・これなんて言えば良いんだよぅ・・・こんなこと今まで経験無いからわからん・・・ほんと逃げたい・・・恥ずか死しそうだよぅ・・・

 

それから大井や厚生委員会のみんなが白熱した議論をする中で俺はひたすら小町にからかわれたり、那須と大井にひたすら超至近距離で絡まれたりして終始顔が真っ赤であった。

 

 

そんなこんなで厚生委員会の会議が終わり、今度は比企谷隊の話になっていた。信じられるか?ここまでこいつら俺の調教プランやらなんやらに1時間以上費やしてんだぜ?

ようやく拘束から解放された俺がそんな事実に愕然としていると、おもむろに綾辻と那須が話し出す。

 

「そういえば、残り試合数も少なくなって来たけど、今シーズン本当に比企谷隊A級になれそうだね?」

 

「トップと5点差2位と3点差だっけ?本当にあとちょっとだね?」

 

そう、なんと比企谷隊は現在3位である・・・超かろうじてだが、5位までほぼ点数が団子なのでいつでもひっくり変えるような点数だし、二宮さんとカゲさんのとこもいるから正直きついっちゃきつい。だが、確かにA級が視野に入ってきていた。

 

「もう少しです、もう少しで固定給が!北上さんの為にも勝たないとですよ!八幡さん!!」

 

「お、おう・・・そうだな・・・」

 

フンス!と気合を入れている大井。俺的にはまぁ正直きついかなーとか思ってるが、そんな俺のテンションに目ざとく気づいたのか、大井がかわいく怒りだしていた。

 

「もうっ!そんなことではダメですっ!ダメ幡です!」

 

「そうだよ!もっとテンションあげなよ!お兄ちゃん!!」

 

「そうは言ってもだな・・・」

 

ちょめって両手でバッテンを作りながら大井と小町がもっとテンション上げろよ!と励ましてくる。いやいや、それ俺のキャラじゃないだろ・・・・

 

「う~ん、なんかご褒美上げようか?」

 

人差し指を頬に当てながら綾辻が提案する、ご、ご褒美ですか・・・・ゴクリンコ・・・・美少女のご褒美とか・・・

 

「お兄ちゃん、キモイ」「八幡さん、気持ち悪いです」

 

いろいろと想像していたのがばれていたのか、小町と大井に睨まれる・・・・・・悪くない。そう思ってしまった俺はもういろいろとダメなのだろうか・・・いやいや、まだいける、マイケル。

そんなやり取りをしていると、今度は那須が参加してきた。

 

「ふふ、じゃあ比企谷隊がA級に上がったら、ご褒美にみんなで八幡君にご奉仕するね?」

 

「「「「!!!!」」」」」

 

颯爽と話に加わった那須の提案に他の女性陣が驚いているが、そんなことお構いなしに那須は話を続けていく

 

「そうね・・・みんなでメイド服を着て八幡君にご奉仕するわ」

 

あ、もちろんあんまりエッチなのは無しね?と付け足しながら那須が微笑みつつ提案する。あ、あんまりってことはちょっとは・・・・・ゴクリンコ・・・・

那須と大井、綾辻に滝本さんがメイド服姿で俺をお出迎えしているところを想像してみる・・・・うん、控えめに言っても天国じゃないかな・・・小町と北上も・・・うん可愛いな。八幡やる気出てきた。

 

「よし、それで行こう。あ、ちなみに大井と那須、滝本さんと綾辻はロングスカートのメイド服な、きゃぴきゃぴしたのはダメだぞ?」

 

それでおかえりなさいませ、旦那様って言ってもらったり、その場でおもむろにくるんってターンっしてスカートをふわってしてもらったり、紅茶を入れてもらったりする。うんうん、とても素晴らしいと思います。

 

途端にやる気になった俺に大井や小町、綾辻の視線は冷たくなる、はっ!そんなの気にしてらんないね!だいたいなんで俺がメイド服着せられてるのにこいつらが着てないんだよ?絶対こいつらの方が似合うのに・・・以前から納得がいかなかった扱いだっただけに那須の提案は俺にとっても悪くないものだった。

 

「あ、ちなみにA級になれなかったらしばらくは八幡君にはみんなのメイドさんとしてご奉仕してもらうからね?」

 

続く那須の宣言に俺は愕然とする・・・さ、さすがは俺をいじることにかけては一流の那須だぜ・・・まさに上げて落とすってやつである。

ここ最近の不満であった俺だけメイド服という理不尽を解消できると見せかけてのこれである。いくらA級が射程に入ったとはいえ、はっきり言って未だ厳しい戦いであることには変わりないのに・・・・

 

「まじか・・・・」

 

「大丈夫、勝てばいいんだから、がんばってね?ご主人様?」

 

いつの間にかすぐ近くに着ていた那須が、俺の手を取っていた、那須の手は少し冷たいけど、でも女の子らしく小さくて、すべすべで思わず俺のお胸がドキンコしてしまう。

 

「あ、あぁ・・・・まぁ頑張っては見るが・・・」

 

そんな煮え切らない俺の返答では満足しなかったのか、俺の手をとっている方とは別の手で俺のあごに手を添えて上を向かされる・・・あれ?これってあごクイってやつ?顔をあげた先には那須の顔がすぐ近くにあり、思わず俺の顔がまたまた真っ赤になる、今日は赤面してばかりだなぁ・・・・そんな俺に微笑を向けながら那須は魔法の言葉を告げる。

 

「必ず勝ってね?私のご主人様?」

 

「は、はい・・・////」

 

イケメンオーラの那須のイケメンスキル、あごクイにより、それはもう真っ赤に染まっているヒロイン(俺)は思わずはいと答えてしまうのであった、俺ってばマジちょろインである。最近の那須のブームはイケメンスキルで俺をからかう事らしい・・・心臓に悪いブームである。

 

「だ、ダメですっ!那須お姉さまには渡しません!!八幡さんは私と北上さんのです!」

 

ダメですー!と言いながら那須と俺を引きはがした大井が俺に抱き付きながら那須に威嚇をする。

ちょっ!ちょいちょいちょいちょい!!・・・当たってる!当たってるぅ!!大井のたわわが!ぐにょんって思いっきり当たってるから!

なんかいつの間にか俺の所有権の話になってるし!?ナニコレ!?

 

わいわい、きゃあきゃあとその後も八幡の所有権を主張する大井と那須とそれに便乗した更生委員会のメンバー達による騒動はその後もしばらく続くのであった・・・・

 

 

 

 

 

 

 

それからしばらく経ちようやく騒動が落ちついた頃、騒ぎ疲れたメンバーは眠ってしまっていた。おいおい、ここで寝んのかよ・・・・俺も眠いんだけど?さすがにここで寝るわけにも行かないな・・・保健室いくか?とかそんな事を考えていると、小町がおもむろに俺の隣に座りながら頭を撫でてー♪とおねだりしてきた。可愛いやつめと思ったらそのまま話かけてくる。

 

 

「ねぇ?お兄ちゃん?」

 

「なんだ?」

 

「お母さんたちが死んじゃった時は悲しかったけどさ、小町、ここに来れて良かったよ」

 

気持ちよさそうに撫でられている小町が話す事に俺はそうか、と答える。

 

「毎日任務とかで大変だけど、茜ちゃんと一緒に頑張ったり、北上さんと大井さんとひふみさんと一緒に防衛任務したり・・・」

 

俺も防衛任務やってるんだけどね?さりげなく俺をハブにした妹に苦笑して、そんな気持ちを込めながら少し強めにくしゃくしゃっとすると小町も楽しそうにキャー♪と笑っている。あぁそうだ、俺はこの小町のひまわりのような笑顔が守りたかったんだ。

 

「八幡更生委員会を大井さんが作るって言ったときは思わず笑ったよ♪」

 

まったく、あれにはほんとにびびったもんだ・・・最初は冗談かと思ったら本気だったしな。

 

「あれはひどかったな・・・・」

 

「まぁお兄ちゃんの自業自得だけどね?」

 

ニシシって笑う小町の頭をこのやろっともう一度くしゃくしゃする、キャーキャー言ってる小町がやっぱり楽しそうで・・・・

 

「それからいっぱい、いっぱい笑って、話して、小町ね?ボーダーに入って良かったよ。お兄ちゃんありがとね?」

 

そう言いながら微笑む小町は本当に、本当にうれしそうで・・・・

 

「あぁ・・・どういたしましてだ。俺はお兄ちゃんだからな」

 

「うわー、この人偉そうだなぁー」

 

「まぁ、その、・・・なんだ、小町もありがとな、いつも助かってる//」

 

「どういたしましてだよ、お兄ちゃん♪なんたって小町は妹だからね♪」

 

そう微笑む小町の笑顔を見て、俺の心が軽くなっていくのを感じていた。

小町を守る、それだけを考えていた頃の俺にはきっと今の小町の笑顔は守れなかっただろう、ネイバーから守るだけではきっとこの笑顔は守れなかった。

那須や大井、北上や滝本さん、更生委員会のメンバーがいて、ボーダーのみんなが居たからこそ守れた笑顔なのだ。そう考えると皆には本当に頭が上がらないな。まぁ、もう少し俺に優しくしてもらいたいものだが・・・

この笑顔とボーダーのみんなを守れるようもっと強くなろう。とりあえずはA級になってみんなのメイド服を堪能しつつ、小町に笑ってもらおう。それはきっととても楽しくて、幸せな時間になるだろうとそう思うのであった。

 

 

 




というわけで20話でした、最後かなり駆け足だし、登場人物増やせなかったけど・・・キリの良いところで終わらせるのって難しいですよね・・・せめてランク戦は終わらせたかったかもですね・・・ドンマイ自分。ほんと中途半端なとこで終わってすみませんでした。

まぁ、一応完結扱いの気分ですが、またテンションが上がったらその後の話を書くかもです。原作入りさせたい・・・その時はまた立ち寄ってもらえればと思います。

それでは最後に、那須さんにいじめられたいという自分の思いから始まったこの話をここまで読んで頂きありがとうございました!
ちょいちょい暴走してしまったり、わけわからんことも多々していましたが、それでも根気良くつきあって頂きありがとうございました!




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第4章比企谷隊の教導編
比企谷隊の教導1 無理ですぅー!!


みなさまお久しぶりです。

憶えてる方がいらっしゃるか不安ではありますが、久々に投稿を再開させていきたいと思います。え?終わったって?ははは、原作に入ってもいないのに終われませんよ。メソラシ

というわけで、今後はB級ランク戦の終わりから、原作開始までを4章、原作開始から大規模侵攻までを5章としてそこまでは連載をしていこうと思っています。たぶん。

あんまり低評価が付いたりぼろくそに言われたら心が折れるかもなんで優しくしてもらえると助かります。なので、今後もヘーフーンな感じでお気楽に見てもらえればと!


「はぁ・・・はぁ・・・・くそっ!」

 

おそロシア、いや、恐ろしい・・・なんという殺気だろうか・・・気を抜けば四肢から力が抜けてしまいそうだ、まじこわ。

そんな恐怖と戦いながら、負けるもんかと四肢を奮い立たせて現状への打開策を思考する。

ここまでの戦闘ではなんとか、ギリギリぎっちょんで生きながらえていたが、もはやそれも限界に近づいていた。もうあちこちボロボロである、もはや時間経過でもトリオン不足でベイルアウトしそうなものだが、目の前の猛犬はそんなゆるいことなんてせずに直接俺の幕を閉じに来るのだろう・・・・だが!

 

「ここまで来て、ここまで来て負けるわけにはいくか!!」

 

自分で言っといてあれだが、なんだこのセリフ・・・これ完全に負けフラグじゃね?とか思わなくもないが、実際にここで負けること即ち、俺の死を意味するのである、ゆえにどんなに絶望的であろうと、ここで諦めるわけにはいかないのだ。

本当に、ここで負けたら綾辻達に何されるかわかったもんじゃない・・・ただでさえ俺の人権が危うい感じなのにここで負けたらと考えるのもまじで恐ロシアだわ・・・夢も希望もないぜ。

 

「切り札はすでに切った・・・トリオンも無い。相打ち狙いでは意味がない・・・つまり、この場で新しい戦術を試すしかない・・・か?」

 

すでに切り札であるハチザムは使っている。隠し玉の技もきかなかった、つかサクッと防がれた・・・となれば、後は意表を突くのみである・・・それは、俺が絶対にやらないような行動、たとえば。

 

「残りのトリオンすべてを懸けた最大火力による、一点突破・・・!」

 

普段は絶対にやらない正面突破、だが相手はこちらのはるかに格上。あの手この手のからめ手は通じない、ならば唯一の勝機はやはり正面からの攻撃、それも一撃だ、一撃にすべてをかける・・・!!キャラじゃないのは百も承知、だからこそ、掛ける価値がある!・・・・と思う。たぶん・・・?自信ないなぁ・・・

 

「この攻撃にすべてを懸ける!!」

 

「はっ!面白れぇ!!かかってきな!!」

 

待ち構える猛犬、影浦隊の隊長である影浦雅人、ボーダー内でも屈指のアタッカーであるカゲさんに対して、俺は自身の足元にグラスホッパーを設置、それを力強く、この熱い思いを乗せて踏み込むことで一気に加速し突っ込んでいく!

 

「それでも俺は!守りたい世界があるんだぁーーーー!!」

 

頭の中で落花生あたりの種をはじけさせながら俺は妙にクリアになった思考の中でカゲさんとの距離を一気に詰めていく、正面に集中シールドを展開してカゲさんのマンティスをガードし、肉薄すると同時にスコーピオンを振りかぶった・・・・・あ、死んだわ、これ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「決着!!最後の隊長同士の一騎打ちを制したのは、影浦隊長!!試合終了!影浦隊の勝利です!!!」

 

そのアナウンスと同時に俺達比企谷隊の敗北が決定する。そして、俺の死亡が確定してしまったのであった。

 

「お、オワター・・・・・」

 

そして、その瞬間、俺の、比企谷隊隊長である比企谷八幡の人生終了の鐘が鳴り響くのであった、心の中で、それはもうもの悲しい感じで鳴り響いていた、こころが泣いてる感じでもうすんごく・・・あぁ・・・綾辻とか那須とかにいろいろされちゃう・・・れから私、どうなっちゃうのぉ~~!?などとベイルアウトしながらそんなことを考えていたのであった。

 

 

 

 

ー 比企谷隊 作戦室 -

 

ぼふんっ!!という音と共に俺はベイルアウト用のマットに帰還していた・・・・あぁ・・・これからおいらは地獄を見るのねん・・・・そう観念しながら、禁断のシスコンスキル・・・こう書くとやばさがパナイの・・・であるハチザムの影響で死ぬほど重くなった体を引きずりながら我が愛しの天シスター小町と比企谷隊唯一の良心である女神ひふみん先輩、天使北上と堕天使大井の元に向かう・・・すぐそこだけどね。

 

「ぜぇ、ぜぇ・・・すまん、負けた、ホントすみませんでした!」

 

けぷこんけぷこんとか言いながら土下座しようと思ったらそのままふらついてしまう・・おおぅ、得意の土下座をする体力も残ってないのねん・・・・土下座が得意って自分で言うのも悲しいぜ。

 

そんなことを考えながら倒れていく俺を”ポフンッ”と何やらとても素晴らしく柔らかい感触の何かかが受け止めてくれていた・・・あぁ・・これから俺、この幸せに包まれながら死んでいくのね・・・パトラッシュ、僕もう疲れたよ・・・あの時のネロもこんな気持ちだったのか・・・一気に意識が遠のいていくじぇ

 

「しゅまん・・・ほんと・・・すま・・・・ん・・・・」

 

耳元で大井か小町が何か言っている気がするがもう意識が限界だ・・・俺はひたすらに謝罪を繰り返しながら意識を手放すのであった・・・

 

「ふふ、お疲れ様です、ゆっくり休んで下さいね?」

 

そんな大井のねぎらいの言葉も、優しい微笑みも、優しく俺の頭を撫でるその仕草も、その時の俺には遠い微睡の中で、なんとなく幸せだな・・・とか感じながら意識を手放していた・・・

 

 

 

 

ー 旧第三会議室(新八幡更生委員会ミーティングルーム)ー

 

わいわい、きゃあきゃあと最愛の妹と、妹意外に初めて守りたいと感じた少女達の楽しそうな話し声により、俺の意識が覚醒していく・・・

あぁ・・・もうあんまりよく覚えてないけど、意識を手放す前の幸せな気持ちが遠ざかっていくよ・・・・

 

わーわー、きゃーきゃーといまだヒートアップしてる様子の声がガスガスと俺の意識を覚醒させていく、あのね?俺はまだハチザムの影響が抜けきっていないのだよ・・・もう少し休ませてオクレ兄さん・・・・

 

「うぅ・・・小町ー・・・大井ー・・スマンがもう少し休ませてくれー・・・・」

 

「ダメです」

「だめ」

 

そんな俺のささやかな懇願もスパッと即断されてしまう昨今、いかがお過ごしでしょうか?

私はだんだんと覚醒してきた脳が、これから起こるであろう悲しい出来事を想像して、とても、とても悲しい気持ちになってきました。あぁ、さっきまでの、心がぽかぽかする感じはどこに行ってしまったのか・・・さようなら、僕のサンドロック・・・

 

「さて、八幡君に尋ねます、何か言いたい事はありますか?」

 

覚醒した俺に当然のようにその場にいたイケメン系病弱女子、鳥籠の乙女那須玲が優しい微笑みを浮かべて俺に問いかけるは、当然今回のランク戦の事だろう・・・タ☆ス☆ケ☆テ☆

ふと、周りを見ると、いつの間にか意識を手放した作戦室ではなく、最近俺のトラウマ量産地である第三会議室に移動していた。

断じて更生委員会のミーティングルームではない、なんかいつの間にかこの部屋が周りからそんなふうに呼ばれているらしいが、断じて認められない、認められないわぁ!そんな会議室に寝かされていた俺は珍しく、本当に珍しくなんの拘束もされずにいた。そんな事を認識しつつ、完全に覚醒した俺は特に何も言われていないけど、おとなしく正座する。もはやこの正座と土下座は俺のライフスタイルになりつつあった、死にたい。

 

ふむ、ともう一度周りの状況を確認する、これあれだ、やっぱり前回のミーティングの時言ってた奉仕するとかしないとかのあの時のあれだよね?イヤダナー

 

「え、えと、今回の最終戦の結果はどうなりましたでせうか・・・?」

 

ぶっちゃけなんとなく理解してるけど、聞かずにはいられまい・・・だって負けたら全員に奉仕活動しなきゃなんでしょ?

 

「試合終了と同時に意識を失った比企谷君は正確に把握できていないと思うから説明するね?」

 

なぜなにはるちゃんと書かれたホワイトボードをころころと転がしてくる綾辻が、なんだか頭が良さそうに見える知的眼鏡を掛けて解説してくれる。

うん、当然だけど、かわいい・・・眼鏡くいってやる仕草とかなぜなにはるちゃんのネーミングとかすごいかわいい、超新鮮だわ、宇佐美もうんうんとうなずきながらサムズアップしている。初めてウサミンの眼鏡趣味を褒めたくなったわ。

 

「まず、最後の衝突で、比企谷君はベイルアウト、影浦さんも少なくないダメージを受けてたけど、ベイルアウトするまでにはいかずに影浦隊が勝利したんだけど・・・」

 

にゃるほど、割と紙一重の勝負だったらしい、カゲさんもほんとにギリギリのダメージだったとの事、その後総評もあったが、そこはまぁ置いといて・・・今期のB級のランク戦が全て終了し結果としては比企谷隊は3位になったそうな。やっぱりA級は無理かぁー・・・・ですよねー

 

うん、でもすごい事ですこれは、俺は入隊して一年そこそこ、こないだB級に上がったばっかのハイパーズである大井と北上が比企谷隊に加わってすぐに参戦したチームランク戦でここまでこれたのは快挙と言えなくもないんじゃないですかね!?だからゆるして?

 

なにやら悲し気な北上と大井、ひふみん先輩を励ますべく一生懸命弁明する。特に今回大井と北上は早い段階で落とされてしまっていたから責任を感じているのであろう。カゲさんめぇ・・・

悲しまないでおくれよ、我が天使達よ・・・君達にはそんな悲しい顔ではなく、ひまわりのような笑顔こそ浮かべて欲しい、そのためなら僕は何だってするさ、そんな俺的イケメンセリフを頭の中で浮かべながら必死になってこの状況を打破しようと「えと・・・あの・・・」とどもりながら下手くそなフォローを入れようと試みるのであったが、

 

「でも、A級なれなかったら奉仕活動するって約束だったよね!?」

 

そんな俺の下手くそなフォローもなんのその、出来てねぇけど。すげえニコニコ笑顔で三上が詰め寄ってくる、すげえプレッシャーだ・・この娘も可愛すぎじゃありませんかねぇ?こんな至近距離まで来られるといい匂いやらなんやらでドキドキしちゃう!!

しかし、三上さん以下更生委員会のメンバーはそんなもんかまうかと言わんばかりに詰め寄ってくる・・・ふえぇ・・・囲まれてるよぅ・・・

 

「・・・・・・・えっと、その・・・・・」

 

「約束だったよね!?」

 

「・・・・・・ハイ」

 

「それでは比企谷君に私達八幡更生委員会からの奉仕活動の内容を説明します」

 

やばい、フォローしてる場合じゃ無くなってきた・・・あぁ・・・これから俺はどうなってしまうのであろうか・・・ただでさえ俺の人権が危ぶまれているというのに・・・・そんな俺の心配をよそに、綾辻と、いつの間に来ていたのか、忍田本部長の懐刀である沢村本部長補佐が俺の前に立っていた。・・・・・え?

 

 

「比企谷君、忍田本部長からの命令、いえ、勅命です。今回のランク戦における活躍とC級隊員への日ごろの育成活動を評価し、今後は比企谷隊をボーダーの教導隊扱いとし、さらなるC級、B級隊員の育成に励むように、とのことです」

 

いや、沢村さん、勅命てあんた・・・・とか、思っていたらそんなことどうでもいい感じの事を言ってませんでしたかこの御中は!?そんな俺の思いを感じ取ったのか、俺のおくちは素直な気持ちを吐き出していた。

 

「・・・・へ?」

 

・・・・相変わらず仕事しない口である。マジ無能だ・・・そんな、当初俺の予想していたものとは全く別ベクトルの絶望にまたもや思考がフリーズしてしまうことを、一体だれが責められるのだろうか・・・・

 

「ちなみに、扱いとしてはA級隊員と同じように固定給が出ます。これまでと変わるのは、試作トリガーの試験運用が増えるのと、C級隊員とB級隊員の訓練補助、主にこの2点を重点的に行ってもらいます、また、防衛任務は今後は他の隊の援護がメインとなり・・・・」

 

「いやいやいや、ちょっとまってください!!俺が教導隊!?冗談でしょう!?」

 

確かに今期はたまたま調子がよくてB級の3位まで来たが、これはほんとにたまたま、運が良かったからだと思っている。それに教導隊というのならそれこそ東さんとかもっと適任者がいるでしょう?そもそも俺は入隊して一年そこそこのヒラ隊員ですよ!?あと最近ではちょっとはましにはなってきたけど基本はコミュ障だし、元ボッチだしほんと無理ですー!!と一生懸命自分に対するヘイトスピーチをする。無理、絶対無理。大井や小町あたりが話に乗ってきそうだが、その前に断りきらねば!!

だが、そんな俺の必死のヘイトスピーチも無駄らしく、沢村さんは笑顔で報告というか、説得を続ける。

 

「大丈夫よ、比企谷君はこれまで通り無所属のままでいいから、それに自覚がないみたいだけど、これは在籍している多くのC級隊員からの要望なの。優しく丁寧に教えてくれるって評判よ?その子達が折角比企谷君の為に、忍田本部長に掛け合ってくれたのに、それでもダメかしら?」

 

キタナイ、さすが大人キタナイ、そんなん言われたら断りづらいですやん・・・つかそんなふうに思ってたんか、あいつら・・・めっちゃストレートに褒められて恥ずかしい、なんか背中がむずむずするんや・・・・そんな俺を沢村さんがニコニコしながら見つめて来て、そんな俺と沢村さんをニコニコと見ている委員会のメンバーと比企谷隊の面々・・・なんだこのニコニコ空間。

 

「もう少し言うと、生活の為に防衛任務を他の隊よりも多く入れてるのに一人ひとりの相談に親身に乗ってくれたり、トリガーや戦闘のことだけじゃなく、勉強も見てもらったりとかC級隊員の子達からの感謝の言葉がまだまだたくさんあるわよ?まったく、良くあれだけ防衛任務をいれながらそこまで出来たわね?今期は比企谷君もA級になるために二宮君や太刀川君に訓練付けてもらっていたのに、素直にすごいわ」

 

そう言いながらパチパチと手を叩く沢村さん、やめて!!そんな褒めないで!!八幡恥ずか死しちゃう!!きゃーと真っ赤な顔を両手で隠しながら沢村さんの褒め殺し攻撃にもだえる俺ガイル・・・マジでなんなのこれ!?

 

「あまりにも大変そうでさすがに申し訳なく感じたC級隊員の子達から八幡更生委員会へ、委員会から私、私から本部長へ話が上がり、結果、比企谷隊を教導隊にしようということになったのよ」

 

ちなみに、これにより新たにA級、B級とは別枠で教導隊の編成がされて、教導隊の隊長は比企谷君、アタッカー、スナイパー、シューターそれぞれのアドバイザーとして風間君、東君、嵐山君が付く予定よ、と続ける沢村さんだが、それおかしくね!?え!?おかしくね!?

 

「あの、そのアドバイザーの人選みんな俺に戦い方教えてくれた人達なんですが、なんで俺が隊長なんです?」

 

意味がわからないよ・・・もう一度言うが、俺は入隊して一年そこそこのヒラ隊員である!教導隊とかどこぞの白い悪魔的な、ともすればエース的な扱いを受けることもあるような隊の隊長になるなど俺には荷が重すぎるのである!!

 

「最初は東君にお願いしようとしたの、で補佐を比企谷君って、でもアタッカーもシューターも、スナイパーもこなせてかつ現状C級隊員の育成をもっともしている比企谷君を隊長として、自分はアドバイザーにした方がいいってね?」

 

まぁ細かい話はまた今度しましょう?遅くなったけど今日はお疲れ様、良い戦いだったわね、それじゃ。と言いながら沢村響子はクールに去るぜと言わんばかりに帰ってしまった・・・・えぇー?突然の話に驚きはしたが、ここまで俺を評価してくれている事に驚いたと共に恥ずかしくも嬉しい、という感じだ。

しかし、嬉しいが、教導隊となると話は別である。正直俺なんかに務まるとも思えない、というのが素直な気持ちである。

 

C級の面倒を、と沢村さんは言っていたが、それはこいつら、八幡更生委員会のみんなに命令されていたからだし。親身に、と言われたが、それも下手すれば死んでしまう可能性もある戦場にでるのだ、少しでも生き残れるように軽くアドバイスしたいと思うのは普通のことだ。

 

だが、隊として動く場合はその行動に責任を持たなければならない。軽いアドバイスではだめなのだ。

 

俺の責任で死ぬかもしれない、そんなもの俺に背負えるわけが無い、俺の背中は小町でいっぱいなのだ。今でこそ大井と北上も協力してくれて少し余裕が出来てきたが、それでも俺達の背中はそこまで広くは無い。

沢村さんの話や、こいつらの気持ち、C級隊員の気持ちは素直に嬉しいが、やはりここは断るべきかもしれない・・

 

「すまん、少し考えさせてくれ・・・・」

 

随分難しい顔で考えこんでいたらしい、いつの間にか周りのメンバーが心配そうに俺のことを見ていた。

そんな視線に耐え切れずに俺は会議室から逃げるように出ていく、途中で大井の声が聞こえた気がするが、少し一人で考えたい気分だった俺は聞こえなかったふりをしてそのまま通路を急ぎ足で進んで行く・・・あぁ、本当に俺はどうしようもない奴だと自己嫌悪し、そんな自分が嫌いになりそうだった。

 




というわけで51話でした。

ちょっと真面目な感じで終わらせましたが、基本は気楽な感じで進んで行きます。さすがに大規模侵攻やらが絡んでくるので少しまじめ成分が増えますが、気楽に読んでもらえればありがたいです。

そんなわけで今後も八幡をあれこれしつつ、ハーレム要素を少しだけ入れて、シリアルな方向に行きつつ気楽に行きたいと思いますので宜しくお願いします。


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比企谷隊の教導2 土下座から始まる教導生活

こんばんわ、教導編2話です

教導編から、少しづつ原作に絡ませるための準備期間を入れていきます。
なるべく原作ブレイクしないようにしますが、それぞれのキャラが原作と少々キャラが変わっていたり、ギャグよりになっていきますが、ご容赦くださればと思います。

そして、今回から少しづつ比企谷隊を強化していきますが、ちーと、とか、さいきょう、的な感じにはなりません。
そんな感じで今話もへーほー、ふーんな感じで気楽に読んで頂ければと思います。




ー ボーダーの屋上 -

 

「ふぅ・・・・やっぱり人生は苦い・・・それに引き換えこのマッカンの甘さよ・・・もっと俺を甘やかしてくれてもいいのよ・・・・」

 

夕焼けを見ながら佇む俺ガイル、マジでどうしよう・・・・シリアスっぽい感じで抜け出してみたものの、これ絶対断れないパターンですよねぇ?

プレッシャーや責任感がやばいが、正直あそこまで評価されているのであれば、今回の教導隊の話は受けてもいいかなぁーとか思わなくもない。

だって現状大井やら那須やらに言われたからとはいえ?弟子3人育ててましたし?なんかいつもそれ以外にもC級いてまとめて教えていたし?いけるんじゃね?むしろ防衛任務減らせてラッキーくらいに考えましたよ?一瞬ね?でもね?

 

「よく考えたらボーダーのC級隊員って400人以上いるんだよなぁ・・・・」

 

ムリ、絶対にムリだ。死ねる。仮に全員が来なかったとしても今までと桁がちがうんだよなぁ・・・何人かにちょっとアドバイス的な今までの気楽な感じとは違うのだ・・・まじムリ。

んでもなぁー・・・防衛任務減らせれば小町と北上と大井の負担も減らせるかもなんだよなー・・・・

 

そんな感じでもはや回避できなさそうな今後の超激務ハッピーブラックボーダーライフをいかに軽減させられるかの思案をぐぬぬとし続けているとボーダーの屋上の扉が開き、そこから顔を覗かせるは、現在会うにはあまり好ましくない顔が・・・まさか貴様・・・なに奴だ!?

 

「よっ比企谷、ぼんち揚げくう?」

 

「セクハラさん・・・うす」

 

「いやいやいや!俺の名前は迅悠一だから!実力派エリートの迅さんと呼んでくれよ」

 

「はっ、小町に手をだすセクハラさんにはちょうどいい名前でしょう?」

 

おまわりさんこの人です!と言わないだけ感謝してほしいものである。

ここまで来てようやくまともに登場したこの男、迅悠一は以前、我が愛しの天シスター小町にも他の女性隊員達同様にセクハラを行おうとしてきたのだ。当然、途中で俺が迎撃させてもらったが・・・まじで中学生にまで手を出すとかこの人大丈夫なのだろうかと本気で心配になる昨今である。

 

それ以降ちょこちょことこの人のサイドエフェクトに救われていることも多いのも事実ではあるのだが、俺の中では素直に感謝できず、むしろ警戒する対象となっていた。

ちなみに最近では小町以外にも大井と北上、滝本さんに更生委員会の連中とこのセクハラからの防衛対象が増えてとても大変な事になっていてまじおこなのである。

 

「まぁまぁ、それはすまなかったって、それよりどうすんだ?」

 

「どうってまぁ・・・つか知ってたんですね」

 

「まぁね、なんせ実力派だからな☆」

 

ドヤ顔しながらキラーンと星を光らせるセクハラ。いいなぁ、あれ、俺もキラーンて出来るようになりたいな・・・なんか全員ってわけでもないけど何人かドヤ顔しながらキラーンと星を飛ばせる人が居ていつもいいなぁって思っていたり。

ちなみに俺の場合はドヤ顔すると星じゃなくて小町か大井の毒舌を飛ばすことしか出来ない。キモっと言ってるうちはまだましで、気持ち悪いと言われた時のダメージとか泣きたくなるくらいぱない。それ以降俺は星を飛ばすのを諦めたのだ・・・ちなみに俺とひふみ先輩は飛ばせないが、小町と大井、北上は飛ばせるのだ・・・まじうらやま。

 

「はは、さすが実力派のセクハラは情報が早いですね」

 

「いやいや、実力派エリートね、エリート!」

 

「ははは」

 

「直す気ないなぁ・・・まぁそれはまた今度でいいか、それで?どうするんだ?」

 

「まぁ、めちゃくちゃプレッシャーで断りたいけど断れなさそうかなーと」

 

「まぁそうだろうな、それでなんだがな・・・」

 

そこからの迅さんの話はこうだ。

え?教導隊?試作トリガーの試験運用とC級の教育?HA、HA!ありがてぇ!強力なトリガー玉狛で作ったのはいいけど、レイジさんも、小南も、恭介も使えなくて困ってたんだわ。ちょうどいいからユー使っちゃいなよ♪とのこと・・・そんな内容をボリボリぼんち揚げ食いながら話してたけど、もの食いながら話してるからすごくイライラした。マナーにうるさい大井が見たら激おこプンプンカムチャッカなんちゃらかんちゃらである。

 

「これまでもちょくちょく手伝ってもらってたけど、ようやく実戦投入できそうになったんだよ、んで、もうちょい先になりそうだけど、この先でどうにもそれが必要になるやばい事態が起こりそうなんだよなー」

 

「それって・・・・はぁ。わかりました。明日小町連れて玉狛行くんでそん時にでも細かい話させて下さい」

 

「おう、お前ならそう言うと思ってたよ、それに、パワーアップは出来る時にしといた方がいいしな。きっとこの先、あのトリガーは比企谷に必要になるよ」

 

俺のサイドエフェクトがそう言ってるよ・・・そんじゃあな。そう言いながらセクハラエリートは立ち去っていくのであった・・・おい、ぼんち揚げ置いてくなよ、いらねえよ・・・

 

あぁくそ、それにしてもいつかは来ると覚悟はしていたが、やはりその時が来るのか・・・あの口ぶりからするとそれなりに大規模な事態が来るのだろう、幸いなのはまだ日数に余裕があるところか、はぁ・・・

 

「そういうことなら、受けないわけにはいかないよなぁ・・・・・」

 

いつの間にか太陽は沈んでしまったようだ。そんな暗くなりつつある空を見てひとつ、大きなため息をつく。はぁ・・・・

随分前から空になったマッカンを持って立ち上がる。仕方がない、ではもうだめだ。全力で取り組む必要が出来たようだ、覚悟を決めるしかないのだ。

 

「うし、やるか」

 

ボソリと一言、そうつぶやいたことで俺の腹も決まってくる。よぉぉっし!的なノリは俺のキャラじゃないのだ。めんどい事はやりたくないし、働きたくない、これは変わらずではあるが、やると決めたらしっかりとやる。これが俺の忍道である。

 

「そうと決まればまずはやっぱり土下座からかな?」

 

今頃は隊室で小町や大井、北上、ひふみ先輩だけでなく更生委員会の奴らも俺が戻ってくるのを待っているのであろう、珍しくシリアスに出て行ってしまったせいで心配をかけてしまったあいつらにまずは土下座、それから謝罪して・・・まぁその後はあれだ、なるべくひどい事されないようにしないとだな・・・

 

 

 

 

 

 

ー 比企谷隊 隊室 -

 

 

「スミマセンデシター!」

 

というわけで比企谷隊の隊室にイントゥしたミーは、マイスィートシスターにベリー・・・・怒られました。

ついでに大井にも怒られたし、綾辻にも三上にも那須にも、通りすがりの二宮さんにも怒られた、最後の二宮さんで3回死んだ。なぜいたし・・・

 

怒られたり死んだりして体からプスプスと焼けた感じの煙を出してぐったりしてたら最後にひふみん先輩が「めっ」って言いながらやさしく頭にチョップしてきてそこまでのダメージが全回復した。ひふみんまじひふみん。

でも二宮さんはマジ怖かった。いいからやれって言われたけどむしろやってくれって思った。思ったけど二宮さんが教導隊の隊長したら1週間くらいでC級隊員が居なくなりそうなのでやっぱ無理かって思ったらまた怒られた、理不尽である。

 

そんなこんなで怒られまくったあと女神ひふみんの回復魔法により全回復した俺は改めて土下座している真っ最中なのである。

そんな俺に暗黒微笑を浮かべた大井がわかってんだろうな?って感じで問いかける。

 

「で?八幡さん?考えはまとまりましたか?」

 

「ア、ハイ・・・・」

 

「それで?どうするのかな?かな?」

 

あぁ、相変わらずプレッシャーがひどい・・・並の奴なら白目剥いて失神してるまであるぜ、まぁ俺レベルになるとやっぱり失神しそうなんだけどね☆つか綾辻さんや、それこの後俺のセリフに嘘だ!っていう気じゃないよね?

 

「ア、ハイ、その、いろいろと悩んだのですが、その、はい、受けてみようかなって?・・・・いや、その全然自信とか無いんですけど・・・・」

 

「「「「「・・・・・・・・」」」」」

 

冷や汗がすごい・・・怖い、なんか今日いつもより怖くね!?

ゴゴゴゴ・・・ズゴゴゴゴゴ・・・・って感じで☆超☆沈☆黙☆

これあれかな?手遅れなパターンかな?死ぬの?やっぱり死ぬ?死ぬはダメ・・・・死ぬはイヤ・・・ステラァー!!!ちがうか。

 

「あ・・・あの・・・・しょの・・・・さっきはしょの、いきなり出てってすみましぇんでした・・・」

 

かみっかみ、。もうかみっかみである、まじで仕事しねえなこの口、まじで俺もひふみ先輩みたいにメッセでやり取りした方がいいんだろうか?そんな事を真剣に検討していると、大井とか那須とか綾辻とか三上とかが目をキラッキラさせて詰め寄ってくる・・・ちょっ!!ぶわって!ぶわぁって!いい匂いが!!近い!近いよ!!

 

「「「「ほんとに!?受けてくれるの(ですか)!?!?」」」」

 

「え・・・あ、はい。や、やり・・・ます?」

 

さっきからえ、とかあ、とか多いしなぜか疑問形で答えてしまった・・・・疑問に疑問で返しちゃダメだぞ☆  

 

「「「「ほんとに!?」」」」

 

「その・・・・はい」

 

「「「「ぜったい!?」」」」

 

あれー・・・・なんでこんな何回も確認されてるんすかねー・・・つかお前ら息ぴったりすぎじゃね?

って、そうじゃなくて、ここまで確認されると怖いな・・・主に俺の待遇が。・・・そんな大変なのだろうか?やっぱり超ブラックなん?

 

「いや、やっぱりことw「「「「やったー!!!」」」」・・・・・・れないですよね・・・・」

 

まぁそうですよねー・・・なんだかんだで断れないですよね、まぁ断る気もなかったけどさぁ・・・なんかあれだけ確認されると怖いなー・・・あ、そうだ。

 

「ん、まぁやるからにはちゃんとやろうと思うんだが、お前らの力も貸してもらえるとありがたいんだが・・・・?」

 

「はい♪」「りょうか~い」「了解」「うん♪」「まっかせてー♪」「任せるアルヨー」「イエッサー!」

 

って返事はばらばらなのかよ・・・そこも合わせて欲しかった・・・なんか聞き覚えの無い返事も聞こえたが、きっと宇佐美とかその辺が適当に返事していたのであろう・・・なんかいっきにぐだぐだ感が増したな・・・いや元からぐだぐだだったけどさ。

 

「ほんと頼むからな!?ぶっちゃけ俺には無理だと思ってるけど、断れなさそうだから仕方なく、仕方なくやるんだからなっ!?つか正直教導隊ってなにやんだ?試作トリガーの試験運用とかならこれまでもやってたからわかるんだが?」

 

「ふふん、説明しましょう!!」

 

そう元気よく宣言した綾辻がまたもやごろごろとホワイトボードを転がしてくる、そこにはやっぱりなぜなにはるちゃんと書かれていた・・・それ気に入ったのね。

 

「教導隊とは、簡単に言っちゃうと、その字の示す通り、人を、教え導くことです、つまり・・・」

 

「全員をボッチにしろ・・・・・と?」

 

ゴクリ・・・・まじか・・・まさかボーダーが俺にそんな事を求めていたなんて驚愕である・・・大丈夫なのか?この組織は。

ただでさえ俺なんかを大抜擢したりメイド戦士にしたり、八幡更生委員会とか言う意味不明な組織を黙認したりとか俺的信頼度がダダ下がりだったのだがここにきて更に急降下しているんだが・・・?打者の目の前で急降下するフォークばりに落ちたぞ今・・・・そんな事を考えてたら三上にハリセンで叩かれてしまった、けっこうバイオレンスな叩き方で泣きそう・・・そして俺の正座している足に重りが乗せられる・・・拷問により全俺が泣いた。

 

「そんなわけがないでしょう・・・」

 

「だが、俺がまともに教えられるのってボッチとしての心の在り方くらいなんだが・・・」

 

頭痛いポーズをとる大井・・・・ってよく見たらみんな似たような感じであきれてた。あれー?ヤッパリナー、オカシイトオモッタンダヨー

 

「つまり・・ボーダー隊員としての教育をする部隊ってことだよ」

 

デスヨネー・・・でもそしたらなおさら俺が選ばれた意味がわからんのだが・・・?

そんな俺の疑問が通じたのか綾辻の説明は続いていた。つまり・・・・

ポイント1、そこそこ強いし?だいたい全部のトリガー使えるし?嵐山さんと違って広報の仕事あんまないしね?

 

ポイント2、いつの間にか弟子と自称弟子が50人位いたらしい・・・いすぎぃ!!コレもう給料あげるレベルじゃね!?

 

ポイント3、意外と教えるのがうまくね?第六駆逐隊めっちゃ強くなってんすけど!?教えてた50人が軒並みポイント大幅アップしてるぅー!!

 

ポイント4、多くのC級隊員と八幡更生委員会と小町にお願いされたから、特に小町のお願いがポイント高し

 

とのこと、小町ェ・・・・つか50人て、弟子は3人だけなんだが、自称弟子ってなにさ・・・一緒にやってたやつらの事か?そんなにいたの!?

 

「と、まぁそんな感じで、正直これまでとあんまり変わらないけど、流石にここまでボーダーに尽力しているのに何も無しって言うのもそれはそれで問題なんだって、だから教導隊にして給料だそうよって話になったみたい」

 

と、どうやら無駄にラグビーアピールをする唐沢さんが言っていたらしい・・・つまり?

 

「基本これまで通り、ただ、定期的に教導隊としての特別訓練と何人かのエース候補を教育をしてもらう感じかな?防衛任務はあんまり入らなくていいみたいだよ」

 

ふむ・・冷静に聞いてみるとなかなかに好待遇である。え?マジでいいの?って感じなんだが。

 

「エース候補?」

 

エース候補を育てるって正気なのだろうか・・・エース候補、つまりリリカルなストライカーズである。あれか、なのはさんみたいに訓練時にヤバイ目で撃ち抜けばいいのだろうか?

しかし何度も言うが俺は強くないし、ヒラ隊員なのだが・・・?どうにも本部やら周りが俺の実力を200%増し位で見てるような気がしてならないのだが・・・

そしてそのエース候補とやらの人選は本部やらなんやらが決めたり俺から指名したりとばらばららしいが、10人位集めてやってほしいとの事。・・・・それはあれか、ストライカーズじゃなかったら、スペシャルズとか後々名乗らせたり、終盤で噛ませ犬的な存在になったりするのか?ということはつまり俺はエレガントさを求めればいいのだろうか?良くわからんな、まぁでもこの辺はあとで考えてこの場は了承しとこう。

 

「ふむ・・・了解だ。エースうんぬんはまぁ後で考えるとして、基本はこれまでと大幅に変わるわけではないってことだな。良かった・・・正直C級400人以上いるから殺す気かって思ってたんだが、よかったよかった」

 

ほっと安心している俺だが、この時もう少し俺が冷静でいられたら、例えば目をそらして気まずそうにしている綾辻達の変化に気づけていればまた違う未来があったのかもしれない・・・・まさかこの時の油断が後にあんな事態につながるなんて、この頃の俺には全く想像できていなかったのだ。




というわけで教導編2話でした。

今後の方針として、比企谷隊それぞれに試作トリガーを装備させて、それに絡んだ話と正座。大井っちと那須さんの話を入れたり、土下座したり。
ハーレム?っぽいことをして泣いたりします。

これまで通りかもしれませんが、ちょっとシリアル風味もブレンドSしつつ、ぶれないマニュフェストをうんぬんかんぬんしていきますので今後もよろしくお願いします


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比企谷隊の教導3 試作型トリガー、それは・・・

こんばんわ、教導編3話です。

これまで黙ってきましたが、自分、実はガンダム好きなんです・・・今更ですね。
なんでちょいちょいガンダムネタ入れていきます。

今回の試作トリガーはそのガンダム作品の中でもフラッグシップともいえる武装です、今後もいろんな試作トリガーを使わせたいと思ってます・・・そんな自分の妄想を使わせてみようというのがこの教導編。中身は無いです。

そんなこんなで3話です



ー 玉狛支部近郊 -

 

我らが比企谷隊が教導隊となった翌日、ご近所においてはいつも正座のはちまんさんで話題の俺は、愛する妹である小町オブ天シスターと共に玉狛に向かってニコニコてくてく歩いていた。

 

にこてくしているとふと思い出す。最近正座のしすぎで気づかなかったがいつの間にか時代は6~8月のランク戦の期間が終わり、夏休みに突入していたらしい。

まったく驚きである、正座して仕事してアボンしてたら夏休みって感じで、いつの間に夏休みに入ったのかさっぱり不明で超怖いのだが・・・時を駆けたのかしら?

 

「そういえば、小町は玉狛に行くのは久しぶりになるのか?」

 

「う~ん?そうかも?レイジさんのご飯楽しみだねぇ♪お兄ちゃん♪」

 

時間の経過に戦々恐々としながらも気にしたら負けだな、と思い小町とたわいもない会話をしようと切り替える俺。まさに社畜である。

 

そんな俺のアンニュイな思考など知る由もない小町はニコニコしながら俺の腕に抱き付きつつ、う~んと可愛らしく首を傾げながらふにゃっと微笑んでいた。にやけていたの方が正しいな。

どうやらこれから行く玉狛所属のボーダーが誇るパーフェクトオールラウンダー、出来る筋肉木崎レイジさんのご飯が楽しみすぎて頬が緩んでいるようだ。おい、よだれ拭け、よだれ。

 

そんな人に見せられないくらい頬が緩んでいる小町は俺が昨日、玉狛に行くことを告げて以降テンションアゲアゲなのでる。女の子はもっとエレガントでもいいと思うがこれが小町の可愛いところでもある。むしろ可愛いところしかないとも言える。

 

鼻歌交じりのマイシスターの可愛い事よ・・・これで俺に対する無茶ぶりが少なくなってくれたら嬉しいのだが、でもそんな無茶ぶりも、小町のてへっ♪には勝てずに答えてしまう千葉のお兄ちゃんの宿命よ・・・だってさ、小町なんだぜ?

 

「そうだな、たしかにレイジさんの飯はうまいからな~。まぁ俺的には小町のご飯が一番だけどな」

 

うん、確かにレイジさんご飯はおいしい、確かに。間違いなくおいしい。だが、愛する妹の作る愛妹ご飯のほうがおいしいというのは千葉のお兄ちゃん的にはうんぬんかんぬんであってだな。

 

そんな事を考えながら応えていると、隣で腕を組んで歩いていたはずの小町が少し後方で立ち止まって両手で顔を抑えてうずくまっていた・・・ほえ?

 

「お兄ちゃん・・・今のお兄ちゃんは、ちょっと前までの目が残念な、なんちゃってイケメンじゃなくて、今は眼鏡系クールイケメンになってるんだから。そういうセリフさらっと言われると恥ずかしいんだけど・・・まぁ小町的に今のセリフはポイント高いんだけどね?」

 

「そういうって言われても事実なんだが・・・お、これ八幡的にポイント高いよな?」

 

「あぁはいはいポイント高いよ~まったくもう・・・」

 

と、我が愛する妹は頬を染めながら少しジト目でそんなことをのたまいましてからにええ。それはもう可愛らしいのなんのって。もう小町ルートでいいんじゃないかなとか考えてしまう。

・・・そんな事を考えながら我が愛しの・・・めんどいな、小町と話しながら歩くことしばらく、ようやく玉狛に到着した。

 

「さて、それじゃあ入りますかね」

 

「了解であります♪」

 

小町お得意のウインクからの星飛ばしバチコーン!をするのを確認して玉狛のドアをノックする。

しかし、あれだな・・・さすが小町だ、いつの間にか星を4つくらい飛ばせるようになっていやがる・・・俺なんかウインクしても小町か大井の罵倒しか飛ばせないというのに・・・これが次世代型ハイブリッドボッチの力なのか・・とか益体も無いことを考えて玉狛に入る。やみのまー。

 

 

「ヨググダバネェ!ビィクガャ!・・・えと、ジャーヴァダジガァ?グューデンヅゲデアゲリュバァ!!」

 

「「・・・・・え?」」

 

扉を開けたらあら不思議、小南が仁王立ちで待っており・・・・まあそこまでなら想定の範囲内ではあったのだが、何やらメモを見ながら訳がわから無いことを言い出したのである・・・意味わかんねぇ。

 

「おい、小南?どうした?体調でも悪いのか?」

 

「あ、あれ?おかしいわね・・・?」

 

おかしいわねって、明らかに現在おかしいのはお前なんだが・・・あれー?と慌ててメモを確認している小南にそんな事を言いそうになって、しかし思いとどまる。あぶにゃいあぶにゃい。

危うく小南に噛みつかれるところだったぜ・・・これでフラグがたったんじゃないと信じたい。

 

「え、えーっと・・・ヨググダバネェ!ビィクガャ?え、えと・・・あれ?」

 

メモを見ながらあれー?あれれー?と頭を傾げる小南、どうやら何を言いたいのかわからなくなっているようだ。ちょっとポンコツな感じでかわいいじゃねぇか・・・

 

そんなあれー?と言っている小南の手にあるメモにはちらっと見える『できる!オンドゥル語』の文字が・・・・そりゃ何言ってるかわかんねぇよ・・・

 

「あー小南?すまんがオンドゥル語じゃ無くて、普通の言葉が良いんだが・・・」

 

「・・・え!?で、でも、とりまるが教導隊ではこれで話すんだって・・・」

 

またいつものように烏丸に騙された、だまされ素直系女子である小南は俺の言葉に少し涙目になりながらふるふるしている・・・。くそ、あほ可愛いかよ・・・・ポンコツツンデレあほ可愛い騙され女子高生(斧)ってこいつもなかなかエキサイティングな属性持ちだな・・・

 

しかし信じてた人に裏切られて、それを信じたくないって顔で涙目で見られると俺が言ったわけでは無いのに無駄に発生する罪悪感がぱない・・・オデノコゴロバボドボドダ!!

 

いやいや、そんな意外と楽しいオンドゥル語を流行らせてる場合じゃなくて、いい加減小南に真実を伝えなければ。・・・・やだなぁー、かじられそうだなー・・・

 

「・・・それはあれだ、その、烏丸の、ウソだ・・・・」

 

「   」

 

あぁ、ぷるぷるしてる。怒りでぷるぷるしてるよ・・・

予想通りの非常事態に俺の隣で非常に楽しそうに見ている小町にタスケテ!とアイコンタクトを送るが、グッ!って力強く親指を立てるだけで助けてくれる気は無いようだ。ダヨネ。つか予想通りの非常事態ってなにさ。

 

プルプルとうつむきながらもじりじりと小南がこちらに詰め寄ってくる・・・。あわわ、と迫力に負けて同じだけ俺もじりじりと後退する。

そうするとさらに小南がじりじりと詰めて、じりじり・・・、じりじり・・・そうして小南とじりじりコラボしていると、すぐに俺に限界が訪れてしまった、そう。

せなかがどあにぶつかった!はちまんはおいつめられた!こなみはとびかかった!!

 

「オンドゥルルラギッタンディスカァァァァーーー!!」

 

「やっぱりねっ!?言うと思ったし、かじられると思ったよ!?」

 

がじがじ、がじがじと俺に噛みついてくる小南。まことにフラグ回収おつである。

 

まぁ?ぜったいこれ言いたいだけだろ?と思わなくもないが、やはり騙されたのが恥ずかしいのかちょっと泣きながら噛みついている小南にそんな事も言えずにおとなしくガジガジされる俺まじエライ。でも後で烏丸にはお仕置きしよう。

 

しかし、あれだ・・・年頃の女の子が噛みついてくるってどうなんそれ?毎度思うんだけどさ?正直そんな痛くないから良いんだけどさ?こうね?女の子特有の甘い匂いとか、ふにょっとしたあれとか、さらさらのキレイな長い髪が頬にこしょこしょしたりしてさ・・・こう、ね?ちょっと戦闘狂なとこはあるけど小南も間違いなく美少女なわけであって、こんな超至近距離になるとこうあれなんですよ、ほんとありがとうございます!ってたぶんお兄ちゃん思っていると思いますよ?」

 

といつの間にか小町が楽しそうに、まるで俺がそう言っていたかのように小南に伝える。まさか貴様、裏切ったのか!?モチロンソンナコトオモッテナイヨー

 

それを聞いた小南はボンッ!と音を立てながら急に顔を真っ赤にしてガジガジしていたのをやめてうつむきながらゆっくりと後退していく。

離れてくれてほっとしたような、残念なような気がしたのもつかの間。なんか小南が赤いオーラをまとっているように見えるのは気のせいだと信じたい。そしてその破壊力ありそうなオーラが凝縮しているように見えるのも錯覚だと信じてる。最近信じてばかりな俺だが、ここまで信じてるんだからたまには祈りが通じて欲しいものではあるのだが・・・

 

「あ、いま離れてちょっとがっかりしてますよ♪」

 

「おい、ヤメ、ヤメロー!!」

 

ほんと、やばいから!そんなこと言ったらやばいから!殺されちゃう!?俺が!!

 

そんな俺の懇願も空しく空回りして、当たり前のように祈りも通じず、真っ赤になってプルプルしていた小南がチャージ完了と言わんばかりにキッ!とウワメづかいでこちらを睨んでくる。

真っ赤な顔で涙目になりながら睨んでくるとかこいつわかってやがるとか思ってられたのもわずかな間で、

 

「比企谷の・・・バカァーーーーーー!!」

 

ピンク髪の武偵みたいな声で全力アッパーをフルスイングしてきた。もちろん俺にその攻撃を避けることなど出来るわけもなく、つか避けたら後が怖いわけでしてええ、甘んじて受けたアッパーは、綺麗に俺の意識を刈り取るのであった。

 

 

 

 

 

 

 

「ウゾダドンドコドーン!!・・・・・っは!夢か」

 

恐ろしい夢からがばりんちょ!と勢いよく起きた俺は、全開駆動している心臓の鼓動を落ち着かせる。

 

いやまじでとんでもねぇな、夢の中で小南と那須と綾辻と三上と大井に罰ゲームです♪とか言いながらボロボロにされて再起不能になった挙句にサイボーグ化する夢を見てしまった。自分で言ってても意味がわからない。

おかしいな、途中までは電やひふみ先輩ときゃっきゃ、うふふと楽しくジェンガしていたはずなのだが、何があって俺は右手にドリルを装備していたのだろうか・・・危うく天を突きそうになるところだった。そんな恐怖から思いっきり叫びながら起きてしまった・・・つか今更だけどココどこ?天国?地獄かな?

 

「あ、比企谷起きた?・・・あ、あの、さっきはなぐったりかじったりして、その・・ご、ごめんね?」

 

玉狛だった。

 

そしていきなりのセリフにおそろしい夢にドキドキしていた胸が赤くなって角が生えたくらい早くなった、具体的には3倍くらいの速度でドキドキとビート刻みだした。

おおぅ・・・起き抜けに小南のしおらしい態度とか破壊力すげぇな。いまいち状況を理解できていなかった頭がようやく状況にいついてきた。

あれですね、いつもの烏丸に騙されて、小町にも騙されて、俺がかじられて殴られて空飛んでムーンサルト決めて夢の世界に旅立っていたのか。ちぃ、理解した。

 

「あぁ、大丈夫、烏丸と小町にからかわれてたんだろ?わかってるって」

 

「ん・・で、でも・・・いつも殴ってごめん・・・」

 

あ、あれー?あれー?今日の小南さんなんかしおらしくない?なんかちょっとなみだ目でしょんぼりしていて・・・そんなん小南らしくないんだが?

 

「気にすんな、つっても無理か。あー、その、そしたらあれだ、俺小町とか大井にあれされてなぜか教導隊の隊長になったんだが、正直今の実力じゃちゃんとできるか自身が無いんだ、だからその、なんだ?また、訓練付けてくれないか?」

 

「グス・・・・・そんなことでいいの?」

 

ぐしぐしと涙を手でふき取りながら俺にそんな事で許すのかと不安げに聞いてくる小南。

 

小町の教育を施された俺は泣いている少女を元気づけなければいけないのだ。そんな思いを乗せて、ゆっくりと小南の頭を撫でる。撫でながら不安を払拭できるようにまっすぐ小南に語り掛ける。

 

あとでコレ恥ずかしくなるんだろうなぁと思うが、それよりも泣いている小南の方が重要問題なのだ。

 

「もちろんだ、これからもよろしくな」

 

「・・・うん!任せなさい!!」

 

まだ少し目は赤いがすっかり元気を取り戻した小南に良かった良かったと胸をなでおろす。

それと、隠れてるつもりなんだろうけどそこに小町と烏丸が居るの見えてるからね?後でお話しするからな?

 

 

 

 

 

 

そうして何とか小南のしゅんとするハートをリザレクションさせることに成功して、小町と烏丸に説教という名のお話をしたあと、ようやく玉狛に来た本来の目的を果たすことにした。

今日の目的は殴られることでもかじられることでも、ましてやライダーの布教やオンドゥル活動でもないのだ。

 

「それじゃあ早速試作トリガーの試験運用と説明をしようか」

 

そう言いながら眼鏡をクイっとする玉狛の出来る眼鏡にして、ぱっと見黒髪美少女、中身残念少女の出来るようで結構抜けてる宇佐美が早速と言いながらも随分と遠回りした本来の目的を開始する。

 

そう、今日のメインの目的はこれなのだ。以前から試験運用にちょくちょく付き合ってたトリガーがようやく実用レベルになったらしく、教導隊としてその受け取りに来ていたのだ。決して殴られに来たわけでは無いのだ。決して。

 

「まず一つ目はコレ、相手に眼鏡をかけるトリガー・・・・は冗談として。これ、以前から作ってた新型トリガー。名前は決まってないからファンネルでもドラグーンでもビットでもブルーティアーズでも好きに呼んでいいよ」

 

ふざけたトリガーを使わせようとして、俺に睨まれて本来のトリガーを渡してくる宇佐美。おい、こそっと一緒に渡してくんな、いらねえよ。

 

「それすごいコントロール難しいのよね、あたし2機しか使えなかったけど大丈夫?」

 

「ん・・・たぶんなんとかなるだろ、全部で何機になったんだ?」

 

「全部で10機だよ、リアルタイムコントロール以外にプログラムによる操作もできるようにしてあるからこれまでよりは使いやすくなってると思うよ?」

 

そんな説明を聞きながら宇佐美から託された眼鏡トリガー・・・は突き返して、仕様書を読む。おい、そんなガチで悲しむなよ、しょうがねぇなぁとか言いながら受け取りそうになるじゃねぇか。

 

「ふむふむ、ガンダム作品ご用達のファンネルがついにこの手に・・・・ボーダーやってて良かったと割と本気で思ったわ。サンキュな、宇佐美」

 

そこにはビットのアステロイドによる射撃モードとスコーピオンによるブレードモード、シールドモードの3パターンの使用が可能と書かれている。

ほうほう、ほうほう・・・・そして試験運用時に最も苦労していた操作性も改善し、あらかじめプログラミングすることでファンネルをひとつひとつコントロールする必要性がなくなるそうだ。ありがてぇ、リアルタイムコントロールで一機一機操作しようとすると10機どころか5個までしかコントロールできなかったのだ。さらに複雑な戦闘、例えば格闘戦をしながらだと3機くらいしか無理だった。

 

アニメみたいに自分も戦闘しながらあんなファンネルを複雑にコントロールするなんてニュータイプでもない一般人の俺には無理なのである。ブルーティアーズだって6機しかないのに使ってるときはセシリアたん動けなくなってたのに一般人の俺が10機だなんて無理ゲーすぎるのだ。

 

仕様書には単一の相手や複数の相手への自動追尾パターンの表記があるが、軌道があまり複雑ではない上にパターン数もまだ少ないためこれだと格上の相手なら数回で対応されそうだ、後でひふみん先輩に手伝ってもらって対策しようそうしよう。

 

「あ、そういえば大井と北上は本部で試作トリガーを受け取るって言ってたが、何か知ってるか?」

 

とりあえずこのトリガーと眼鏡トリガーの仕様は理解した。結局眼鏡トリガーも受け取ってしまったよ・・・これだから美人はずるい、そんな上目遣いでうるうるされたら受け取らざるをえないじゃにゃいか。

 

今回教導隊になるにあたって、俺は玉狛で試作トリガーを受け取り、北上と大井は本部で受け取る予定なのだが、ふと気になって聞いてみる。あいつらはどんなトリガーを受け取るのであろうか?

 

「うーんと、アタシも詳しくは知らないんだけど、ひふみんから聞いた話だと最強の矛と盾らしいよ?」

 

「なにそれかっけぇ・・・・」

 

厨二ごころくすぐるワードに俺の胸奥に秘めた熱いオーラ力が反応した。いわゆる矛盾ってやつか、魚雷じゃないのね、とか単装砲じゃないのね、とか一瞬思ってしまったが、すげぇ気になる。

 

しかしまたもやひふみ先輩か・・・最近はFGOブームが来てるからなー・・・マシュの盾とエクスカリバーになるのであろうか?いや、それだとレイガストと弧月みたいなもんか・・・どんなんだ?

あの人も何気にいろいろなところで活躍してるなぁ・・・まさか試作トリガーで絡んでくるとは思っても・・・・いや、ありえなくないなぁ。

 

「んじゃまぁ、とりあえず使ってみるか」

 

「ふふん!あたしが相手してあげるわ!!」

 

「おう、たのむわ、小南」

 

こうして俺の試作トリガー運用と教導隊になってから初めての最初の訓練が始まるのであった。




というわけで、今回の試作トリガーはファンネルでした。ファンネル好きなんですよ、ファンネル。ドラゴンボールあればくだしゃいって望んじゃうレベル。

ちなみに大井と北上の試作トリガーである最強の矛と盾もガンダムネタです。そう、あれですよ、あれ。

また、今後はちょいちょいそんな感じのネタを増やしていくつもりです。それでも八幡はチートや最強キャラにはなりませんのでご了承下さい。

つかファンネルってバイパーの上位互換だよね、とか、太刀川さんあたりサクサク切りそうだなぁとか思わなくもなかったり。

そんなこんなで今後もよろしくお願いします!


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比企谷隊の教導4 小南のターン

こんばんわ!教導編4話です

今回もガンダムします。
ちなみにこのファンネル、イメージとしてはνガンダムのよりもブルーティアーズ的な形状のビットをイメージしてもらえればと。
もしくはレジェンドみたいな感じですね。甲羅は背負っていませんが。

そんなこんなで試験運用開始です



- 玉狛 訓練室 -

 

『それじゃあこなみ、八幡君、準備良いかなー?』

 

いろいろと紆余曲折あったものの、予定していた新型試作トリガーを受け取った俺は玉狛の訓練室にてようやく試験運用を行う運びになった。

長年の夢の一つであるファンネルを使えるのだからもう、うきうき気分で小南と共に訓練室に入った俺まじ絶好調で、これはさすがに気分が高揚しますってなもんだ。

 

ウキウキウォッチンな俺に対する小南はすでに戦闘準備オーケーと言わんばかりに早速双月を構えていた。

あれ?なんか今にも切りかかってきそうな気迫なんすけど?ちょっとー・・・なんでもうコネクトオンしてるのー?早くなーい??

 

「いつでもいいわよっ!」

 

「・・・こっちも大丈夫だ」

 

ぶんぶん双月を振り回しながらノリノリで答える小南と、これからあれに分断される未来しか見えない俺は全く正反対のテンションで応える。

 

あれ?・・・さっきまで超テンション上がってたのに双月みたらトラウマ思い出して一気にマイナスに入ってもうた・・・正直これを使っても小南に勝てる未来が見えないんですけど・・・?つかこれ訓練モードだからトリオン消費しないかわりに、何度でも死ねるって事だからそれすなわちあれですよね?・・・キョウモタクサンブンカツサレソウダナーウレシイナー

 

ファンネルを実体化して自身の周辺をふよふよ浮いているのを見て考える。実際問題オールレンジ攻撃って聞くと強そうに聞こえるけど実際のとこそうでもないのだ、結構避けれるってじっちゃが言ってた。

 

エクストリーム的なバーサスしちゃうやつとか元帥クラスの人に当たる気がしないし?あの辺の人達には何使っても当たらないけどさ。言うほど強くなくね?みたいな。でもロマンがあると思います。

昔の人は言いました。ロマンがあれば何でもできる、3,2,1、ダー!!って。

 

そんな訳でボーダー界でも元帥クラスの強さを誇る小南にへなちょこ戦士である俺がどこまでやれるかってとこだが、まぁなんとかやるしかないだろう。いや、できるはずだ、そう、ファンネルならネ!!

 

そうやってトラウマを思い込みの力で乗り越えて気持ちを切り替えると再び宇佐美から通信が入った。

 

『それじゃあいくよー?がんだむふぁいとー?』

 

「「レディー・・・・」」

 

『「「ゴォォーーーッ!!」」』

 

開始の合図と共に前に駆けだす小南。それを見て全力で後方に下がる俺。

対小南戦術その壱、とにかく双月の間合いから離れるを行う。ニゲテナイヨ?それと同時に早速試作トリガーを放つじぇ。小町よ・・・俺を導いてくれ・・・

 

「一発目はオートで、行け!フィン・ファンネルッ!!」

 

小南との距離を取りながら全機をまずはオートで射出する。小手調べながらも四方八方からビットが飛んで小南を取り囲む。B級ならこれで勝つる!が、相手は小南である。ビットから一斉にアステロイドが放たれるもののすいすいと避けられる。それはもうすいすいと。いや、いくらなんでもおかしいだろ・・・戻ってきたファンネルたちがしょんぼりしてるように見えるのは気のせいだろうか。

 

「せめてシールド使うか双月で防ぐくらいしろよ・・・」

 

「ふふん!それのテストは玉狛でしたのよ?オートの軌道くらい覚えてるわ!」

 

そう言いながら全く減速せずに切りかかってくる小南。当然俺のスコーピオンでこいつの一撃が防げるわけもないため、戻ってきたビットを今度はシールドモードで展開して斬撃を防ぐ。

えー・・・10機全部をシールドで使用したのに一撃でヒビはいったんすけど・・・これ一機一機の出力はそんなでもないけど全機使えばレイガストより硬くなるんじゃなかったんすかねぇ?・・・そんなビットを10機つかったフルガードでも双月一度しか防げないのかー・・・理不尽なまでの破壊力である。さすが女子校生(斧)ビットたんも泣いてる気がする。ふぇぇ・・・俺も泣きそう、ふぇぇ・・・

 

「相変わらずバカみたいな威力だなそれ・・・・」

 

「くっ・・あたしの斧を防ぐなんてやるじゃない・・・」

 

俺はげんなりとしたが、小南は防がれたのが悔しかったのか、燃えてきたぜぇ!と言わんばかりにその瞳に炎をメラメラと宿していた・・・ちょっとー、予想はしてたけどさー?この子絶対いま俺を切ることしか考えてないでしょー?試験運用の事とか絶対忘れてるでしょー?

 

「絶対ぶったぎってやるんだから!もしくは風穴よ!か・ざ・あ・な!!」

 

「お前のトリガーに穴開けられるのはねえだろうが・・・」

 

爆発させるか切ることしか出来ないトリガーセットでどうやって風穴開けるつもりなんだこいつは・・・?そんな俺の的確な突っ込みに瞬間湯沸かし器の如く小南が反応した、やべ、火に油そそいだ・・・

 

「うるさい!うるさいうるさーーーーい!バカキンj・・・八幡!!」

 

「おい、今俺の名前間違えそうになったろ?つか間違えたよな?」

 

「うるさい!かざあな開けるわよ!!メテオラ!」

 

「シールドビット展開っ!いやいや、メテオラじゃ風穴はあかないだろ・・・」

 

さっきからどこかのツンデレツインテール武偵少女の英霊を宿したかのような小南だが、やってることはやはり小南で、さっきから爆発させたり切ったりしてくる。どうやって穴をあけるつもりなのか気になるところであるが、だからと言っておとなしくやられるわけにもいかない。

 

今回の目的はあくまで試験運用だ、なので必死に回避したり逃げたりしながらビットを放つ。行きなさい!わたくしとブルーティアーズの奏でるワルツでうんぬんかんぬん!!

しかしすいすいと避ける小南、せめて防いでほしいものである。やっぱり理不尽だ。

 

「ナジェダ!!なんでそんなにスイスイ避けれるんだよ!?」

 

一応最初の以降はプログラムでなくマニュアルでビットを飛ばしているというのに全く当たる気配がないのだが・・・・?いくら現在コントロールできるのが5機のみとはいえ、先ほどよりも複雑かつ早く動かしているというのに全く当たる気配がないのは納得がいかない。こいつもしかしてゼロシステムを積んでるのだろうか?だから戦闘になるとこんなに短気になってしまうのか?

そんな小南ゼロシステムによる暴走説を考えながらビットを飛ばす、撃つ、避けられる、もっかい飛ばす、撃つ、避けられるを何度も繰り返す・・・泣きたい。

 

「ふふん!これくらいヨユーよ!!」

 

「くそ・・・納得いかないんだが・・・・俺がまだ慣れてないとは言えなんでそう避けられるんだ?」

 

そんな俺の切実な質問に小南はこいつ、何言ってんだって顔で意味不明な事を言い放った。

 

「オールレンジ攻撃って言っても、こんなの良く動くバイパーってだけでしょ?」

 

「・・・・は?」

 

出水と対戦してるようなもんでしょ、と気楽に言う小南だが、なんだそれ・・・バイパーの対処は楽みたいにしか聞こえないんだが・・・?こいつどういう反射神経してるんだよ・・・以前から攻撃当たんないなーとは思ってはいたが理不尽なまでの反応速度である。いや、この場合は俺が慣れてないだけだろうか?そうであって欲しい。

 

これがボーダートップクラスの実力なのか・・・いや知ってたけどさ。ファンネルあれば勝ち越せないまでももしかしたらワンチャンあるかも!?とか思ってたのに・・・・

 

「ま、まぁ?まだ俺も慣れてないだけだし?すぐに勝てるし?」

 

「ふふん、楽しみにしてるわ!今はまだ5機だから簡単に避けれるけど、流石にこの動きを10機でされたらあたしもまぁまぁ本気になるかもね?」

 

「くっそ、絶対当ててやる・・・」

 

ぐぬぬな感じで悔しがる俺に対して小南は超上から目線でドヤ顔してやがる、くそ、これ出水あたりにされたら殴りそうだが、これが美少女の力か・・・ちょっとかわいいじゃねぇか。

でもやっぱり悔しいのでその憤りをビットに込める。

 

「あたれぇーーー!!」

 

「ほいっと♪」

 

頭の中で落花生の種をはじけさせながらビットを飛ばすもまたもや可愛らしい声と共にかるーく避けられる・・・ならば!

 

「でゅへいん!でゅへいん!!でゅへいん!!!」

 

「まだまだね」

 

吼え立てる感じで、我が憤怒がデュへインしてラ・グロンドメントしちゃうんだから!とばかりにデュへインしてみたが、当たらないのなんのって・・・くそう!まだだ!

 

「これしきのことで! それでも! だとしてもー!」

 

「ふふん♪まだまだね!バカキn・・・八幡!!」

 

またもや鼻歌交じりに避けられる・・・当然ここまでの間にも俺が分割されたり爆発したりとかしちゃったりしてからに、心が折れそうである。

 

「あぁ・・・なんという失態だ・・!俺は・・・僕は・・・私は・・・・!」

 

「ふふん♪・・・あっ、・・・・そ、その、・・・・ごめんね?」

 

あれやこれやといろいろ試すものの、全然小南に攻撃を当てることが出来なかった俺はついに両手両膝をついてしまった、く、悔しい!でも感じちゃう!!嘘です、普通にへこむ。

あまりにも攻撃が当たらな過ぎて本気でショックを受けてしまった俺。その事に気づいた小南が慌てて駆け寄りながら謝罪してくる・・・その中途半端な謝罪が傷ついたハートにとどめを刺した。

 

「いや、運用テストだからな。全然当たらなかったけど助かったよ、まじで。いっぱい分割されたけど、サンキュな。斧で風穴開くと思わなかったわ、まじで」

 

「うぅ・・・その、ごめんね?」

 

俺のセリフに小南も自分が試験運用の事を忘れていたのを思い出したらしく、心底申し訳なさそうな表情で謝ってくる。やべ、あまりにも当たらなくて言い過ぎたかもしれん。

 

「いや、すまん。まじで助かったから。小南じゃないといろいろなパターン試せないからなっ!小南が回避してくれたおかげでいろいろ対策が見えてきたからマジで助かった!」

 

「そ、そう・・・?ホントに助かった?あたし八幡の役に立った?」

 

なにこの娘、こんなしおらしい事言ってくる健気キャラじゃないでしょ・・・ギャップがすごい。正直、ぐっときました。

 

しかしこれは本当の事だ、小南のおかげで多くのパターンが試せたのは事実である。今後の課題は小南の反応を超える速度と数でいかに複雑な軌道で飛ばすかだが、いろいろと思考錯誤したために今回だけでかなりのデータが収集出来た。

 

まぁたしかに全然当たらな過ぎて泣きそうではあったが・・・結局ほとんど避けられたしなぁ。さすがに後半は俺も慣れて来たためビットの動きが鋭くなりさすがの小南もシールドやら双月でガードしていた。有効打はほとんど入れられなかったけどネ!!

そんなこんなで小南のおかげで何日かかけて馴染ませようと思ってたファンネルが今日一日で大分馴染んだのだ。

 

「おう、小南のおかげで大分このトリガー馴染んだわ、助かった。」

 

「そ、そう?それならよかったわ」

 

さっきまでちょっとなみだ目になっていた小南だが、俺の言葉に安心したのか、まだ少し顔が赤いものの、ニコっと微笑む。

 

「おう、でも次こそはきっちり当ててやるからな」

 

「ふふん、楽しみにしてるわ」

 

しおらしくなった小南もようやくもとに戻り、お互いにニヤリと笑いながら今回の試験運用を終了する。

 

その後は小南と宇佐美と俺でファンネル(仮)の正式名称考えたり、有効な運用方法やプログラムを話し合った。いつのまにか名前で呼ばれてたような気もするがきっと気のせいだろう。

 

話し合い後は愛妹であるところのパーフェクトシスター小町とパーフェクトオールラウンダーレイジさんの作ったパーフェクトな夕飯に舌鼓をうち、またもや烏丸に騙された小南にカジカジされたりして過ごす。かじられすぎて将来自分の頭髪が無事でいられるのか心配になっているものの、我慢である。

そうこうして玉狛にいると、本日最後の目的であるセクハラエリートの迅さんがやってきた。おっそーい!

 

「ただいまー、お、やってるなー」

 

「あ、迅さんおかえりー」

 

宇佐美が出迎え、小南と烏丸とレイジさんも戻ってきた迅さんを出迎えて話していた。玉狛は10人位しかいないため、仲が良いのだ。いつも正座させられてるからって羨ましくなんてないんだからねっ!

 

そんな中、俺は何してるかって?もちろん小町にセクハラの魔の手が行かないように体を張って守ってますが何か?

 

「よう、比企谷。ってそんなに警戒しなくてもダイジョブだから・・・」

 

本気で警戒している俺とニコニコしながら俺に守られてる小町。そしてげんなりするセクハラの図。客観的にみると迅さんの立場がデンジャラスである、通報待ったなしだ。しないけど。

 

「まぁ冗談はさておき。いつものたんます」

 

「はいよ、実力派エリートにおまかせだ」

 

そして、今回玉狛に来た最後の目的を果たすべく、しぶしぶ、本当に遺憾の意ではあるものの、このセクハラエリートに小町を合わせに来たのだ。

 

「最後に見たのは一か月前か?一応今回も言うが、俺の予知は絶対じゃないし、予知を教えたからとしてもいい結果になるとは限らない」

 

「わかってますよ。それなりにちゃんと見えるのは近い未来で先の未来はおぼろげにしか見えない。でも、少しでも小町に危険が迫る可能性があるなら、それを知りたい。だから俺は迅さんに協力してるんですから」

 

「まぁわかってるとは思うけど、一応な」

 

俺の存在意義は小町を守ることだ。そのためボーダーに入った後、未来予知のサイドエフェクトを持つ迅さんの話を聞いたときには少しでも小町の危険を排除するためにと一も二もなく飛びついたのだ。

 

それからというもの俺は玉狛には入らないものの、定期的に訪れて小町の未来を迅さんに見てもらいつつ、ここの仕事やトリガーの試験運用を手伝っていた。まさにギブアンドテイクである。

 

「それじゃあ、ちょっと向こうで話すか」

 

「「よろしくお願いします」」

 

小町と2人でしっかりとお辞儀をする。ふだんはアレな人だが、この人のサイドエフェクトによって助けられた人は多い。俺達もそうだ。だからこういう時はしっかりと感謝の気持ちを込めて言うのだ。

 

「お巡りさん、この人ですっ!!」・・・・と。

 

どさくさに紛れて小町の手を握ろうとしたセクハラさんの手をはたき落としながら俺は割と本気でこのボーダーという組織に対して不安を抱くのであった。

 

あ、もちろんその後しっかりと小町の未来を見てもらいましたよ?そんでその後説教した。セクハラが泣くまでめちゃくちゃ説教した。

そんな感じで教導隊としての最初の一日が終わるのであった。

 

 

 

 




というわけで小南のターン?でした。

次回は大井と北上の試作トリガーを出します。こしょっとね。

北上様がスーパー北上様になったりします。
大井っちも活躍したりしなかったり。

そんなこんなでオリジナルトリガーという名のガンダム武装を放り込みつつ原作に向けて進めていきたいと思いますのでこれからもよろしくお願いします。




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比企谷隊の教導5 大井と北上のトリガーは

こんばんわ。教導編5話です

最近寒いですね、自分はかれこれ1週間くらい風邪ひいています。インフルじゃないよ!
咳がこほこほと止まらないのなんのって、これはもうあれですよね、SS書こうって思いました。皆様も健康にはお気をつけください。

そんな気持ちを込めて歌います。
嘘です。そんなこんなで北上と大井の試作トリガー紹介編です。



ー 比企谷隊 隊室 -

 

「こんなんどうしろと・・・・・」

 

「おぉ~すごいねぇ~?」

 

玉狛で新型試作トリガーを受諾して、小南相手に散々切断されたり爆発した翌日。

俺の目の前では山と積まれた書類が壮絶な存在感を放ちまくっていた。まさに動かざること山の如しと言わんばかりに動かす気が起きないほどの量の書類に俺と北上のつぶやきがこぼれる。

オーヴィニエ山脈のようにつまれた書類を見ながらいつものように現実逃避を試みる。アディちゃん可愛かったなぁ・・・あぁでももうちょっと活躍してくれても良かったと思うんだけど?しかしそんな現実逃避も彼女の前では無力なわけでして・・・

 

「仕方がありません、受けた以上は、でしょう?」

 

逃避行中の俺を現実に引きずり戻すのはやはり彼女、我が比企谷隊が誇るスパルタ少女にして堕天した女神大井である。

仕方ない、って言われてもこの状況作ったのはお前なんだが・・・そんな気持ちを込めて見つめてみるもすでに大井の意識は書類の山に向かっていた・・・・このにぶちんめ!あ、ごめんなさい、睨まないで!

 

「がん・・・ばろ?」

 

そしてそんな大井の横ではひふみん先輩がフンス!と応援してくれる。うきうき社畜ライフを泣きたいくらい満喫しまくっている俺の数少ない癒し要素として今日も素敵に癒してくれる。俺、この仕事が終わったらひふみん先輩になでなでしてもらうんだ・・・死亡フラグが壮絶に立ってしまった気がするが、気のせいだと信じたい。

 

「しかし、一体なじぇこんな事になったんだ・・・・」

 

はぁ、とため息をつく、おっと、ため息をすると幸せが逃げるというから気を付けなければ、俺に後いくつ残されてるかわからんから大事にしないとな・・・・。もう無いよ!とか言われそうで怖い。

 

ふと、数時間前の事を振り返る。あれはそう、今日も元気に社畜ライフ!と目を腐らせながらいつものようにボーダーについた時だった。

 

「今日はそういえばどうするんだ?」

 

「もう忘れたんですか・・・・」

 

今日の仕事はなんぞ?と大井に問いかけた事から始まった。やれやれ顔でさりげなくムチを手に持った大井に「わ、忘れてないよ?確認だよ?」と必死に言い訳しつつひどい事しないで!と説得すると仕方がないと大井が告げた本日最初の仕事は俺が連行されるということだった。タ・ス・ケ・テ!!

 

連行と言われて思わず後ずさってしまった俺は悪くない、そんな事を考えていると後ろから二人の少女がやってきた。完璧に逃走経路を塞がれた気がしないでもないが、スルーする。大丈夫、ただ会っただけ、会っただけだってばよ。

 

「よ、よう、那須、綾辻、おはようさん」

 

ニコニコしながらふらりと現れた那須と綾辻に朝の挨拶をする。社畜として、挨拶はしっかりとしないとなのだ。やみのまでも可。

そんな俺の挨拶にニコニコうなずきながらなぜかトリガーオンする那須に早速嫌な予感が加速したものの、とりあえずもう一度スルーする。たぶんつっこんだら負けだと思った。本能は逃げろと警報をガンガン鳴らしているが、大丈夫。まだそんな時間ではないはず。

 

「んで?どこに行くんだ?」

 

那須の奇行をとりあえずスルーした理性の化け物たる俺は那須と大井にさりげなく確保されていく両手を認識しつつ大井に問いかけるもなぜかその大井もトリガーオンしていた。これで逃げられなくなったな、と思ったが、まだワンチャンあると信じている。大丈夫、大丈夫。勝負は最後の一秒までわからないのだ。

これしきの事で動揺するほど俺もやわじゃない。伊達に八幡更生委員会とかいうふざけた組織に鍛えられたわけではないのだ。フゥー!ハハハァー!!ゆうぎぃ~!!と笑っちゃえるくらいよゆーだ。

しかしそんなよゆーを打ち砕くように両手の拘束が強化される。ぎゅぎゅっと。ちなみに今現在俺、生身。両手を確保してる大井と那須はトリガーオン。イコール俺の手がミシミシ言ってる訳ですよ。つまり?

 

嘘です。助けて!めっちゃ動揺してる、いたいいたい!ちよう怖い!

 

「え?え?なんで俺捕獲されてんだ?いたいんすけど!?え?まじでどこ行くんだ?・・・え?え?」

 

 

いくら説明を求めても大井も那須も綾辻もニコニコするばかり、先頭を綾辻、左右を大井と那須にサンドされながら歩く。

いくら鍛えられてるからってこんなん無理。まじ怖い、助けて!そんな感じで必死に周りに助けを求めるも、通りすがりの厚生委員会の連中も、後ろからついてきている北上も小町もニコニコするばかり。

せめてひふみん先輩だけは!と比企谷隊の良心である豊穣の女神(どことは言わないが)に視線を向けるとそこには×マークの書かれたマスクを装着したひふみん先輩がいて発言を封じられていた。ガッデェェム!!

マスク付けただけで素直にしゃべらないひふみん先輩素直かわいいとか、俺の事を助けることも応援する事も出来なくて申し訳なさそうにするひふみん先輩超カワイイ!とか思ってしまった俺は仕方が無いと思う。でもやはりだれも助けてはくれない・・・現実は俺に残酷だ。

 

そうして俺が連れてこられたのは第1会議室であった。あ、俺のトラウマ量産地じゃなくて良かったと思ってられたのもつかの間、綾辻がノックすると中からボーダーで一番怖い人の声が聞こえた。・・・幻聴だと思う。

 

「失礼します。比企谷隊長をれんこ・・・ほかく・・・・連れてきました」

 

いろいろ隠せてない綾辻の報告に内心突っ込むといつの間にかでっかいテーブルの前に立たされていた。え?これなんてマジック?こわい。

 

「ご苦労。それでは比企谷くん。今後の教導隊について話そうか」

 

そこから俺のニコニコハッピー社畜ライフの説明が始まり、結果として俺は書類の山に立ち向かう現状になったわけだ。え?説明になってないって?後で話すよ・・・まだ心のダメージが抜けてないんだよ。

 

とりあえずここはあれだな、気分転換に違う話題をしよう。

 

「そういえば、大井と北上も試作トリガー受け取ったんだよな?」

 

「はい」「そうだよ~」

 

俺の質問に短く答える2人。それを合図に休憩でもするか、という空気が流れる。乗るんだ!このビックウェーブに!!そんな思いを乗せて会話を繋げる。

 

「俺のはなかなか面白いトリガーだったんだが、2人のはどんなのだったんだ?」

 

ふふふ、じつはファンネルというロマンあふれるトリガーだったのだよ、と言いたいのを我慢して、ぼかしつつ質問する。

おそらく俺のトリガーを知っているだろうひふみん先輩には内緒にして欲しいという意思を込めてアイコンタクトを送る。コクコクと無言でうなずくひふみん先輩はやっぱりかわいいと思いましたまる。

大井と北上のトリガー作成にひふみん先輩が絡んでる上で最強の矛と盾ということはおそらくマシュの盾とエクスカリバーであろう。FGOブームだしね。いうなればレイガストと旋空弧月の上位派生。はっはっはっ!ロマンが足りないねぇ!

 

「私達のは最強の盾と矛、を作ったそうです。私が盾、北上さんが矛ですね」

 

「すごいんだよ~」

 

「うん・・・すごい・・・ね?」

 

予想通りの説明になるほど、とうなずく。あぁ、ファンネル自慢したい、ちょっとうずうずによによしてきたのは内緒である。すぅごいんだよぅ~?ぼぉくのぉ~フゥアァンネェルはぁ!!ってさ!大井に殴られそうだな、辞めとこう。

 

「双方のトリガーとも規格外の性能でしたね。どちらも現状ではブラックトリガーを除けば最高の防御力と火力を誇るそうです、正直やりすぎな感じはしますが・・・・」

 

「すごいんだよ~光がね~ぶわぁ~って!」

 

「ずばー・・・・びやー・・・・・って」

 

光がね、ふわぁって、と説明しようとするカミーy・・北上。大丈夫、北上の精神は問題ないはずだ。あとひふみん先輩がドヤ顔で説明してるけどさっきから可愛すぎてもう尊い。

しかし、うん?規格外?おかしくね?せいぜい旋空弧月とレイガストの上位派生にそんな評価するか?俺のパズーのバックみたいに夢が胸いっぱいに詰まったファンネルですら小南によく動くバイパーって言われたのに?・・・あ、思いだしたら泣けてきた。

 

「えぇと、名前が・・・なんかややこしい感じの名前で何でしたか・・・」

 

「えとねー?たしかねー?メルトリリス?とヴァンガード?を参考にして作った、えと、びーむ?とぷらねたりうむ?だって!」

 

「ぷ、ぷらにぇっ!?・・・・・・・いひゃい」

 

大井が珍しく言いよどむとニコパーと微笑みながら北上が説明してくれる。うん、意味わからん。さらにひふみん先輩が解説しようとしたけど舌噛んだらしくちょっと涙目で口元を抑えていた。今日のひふみん先輩はいつもよりもやばいな・・・もうひふみんルートに突入しそうである。

つか今のところ俺に入った情報がほとんど無い。最後のビーム位である。おそらくエクスカリバァァァ!!!だろう。だがしかし、北上の言うメルトリリスやらヴァンガードが気になる。FGOもカードゲームに参戦するのだろうか?デッキの更新時期が来たかもしれん。つかプラネタリウムって何さ。ひふみん先輩結婚しよ?違うか。

 

そんな事をぐるぐると考えていると試作トリガーの資料を山のように積まれた書類から探しつつ大井がPCを操作していた。あぁ、これ結局後で書類やらないとなんだよなー・・・

 

「あぁ、名前が思い出せません、なんかいろいろ説明されていたのですが、関係ない話が多くて肝心の名前を忘れてしまいました!なんなんですかいったい!ニュータイプやらカテゴリーFやら強化人間とか言われても知りません!08だとか0083とかなんなんですかややこしい!?ポケットの中が戦争って何が起きてるんですか!?エピオンとかゴットとかフリーダムとかエクシアとかなんなんですか!?あぁもう!とりあえずこれがそのトリガーの映像です!」

 

おぃ、その説明絶対ガンダムだろ?FGOじゃねぇのかよ・・・つかいろいろ説明されたって明らかにさっきから出てる単語トリガー関係ないうえに作品もバラバラなんだが。俺もその話に混ざりたかった。

無駄な説明が多すぎてさすがの大井もまともに覚えられなかったのだろう、興味の無い話を延々とされたのね・・・そのため大井はPCにその映像を表示させることにしたようだ。

俺の膝に北上が座り、左に未だに口元を痛そうにしているひふみん先輩が座る。そうして3人でモニターを見る事に、大井は未だに書類を探している。俺の膝で「すごいんだよ~」とニコパーっと微笑む北上に癒される。隣には癒しの女神ひふみん先輩。この空間幸せである。八幡氏大満足。まさにプライスレス。

 

「ふむ。どんなもんかね?」

 

つぶやきながら北上の頭を撫でつつモニターを見ると、そこには市街地が映し出されていた。おそらく訓練用のフィールドだろう。

「まずは北上さんのトリガーからですね」と書類を探しながら説明する大井。

その直後にモニターが光でいっぱいになった。ぐわぁぁーーーー!目がっ!目がぁぁっー!!冗談である。ちなみに同じことを思ったのかひふみん先輩も目をぎゅっとつぶっていた・・・・・・もうやだ。この娘可愛すぎじゃない?キスしてもいいかな?思わずそんな事を思ってしまうが鋼の精神力で耐える。しかしそんな悠長な事を考えていられたのもつかの間。

 

「・・・・は?」

 

その光の後には市街地の一部が一直線に更地になっていた。え?意味がわからんのだが?何が通ったの?モトラッド艦隊?

そんな俺の気持ちに応えるかのようにモニターの視点が変わる。

今度は上空からの映像だ。北上がやたらと長いライフルを構えるとそこから極光が放たれる。

しかも極光はそのまま照射され続けている。えぇー・・・?あろうことかそこからさらに北上はライフルの銃身を右に動かし始めた、それにより照射されている極光も右に動いていく。おいおいおい・・・!

 

「・・・・まじか」

 

思わず生唾を飲み込んでしまう。極光が収まった後にはまるで野球のグラウンドの形状のようにくりぬかれた市街地があった。これ完全にブラックトリガーレベルじゃないですかねぇ?恐ろしい威力である。北上とひふみんがすげぇドヤ顔を浮かべていてかわいいなと思いましたまる。

 

「次が私の盾ですね」

 

いつの間にか横に座っていた大井がPCを操作する。

するとモニターの表示がまた違うフィールドに替わる。今度は開けたフィールドのようだ。

そこには大井と砲撃用トリオン兵が映っており、大井の目の前には5体のバンダーがすでに砲撃体勢に入っていた。

 

「あれ?ロードカルデアは?」

 

そんな俺のつぶやきに対して画面の中の大井は複数の円盤を自身の周囲に展開していた。・・・・あ、あれは・・・まさかっ!!

そうして放たれるバンダーからの砲撃は複数の円盤を基点としたエネルギーシールドによりはじかれていた。うそやん?けっこうらくらくはじきまくってるんすけど・・・?ずっと砲撃されてるのにヒビ1つ入らないってどういうこと?つかこれって・・・

 

「ちなみにこのシールドバリア、最大展開すると二宮さんがアイビス使っても簡単に防げるらしいですよ?計算上ですが」

 

「ま、間違いない・・・・これは・・・まさか・・・」

 

「あれ?もしかして知っていましたか?」

 

「きづい・・・・た?」

 

衝撃の事実に俺が慄いていると大井と北上が不思議そうな顔を向けてくる。知ってると言えば知っている。

つか、予想外の事実である、だから北上はメルトリリスと言ったのか・・・間違ってたけど。

 

「あ、あぁ・・・これは、おそらく大井のはプラネイトディフェンサーじゃないか?」

 

「そういえば・・・たしかにそんな感じの名前だったと思います」

 

「そうするとやはり北上のはビームキャノンだな」

 

「んん~?たぶんそう、かな♪」

 

やはりか・・・つまりこれらの参考はメリクリウスとヴァイエイト・・・・確かに矛と盾だ。ひふみん先輩の奴、こないだ俺がネタ振ったのに気づかなかったのに、この1か月かそこらでウイング見たって事か・・・ひふみん先輩ってば無茶しやがる。

つかさ、威力と性能おかしくね?明らかに俺のファンネルよりもロマンに溢れているんだが・・・おかしいだろ?

 

ようやく見つけた2人の新トリガーの仕様書には北上のビームキャノンはチャージによる威力上昇と照射時間の増加と書かれている。フルチャージだと3発撃てば北上がトリオン切れを起こすと書かれていた。この燃費の悪さ、ロマンに溢れていると言わざるおえまい。しかも通常砲撃でもアイビス以上の火力とかふざけんなと言いたい。俺のファンネルでは通常砲撃をなん回か防ぐのがやっとだろう。通常のシールドでは防御不可、レイガストでもギリとかトリオンをバカ食いするとしても極端な火力である。だから大井はやりすぎだと言ったのか・・・。

 

大井のトリガーは自身の周囲に展開している10機の円盤を基点としてエネルギーフィールドを展開してシールドを作成するようだ。そのためシールドを形成するのに最低3つ必要で、数が増えるごとに防御力の強化と展開半径が広がるようだ。ちなみに3つでレイガスト並に、全10個すべてを使用すると先ほどの北上の最大火力もギリ防げるらしい。

その防御力をどこで使うつもりなのだろうか・・・?よく見たら3つ、3つ、4つに分かれてそれぞれの対象を守ることもできるそうで、俺のと違って10機それぞれではなくまとめて動かす分コントロールも楽になっているみたいだ。いくら攻撃を一切捨てて防御のみにしているとはいえ・・・ずるい。

 

「私達のはこんな感じですね?八幡さんのはどうでしたか?」

 

「うん?ま、まぁ俺のはその、大井のに似てるんだがコントロールが難しくてな、まだ使いきれてないんだ・・・」

 

どうしよう・・・・2人の見てたら俺のファンネルたんがなんつーか、こうあれな感じになってきたんすけど・・・

ちらっとひふみん先輩を見てみるとひふみん先輩もやっべーって表情をしている。どうやら俺の現状を正しく理解しているようだ、そのまま内緒にしていてくださいお願いします。

俺のファンネルでは間違っても市街地を更地にすることなんてできないし、小南の斬撃だって一度防ぐのが精一杯。それに引き換えこいつらのおかしいだろ!?明らかに性能がダンチなんだが・・・?

 

ま、まぁ?継続戦闘能力で言えばファンネルの方が圧倒的に上だし?汎用性も高いし?う、うらやましくなんて無いんだからねっ!

 

「ん、よし、そろそろ休憩おわるかなー?仕事するかー」

 

「話逸らすの下手すぎませんか?まぁ仕事が溜まっているのも事実なので構いませんが・・・」

 

「う~ん、気になるねぇ~?」

 

すまん・・・・すまん・・・・!気になりますって顔の大井と北上としゃべらないように自発的に先ほどの×マークのついたマスクをつけるひふみん先輩に心の中で謝る。

今度宇佐美にファンネルの隠されているはずの真の能力を聞きだしたら自信を持って紹介するから!たぶん俺の予想だと10機コントロールできるようになればトランザムバーストしたり量子化したりできるはずだから!そうだと信じたい。なかったらどうしよう・・・

 

俺達のウサミンならきっとそれくらいのギミック仕掛けているさ!と信じてはいる。いるが、今はそっと悲しみにふけりながら書類仕事に戻るのであった。

 

 




と言うわけで大井の新型トリガーはプラネイトディフェンサー、北上のトリガーはビームキャノンでした。

これはガンダムWに出てくるメリクリウスとヴァイエイトの武装ですね。あんな感じのとんがった武装好きなんすよ、Wの機体はどれも魅力的でロマンがあって好きです。
特にトールギスとかエピオンとか好きすぎてもう・・・ガンダムシリーズで一番好きな機体とキャラは?って聞かれたら迷わずトールギスとトレーズ様!って言っちゃうくらい好きです。え?聞いてないって?すみません。愛が暴走してしまいました。

そんなこんなで教導隊としての活動は続きます。
ちなみに比企谷隊は教導隊となることで玉狛のような扱いになるため原作時にはランク戦に参戦しません。北上ぶっぱでだいたい片付きますからね、オンリーワンの特殊トリガーは規格外なのです。
また、小町とひふみんというオペレーター2人体勢となっていますが、それも今後話にのぼりますのでそれまではへーふーんと見ていてくださればと思いますのでこれからもよろしくお願いします!




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比企谷隊の教導6 教導隊の目的

こんばんわ!教導編6話です

最近めっきり寒くなりましたね、どんとこいです。
寒いの大好き。雪山大好きな、どうも私でございます。

しかしこの話はいまだ8月だったりして、まぁ季節感の無い作品なのでモーマンタイなのですが。え?水着回?ないのですよ?

そんなこんなで6話です。



ー 比企谷隊 隊室 -

 

俺のファンネルのロマンが大井と北上のスーパーアルティメットロマントリガーに敗北してブロークンハートがとらいあんぐるハートしちゃってからしばらく。

我が隊室ではカタカタ、ポチポチ、すぴーすぴーという音がひたすら奏でられていた、つまり仕事中なう、なう。

あ、ちなみに最後のすぴーは北上ね。お昼寝の時間だもんね、俺にはもちろんそんな時間与えられてないけどね、北上は天使だからね、仕方ないネ!!

ちなみに前回位から霊圧が消えている小町だが、実はボーダーに来てはいるけど別室にて勉強中なのです。がんばれ!受験生!!

 

「ふぅ・・・少し確認事項が出来ましたので出てきますね、八幡さん、サボってはいけませんよ?申し訳ありませんがひふみお姉さま、後はよろしくお願いします」

 

「まか・・・せて・・・!」

 

ぐっ!と気合の入った両の握りこぶしを豊かな胸の前に持ってくるひふみん先輩。KA・WA・I・I!!

でもさ、俺が隊長なんだけどなーとか思わないでもなかったりして・・・べ、別に信用されてないからって悲しくなんてないんだからねっ!無いな。わが身を振り返ってみると仕方ないかって納得した。

 

「じゃ、じゃあ・・・・やろ?」

 

「・・・・・うす。」

 

まったく、無自覚にエロかわいいとかずるすぎる!

っていうかさ?そのセリフは俺みたいなボッチにはクリティカルなのでやめて欲しい。あらぶるハチマンが「呼んだ?」って感じで目覚め始めてしまうではないか・・・!逮捕待ったなしである。

 

「しかし、この書類の山は何とかならないもんですかね・・・・」

 

「すごい量・・・だね?」

 

「っ・・・・・そっすね。まさか教導隊になってこんなに書類が増えるとは・・・マジでひふみ先輩が正式に加入してくれて助かったっす」

 

ひふみん先輩の無自覚な攻撃に耐えつつ、素直に感謝の言葉を告げる。

正直小町と北上はマジで書類仕事はからっきしだからな。教導隊になってひふみん先輩が正式に比企谷隊に入ってくれた時はマジで女神様が降臨したと思ったわ。

もうほんとにひふみん先輩ってばまじ女神。好きデェス!って鼻血出しながら告白しそうだったもん。いや、むしろ今も告白しそうである。好きデェス!

隣に座りながら一緒にキーボードをカタカタポチポチしてるだけでえらく可愛いし、頬にかかった髪をかき上げる仕草とかエロいし、たまにこっちを見てニコって笑ってくれたりとかマジ尊い。抱きしめちゃいたいくらいだ。いや、まぁその後の大井とかの折檻が怖かったりとかあれがあれだからしないが。

 

「ううん、わたしも、誘ってくれて、嬉しかった・・・よ?」

 

「・・・・それは、よかったっす」

 

ひふみんマジひふみん、ひふみんがひふみんでひふみんとひふみんしちゃう!と脳内がひふみんで一杯になってしまった。ひふみん先輩の神々しさとか慈愛の女神っぷりとか可愛さニューウェーブなとことかもうやばすぎでしょ?おっと、頭の中がひふみんしすぎたかもしれん。いやこれ正常だわ。

 

そんなひふみん先輩についての考察を続けたいのはやまやまだが、そろそろこの書類の山についてもう少し言及するべきかもしれん。なんかさっき会議室で聞いた説明でいろいろ聞き流せない単語もあったしな・・・・。

 

「しかしマジでこの書類の量はなんですかね?絶対なんかメンドイ事されそうで怖いんですが、なにか知ってますか?」

 

「・・・・・・・・・」

 

そう俺が問いかけると静かに×マークの書かれたマスクを装着するひふみん先輩。すごい、わかりやすすぎて逆にすごい。しかもちょっとおろおろしてる感じが小動物みたいでやばカワユス!!

 

「知ってるんすね・・・・・」

 

「・・・・・・・ふが」

 

冷や汗を流しながらそっぽを向くひふみん先輩。それは知ってる人の態度ですよ・・・・。おそらく詳細を先にリークして俺が逃げないようにしているのだろう。失礼だな、まったく。まぁ日程わかったらたぶん病欠とかすると思うけどさ・・・・。

つかなにこの女神、嘘つけないからって×マークの入ったマスク付けるとかなんなん!?あきらかに「知ってるけど口留めされててしゃべれません、ごめんなさい」って感じですごい申し訳なさそうなんですけど!?「大丈夫だよ」って抱きしめてもいいかな!?だめですよね、そうですよね。さーせん。

 

「・・・・これからの俺ってどうなっちゃうんすかね・・・?」

 

「・・・・・・・ふが?ふが・・・」

 

正直、怖いのだ。先日のセクハラエリート迅さんの不吉な予知の内容とか、なんかちょっとぴりぴりしていた先ほどの城戸司令の態度とか。

 

先程会議室に呼ばれて城戸司令らが話した主な内容は、教導隊の方針と独立部隊の新設などその他にもいろいろと。

 

独立部隊?と聞くと教導隊に10人位のエース候補を選抜、育成して緊急時の独立即応部隊を新設するつもりらしい。いったいどこの幼女戦記かと問いたかった。すでに第六駆逐隊という幼女部隊がいるというのにまだ幼女を集めようというのだろうか?いやさすがにそれは違うか。

まじめな話、C級の早期育成と緊急時の対応の為にこの教導隊が作られて、かつ、そういった緊急時が迫りつつあるのだ。

 

「あの城戸司令と忍田本部長の指示は、そういうことが起きるってことですよね・・・」

 

「・・・・・・・ふ、ふが。」

 

「今の俺にできますかね?いや、やらないと、ってのは理解してはいるし、そのつもりではあるんですけどね?」

 

「・・・・・・ふが。」

 

「まだ確定ではないとは言え、小町だけじゃなくて、北上も大井もひふみ先輩も、那須や綾辻達も・・・・守れれるか不安なんです・・・・・」

 

「・・・・・・・ふもっふ。」

 

・・・・・くっそぅ、しまらねぇなぁ。つか最後ずるい、ひふみん先輩ずるい。いや、ひふみん先輩なりに励ましてるんだろうけどさぁ、まじめな顔してふが、とかふもっふとかはねぇよ!

ちょっとくすってきちゃったじゃん!まぁおかげでちょっと落ち着いたけどさぁ!!昨日の事とか先ほどの話とかの事を考えてたら少しブルーになってたみたいだ。

 

「はは、ありがとうございます、ひふみ先輩。正直何言ってるかわからなかったど、ちょっとすっきりしました」

 

「・・・・ふが!」

 

ぐっと親指を立てるひふみん先輩、マジ女神。

 

「それで?なんであんな話になったんすかね?つかひふみ先輩もやるんですよね?」

 

「・・・・・ふが!?!?!?」

 

いやいや、と首をフリフリするひふみん先輩。いちいち挙動がかわいくて困る。

まず、今回城戸司令やらに言われた仕事は現在所属しているC級隊員の把握である。城戸司令曰く現在426人いるC級隊員のデータをすべて渡されたのがこの書類の山の一部。現在ひふみん先輩が仕分けしたりデータを入力しているのがそれだ。

まずここがおかしいなって思った最初のポイントだった。俺、教導隊やるよ!って言った時は全員じゃなくていいよって空気だったじゃん?という視線を大井に向けたら目を逸らされたのは記憶に新しい。え?426人全員?基本これまで通りって言ってなかった?って目で今度は綾辻を見てもやっぱり逸らされえたのも追記しておこう。騙された感がぱない。

 

といあえずノーと言える空気じゃなかったのですごい嫌そうな表情で書類を受け取った。忍田さんや沢村さんがめっちゃ苦笑いだったのが印象的だった。さーせん。

 

そのあと、本部イチ押しのエース候補の書類を別個で渡されたり、今後の試作トリガーの資料を渡されたり。ちなみになぜか唯我の資料もあったのでポイってした。それと試作トリガーの資料は20個分位あった!100個位かもしれん、とにかくいっぱいだった!これまた書類の山の一部。この時点でもう帰りたかった。

 

そして問題なのが教導隊の設立にともなうボーダーのホームページの改装と撮影があるとかいう死の宣告。教導隊特集を組むとかでインタビューされたり、テレビにも出るかもとかキツネに言われて泣きそうになった。

ラグビー推しの唐沢さんにも経済効果がすごいんだよ~とか言われて思わず大井を見たが今度は目を逸らしながら口笛を吹いていた。キャラじゃないでしょぉ!と叫ばなかった俺を褒めて欲しい。

当然教導隊特集だから、その隊長の俺やアドバイザーの東さんや嵐山さん、風間さんのインタビューがあったり、つか俺がメインとかマジ終わってる。お前ら正気か!?と言いたい。

隊員の紹介もあったりテレビの撮影とかもあるとかで当然大井や北上、小町も移ったり、今回正式に加入したひふみん先輩も移るってなもんで、そこんところ完全に忘れてたでしょ?この女神様は・・・。ちなみにコレ関係の書類が一番多い。燃やしてしまっても、かまわんのだろう?え?ダメ?デスヨネー。

しかもご丁寧に俺に逃げられないようにするためか、詳細がだいたいカミングスーンって書かれてた。夏休み中は毎日来てるからってキタナイ、ホント大人キタナイ。

 

そうしてテレビとかに出ないといけないかもという事の重大さに気づいたひふみん先輩と何とかしてインタビューとか撮影を回避する方法を模索していると、大井が帰ってきてしまった。

 

「何・・・してるんですか?」

 

ひふみん先輩と相談した結果、燃やそう、という結論に至り、速やかに書類を闇に葬ろうとしていたところを見られてしまった・・・ハチマンピーンチ!!

違いますぅー!燃やしてしまおうとかしてませんー!と必死に言い訳してなんとか大井を説得する事に成功した俺とひふみん先輩は、残りの書類をすべてやることで大井に許して貰っていた。へへ、サーセン。

 

「まったく、八幡さんは本当に・・・まったくもう!」

 

なんとか許して貰ったはずの俺とひふみん先輩は一緒に大井の目の前に正座させられて説教されていた。あれ?これまだ許してもらってなくね?でもいつもひとりだった正座が今日は隣に女神がいるとかちょっと嬉しかったりして。ふふ、一緒だね?って微笑んでくれないかな・・・無理か、めっちゃ申し訳なさそうにしてるし。

 

「ふぅ・・・今日はこれくらいにしましょうか、私と北上さんはこの後はまた試作トリガーのテストをしてきますね?北上さん、起きて下さい。そろそろテストの時間ですよ?」

 

「う~ん・・・・あと、5年・・・・」

 

「北上さん、5年は長すぎます、せめて5分にしてください」

 

「は~い・・・・・すぴーすぴー」

 

「ふふ♪とりあえずこのまま連れていきますね?」

 

とそんなやり取りをしてから起床しない北上を抱えた大井は隊室を後にするのであった。

よかった・・・・説教と正座だけですんで良かった。書類とかすげえ任されたけど、問題ない。俺にはひふみん先輩という強い味方がいるのだから!!

 

「それじゃあもう少し書類をやりましょうか」

 

「・・・・・ぐす・・・・うん」

 

って!我らが比企谷隊の良心であるひふみん先輩がちょっとグスってしてるじゃマイカ!!可愛いじゃマイカ!!いやいや、そうじゃなくて。

 

「すみません、ひふみ先輩、俺のせいで一緒に説教させられちゃって・・・・」

 

「う、ううん・・・私も、悪かったから、大丈夫。・・・・でも、ちょっと、怖かった・・・グス」

 

それからひふみん先輩が泣きやむまで恐れ多くも女神ひふみん先輩をナデナデするという名誉を与った俺。まじピュリッツァー賞レヴェル。どんな賞か知らんけど。

「落ち着くまでなでて?」って言われた時はもうやばかった。ちょっとうるうるしながらウワメ遣いでこっちを見てきて、ちょっと不安そうにしながら「ダメ?」って聞いてくるとかもう胸がキュンキュンしてきてしまった。

 

うれしそうに撫でられているひふみん先輩に俺の震えるハートが燃え尽きるほどヒートしてるのが聞こえてしまうのではないかと心配だ。

 

「ん・・・・あり・・・がと。もう大丈夫・・・・だよ?」

 

「・・・うす。」

 

ようやく落ち着いてきたひふみん先輩。よかったよかったとほっとしたのもつかの間。「また、なでて・・・・ね?」と言われてしまった。

 

「き、機会があれば?」

 

「ふふ・・・うん。お願い・・・・ね?」

 

とても嬉しそうに微笑むひふみん先輩。もう、ゴールしても・・・いいかな?・・・いいよね?

いやまじ今日のひふみん先輩はやばい、ポイント高すぎてひふみん的にポイントカンスト状態だ。

しかし、いつまでもこのままではだめだ、俺のハートがきゅんきゅんしすぎてヤヴァイ。早くこの、なんというか、ぽわぽわした空気を換えねば!俺の心臓がさっきから仕事しすぎててもう大変なのだ。ええと、わだい・・・・話題・・・・ワダイ・・・・・わだいってなんだ?食べ物?

 

「あ・・・・そう、いえば・・・・・」

 

「はっ!?あ、えと、なんです?」

 

「えと・・・ビット、のこと、なんだけど・・・ね?」

 

あわ、あわわ、ワダイ、わだいっとぐるぐる思考を迷走させていると、ひふみん先輩も同じことを思っていたのかちょっと頬を染めながら話を振ってくれた。マジ、ひふみんゴッテス!!女神!!

 

「どれくらい・・・・できた?」

 

「・・・・まだ5機、ですね。小南相手にテストしましたが、ほとんど有効打を入れられませんでした」

 

「そう・・・・・」

 

そうするとむむむ・・・と考え始めるひふみん先輩。俺もむむむ、と考える。

 

「やっぱり、難し・・・・い?」

 

「そうですね・・・・」

 

例えば、B級の下位相手なら近接戦闘をしながら全機を飛ばす事も出来るだろう。なんとなく飛ばして囲んでしまえばオーケーなのだから。

だが、相手が同格かそれ以上の相手だと、そうもいかないのだ。オートで飛ばせるようにも改良されてはいるのだが、先日の小南との対戦のように、格上の相手にはオートでの攻撃ではビットの軌道の複雑さやキレ、制圧力が圧倒的に足りない。

 

「オートで飛ばせるようになった分、以前のに比べれば格段に良くなってはいるんですが、小南クラスの相手だと、やっぱり避けられたり、ガードされるんですよね、だから全機をコントロールして複雑な軌道をさせないと厳しいんですが・・・・」

 

「・・・・なるほど。」

 

「火力と防御力を北上と大井が担当するから、俺は汎用性を極めないとなんですが、道のりは厳しいですね」

 

「・・・うん。・・・・・ちょっといい・・・かな?」

 

「はい、なんです?」

 

ずっと考えこんでたひふみん先輩が、何かを思いついたらしく、ひとつうなずいて俺に問いかけてくる。

 

「紹介したい子が・・・いるんだけど」

 

「紹介・・ですか?」

 

「うん。たぶんちからに、なってくれる・・・・・はず?」

 

ひふみん先輩も自信ないようだ。てかひふみん先輩の紹介って・・・・思い出すのは少し前の事。あれはそう、小町がテストでひどい点をとって大井が説教した時の事だ。

勉強に集中させるために、小町を休隊扱いにしてオペレーターをレンタルしようとしていた。そこで大井はリスペクトしている那須隊のオペレーター、志岐に相談を持ち掛けていたのだ。

その結果、志岐が連れてきたのがひふみん先輩だった。当時の俺はコミュ障が連れてきた超コミュ障というイメージだったが、いや実際にそうなのだが。蓋を開けてみればまぁ驚きの高性能。小型高性能の三上、風間さんみたいに、コミュ障で高性能、というかオペレーターとしてはもう最強の人材だし、可愛いし、優しいし、料理はおいしいし、豊穣の女神だしでまじグッジョブ志岐と思ったもんだ。

 

そして、月日は流れ、歴史は繰り返される・・・コミュ障の志岐が紹介した、コミュ障のひふみん先輩の紹介・・・正直、地雷臭がぱない。でも間違いなく高性能なんだろう。

 

「わかりました、お願いしてもいいっすか」

 

「うん!・・・それじゃあ、いこ?」

 

「え!?今ですか?その、いきなり行って大丈夫ですか??」

 

思い立ったが吉日とばかりにニコッと笑顔になったひふみん先輩は早速立ち上がり俺の手を引っ張る。え?今!?まじで!?俺もさすがに地雷臭がする相手にいきなり会うのはちょっとあれなんすけど!?心の準備させてー!!あといきなり手を握られるのも心の準備させてー!!手がさらさらだー!

 

「うん、大丈夫。いつもいる、から。」

 

「え?いつもいるんすか?」

 

「うん。いつでもいる・・・よ?」

 

悲報。今度の相手は引きこもりの模様。

 

やたらと自信満々に俺を引っ張るひふみん先輩と、不安になりつつもひふみん先輩のさらされらの手にドギマギする俺。大丈夫だよね?地雷と見せかけて実はすごい良い人だったりしないかな?手汗とか大丈夫だよね?と進む事しばらく、ようやく到着したようだ。

 

「ついた・・・・よ?」

 

「ついちゃいましたかー」

 

そこには『姫の城』と書かれた部屋があった。やばい、これぜったいやばい。ボーダー内にこんな部屋作るとか絶対やばい。

俺が割と本気でビビっていると、ひふみん先輩は勝手知ったるなんとやらって感じでノックもせずにドアを開けてしまう。ちょっ!この娘俺以上のコミュ障のくせになんで今回に限ってこんな積極的なのぉー!?心の準備させてぇー!?

そして開けられた『姫の城』の中には一人の美少女が佇んでいた。

 

「おー・・・やっぱり近年のフィギュアは出来が良いなー。カラーリングも楽だしねー。いえーい、スペース海賊軍団完成!ヒャッホー!!さーて、遊ぶぞぉー!引きこもるぞぉー!!」

 

訂正、佇んでなかった。・・・つか、今度のはまたすげぇのが来たなぁ・・・・って思いましたまる。

 




そんなこんなで6話でした。最後のキャラはイッタイダレナンダー、さーせん、出して見たかったんす。さーせん。

さて、いままで黙ってましたが、タイトルのB級なんだぜ?ですが、これ、教導隊じゃね?って思ってる方がいるかもなので、先にご説明という名の言い訳を。

A級、B級と別枠で教導隊として結成されたのですが、比企谷隊自体はB級です。なのでタイトル詐欺ではないのです。
つまり肩書としてはB級3位兼教導隊の比企谷隊になるのです。

そんなこんなで次回も宜しくお願いします。


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比企谷隊の教導7 コミュ障の紹介した引きこもり

こんばんわ、教導編7話です。

さて、前回の最後に出てきたナゾの少女の紹介です。
いやはや、特定早すぎじゃないですかね?わかりやすすぎたかなーって少し反省しました。

いやね、姫ちゃんかわいすぎじゃないですかね?あれ、絶対出したいなって思ったんですよ。今後レギュラーになるかは未定ですが、今後もちょいちょいと出したいなって思いました。

そんなこんなで7話です。


「その、お見苦しいところをば・・・ほんとすみませんでした」

 

ふしぎな感覚である。普段なら俺がするであろうポジションに他の人が居るという・・・べ、別に悲しくなんて無いんだからねっ!・・・いやホントに、すこしも悔しくないよ?

 

「いや、その、頭を上げてもらえませんか?」

 

「うぅ・・・・」

 

目の前で美少女と言っても過言では無い子が顔を朱に染めつつ申し訳なさそうに謝罪しているのを見て、そんな事を考えてしまっていた。ほんとこのボーダー内で俺が謝罪される日が来るなんて思わなかったぜ。とか考えた自分自身に泣きそうである。なにそれ悲しい。

 

その後、ちょっとへこみ気味の目の前にいる乙女は、ひふみん先輩にナデナデされながら落ち着こうと努力している。うん、このカップリング、嫌いじゃないですねぇ・・・。

そんな光景をしっかりと脳内メモリーに記憶して、ようやく一息つけるかね?と思いつつ、改めて目の前にいる(おそらく)引きこもりの(超絶コミュ障の)ひふみん先輩の紹介した女の子を見る。

一見すると黒髪清楚な乙女に見えるが、残念ながら先ほどの行動やら部屋の状態やらを見るに、明らかにめんどくさがりな残念美少女である。その長くつややかな黒髪と透き通るような肌にひふみん先輩並みのプロポーションと、ステータスだけを見ると非常に完成度が高いと言える。なんの完成度だよ。

しかし、一見すると完璧な乙女にはかならず欠点があるというのがボーダー界七不思議のひとつである、いや、今作ったけど。

それは、綾辻の歌しかり、加古さんのチャーハンしかり、ひふみん先輩のコミュ障しかり。つまり、特に欠点の無い小町は最強という図式が・・・・成り立たないな、勉強からっきしだし、いまもきっと別室で泣きながら勉強しているのあろう。大井は・・・・百合だしね、しかもガチ勢。あと怖い。

 

そんな事を考えながら、少し前の取り乱していた最初の出会いを思い出す。

・・・べ、別にひふみん先輩と謎の黒髪残念乙女の話に入れなくて暇だからじゃないんだかねっ!まじないわ、なんで今更こんなツンデレ属性やってんだ俺は・・・どうせなら黒髪美少女に「き、きたない・・・」とか言われて見下されたい。

そんな思考を脱線させながらも出会いを思いだす。ここはやはりあれだな。

 

 

 

ほわんほわんほわんはちまん~っと回想モードに入る。

 

それは我らが比企谷隊最後の良心である、スーパーエターナルひふみんゴッテス女神・・・だせぇな、女神ひふみん先輩がコミュ障らしくない動作で『姫の城』とかふざけた事を書いてある部屋に突入した時にさかのぼる。

 

「おー・・・やっぱり近年のフィギュアは出来が良いなー。カラーリングも楽だしねー。いえーい、スペース海賊軍団完成!ヒャッホー!!さーて、遊ぶぞぉー!引きこもるぞぉー!!」

 

部屋を開けるとそこにはフィギュアを手に持ちながらハイテンションになっている黒髪美少女が激しく同意したいことをのたまっていた。ここまではギリ、予想通りである。ギリ。このくらいのパンチ力は想定内だ。

 

「姫ちゃん、お願いが・・・あるの。」

 

「ひゃっ!?え!?ひふみん!?なんで!?」

 

うんうん、引き籠りたいよね。と思っているとひふみん先輩がそんなの関係ないね!と言わんばかりに話かけて謎の黒髪少女、姫ちゃんさん(仮)がかわいらしく驚いていた。

うんうん。当然だけど自分の世界に入って遊んでいる時に話しかけられると死ぬほどびっくりするよね。

しかしどうしよう、まだ話しても無いのにすごいシンパシー感じてるんすけど・・・俺も全力で引き篭りたいです。

 

「姫ちゃんにね、お願いが・・・あるの」

 

「えっ!?えっ!?なんで!?部屋ロックしたのになんで入ってこれたの!?え!?」

 

はじめて見るグイグイ行くひふみん先輩とめっちゃ慌ててる姫ちゃんさん。うんうん。どこに籠っても、隠れても突破されるのってビビるよね。どうやらこの姫ちゃんさんも部屋を突破されて大層慌てているようだ。この扱い、まじシンパシー感じる。

 

「姫ちゃんにね、お願いが・・・あるの」

 

「え!?まさかのスルーなの!?答えないと進まないやつなの!?なら答えはノー!よ!!」

 

「姫ちゃんにね、お願いが・・・あるの」

 

「拒否の選択肢が無い!?でも、い!や!よ!!」

 

やべぇ・・・こんなひふみん先輩はじめてだ・・・でも、悪くない。そして、そんなひふみん先輩になみだ目になりながらも必死に抵抗する姫ちゃんさん。本格的にシンパシー感じてきた。お願いする立場で来ておいて何だけど、すごい姫ちゃんさんに味方したい。

 

「姫ちゃんにね、お願いが・・・あるの」

 

「い・・・・いやぁ・・・・!!さっき、さっき仕事が終わったばっかりなの・・・・やっと、やっと休めるの、やっと遊べるのよ?ひふみん・・・!」

 

いやいやして泣きながら必死に抵抗する姫ちゃんさんについに俺の涙腺も崩壊してしまった。ぶわぁっ!と胸の奥から込み上げてくるものに思わず両手で口元を抑えてしまう。

やめてっ!私の為に仕事をさせないでぇっ!と板挟みに会うヒロインの気持ちだ。うん、もう十分だよ、ひふみん先輩に声を掛けよう・・・。

 

「あ、あn「仕事、しなさい。」・・・ひゃい!」

 

おっと、俺じゃなかったのか。しかし、唐突にひふみん先輩のオーラが変化して女王様のような雰囲気になりながら姫ちゃんさんに命令していた。唐突な変化にハチマンびっくり。姫ちゃんさんも超泣いてる。・・・しかし、ぞくぞくしていたのは内緒である。後で俺もやってほしいとか全然思ってない。ないったらない。

 

「い、いやぁーーーー!仕事したのになんでまた仕事しないといけないのぉ!?かえれぇーーーー!!!!」

 

「おわっ!ちょっ!」

 

しかし、姫ちゃんさんもさるもの、ひふみん先輩の命令にも必死に抵抗を続けている。正直俺ならもうあきらめているところだが、こいつ、無茶しやがる・・・・!

まぁ、必死の抵抗と言っても、ゴミ等の近くにあるものを適当に投げつけてくるだけで、それをひょいひょいとよけながらひふみん先輩は静かに近づいて行く。なんだろう、今日のひふみん先輩はすごい頼もしいっす!

 

ちなみに俺はさっきから空気。ちょう空気していた。最初にねんどいろのうまるちゃんが飛んできておわっ!てしながらキャッチして以降はひたすら傍観していた。あの生き方、マジリスペクトっす。

だって、ねぇ・・・?ゴミやらポテチの袋やら下着やらおもちゃやらブラジャーやら飛んでたら近づけないってなもんでして。おもちゃだらけの『姫の城』をちらっと見るだけでもそんな下着的なデンジャーな物体がチラホラと見えるわけでしてええ。

もちろん?見ないようにしてますよ?たまたま目の前に落下した間違いなく小町や北上よりも大きくて、大井やひふみん先輩に負けるとも劣らない双丘につけるアレとか?でかいなーとか、ピンク!とか全然考えてないし?せ、世界平和のこととかしか考えてないし?

 

そんな事を考えたり脳内メモリーにしっかりと記録したりしている間に姫ちゃんさんはひふみん先輩にガッチリ捕まり説得され泣いていた。

聞こえない、キコエナイ。「た、たすけてぇーーーー!」とか「いやぁーーーーー!!」とか「引き籠っていたいのにぃーーーー!」とか全然キコエナイ。最後のは激しく同意ではある。あ、聞こえてましたね、サーセン。

 

そうしてどたばたした後、俺の存在に気づいた姫ちゃんさんとひふみん先輩。当然俺の目の前に落ちているピンク色のあれにも気づいたり、部屋にちらほらと見える下着的なものにも気づいたりしたようでして。ええ。

先程までの必死の抵抗による涙目を羞恥の籠った涙目に変換して顔を真っ赤にした姫ちゃんさん。や、やべ、と思ったのも時すでに遅しで。

 

「い、いやぁーーーーーー!!みーーーーなーーーいーーーーでーーーーーー!!」

 

「す、すみませんっ!」

 

という叫び声とともに『姫の城』から飛び出したのであった。それで、しばらくして部屋の掃除が終わった姫ちゃんさんとひふみん先輩が俺を入れて冒頭に至ったのであった。

んで?結局この姫ちゃんさんって誰?なんか初対面のはずなのに周りからの扱いとか考えとかすごい親近感が沸いててぱないんすけど。生き別れの兄妹かなって思ったれべる。まぁアホ毛が無いので違うのだろう。

 

そうして回想を終える頃には姫ちゃんさんもなんとか立ち直れたらしく、ようやくまともに相対することができた。よく見ると、この姫ちゃんさんまじで美人だな。ポンコツかわいい美人さんとかどこのジャンル向けなのだろうか?俺か。

 

「うん、もう大丈夫よ、ひふみんありがとう」

 

そういってひふみん先輩に微笑む姫ちゃんさん。だが彼女は気づいているのだろうか、そもそも彼女を泣かせた張本人がひふみん先輩だということに。優しい微笑みを浮かべながら静かに頷くひふみん先輩を見て思う。これがマッチポンプというやつか、と。

まぁ空気読んでなにも言わないけどね?なんか微妙に似たようなシチュに身に覚えがある気がしないでもないが、気にしたら負けだろう。

 

「では、改めまして自己紹介を、私の名前は、えー・・・今は刑部姫って名乗ってます♪親しみを込めておっきーとか、姫ちゃんって呼んでね♪」

 

そう名乗る刑部姫さん(仮)、なんか見た事ある人だなーって思ってたら、ひふみん先輩がはまっているFGOと同じ人じゃないですかぁー!って思った。そんでひふみん先輩を見たらどうやら犯人はこの女神様とのこと。つまり?刑部姫のキャラはこの姫ちゃんさんを参考にして作られたらしい。なにそれひふみんしゅごい。そしたら人気が出たもんだから今後は刑部姫って名乗るようにしてるらしい。正直何言ってるのか意味がわからなかったけどなるほどって思うことにした。たぶんこの辺は大井とか北上とか第六駆逐隊とかと同じようにあまり深く考えてはいけないのだろう。

 

「あ、はい。よろしくお願いします。」

 

「んもぅ、硬いなぁ!もっとフランクに呼んでくれてもいいのよ?」

 

「あ、はい。善処します。自分は比企谷八幡です」

 

「おぉー、君があの”リア王”かー・・・なるほどー」

 

んぐっ、あやうく変な声がでるところだった。マジたまにそれでひそひそされてるのは知ってたけどさぁ・・・・

 

「そんな名前の人知らない」

 

とプイっと視線を姫ちゃんさんから背けるとひふみん先輩と目が合った。そうしたらひふみん先輩は優しく微笑んでくれた。

あぁ、ひふみん先輩まじ癒しの女神!そう思いながら俺も微笑む。この微笑み空間マジプライスレス。まわりおもちゃだらけだけど。

 

「おぉー・・・超絶コミュ障で男の子苦手なひふみんが・・・・さっすがー!」

 

「うん、ハチ君はすごい良い子なんだよ?」

 

「さっすがー!」

 

なんだろう、この2人すごい仲良しだな・・・ひふみん先輩がこんなに自然に話してるの初めて見た。

まぁ、そのなんだ?何がさすがなのかはこの際触れないで置きますかね?そろそろ本題に入りたいし。しかしそんな俺の考えなど知るもんかと言わんばかりにひふみん先輩と姫ちゃんさんの話は続く。

 

「ふんふん、いいじゃない、いいじゃないの」

 

「え、あの?ちょっと?」

 

ふんふん、と言いながらニヨニヨしつつ距離を詰めてくる姫ちゃんさん。いや、マジ近い。なんかいい匂いがするし、ちょっと前かがみに近づいてきてるからその豊満なお胸様が良い感じに強調されてるしで、あわ、あわわ・・・

 

「っふ。隙あり!」

 

「にょわぁっ!?」

 

あわ、あわわ・・・ってしてたら姫ちゃんさんの目がキラーンってして飛びついてきたで候。拙者の右腕に抱き付かれたでゴザル。むにゅんってしたふたつのあれがとても素晴らしいでゴザル。

 

「ふふーん!ねぇ?姫が胸を押し付けていることについて何か一言!ドキドキするとか、イチャイチャしたいとか、そういう事ありませんかー?」

 

「あ、あの、しょの・・・・」

 

ニヨニヨしてムニュムニュさせる姫ちゃんさんに俺の割と優秀だと信じてた脳みそもオーバーヒートしていた。が、それもつかの間。素晴らしく柔らかい双丘が離れていく。

 

「あいたっ!もー!何するのよひふみん?」

 

「た、たすかった・・・」

 

「・・・・・・・」

 

あわわってしていたら、姫ちゃんさんが離れてくれたって思っていたが。どうやらひふみん先輩が助けてくれたようだ。危なかった、これが万乳引力ってやつなのか・・・・恐ろしい。しかしひふみん先輩が静かだ・・・

 

「あ、あれ?ひふみん?なんで表情消えてるの?こ、怖いんですけどー?なんで右手を振りかぶってるの!?あいたぁっ!」

 

「・・・・・・・・・」

 

俺が荒ぶるハチマンを鎮める儀式をしていると、最初こそニヨニヨしていた姫ちゃんさんがまたもやちょっと涙目になって叩かれていた。えぇ!?ひふみん先輩のハイライトが消えて表情が!こわい、ひふみん先輩がこわい!!とか思っていたら、今度はひふみん先輩に先ほどとは逆の左腕を確保されてしまう。あわわ!たわわに挟まれた左腕がすごい。もうすごい。俺、今日死んじゃうかもしれん、そう思えるくらい幸せな感触だった。

 

「だめ、ハチ君はあげないよ?」

 

「ふ~ん、そうなんだ~♪」

 

ニヨニヨしたり、プンプンしたりと、そんなやりとりがしばらく続いていた。話ができねぇ・・・・

 

「あ、あの、ひふみ先輩。そろそろ説明してもらえませんか?」

 

「「???」」

 

俺が、そう切り出すと2人そろって首を傾げていた。正直めちゃくちゃかわいいと思いました。

つか、ひふみ先輩が紹介してくれるって話じゃないですかーって視線を向けると思い出してくれたようで、ハッ!とした表情になる。明らかに忘れてましたねぇ・・・

 

「そうだ、姫ちゃんにお願いが、あるの」

 

「あー、はいはい。わかりましたよー。そのかわり今度こそ終わったら引きこもるからね?」

 

おぉ、ようやく話が進められそうだ。えと、なにしに来たんだっけかな・・・ブラジャーを見に来たわけでも、引き籠りの更生に来たわけでも、お胸に挟まれに来たわけでもなくて・・・・あれえ?

 

「ビットの事でね?もう少し、使いやすくして欲しいの」

 

「ビット?え?オートで飛ばせるようにしたでしょ?頑張ったんだから!」

 

「うん、でも、遅くて避けられちゃうんだって・・・・」

 

「えっ?うそでしょ?嘘よね?オールレンジ攻撃よ?避けられるわけないでしょ?」

 

おお、そうだった、そうだった。ビットについて相談に来たんだった。ん?しかしこの話ぶりからするとこの姫ちゃんさんは関係者だったのか?

そんな俺の視線を理解したのかひふみん先輩が優しく教えてくれた。

つまり、玉狛で開発したのはいいけど、使い勝手が悪いからオートで飛ばせるようにしよう。そう考えたけど、そのプラグラムが難航していたらしい。そこで立ち上がった、というよりもひふみん先輩によりやらされたのがこの姫ちゃんさんらしい。

え?って聞いたら、なんとこの姫ちゃんさん、バイパーやハウンドの開発にも関わっていたり、ボーダーのシステムのプログラミングとかを結構な頻度で担当していたらしい。マジかーって目で見ていると、その豊満な胸を強調しながらフフーン!とドヤ顔を浮かべていた。くそ、可愛いな。

 

 

「はぁ、すごいですねバイパーとハウンド作って、このファンネルもプログラムをしてたんですね」

 

「フフーン!わざわざ動くの面倒だから作ってみたのよ!」

 

「なるほど」

 

うん。すごい納得。俺が最初バイパーを選んだのも同じ理由だったのを思い出した。え?弾道引ける?それ動かなくてもいいってことじゃね?って思って使ったあの時の俺の考えはまさかの開発者と同じ発想だったとは・・・まじでこの姫ちゃんさんに共感しすぎててやばい。

 

「え?っていうか、あれって10機あるのよ?避けられる訳ないじゃないの」

 

「いや、全然当たりませんでした」

 

「うっそだー!姫、いきなりひふみんに言われて一生懸命プログラムしたのよ?休まず頑張ったのよ?」

 

「これ、その時の映像です」

 

ファンネルが当たらないことが納得できなさそうな姫ちゃんさんに小南との対戦映像をみせる。そこには到底回避不能っぽいファンネルによる攻撃を避けまくる小南が映し出されていた。

その映像を信じられないという表情で姫ちゃんさんは見ていた。い、いたたまれない・・・・!

 

「うっそだー・・・・これ人間?なんでこれ避けられるの?」

 

「・・・まぁ、その気持ちは痛いほどわかるんですが、アタッカーの上位陣にはたぶん当たらないかなーなんて。」

 

「う、嘘よ!姫があんなに一生懸命作ったのが、そんな簡単に避けられるわけないじゃない!?嘘よね!?」

 

「・・・その、すみません・・・」

 

「どん・・・・まい?」

 

「いーーーーーやーーーーーーーー!!また作り直し!?また仕事なの!?お願い!!引き籠らせてぇーーーーー!!!!」

 

そう叫びながらわんわん泣き始めてしまった姫ちゃんさん。

その悲しみの慟哭はひふみん先輩がナデナデしながらもしばらく続いたのであった・・・。

 




と言うわけで、出てきたのはFGOの刑部姫でした。

こういう感じで新キャラポンポンだすと低評価もポンポン付くのですが、しょうがないんです。こういうのやりたいからSS書いてるんですもの!!サーセン。

クロスさせすぎてキャラ出しすぎるともうてんやわんやになるのでやりすぎに注意したいのですが、おっきーはしかた無くないですかね?なくなくない?なくなくないですかね?

まぁ、そんな感じでもオッケーだよって思ってもらえると嬉しいです。

そんなこんなで今回もワートリ感ゼロな今作ですが、次あたりはワートリキャラちゃんと出ますから!!これからもよろしくお願いします!!


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比企谷隊の教導8 そうしてボッチは持たざる眼鏡に会う

こんばんわ、教導編8話です。

さて、今期のアニメの話でも、とりあえずジャストビコーズがやばい。
ちょうやばい。ずるーいって感じ。
なにがやばいかって、夏目と小宮さんがかわいいし、夏目と泉のすれ違い方がもうやばい。気になって全くポチポチが進まなかったのです。仕方ないネ!!

そんなこんなで8話です。いい加減原作キャラを絡ませようと思います。つかもうちょっといろいろとやんちゃをしたら原作突入させようかと思います。

そんなこんなで8話です。


ー ランク戦ブース -

 

刑部姫こと、姫ちゃんさんとの出会いから数日たった現在。俺はというと、なんとなく手持ち無沙汰の為、C級ランク戦のブースに来ていた。

 

本当はファンネルのプログラムの改善を模索しているであろうひふみん先輩と姫ちゃんさんの手伝いでも、と思っていたのだが、残念ながら俺にはプログラムやらの話はさっぱりだった。そのため、速攻で役立たずの烙印を押されていた役立たずな俺は役立たずなりにひふみん先輩の穴を埋めるべく自身の隊室に戻り書類仕事に精を出しまくっていた。

 

全力で書類仕事をしまくった結果、永遠とも思える書類仕事も先日無事に完了いたため今日は訓練のためにここに来ていたのだった。

ちなみに終わった後、訓練に行くわ、と大井に言ったらまじめに働きすぎてて逆に心配されたのは心外だった。え?じゃあ寝てていい?って言ったらちょう怒られたのも心外だった。そんなちょっと期待するような事言わないで欲しい。これが上げて落とすというやつか。それはさておき、きょろきょろとあたりを見回して目的の人物を探すなう。

 

「さて、那須か出水あたりでも居るといいんだが・・・」

 

広いランク戦ブースを見渡すと、周りには隊員がたくさんいた。あれ?いつもより多くね?と思ったものの、あ、そういえば今夏休みだっけ、と思い至る。ふむ、仕事の記憶か泣いてる記憶しかないですな・・・・。泣きたい。

いやいや、そんな事を考えるのはやめよう、泣きたくなるからね!ようし、切り替えよう!訓練!訓練!ヒャッホー!!・・・・泣きたい。なにこれ完全にデッドロック状態じゃね?

 

そんな感じで無理やりにテンションを上げようと模索しながら、訓練相手をしてくれそうな隊員を探す事しばらく、うろうろ、きょろきょろしている俺、まじ不審者。

ふとC級の対戦を見ると”やっちゃえ、バーサーカー!!”とか”別に、倒してしまっても、かまわんのだろう?”とかなんとかブースから聞こえるが、なにをやっているのであろうか・・・すごく・・・気になります。

 

なんだかんだで俺がコスプレしまくっているせいか、いやさせられているんですけどね?なんかC級にネタに走りまくってるのが増えてて気になる昨今、城戸司令辺りからいつ怒られるかとビクビクしている。だ、大丈夫だよね?

なんか別の方でも”やっとわかった、お前は存在しちゃいけないんだ!”とか、え?むしろお前のがやばくね?って感じの隊員や”グゥーレイトォー!!”とか言ってる隊員が居たりでせめて作品は統一した方がいいんじゃないかと後でアドバイスしようと思いながらも、うろうろ、きょろきょろ・・・・。

 

「比企谷さん、発見なのです!!」ズビシッ!!

 

「でかしたわ電!総員突撃!!目標(比企谷)を確保するのよ!!!」

 

ははは・・・ずいぶんとにぎやかだね?どうしたんだい?っていうかこのフレーズ聞き覚えありすぎるなぁ・・・これあれでしょ?いつものだよね?しかし!今日の俺は一味違うのだ!

 

「トリガーおn「なのですー!!」「つかまえたー!!」「はらしょー」っふぎゃーーー!!」

 

「ちょ、ちょっとー、まちなさいよー!!」

 

ズドーン!!という音と共にいつものように雷、電、響に突撃されて吹き飛ばされる俺。

ぐ、ぐふぅ・・・いいパンチっつうかタックルしやがるぜ・・・。しかし今日もトリオン体に換装するのが間に合わなかったか・・・なぜにいつも、この娘らは俺が生身の時ばかり突撃してくるのかしらん?

 

ふふふ♪と楽しそうに笑う電と雷はいつものように起き上がった俺に左右から抱き付き、当然のように響は俺の後ろから首に両腕を廻してぶら下がっている。ここまでがいつも通りのフォーメーションである。

そしておねぇさんぶってこらーっ!て言ってる暁が遅れて登場するのもいつもの流れである。しかしお腹が突撃の衝撃ですごく痛いのはなんとかならんだろうか・・・図らずも腹筋が鍛えられているのが悩みどころである。

 

「よう、いい子にしてたか?つか、いつも言ってるが突撃するときはもう少し加減して欲しいんだが・・・」

 

「なのですー♪」

「ふん、しょうがないわねっ!」

「ふふ、検討しておくよ。こんにちは、八幡」

「まったく、もう少しレディのわたしを見習ってほしいわねっ!」

 

俺の控えめな注意も何のその、まったく反省してない電と雷はニコニコしてるし。後ろにぶらさがってる響に至ってはふてぶてしい態度である。まったく、こればかりは自称レディを見習ってほしいものである。そんな事を思うも無駄なのもわかりきっていることで、まったく。可愛いは正義ってやつか?

やれやれだぜ、と心の中で苦笑いをすると、電がキラキラと目を輝かせながらこちらを見ていた。

 

「比企谷さん、訓練してほしいのです!」

 

電のセリフに響と雷と暁はうんうんとうなづいている。ふむ・・・自分の訓練のために来たがここ数日は書類仕事ばかりでこいつらの訓練を見てやれてなかったなと思い出す。

はやく俺のロマントリガーであるファンネルを使いこなし、たぶん、おそらく、きっと隠されているであろう(あると信じてるようさみん!)さらなる機能を解放する予定だったが予定を変更するかね、と考えているとさらに声を掛けられた。今日の俺、人気者すぎぃ!!

 

「よぅ、比企谷。ぼんち揚げ食う?」

 

「退避!退避ぃーーーーー!!」

 

「わー!!」

「きゃーー・・・」

「レディ的華麗なる回避の見せ所ねっ!」

「なのですー♪」

 

「いや、それまじでショックだから・・・・」

 

本気で傷ついてしまったようだ。ふん、まだまだだね。エリート(笑)が聞いてあきれるわ。つかレディ的華麗なる回避ってなにさ。

そんなことを思いながらも珍しくランク戦ブースに来たセクハラロリコンエリートを見る。ついでになにかようかい?という視線もおくる。

メンドクサイ感じでわざとらしくショック受けてる風の迅さんにめんどくせぇなって視線を向ける俺。

そんなやり取りをしている間も俺の後ろで守られている第六駆逐隊の少女達は終始ニコニコ。楽しそうで何よりである。ちなみに、この第六駆逐隊、もうすぐB級に上がるそうな。弟子である響と電と暁が戦闘員で雷がオペレーターになる予定だが、チームランク戦に参加するつもりはないらしい。

めんどいもんね、あれ。と言ったら、そうじゃなくて比企谷隊を倒してしまったらかわいそうだろう?と響が答えてきて、なんとなく、俺が育てたやつらがそこまで強くなってくれたら嬉しいな、と感じてほっこりしてしまったものだ。

そんな事を考えていたらいまだに目の前でダイジョブダヨー、アブナクナイヨーと必死に説得を試みているセクハラロリコンエリートがいた。思わず通報してしまいそうになってしまった。仕方が無いヨネ!

 

「それで?どうしたんですか?迅さん」

 

「おぉ!比企谷!心の友よ!!俺の名前を覚えてくれてたのか!!」

 

「いや、それキャラじゃないでしょ・・・んで?なんです?」

 

「ん、そうだった、そうだった。ちょっと比企谷に頼みがあるんだ」

 

「え、ダメなのです。これから比企谷さんは電達の訓練をしてもらう予定なのです」

 

だからセクハラはあっちに行くのです。とバッサー!!と一刀両断、一切の躊躇なくぶった切った。普段のほんわかキャラからは想像も出来ない程に冷たく言い放つ電。

いつもニコニコと周りを癒していた電が無表情で放ったセリフに思わずえ?と俺と迅さんが凍り付く。

 

「なーんて、冗談なのです♪」

 

凍り付いていたのもつかの間、ニコパーといつもの笑顔になった電が両手をひらひらしながら俺と迅さんに言う。

ほっ。まじビビった。と言わざるおえまい。迅さんも読み逃していたようだ。めっちゃほっとしていた。

 

「ん・・・コホン。そ、それで?頼み事ってなんすか?」

 

いまだ電の衝撃が抜けきっていないため、ややぎこちなく聞く俺に、迅さんも澱みながら応える。

 

「お、そ、そうか、よかった聞いてくれるか。こっちだ」

 

そういうと踵を返して歩き始める迅さん。まだ受けるともなんとも言ってないんだけどなーと思いながらも迅さんについていく。そんな俺の右手には電、左手に雷。迅さんと俺の間でふんふんと鼻唄してる暁と俺の背中にぶら下がってる響。なんだこれ・・・・。

周りからの視線を浴びながら歩くこと少しして目的の場所に到着したようだ。てか、ランク戦ブース内を移動しただけだった。

 

「えーと、お、いた。」

 

「え、なにがです?」

 

ただランク戦ブース内を移動しただけだとわかった電達はちょっとがっかりした感じできゃいきゃい話し始めていた。そんな様子を微笑みながら見ていると、目的の人物を見つけた迅さんが俺にちょいちょいと手招きしてくる。うん、その仕草は野郎がやってもだめだな。と思ったのでしっかりと可愛くないからNGとダメ出ししたら違う、そうじゃないと真顔で言われた。いやいや、結構大事な事だと思うんだが・・・?

 

「あれ、あのレイガストの眼鏡君だよ」

 

可愛さよりもお尻派の迅さんはそんな事には興味がないようで、そう指し示す先にはお世辞にも良いとは言えない、非常にぎこちない動きで戦う眼鏡の少年がいた。ふむ・・・宇佐美と仲良くなれそうな眼鏡である。それで?と迅さんに視線を向けると説明を始めた。めんどいから割愛しよう。

 

「つまりこういう事ですか?なんとなく彼が今後のキーパーソンになりそうだから鍛えてちょ。と?」

 

「そうそう、まだはっきり見えてないから何とも言えないんだけどな。でも今のままじゃB級に上がれないどころかポイントが無くなりそうだから、最低限でいい、弟子にしなくてもいいから教導隊の範囲で彼を気にして欲しいんだ」

 

「なるほど・・・・」

 

そう言った迅さんの視線の先で対戦している眼鏡の少年を見る。まだ入りたてなのだろう、動きはぎこちないし、運動もさして得意ではないだろうその動きを観察する。

はっきり言ってしまえば弱かった。タブレットを見て本部からもらった資料の中から彼の情報を調べると、入隊ラインを下回るトリオン量とパラメータが表示されていた。どうやって入ったんだってばよ・・・と迅さんを見るとニヤリと笑っていた。なるほどね?

さらに入隊時の訓練成績をみても対ネイバーの戦闘訓練では時間切れ、他の訓練においてもさしてめぼしいものは見られなかった。だが・・・・。

 

「な?ああいうやつ、嫌いじゃないだろ?ほっとけないよな?」

 

「はは・・・そうっすね」

 

ニヤリと笑う迅さんに俺も応える、答えてしまう。

確かに、嫌いじゃない。まだまだ弱いが、その眼は、ひたすらにまっすぐだった。

入隊理由もまた俺と似たようなもので、はは、たしかに、たしかに嫌いじゃない。むしろあれだ。

 

「どうだ?」

 

そう聞いてくる迅さんだが、その表情はもう俺がなんて答えるのかを確信しているようだった。

 

「しょうがないですね、迅さんの頼みですからね。出来るだけ面倒みますよ」

 

だから俺も、俺らしく応えよう。そう考えながらニヤリと迅さんに応える。

 

そりゃ安心だ、頼んだ。と言って迅さんは去っていった。おい、ぼんち揚げ置いてくなよ、いらねぇって。

しょうがない、と迅さんが置いていったそれを電達に渡す。わーい♪とニコニコしながら食べ始める彼女達を眺めながらこれからの事を考える。

 

ファンネルの練習に教導隊としての任務、というかC級隊員の訓練メニューの作成、弟子の育成と小町の安全に、眼鏡君。女神ひふみんの微笑みはプライスレス。

おいおい、そう考えると随分と大変だなぁ・・・まあとりあえずは目先の問題から順番に対応していくかね?

まったく。しょうがない、これも小町を守るためだ。ボーダーが強化されれば小町の安全にもつながるんだと言い聞かせた俺は、重い腰を上げて眼鏡の少年に近づいて行くのであった。

 

 

 

 

 




と言うわけで、持たざる眼鏡の登場?でした。

自分は個人的にチートや俺TUEE系よりも三雲君のような弱いけど頑張る系が好きでして。ワートリ原作の10巻なんかはもう神ってましてええ。記者会見のあたりはもう何度読み返した事か・・・棒か何かがあれば是非お母さんにたたいて欲しいと思ったものです。そこかよ。

あいも変わらずガンガン評価が下がってる昨今ですが、特に路線変更の予定もチート化する予定もちゃんとハーレムする予定もありませんが、今後もお付き合いいただければと思います。

それではまた次回もよろしくお願いします。




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比企谷隊の教導9 持たざる眼鏡の訓練は?

こんばんわ!教導編9話です!

今回は訓練について。基本は原作通りに進めて行くつもりのため、いわゆる魔改造的な事はしません。

でも、三雲君には活躍してほしいので微妙に強化していきます。そんなこんなで9話です。


ー ランク戦ブース ー

 

セクハラエリートとのお話を終えた俺は、第六駆逐隊と共に件の眼鏡ボーイ-三雲修というらしい、の元にてくてくと歩いていく。なんだかんだで気になるのか電達もにこにこしながらついてきてくれていた。

 

しかし、あれだな・・・さっきの対戦を見てもなかなかにこの道のりは険しいのではないだろうかと思ったり思わなかったり。いやいや、そんな弱気な事でどうする!?できる!できる!俺なら出来る!たぶん出来る!!こんなときは女神ひふみんの笑顔を思い浮かべるんだ!

そうしてなんとか気持ちを前向きにしたところで早速行ってみるかね。ちょうど三雲も休憩に入るようだ。声を掛けるには丁度いいタイミングだわさ。

 

「あぁー、その、なんだ、三雲君?ちょっといいか?」

 

「は、はい?な、なんでしょうか・・・・?」

 

「あぁー・・・・その、あれだ・・・」

 

「は、はい・・・・」

 

うむ、その、あれだね?特に何も考えずに来てしまったもんだから今更だけどなんて声かければいいんだ?これ。

たとえば、君、弱いから俺が鍛えてあげよう!とか言ったらなんかすげえ上から過ぎてイラつくし。さらっと自然な流れでアドバイスをする方向に出来ないもんかね・・・・?

そんな俺が心の中で葛藤をしている間にも律儀に不思議そうな顔をして素直に待ってくれている三雲、うん、こいつ良いやつかもしれん。

 

そんな俺と三雲のギクシャクした距離感をクスクスと笑っていた響と電がちょいちょいと俺の服を引っ張ってきた。かわいい。

ちなみに暁と雷は飽きたのかいつの間にか他のC級のところに行ってしまった。薄情者めぇ・・・。

 

「ここは私達がなんとかするよ」

 

「電達に任せて欲しいのです」

 

「お、おう。正直なんて言えば良いのかわからなかったから助かる。頼むわ」

 

へっぽこな師匠ですまないねぇ・・・。しかし俺のそんなしょうもない姿をみても電も響も特に幻滅した感じはなくにこやかに引き受けてくれた。ありがてぇ!

 

「初めまして、僕は響」

 

「電なのです」

 

「そんで、俺が教導隊の比企谷だ。よろしく」

 

「あ、はじめまして、C級の三雲修です。よろしくお願いします」

 

そうだよね、最初なんだから自己紹介ダヨネ。ハハハ!ハチマンうっかり!

 

「よろしくなのです♪それで、三雲さんのポイントはどのくらいなのです?え?最近入ったばかりなのです?負け続き?そういう日もあるのです。トリガーは何を使ってるのです?あの盾と剣の?すごいのです!」

 

とまぁ電の質問に三雲が応え、間で響が良い感じに話しかけたりとあっという間に三雲と電と響は仲良くなってしまった。しゅごい。今度から電のことを師匠と呼んだ方がいいのだろうか・・・。

そんなこんなと話しているうちに三雲の緊張も解けたようだ、よし、そろそろ本題にはいっても良さそうだな。

 

「それで、今回君に話しかけた理由なんだが、まぁ教導隊の隊長として入隊したばかりの君に少しばかり戦闘におけるアドバイスをしようと思ったんだ。迷惑でなければこいつらと一緒に訓練しないか?」

 

「え?良いんですか?」

 

「おう、もちろんだ。それが俺の仕事でもあるしな」

 

「比企谷さんは素直じゃないのです」

 

「そうだね、君の頑張りをみてなんとかしたいと思ってるのさ」

 

「いや、そんなことないからね?仕事だから、仕事だからやってるんだからね?」

 

だから素直じゃないとか関係ないのよ?と話すも電も響もニコニコして素直じゃない~と笑っていやがる。ぐぬぬ。

次回の訓練は今までのよりもハードにしてやろうと心に決めたのであった。そんなやりとりをしていると三雲の決心もかたまったようで、俺に頭を下げてきた。

 

「よ、よろしくお願いします!」

 

「おう、任された。」

 

「任せるのです」

 

「任されたよ」

 

三者三様の返答をする俺と電と響。てかなんでお前らがそんな態度なんだよ。むしろ一緒に訓練する感じで話してたじゃねぇか。まぁそんな態度も可愛いから許されるわけで。

なんとも微笑ましい態度に思わず俺と三雲も苦笑してしまっていた。

 

「さて、それじゃあ早速訓練、と行きたいところだが、その前に今の三雲がどれくらい、どんな感じで戦うのか確認だな。とりあえず5本対戦するか」

 

「は、はい!よろしくお願いします!」

 

「おう、その調子だ。思いっきりかかってこい」

 

言ってて思ったんだけど、今のセリフめっちゃ先輩っぽくない!?なんか頼れる先輩感が出せてたんじゃないだろうか。

普段の周りからの俺の扱いがアレすぎてすっかり忘れてたけど、なんだかんだで俺ってば年齢的にもボーダー内的にもそれなりに先輩風付加してもよさそうなものなのにこんなセリフ1つで喜んでる俺って・・・いや、これ以上考えるのは止めよう。

そんな俺の思考を読んだのか、電と響はくすくすと笑いながら頑張ってね先輩と俺に手を振ってきていた。恥ずかしいっス。

 

 

 

そんなこんなで対戦後、三雲の動きを観察しながら対戦していたのだが・・・・。

 

「あ、ありがとう、ございました・・・・」

 

「おう、おつかれさん」

 

さてさて、どうするかな・・・・。対戦した結果、いくつかとるべき道筋は見えたものの、どこから行くべきか・・・・。

 

迅さんとの話を考えるに、今すぐ強くしなくてはいけない、というわけではなさそうだし。三雲自身もまだ入隊したてでどのような方向性かはまだ考えているところだろう。この状況であまり俺が介入して方向性を決めてしまうのは三雲の可能性を狭めてしまうかもしれない。

 

ふむ・・・となれば俺が今とるべき方針はあれだな。三雲の可能性を広げよう。

 

「とりあえず、今後の方向性、というか、訓練メニューだが・・・あぁー、その前に三雲はトリオン体での戦闘についてどのくらい理解している?」

 

「あ、ええと、ネイバーはトリオン体でないと攻撃が通用しない事と、トリオン体になることで生身をはるかに超えた動きが出来る事、トリオン体での戦闘は特別な才能が必要で、僕はその才能が足りていない。と説明は受けました」

 

ふむ、おおよその事は理解しているようだ、トリオン量やらはあまり良く理解していないようだが、その辺はおいおいでいいかな。

 

「それでだいたいあってる。大事なのはそのトリオン体での動きだな。才能があればその分トリオン体は強力なものになるが、それだけが全てではない。むしろそこはトリオン体での戦闘経験を積んで行けばある程度成長も出来る」

 

「そうなんですか?」

 

「ああ、だから才能というよりも、スタート地点が少し後ろなだけだと考えた方が建設的だろう。後は生身の肉体を鍛える事。トリオン体を動かすのは三雲の脳だ。だから動体視力の強化やレイガストを使うのなら剣術を学んだり、戦術の勉強も並行して行う事。その中で自身に会った戦闘スタイルを模索していくのが良いだろう。」

 

「なるほど・・・」

 

以前、俺が小南に勝つために秘密の特訓をレイジさんにつけてもらっていた時に教えてもらったことだ。トリオン体に生身の筋肉は関係ないが、トリオン体を動かすのは生身の感覚である、と。だから生身で動けるようになればそれだけトリオン体も動けるようになるのだ。

その説明をされたときにレイジさんの筋肉は無駄なのか?という疑問が沸いたが、そこは聞いちゃいけないのだろうと思ったものだ。

 

「見たところ格闘技や運動をやっていたわけではないだろ?あとは戦術だな、これは本を読み、考えろ。ただやみくもに動くんじゃなくて、相手の先を読むんだ。見据えるのは30秒先の未来ってやつだな」

 

フルコントロールエンカウント いずれ訪れるであろうチーム戦を視野にいれた戦術思考だ。

かの有名な?腹黒眼鏡が得意とした戦術で、1%刻みで30秒先を思考する。文章にするとこれだけだが、実際に行うと膨大な情報量と刻一刻と変化する戦況に実際に行うことは困難を極めるものだ。

だが、三雲はトリオン量が少ないという大きなハンデを持つ。本人の目指すものと迅さんの予知にもあるように、きっとこの少年の前にも大きな選択肢が訪れるのであろう。

その時、ただ強くなっていただけでは対処できないような状況でも冷静に対応できるように教えていこう。

 

「俺がこれから三雲に教えていくことは戦い方ではなく、考え方、戦術と戦略だ。戦闘はまず生身を鍛えて、トリオン体での動きにも慣れてからだな」

 

「はい!」

 

「いい返事だ」

 

はっきりとした返事をして瞳に力強さを宿す三雲を正面から見据える。この瞳は、まっすぐで、まじめで、目標に向かって進んで行くだろう。俺の濁った瞳とは全くちがう。

 

だからこそ、俺はこの瞳を曇らせないように、まっすぐ歩いていけるようにアドバイスをしてあげよう、そう思った。

 

「よし、それじゃあとりあえずはあれだな、まずはぶれないマニュフェスト的な感じで強靭な精神を鍛えるべくひたすらこいつらの攻撃を受けてもらおうかな」

 

「・・・・え?」

 

電と響の肩に両手をのせてニヤリ、と笑いながら三雲に告げる。これは俺が最初の頃に小南と烏丸にやられたことで。とにかく相手の攻撃から目を逸らさないようにするためにひたすら攻撃を受け続けるというものだ。ガードは許可するが、反撃はNG。目をつぶる毎に時間延長という非常に過酷なものだ。

それを三雲に説明すると冷や汗をかきまくっていた。だよね。

ちょっと前に瞳を曇らせないようにとか言っときながらさっそく濁らせちまったよ、うっかりだね、てへ。

 

「んじゃまぁ、さっそくやるかね、まずは響と電の攻撃を受けてもらう。さっきも言ったが、目をつぶる毎に時間延長。反撃はNG、最初だからまずは二人の攻撃をしっかりと見ることからやってみよう」

 

「はいっ!よろしくお願いします」

 

「任せるのです!」

 

「思いっきりいかせてもらうよ」

 

「あ、ちなみに電と響は三雲に完璧にガードされたらあとで特別訓練な」

 

もう一度ニヤリ。さっきくすくす俺の事を笑った罰として超ハードな訓練をしてやろう。・・・・そうだな、以前那須と大井にさせられたあのスペシャルハードなやつだな。

 

「マンツーマンなのです!?比企谷さんに特別訓練をつけてもらえるのです?それはそれでありなのです!」

 

「そうだね、とても魅力的な提案だね」

 

あ、あれ?なんか逆にウエルカムな感じになってる?あれ?これ罰ゲームになってなくね?なんでこいつらこんな訓練好きなん?

 

あれー?と首をかしげている俺をおいて意気揚々と電と響はブースに入り、三雲も遅れて入るのを確認した俺は改めて今後の方針を考えつつ、のんびりと三雲の訓練というなの解体ショーを眺めるのであった。

 

 

 

 

 

 




というわけで9話でした。やべぇ、ヒロインズがでてねぇ…

先日、アドバイスを頂いて思ったのですが、ssを書くときの1話あたりの文字数とか、サクサク進ませた方がいいのか。それとももっとガッツリ描写した方が良いのかとか、台本形式ばりに会話文増やした方がいいのかなとか珍しく考えていました。

それで、考えたすえの結論としては、一話あたり5000文字前後、描写はこれまで通りくらい。会話も今までくらいで行きたいと思いまする。

そんな感じでこれこらも宜しくお願いします!次回は那須さん出したいなぁー!


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比企谷隊の教導10 久しぶりの那須さん登場

こんばんわ!寒いです!

今回もネタを入れまくりな回です。

そろそろ原作に突入するかなーと思います。
ワートリ1巻は冬のお話なのであとちょい教導編やったら少し時間を飛ばして原作突入します。

別に文化祭編とかいらないですよね?もう俺ガイル勢は出せないよ・・・・

そんなこんなで教導編10話です。


三雲に訓練を付け、その後にわくわく顔の電と響に特別訓練を施してから数日がたった。俺が泣いてしまった訓練をにこにこしながら電と響がこなしているのを見てドン引きしたのは内緒だ。

三雲は俺が話した通りに現在は生身の肉体を鍛えつつ、時折戦術の勉強を俺が教えたりしている。

 

そんなこんなで教導隊らしくC級の訓練をしつつ、俺自身の訓練もしていた昨今、今日は試作トリガーの試験運用のために開発部のタヌキさんのところに来ていた。おっす、おら八幡!

 

タヌキさんの元で試作トリガーを受諾した際に小町はいないのかとがっかりしているタヌキに小町のモノマネをしてドン引きされた。小町小町と言うからやったのに理不尽である。次はもう少しクオリティを上げよう。

俺はその後本来ならスナイパー用の訓練室の、いや、この場合は訓練フィールドというべきか、その10フロアぶち抜きの奥行360mのボーダー施設内で最も広い部屋で俺は開発室の作成した試作型トリガーのテストにタヌキと大井と北上とやってきていた。

 

今回の試作型トリガーの特徴、それはー

 

「誇り高き戦士よ、森の射手隊よ。押し寄せる略奪者を前に弓を取れ」

 

その特徴は、詠唱による威力上昇ーらしい。

なぜ詠唱が必要なのかは一切不明だが、おそらく作った開発部のやつがオタクかバカなのだろう、つかコレめっちゃトリオン持ってかれるんすけど・・・胸がきゅんきゅんしちゃうくらいトリオンが消費されていくのを感じている間もそんな益体もないことを考えながら詠唱を続ける。

 

「同胞の声に応え、矢を番えよ」

 

集中、集中、集中・・・・このトリガーのポイントは高火力とコントロールの難易度、燃費の悪さだ。

平均的なトリオン量ては発動すら出来ないのだ。最近の俺はトリオン量が成長期らしく、ちょっと自慢できる位になっていた。それでも出水や二宮さんには劣るのだが。

 

「帯びよ炎、森の灯火。撃ち放て、妖精の火矢」

 

そして詠唱するのは今年最も熱いヒロイン(俺的)であるレフィーヤたんの魔法である。ちなみに二番手はスーパーエターナルヒロインのクトリたんである。

目の前にある広大な空間には複数の、いや大量のターゲットが設置されていた。

 

「雨のごとく降り注ぎ、蛮族どもを焼き払え!!」

 

そして最終詠唱が終わるその瞬間、俺の周囲に山吹色の魔法円が展開される。

無駄に凝った演出だな・・・僅かでも気を抜いたら暴発してしまいそうになるトリオンのコントロールに細心の注意を払いながら開発部の余計な遊び心に笑ってしまう。

 

「ヒュゼレイド・ファラーリカ!!!」

 

解放したそのトリガー、その広域攻撃型の火炎の豪雨がボーダーの地下内に爆音と共に降り注いでいく。

次々と降り注ぐ攻撃にフィールド上のターゲットが次々に破壊されて・・・あれ?なんか壁とかにもめっちゃ穴あいてね?あれぇー?

そしてすべての砲撃が終わった後にはターゲットは残らず、すべて破壊されていた。それどころか地面には複数のクレーターと壁には複数の穴が開いていた・・・やっべぇ・・・・。

これやばくね?もしかしてすげえ怒られちゃう?俺の頭がくらくらするのは損害額に関してか、トリオンを大量消費したことによるものか・・・。

 

「「「・・・・・・・・」」」

 

「おぉー・・・・すごいねー」

 

その惨状の一部始終を見ていた大井と鬼怒田室長、やった本人である俺は沈黙し、北上はパチパチと手を叩きながら気楽に感嘆の声をあげていた。

俺や大井やタヌキさんが沈黙するのもやむなしで、広大な空間に起きた惨状はすさまじく、壁も地面も目も当てられないくらい穴だらけな状態に冷や汗がいっぱいだった。

 

「が、がはは!勝ったな!!想像以上の威力だわい!!がははっ!!はぁー・・・・やっべぇ・・・どうしよ・・・」

 

「いやこれ威力ありすぎですよ、俺のトリオン量でももうほとんど残ってないとかどんだけ燃費悪いんですかこれ、あとなんで詠唱?狙いも付けられないですし」

 

ひとしきり笑ってから後始末に頭を悩ませるタヌキじじいに、ですしおすしと突っ込む、確かに威力はすごいけど、市街地の防衛を主な任務としているボーダーにおいて残念ながらこのトリガーの出番はないだろう、広域すぎて細かいとこ全然狙えないし。つかそれなら天羽にでも任せたほうがよっぽどいいだろう。

 

「うむ,やはりそう思うか!雷蔵が今の旬はこっちだと言っていたのだが、やはり詠唱といえばドラグスレイブじゃろ!!」

 

いや、そこじゃねーから!思わず心の中で突っ込みながらもまぁメンドイからいいや、とその後は適当に受け答えしながら開発室の手伝いは終了した。

詳細はあとでレポートを作成することにして俺達は訓練場を退出した。

 

 

 

 

「いや、しかしあれは無いな、なぜに広域殲滅型のトリガーを作成したんだ?どこかに侵略でもするつもりなのか?」

 

「どうでしょうね?天羽さんのブラックトリガーのような戦力が必要になることも考えてだとは思いますが・・・」

 

「すごかったねぇ~?」

 

そんな話を大井と北上としながら通路を歩く俺達だが、正直に言おう。たぶんあれはアニメの影響だろう、と。

なぜなら先に受け取っている資料を見たところ、今後の試作予定のトリガー一覧があり、そこには今回のヒュゼレイド・ファラーリカ以外にもエアリアルやウィンフィンブルヴェトルやドラグスレイブ、ガイアクラッシャーとかガドウィン直伝竜陣剣とかメガンテとかエクスプロージョンとかマテリアルバーストとか・・・おい、最後の方ほとんど災害クラスの威力じゃねぇか・・だいたい効果が同じだし。もっとこうあるだろう?エアリアルは普通に使い易そうだけどさ?しかもガドウィンって誰も知らねぇだろうが。他にはほら、なんだ?万象一切灰燼となせてきなやつとか?あれ?これも同じか・・・難しいな。

そんな事を考えながら大井と北上と他愛もない会話をしながら歩くと通路の向こうからなんか黒いオーラを放ちながら歩いてくる乙女がいた。あ、これあかんやつや、逃げたい。

・・・が、明らかに彼女の瞳は俺をタゲっていた。俺が何をしたって言うのさ・・・ぐすん。

 

「よ、よう那須・・・どうしたんだ?」

 

「・・・・来て?」

 

ちょっと那須のオーラにビビったけどなるべくにこやかに話しかけた俺にちらりと視線を向けただけで那須は一切取り合ってくれなかった。

大井と北上にはにこやかに「八幡君、借りるね?」と有無を言わさないオーラを放ちながら告げる。正直後ろのオーラが怖い。そんな那須のオーラに当てられた大井と北上は何も言えずにただただ首を縦に振るだけであった。涙目でうなずく2人がちょっと可愛いと思ったが、その直後に那須ににらまれてしまった、サーセン。

大井と北上がうなずくのを確認した那須は俺の手を掴んでそのままずかずかと来た道を戻っていく。あの、そっちはランク戦ブースだよ?あとさ?大井と北上には聞いて俺には何も確認してくれないんすかね?あ、無しっすか、そうっすか。またもちらりと睨まれた俺はおとなしくついていくしか選択肢が無いのだ。しかし、これは・・・

 

「・・・・なんかあったのか?」

 

「・・・・大丈夫。でもちょっと訓練に付き合ってほしいの」

 

「・・・了解だ」

 

何かがあったのだろうが・・・・言いづらいのか?・・・ふむ、ならばここはいつも訓練に付き合ってもらってる事だし、那須のストレス発散に付き合いますかね?

別に、ハチの巣にされればいいのだろう?・・・全然かっこよくないな。俺にはアーチャーのようなイケメンになる才能はないらしい。まぁ知ってたけど。そもセリフが残念すぎるな、オラこんなアーチャーいやだ。

 

「ごめんね?」

 

「ん?まぁ問題ない。これも訓練だしな」

 

「ふふ、ありがとう。あ、今日は例の試作トリガーで戦って欲しいんだけど大丈夫?」

 

ほう・・・?俺のロマントリガーとの対戦をご所望とな?良いのかい?

先日俺のロマン力が一定以上の経験値を積みレベルアップした結果、我がファンネルは見事、霊基再臨を果たしたのだ。

それにより新しいスキルを覚えたのだが、早速それを実践投入して良いとおっしゃるのかね?この美少女は。あれ?那須ってよく見るとめちゃくちゃ美少女じゃね?まぁ知ってたけど。

 

さっきまでむすっとしていた顔も会話して少し気が紛れてきたのか朗らかに微笑んでいる那須を見て、俺は慌てて理性のシールドを強化していく。顕現せよ!ロォォォーーード、キャメロットォォォォォーー!!

那須は気づいていないのかもしれないがさっきから俺の腕に那須の胸がぎゅむっと当たっているのだ。大井とかひふみん先輩、姫ちゃんさんに比べるとささやかなサイズだが、それでもすごくやわらかい。女の子ってのはどうしてこうも柔らかいのか・・・いやいや、そうじゃなくて!

俺が逃げないようにするためか、最初はただ腕を掴んでいただけだった那須だが、いつの間にか腕を組み、そこから抱き付くような感じになっていた。正直ちょっと歩きづらいのだが、那須からの少女らしい甘い香りや柔らかな双丘に俺の意識が腕に持ってかれそうなのを必死に意識しないように理性のシールドで防ぐ。さっきからパリンパリン割れてるけど・・・その都度シールドを張り直すのだ。攻撃力高すぎぃ!

 

「お、おう。そういう事なら俺も試作トリガーの訓練したいから望むところだ」

 

俺が意識しないようにと必死になっているのを知らない那須は俺のその返答に再度ふふ、ありがとうね?と微笑みながら応えてさらに俺の腕をぎゅっとしてきた。

ふなっ!?と那須の表情を見ると少し顔を赤くしていて・・・ってこやつ、確信犯か!?俺の純情な反応を見て楽しんでいたのか!・・・ありがとうございます!ってそうじゃなくて。このどSさんめ!

 

恥ずかしいんだが?という意思を込めて那須をじとっと見つめていると、那須もそれに気づいたのかてへっとウインクしながら微笑んできて。それがもう可愛いのなんのって、思わず、ったく、しょうがねぇな。って思ってしまう。

結局その後も俺の腕を放してくれない那須と会話しながら歩いていくことになってしまった。もう一回宝具を使用したのは言うまでもないだろう。NPのチャージの速さには自信があるのだ。

 

 

 

 

 

 

「あ?なんだ、そんな事で怒ってたのか?」

 

「そんな事って、私の大事な八幡君がバカにされたら怒るよ」

 

そんなこんなで理性の宝具を連射しながら那須が怒っていた理由を話してくれていたのだが、そんなさらっと大事なって言わないで欲しい。勘違いしちゃうじゃないか。ん?でも前に好き的なこと言われたから勘違いでもないのか?いやでもどうなんだ?これ実は恋愛的なあれじゃなくて、大事なストレス発散対象的な意味合いじゃないよね?とか、そんな益体も無い事を考えて、そうか、とだけ答えてごまかしてしまう。

 

「あんな根暗のボッチより俺達の方が面白いぜ!って、どこがおもしろいの?って聞いたらつまらない自慢話をし始めてね?八幡君のほうが面白いのに・・・」

 

「そいつの言ってる事は正解じゃねぇか。ちょっとはお前らのおかげでましにはなったが、今でも根暗のボッチ体質だぞ?」

 

「まぁそうなんだけどね・・・?」

 

「そこは少しくらい否定して欲しかったよ・・・・」

 

「ふふ、そうだね?」

 

ふぅ・・・もういつも通りになったかな?後はお菓子でも差し入れしてやればオーケーかな?女子は甘い者が大好きだからな。キャンディー、クッキー、ロールケーキ!って羊に乗ってる風邪気味のサンタさんも言ってたしな。

 

結局そのなんちゃらゆう那須をナンパしたなにがし君は熊谷と那須にボロクソに言われて泣きながら帰ったらしいが、腹の虫が収まらないという事で俺を捕まえに来たらしい。ふむ、俺が原因ならしょうがないか・・・?

 

その後那須と腕組みしながらランク戦ブースに来たせいかやたら注目されていたが、大丈夫、最近の俺のスルー力はぱないのだ。このくらいヨユーヨユー。

 

ヨユーヨユーと自己暗示していたらいつの間にか那須と熊谷が合流していつの間にか那須、熊谷タッグ対俺という対戦が始まっていた。ワオ!まぁ俺のファンネルは一度に複数の相手を出来るから問題ないどころか、むしろありがたいくらいではあるのだ。

 

 

 

その後、那須、熊谷タッグとめちゃくちゃ対戦した結果、ファンネルの想像以上の軌道に翻弄された熊谷と那須には対戦が終わった後割と文句を言われた。理不尽な。

正直小南にスイスイ避けられてちょっと自信消失していたのだが、流石にB級の熊谷には普通に脅威だったらしく、うざいと真顔で言われた際には涙してしまった。それ俺の事じゃないっすよね?

 

そしてさらに数日後、俺と那須が腕組みしながらランク戦ブースに来た写真が撮られていてすげぇ大井に説教されたり、付き合ってるだのハーレムだのとメンドクサイ噂が流れたのはまた別の話である。

 

 

 

 




というわけで、10話でした!

いろいろ技名思い出していたら古い作品を思い出してしまった。ガドウィン・・・。
今回はそんな回でした。
まぁあいかわらずとくに何があるという訳でもない日常回?です。

いやはや、今期のアニメも続々と終わっていきますが、今期の一番はやはりあれですよね?ブレンドS。これです。自分も下げずんだ目でキタナイ・・・って言われたい。このゴミムシが・・でも可。あとはあれです、justbecause。うん、これだ。ラストが楽しみです。

という訳で次回もよろしくお願いします!


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比企谷隊の教導11 夏休み終了のお知らせ

こんばんわ!教導編11話です

という訳で、夏休み終了のお知らせです、いま年末だけど。

今期もいろいろとアニメが終わりまして、でも来年はフルメタがあるわけでして、もう今からテンションアゲアゲな感じなのですよ。

教導編はこれで終わり、次回から原作突入していきます。原作は12月スタートではありますが、その少し前まで時間が飛びます。つまり、文化祭編はないのだ。

そんなこんなで11話です。



「え?もう夏休みおわるの?」

 

那須アンド熊谷コンビと訓練をしたその後、ちょいと休憩と三人で座って会話していた際、唐突に、さらりと那須から俺に告げられた事実。現実から必死に逃げようと脳が理解を拒否していたため、俺は思わず聞き返してしまっていた。ぱーどぅん?あとね?近すぎなイカ?俺の左右で挟み込むように那須と熊谷が座っていて、それぞれの腕がぴったりとくっついているのだが?いやしかし近すぎる美少女も問題だが、なんか今那須が聞き捨てならない事を言わなかったか?

え?嘘だよね?夏休みだよ?一番長い休みで夏に休むと書くあれだよ?ホントにもう終わるの?仕事した記憶しかないよ?

そんな絶望にのまれながらも嘘だよね?と言う俺の表情を読み取った那須は非常に残念ですが・・・と余命宣告を告げる医者のような深刻な表情で首を横に振った。まじか・・・!

 

「う、うぞだドンドコドーン!!」

 

そのあまりにも悲しい事実を理解してしまった俺はあまりの絶望にここがランク戦ブースだという事も忘れて両手、両膝を地面について絶望してしまう。おーうおうおう!と男泣きである。それくらいの絶望だ。

おかしいな・・・。今年の夏は小町と海水浴に行ったり、北上と夏祭りにかき氷食べたり、大井と花火見ながら花火の音にかき消される系の告白ごっこをしたり、ひふみん先輩とコスプレしてそのままひふみん先輩をアイドルデビューさせたり、姫ちゃんさんとボーダーの屋上に城を建設する計画を建てたりとかいろいろやることあったはずやん!?むしろそれぞれで一話ずつ使っても良いくらいなのに!?まじで休み終わるの!?いや、実際時間あってもやらないけどね?祭りとか人いっぱいだし?最後の方とか訳わかんねぇし。ただ、休みが無かったかなーってね?

だから、念のため、もしかしたらって事もあるし?う、うそだよね?という表情でもう一度熊谷を見る。・・・が、やはり同じように首を横に振っている。悲しい表情っぽいけどすこし笑ってる気がするのは気のせいだろう。

 

え?マジで?嘘でしょ?と再度、もう一度那須を見てもやはり首を振っている、心なしか那須も楽しそうな表情をしているのは本当に気のせいだと信じたい。いくらなんでも俺がショックを受けてるのを楽しむようなどSでは・・・・あるなぁ・・・。いやいや、気のせいでしょ、そうだと信じたい。

 

「だって、だってさ・・・夏休みなんだぜ?」

 

戦闘に巻き込まれて仲間たちと逃走しようとしたが、目の前で親友を失ったけどその事実を受け止められずにいる主人公のような表情で那須に再度しつこいくらいに聞いてもやはり終わってしまうらしい。・・・・・なんだこのめんどくさい表現は、我ながら脳みそがちょっとあれな感じになってるようだ。

 

「いやいや、ランク戦やったり、教導隊入ったり・・・いや、作ったりか?あとは訓練したりさせたり、泣かされたり試作トリガーの試験したり、訳わからん雑誌の意味不明な取材受けたり、意味不明な特集にぶち切れた大井をなだめようとして騒動に巻き込まれたりとか、仕事した記憶しかないんだが!?俺の休みはどこにいったんだ!?!?」

 

ちなみに、教導隊の取材はまだいいとして、いや良くないけど、かみかみだったけど、恥ずかしすぎてひふみ先輩とちょっと泣いたけど。その後の大井への取材がやばかった。すげえやばかった。

北上とセットでとか教導隊としてでは無くて比企谷隊から大井だけが、那須隊からは那須が、加古隊から加古さん、他にも月見さんとかひゃみさんとかで特集を組んだらしい。

なにそのラインナップ?と聞いたが、なぜか大井も知らされてないらしく、ただちょっといつもと違う感じで取材やら撮影があったらしい。鞭持ったりろうそく持ったりとか下げずんだ目で撮影したりとかしたらしい。それを聞いた俺はなぜやったし・・・と思ったが、そこは言ってはいけないだろうと空気を読んでいた。

 

その後なんだったんだ?という各員の疑問にふらりと現れた迅さんが説明したところによると。ボーダーのどS特集だったそうな。いやいや、ろうそくとか鞭持つ時点で断ろうよ!?と俺は思ったものの、なんかそのまま進行していらしい。

しかし、どS特集という事実を知らされた女性陣はもう大噴火。激おこカムチャッカである。それにより迅さんは瞬く間にぼこぼこにされ、その特集を組んだキツネの根付室長も説教され、さらにそれを止めようとしていた俺も巻き込まれて説教されたりていお仕置きされたりしてひどい目にあったものだ。しかもその一部始終も撮影されていたらしく、非常に評判がよかったらしい。もうこの組織やだ・・・。

 

つかさ?大井とか那須は解るとして(って言ったらすげえ怒られた。自覚しよ?)月見さんとかひゃみさんは普通にすげえ優しいのに確実に見た目で呼ばれてたでしょそれ・・・・クールだもんね、2人とも。さすがにどS特集で呼ばれたって言われてた時は複雑な表情してたけどもさ・・・・。それでも怒らないひゃみさんと月見さんとかまじエンジェーである。

そんな少し前にあった困った出来事を思い返している俺に熊谷は信じられないものを見る目をしていた。

 

「いや、あんたそれ働きすぎじゃない?ちょっと玲、あんたらやりすぎよ?」

 

「えへへ、そうかな?」

 

働きすぎとか言われて心外な!とちょっとムッとしたものの、その後の熊谷のセリフに思わずくまちゃん!と抱き付きそうになったが、その後が怖かったのでやめておいた。なんだかんだで姉御肌なくまちゃんは優しいのだ。

働きすぎだよね!?と思いながら、俺の現状を作った一人である那須に熊谷と一緒にジト目を向けるも、那須らしくないハニカミ笑顔に、ちょっときゅんとしてしまう。くそっこれだから美少女はずるい。

 

「えへへじゃないでしょ・・・・はぁ、比企谷も、困ったことがあったら相談するのよ?」

 

「くまちゃん・・・・!」

 

不覚にも、熊谷のやさしさに目がウルっときてしまった、直後に勢いよく頭をはたかれたが・・・。

 

「くまちゃん言うな」

 

ーーーーサーセン。

 

 

 

 

 

 

 

そうして、那須と熊谷との訓練が終わった俺は、現実という名の夏休み終了のお知らせに打ちひしがれながら、隊室に戻るのであった。

 

トボトボと隊室に戻るとそこにはなんと、誰も居なかった・・・・・ふふ、久しぶりに1人だね?と1人でつぶやいてみる、あかん、コレ怪しい奴ですやん。

 

「最近はなんだかんだで人が居て騒がしかったから新鮮だなぁ・・・いぇーい!ソファーにも座っちゃうもんねー!俺が隊長だぁー!図が高いぞぉー!ふふーん!!」

 

なんか不思議なテンションになってきた俺は、いつも大井と北上が座っているソファーに勢いよく飛び込んで座りながらくだらない事を、訳わからないくらいのハイテンションで言いながらボフンボフンと遊んでみる。ひゅー!いつもの床に座布団と違って柔らかーい!!いえぁー!!・・・・・はぁ、虚しい。

 

ひとしきりソファでテンションを上げまくった俺は唐突に現実に戻ってきたため、とりあえず他のメンバーの予定を確認することにした。無駄にテンション上がってる状況から急に冷静になると、なんというかすげえ恥ずかしいよね・・・・。

1人でテンション上げて、一人で恥ずかしがっている、恥ずかしい俺は、恥の多い人生だった現実から逃避しながら、これからの事を考える。

 

「ふむ・・・大井も北上も小町もひふみん先輩もしばらくは戻ってこない感じか・・・」

 

ついでに言うなら来客予定もない。

俺の予定もさっき終わった。終わった・・・よね?

 

となるとこれはあれだ、先ほどまで嘆いてた、休みってやつじゃないですかねー?え?さっき試作トリガーの試験した?まぁ、でも今日はこの後フリーな訳でして・・・そうなると当然どうしよう?となるわけで。

 

「今までなら悩む要素もなく寝るかダラダラするの二択だが・・・・」

 

悲しいかな、大井による教育により、なんか最近グダグダしたり、だらだらしたり、惰眠をむさぼることに抵抗を覚え始めている昨今である。とーちゃん、かーちゃん、俺は順調に社畜街道を突き進んでいるよ。たまに迷うこともあるけれど、そういう時は大井が冷たく微笑みながら社畜街道に戻してくれるんだ・・・・。俺、すげぇ良い部下をもてて幸せだよ・・・

 

「まぁ、仕方ない、休みたいが、どうもそういう気分じゃないし、しばらくは教導隊の訓練メニューでも作成してるか」

 

とかこれまでの俺からは想像できない発言をしながら早速端末にカタカタッ、ターン!と打ち込み始める俺ガイル。

 

さてと、ここで作成するのは、生き残るための戦い方を身につける。そんな訓練メニューだ。

強くなるのと、生き残ることは別問題であると俺は考えている。それと同じく戦いに勝つことと、町を守る事もまた別問題である。だから。ただ鍛える、戦い方を教えるだけでは不十分な事もあるのだ。

 

そして、ここでの考え方として大事なのが、ボーダーがどこを目指しているかだ。

現在のボーダーの派閥は3つに分かれている。ネイバーを排除する派閥、町を守る事を重視する派閥、ネイバーと仲良くする派閥である。ちなみに俺は無派閥だった。しいて言うなら街を守る派閥であるとも言えるが・・・だから、ここを基準に考える。

 

まぁ正確に言うなら俺が所属しているのは小町を、唯一の家族を守る派閥である。つまり小町派。そのために俺はただ強くなるだけでなく、小町を守れる強さを身につるためにこれまでを過ごしてきたのだ。

だから、ボーダー内において、個としての戦闘力であれば俺より強い隊員なんぞ大量にいるが、守りながら戦うことにかけては自信があるのだ。俺にとって勝つことは二の次だった。だから別に那須とかに負けまくったり、小南に分割されまくったりしてもぜんぜん悔しくなんてなかったのだ、泣いてなんかいないのだ。

 

「だから、俺が今後教導隊で教えていくべきなのはランク戦での勝ち方、戦い方では無くて、対ネイバー戦における防衛と生存方法だろうな」

 

つか、A級に入れるような戦い方とかB級どまりの俺に教えれる訳ないし?

だからこそ俺が教えるのはチームランク戦のような平等な条件での戦いかたでは無くて、1対複数や3人対大部隊といった、実際の戦闘における戦い方を教えよう。

 

「つまりあれだな、3人組で1チームとして、1チーム対3チームとか、1人隊3人とかで対戦させて、それぞれの対策とかを考えるようにするかあとはバムスターの訓練のやつを10体くらいにしたり、モールモットも5体くらいとかにしよう」

 

プランが固まれば、あとは細かいことを詰めるべくカタカタ・・・・カタカタ・・・ネイバーは機械じゃない。思考する人が送り込んできた兵である。だからこそ、戦術の予想が立てられるのだ。

俺がネイバーならばまず、人数が少ない俺達ボーダーに対しての基本戦術としては、数で勝るトリオン兵を大量に動員するだろう。日々ゲートが開くのは運よく人が捕まれば良し、ダメでもこちらの戦力と地形の把握をしてると思われる。つまり、これが一定の成果を見せたときに向こうは仕掛けてくるのだ。

仕掛けるならばいくつか考えられるパターンがあるが、その中でも各員が数で圧殺されるのは避けられないだろう。

 

だから、その為にもC級の奴らには複数を相手にした時の立ち回りと、逆に複数でかかる場合、いかに効率よく倒すかも考えさせる事で少しでも生存率を上げていこうと考える。

攻める側、守る側両方の思考をしていけば、いざという時にきっと彼らの生存率を上げてくれるだろう。

 

「ふむ、こんなものかな?」

 

ひととおり打ち込み、確認してみる。うむ、ちょっと考えすぎかもしれん。あながち誇張とも思えんが流石にやりすぎか?C級隊員にそこまでを求めるのは酷かもしれん。いやでも必要だろう。

 

しかし随分集中してしまったみたいだな・・・目がなんだかしぱしぱしている、ドライアイがさらに進化してゾンビアイになってしまった・・・・いやそれもとからだったわ。

しかし、眠くなって来たな・・・時計をみるとそろそろ大井が戻ってきそうな時間だ。・・・しかし眠い。

 

「大丈夫・・・ちょっと目をつぶるだけ・・・・ふぁ・・・・」

 

ちょっと目をつぶるだけ・・・そう油断した俺の意識はそのまま闇に落ちていくのであった。

 

 

 

 

 

カタンッ・・・

 

「ふぇ・・・・?」

 

いつの間にか寝てしまった俺は小さな物音に闇に落ちた意識をサルベージさせていた。つまり起きた。・・・ねむい、でも起きる、いや眠い・・・いや起きた?

しかし、まだ意識はボーっとしていて、なぜかわからないけど、優しい香りと、柔らかい暖かさに包まれてまどろんでいた。あぁ、幸せだ。まるで冬のオフトゥンのような魅力的なまどろみである。

 

「むふぅ・・・・」

 

「・・・っん・・・」

 

なんか左右から寝息とか聞こえるんすけど・・・?耳元で聞こえたちょっとエロい吐息にまどろんでいた意識がだんだんと覚醒してくる。ん?なんだこの状況?つかこの手のひらに収まっていr・・・収まりきらない柔らかくも弾力に溢れるものって・・・・もしや・・・・・。

 

おそるおそる目を開けると、俺の目の前には大井の可愛らしい寝顔があるわけでして、俺の両手が禁足事項な状態でした・・・すごい、なにがすごいってもうすごい。いままで不可抗力的な感じであれしたことはあったけど、手のひらがすごい事になってる。たぶんこれ世界で一番柔らかいんじゃない?って感じ。しかも後ろからは北上がコアラのように抱き付いてきていて逃げられない状況になっていた。なにこの天国のような地獄は!?この後死ぬ未来しか見えないんすけど!?

 

「はわ、はわわ・・・・」

 

そして、その状況をばっちりと目撃しているひふみん先輩が顔を真っ赤にしてはわわってしていて、かわいい。とか思っていたが、やばい、この状況はいろいろとまずい!さっきの物音はひふみん先輩だったんだね!?

俺は今更ながら両手を禁足事項状態から放して、その際に大井がまたエロい声を出してるのを鋼の精神でやり過ごしてひふみ先輩に必死に言い訳をしていた。視線で。声出したら起きちゃうからね!

 

違うんです違うんです、俺はソファで休んでたんです、そしたらいつの間にかベイルアウト用のマットに移動させられて、大井と北上にサンドされて、気が付いたら両手が禁足事項になってて・・・と必死に視線で釈明をする。そんな俺の必死の視線に何かを感じ取ったのか、ひふみ先輩は首を傾げている。感じ取れてない!?

ああもう!北上に完璧にホールドされてて脱出できないし大井がさっきからエロいしで、ひふみ先輩は絶対に勘違いしているしでもう誰かたすけてぇーーー!!

 

 

 

ーーその後、覚醒した大井は状況を理解するなり瞬間湯沸かし器のように顔を真っ赤にしてあわわってしていた。しかもそこからなぜか俺は2時間くらい説教されるのであった。げせん。

説教された後、なんとかひふみ先輩の誤解を解いたり、恥ずかしさを紛らわすように説教してきた大井にパフェを奢ることを約束する事でなんとかこの事件を収めることが出来たのであった。

 

 

 

 




もうすぐ年越しだというのに・・・年内には原作突入したかった。

さて、次回で少し時間は飛びます、文化祭も飛ばします、ヒロインズのメイド服とか、ちょっとしたデートだったりとか、そんなこんながあったていで話は飛びます。


という訳で、次回、原作に突入するちょっと前から話は始まりますので来年もよろしくお願いします!


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第5章比企谷隊の戦争編
比企谷隊の戦争1 教導編から戦争編へ


こんばんわ!教導隊編ラストっていうか、原作突入していきます。

いやはや、それはそうとインフルになってました。健康管理には気を付けていたのですが、ちょっと体調くずしたすきに一気にやられてしまいましたよ。

ちょっと熱かな?って思って念のために病院言ったらインフルですって!おいおい、ちょっと熱あるかな?くらいなのに!?って思ったら最近のインフルはステルス性能もあるみたいで・・・みなさまもちょっと熱かな?って思ったら念のために病院に行くことをお勧めします。

幸い自分はすぐに病院に行き、その後誰とも会わずに引き籠ったのでまわりにバイオハザードを発生させずに済んだようで。一安心です。

そんなこんなで復帰と共に投稿です。


「・・・・つまり、誘導装置の調子が悪い。と?」

 

「うん、そう・・・。」

 

とある日の隊室にて、ひふみん先輩から告げられた事を統括すると、そういう事だった。

俺を超えるコミュ症のひふみん先輩は長文での会話を苦手としている。そのため、ところどころつっかえつつ、もじもじしながらも一生懸命報告してくれた内容がそれだった。なんか勇気を振り絞って話始めていたからちょっとドキっとしたけど愛の告白じゃなかったのは残念である。ちょっと期待とかしちゃったじゃないか。

そんなひふみん先輩との素敵な時間を過ごしている現在、季節は廻り波乱の夏休みから少しの時は流れて12月になっていた。そう、いつの間にか12月だった。

 

いつの間にか夏休みが終わったときの絶望は今でも鮮明に覚えている。小町や大井に説教されて何とか学校に行ったものの。やはりというか、なんというか、教導隊になった俺に学校中からの視線の集中砲火が浴びせられていて、早々に胃痛で帰りたくなった。もちろん無理だったけど。逃げようとしたら拘束されたけど。

 

その後に文化祭のうんぬんがあったり、え?実行委員?やるわけないでしょ?と丁重に断ったり。

あの時は危なかった、え?実行委員するのやだ?なら劇で主役かな?え?役?星の王子さまのぼくだけど?え?男しかいない?なんで女だす必要あんの?とか意味不明な事を言ってる腐海の住人のセリフには戦慄を覚えたものだ。結局ボーダーを理由に全力で断ろうと思ったら、そも綾辻によくわからん理由で生徒会に入れられてるから結局文化祭でなんか仕事しなきゃいけないんだよねって気づいてがっかりしたのだ。

 

そんな感じで俺の文化祭までの仕事は書類したり、荷物運んだり、逃走を図ろうとした文化祭実行委員長を八幡更生委員会の手腕を参考にあの手この手で何とか縛り付け、無理やり仕事させて何とか無事に文化祭を終了させた。俺ってば仕事しすぎぃ!しかしこの時ばかりは大井の教育に感謝である。

 

その後も体育祭や修学旅行と言った学校的なイベントもあったり、その都度綾辻や那須や大井にあれやこれやと仕事させられたりしていたが、おおむね平和に過ごせた。なんか仕事させられすぎな気がしないでもなかったけど。

おかしくね?俺なんかよくわからん理由で生徒会に入ってる感じになってるけど、こないだ確認したら別に生徒会のどの役職にも入ってなかったんだぜ?生徒会長選挙の時に判明した事実である。

え?じゃあ今までのなんなの?って綾辻に聞いたら笑顔で流された。先生に聞いても笑顔で流された。俺の扱いって・・・。

ちなみに生徒会長選挙は特典に俺が付くとか意味不明な綾辻の宣伝により過去最高の立候補者の数だったらしい。最終的にアイドルのオーディションかよという様相を呈した生徒会長選挙はまさにアイドル顔負けの1年女子が優勝していた。優勝て・・・。壮絶なこの総選挙の様相だけでも2~3話書けそうであろうが、ここも割愛しよう。

もう一つ付け加えるならば、副会長には綾辻が当たり前のように当選し、他の候補者を圧倒していたのは言うまでもないだろう。そのほか書記やらも全部女子。俺?生徒会あずかりみたいな?俺の扱いについて一度しっかりと議論すべきではないだろうか・・・。今よりひどくなりそうだからやめといたが。

 

学校の話はそんな感じ。

ボーダー内では第六駆逐隊が無事B級に昇格した。そのままチームを組んでいるが、やはりランク戦には参加しないようだ。現在では我が教導隊の一員として日々訓練と防衛任務に励んでいる。

それぞれがメキメキと実力を付け、現在では雷がオペレーター、電、暁がアタッカーよりのオールラウンダー、響がスナイパーとして頭角を出してきている。つかこないだスナイパーの合同訓練にいったら普通に響に負けてかなり悔しかったのを覚えている。どうやら奈良坂ばりの精密スナイパーに成長しているらしい。師匠の俺とはいったい・・・ここら辺は器用貧乏な俺との差なのだろう。悔しくなんてない、全然ない。

最初の頃に俺が教えた魔法の言葉は響にとって今では欠かせなくなっているらしい。いわゆる、私は一発の銃弾である、髪の色とか身長とか、あとB級に上がった時に響のイーグレットをドラグノフ風に改良した結果。髪の長さは異なるが、かなりの完成度を誇るレキが爆誕したのは我ながらいい仕事をしたと思う。最近では俺もコスプレに抵抗がなくなり、こんな遊び心が出てきたのだ。うんうん。

 

俺自身もすでにファンネルを使いこなせるように・・・・なるのはあきらめて、違う道を模索していた。

姫ちゃんさんにプログラムを頑張ってみてもらった結果、かなり動きも良くなり、操作性も改善されていたが。やはりプログラムの軌道では小南クラスの相手に有効打を入れることは出来ず、最終的にはマニュアルで個々を操作するしかない。という結論に至ったのだが、やはり小南クラスの相手と接近戦をしながらコントロールとか無理な話だった。どちらかしか無理。・・・・だから、割り切ることにした。

つまり、困ったときのひふみん先輩である。いやほんとまじ無理、という相談をした結果、ひふみん先輩が提示した対策とは全力戦闘をするときはビットの操作をひふみん先輩に譲渡するというまさかの結論である。すごい、ひふみん先輩革命的すごい!愛してるぜ!おっと本音が漏れてしまうところだった。

 

元々個対複数を想定して作られたトリガーなので、最終的にはある程度コントロールをオペレーター側ですることも想定していたらしい。まぁランク戦には当然使用不可ではあるのだが、これがまたすごかった。全部解決だった。

ひふみん先輩は元々オペレーター最高の処理能力を持っていたため、ビットの10機くらいなら問題なくコントロールできたのだ。しゅごい、ひふみんしゅごい!ただ、やはり10機を全て全力でコントロールするとトリオンをバカ食いするため、全力戦闘時のみの緊急手段としての扱いになるが、それでも十分である、切れる手札が増えるのはいい事だ。

 

そんなこんなですごしたここ数か月。もうすぐ冬休みにクリスマスに年越しと今度こそのんびりしてやんよ!と意気込んでいた俺にひふみん先輩が相談を持ち込んできたのが冒頭のお話である。

メールでやりとりした方が早いのだが、このもじもじと一生懸命話すひふみん先輩がかわいいので、ついついコミュ障克服の練習と言う名の言い訳のもとに大層かわいらしいひふみん先輩の頑張る姿を眺めながら話してしまうのだ。うん、今日もかわいい。まぁ、20分くらいかけて話した内容をまとめると誘導装置の調子が悪い、の一言で済んでしまうのだが。それはもうかわいかったのでもーまんたいであろう。

 

「ですか・・・」

 

「うん・・・・」

 

なんともあれなやり取りだが、コミュ障の俺とひふみん先輩にかかればこれだけで意思疎通が可能なのだ。

しかしこれはまた厄介な問題だ。

 

「分布図は?・・・ふむ、・・・数?ほう・・・種類?ふむ、インターバルは?」

 

「このへん・・・・いっぱい・・・・・だいたい?・・・・・みじかい・・よ?」

 

ひどい会話だが、これでもかなり話す方な俺とひふみん先輩。お互い静謐を好むため、2人でいても全く会話が無い事もしばしば、なんなら口よりもメールでの方が会話が弾んでいたりして。それでもこれで十分伝わるわけで。

 

「なるほど・・・たしかに統計をみると、少しづつ警戒区域外に近づきつつ、数が増えていってる印象がありますね・・・・・・」

 

「そうなの・・・」

 

ちなみにこれに最初に気づいたのは刑部姫こと姫ちゃんさんとの事。

 

なんとなくデータとってたら気になったからこっちに投げてきたらしい。すげえ、あまりにも雑な理由だが、事実これは問題だったのだから侮れない。

夏休みに一度実行して、怒られてとん挫したボーダーの屋上に白鷺城建設計画。これを冬休みに再度進めようとしているあたりちょっとあれではあるが、姫ちゃんさんもひふみん先輩に劣らず優秀なのだ。いろいろとあれではあるけれど。

つか「一緒に作ろ?」とか誘わないで欲しい。ちょっと楽しそうだけど、すごい楽しそうではあるが、あとですごく怒られるのが目に見てるしね!

 

「とりあえず、忍田さんに報告を上げときましょう」

 

「そう、だね」

 

その俺の発言ににこりと微笑んでくれるひふみん先輩。最初の頃からは信じられないくらい表情が柔らかくなったその微笑みを見ているだけで幸せな気分になる。この笑顔、守りたい。

 

ひふみん先輩の微笑みに決意を新たにした俺は対策を考えていく。

警戒区域外に近づいてきているという事は、こちらの誘導装置を無効化する、もしくは弱体化する手段があるという事だ。ただの誤差であれば良いが、万が一にでも市街地に出すわけにも行かない。

忍田さんには念のため、防衛任務のシフトの調整と市街地の方と警戒区域外周にも念のため隊員を配置するようにしてもらおう。少々人数を必要とするが、外周にトリオンで棟を建てて、そこにスナイパーを配置するとか、そこにテレポーターを設置するだけでも効果は大きい。ボーダー本部からテレポーターでビュン!だもの。ほんとトリオン万能、ダヴィンチちゃんくらい万能である、ボーダーの建物もトリオンだし、そのうちガンダムも作れそうなレベルである。

 

「念のためC級の戦闘許可が下りやすいようにも相談しておいたほうがいいですかね?」

 

「う~ん・・・あぶない、かも?」

 

「まぁ、そうですね、でもこれ、万が一警戒区域外に出られたら、正直隊員の数が足りないと思うんですよね?」

 

「・・・たしかに。」

 

真剣にむむむって顔をしているひふみん先輩に思わずきゅんときてしまうが、今はまじめな話をしている最中だ。

 

「後は、小町にも戦闘用トリガーを持たせて、ひふみ先輩もたしかオペレーター専用のを持ってましたよね?」

 

「うん、ベイルアウト、ですぐここにこれる・・・よ?」

 

「なら後で小町のオペレーター用のと合わせて改良してもらいましょう、シールドと射撃トリガーだけでも入れておきましょう、小町はスコーピオンもか?」

 

「え・・・?私も?」

 

「はい。たしかひふみ先輩戦闘もできましたよね?いや、正直信じられないですけど、まぁ積極的に戦闘するためじゃなくて、万が一の時に少しでも生存率を上げるためですね」

 

だって、万が一市街地が襲われた時にその場にいたら、この優しい先輩はきっとボーダー基地に退避する事よりも周りの一般人を救助するために行動をするに決まっているのだから、小町や綾辻、三上やうちのオペレーター達はきっとみんなそうだろう。このボーダーには優しい女の子たちが多すぎる。

 

「だから、戦う為では無くて、俺達が到着するまで足止めが出来るようにしておきたいんですよね。まぁ正直小町は無理しそうだから持たせたくないんですけど、無くても無理しそうなんですよね」

 

「そう、だね。ハチ君の妹だもん・・ね?」

 

「はは、そうっすね。自慢の、世界一可愛い妹です」

 

「ふふ」

 

だから、たぬきのおっさんにはまた文句言われそうだが、何とかうなずいてもらおう。誘導やら足止めやらは今のC級のメンツならある程度は可能だし、今後の事も考えてオペレーターにも最低限の防衛手段を持たせよう。この辺はなんとか忍田さんに掛け合って対策して行こう。

まだ、警戒するには早すぎるかもしれないが、何かがあってからでは遅いのだ、迅さんの予知の件もあるし、対策して、しすぎる事もないだろう。

 

「んじゃまぁ、報告書と、対策のレポート作成、やりますかね」

 

「ふふ。そう、だね。手伝う・・・よ?」

 

「・・・助かります。」

 

こうして二人でカタカタ、ポチポチと隊室にキーボードを打つ音が響き、静かに時間が流れていくのであった。

 

 

 

 

 

 

 




という訳で、原作に突入していきます。

原作突入~大規模侵攻までやってこのシリーズは終了予定です。

大幅な原作改変は入れませんが、ちょこちょこと改変したり、ネタをいれたりするかもですが、そこまでは続けていく所存です。

あ、あと最近評価が緑になったり、黄色になったりしている昨今ですが、ご安心を、緑になってもそこまでは書く所存です。
まぁ評価1が大量につくとテンション下がるのも事実ではあるのですが、途中でやめるのは嫌いなので、そこまでは続けます。
でもそんな自分に気を聞かせて高評価を入れてくれた皆様には心からの感謝を。ありがとうございます。

そんなこんなで次回から本格的に大規模侵攻編の始まりです!これからもよろしくお願いします。





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比企谷隊の戦争2 まずは対策について

こんばんわ!戦争編2話です

今回はボーダーの防衛力に関してのお話。
基本原作から大きく変更する予定は無いのですが、やはり個人的に気になる点はあるもので、そこらへんが今回の話です。

まぁ、予算的な問題や、育成に関してや、安全性等々、実際に考えてみるといろいろと問題があるわけで、あっちを進めればこっちが進まず、みたいな?
まぁ、そういったもろもろの部分が組織運営の難しさです。
・・・・あれ?なんか内容が重くなってきた気がしますね・・・・。

まぁ、そんなこんなで戦争編です



「ぐぬぬ、ぐぬぬぬぅ・・・・」

 

「どん・・まい?」

 

「なぜだ!なぜ理解できない!?」

 

「予算の・・・・都合?」

 

「せちがらいっ!!」

 

「うるさいですね・・・・そんなに承認下りなかったのが納得できないのですか?」

 

比企谷隊の隊室にて嘆く俺に非常にクールに現実的な話をするひふみん先輩と冷たい大井の3人はこれからの事について話し合っていた。

その内容とは、先日のもしかして誘導装置攻略されてね?という疑惑に関してだ。

 

早期対策をしようとひふみん先輩といろいろと状況の報告書と対策のレポートを製作し、それを忍田さんに提出したまではよかった。

まずは誘導装置が無効化、もしくは弱体化されている可能性の話をする。そこで驚愕していた忍田さん。まぁおどろくよね。

 

そして「大変だぁ!」って顔してうむむ、ってうなってる忍田さんに、俺とひふみん先輩は「我に秘策あり」とキメ顔で言ったのさ。その直後に沢村さんに頭はたかれたけど。なぜか俺だけ。いつもながら理不尽である。

 

はたかれてる俺をスルーして「ほう・・?」ってなってる忍田さんに俺とひふみん先輩謹製の特製レポートを提出してやったのさ!ババーン!!ってね!またはたかれたけど!まじめに、って言われたけど!!俺だけね!!

 

まぁ変なテンションなのは理由があってですね・・・。

事態の深刻さを理解していた俺とひふみん先輩はほぼ徹夜に近いくらいの突貫作業でレポートの作成と対策を練っていたのだ。なのでその時は寝不足により意味不明なくらいハイテンションだったのだ。ふざけてないのだ。

よく考えたら先に対策とか勝手に考えずに、報告だけすればよくね?とか気づいた時にはすげぇあれな気分だったけど。ひふみん先輩と一緒に張り切りすぎていたらしい。

 

いや、だってあれじゃん?これ、そのままにしてたら、小町にも危険が危ない感じになるじゃん?そうしたら俺も危険が危なくなるじゃん?もうね?そんな感じでなんとかしなきゃ!ってなったのだから仕方が無いのだ。ないったらない。

 

「それで?その報告後はどうなったんですか?」

 

「ああ、まずは防衛任務のシフトの変更と人員の増強は確定した。それと、警戒区域外周にテレポートを何か所か設置して、本部から即時増援を送れるように出来ることも決定した。」

 

「なるほど、それは即時対応可能で現実的な手段ですね、他にはどうなんですか?」

 

俺の報告に大井はうなずく、まぁここまでは俺の予想通りだったからいいのだ。

 

「緊急対応用の即応部隊になりました。」

 

「・・・・・どこがですか?」

 

「・・・・・うちが」

 

「「・・・・・・・・・・・」」

 

圧倒的沈黙である。教導隊になって以来普通のB級隊員よりも仕事の多い我らが比企谷隊。防衛任務が少ないとはいえ、激務な我が隊にさらに即応部隊になりましたとか言う・・・。

もうあれだよね?響きからして拘束時間の長そうなこの人事である。大井が激おこなのも理解できるってなもんで・・・ほんとサーセン。お、俺もこれには納得出来てないんすけどね?と言い訳してみたり・・・。

表情が固まってしまっている大井をチラリと見る。その顔は笑顔の形をしてはいるものの、大井から吹く風はブリザードの如く冷たかった。ちらりと横を見ると隣に座るひふみん先輩もちょっと涙目だった。かわいい・・・・あ、すみません大井さん、足踏まないで!痛い!イタイ!ごめんなさいぃーーー!!

 

「・・・・・はぁ、まぁ仕方ありません。うちだけではないんですよね?」

 

「あ、あざす。あ、はい、それはもちろん。基本緊急用の配置なんで、常に多人数を置く必要はないんで、俺達とあと諏訪さんとか太刀川さんとか、まぁだいたい本部に居るメンバーでシフトを組んでいく予定です。はい。」

 

ジロリと睨まれた俺はおとなしくその場で正座に移行し、とても低姿勢で大井さんに報告します。こわい。寒い。

 

「了解しました。ではそのようにシフトを組みましょう。警戒区域外周での対応になるのであれば、射程もちの方にもう少し声を掛けてもらうようにしましょう。・・・・小町さんに」

 

ちらりと俺を見てから、最後にぼそりという大井、わかってるじゃないか・・・そんなめんどくさい仕事を協力してもらうような高等テクニックは俺には無いのだ。悲しいけど、これって事実なのよね。

 

「ああ、そうしてくれ。あとはオペレーターのトリガーの改造は一部許可が下りた。」

 

「うん。わたしの、も・・・改造してもらった、よ?」

 

そしてもう一つの対策がこのオペレーターのトリガーの改造である。

ボーダーのオペレーター陣は皆優しすぎるのだ。絶対綾辻とか市街地で戦闘になったら率先して避難誘導とかするに決まってる。だからこそ、緊急時に少しでも生存率を上げれるように戦闘用のトリガーに出来ないか相談したのだ。

当然これには相応のリスクもあるため、忍田さんも悩んでいたのだが、とりあえずの先行として、戦闘もこなせるひふみん先輩や、姫ちゃんさん、小町等のオペレーターのトリガーを試験的に戦闘用に改造することになったのだ。現在はまだひふみん先輩と姫ちゃんさんのみで、小町はテストが近いらしいので後日行う予定とのこと。基本的にそれ以外はまだしばらく戦闘用ではなく護身用トリガーのままなのであるが、まぁ全てのオペレーターが戦闘できるわけでは無いのでこれもまた当然であろう。

戦闘をしない、もしくは出来ないためにオペレーターになっている人もいる訳だから俺の考えはそんな人にとってはなんでやねんとなるのも当然である。だが、戦えるオペレーターもいる訳で、だからこその改造なのだ。まぁ他にも目的はあるのだが。

 

というか、ひふみん先輩と姫ちゃんさんが戦闘もこなせると知ったときはびっくりしたもんだ。まじでひふみん先輩が戦闘してるとことか想像も出来ないんすけど?ってひふみん先輩に言ったら、顔を両手で隠しながらちょっと照れて・・・うそだろ?こんなかわいい反応する女神が戦闘してたとか信じられないんすけど?

姫ちゃんさんはなんとなく理解できる。サーヴァントにもなってるし?でもひふみん先輩が戦うとことか想像出来ないんすけど・・・えいって言いながら目をつぶって攻撃してる姿しか想像出来ん。かわいい。

 

忍田さんいわく結構強かったらしいが・・・。なんなら加古さんに戦いかたを教えてたこともあるとか、当然東さんの教えも受けているそうで・・・つまり姉弟子と言えなくもない訳だ。今度おねえちゃんって呼んでみようかな・・・。

 

そんな事を考えていたら、大井がひふみん先輩の戦闘スタイルが気になるのか対戦を申し込んでいた。意外とこの娘も戦闘狂よね・・・・あ、イタイ!イタイ!踏まないで!!ごめんなさい!!

 

「まったく・・・コホン。そういうわけでひふみお姉さま、後で対戦してもらってもいいですか?」

 

「うん、いいよ?」

 

「ふふ、ありがとうございます。それで、最後のがダメだったんですか?」

 

「うむ、だめだった。」

 

「だめだった、ね?」

 

「ダメでしたか・・・まぁ当然ですね」

 

そう、俺的に本命だったのが、C級の戦闘許可に関してだ。現在の隊務規定ではC級はボーダー内以外でのトリガー使用が禁止されており、ボーダーの外でトリオン体になった場合や戦闘を行った場合は重大な規定違反となりボーダーを脱退させられるのだ。

そのためC級のトリガーには最低限であるトリガー1個とトリオン体に換装する機能のみでベイルアウトは不可となっている。

 

だからこそ、このC級の、いわば訓練用のトリガーでの戦闘を許可するのは非常に危険になると言わざるを得ないのだが・・・。現状ではそうも言ってられなくなってきたのだ。

 

考えてみればわかる事だが、A級が約30、B級が100、たったこれだけの人数で街を守るとか不可能に決まっている。たまにくる小規模なトリオン兵ならばこの人数でも十分対応可能だが、先の大規模侵攻クラスの敵が侵攻してきた場合、あまりにもこちらの守備、防衛力は・・・もろい。

 

だからこそ、C級の400という人員を遊ばせるわけにはいかないのだ。もちろん安全面から自由に使用させる訳にはいかないので、B、A級が随伴の場合や、本部の認可が下りたときのみ、といった条件を付け、限定的にでもC級を戦線に投入することも視野に入れる必要がある。

そしてこれだけの人数で弾幕を張れるだけでも防衛力の向上としては随分と効果がある筈だ。

 

・・・・とそんな感じで一生懸命アピールしたのだが、通りすがりのタヌキのおっさんに何言ってんだこいつみたいな目で見られたり、忍田さんにも難しい顔をされてしまった。

おのれタヌキめ・・・しばらく小町にはあのおっさんに近づかないように言っておこう。ふはは!小町に会えなくて寂しがると良い!

 

「いや、まぁ、正確に言うと、保留・・・だな。」

 

「うん、次の会議で、決めるって」

 

「たしかに、難しい問題ですからね・・・」

 

しかし、忍田さんめ・・・なにが次の会議で検討する、だ。事件は会議室で起こってるんじゃないんだぞ!?って言ってやろうかと思ったが、そも事件もまだ起こってないので俺に出来ることはとりあえず深刻そうにうなずくことだけだった。まじで、アホみたいな物量でトリオン兵が来た場合、130人で対応するとか絶対にムリ。つかしんどい。・・・まぁこの際正直に言うと、メンドイ。

 

俺のファンネルは対複数を想定したトリガーのため、真価を発揮しそうなものだが、しんどいものはしんどいのだ。働きたくない。俺は小町を守るためにこの組織に入ったのだ。冷たいようだが、それが一番の理由であり、今の俺の存在意義だ。まぁ、最初の頃に比べて守りたい人が増えてしまっているが・・・・。

 

だからこそ、少しでも小町の安全を確保できるならどんな手でも尽くすつもりだ・・・だが、実際に大規模な侵攻があった場合、このままではそもそも俺のトリオン量が持たないだろうし、そしたら小町守れないかもだし・・・それではダメなのだ。ダメダメなのだ。

 

130人だけでなく、他の400人の力も借りる必要性も視野に入れなくてはなのだ!と一生懸命めちゃくちゃ説得した。

その結果、忍田さんも納得したらしく、必ずや会議で通そうと約束してくれた。結局会議待ちにはなってしまうが、それでも大きな一歩のはずだ。後はこれらの準備が実を結ぶようなことが起きない事を祈るのみである。なーむー。

 

「・・・と、まぁそんな感じだな」

 

「そういうこと」

 

「なるほど・・・それなら仕方ないですね」

 

「まぁ全然納得はしていないが、仕方ないかな、と」

 

「しかたない、ね。」

 

ほんそれ。情報漏洩とかC級の安全とか隊務規定とかあるからすぐにOKが出ないかもとは思っていたが、それでも納得できない物はある。

まぁ迅さんの予知からやはり遠からず大規模侵攻が発生する可能性が高まってきているとの報告は受けてるはずで、それに対する動きも今後あるだろうと信じるしかない。ほんとたのんます・・・。まぁそんなわけで・・・

 

「ようし、そんじゃまぁ、俺もちょっくら訓練してくるかね」

 

「いってらっしゃい?」

 

「さぼってはだめですよ?」

 

とりあえず、報告はこんなもんかね?と判断した俺は重い腰を上げて大井とひふみん先輩に言うと、ひふみん先輩は可愛らしく手をひらひらさせながら見送ってくれてほっこりし、大井のセリフにはいはいと軽く答えながら隊室を後にするのだった。

 

「ふぅ・・・対策は進めてる、出来る限りの訓練もしてる、C級の訓練も・・・でも、それでも迅さんの予知は変わらないのだろうか・・・後はどうすればいいんだ?」

 

重い足取りでボーダーの通路を進みながら俺は自問していく。

夏休みごろに迅さんに視てもらった時はぼんやりとだった。しかし、時間が進むにつれてだんだんと予知の内容が明確になっていき、現在では小町に危険が及ぶ未来が視えたと言っていた。

それがいつかはわからない。同時期くらいに大規模侵攻の兆しも視えていた。大規模侵攻と小町の安全、この2つの問題に対して最後の、苦肉の策として小町に戦闘用のトリガーを持たせる事にした。危険が及ぶのは避けられそうもなく、回避できる未来は半々らしい。ならば、その危険に対して俺が出来ることは可能な限り時間を稼げるようにすることだけだ・・・現在はテスト勉強を行っている小町だが、定期的に息抜きと言いながら戦闘訓練も行うようにしていこう。

 

「大丈夫、北上や大井、ひふみ先輩もいる。俺だけじゃ守り切れなくても、あいつらと一緒なら、きっと・・・」

 

まったく、半年前の俺には理解できなかった考えだが・・・。まさか小町以外にここまで信頼する奴らが出来るなんてな・・・。

そんな事を考えて、あれ?これもしかしてフラグじゃね?とかいやいや、大丈夫、今度こそこの問題が片付いら小町とひふみん先輩と電とで俺的癒しシスターズとのんびり過ごすんだ!と決意を新たに一歩を踏み出していくのであった。

 

あ、やべ、またフラグたてちゃった・・・・・。

 

 




という訳で、少しシリアルと言いますか、面白みのないお話でした。

まぁ、実際130人で街を守るとか無理な訳で・・・だって、大規模侵攻がどれくらいの総数かは不明ですが、その後のガロプラは小型とはいえ300体以上をただの足止めに使ってる訳で・・・・。

侵攻で、かつ大国であるアフトがトリガー使いを6人も派遣した大規模侵攻を考えると・・・まぁ10倍とかの規模でも足りないんじゃないかなって思う訳なんですよね。

対してボーダーは130人・・・まぁ無理ゲーですな。しかもブラックトリガーが4本とかもうバグかと言いたい。だからこそもうちょっとボーダー強化してもいいよね?っていうのが今回の話でした。

じ、次回こそ、原作に突入します・・・・たぶん。少しまじめな話をしてしまったので、休憩回的なものを入れようかとも考えております。
そんなこんなで、ゆっくりペースでの更新ではありますが、今後もよろしくお願いします。


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比企谷隊の戦争3 原作突入するよ!

こんばんわ!すごく寒いですね!

最強寒波が到来してはや数日・・・とても寒いのですね。

毎日毎日寒い寒いと言いながら凍える日々を過ごしていますが、あれですね、スキー行きたい。

さてさて、タグにのってるキャラがほとんど活躍していない戦争編ですが、あれですね!那須とか出てくんの10巻からですしね!この辺は出番が少ないのです!だから是非もないよネ!

そんなこんなでワートリキャラがあんま出てない戦争編3話です。



「小町~明日はなんか予定あるか?」

 

「ん?どしたん?おにいちゃん??」

 

時は防衛計画について忍田さんに話してから数日がたっていた。

そんなとある平日の夜に、俺は自宅にて愛する妹であるところの小町とのんびりとテレビを見ながらふと、明日の予定を問いかけた。オラ、わくわくすっぞ!って地味におもしろいな、こいつら・・・微妙に似てるし。

そんな事を考えながら小町を見ると、微妙な反応をしながら不思議な顔をしていた、あれ?もしかして小町って悟空しらないのん?え?ちがう?唐突な質問にたいして?あ、そうなのね。

 

「明日学校終わった後は予定あるか?最近勉強ばっかで疲れてるだろ?だからもしあれだったら気分転換に体を動かさないか?ようは一緒に訓練するかって事だな」

 

「え!?いいの!?お兄ちゃんいつも小町は俺がーとか、小町に戦闘はー・・・とかいって全然訓練させてくれなかったのに!?どうしたの!?」

 

まぁそりゃそう思うよね、いままでだったらもちろん小町に無茶をさせたくなかったり、ケガさせたくなかったりしてたから訓練とかなるべくさせないようにしてたからな、是非も無いよネ!

 

「まぁ、もちろん愛する小町に危険が及ばないようにしてたんだけどな・・・お、これ八幡的にポイント高いよな?」

 

「あーはいはい、ソウダネーポイントタカイヨー」

 

わー小町ちゃん棒読みだなー・・・・

 

「でだな?最近ひふみ先輩が入ってくれただろ?そうすると俺と北上、大井、小町とひふみ先輩となるわけだ」

 

「うんうん、今は小町、勉強を優先してるけど成績が良くなったからそろそろボーダー優先に戻そうかなって思ってるしね」

 

「おう、よく頑張ったな。大井も大満足だったぞ?」

 

エッヘン!とささやかな胸を張る小町の頭を撫でてやる。そうするとえへへ、とはにかむ小町はやっぱり俺にとっては希望の光な訳で。この笑顔を曇らせないようにしようともう一度決意するのであった。ってそうじゃなくて。

 

「で、そうなると俺と北上、大井が戦闘員だろ?」

 

「うんうん、で、小町とひふみお義姉ちゃんがオペレーターって・・・もしかして!?」

 

手のひらの指を一本一本おりおりして数えながら考えている小町は、もしや!という顔をしながら期待を膨らませた顔を俺に向けてきた。

 

「まぁ、そういう訳だな。戦況次第ではあるが、状況によって小町かひふみ先輩が戦闘に出る可能性も考慮しようかな、と思ってるわけだ。知ってるか?ひふみ先輩って超強いんだぞ?」

 

ついでに超、超、超かわいい。あと優しいし、美人だし、女神だし、おっぱい大きいし。・・・あ、ごめんね?小町ちゃん。最後のは聞かなかったことにしてもらえませんかね?え?だめ?まんま肉まんでどう?あ、いい?ありがとね。

 

「だからな、俺のファンネルでの全力戦闘が必要な場面が来たらひふみ先輩は俺のサポートで完全に塞がるからそういう場合は北上と大井のナビを小町にやってもらうことになるだろ?でもそれ以外の場面ではオペレーターが2人いる状況になるわけだ」

 

通常の防衛任務であればオペレーター2人もいらないからどっちかに戦闘に出てもらったりすることもあるだろう。試作トリガー使ってるからランク戦にも参加しないしその辺は自由自在なのだ。

だから、2人のオペレーターをそれぞれ交代で戦闘に参加してもらおう。・・・実際には今度の大規模侵攻に備えてる面もあるがな。

低くない確率で小町に危険が迫ることがわかっている以上、小町にも自衛力を身に着けさせようという魂胆もあったりして。でも迅さんの未来予測で知ったこれは本人には伝えない方がいいらしいから、それとなく対策を進めていくのだ。

つかこんなん伝えたら小町の笑顔を曇らせることになるだろうしね。そうならないように俺も全力を尽くす所存だしね。念の為である、念のため。

そんな俺の心境を知らない小町は不敵な笑みを浮かべていた。小町ちゃん?変な顔になってるわよ?

 

「ふっふっふっ・・・ついに、ついに!比企谷隊のリーサルウエッポンの出番ってわけだね~!こほん、諸君!戦争だ!いや、戦争のようなしろものの始まりだ!!・・・・こんな感じかな?」

 

「お。おう・・・」

 

Oh・・・たしかにそれされたら味方の士気とかすげえ上がりそうだな。いやいや、それはそれで小町の将来が不安になるからそうゆう中の人的なネタは控えてほしいかなーって思わなくもなかったり。

ホントに、小町がいきなり「これはある種のマンハント!」とか凶悪な笑みを浮かべながら言ってたら俺もう親父と母さんになんて言っていいのやら・・・・。頼むから小町よ・・・・・・健やかに、まっすぐに育っておくれ・・・若干手遅れな予感がしてはいるがそうでないと信じたい。

 

「まぁ、そんなわけで俺は防衛任務で学校を昼で早退してるが、防衛任務後にC級隊員と訓練をする予定だからそれを手伝ってくれ。」

 

「アイアイサー!!」

 

明日の予定を理解したのか小町は元気よく敬礼をしてくれた。うん、やはり小町にはこうあってほしいものだ。

もう一度、小町の頭を優しく撫でながら、絶対に守ってみせると強く決意するのであった。

 

 

 

 

   ー 翌日 ー

 

 

「比企谷現着。防衛任務に入ります」

 

現場に到着した俺は無線で本部にいるであろう沢村さんに告げる。今日も一日がんばるぞぃ!

隣にはひふみん先輩が微笑みながら佇んでいる。そう、ひふみん先輩だ。ひふみん先輩である。HI・HU・MI・N!!

 

そのいでたちはまさに戦女神である。神々しいぜ!あと可愛い!

俺同様にひふみん先輩の姿もコスプレ姿のようになっていた。ひゅーひゅー!可愛い!!

トリオン体は赤と青を基調としたミニスカ和服、いわゆる武蔵ちゃんのような恰好でくるって話だったけど、実際にはなぜか魔女っ娘の恰好だった。なぜし・・・いや、その白い魔女っ娘の服装も生足が大胆にこんにちわしてるスリットとか大きな黒いリボンとか、魔女っ娘らしい帽子とかあとお胸の部分とかがエロくていい感じではあるが。けしからん。

とりあえずひふみん先輩にあれ?武蔵ちゃんは?って聞いたら、ファンタジアがね・・・って説明されて。よくわからないけど、あまり深くは聞いてはいけないのだろうと納得することにした。どっちにしろ可愛いからね、可愛いは正義。

 

「しかし、本当に戦闘もこなせるんですね。大井が悔しがってましたよ」

 

「ふふ、大井ちゃんも強かった・・・よ?」

 

「ほんとすごいです、綺麗で優しくて、強くて、オペレーターも出来てって尊敬します」

 

コミュ障だけどね!とか思っても言わない。紳士だからね!そんな俺のセリフに頬をうっすらと染めながら微笑んでくれる。もう!その笑顔惚れてまうやろー!!

 

「ふふ、ありが・・・と?話すの苦手だけど・・・ね?あと男の子・・・も」

 

あ、でもハチ君は別だよ!?ってあわあわしながらフォローを入れてくれるひふみん先輩。これはあれかな・・・もうこのルートで行けって事かな?え?違う?知ってた。

それからも他愛のない話?のような単語の応酬をしながら防衛任務をこなしていく。二人っきりでね!!ここ大事。

 

ちなみに本日、ホントは違うB級部隊が防衛任務につく予定だったのだが、様々な事由により任務に入れなくなり、代打として比企谷隊にお鉢が回ってきたのであった。

ひふみん先輩との戦闘面での連携の確認をするのにちょうどよかったので、ならちょうどいいかな、という感じで、俺とひふみん先輩はピンチヒッターを了承した。学校も早退出来たしね!

 

学校早退出来たしっ♪て喜んでみたけど、その代わりに仕事をしている事に関しては触れてはいけない。しっかりと現実から目を逸らす事も時には大事なのである。比企谷ハチマン!約束どおり、社畜になりにきました!ってか!ははは・・・・泣きたい。

 

結局現実と向き合ってしまい意気消沈してしまった俺を励ますようにひふみん先輩が俺の頭をよしよししてくれてすっかり全回復していた。さすが魔法使いひふみんだぜ。あれ?僧侶枠じゃないから回復できなくね?

まぁいいか、可愛いからね!

 

『2人とも、来るわよ!』

 

ひふみん先輩とコントのような、そうでないような事をしていると沢村さんから通信が入る。さーて、お仕事お仕事~。しかし続く沢村さんの発言によりそんな事を考えている場合ではなくなっていた。

 

『近くに民間人がいるみたい!急いで!!』

 

急いで!って・・・座標的に警戒区域内なんすけど?なんで民間人いるんすかね・・・?とか思うものの、そうも言ってられない。民間人ももちろんだが警戒区域の外周付近であるのでどちらにしろ急がないとだ。

 

「了解!ひふみ先輩、俺が先行します!後方支援お願いします!!」

 

「わかっ・・・た!」

 

フンスと可愛くうなずくひふみん先輩を確認した俺は、ファンネルの追加機能の一つを起動する。

最初こそブレードモード、射撃モード、シールドモードのみだった俺のファンネルだが、強化の結果により、追加機能であるところのスラスターモードが追加されたのだ。

いわゆるあれだ、高機動パッケージ。腰回りや背中に展開したファンネルからバーニアが噴射され、勢いよく飛び出していく。ハチマン・ヒキガヤ、行きます!!

 

民間人が付近にいるのであれば最速でつく必要がある。そのため、トリオンの消費量を気にせず全速力で飛翔していく。その速度はグラスホッパーでの移動の比ではない速度になっていた。もう誰にも遅いなんて言わせないぜ!スロウリィ!?俺がスロウリィだと!?みたいな屈辱はうんざりだ!

 

「速く、誰よりも速く・・・!」

 

正直別にそんな早さにこだわりは無いんだけどね?これ使えるようになった時にたまたま近くにいた黒江に自慢したら韋駄天の方が圧倒的に早くて、その時にドヤ顔されてグヌヌってなったのは記憶に新しい。遅いですねって言われて例のやり取りをしてちょっと楽しかったのは内緒である。

いわゆるブラックサンダー!ぐ、ぐわぁぁぁぁ!!ホワイトチョコ!ぐわぁぁぁぁぁみたいなとこまで出来たら最高だった。あれ?微妙に違うか?まぁいいか。そんなトリックとかジョーカーの事を考えている場合じゃない。急がなくては!

 

「もう少し・・・あと少し・・・!たのむ、間に合ってくれよ!!」

 

ラストスパートだ!瞬殺のぉーーーー!ファイナルブリッドォーーーーー!!!

 

「見え・・・・た!」

 

数は、バムスターが2体か!1体の口には何かが咥えられてる!?くそ!まだ距離がある!ここからの攻撃では民間人に被害が出る可能性が!確実に、一撃で撃破できる距離まで接近しなくては!

ようやく目視できる距離になったとはいえまだ距離がある、ほんの数秒が果てしなく遠く感じる・・・くそ!間に合わないのか!?

 

「もう・・・少し・・・・・・へ?」

 

ようやく射程に入った俺はバイパーのトリオンキューブを展開し射撃体勢に入ったが、思わず変な声が出てしまった。

 

「え・・・?へ・・・・!?」

 

思わず俺が気の抜けた声を出してしまったのも仕方ないだろう。

ようやくしっかりと把握できる距離まで来たところで片方のバムスターが吹き飛んでいた。あれは・・・三雲か!?口にくわえられていた少年が投げ出されていた。・・・・ここまではいい、いやボーダーのルール的に全然良くないけど、いい。

問題はもう一体のバムスターが爆散していたのだ。え?ってなるのも仕方ないだろう。しかもやったのは見た記憶のない白髪の少年だったのだ。・・・えー・・・・。

 

「あーえー・・・っと、大丈夫か?」

 

「あ・・・・先生・・・・・」

 

「ん?誰だ?」

 

ようやく現着した俺はなんと聞いていいのやらという感じでとりあえず三雲に確認すると、三雲はいたずらが見つかった顔をして、もう一人の白髪の少年はのほほんとしていて・・・あー・・・これなんかメンド臭い予感がビンビンするなーって思いましたまる。

 




という訳で、原作突入しました。

ようやく白髪の少年を出せたぜー。・・・一言しかしゃべってないけど。

しかし、ホントこれワートリ感無いなぁー・・とか思ったりして、ひふみんひふみんやりすぎ警報が発令中ですが、好きだから仕方ないよね!あと原作開始らへんて那須さん出しづらいなぁーとか思ったりして。

まぁもうちょっとしたら那須さんもがんがん出していきたいなぁと思いますのでこれからもよろしくお願いします!


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比企谷隊の戦争4 今日も訓練です

こんばんわ!戦争編4話です。

皆様の今期のおすすめは何ですか?自分はゆるキャンですね。ソロキャンプ・・・いいよね。

あとひさびさにガンダムユニコーンを見て、逆シャア見たくなって、それからなぜかポケ戦見て涙したどうも私です。
でも一番好きなガンダム作品はウイングだったりして・・・・ゆるキャンの話どこいった。

そんなこんなで戦争編です。



「ふいー・・・なんとかなったか・・・」

 

「あぶなかった・・・ね?」

 

ほんとそれな、警戒区域内に一般人が侵入するわ、その近くにトリオン兵がでるわ、しかもそこが外周付近だわのトラブルがあったが三雲のおかげで民間人には被害が出なかったのは幸いだった。が、いまだC級である三雲がトリガーを使用してしまっていたのはまずかった。ついでに見た事のない少年が見た事の無いトリガーを使用してバムスターを爆散させていたのもまた超まずかった。

 

「まぁ三雲のトリガー使用に関してはなんとかごまかせたからよかったですね、ごまかせましたよね?」

 

「そう・・・だね。たぶん大丈夫だとおもう、よ?」

 

そうであって欲しいと思うぜよ・・・。とりあえず忍田さんに申請しているとは言えC級のトリガー使用はまだ認可をもらっていないのだ。だから今回の三雲の件は本部にばれたら即クビになる案件だった。

だからとりあえず、謎の白髪の少年と共に三雲にはドロンしてもらって後日話を聞くことにしたのだ。その後は回収班が来る前にバムスターを再度バイパーとメテオラで徹底的に爆散させておいた。これは三雲と少年のトリガー反応をごまかすためである。ごいまかせてるかなぁ・・・明らかにオーバーキル過ぎて逆に不信感持たれてそうだなぁ・・・。現時点では何も言われてないから大丈夫だったと信じたい。

 

「まぁ、なんとかその場にいた民間人は全員確保して記憶の封印処理も出来たし良しにしておきましょう。」

 

「ふふ、お疲れさま」

 

トリガー反応をごまかしたその後、逃げた民間人をひふみん先輩と一緒に確保するために奔走していたのだがこれがまためんどかった。

逃走した民間人の足が思ったより足が速くて全員確保するのが大変だったのだ。しかも今度白髪の少年の話も聞かないとだし、三雲に話もしないとだしなー。

 

個人的には民間人を救うためにトリガーを使った事を評価したいが、それを肯定してしまうとボーダー的には危険な要素もあるわけで、難しい問題である。だからこそA,B級と一緒とか本部の認可時のみとかにしてC級も戦力にしょうと画策していたのだが。

そんなこれからのあれこれを考えているとひふみん先輩が優しく微笑んでお疲れの俺を労ってくれた、女神の微笑みでハチマンの体力は回復した!

 

「とりあえず、この事は後で考えましょう、とりあえず俺は訓練に行きますね」

 

「うん、報告はやっておく・・・ね」

 

「はい、よろしくお願いします」

 

そんなやりとりをしてひふみん先輩と別れる。あぁ、俺の癒しが・・・今生の別れのような喪失感を感じながら俺は一人ランク戦ブースに向かう。

あれだな、目先の問題は後回しにして、つか明日の俺に任せる事にしよう。うん。

 

・・・あー、でもあれだな、誰かに相談するわけにもいかないけど黙ってたら黙ってたで後で大井とか小町にすげえ怒られそうな気がするなぁ・・・。

はぁ、と小さくため息をつく。だってさぁ・・・三雲もそうだが、もう一人の少年もなんかこうトラブルの匂いがプンプンなんだよぁ~。だいたい俺が見た事ないトリガーを使うってどういうことだってばよ!と思ったりして・・・。

 

「あぁ、いかん!また考えちまった・・・。とりあえずこの件は後回しにしてC級の訓練に集中しよう」

 

「この件ってどの件?」

 

「ん?まぁあれだ、ちょっとめんどくさい事になりそうでな・・・」

 

「大変なら手伝おうか?」

 

「いや、大丈夫だ。でもサンキュな、那須。・・・・・・那須?」

 

どうやら俺は盛大に独り言をつぶやいていたらしい。

はっとして隣を見ると微笑んでいる那須がいた。しかもすげえ近いんすけど?ちょっと?すごい良い匂いするんすけど?

いろいろと面倒だなぁーとか考えながらつぶやいていたせいで、いつの間にかつぶやきに返事があることも気づかずに話していたみたいだ。

あぶねー!あやうく三雲のこととか少年の事とか話すとこだった!セーフ!でもそんな俺の思考を読んでいるのか那須が微笑みながらも俺の目をロックオンしている。その表情からは「なんか隠してんだろ?いいから言えよ」と言ってるようでもう冷や汗だらだらな訳で、当然隠し事をしてるのがバレバレな訳で。

 

「うぐ・・まぁ、まだちょっと話せないが、今度必ず相談する」

 

「ほんとに?」

 

迅さんとの約束もあるのでまだ三雲をクビにさせるわけにはいかないのだ。那須が誰かに話すとも思えないが、それでも少しでも情報漏洩のリスクは下げなければなのだ。

正直、相談したいのはやまやまだが、謎の少年の件もあるしで俺自身話すにしても何といっていいのやらって部分もあって、だからそんな気持ちを込めて那須に話したものの、なにやらいぶかしんでいるのかジト目でこちらを見つめてきて、てか、少しづつ顔を近づけてきていて、あわわ・・・・那須の綺麗な顔が目の前にあってドキがムネムネだよう!

 

「あ、あぁ、約束する。まだ、情報が少なくて話せないだけだから、あと、その、近い・・・」

 

「ふ~ん・・・」

 

いや、だから近いって!そっと腕を組んで来ようとしないでぇ!腕を組もうとする那須とそれを回避する俺、なにこれ・・・・。

そんなこんなの攻防をしながらいつものように那須にドキドキさせられつつブースにたどりついた俺達。

広い空間を見渡すとこの後のC級合同訓練を待つC級隊員が集まっていた。よぅし、訓練の時間だぜぇ・・・。いや、那須さんや?もうブースについたからそんな腕を組もうとしないでくれませんかね?え?いや?でも恥ずかしいんすけど?え?アピールしてるのよ?なにをですかねぇ・・?

 

「お兄ちゃんおっそーい!もう訓練の時間になるよ!」

 

そんな感じで那須との攻防を繰り広げながら集合してる場所に合流すると、それに気づいた小町がどこぞの駆逐艦のような感じでせかしてきたので、それにすまんと謝罪する。

さすがに那須も諦めたらしくちょっと不服そうな目をしていた。表情は笑顔なのに目が不服そうって、相変わらず器用ですね・・・。

 

「よし、今回の合同訓練の参加者は全員そろっているな?」

 

とりあえず、那須の態度にはスルーしながら参加者を確認する。よし、全員そろっているな、どうやら俺が最後だったらしい。おかしいな・・・多少防衛任務やら那須に絡まれたりやらで少し遅くなったけど、まだ開始時間前なんだけどなぁ・・。こいつら訓練好きすぎませんかねぇ?C級隊員の社畜適正の高さにおののいていると、那須と小町がにこやかに全員そろっているよと言ってきてくれる。それにわかったと返して訓練の説明を始める。

 

「んじゃあ今日の教導隊の訓練の説明を始める。今回も実際のトリオン兵との戦闘を視野に入れた訓練だ」

 

そう俺が話始めると、C級隊員達は表情を引き締めながら俺の話を聞く体制になる。うん、まじめな奴らばかりで俺、嬉しいよ!でも大量の視線に晒されるのはいまだになれない訳でして・・・。

噛みそうになるのを必死に気を付けながら説明を続ける。横では小町と那須ががんばってーと応援してくれているのだ、ここでへこたれてはだめだ。

 

「今回は大量のトリオン兵が出現した場合の対策を訓練していく。B級に上がった後は個人でやっていく隊員もいればチームを組んでやっていくこともあるだろう。

だが、基本的に防衛任務やチームは3人で組む場合がほとんどだ。つまり、トリオン兵が大量に出現した場合でも3人で対応していく必要があるわけだ」

 

基本的には、だけどな。俺なんか最初はオペレーターの小町と2人だけだったから防衛任務はソロの隊員と合同でやったり、1人でやったりとか、何だったらチームランク戦も1人でやってたりしていたものだが・・・。チーム戦に1人で参戦するって今思うとあれだな・・・。

そんな事をふと思い出してしまったが、俺が話す内容にC級隊員達もなるほどとうなずきながら耳を傾けている。

 

「B級に上がって防衛任務に入ればわかるが、3対10とかもよくあることだからな。という訳で今日の訓練は、いきなり3人でのチームプレーは難しいだろうから2人で組んで10体のトリオン兵と戦闘訓練をしてもらう。」

 

入隊訓練でバムスターの小型版との戦闘訓練をしているが、それは1対1で、今回は2体10だ。今後慣れてきたらその中にバンダーやモールモッドも入れていく予定だが、今回は様子見だ。

 

「そこで問題です。こちらは2人、相手は10体、この場合どう立ち回ればいいでしょうか?」

 

訓練内容を聞いていろいろと考え始めている隊員達に俺はちょっとしたクイズを出す。そうすると何人かの手が上がるのでそのうちの一人に応えるように言うとスッと立ち上がった少年は自身満々に応える。なんだっけ、川崎・・川越?大師?とかそんな感じの小町のクラスメイトだか塾の友達だったかな?お兄さんとか呼んできたのでファンネルを飛ばしたのを覚えている。

 

「死角を補うようにして背中合わせにして戦闘するっす!」

 

なるほど、アニメの見すぎですね・・・たしかに大軍にかこまれた主人公が背中合わせに戦うのってテンション上がるよね、たしかにそれは俺も嫌いじゃないが、残念ながらはずれである。そういうと答えた川・・・はがっかりしていた。

 

「基本的には囲まれないように位置取りをするのが基本だな、背中合わせにしないといけない状況だと完全に囲まれているからほぼ詰んでいるとも言える。もっとも簡単な対応としては囲まれないように防衛ラインを下げながら1体づつ撃破していく、かな。シンプルに言うと2対10じゃなくて、2対2を5回やる感じだな」

 

囲まれてしまったら回避も出来ないし逃走も出来ない、だから逃走ルートを確保しながら囲まれないように後退しつつ撃破。これが一番損害が少ない対応法だ。

防衛任務の場合は警戒区域外にトリオン兵を出さないようにするのが第一なので、区域外に行かないように少しづつ後退しつつ倒していくのがベターだろう。

 

「A級クラスの変態どもになると喜んでトリオン兵の大軍の中心に飛び込んでいくが、慣れていないうちはこの戦法がやりやすいと思う。それじゃあまずは見本として、B級那須隊の那須と比企谷隊の比企谷小町にやってもらおうかな?」

 

あらかた説明した俺はそう言って那須と小町に視線を向ける。今日のお手伝いさんである那須はにこやかにうなずく。その微笑みと志岐考案のエロい隊服に何人かのC級隊員達が顔を赤くしていた。おい、お前ら、那須を変な目で見てんじゃねえよ、まじめにやれ。

小町も待ってました!という感じで元気いっぱいにうなずく。それをみたやはり隊員達がまたもやあれな感じなため、もう一度殺すぞ、という意思を込めて睨みを効かせる。こいつらの訓練の時は宇佐美考案のやしゃまるシリーズのモールモッドを入れるとしよう。あれB級でも手を焼くからな。いじめかな?いじめじゃないよ?訓練さ!

そんな那須と小町に向けられる視線にむかむかしている俺だが、小町と那須はそういった視線に慣れているのかニコニコしながら訓練室に入っていく。

 

「それじゃあ訓練を開始する。2人とも準備はいいか?」

 

そう確認すると2人からは大丈夫!と返事が返って来たので注意事項だけ説明する。

 

「よし、それじゃあ開始するが、これはC級への見本だから今回は那須はバイパーのみ、小町はスコーピオンのみで頼む。それじゃあ始めてくれ」

 

俺がそう告げると同時に小町と那須が動き出す。あらかじめどういう流れで対応していくかは話しているため、その動作をC級隊員達に説明していく。動かなくて済むから楽かな、って思っていたけど、こっちの方がやりたくない事に今更気づいちまったぜ・・・。

 

「まず、今回の役割だが、那須がタゲを取って小町が撃破という風に分担している。トリオン兵はある程度プログラムにそって動いているからその辺のコントロールができるんだ」

 

俺が話している間にまずは手始めとばかりに那須が全てのバムスターに向けてバイパーを放っていた。

 

「今のは攻撃目的ではなくプログラムで動くトリオン兵達のターゲットを自分に向けるためのバイパーだな。ここで大事なのが撃破目的では無いものの、ある程度行動を阻害出来る場所に当てるとその後の戦闘が楽になる。特に足の速いモールモッドが相手に居る場合は真っ先に足か鎌にダメージを入れておくといいだろう」

 

そう説明している間にも那須はバムスターの足を集中的に攻撃している。それにより何体かのバムスターの動きが鈍くなっていた。そしてその間に小町は建物を使ってバムスター達の視界に入らないようにしながら回り込んでいた。そろそろ仕掛け時だろう。

 

「何体かのバムスターの動きを鈍くしたおかげで後退しながら攻撃している那須を追いかけているトリオン兵達がばらけてきただろう?そうすると囲まれる心配もなくなるわけだ。そろそろ建物を死角に使って回り込んでいた小町が仕掛けるぞ」

 

そう話してからそう間を置かずにバムスター達の後方まで回り込んでいた小町が最後尾のトリオン兵に攻撃を仕掛けていた。

あまり戦闘適正が高くないと言われていた小町だが、よほど勉強のストレスが溜まっていたのだろう。とんでもないキレで動いてバムスターを一刀のもとに切り伏せていた。あれれー?勉強漬けのはずなのになんでこんなにキレッキレなんですかねー?あいつ絶対俺に内緒で訓練してただろ・・・。

 

後方から小町が攻撃を仕掛けた事によりバムスターの一部が後方に転身しようとするが、そんな隙を那須が見逃すはずもなく、バイパーを的確にコアに叩き込んでいく。

 

「後方に回り込んだ小町のバックアタックによりバムスター達が混乱しているだろう?こうなるともうこっちのもんだな。前後から挟撃してあっという間にパワーダウンってやつだな」

 

そうこう説明してる間にバムスターは全滅し、モニターの中で小町と那須が笑顔でVサインをしていた。つか小町に無理やりさせられているのかちょっと顔を赤くしながら控えめにVサインをしている那須がもうあれだ、可愛かった。いかんいかん、俺にはひふみん先輩という癒しの女神がいるというのに、ちょっと女神かよって思っていしまったぜ。

騙されるなよ、那須はめちゃくちゃ美人だし、可愛いが、どSだ。ついでに言うと優しいし気が利くし、何かと助けてくれるがイケメンでもある。ちなみに那須のイケメンモード時のヒロインは俺という謎現象もある。つまりあれだ、・・・・・どれだ?

そんな事を考えていると小町と那須が訓練室から出てきたので、早速という感じで訓練を再開する。

 

「今のは手本の一つだな、他にもやり方はいろいろあるからどんどんやってみてくれ、それじゃあ各員、訓練を開始してくれ」

 

俺の合図と同時に次々に訓練室に入っていくC級隊員達。

そうこうしている間に小町と那須は俺の左右に2人で並んで笑顔を向けてきた。

 

「ふふん、どうだった?お兄ちゃん?」

 

「実はこっそり訓練してたんだ」

 

「やっぱりか、まぁいい感じだったぞ?予想以上だ。よくやったな、小町。それと那須もサンキュな」

 

小町の頭を撫でながら2人を労うと2人とも嬉しそうに笑顔を浮かべてくれる。

その笑顔が、明るさが、この先の事を考えてモヤモヤしていた俺の心を晴らしてくれた。三雲の事や白髪の少年の事、この先起こるかもしれない、いや起こるだろう大規模侵攻の事も何とかなる、そう思えるのであった。

 

 




というわけで、相変わらず進みませんでした!くそう!大規模侵攻までは那須さん絡ませずらいなぁ・・・まぁ絡ませるけど。

最近はひふみんひふみんしすぎていたので那須さんの活躍を増やそうと思います。あと大井っちね。
特にヒロイン的な存在がいないこの世界ですが、強いていうなら那須と大井とひふみんです。できれば綾辻とか小南も入れたい昨今ですが、ラブコメ的な展開は大規模侵攻中は難しいのです。

まぁそんなこんなであまり進まない戦争編ですが、次回から少しづつ進めていきますの今後もよろしくお願いします。


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比企谷隊の戦争5 三雲修と空閑遊真

こんばんわ。戦争編5話でございます。

モンハンやって、めっきりポチポチできていないどうも私です。

セミラミスは来ないし、モンハンは時間がなくてまだあんまり出来ないし。もういろいろとあれですね!ゆるキャンみて癒されよう。そう思いましたまる。
ついついキャンプ用品をみに行ってしまいますよね。冬キャンプしたいなぁ・・・。

そんなこんなで戦争編です。



「はぁ・・くまったくまった。」

 

三雲と白髪の少年と遭遇した翌日。俺は今後の事に絶賛頭を抱えていた。

 

「まず、なんだよこの三雲のメールは・・・。白髪の少年は空閑っていう名前で?ネイバーです。車に引かれても無事でした。間違いありません?・・意味がわからん」

 

昨日は訓練やらなんやらで、三雲と謎の少年、空閑に話を聞く時間が無かったのだ。そのため、今日の放課後の訓練前に三雲と空閑から話を聞こうと連絡したところ、三雲からこのようなメールが届いたわけだが。

たしかC級の時点ではネイバーの秘密は説明されていないため、本来三雲はネイバー=トリオン兵と思っているはず。それをどういう判断で空閑をネイバーだと車に引かれた事から推察したかは不明なのだが?まぁ空閑本人がそういっているそうだからきっとそうなのだろう。

しかし、昨日いた少年が実はネイバーで、それに三雲が接触して、ってなんだこれ。これ本部にばれたらやばくね?でもいまさら報告を上げるわけにもいかないし、あぁくまったくまった。

 

「とりあえず学校が終わったら三雲と空閑に話を聞いて、それからどうするかだな・・・大井と北上と小町を巻き込まないようにしないと」

 

空閑を目撃しているひふみん先輩には申し訳ないが手伝ってもらう必要はあるだろうが、なんとか目的を聞いて穏便に、穏便に終わらせよう。平和的に。・・・あぁでも、絶対に大変な事になるよなぁ、俺のサイドエフェクトが言ってるもん。持ってないけど。強いていうならシスコンがサイドエフェクトと言えなくもない。

 

「学校終わったらどうするの?巻き込むって?」

 

今後の事をいかに穏便に終わらせるかを考えながらルルーシュの居眠りポーズで思考と言う名の居眠りをする。寝てるのかよ。

考えてる風に見えるから便利だけど、この姿勢で眠るのは意外と難しいのだ。大井にばれたら怒られそうだなぁ・・・。

そんな事を考えながらしばらくくまったくまったしていると、パシャリと音がしたのでその音に意識を覚醒させる。

なんぞ?と音のした方を見るとスマホのカメラを構えた綾辻が俺の独り言を聞いていたらしく問いかけてくる。ちょっと、まって。その居眠りの写真をどうする気だ!?え?大井に送る?ちょっとまって!寝てません、寝てませんから!だから送らないで!!なんとか説得してメールを送るのは再考してもらえるようだ。ふぅ、つかよ?綾辻さんや?いきなり写真とるなんてどういう事だい?という視線を送るもまずは質問に応えろってことだろう、そんな視線を向けて来ていた。器用だな・・・・。

 

「ん、まぁ、ちょっとしたトラブルでな。まずくなるようなら相談するが。とりあえずは情報収集ってところだ。」

 

「そうなんだ、少し前から悩んでるみたいだけど、私達に協力できることがあったら相談してね?」

 

ほんとはいろいろと聞きたいだろう。そんな表情をしながらも俺が話すのをまっててくれる綾辻や大井、那須も。

こいつらを信用していないわけじゃない。だが、今回の件は事が事だけにこいつらを巻き込むわけにはいかなかった。

だから、もう一つの問題である本来なら最優先項目である小町を守る事、今後大規模侵攻が起こるかもしれない事に関して協力してもらう事にしよう。

 

「あぁ、必ず相談する。たぶん協力をお願いするかもしれん」

 

「うん。いつも仕事手伝ってもらってるからね、たまには手伝わせて欲しいかな」

 

「サンキュな。それとちょっとの間で良いんだが、木虎になるべく小町と行動を一緒にしてもらえないか聞いてくれると助かる」

 

小町と木虎は同じ中学だ。お嬢様学校に通う小町とか最初は違和感しかなかったが、大規模侵攻後に世話になっていた親戚の伝手で通わせてもらっている。

同じ学年である木虎と小町は仲が良く、また木虎と俺が入隊時期が近いため最初の頃はライバル視したりもしていたが、いつの間にかあっちはA級になっていたりとすごい奴だ。

 

「藍ちゃんを?たぶん大丈夫だと思うけど?あ、そうか、最近誘導装置が・・・」

 

最後まで言わなかったのはクラスメイトを不安にさせないためだろう、さすが4人部隊をオペレートする敏腕オペレーターにして副会長の綾辻だ。

 

「まぁ、そういう訳だ。出来れば他の奴らにも一緒に行動するように話しといてくれないか?」

 

「うん、わかった。みんなにも伝えておくね?」

 

「助かる」

 

「いえいえ、それと、相談してくれるの待ってるからね?」

 

そう言って優しく微笑む綾辻。その表情は空閑の件の事もそのうち話してね?とそう言ってるようで、思わずお、おう・・・とどもってしまう俺。も、もう、そんな顔されたら惚れてまうやろー!まったく。ボーダーの女の子はみんな優しくて、優しすぎて困る。

それからは宇佐美も混ざって綾辻と3人でどんな眼鏡が誰に似合うかという話をして過ごしていた。しかしあれだな、二宮さんに何をつけるか、という話題はどうかと思う。ちょっと頼んで来てよって宇佐美に言われて思わずはたいた俺は悪くないと思う。怖すぎるわ!しかもパーティー用眼鏡とか殺す気かと。いや、ちょっとクスってなるけどさぁ!

 

 

 

そうして午前の授業も華麗にやり過ごし。ようやっとお昼になったなう。最近聞かねぇな、これ。今の流行はなんだろうか、一周回って候とか言い出すんであろうか?

最近はしっかりと授業を受けている俺はそれはもうおなかがペコペコだ。オラ、腹へって力がでねえってばよ!

なにぶんあれだ、学校の後は生徒会の手伝いかボーダーで。教導隊になってから書類仕事もいろいろと増えて、勉強する時間が減っているため授業に集中するしかないという・・・いや、本来それが正しいんですけどね?だから、そんな疲れた俺には癒しが必要なのだ。つまり?

 

「はい、今日のお弁当です」

 

「いつもありがとうな、大井」

 

「さ~て、おっひる~♪おっひる~♪」

 

集中して勉強した俺のプレシャスタイム、それは学校ではこのお昼である。大井の(北上への)愛がこもったお弁当を大井と北上と食す。ここで過ごす穏やかな時間が俺は好きだ。

食後にどちらが昼寝をする北上の膝枕をするかで大井と問答をするのもまた幸せタイム。今日は負けたぜ・・・。勝利のVが・・・・。

膝で気持ちよさそうに眠る北上の頭を幸せそうに撫でる大井。俺はそんな2人をボーっと眺めながら過ごしていた・・・あれ?これはたから見るとやばい奴かな?

ちなみにボーダーではひふみん先輩と電と過ごすのが、家では小町とのんびりするのが俺のプレシャス。こう考えると俺ってば結構幸せタイム多くねっ?・・・って、思うじゃん?

実際にはほとんど休みなしで毎日働いているのだぜ?夏休みとか毎日ボーダーにいたからいつの間にか終わってたしね・・・・。新学期が始まって夏休みをまったく休めなかった俺がガチ泣きしたのを見たひふみん先輩が気を聞かせて数日休ませてくれたのは記憶に新しい。

あの時はあまりの嬉しさに思わずひふみん先輩を抱きしめてしまって大変だった。そりゃもう大井に大層説教されて・・・小町はすこぶるテンション上がっていてこれもまためんどくさかったりで。

そんな事を考えながら穏やかな時間を過ごしていると、大井がなにかを言いたそうに唇をはむはむとしていた。なんだそれ、かわいいなおい。しかしなんだ?

 

「ん?どした?」

 

「いえ、その・・・」

 

何か言いたそうだな、と思って聞いてみたものの、大井も相変わらずはむはむ、モジモジしていた。

 

「ん?なんか聞きたい事があるのか?」

 

「え、えぇ、その何といいますか・・・私と北上さんは頼れませんか?」

 

少し悩んだものの、そう聞いて来た大井の表情は、なんというか少し悲しそうな表情だった。きっと、俺が隠し事をしているのを察していながらも、俺が話してくるのを信じてくれていたのだろう。

信じていたのに今こうして大井が聞いて来た、という事は、どうやら俺は相当悩んでいたみたいだな・・・この分だと帰ったら小町にも説教されそうだなぁ・・・・しかし、どうしたもんか・・・

 

「あぁ、その・・・・・なんだ。”緊急警報!緊急警報!ゲートが市街地に発生します”なっ!くそっ!」

 

大井の返答を遮るように発生したその警報に俺と大井はすぐに思考を切り替えていた。大井の膝で眠っていた北上もパチリと目を開けて覚醒する。

 

「すまん、その話はまた後でだ、まずは状況を把握する」

 

「「了解」」

 

俺はすぐに本部のオペレーターに連絡して現状を確認する。最近のゲートの発生場所からありうるかもしれないと思ってはいたが、想定よりも早くその時が来てしまった。

大井と北上は校内のボーダー隊員と連絡を取っている。市街地にゲートが発生した。という緊急事態にも冷静に対応できるあたりさすがだ。

 

「なっ!三門の中学校に!?一番近い隊員も同時発生したゲートの対応で迎えない?わかりました、自分が急行します」

 

くそっ!三門の中学校にはたしかB級隊員はいないはず、C級の隊員も三雲だけのはずだ。となるとまずい!昨日のことからもきっと三雲はトリガーを使って助けようとするだろう、空閑もだ。そうなってはもう隊務規定違反は間違いないだろう、そうさせないためにも!

 

「大井、北上!ここは任せる!俺は中学校に出現したトリオン兵の対応に急行する!」

 

「は、はい!」

「りょーかい!」

 

その返事を聞きながら俺はトリオン体に換装しつつ駆けだす。間に合わせてみせる!

 

「トリガーオン!並びにファンネル展開!スラスターモード、フルスロットル!」

 

トリオン体に換装すると同時に展開したファンネルを昨日と同様にスラスタ―モードで展開して最大加速で飛び出す。爆発的な加速により瞬時に最高速度に到達した俺は、トリオンの消費も構わずに急行する。

 

「トリオン兵の数は・・・モールモッドが3体か!今の三雲はまだ1体の対応で手いっぱいだ、だが、学校の、建物内ならなんとかなるか?」

 

そう考えた俺は三雲に連絡をする、おそらく、いや間違いなくあいつはC級のトリガーで立ち向かっていくだろう、だから、その負担を、責任を軽減する必要がある。

すぐにつながった通信からは三雲の焦った声が聞こえてきた。

 

”先生!学校にトリオン兵が!”

 

「わかってる!今全速力で向かっている!状況は!?落ち着いて報告しろ!」

 

”は、はいトリオン兵が3体、まとまって行動しているみたいです。南館の避難が遅れていて・・ぼくが「わかってる。5分で現着する、命令だ。それまでネイバーを食い止めろ。死ぬなよ?」・・・は、はい!”

 

やはり、お前はそういうだろうと思っていた。だからこそ、あいつの判断ではなく、俺の指示で行動した。ということにする。

三雲の言葉を遮って発した俺の言葉に三雲は元気よく答える。三雲自身もわかっている。C級が無断でトリガーを使う危険性を、その後どうなるかも。それでも、目の前の危機に対して動こうとしている。俺はそれを応援してやりたかった。

 

「あ、しまった!空閑の事だが・・・・くそ、もう通信が切れてるか・・」

 

学校の通路を利用すればモールモッドが3体いようと通路の幅の関係で囲まれることは無いだろう。それならばまだ三雲の生存のチャンスはある。

撃破は無理でも5分時間を稼ぐことは可能なはずだ。だが・・・

 

「空閑もいれば生存の確立は上がるだろうが・・・・」

 

そこは三雲と空閑を信じるしかないだろう。あまり無茶をしないで欲しいと願って、いやいや、無茶を俺がやらせてるんだったと少し反省する。

 

「本部に報告したいがさすがに通信がつながらないか・・・」

 

当然だろう、視覚情報にあるゲートの発生は同時に何か所かで発生しており、以前の大規模侵攻には遠く及ばないものの、その出現箇所がいずれも警戒区域外、もしくは外周なのだから、本部はその対応に追われていた。中でも三雲の中学は最も警戒区域から遠く、また学校という施設のため、民間への被害が計り知れなかった。

 

「こんな事ならファンネルを10機から増設しとくんだったかな・・・少し悔やまれるが仕方ない。今できる最善を尽くす!」

 

そうして飛行してしばらく、高速で流れてゆく景色の先に目的地の中学校が見えた。

 

「見えた!反応は・・・三雲の反応がきえた!?モールモッドは校庭に1、校内に2か!間に合わなかった!?」

 

まだだ!まだ間に合うはず!限界まで速度を上げているブースターを焼き付くのを覚悟でさらに加速させていく。

ファンネルからピシピシと危険な音が発生しているが気にしている場合ではない。

ようやく目視ではっきりと確認できる範囲に入り、俺はすぐさまトリオンンキューブを作成する、狙いはまず外にいるモールモッド。それから校舎に入って残りを片付ける!

 

「射程内に入った!バイパー!」

 

なんか昨日もやったような流れをもう一度こなして、でも今回はバイパーを射出してしっかりと外のトリオンン兵を沈黙させる。よし、次っ!反応は・・・3階か!

 

「突入する!」

 

限界を迎えたファンネルを解除した俺は慣性にしたがいその勢いのままに3回の窓越しに見える1体のモールモッドにライダーキックをかます。個人的には常夏日光・日除傘寵愛一神な感じだが。もちろん足先からスコーピオンを出すのを忘れてはならない。

 

「無事か!?三雲!?」

 

ガシャーンという音と同時に侵入した俺はモールモッドを粉砕しながら三雲の無事を確認すると、目の前で白髪の少年、空閑が最後の1体を撃破するところだった。

 

「あ・・・先生」

 

助かった、という安堵の表情半分、自分のトリガーを空閑が使用している事による、いわゆるやっべー的な表情が半分の感じで三雲が俺を見つめていた。

うん・・・。まぁわかってた。わかってたよ・・・・。まぁこうなるよね、むしろ無事で良かった。良くやった。被害を最小限に抑えたんだ。・・・・そう言ってやりたいのはやまやまではあったが・・・・・

 

 

 

あぁ・・・ガイアよ・・・・あなたはなぜこうも俺に試練を与えるのだ?そう思わずにはいられない俺だった。

あ、あと校舎破壊してすみませんでした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




という訳で、ようやく原作1巻の終わりが見えてきました。これ大規模侵攻終わるまで何話かかるんだ?おかしいな・・・予定だともっとサクサク進むはずだったのに。

だんだんシリアス風になって来てるし・・・もう少し大規模侵攻はコミカルに行こうかな・・・とか思ったり。

そんなこんなでこれからものんびり更新していきますので宜しくお願いします!


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比企谷隊の戦争6 空飛ぶサカナ

こんばんわ。戦争編6話です。

今回は少し原作と変わっていますが、大まかな流れは変わっていません。
なので、基本的には原作のキャラはほぼ原作通りのやり取りをしてると思ってください。まぁちょいちょい変えてるので、だいたい、と思ってもらえると。

今回は比企谷隊ががんばる話です。つまり、がんばって空飛ぶサカナを迎撃するお話。

あんなでかいの木虎はよく一人でやれるって思いましたよね・・・スコーピオンとアステロイドでどうすんのさって。つか核つぶせても市街地に落ちるやん?って、そう思って書いたのが今回です。



「あー、その、なんだ・・・」

 

「おー昨日の先生だ」

 

「先生、すみません・・・」

 

三雲の中学校に駆け付けて、何とか間に合って、モールモッドを撃破した。ここまではいい。

うん、でも、その、何?これ昨日もあったなーっていうぎこちない空気が流れてるんですけど。

でも、まぁ、そのなんだ?

 

「三雲、無事だったか。それとそっちは空閑でよかったか?」

 

「そうだよ。そちらは比企谷先生?俺は空閑遊真、よろしく。」

 

「比企谷八幡だ、よろしく。」

 

どうも、こちらこそどうも、というやり取りをする俺と空閑。なにこれ・・・。

さっきまで緊急事態だったのになにやってるんだか・・・まだ緊急事態から脱したわけでもないのに不思議な空気だ。

そんなこんなで、さて、話でも?と三雲に話しかけようとすると、通信が入ってきた。

 

”ハチ君、その近くに、またゲートが出たみたい・・・”

 

「あの?ひふみ先輩?俺ここまでスラスターで来たからもう残りのトリオン3割くらいしかないんですけど?」

 

”・・・・・・”

 

ひふみ先輩からの通信に思わず具申してしまう俺。とりあえずある程度市街地も避難が進んでいるみたいで、それでも急がないとではあるため、そんな事を言いながらも走りだそうとする俺。でもそんな俺のセリフになぜかひふみん先輩は無言なわけで・・・あ、あれ?怒ってるのかな?びくびく。

あ、でも行く前に三雲にこれだけは伝えておかないとだな。

 

「三雲、俺は次の地点に向かう、ここには別の部隊か回収班が来るはずだから、そいつらに俺の指示で戦闘したと言え!いいな!」

 

そう良いながら俺は走りだす。未だにひふみん先輩からの反応は無いが、仕方ない。ついでにうしろから三雲の声が聞こえるけどそれも後回しである。ある程度避難が進んだとはいえ、いまだ緊急事態には変わらないわけで、トリオンの残量は心もとないが、行くしかないのだ。

まぁでも、流石にスラスターはもう使う訳にはいかないので走るんですけど。

 

「ひふみ先輩?さすがに残りのトリオン量があれなんですけど?」

 

とりあえず次のゲート発生地点まで急いでてってけ走りながら再度ひふみ先輩に通信を送ると、ようやく返答をくれた。よかった、俺無視されてたわけじゃないのね。

 

”ハチ君、今、大井ちゃんと北上ちゃんに向かうよう、お願いした、から”

 

あ、そういう事でしたか。安心した。

 

「助かります。それで、状況はどうなっていますか?」

 

ひふみん先輩の説明によると、小規模ながらも市街地付近に複数のゲートが発生しているらしく、各部隊それの対応に追われているようだ。

迅さんの予知とは違うようなのでこれが大規模侵攻というわけでは無いが、それでも緊急事態な訳で、市街地にもトリオン兵が出てきそうだったり、それの対応に向かわなければなんだが、こりゃ長期戦も覚悟しないとかもな。

 

「ふぅ・・・しかしそうなるとマジでトリオン量が心配だな」

 

そうは言っても、先ほどの状況でスラスターを使わないわけにもいかなかった訳で、ファンネルと射撃系のトリガーはなるべく使わずに接近戦でやるしかない、と。

そう考えをまとめていると今度は小町から通信が入る、どうやら小町も俺と同じように迎撃に出ているようだ。

まぁ、現状ひふみ先輩がオペレートしてくれてるし問題ないだろう。現在は大井、北上と合流してこちらに向かっているようだ。

 

”お兄ちゃん、小町はね?頑張ってるお兄ちゃんが大好きだよ?”

 

コマチハハチマンヲオウエンシタ!ハチマンノトリオンガカイフクシタ!

 

愛する小町からの応援によりシスコンスキル、トリオン回復が発動したことにより、俺のトリオンが2割くらい回復すると、今度はひふみん先輩から通信が入る。

 

”ハチ君、頑張ったらご褒美あげる、ね!”

 

ヒフミンハオウエンシタ!ハチマンノトリオンガサラニカイフクシタ!

 

続くひふみん先輩の応援によりさらに2割回復する。おお!これで7割まで回復した!これなら勝つる。

愛する妹とひふみん先輩の応援により戦闘力を取り戻した俺。通信機から大井と小町の”ちょっろ・・・”というセリフが聞こえた気がしないでもないが気にしない。愛の力は偉大なのだ。

まぁ実際にはほんとに回復してるわけじゃなくてそれくらいやる気が回復しただけなのでやはり無茶は厳禁ではあるのだが。

そんなこんなでその後もちょくちょく発生するゲートの対応に追われる俺達なのであった。

 

 

 

 

 それからしばらく、俺と小町と北上と大井はちょこちょこ発生する小規模なゲートの対応に追われながら各地を転戦していた。

三雲の中学校を出る時点でかなり消耗していた俺のトリオン量は節約しながら戦闘していたため、今ではそれなりに回復していた。回復するのかよ。

トリオン体になっていたのに回復した自分にちょっと人間やめ始めてる疑惑が浮上している気がしないでもないが、これも妹への愛と女神ひふみんの力であると思うことにした。まぁそんな事を話すと小町と大井と北上がちょっとあれな視線を向けて来てはいたが、大丈夫。隊室に戻ればきっとひふみん先輩が優しい笑顔で俺を迎え入れてくれるはず。だからまだ大丈夫。

 

「ふぅ、これで終わりですかね?」

 

「う~ん、あたしも疲れたよ~」

 

「ですねー、小町もちょっと疲れました。」

 

俺があまりガンガン攻撃できなかった分、大井と北上、小町に頑張ってもらっていた。そのため、そんな大井と北上と小町には頭が上がらない俺。いや、もともと上がらなかったけどね?それでも文句も言わずに頑張ってくれたので、後で何かご馳走しようと心に決める。・・・俺、この戦いが終わったら、隊のメンバーにアイスを奢るんだ・・・。

 

”ゲート発生!ハチ君!!”

 

おおぅ・・・・・・・・俺がフラグを建てたのではないと信じたい。

その珍しく慌てたひふみん先輩の通信にすわ何事かと身構える俺達。それと同時に市街地の上空にゲートが発生する。・・・それも大型の。

 

「・・・・・は?」

 

そこから出てきたトリオン兵は大型の、それも初めて見るタイプの物だった。何あれ?ナウシカ?ジブリなの?そんな感じの大きな空飛ぶエイのようなトリオン兵の出現に、思わず一瞬思考が停止してしまう俺達。

 

「は!?なんですかあのトリオン兵は!?ここから発生地点までそれなりに距離があるのにはっきりと視認できるなんてどれだけ大きんですか!?」

 

「ほえ~・・・・おおきいねぇ~?」

 

「えぇー・・・・なにあれ?おいしくなさそう・・・」

 

めずらしく大井も錯乱しているようだ、ほんとそれな、ありゃ相当大きいな。北上もいつものようにのんびり言っているものの、その額にはうっすらと汗がみえる。さすがに北上も驚愕しているようだ。しかしだ、小町よ・・・お前のその反応はなんだ、随分と余裕そうな小町の反応に俺も思考が冷静になる。

いやでもその反応は無いとお兄ちゃん思うんだ。逆に今までおいしそうなトリオン兵がいたのかとかすげぇ気になるんすけど・・・?しかしさすがにこのまま放置するわけにもいかない。

 

「急ぐぞ!」

 

「「「了解!!」」」

 

ひふみん先輩に状況を確認してもらいながら急行する俺達。

遠くに見えるトリオン兵は市街地の上空を旋回し始めると同時に爆撃を開始していた。や、やめろぉー!そこにはサイゼもあるんだぞ!?

 

「くそっ!爆撃型か!」

 

「お兄ちゃん!」

 

「わかってる!急ぐぞ!北上はビームキャノンのチャージを開始!市街地に被害が出ない場所で打ち落とすぞ。小町は北上のガードだ!」

 

「「了解!」」

 

大型のオリオン兵に向かいながら指示を出す。ひふみん先輩の情報によると木虎がすでにアレの迎撃に向かっているらしいが、あいつのトリオン量ではあのでかい・・・めんどいな、もうサカナでいいか、を倒す事は出来ても吹き飛ばすことは出来ないはずだ。市街地に落とすわけにもいかないので北上のビームキャノンで砲撃、それでもぎりぎり削りきれないだろうが、あとは俺と大井で協力して削っていくしかないだろう。

 

「俺と大井は市街地の防衛だ!爆撃を撃ち落としつつファンネルとプラネイトディフェンサーで市街地を防衛する!北上の攻撃で削り切れなかった分は俺達で削るぞ!」

 

「わかりました!」

 

そうこう指示を出しながら急行してようやく俺達は現着した。

出現からまだ数分とは言え、すでに市街地には大きな被害が出始めており、いくつかの建物が崩れ、そこから炎が上がっていた。くそっ!

俺と大井は爆撃を撃墜するべくそれなりに高いビルの屋上に跳躍する。よし、俺と大井で少し離れたビルの上に立ち。迎撃態勢に入る。すでに北上と小町は狙撃ポイントに移動している。

 

「比企谷隊現着!状況を開始する!大井!可能な限り爆撃を打ち落とすぞ!漏れたやつはディフェンサーで止めろ!」

 

「わかっています!でも範囲が!」

 

大井が叫ぶのも当然で、俺と大井が迎撃に入ったとは言え、あの魚は空を飛んでいる上にかなりの広範囲を爆撃している。とても俺と大井だけでは防衛出来るものでは無かった。

 

「少しでも被害を抑えるんだ!あそこの河川敷の上空付近にあの魚が行けば北上が打ち落としてくれるはずだ。それまでは耐えろ!」

 

正直ここまでの連戦で俺も北上も大井も小町もそれなりにトリオンを消費してしまっている。北上もフルチャージの一発を撃てばトリオン体を解除されるだろうし、俺も大井も現在出し惜しみなしで爆撃を迎撃しているため、こちらももうあと数分が限界だろう。小町は射撃トリガーを持たないため、比較的トリオン量に余裕はあるものの、現状俺達が落ちたら対抗する手段が無くなってしまう。

 

「まだだ!ひふみ先輩!ファンネルのコントロールを!」

 

ひふみん先輩に10機あるファンネルのコントロールを委譲する。それにより俺はサブトリガーのバイパーのコントロールに集中し始める。そうすることで俺の迎撃範囲が拡大する。

俺と大井はビルからビルへ跳躍しつつ移動しながら迎撃を続ける。サカナの右翼に俺が、左翼に大井が、という位置取りをしながらサカナからの爆撃を防いでいた。それでも防ぎきれない攻撃が市街地に落ちていく。

そんな光景に唇をかみながら必死に迎撃していると、たまにサカナの上部で光がはじけているのが見える。どうやら木虎はサカナに乗り移って撃墜しようとしているようだ。

 

「八幡さん、このままではトリオンが!」

 

大井が叫ぶ、俺ももう残りがほとんど無くなっている。このままではもう1分も持たないかもしれない。北上のチャージは完了しているため後は市街地に被害が出ない場所にさえ誘導できればだが・・・・。

そんな状況に焦り始めていると、サカナが急に方向転換をして高度を落とし始めていた。・・・おいおい、まさか!

 

「万歳アタックする気か!まずい!北上は射程に入り次第撃て!大井は落下地点にディフェンサー!俺のファンネルとで市街地への被害を減らすぞ!」

 

サカナの落下地点に急行する俺と大井。大井が何か言いたそうな表情で俺を見ている。

俺も、もちろん大井もあのサカナの巨体での自爆を止めきれないのは理解している。それでも、やるしかない。

北上の砲撃である程度は削れるはずだ、後は俺と大井とで残りを削って受け止める。大丈夫、俺達ならやれるさ、ウイングゼロのバスターライフルでリーブラを打ち落とすシーンを何度見たと思っている。それに比べれば空飛ぶサカナの一匹や二匹。

そうして覚悟を完了させると北上から砲撃ポイントへ移動したとの連絡が入る。

 

「よし、撃てぇ!!」

 

それと同時にサカナの胴体を貫くように極光が奔る。北上の砲撃によりサカナの大部分が吹き飛んだものの、まだ頭の部分としっぽの部分が残っていた。

 

「大井!頭を削るぞ!しっぽの部分は無視だ!」

 

「了解!」

 

分割されたサカナの尾の部分はそれなりの質量ではあるものの、大きな被害にはならないだろうが、問題は頭だ。おそらく自爆するであろうその頭部の核に俺と大井は攻撃を集中させる・・・が。

 

「かたい!」

 

「このままでは!」

 

俺も大井もトリオンがほとんど残っていないため、その核を削り切れるだけの攻撃が出来なかった、仕方ない、受け止めるしかないか!

 

「大井!フルガード!!」

 

「はい!」

 

「『盾』印、五重」

 

大井の返事とは違う、もう一つの声が聞こえたが、もうサカナの顔が目の前に迫っていたため、それを確認することは出来ずに俺はその、大きな顔をファンネルのシールドモードとシールドを使用して受け止め、そして俺と大井はその衝撃でベイルアウトしていった。

 

・・・・しかしあれだな・・・最後のあの光景はしばらくトラウマになるかもしれんな。目の前いっぱいにサカナの顔って・・・・。そんな事を思いつつ、最後に手助けをしてくれた白髪の少年に感謝するのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 




という訳でイルガ―(サカナ)迎撃の回でした。

もちろん裏では嵐山隊が学校に来たり、その後木虎が三雲を学校まで迎えに来たり、その途中でイルガ―が出て、木虎が迎撃に行ったり、三雲が町の人助けに行ったり、空閑が三雲の頼みで木虎をばれないように助けに行ったり、三雲は面倒見の鬼だなって言われたりしてます。

ばれないように、という三雲のオーダーにより、空閑はこっそりとシールドを張ったのです。
ちなみに、北上は砲撃後にトリオン切れでベイルアウト、小町は北上のベイルアウト後、木虎と合流してともにイルガー撃破後の対応をしていたりしています。

今回のイメージはガンダムWの最終回。あれね、誰もが無理やろ。って思ったあれです。知らない人がガンダムW見る事をお勧めします。名シーンなのです。

おっと、話がそれましたね、という訳で?次回もよろしくでっす!!


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比企谷隊の戦争7 イレギュラーゲート

こんばんわ。戦争編7話です。

今回も安定の?ワートリキャラが全然でてこない回です。
もうこれタグ追加した方がいいのかと考え中などうも私です。

というわけで、原作のサイドストーリー?的な位置づけな感じのお話です。




ベイルアウトによる少しの浮遊感から少しして、ボフン!という音と共に俺と大井は隊室にあるベイルアウト用のマットに帰還した。

 

「うぉぉ・・・最後のあれやばすぎだろ。ちょっとしたトラウマになりそうなんすけど」

 

「お、おのれ・・・。ちょっとでかくて空飛ぶサカナの分際で・・・」

 

超ドアップの空飛ぶサカナを受け止めた俺と大井はそれぞれ文句を言いながらマットから起き上がる。ふぇぇ、トリオン切れで体がだるいよぉ・・・。

 

「おつかれ~大井っち~、ハッチーさん」

 

そして俺達のほんの少し先にトリオンを使い切ってベイルアウトしていた北上がニコニコしながら俺達を労ってくれた。

俺と大井はそれぞれ北上を労いながら状況の確認をするべくひふみん先輩のところに向かうことにした、まぁ同じ隊室内なんですけどね。

 

「ふぅ、このまま休んでいたいとこだが、そうもいかないか、どれ、よっこいしょ。」

 

「よっこいしょ、って・・・もっとしっかりして下さい。そんな事でどうしますか」

 

どうしますかって言われても、だって疲れたんだからしょうがないじゃないですかぁー。そんな視線を向けるも大井は当然許してくれないわけで。

俺昨日も今日もほぼトリオン枯渇するくらいまで頑張ってるんですけど?でもそれで許してくれないわけで。うちの大井さんはスパルタなんです。

 

「へい」

 

「へいって・・・。まったく、説教をお望みですか?」

 

「すみませんでしたぁ!以後気を付けます!」

 

「ふふ、最初からそうしてくださいね?」

 

ふふふ、はははとゆるーく話しながら俺達はひふみん先輩の元に向かう。か、体が重い・・・、北上と大井も少し顔色が悪い感じだ、こりゃ無理させないようにだな。

はぁ・・・状況を確認した後は忍田さんとこに行って、その後は・・・あれだ、空閑の話とか三雲の事とか、あぁでもその前にゲートの対策をしないとだな。ふぅ、しばらくは休めなさそうだなぁ・・・・。くすん。

 

それから、ひふみん先輩に話を聞くとあのサカナの襲撃による市街地への被害は大きいようだ。現在は開発室によるトリオン障壁を展開したらしく、48時間の間ゲートを強制封鎖したらしい。

一時的にイレギュラーゲートの発生を封じたため、すでに救助隊の派遣と手すきのB級隊員らが救助活動を行っているらしい。

それから唯一現場に残っていた小町はその場にいた木虎と合流してこちらに向かっているようだ。なぜか三雲も一緒らしいが、なぜだ?

しかし今回の被害は、大規模侵攻以来の大惨事と言えるだろう、それでも迅さんの未来視ではもっと大規模なものが視えているようだが。

 

「ぐぬぬ・・・・」

 

「で、でも、みんなががんばってくれたから、被害をかなり抑えられたと思う、よ?」

 

被害を防げなかった事に悔しがる北上と大井をひふみん先輩は優しく撫でながら慰めていた。

到着までの数分間と、その後の爆撃を迎撃しきれなかった分と、最後の自爆によりそれなりの被害が出ているが、俺達の到着がもっと遅かったら今回の被害は数倍に膨れ上がっていただろう。

ひふみん先輩のフォローは理解している。理解しているが、それでも俺達がもっと強ければ、と思ってしまう。

そんな俺達の葛藤を理解しているのかひふみん先輩は優しく俺達を励ましてくれていた。

 

 

「ふぅ、よし。切り替えよう。これから俺は報告に行ってくる。トリオン障壁を展開しているとはいえ、緊急事態に備えて北上と大井はとにかくトリオンの回復に努めてくれ。」

 

「わかりました」

「了解だよ~・・・・すーすー」

 

て、はやっ!返事したそのまま北上が寝てしまったんすけど。そういえばお昼寝の途中でしたね。

大井は苦笑しながらも寝てしまった北上の頭をそっと自分の膝にのせて微笑みながら撫で始めている。

正直大井にも寝ていて欲しいものだがまぁ、大井がそれでいいならいいか。

俺も寝たいなぁ、と思うものの、そうもいかないわけで、俺とひふみん先輩は一緒に忍田さんへ報告に行くのであった。

 

 

 

 

 

「さて、うまい事三雲の件を話さないとですね」

 

「がんばって、ね!」

 

という訳で、やってまいりました中央作戦室。

いまだ状況は収まっていないのか、中からは慌ただしくオペレーターの人達の声が聞こえる。

三雲のトリガー無断使用の件とか空閑の件とか、サカナの件とかイレギュラーゲートの件とかいろいろあって忍田さんの心労が心配される昨今である。・・・・空閑の件はまだばれてないと信じたい。あ、コレに関しては俺のストレスがマッハだわ。

そんな現実逃避をいつまでもしているわけにはいかないので、ようし、行くぞ!と心の中で奮起して作戦室に入る。

 

「し、失礼しましゅ、比企谷隊、報告にきましちゃ」

 

噛んだ・・・・・盛大に噛んだ・・・・・。

 

「プッ!・・・・ふふふ」

 

横でひふみん先輩が顔を真っ赤にして笑いをこらえようとしている、てか、こらえれてないし。は、恥ずかしぃー!

よく見るとさっきまでわたわたしてたオペレーターの人達も聞いていたのか、小さくくすくすしている。ぐぉぉ!マジか、耳良すぎじゃね!?

ま、まぁ?おかげで先ほどまでの緊張した空気はなくなっていたので良しとしよう。

 

「あぁ、比企谷!学校といい、未確認のトリオン兵の対応といい助かった!」

 

「本当にご苦労様、比企谷君達のおかげで市街地や民間人への被害が大分抑えられたわ」

 

俺が噛んでいたことは華麗にスルーして忍田さんと沢村さんが労ってくれる。

あ、沢村さんは普通にくすくすしてるわ。いや、良く見ると忍田さんもちょっと口の端がひくひくしてたわ、まぁ?二人も心労が多いでしょうし?リラックスに貢献できたようでなによりですし?

 

・・・もうやだ、かえる。

 

「あぁ、すまんすまん。現状、ゲートの発生は防げているが、その間にイレギュラーゲートの発生原因を特定して対策しないとだが、緊急時に備えて比企谷隊は隊室で待機しつつトリオンの回復に努めてくれ。今回の件は本当に助かった。」

 

「いえ、俺達の力が及ばず、被害を出してすみませんでした。それと待機の件、了解しました。」

 

「謝らないでくれ、本当に助かった。比企谷達が居なければ今回の比ではない被害が出ていただろう」

 

市街地を守り切れなかった悔しさがあった俺達だが、本心からそう思ってくれているだろう忍田さんの言葉に少し救われた気がした。

周りのオペレーターの人達も同じように思ってくれていたのかみんなありがとう、とか助かったと言ってくれた。まぁ中にはさっきの可愛かったとか言ってきた沢村さんとかもいたが、そこは忘れてくれませんかねぇ!?

って、これで終わったらだめじゃん!

 

「あ、あざす・・・、それと、今回の報告なんですが・・・・」

 

それから俺は三雲の中学校での件を空閑の事は話さずに報告した。この状況で空閑の事話すとかそんな事俺にはできねぇだ。さすがの忍田さんもストレスがやばくなるだろうしね、幸い空閑は割といい奴っぽいので今回の件が落ち着くまでは静観でもいいだろう。・・・いいよね?

俺が駆けつけるまでに時間がかかりすぎた事、俺が三雲にトリガーを使用するように指示したこと。三雲の活躍により多くの生徒達が助けられた事を話して、何とか三雲の処罰を軽くしてもらえるように報告した。

 

「以上です。もし三雲になんらかの処罰が下りる場合は俺に責任があります」

 

そう締めくくった俺を忍田さんはじっと見つめてきている。

 

「わかった、比企谷が離れた後は嵐山隊が中学校の対応をしていたが、その報告から三雲が自身の判断でトリガーを使用したと聞いていたのだが・・・了解した。そういう事ならば俺の方で何とかしよう。」

 

「ありがとうございます」

 

まったく、予想通りと言うかなんというか。やはり三雲は自分がやったと報告していたようだ。まぁ、そう言うだろうと思っていたが。

大方、俺に迷惑をかけないようにしたのだろう。そんな後輩の気遣いに苦笑していると、どうやらひふみ先輩も同じことを思っていたようで、横でふふふってしていた。

 

 

それから、イレギュラーゲートの件でも報告する事にした。

どうもひふみん先輩の話だと、俺と北上、大井のトリオンの燃費がここ最近悪くなっていたとの事、今回のイレギュラーゲートの件と合わせて調べたいことがあるとの事。

 

「ふむ、わかった。開発室と刑部姫君にも話を通しておこう。滝本君も協力してくれ」

 

「・・・はい」

 

少し考えた忍田さんはひふみん先輩にも協力要請をして、それにかわいらしくうなずくひふみん先輩。

あれ?これもしかして俺も協力しないとじゃね?そう思って沢村さんに視線を送るとうんうんとうなずいていて、あぁ、やっぱしそうなんすね。はぁ、どうやら俺が休憩できるのはもう少し先になりそうだ・・・。

 

 

 

 

 

 

 

「んで?イレギュラーゲートの原因をひふみんと調べろって言われたんですけど?ねぇ?帰っていい?だめ?・・・・・・あ、そう」

 

中央作戦室から帰還した俺とひふみん先輩は早速とばかりにあれこれと調べものをしていると、不機嫌です、と顔全体に書かれた刑部姫こと姫ちゃんさんが我が隊室にやってきた。

あの、なんで俺が睨まれてるんすかね?え?なんとなく?・・・ひどい。

 

「うん、姫ちゃんに、手伝って欲しいの」

 

「は?普通に嫌なんですけど?ていうか忙しいんですけど?素材集めないとなんで他を当たってくださいごめんなさい」

 

ひふみん先輩にお願いされておきながらその態度はなんだ!と思うものの、働きたくないという姫ちゃんさんの理想も大変共感できるもので、こんな緊急事態でもぶれない姫ちゃんさんのスタンスにちょっと尊敬の念をもってしまう。

まぁ、その理由があれ過ぎるが・・・まぁ、こんな事を言っていてもなんだかんだ最終的にはひふみん先輩に強制的に働かされてしまうんだろうけどね。

そんな事を思っていると、ひふみん先輩のまとうオーラが少し冷たくなる、あ、これ氷の女王様モードですね、我々の業界ではご褒美ですのやつだ。

 

「な、なによ!こないだからゲートやらなんやらで折角買ったのに全然プレイできてないのよ!?」

 

「・・・・・・・手伝って欲しいの」

 

クールひふみんのプレッシャーに早くも涙目になり始めている姫ちゃんさんだが、それでも必死に抵抗している。

それあれですよね、今回のイレギュラーゲートの件ですよね、それに対抗するべくいろいろとやってたんすよね。なんだかんだと文句は言うものの、この人も俺と同じで小心者だから強く言われたりするともう抵抗できないんですよ。だから意外と引き受けた事はちゃんとやったりするんすよね・・・。

 

「ね?ひふみん。ちょっとだけでいいの。ちょっとだけでいいから、・・・ね?」

 

戦法を変えたらしい姫ちゃんさん・・・めんどいな、おっきーと言おう。おっきーは両手を胸の前で合わせながらくねくねとひふみん先輩に懇願している。あ、あざとい!

でもとうぜんクールひふみんにはそんなうすっぺらいあざとさなんて通用しないわけで。

 

「だめ」

 

「いじわる!けち!コミュ症!巨乳!やだー!引き籠るぅー!引き籠るのぉー!」

 

冷たくあしらわれたおっきーは今度はダダをこねだした。め、めんどくせぇ・・・。

それでもひふみん先輩の対応は変わらないわけで、あ、でも気温がさらに下がりましたね・・・そろそろ決着が付きそうかな?

 

「だめ。手伝って」

 

「ふ~ん、そう。そういう事いうんだ~?」

 

なにやら今度はニヤニヤし始めるおっきー。そう思ったら俺の方にちょいちょいと手招きをしてきた、え、俺!?巻き込まれるのん!?

すげぇ嫌そうに近づくと、俺の耳にこしょっと内緒話をするような感じで距離を詰めてきた。く、くすぐったいっす・・・・。

 

「ひふみんの秘密教えてあげる。あのね・・・」

 

え、ちょっと気になるんすけど!?って思わず耳を傾けようとしたところで激おこなひふみん先輩が顔を赤くしながらおっきーの口を抑えていた。すげぇ気になるんすけど!?あれかな、胸に星の形のほくろがあるとかかな、ドキドキ。

 

「それ、だめ。仕事、する」

 

「うぅ・・・・はいはい、わかったわよぅ。はぁ・・・・引き籠っていたいのにぃ・・・・」

 

だんだんとひふみん先輩の目から光が失われていくのを見て、流石に無理だと悟ったのかおっきーは盛大なため息を吐きながらしぶしぶ了承するのであった。

ですよね。俺もまじめにやります、さーせん。

 

「はぁ、仕方ない、そんじゃま、びしばしやって、びしばし引き籠りますか!」

 

そうと思ったらふんす!と気合を入れたおっきーがとても内容とマッチしていないテンションで隊室のPCに向かっていく。それを見ていた俺とひふみん先輩は少し視線を交差させるとそれぞれふふふ、ははは、と笑ってそれぞれイレギュラーゲートの対策について取り組んでいくのであった。

ふぅ・・・とはいえ、俺も休憩しないとなんで、基本的には2人に頑張ってもらうんすけどね。もうさっきからちょっとくらくらしてるんす。

 

カタカタカタ、ガガガガガガ!カタタタタタタ!とキーボードを叩く音が続いている。ちなみに、俺、おっきー、ひふみん先輩の順ね。

つか2人ともキーボード操作早すぎない?さすおにの人なの?なにやら2人でプログラムを確認したり作っているのだが、そのペースがやばい。

 

「ん~やっぱり誘導装置には異常はなさそうなのよね~・・・・」

 

「やっぱり誘導が無効化、されてる?」

 

う~んとうなりながら話すおっきー、さっきからプログラムやらシステムを見直していたのだが、どうやら異常は無いようだ。そうなるとやはりひふみん先輩が行っているように無効化されているのだろうが、その方法を突き止めないと。

 

「問題はどうやって無効化しているかなのよね~」

 

「やっぱりハチ君達の、消耗が関係する、かな?」

 

「う~ん・・・。トリオンの消耗は使い方次第だからなんとも言えないのよね」

 

2人そろってうむむ、ってしている。どうやら行き詰っているようだ。俺もうむむ、って考えて見る。

 

「う~む。・・・うん?そういえば・・・」

 

「ん?なになにはーちゃん?」

 

「そういえば、ゲートの話が出始めた頃、なんか北上がなんか変な気配がするとかなんとかって・・・」

 

いつだったか詳しくは覚えてないけど、なんかそんな事を言っていた気がする。昨日今日と全力戦闘をして確信したが、明らかにトリオンの消費効率が低下しているのは俺も気になっていた。

あきらかに消耗が激しかったのだ。普段ならそこまで気にならなかったが、まず間違いなく低下している。

 

「ふむ、変な気配・・・野生の感を持ってる北上ちゃんが言うなら信憑性高そうね」

 

野生の感って・・・、あながち間違ってないけどさ、これ大井が聞いたらブチ切れそうだなぁ。まぁでもいろいろ俺も考えてみよう。

 

「「「むむむ・・・・・」」」

 

う~む、例えば、こんなのはどうだ?

 

「・・・なんかゲート発生させる子機?みたいなのでもいるんですかね?」

 

ははは、と笑いながらかるーく言ってみると、ひふみん先輩とおっきーがそれぞれピコーン!と目を光らせた。へ!?なに!?

 

「そ、それよ!さすがはーちゃん!・・・ならこれで、ひふみん?」

 

「わかって、る!」

 

唐突に以心伝心した2人はPCを高速でうちはじめた。へ?どれ?

 

「え?どういう事ですか?」

 

「子機よ子機!はーちゃんの言う通り!たぶん周りの人からトリオン吸収してるのよ!それが隠れているの!」

 

「なん・・・・だと!?」

 

「たぶん、レーダーに映らない加工がしてあるか、地中に、いるのかも・・・」

 

な、なるほど。なんとなく言ってみた事が正解のようだ。ただ、問題はレーダーに映らない事のようで、相当小さいのか、ステルス性能を持っている可能性が高いようだ。

だから2人は協力して子機をレーダーに映らせるためのプログラムをしているらしい。

 

「ゲートの発生が複数個所で起きている事からおそらく複数いるの、その一つでも見つかればそこからこのプログラムでレーダーに映るように出来るわ!そしてそれが終わったら炬燵でごろごろするんだから!」

 

イレギュラーゲートの原因はまだ確定では無いものの、とりあえずはなんとなくあたりが付いたため、ひふみん先輩の計らいによりプログラムは2人に任せて俺は今度こそ休憩するのであった。

 

 

 

 

 




というわけで、イレギュラーゲート対策編でした。

こういう話は文字数が増える割りに進まないのが難点です、でもさくっとやってしまうとそれはそれで、あれなんですよね。
もうちょっとさくさく進ませた方が良いんだろうなぁとか思いましたまる。

次からはもう少しさくさくさせつつ、那須さんも登場させたいと思います。
それでは次回もよろしくお願いします!


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比企谷隊の戦争8 待機ってつらい。

こんばんわ!戦争編8話です。

あれです、前回話数間違ってしまい申し訳ないです。

番外編てきな話とか作ったりしてたら話数が飛んでしまいました。てへ。
あと、ちょっと過ぎたけど小町ぃー!お誕生日おめでとぅー!!と言わせて下さい。

とくに番外編とか無いけど、俺ガイルでもっとも好きなキャラクターなので今回はこの場にて祝わせてもらいました。

でも、今回の話は那須さんを出したかった。ただそれだけの話です。



空とぶサカナの襲撃の翌日、トリオンを使い切っていた俺と小町と北上と大井は忍田さんの指示により、待機という名のトリオン回復に努めていた。

俺達が回復のために休息している間もおっきーとひふみん先輩はおそらくいるであろう小型トリオン兵をレーダーに映すためのプログラムの作成をずっと行っていた。夜型ですもんね、おっきー。

 

「ふわぁぁ・・・ふぅ、良く寝た」

 

ベイルアウト用のベットから起きた俺は大きく伸びをして体をほぐす。まだ10代なのに体からバキバキいっていて社畜っぽいなぁとか思ったが、気にしたら負けだと思うことにした。

しかし、良く寝た。トリオンもしっかりと回復しているようだ。これで後はもうすべて解決しましたー!とか小町あたりが言ってくれると嬉しいのだが、そうもいかないだろう。

 

「ふぅ、まぁ今日も一日がんばりまっしょい!」

 

しょい!と気合を入れてマットから立ち上がって他のメンバーと合流する。やみのまー。

 

「おはようございます」

「おはよ~」

「お兄ちゃんおはよ!」

「おは・・よう」

 

俺が熊本弁で話しかけると大井、北上、小町にひふみん先輩も朝の挨拶をしてくれる。うん?熊本弁違う?またまたー。

どうやら俺が最後に覚醒したらしい。久しぶりに比企谷隊が全員そろったような気がしないでもないが気のせいだろう。

 

「状況はどうなってます?」

 

俺達が休憩している間の事を確認すると、状況はまだ続いているようだった。デスヨネー。

トリオン障壁によりゲートの発生を妨害できるのは明日まで。それまでに対策しないとなのだが、幸いひふみん先輩とおっきーのプログラムはほぼ完成しているらしく、後は実際の子機を一機捕獲できればそこからレーダーに移せるようになるようだ。

つまり、これからの仕事はその子機探し。・・・・め、めんどくさしー!

しかし、小町の安全のためにも早急に解決しないとなもんで、仕方ないべさ。と諦めると、どうやら俺の端末に連絡が来ていたようなので確認する。

 

「ふむ?メールか?」

 

確認するとそこにはいくつかメールが来ていた。

一つは三雲から感謝の言葉が。ふむ、律儀な奴である。とりあえず気にするなってことと、空閑に手伝ってもらってサンキュと伝えてくれと返した。

もう一つには迅さんからで、後は任せろ!と不安な感じがしないでもない内容の文が。それにはファイトだよ!と返した。内容を間違えた気がしないでもない。が、まぁきっとサイドエフェクトになにか見えたんだろうと思い信じることにした。後々めんどい事を手伝わされそうで怖いが、こういう時、迅さんのサイドエフェクトがもっとも強いので後の事はあきらめるしかないだろう。やはり返信を間違った気がするなぁ・・・・。

更にはおっきーからも来ていて、とりあえずなんとかなったから、後はひふみんに任せるぜ!という旨と、その後に素材ゲットだぜ!というメールがあった。ふむ、とりあえず感謝の内容を送るとしよう。俺も引きこもりたいものだ。

そして最後に忍田さんからで、比企谷隊と一部の部隊には緊急事態に備えて待機の指示と、三雲の件についての会議の結果が記されていた。・・・迅さん、やっぱりこれ後々なんか手伝わされそうだなぁ・・・まぁでも迅さんと忍田さんのフォローによりなんとかなったようで良かった。タヌキのおっさんや城戸司令はクビにする気マンマンだったらしいが、何とかなったようだ。感謝感謝である。

俺の力不足で三雲をクビにするなんて許容できるわけが無い。もしクビにされるようなら小町に頼んで城戸司令を説得してもらうところだった。この辺の交渉において小町は最強なのだ。ちなみに交渉において、俺と志岐とひふみん先輩は最弱ランキングの1~3位を独占している。

 

「どうやら俺達は緊急事態に備えて待機らしい。」

 

そう伝えると、全員知ってると返してきて、あ、そうですか。そうですよね。とちょっとしゅんとしてしまう。

 

まぁ、そんなこんなで北上と大井は先日の連戦でトリガーに負荷がかかったそうなのでメンテナンスをしに開発部に行った。

小町は沢村さんのところへ行き、中央作戦室のオペレーターの協力をしに行った。どうやら中央のオペレーターは皆24時間体制で詰めていたようで、小町はそのヘルプに向かうようだ。仲良いですもんね、でもお兄ちゃんの余計な事は話さないで欲しいかなって思ったりして。

ひふみん先輩はプログラムの確認と、他の可能性を模索するべく可愛らしくPCとにらめっこしていた。

そして、俺はというと、・・・・・・やることが無かった。びっくりするくらい何も無かった。

 

「ひふみ先輩、紅茶のおかわりいりますか?」

 

「ううん、だい、じょうぶ。ありがとね?ハチ君は・・しっかり休んでて?」

 

「はい、わかりました」

 

と、こんな感じである。

正直さっきまでしっかりと休んだので休憩の必要もないし、昨日の連戦でファンネルを酷使したのでこちらも修理が必要かと思っていたら、どうやら俺が寝ている間に宇佐美が来ていたらしく枕元に修理されたトリガーと眼鏡が靴下に入れて置かれていた。サンタかよ。

・・・・・・ふむ、宇佐美のミニスカサンタ姿を想像してみる・・・・悪くない。性格はちょっと、かなりあれだが、見た目は黒髪のストレートロングに落ち着いた雰囲気の眼鏡とその完成度は高い。つまり、悪くない、むしろ良い。

おっと、あまりにも暇だったので余計な事を考えてしまった。・・・しかしあれだな、暇だ。ひふみん先輩に協力を申し出ても休んでて、と言われてしまったし、流石にこの状況で訓練するわけにもいかないし。くまったくまった。

そんなこんなで、特にやることも無い俺はせっせとPCをポチポチしているひふみん先輩をさりげなくフォローをしつつ、可愛さニューウェーブ!とか脳内CMを流して遊んでいた。

そんなまったくもって最高に有意義な時間を過ごしていると、通路からバタバタと慌ただしい音が聞こえた。バタコさんかしら?

 

「たいへんよー、たいへんなのよー」

 

ばたばたと聞こえたと思ったら、バーン!と勢いよく開かれたドア。そしてそこまでの勢いはどこに行ったのやらという感じで棒読みで入って来たのは熊谷だった。

いや、おかしいでしょ。どこから突っ込めばいいのかわからんけど、まずこのドア電動なのになんでそんな障子みたいな開き方すんのさ。とかそんでなんで急いで来たのになんで棒読みなのさ、とかたいへんな感じゼロなんすけど。

 

「そうか、わかった。頑張れよ」

 

とてもいやな予感がひしひしとした俺は熊谷の両肩を掴んでくるんと回転させて押し出した。さらっとやってしまったけど、せ、セクハラとか言われないよね?

 

「たいへんなのよー、たすけてひきがやー」

 

「その全然たいへんそうな感じがしない話し方をやめてくれたら前向きに検討しよう」

 

相変わらず棒読みな熊谷にいい加減ちょっとイラっと来たので暇じゃないのよ?という意思を込めて見つめる。まぁ、正直すげえ暇なんすけどね。でも今の熊谷の顔はめんどくさい事をやらせようとしてるときの表情なので極力断りたいものである。・・・・あれ?これ無理フラグじゃね?

 

「ちょっと玲の体調が良くないから看病して欲しいの」

 

「おい、それマジで大変じゃねぇか」

 

と思ったら実はちゃんと、ちゃんとって言うのもあれだが、マジで大変だった。最近ではめっきり忘れられがちだが、那須はもともと病弱改善のためにボーダーに入隊している。

言ってて意味がわからないが、病弱改善の為である。なのでちょくちょく体調を崩していまうのだ。

 

「だから比企谷に玲の看病をお願いしたいの」

 

「いやいや、男の俺じゃなくても志岐とか日浦とかいるだろ。」

 

おいおい、くまちゃんってば迅さんにセクハラされすぎて頭おかしくなったんじゃね?俺に女の子の看病させるとか無理に決まってるだろ。そんな気持ちを込めてごめんなさいした。しかし熊谷はそんなんじゃ認めてくれないらしい。

 

「あたしと茜はこれから防衛任務兼イレギュラーゲートの手がかり探し。小夜子は本部オペレーターのヘルプで隊室に誰も居ないのよ」

 

「いや、それなら・・・・・・あ」

 

言いながら考えてみる。小町もヘルプでいない。大井と北上も開発部でいない。ひふみん先輩は対策で大忙し。おっきーは・・・・家事スキルとか無いだろうから無理。他には・・・・あれ?頼れるやついなくね?第六駆逐隊も熊谷達と同じだし、それ以外の隊員も似たようなものだ・・・・。

 

「ね?お願い!」

 

「いや、でもあれだ・・・・さすがにまずいだろ」

 

「大丈夫!むしろ玲的にはどんとこいって感じだから!あたし達もしばらく帰って来ないから!」

 

なにが大丈夫でなにがどんとこいなのかは聞かないでおこう。

しかしなんでこんなノリノリなんだよ、普通に無理だから。さっきから超暇だったからちょっと仕事手伝う的なのならいいけど那須の看病を俺だけでやるとかいろいろとアレがまずいでしょー?

そんな感じであれやこれやと何とか説得していると、しびれを切らしたらしい熊谷がおもむろにポケットからスマホを出すと俺に画面が見えるように差し出してきた。なんぞ?

 

「あん?なに?・・・・・は?」

 

そこには、俺が那須の胸にヘッドダイブしている画像が!そしてすいっと熊谷が指を動かすと今度は俺が那須にお姫様抱っこされている画像まで。

え、うそでしょ!?という気持ちを込めて熊谷の方を見ると、何やら勝ち誇った顔をしていた。な、なぐりてぇ。

 

「で?お願いしていいわよね?ていうか受けないとあたしうっかりしちゃうかもよ?」

 

「・・・・・・ちょ、ちょっとまってくれ」

 

「あら、しょうがないわね、うっかりするわー」

 

「わ、わかった!わかった!引き受けるから!その画像をばらまかないで下さいお願いします!」

 

そんなんばらまかれたら社会的に死んじゃうから!そう必死にお願いした結果、どうやら思いとどまってくれたらしく、「それじゃよろしく~」と手をひらひらさせながら行ってしまった。

ふ、ふぅ・・・生き永らえたか。はぁ・・・・・これからもアレで脅されてしまうのかしら・・・・・でも断るわけにもいかないし、スルーするわけにもいかないわけでして・・・・・行くしかないですよね。

 

「はぁ・・・・すみませんひふみ先輩、ちょっと那須隊の隊室に行ってきます」

 

「う、うん・・・・がんばって、ね」

 

 

なにやら同情の視線を向けながら見送ってくれたひふみん先輩に挨拶をしてとぼとぼと那須隊の隊室に向かって歩く俺。

あぁー・・・まぁ、あれだな。看病するだけだし。仕方ないと割り切ろう。うん。

 

「はぁ・・・・あ?」

 

とぼとぼと歩いていると俺のスマホがブルりと震えた。なんぞ?と確認すると、熊谷からのメールで、いくつかの指示と逃げたらわかってるな?後那須は寝てるから勝手に入っていいと書いてあった。追伸でいっちゃえ!とか書いてあったがそこは見なかったことにした。

 

「入っていいぞって言われても・・・・ふ、ふう。し、しつれいしまーす」

 

寝ているらしい那須を起こさないように静かに入室する。

隊室内に入ると熊谷に聞いた通り、見える範囲には誰も居なかった。おそらく那須は奥のベイルアウト用のベットで寝ているのだろう。

体調悪いなら自宅か病院で、と思うものの、昨日の件で病院は手いっぱいだろうし、緊急事態に対応できるようにボーダーに待機しているのだろう。熊谷の雰囲気からそこまで体調が悪いわけではないみたいだしな。

 

そ、それにしても・・・那須という美少女が静かに眠る部屋に侵入する俺って、やばくね?大丈夫だよね?後で捕まったり、しないよね?

女子特有の甘い匂いのする隊室と、状況によるものと、俺の社会的立場がデンジャラスなトリプルパンチにより、死ぬほどドキドキしながら静かに、那須を起こさないようにそろり、そろりと奥に進んで行く。

・・・・・・あれ?これ更に怪しさ増してませんかね?

 

「も、もしもーし・・・那須さーん、起きてますかー・・・」

 

ぽそりと声を掛けながらちらりとベイルアウト用のマットのある場所まで行くと、熊谷の話通りに那須が静かにスースーと寝ていた。

近くまで行くと、どうやら少し熱があるらしい那須は少し汗をかいているようだった。

寝ている美少女と、わずかに浮かぶ汗のコントラストについて小一時間くらい議論したいところではある。が、本当に逮捕待ったなしなので理性の化け物を総動員して熊谷の指示を実行する事にした。

・・・・しかし、あれだ、那須の細身の体とか、どこぞの令嬢のような雰囲気とか、儚げな雰囲気とか、うっすらと浮かぶ汗とか、鎖骨のラインとかがやばかった。あれ、がっつり見てね?

 

「よ、よし。とりあえず那須におかゆでも作るかね」

 

とりあえず那須の鎖骨あたりを重点的に脳内フォルダに収めた後は気を取り直して熊谷の指示その一である那須にご飯を食べさせるを実行しよう。

ちなみに、その二はあーんして食べさせて、その三は汗を拭いて、その四は嬉し恥かし朝帰りとか書いてあったのでその一以外は無視することにした。あいつは一体俺に何をさせたいのだろうか・・・・。

 

そんなこんなで那須の鎖骨についての考察と、那須隊の隊服はその露出度やらラインやらも素晴らしいが、大事なのは鎖骨なのではないだろうかとか考えているうちにおかゆが完成した。いや俺鎖骨について言及しすぎじゃね?どうもこの状況で俺の思考もショートしてしまっているようだ。

千葉の兄としてしっかりと小町の鎖骨も愛そうと誓ったのだった。

 

 

 

 

・・・・もう俺はだめかもしれん。

 

そんな事を考えながらおかゆを鎖骨の元にもっていき、とても気持ちよさそうに寝ているところ申し訳ないが、薬を飲ませたりしないとなので優しく起こす。・・・・鎖骨の元にってなにさ、どうもさっきからあれだな。タイーホされそうな感じなので気を付けよう。

 

「那須、少し起きてくれ、薬の時間だ」

 

小町がやるようにユサユサと出来る訳が無いので声を掛けるのみだ。

少し眠りが浅くなっていたのか、少しするとどうやら起きたらしく、「う、うぅーん・・・」という悩まし気な声がして、ちょっとドキドキしてしまう。エロい。

 

「すまん那須、ごはんを食べさせて薬を飲ませるように熊谷に頼まれてるんだが、食欲はあるか?」

 

寝起きに俺が居るのはさすがにあれなのでさりげなく状況説明をしつつ那須の食欲を確認する。よーし、よし!完璧だー!俺の人権も保障されるに違いない。

しかし那須はまだ完全に覚醒していないようで。

 

「うーん、・・・ハンバーグとカレーとシチューとあんまんと八幡くんとドーナツ、杏仁豆腐とチョコレートパフェ食べたい・・・」

 

うん、それはどこのなでしこちゃんかな?つか一部不穏な単語もまじってなかったかな?寝ぼけてただけよね?

 

「そうか、おかゆだな。作って来たから食べてくれ」

 

俺のその言葉に少し覚醒し始めた那須は俺を認識したとたんにふわっと、ふにゃっと?した笑顔を浮かべた。正直、あれです、可愛い。超可愛いと言える。

 

「あーはちまんくんだー、わーい」

 

子供が親に甘えるかのようなふわっとした笑顔を浮かべた那須はあろうことかそのまま俺の胸に飛び込んで抱き付いてきていた。わーいってなにさ!俺をキュン死させる気か!?

 

「ふひゃっ!な、なすしゃん!?!?」

 

慌てる俺には一切お構いなしな那須。抱き付いたまま俺の胸に顔をうずめる。あ、あのー・・・?

いや、その、なに?しかもこの娘そのまますりすりして来たりして、那須の柔らかい体の感触やら女の子特有の香りやらがやばかった。

 

「うーん・・・はちまんくん成分、ハチマ二ウム?の補給~。最近全然一緒にいられなくて寂しかったので、しっかりと補給しないと~・・ふふふ」

 

ふふふって何さー!かわええやろー!!

まだ寝ぼけているのかそんな事を言いながら抱き付いてすりすりしている那須。これ、もう無理やって。

可愛すぎでしょ・・・普段のクールな感じとかどこに行ったんだよ。いや、こんなん素で言われたら恥ずか死間違いなしだけど、これもまたやばい訳で。

 

「お、おう・・・その、すまなかったな、那須。もう少ししたら落ち着くだろうから、そしたらまた、な」

 

お兄ちゃんスキルが発動したおかげで何とか気恥ずかしさから脱却することが出来た俺は、その後もいろいろと甘えてくる那須の頭を優しくなでながら、その、那須の言うハチマ二ウムが溜るまではこのままでもいいか、と思うのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「も、もうお嫁に行けないーー!!ある意味行けそうだったけど!!!」

 

その後、那須隊の隊室から那須のそんな叫び声と、ひたすら謝り続ける俺の声が通路にも聞こえていたそうな。

 

 




という訳で、イレギュラーゲート編はこれで終わりです。

後は比企谷隊が待機している間に迅さんと三雲と空閑が解決しました。

次回はその後のお話です。

イレギュラーゲートの件が片付いた後は三輪隊が三雲達に襲撃したり、空閑を守るために玉狛でかくまったりします。

その間にもしれっと裏で働く、そんな比企谷隊のお話です。

それでは次回もよろしくお願いしますー!!


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比企谷隊の戦争9 イレギュラーゲートの後の話

こんばんわ。戦争編9話です。

先週はあれです、忘れてたっていうか、なんていうか、単純にそんな感じです。

べ、別に、モンハンやってたわけじゃないんだからねっ!

そんなこんなで戦争編、全然進まない戦争編です。これまだ原作2巻までしか進んでない事にがっかりしたのはここだけの話。



那須の看護という名の土下座の時間が終わった。

 

緊急事態に備えた待機のはずが、なぜかそれなりに疲労が蓄積しているというミラクルからしばらくすると、すべてが解決していた。

 

「え?どゆこと??」

 

と通りすがりの木虎に聞くと、イレギュラーゲートの原因が判明し、その対策も終わったらしい。木虎のドヤ顔にちょっとイラっとしたのはここだけの話。早い!安い!うまい!ってか?違うな。え?まじで?と思った。

 

つまりあれだ、那須の看護をしたり、土下座している間に解決したって事か。まんまだな。えぇー・・・・。

 

・・・・すげえ納得がいかない。

前半戦がバタバタしていたのに、後半戦で土下座してる間に解決しましたって言われてもね?いや、働かなくて良かった良かったと思わなくもないけど、なんなの?この未燃焼感。

 

まぁ、解決したっていうならいいんだけどね?モヤモヤするけど。

 

その後よくよく聞きまわってみたところ、三雲をかばった迅さんが、三雲がイレギュラーゲートの原因を特定するってサイドエフェクトが囁いていたらしいとか言ってたとかそんなかんじ。なるほど?

 

そんで、三雲と行動してたら空閑に会って、その流れでひふみん先輩とおっきーが想定していた子機を見つけたらしい。ほうほう。

ちなみに空閑によると子機の名はラッドだとか、んで空飛ぶサカナはイルガ―と言うらしい。なるほど。

ふむ、第一発見者として空飛ぶサカナの名前をこっそり考えていたのが無駄になってしまったらしい。残念だ、ギョギョリオン・・・一生懸命考えたんだけどな。

 

それから、回収したラッドをもとに解析して、ひふみん先輩がかわいらしくプログラムしたシステムを使う事で無事レーダーに映るようになったらしいのだが、問題はそこからだった。

なんとその数が数千体いたらしい。うそやん・・・・?

 

せいぜい数十体かと思いきや、まさに桁違い。つか今まで俺達は何やってたんだよと思ったりして。マジ俺達の警戒網ザルじゃねーかと超・反・省☆てへ!わらえねー・・・・。

 

しかし、そんな聞いただけで辟易しそうな駆除任務だったが、我が比企谷隊は待機だったらしい。

らしいってのはあれさ、気づいたら終わってて、俺にはなんの報告も無かったからね!

ハブられたわけでは無く、ただ気を使ってもらっていたのだと信じたい・・・・。

その為出動要請はなくのほほーんと看病したり、土下座している間に俺達や緊急対応部隊を除く全ボーダー隊員、それもC級も含んだすべてで事に当たったことにより、無事解決したそうだ。

つまり、みんながせっせとねずみ退治に尽力している間、俺はひたすら土下座をしていたという事である。

うん、罪悪感がすごい。

 

 

 

そしてその後、イレギュラーゲートの原因を特定した三雲は表彰され、隊務規定違反の件は取り消しになったうえで、更にボーナスポイントが発生して無事B級になれたらしい。よかったよかった。オメー。

 

ついでに我らが比企谷隊も同じく表彰されてしまった。わお。

 

その際のやり取りが、

 

「え?俺達が表彰?ボーナス??いやいやいや、最後待機してただけなんですけど?え?町守ったやんって?いやいやいや、町守れなかったですよ、被害めっちゃ出てるじゃないですか。え?最小限に抑えたし、学校も守ったって?いやでも最後待機していただけなんですけど?それも任務だ?いやでも・・・・・」

 

というやりとりを忍田さんとしていた。

まぁ確かに?最後こそ待機していたとはいえ?三雲の通う学校に駆け付けたり、イルガ―を撃破したり、町の被害を抑えたり、ラッドのプログラムをしたりと破竹の活躍をしているように見えるけどね?

何度も言うけどさ、・・・・最後その隊の隊長は土下座してただけなんだぜ?

看護して、土下座して、なんやかんやしてたら、事態が解決して、ボーナスですって言われてもさ、罪悪感がすごいんですけど・・・・?

 

でも、そんな事さすがに言えないからやんわりと断ってたんだけど、忍田さんも取り下げる訳にもいかないらしく、あれやこれやとやりとりをした結果、おとなしくボーナスをもらう事になった。

まぁ?ボーナスでそれなりにお金をもらえたので大井と小町はホクホクの笑顔だったので良しとしたのだ。

小町が笑顔なら、俺のちょっとした罪悪感くらいは良しとしよう。実際、俺が土下座してただけで小町も大井も北上もひふみん先輩もしっかりと働いていたので、本当にあれですよね・・・・。

 

 

 

 

 

それからさらに数日後。

 

「ふぅ、ようやく話せるな」

 

「それで?話ってなにかな、比企谷先生?」

 

「おい、お前まで先生言うのかよ、辞めてくれ、恥ずかしくて泣きたくなっちゃうだろ」

 

「ふむ、おもしろい嘘つくね。でも、先生呼びが嫌なのは本当みたいだね、わかったよ、ヒキガヤさん」

 

「おう、そうしてくれ」

 

いろいろとひと段落した俺は、ようやく空閑と話すことが出来ていた。お互いちゃんと自己紹介していなかったので、改めて自己紹介した。空閑はともかく、お目付け役のレプリカを紹介されて、ほう、ハロより高性能だな、とか思った。正直コントロールの難しいファンネルを使っている俺にはとても羨ましい相棒である。

まあひふみん先輩のがずっとずっとかわいいもんね!!・・・なんか張り合うポイント違ったかも。

 

「三雲から空閑がネイバーだと聞いていたんだが、あぁ、違った、それよりもまず、こないだのイルガ―の、最後助かった。正直俺と大井の残りのトリオン量じゃ市街地への被害が抑えきれなかっただろうからな、まじ助かった」

 

「いやいや、お礼を言われるほどの事では」

 

ゆるーく謙遜してる空閑だが、実際こいつが最後のシールドで受け止めるのを手伝っていなかったらもっと大きな被害が出ていただろう。

 

「それでも、助かった。それと、三雲を守ってくれた事もな」

 

「俺もこっちに来た時にいろいろオサムに助けてもらったからね」

 

「そうか、それで、できればなんだが、こっちに来た理由を聞いてもいいか?」

 

そう、俺の目的はこれを聞くことだった。

空閑とはまだそんなに話してはいないが、いい奴であることは理解している。

でも、それでもだ。

空閑の目的がなんなのか、小町の安全を第一にする俺の行動理念のもとに、やはりここは聞かなくてはならない。

本来なら、すぐにでも本部に報告をあげるべきで、その時点で俺の行動理念から外れてるのは確かで、俺の中でかなり葛藤があったのは間違いない。俺自身、こいつに思うところはないが、ボーダーにはネイバーを憎悪している連中が多いからな。だから、いいやつであろうこいつをボーダーに言うことに抵抗があるのだ。

ぜひ迅さんに頑張ってほしいものである。

 

俺の隠ぺい行動に行動に不信に思ったのか、もしくは三雲の言動に違和感を感じたのか、現在三雲には三輪隊が監視についてしまっているとかなんとか。ネイバーが絡んだ時の三輪の嗅覚は半端ないからな。

ちなみにこの情報、小町が月見さんから聞いてきた情報だからかなり信憑性が高かったりして、それ俺達に教えちゃっていいの?って思うけど、そこが小町の強かさである。我がシスターの小町ってばまじ情報に関しては最強。

それを聞いた俺はやはりごまかしきれていなかったか、と察したので三雲を通さず空閑と話をすることにしたのだ。ちなみに周辺警戒にはひふみん先輩にお願いしている。いまごろかわいらしく警戒している事だろう。

万が一これが本部にばれると超激やばなのであるのでして。どきどきしているのは内緒だ。

 

「ふむ、目的、目的ね・・・・それはー」

 

そうして語られた内容は、壮絶なものだった。空閑の過去と、戦争により死にかけた事、それを助けるためにブラックトリガーになった父親。そしてそれを元に戻すために旅をしてこっちにたどり着いたらしい。

 

そうか、こいつのトリガーはブラックトリガーだったのか・・・・・・・あ、あっぶねーーーー!!!

これ、ますます本部に知られる訳に行かないじゃねぇか!やっべぇーーーー!!

予想以上に重い話にびっくりしたものの、ブラックトリガーという衝撃もあったわけで、とりあえず、すでに迅さんとコンタクトをとって、さらに協力関係にあるそうなので、あの変態、もとい、セクハラエリートに任せようと心に決めたのであった。

とりあえず、ボーダーに気を付けろってのと、不用意にトリガーを使うなよってアドバイスしつつ、困ったことがあったら手伝おうと約束しておいた。

後は、そのうち迅さんがなんとかするだろうからそれまでばれないように気を付けろって事と、三雲に監視が付いてるかもだから、そっちも合わせて気を付けてくれと伝えた。とにかく気を付けろって100回位言った。8万回位言ったかもしれん。

 

「ふむ、了解した。ちなみにその人たちに会ったら倒さない方がいい?」

 

「贅沢な望みだとは思うが、なるべくなら戦闘を回避する方向で頼む、迅さんの根回しが終わるまではすまんが」

 

「わかった、オサムが信頼しているヒキガヤさんがそう言うならそうするよ」

 

「お、おう。頼む」

 

その日はそれから他愛もない会話をして空閑とは別れた。いつか空閑がボーダーに入ったらレプリカのレプリカを作らせて欲しいとか、ファンネルかっこいいねとか、ふむ、ならばガンダムを見てもらうしかあるまいとか、そんな話をしたのだった。

 

 

 

空閑と話をした数日後、俺は三雲がB級に上がったためそのトリガー選択へのアドバイスをしたり、日常に戻った隊員達の訓練をしたりしながら日々を過ごしていた。平和やな・・・。

ちなみに、三雲のトリガー選択には基本的には質問に答えるスタンスのみでなるべく自分で考えるようにさせた。

まぁ三雲のトリオン量では選択肢が限られるため、少ない手札で対応する事を考えるように話した位だ。

結果として三雲はアタッカー、シューターのどちらでも対応できるようにとレイガスト、アステロイド、シールド、バックワームを選択していた。うんうん、トリオンの少ない三雲にはレイガストははずせない。

状況次第で武器にもなるし、何よりも硬い。堅実な性格である三雲にはピッタリだろう。さらに、複雑なコントロールを必要としないアステロイドとあわせれば、防御よりなオールラウンダーの完成だ。これからに期待である。

後はこいつをもっと伸ばせる師匠が付けばいいのだが、それはおいおい見つければいいだろう。

え?俺?あれですよ、弟子はもういるのでね?これ以上はね?いやもう俺とは違って第六駆逐隊の連中は一芸特化なので、すでにその分野においてはもう負けそうだったりして、実際にスナイパーでは負けたけどさ。くすん。

しょうがないやん?俺ってばいわゆるオールラウンダーなんだからさ、その分野の専門家には勝てないのはしょうがないでしょ?しょうがないよね?

 

と、そんな言い訳を小町にしたその翌日。忍田さんに捕まるのであった。え?なに!?

 

「よーし!それじゃあ始めるぞ!構えろー!比企谷ー!!」

 

「え!?え!?なにこれ!?なにこれ!?」

 

「はっはっはっは!!比企谷がやる気になってくれて俺は嬉しいぞぉ―!!」

 

という感じで、有無を言わせない感じで訓練室に放り込まれた俺はやたらとハイテンションで暑苦しい忍田さんと対峙していた。

 

「ちょ、ちょっと待ってください!!え?あの、なんでこうなったんです?」

 

いやまぁ、なんとなく、って言うかほぼ間違いなく原因は解っているんだけどね?ノーマルトリガー最強の男とか言われてる忍田さんがこんな超やる気満々でくるとかもう、あれでしょ、太陽の化身というかなんというか、そんなとんでもない熱量で来られたら俺の目の腐食が進んじゃう!

 

「うん?強くなりたいのだろう?任せろ!ついでに今後の大規模侵攻に備えて指揮についても叩き込むからな!楽しみだ!」

 

「いや、それは何かのまちg「いくぞぉーーー!!」話聞けぇーーーー!!ノぉぉぉーーーーー!!」

 

これあれじゃろ?小町に愚痴ったのが沢村さんに伝わって、忍田さんに伝わった際に、謎の化学反応が発生してるんですよね?もしかしたら、大井あたりが燃料を投下している可能性も十分ある。もしろありまくるわ。

 

その結果、あれですよね?この熱血とか青春とかそんな感じに染まっている忍田さんがこうして俺に訓練を付けようとしてくれてるわけですよね?

 

へへ・・・・・、そこまで期待されちゃあしょうがねぇ・・・・やぁってやんよぉ!!!

 

・・・とかなるわけ当然なくて、泣きながら忍田さんの猛攻を耐えるのであった。

 

これ、あれですよね?最近のストレスとか思いっきり発散してますよね?なんか斬撃の際に小さく「ちくしょう」とか、「俺だって頑張ってるんだ」とか、そんな感じの愚痴がちょこちょこ聞こえてくる訳でして、やっぱりまだ空閑の事言えねぇー!とか思った。

 

んで、その後めちゃくちゃぶった切られた。くすん。

 

ちなみに、俺が忍田さんに切られまくっている間に空閑と三雲が三輪に襲撃されていたとの事。えぇー・・・・。

 

泣きながら帰宅しようとしたら、そんな連絡が迅さんから入っていて、これからの忍田さんの頭髪がストレスで蹂躙されない事を祈りつつ、最後の、「頼みたいことがある。」に俺もストレスには気を付けようと、心に刻むのであった。

 

 

 




という訳で9話でした。

ちなみに10話も作ってあるのですぐに投稿する予定です。だいたい作ってあります、だいたいね。

さくさくっと大規模侵攻入りたいなぁ・・・でもあれですよね、玉狛を襲撃する話、アレで相当文字数使う訳でして、まだまだ戦争に入らない不思議!

何なら戦争入ったら何文字使うのさって言うね!今のペースだと後20話くらいかかりそうな訳でして・・・・。

へへ、途中で力尽きないように気を付けますぜ、という訳で、今後はそんな感じで進んで行く予定ですのでこれからもよろしくお願いします。


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比企谷隊の戦争10 俺のサイドエフェクトがそう言ってる!

こんばんわ、戦争編10話です。

先週投稿忘れてたので、その分で二日連続での投稿です。

ようやく原作の4巻に突入します。ふぅ、ながかった。
ちなみに今話は少し原作と登場人物入れ替えています。理由は本文で。

次の話から戦闘に入りますが、再度の告知を、この世界にはチートやら俺TUEEはありません。そこそこ強くする程度です。ここ大事。

そんなこんなで10話です。



「さて、どうしてこうなった・・・・」

 

忍田さんに捕まって、地獄の特訓オールナイトが終わり、やっと解放された次の日。

俺は愛しの小町にいつものように起こされてから、ふと気づいてしまっていた。

 

「ねぇ?小町ちゃん?今日って学校あるのかしら?」

 

「え?お兄ちゃん何言ってるの?あるに決まってるじゃん」

 

「あるに決まってるのかー・・・・。ちなみに小町ちゃん?今日って休日じゃないかしら?」

 

そう、今日は日曜日のはず、はずですよね?忍田さんとの特訓が精神と時の部屋の逆バージョン的な感じで時が早く流れていたならわからんが、そんなアホな事もあるわけが無い。つまり・・・?

 

そんな俺の質問に、気持ち悪いよって言ってから答えてくれるマイシスター。うん、気落ち悪くてごめんね?

 

「日曜日だけどさ、こないだのイレギュラーゲートのせいでその後臨時休校になったでしょ?その振替だよ」

 

「つまり?」

 

「日曜日も学校」

 

「Oh・・・・・」

 

「あ、ちなみに、今日だけじゃなくて、しばらくは隔週で日曜日も学校あるみたいだよ?」

 

「O、Oh・・・・・」

 

やべぇ、初めてネイバーに憎悪してるかもしれん。ここまで怒ったのはあれだ、先月、迅さんが小町にセクハラしようとした時以来だ。・・・・結構最近ですね。

ちなみに、那須はその時の様子を見ていたらしく、怒りで記憶が飛んでいた俺は後からその時の状況を聞いていた。

 

那須曰く「突然八幡君が迅さんに対戦を挑んだの、珍しく本気で怒ってるのに気づいたみたいで、迅さんが謝っても聞く耳持たずで無理やりランク戦ブースに入れて、怒りが収まるまで対戦してたの」

 

とのこと、はて?そういえばそんな事もあったような、ないような・・・・?そんな感じで聞いていた俺。それから那須がその時の映像を見せてくれたりもして。

 

「突然八幡君が自分のアホ毛を引っこ抜いたと思ったら、なんというか、全体的に黒い感じ?になって迅さんを圧倒してたの。すごかったのよ?」

 

とのこと、映像でも確かに俺が自分のアホ毛を引っこ抜いてた。

・・・・・なにこのシュールな映像。それからなぜか俺のトリオンキューブの色が黒くなったり、服装も黒くなったリ、なにやら表情もクールな感じになって、これあれですよね、オルタ化ってやつや。

ここにきてまさかのFATEネタが出て来て、これもしかして俺もサーヴァント化ワンチャンあんじゃね?ってテンション上がったけどきっとレア度星1のゴミサーヴァントになる未来しか見えないな。

 

・・・・まぁ?そのような若気の至りもあったり・・・あったの?あれでしょ?今の良く出来たCGとかでしょ?そんなふざけた能力あるわけないよね?ね?そう聞いた時、那須が笑ってごまかしていたのは記憶に新しい。

 

それからは普通に生活していたというのに、まさかこのイレギュラーゲートのせいで休日出勤になるとは・・・・おのれ・・・!と怒りパワーがしゅいんしゅいんとチャージされていくのを感じていたのだが。

 

「まぁでも、お兄ちゃんの休日出勤とかいつもの事だし、小町を学校まで送る機会が増えるんだから良かったね?あ、今の小町的にポイントたかーい♪」

 

とか小町が言うもんだから、俺の圧縮粒子はすぐに霧散されるのであったとさ。俺まじちょろいん。

 

「おう、確かにその通りだったな、休日出勤とかいつもの事だったわ。小町と2人乗りできて俺的にもポイント高い!・・・・・・・高いか?あれ?」

 

いや、おかしくね?あれ?なんか忘れてる気がする・・・?

 

「ポイント高いよー、小町お兄ちゃんと学校行きたいなー?」

 

「お、おう、俺も小町とだな、でもあれ?」

 

「ダイジョーブ、オニイチャーン、アイシテルヨー。」

 

「俺も愛してるぞー。でもだな、休日g「アイシテルヨー」・・・・あぁ、でもだな「おにいちゃーん?」・・・・っす。」

 

なんか忘れている気がしないでもないけど。ま、まぁ?社畜適正レベルマックスな俺にかかれば学校くらいなんてことないですしおすし。

だから、休日出勤とか、休みないなーとか気にしちゃダメだよねって事ですね。はい。

 

「さて、それじゃあ今日も一日がんばりまっしょい!」

 

こうして、日曜日の学校が始まるのであった。

もちろん、途中でプリキュアが見れない事に気づいた俺が本気で悔しがったのはまた別の話。

 

 

 

 

 

そんでもって、その放課後。

俺は迅さんと駅前で待ち合わせしていた。

さっきからちょろちょろ見られたりしていて居心地が悪い!なんか時折握手してくださいとか、こないだはありがとうとか言われてて、すごくむずがゆい。

たしかに街の防衛に貢献していたように見えるし、イレギュラーゲート後のニュースでは俺と大井、北上がイルガ―から街を守ってる映像が流れてて、これまでも無理やり広報の仕事を手伝わされえていたから、今回の事でちょっとした有名人になってしまったようで。

もう、気楽に立ち読みできないのね・・・・これが有名税ってやつか・・・・って、自意識過剰すぎぃ!とか脳内妄想していると、ようやく迅さんがやって来た。

 

「ごめーん、まったー?」

 

「チェンジで」

 

ぼりぼりとぼんち揚げを食べながらやって来た迅さんに俺は軽くひと睨みする。行儀が悪いのはダメ。小町に悪影響なのだ。

それを察した迅さんはすまんすまんと謝りながら袋をしまう。

とりあえずラーメン行くかという話になって、迅さんと2人で向かいながら会話をする。

 

「それで?その後どうなったんです?」

 

その後、というのはあれだ。俺が忍田さんに切られまくって、生きることについて考えていた時の事だ。

どうもそのころに、三雲と空閑が三輪隊に襲撃されていたようなのだ。

 

迅さんからの連絡が無いから油断していたが、やはり空閑の存在に気づかれていたらしい。

ちなみに、訓練が終わって携帯を確認したら三雲から10件ずつ位メールと着信があってびびった。最後の方とか何をトチ狂ったのかボスケテとだけ入っていて、お前はセ〇のロ〇ピッチャ型通信機でも使ったのかよと突っ込みそうだった。

でもつっこんでも知らないよねって思って辞めた俺は果たしてなんなのだろうとか思ったりして、家にあったんだからしょうがないでしょ。

いつか米屋あたりにフェイント技の一つとしてエリーゼのゆううつを教えてやろうと場違いに思っていたものだ。

 

それはそうと、俺が忍田さんに切られまくって連絡に出れなかったため、今度は迅さんに連絡を取った三雲、まぁ迅さんの未来視ではもう結果は見えていたので、まぁまぁとなだめてる間に決着したらしい。さすがブラックトリガー。三輪隊を相手に勝利するとはね・・・・。今度参考までに俺も対戦してもらうかね?

 

ほんでその後、撤退した三輪隊を追って迅さんと三雲が本部に行ったらしい。

なるほど。あの時、俺を切る担当が忍田さんから太刀川さんに替わったのにはそんな理由があったのか・・・・しかもその後ちょっと忍田さん嬉しそうに切りかかって来てたし。ニコニコしながら切りかかってくるってのがあそこまでホラーだとは思わなかった。

どうも空閑の父親が元ボーダーの人で、忍田さんと仲良かったらしい?へえ?それで?と迅さんに話の続きを聞くと。

 

「あぁ、とりあえず、今のところは本部にも話は通して、忍田さんは味方に付いた。そんで、空閑とメガネ君と、その幼馴染のチカって子を玉狛で預かってる。んで、ボーダーに空閑とチカちゃんを入れる予定だ」

 

「ん?チカちゃん?」

 

聞き覚えのない名前である。おうちに帰りたがる人かな?ちがう?

 

「なんでもお兄さんと友人を探すためにA級になりたいそうだ。んで、メガネ君と空閑でチームを組んでA級を目指すみたいだ」

 

「・・・・・・迅さん」

 

「比企谷の言いたい事もわかる。本人もネイバーフット遠征で実際に会える可能性がほとんどないのはわかってるんだ。でも、なにもしないでいるのが嫌らしい」

 

「そうですか・・・・」

 

それならいいんだ。耳障りの良い言葉で入れたとかじゃないのなら、そして、そのチカって子の願いはそのまま三雲の願いでもあるわけだ。ならますますあれだ。

 

「それで?俺は何をすればいいんですか?」

 

そんな、三雲とチカって子と、空閑のそれぞれの話を聞いた俺は、そう迅さんに質問してしまった。

ふぅ、やれやれ、俺のその言葉にニヤリと悪そうな笑顔を浮かべる迅さん。

うへぇ、これ絶対暗躍するやつやん?いやだなぁーとは思うものの、でも断る気もない訳で、ついつい俺もニヤリとしてしまっていた。

 

「あぁ、それで比企谷にお願いしたいのはだな・・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「え?まじであれに介入しないとなの?」

 

「ど、どどどど、どう、しよう!?」

 

という訳で、迅さんからのお願い(可愛くない)のため、俺とひふみん先輩(可愛い)は、夜の街に繰り出していたのだが、夜の街って響きにちょっと興奮してしまったのは仕方ないよね?

そのお願いってのが超めんどくさくて、俺はすごい嫌そうな顔で、ひふみん先輩はすごくおろおろしていた(超可愛い)

 

「いや、なんかほら、風間さんが模擬戦を除く~とか言ってるし、これ介入しちゃだめな奴ですよね?」

 

「(コクコクっ)」

 

俺がそう言い訳してると、その隣でひふみん先輩も全力でうなずいている(可愛すぎて尊い)が、そんな事許されないわけで、俺とひふみん先輩から遅れる事少しして嵐山さんと時枝も現着して。

 

「大丈夫だ、行くぞ!比企谷!」

 

とそんな感じで一切俺の話を聞かずに飛び出していくのであった。まってぇー!

 

「はぁ、行くしかないか・・・すみませんひふみ先輩は一応玉狛の周辺警戒をお願いします」

 

「う、うん・・・わかっ・・た。気を付けて・・・ね!」

 

ふんす!と気合を入れて応援してくれるひふみん先輩にうなずいて俺も飛び出していく。

ふ、ふう・・・・わかっちゃいたけどあそこA級隊員しかいないんすけど?俺だけB級というこの場違い感がやばい。

 

ちなみに、なんでこんな事になってるかって言うと、あれだ。空閑の件で忍田さんは味方につけたけど、城戸さんはまだ。ついでに空閑がブラックトリガーだってばれてるから、襲撃されてブラックトリガーが奪われちゃう!そうすると空閑死んじゃう!それはダメェェー!って事らしい。

それで、忍田さんから嵐山隊に声が掛かって、迅さんから俺に召集が掛かったって事だ。つまりこの場には迅さんと嵐山さん、俺の他に、佐鳥が後方でツインツインしてて、さらに別動隊に備えて玉狛周辺をひふみん先輩と時枝が警戒している。

ちなみに、ここにいない木虎には小町を警戒してもらっている。

俺が空閑の件を黙認していた事が城戸さんにばれている可能性があるため、万が一のために木虎を護衛にし、その代わりに俺が行くという流れになった。俺のファンネルは多数の相手に対して大きなアドバンテージになる、という建前で木虎を説得した。

正直、派閥争いやら仲間同士での争いに、大人っぽいとはいえいまだ中学生である木虎を巻き込みたくなかったってのもある。あいつ、あれでも小町と同い年だもんな。

 

「嵐山隊、比企谷隊、現着した。忍田本部長の命により玉狛支部に加勢する」

 

しゅたっ!と俺と嵐山さんが民家の屋根に着地して嵐山さんがかっこよくセリフを言う。はいはい、イケメンイケメンとか思っていると。

 

「嵐山・・・・!」とか「嵐山隊・・・・!?」とか言いながら風間さんと三輪が驚愕していて、あの、俺も居るよ?って思わずケフンケフンってしてしまったりして。

「あ、いたの?」って感じで菊地原が言ってきたので絶対あいつはぬっころすと心に誓ったのだった。

 

それから迅さんが、「嵐山と比企谷が居ればはっきり言ってこっちが勝つよ」とか、「俺のサイドエフェクトがそう言ってる」とか決め台詞言って、それから太刀川さんが「おもしろい、お前の予知を覆したくなった」とかすげぇバチバチしてるけどさ・・・・・うそでしょ?迅さんの中で俺のウェイト結構デカくない!?

見たところ、太刀川隊と三輪隊、風間隊と当間さんがいるんでしょ?えっと、ひーふーみーんーで、9人か?え?10人!?しかも全員A級です。ってか?はは、ワロス。

それに対してこっちはえーっと、玉狛周辺を警戒してもらってるひふみん先輩と時枝を除くと、まさかの4人である。いやこれ無理でしょ・・・だって俺だけB級よ?場違い過ぎんでしょ。

なんか読み逃してたのか、はっきり言ってこっちが勝つよとか言ってた迅さんもちょっと汗かいてるし。絶対これ襲撃の人数が思ったより多かったでしょ!?

それを察したのかこっそりと嵐山さんが時枝を呼んでるし、あれですよね?足引っ張りそうでごめんなさいって感じである。

 

「ふぅ、木虎には小町の護衛をしてもらってるし、迅さんには大きな借りがある。やれるだけやってみるか」

 

そう小さくつぶやいて、俺の、まだまだ弱いけど頑張ってる後輩の三雲と、その友人である超重い過去を持つ空閑、三雲の幼馴染で三雲ががんばる理由であるチカって子を守る為の戦いの火蓋は切って落とされたのであった。

 




とうわけで、玉狛襲撃のお話です。

あれですよね、木虎って中学生なんすよ。
大人の権力争いの話で、味方の支部を襲撃させるとか嫌だなーとか思ったんす。

なので木虎の代打で登場してもらっています。
ちなみに、巻き込みたくないって理由で大井と北上、小町には内緒で防衛戦に参加しているため、後々で、説教されたりするのはまた別の話。

ひふみん先輩はあれです、空閑の事を知ってるのでお手伝いで来てもらっています。
 
そんなこんなで次回は玉狛防衛線のお話です。しゅばばー!って行きます!


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比企谷隊の戦争11 あれです、玉狛襲撃その1

こんばんわ。戦争編11話です。

最近はあれです。モンハンは相変わらずでして。まだイビルジョーやってないんすよね。

まぁのんびりやってるので、そのうちねって思ってます。

今回の話は玉狛襲撃のお話。原作の流れを踏襲しつつ、さらに教導隊専用のトリガーを出します。これまた以前から考えてたやつだったりして。詳細はあとがきにて書きますね。

そんなこんなで戦争編です。



『んで?俺はどうすればいいんですか?正直後で向こうの三上とかにすげえ怒られそうな気がしてあれなんで帰りたいんすけど?』

 

戦いの火蓋が~とか思っては見たものの、ぶっちゃけこんなA級部隊しかいない戦場なんてゴメンだし、なによりもさっき風間さんが言っていたように、ランク戦でもないのに味方同士で戦う事に嫌悪感がぱない。なので、今すぐ帰って小町の頭をナデナデして癒されていたい。そんな気持ちを目線に込めて迅さんに言うものの、まぁまぁと嵐山さんになだめられてしまう。

 

『とりあえず最初はプランAで行く。状況次第でBに移行するかもだな』

 

プランA、それは極力反撃は避けて、トリオン切れで帰ってもらおうって言うもの。

つまり、あれでしょ?B級隊員の俺に、A級の、しかも太刀川さんとか風間さんが居るってのに、それを相手に倒さずに無力化しろって事でしょ?・・・・なにそのクソゲー。

 

『いやいや、迅さんや嵐山さんはともかく、俺そんなことしてたら速攻で死にますよ??』

 

『はは、大丈夫だ!』

 

『比企谷なら大丈夫だろ、こういうの得意だろ?それに、俺のサイドエフェクトも大丈夫だって言ってる』

 

いやいやいや、おかしいでしょ?嵐山さんは気楽に言ってくれてるし、迅さんもお得意のサイドエフェクト、サイドエフェクトって、それ言ってれば何言っても良いってわけじゃないんだからねっ!?

 

つかホントに迅さんの中で俺のウエイトっていうか信頼度が無駄に高くね?プレッシャーがぱないんすけど?だってこれあれでしょ?目の前のアタッカー陣もあれだけど、後方には奈良坂さんとか当真さんとか小寺とかいるよ?それに引き換えこっちの後方はツインツインうるせぇ奴だし・・・・いやほんとコレなんてクソゲー?

まぁ、そんな事思っても、やらないとなのだからあれだ。

 

『はぁ、まぁしょうがないですかね・・・・やってみますけど、速攻でやられても文句言わないで下さいよ?』

 

『もちろんだ、頼りにしてるよ』

 

頼らないでぇー!とか思うけど、嵐山さんもグッとサムズアップしているしでもう諦めよう、そうしよう。

まぁ、でも?俺に割り振られた仕事はしっかりとやろうかなって思うわけで、社畜としてね?後でネチネチ言われるのもあれだし?

ひとつ、秘密兵器を導入しよう。そうしよう。

 

『ひふみ先輩、すみませんが、援護をお願いしても良いですか?』

 

『うん、わかっ・・・た!』

 

そう、困ったときのひふみん頼りである。でも、こっちの戦闘に参加してもらうと玉狛の防衛が居なくなるので・・・正直レイジさんとか小南のいる玉狛に防衛戦力を置く意味について考えるとあれではあるのだが、だから今回、我らがひふみん先輩は戦闘に参加するわけではなく、そこから援護してもらうのだ。そう、教導隊の新型トリガーでね!

 

『ヴェーダ・・・・起動。防護フィールド・・・・展開、ビット射出。システム・・・起動』

 

通信越しに聞こえるひふみん先輩の可愛らしくも落ち着いた声、そこからひふみん先輩の、ひふみん先輩のみが使える特殊型トリガーが起動していく。

ひふみん先輩だけの特殊型トリガー、それは広域索敵型トリガーでその名もヴェーダという。

特徴としては戦闘員兼オペレーターというひふみん先輩のみが持つ戦場内でオペレートするためのもの、と言う点である。

拠点作成とでもいうべきか、第1のフェーズで使用者を包むような透明な半球状のシールドが展開される。このシールド自体の防御力はそこまで高くはない。通常のシールドと同等か、やや硬い位である。

第2フェーズではビットを射出して制空権を奪取する、しかしこのビットに戦闘能力はない。いわゆるドローンのようなもので、多数のビットが戦場の上空に展開し、シールド内に投影される複数の空間投影ディスプレイにビットからの映像が映されていく。これにより、相手はどこに展開してもひふみん先輩に筒抜けになってしまうのだ。また、一つ一つのビットも非常に小さく、上空に展開しているため撃墜も難しいという優れもの。・・・まぁ、当真さんとかには見つかって撃墜されそうではあるが、多数展開しているため、いくらか減っても問題ないのだ。

そして第3フェーズでは中空にキーボードが展開されると同時に、その名の由来となる、ひふみん先輩とおっきーの共同制作によるAI、ヴェーダが起動するのだ。つまり、あれだ、ガンダムOOの量子演算型コンピューター的なやつとかのあれを参考にしてるのだ。

・・・このネーミングとか本部の技術部にはガンダムファンしかいないのだろうか?いやしかし普通の名称の試作トリガーもあるからそうでもないのか?俺達だけ?まぁそれは今度考えるとしよう。

これにより、戦況の把握と、戦場にいながら複数の戦闘員のオペレートと、ネットとか、ネットショッピングなんかも出来る。最後のはスマホでもできるな・・。

つまり、このトリガーの起動により、戦場に一つの拠点を作成できるわけなのだ。もちろんシールドを展開しているため、それなりのトリオン量を消費するが、今回のような戦況ではその効果は大きい。バックワームで隠れてもビットで見つけられるもんね。ちなみに赤外線的なセンサーもあるらしく、建物内でもわかるらしい、凶悪ぅ!

一切の攻撃行動が出来なくなる反面、戦況把握という面では非常に強力なトリガーである。さらにそこから戦術AIによるサポートも入るわけで、もうさすがひふみん先輩である。

 

ひふみん先輩のトリガー起動が合図になったわけでは無いのだろうが、それと同時に風間さんや太刀川さん達が攻撃を仕掛けてきた。ちょ!まだひふみん先輩の準備終わってないんですけど!?とか思うものの、流石にそんなこと悠長に待ってくれるわけない訳で・・・・。

 

とりあえず前衛は迅さんに嵐山さん、援護を出来るような配置に俺といつの間にか玉狛の防衛からこっちに来た時枝が付いて迎撃態勢に入る。って言ってもやるのは基本防衛メインで、ちょこちょこ損傷を与えてトリオン切れに持ち込むだけなんすけどね。

 

「バイパー、アステロイド」

 

嵐山さんと迅さんはそれぞれスコーピオンで太刀川さんと風間さん、歌川、菊地原、三輪らアタッカー陣を迎撃する構えだ。奈良坂、小寺、当真さんは視界から消え、狙撃ポイントに移動したのだろう。出水は様子見か?

 

俺は可能な限りキューブを細かく分割して、完全嫌がらせ仕様の弾速重視にしたバイパーとアステロイドを出水や三輪、菊地原に放つ。特に菊地原には普段からイラっとさせられているため重点的に放った。

これによりそれぞれが足止めを余儀なくされ、時枝も風間さんらに射撃して足止めをする。撃破ではなく、足止め目的なので、これでいいのだ。・・・でも菊地原、お前だけは絶対落とす。

 

そうして俺と時枝の援護射撃を突破した歌川と太刀川さんがそれぞれ迅さんと嵐山さんに攻撃を仕掛ける。

 

嵐山さんが太刀川さんを足止めしている間に、迅さんと歌川が斬撃の応酬をしているのだが、ナニアレ・・・早すぎじゃなイカ?A級ならこんなもんなの?俺のハチザムモードでも反応できる自信無いんすけど・・・?これだからアタッカーの上位陣は変態ばっかだとか言われるんだよ・・・・・俺に。

特に小南とか、太刀川さんとか、カゲさんとか反応速度おかしいでしょ?あれでしょ?なんとかみてからなんとか余裕のあれでしょ?バグでしょ、そんなん。

 

牽制射撃をしながらえぇーとか思っている間にも早速迅さんの攻撃が歌川に入って、トリオン漏れを誘発していた。さっすがー!

もちろん?俺もその間に菊地原とか菊地原とかに小傷入れてますけどね?結構前にあいつが小町にうるさいとか言ったこと、俺は忘れてないのだ。ついでにいつも俺に対してだっさとか言ってるしね・・・・・なので、あいつには特に念入りに攻撃するのだ。ふはは!近づかせずに!俺が!ぬっころしてやんよ!やんよ!

 

『くるぞ!飛べ!』

 

迅さんの警告に慌てて飛んだ俺の少し下を太刀川さんの裂空十文字が飛んでいく・・・・ちがった、旋空か。あっぶねー・・・脳内で高笑いしてたから完全に油断してたわー・・・・。っべー・・・・・。

 

全員で後方に退避しながら俺と嵐山さんで目くらましのメテオラを放っておく。これでとりあえず第1ラウンド終了かな?そのまま後方に退避しながら再度作戦会議である。こっちもまだひふみん先輩の制空権が確保出来てないしね?今回はここの戦場から、玉狛までの1Kmを索敵範囲にするため、そろそろ展開が完了するだろう。

そうこう考えている間にも嵐山さんと迅さん、時枝の作戦会議は進んで行く。え?俺?完全空気ですが何か?

 

「それじゃあスナイパー3人と出水は比企谷が、嵐山と時枝は三輪と米屋を、風間さんもそっちに行って欲しいけどこっちだろうなぁ・・・・」

 

ふむ、どうやら俺の仕事は決まったらしい。まぁ順当ですかね?ひふみん先輩の準備が完了すれば狙撃は怖くないし、いわゆる撃たせてとるピッチングをする出水を俺が抑えれば時間稼ぎとしては丁度いいと言える。・・・俺が死ななければだが。

あの~?そのスナイパー3人っていうか、奈良坂と当真さんって結構変態な感じの攻撃してくるんすけど・・・・?くる方向わかってても辛くね?そんな視線を向けてみるも、嵐山さんは笑って、迅さんはまたサイドエフェクトうんぬんって、時枝だけはかわいそうなものを見る目を向けて来ていて、くそう。

 

そんな感じで第2ラウンドが始まった。

ちょっとした広さの道路で俺、嵐山さん、時枝連合軍と、三輪、米屋、出水反乱軍が相対している。人数的には互角だが、こっちには後方から狙うツインツインが居るんだぜ?・・・・いや、全然有利な感じしないや。俺もいるしね?

そうこうしている間にも、嵐山さんと三輪が熱い口論をしている。まぁ、あれだ。冷静に考えると三輪の言ってることは無茶苦茶なんだが、もし、もしもだ。小町が死んでいたとしたら、おそらく今、俺はこちらではなく三輪の隣にいたのだろう。なぜ、ネイバーに味方するのか、ネイバーは皆殺しだ、と。

だから、俺は三輪を否定する事は出来ないし、止めようとも思えないのだ。あれは、俺のあり得たかもしれない姿なのだから。・・・いや、口を挟まないのは本当にそれが理由ですよ?別に、空気になって気づいてもらってない訳でも無視されてるわけでもないんだからねっ!

そうこうしている間にも、ひふみん先輩の準備が完了したらしい。俺の視界にあるマップに各員の配置が映し出されていた。っふふふ、これでスナイパーなんぞ怖くないわ!

 

あ、でもその前に、あれだ三上に電話しておこうかな・・・・たぶん怒ってるっすよね?きっと向こうのオペレーターしてるんでしょ?

プルルルル、という音から少しして三上が電話に出る。・・・よく考えたら戦闘中になに悠長に電話してるんだろ俺。まぁでもヒートアップした三輪の話は続いてるっぽいからまぁいいかな?なんか出水と時枝から微妙な視線を向けられてる気がしないでもないけど、気にしたら負けかなってね。

 

『もしもし?電話してくるなんて珍しいね?』 

 

そう言って電話に出てくれた三上は本当に珍しいという感じの声で、とても平和な感じだった。これはあれか?向こうのオペレートはしてない感じか?

そうすると、今回襲撃しているのは、三輪隊、太刀川隊、風間隊、当真さんの中でも城戸司令派のみって感じか?確か三上は忍田さん派で、太刀川さんとこの国近さんは派閥無しだったはず。そうなると向こうのオペレーターは月見さんだけって事か?あの人はどっちかというと城戸司令派だとか言ってた気がするしな。・・・・え?なんで俺がこんな事知ってるかって?小町だよ。あいつ全オペレーターと仲良しだからいろんな情報入んだよ。小町はマジ派閥を超えた次世代型である。

 

「夜遅くにすまんな、体調はどうだ?遠征帰りで疲れたりしないか?」

 

『うん。大丈夫だよ。心配してくれてるの?』

 

「ば、ばっか、ちげぇし。お前が体調崩してると小町が心配するから聞いただけだし、べ、別に三上の事なんて全然心配してないんだからねっ!」

 

・・・・俺は一体何を言ってるんだろうか?未だヒートアップしている三輪はこちらに気づいてないみたいだが、どうも出水と時枝の視線が冷たくなってる気がするのは気のせいだろうか?気持ち悪いって事っすね?さーせん。

 

『ふふ、心配してくれてるんだ?』

 

「だ、だからちげーし!全然ちげーし!」

 

いやほんと・・・・・俺は何言ってるんだ・・・?

 

『・・・・・・心配、してくれないの?』

 

それまでのトーンとは違って少し沈んだ声色で聞こえる三上の声。

 

「いや、そのなんだ、俺も心配しない事もない・・・・」

 

『・・・・ふふ、ありがと。』

 

「あー、まぁその、なんだ?元気そうで何より?んじゃまたな!」

 

『うん、またね』

 

ピッと通話を切る。ふ、ふう・・・向こうのオペレーターに三上が付いてるかを確認するために大変な心理ダメージを負った気がするが、収穫はあった。とりあえず三上からは怒られる心配はないって事、向こうのオペレーターおそらく月見さん一人って事。これならひふみん先輩のトリガーで優位とれるかな?

よし、だいたいの方向性は決まった。丁度三輪と嵐山さんの口論も終わったようだ。うむ、俺ってば超空気。

なんか出水からすげえ目で見られてる気がするけど空気な俺は気にしないのだ。

 

「納得いかないなら迅に代わって俺達が気が済むまで相手になるぞ」

 

そんな嵐山さんのセリフにハイハイ、イケメンイケメンとか思いつつ、あれ?それ俺も入ってる?とか思ってビックリしている俺をよそに、出水が戦闘態勢に入っていた。

 

ふぅ・・・・そんじゃあまぁ、第2ラウンドと行きましょうかね?




という訳で、その1でした。

迅さんサイドは原作通り、こっちはこれから改変していきます。
まぁ、活躍を期待している方には先に言っておきましょう。大活躍はありませんので。

それと今回のトリガー、ヴェーダについて。
あれです、ソレスタルビーイングの中枢となったアレを参考に、AIを搭載したトリガーという異色のトリガーです。

制空権を確保したひふみん先輩の前では、たとえバックワームだろうと、カメレオンだろうと隠れる事が出来ない。使用者を中心に半径2Kmの範囲にビットを展開する事が可能。
戦闘能力が無い替わりに戦うオペレーターひふみんが戦場でもオペレート出来るようにと開発され、そのついでにおっきーにより魔改造が施された結果、なぞのAIが搭載された、しかし多くの情報をAIのバックアップがあるとは言え処理していかなくてはいけないため、現状ではひふみんしか使えない結果に。



ふふふ、これで八幡、北上、大井、ひふみんに新型トリガーを持たせてやったぜ・・・ちなみに小町もまた違う新型トリガーを持っていますがその紹介はもう少し先になります。
小町のトリガーを出したらそれぞれの現状のトリガー構成を出しますね。

という訳で、次回、玉狛襲撃編その2、よろしくです。


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比企谷隊の戦争12 玉狛襲撃その2

こんばんわ、戦争編12話です。
やべぇ、戦争編が全然戦争にはいらねぇ・・・やべぇ・・・。

さて、今期も始まりましたね、期待してるのは当然ガンダムのわけで。

「ビルドダイバーズ・・・ほぅ、今度は海か?つまりゴックか?」

とか謎の期待をしていた自分。しかし始まってみたら、全然違くて、あれです、フルダイブなわけでして・・・・いや、普通そう思うよねって話。こんなこと思ったのは自分だけかしら?

そんなこんなを見てたら先週投稿出来なかったのです、是非もないよネ!


『おい、ツイン、10秒でいいから出水を足止めしてくれ』

 

『いやなんですかそれ、オレの名前は佐鳥ですよ!ツインスナイプの『やれ』・・・・はいはい』

 

ツインじゃなくてツインスナイプの佐鳥なのに・・・とかぶつぶつ言ってるが、そんなんスルーに決まってる。

なんかあるたびにツインスナイプがうんぬんとかメンドくさすぎるっつーの。

最近では省略してツインツインとかツインとか、そんな感じで呼んでいる。その都度訂正してくるこいつもなかなかメンドい性格の持ち主と言える。

 

そんなツインに出水を攻撃させるのは、もちろんこの後の行動を邪魔させないためである。

 

・・・つうかさ、いろいろ考えて、自分を無理やり納得させようと思ってたけどさ、これ絶対おかしくね?

 

迅さん=風間隊と太刀川さんの相手→すげえけどわかる。未来視のサイドエフェクトにブラックトリガーだし?

 

嵐山さんと時枝=三輪と米屋→わかる。それぞれ同じA級だし、同じ隊だし?連携しやすいよね?

 

俺とひふみん先輩=出水と奈良坂と小寺と当真さん→は?意味わからん。

 

え?ツイン?・・・・あれは全体のフォロー的な位置だからなぁ・・・一応メインで俺のフォローに入ってるらしいが、不安だ。

 

さっきはなんとなく会話の流れで受けちゃったし、ひふみん先輩のフォローもあるし、スナイパーの対応も得意だしで行けるかな?って思ったけど、おかしくね?いくらなんでも俺にウエイト偏りすぎでしょ?

そうは思ってみたものの、すでに迅さんは向こうでどんぱちやってるし、嵐山さんと時枝もなんか俺待ちな顔をしてるし・・・・えー・・・・。

 

まぁ、しょうがない、倒すのが目的じゃないから出来るだけやってみよう。

 

「んじゃまぁ、行きますかね?ふぅ。ファンネル起動、スラスターモード!」

 

俺はメインにファンネル、サブにアイビスを展開する。

アイビスを構えた俺に対して警戒態勢に入る出水だが、そこに佐鳥からの狙撃が入る。

 

「おっと、佐鳥見っけ」

 

佐鳥の狙撃をフルガードではじいてニヤリとする出水。意識が佐鳥に向いた瞬間に俺はアイビスを出水に放ちながら、ファンネルのスラスターモードで垂直に上昇する。

俺の射撃は当然出水に回避されるが、その間に上昇しながらひふみん先輩の展開する戦術トリガーヴェーダから送られてくる位置情報をもとに、順に当真さん、奈良坂、小寺へアイビスによる攻撃を開始する。どどーんとね。

 

「アイビス!・・・からのぉ、神回避!!ひやぁぁぁーー!」

 

当然それぞれからの反撃が入るものの、ヴェーダによる狙撃アラートと俺の必死の回避により直撃を回避しつつ、ジグザグに飛行しながら狙撃手達に攻撃をする。一瞬、ほんの少しでも回避が遅れれば、その瞬間頭を撃ち抜かれる、さっきから髪が何本か持ってかれてるしね、そんな確殺スナイプに必至に回避するものの、当然長く続かないわけで。

 

・・・・あ、もう無理。

 

それぞれに2発ずつ攻撃したところで、出水からも攻撃が飛んできたため、俺は急降下しつつ、建物の影に隠れるのであった。し、死ぬかと思った・・・。

 

ひふみん先輩に確認すると、うまい具合に狙撃手3人と、出水のタゲを取る事に成功したようだ。俺を囲むようにしてそれぞれが展開している。当然だよね、俺を落とさないと上空からアイビスやらファンネルが飛んでくるし。

そして出水への攻撃で位置が割れた佐鳥を攻撃するべく三輪と米屋が移動をしているが、当然そこには嵐山さんと時枝が対応して、その隙に佐鳥は移動したようだ。

 

『ふぅ、第2ラウンド開幕戦もとりあえず及第点ですかね?』

 

『そだねー。・・・なん、ちゃって・・・』

 

『・・・っすね。それじゃあこのまま俺は出水と狙撃手のタゲ維持に努めますから、綾辻とリンクしてうまい事誘導頼んます』

 

『・・・・・はい』

 

ちょっとしゅんとしてるひふみん先輩。くっ!やはり反応するべきだったか!?しかし俺もいっぱいいっぱいなんす!

とりあえず、ヴェーダの情報は綾辻にも送って、そこから佐鳥の誘導をしつつ、狙撃させればなんとかなるか?

向こうにオペレーターがいない以上はその辺の戦術ではかなり優位が取れるはず。

 

俺のファンネルがある以上、向こうの狙撃手は俺をまず第一に落とそうとするはず。そうなればこちらの行動は、タゲが他に映らないようにある程度反撃しつつ、回避に専念して、時たまスラスターで上空から攻撃すればいいだろう。これなら何とかなるかな?

そう考えながら、俺は出水にファンネルを放ちながら走りだしていた。

 

 

 

 

 

 

 

ー 同時刻 比企谷隊 隊室 -

 

「さて、藍ちゃん?正直に話してくれるかな?かな?」

 

「な、なんの事、かしら・・・?」

 

めずらしく、比企谷隊の隊室にて、その長である少年以外が正座をしていた。

少女の名は木虎藍。ボーダーに所属する中学生のA級隊員で、全身からエリートオーラを放つ広報部隊、嵐山隊のエースである。

そんな、ボーダーに所属している多くの隊員の憧れの存在が、正座をして、その胸には”私は隠し事をした悪い子です”と書かれたプラカードがぶら下げられていた。

 

(く、屈辱!なんという屈辱なの!?)

 

とか考えながら現状からの脱出を模索している木虎に、大井と小町から追撃が入る。その眼は、とても恐ろしく、笑顔なのに、空気が凍り付くようなプレッシャーだった。

 

「へぇ?しらをきるつもりなんだ・・・?面白いねぇ、ねぇ?大井お義姉ちゃん?」

 

「ふふ、ふふふ・・・そうですね、小町さん」

 

「ひぃっ!?」

 

「ねぇ、藍ちゃん。小町は藍ちゃんの事、親友だと思ってるんだけどな?」

 

「も、もちろんよ!私達はし、ししし・・親友・・・よ!」

 

エリート思考の強い木虎には仲の良い同年代の友達と言うのが小町が初めてであり、親友と言ってもらったことが嬉しかったが、自分で言うのは恥ずかしく、ちょっと、かなり噛んでしまった。

しかし、現状はそれどころではなかった。

 

「じゃあ、お兄ちゃんとひふみお義姉ちゃんはどこで何してるの?知ってるよね?」

 

「・・・・・・・あぅ」

 

「木虎さん、教えてもらえませんか?」

 

「・・・・言えないわ」

 

現在城戸派による玉狛襲撃とブラックトリガーの強奪、それにともなうネイバー空閑の殺害計画が進行中で、それに対抗するべく嵐山隊と迅、八幡とひふみでの合同部隊による、迎撃作戦中です。当然、かなり危険な任務です。

 

などと、この兄思いの親友と仲間思いの、それも八幡更生委員会とか言う意味不明の組織を立ち上げた少女に言えるわけが無かった。

そんな事を言ってしまえば城戸派とそれ以外の対立が過激化するだけでなく、この更生委員会とかいうふざけた組織が1つの勢力として過激化に拍車をかける事だろう。そんなのダメ、絶対。

 

状況次第では城戸派との全面抗争や、処罰もあり得る危険な任務中なのだ、しかも本来なら自分が行くはずだったところを、妹の警護、という名目で味方同士の抗争から外されていた木虎。

今後の情勢次第では最悪もありうる場面から、最愛の妹と、その周辺を守ろうとしている八幡の決意を理解しているからこそ、その詳細を伝えることは出来なかった。

 

・・・その結果、屈辱的な格好をすることになろうとも。

 

(・・うん、全然、大丈夫。親友の為だもの、これくらいの汚名、なんてことないわ・・・・くすん)

 

だが、当然それを許容する事の出来ないのが、小町と大井であった。ちなみに、北上は寝ていた。

あれやこれやと脅しまくった結果、結局、すべてを話す事になってしまった木虎であった。

 

無駄な抵抗であった。

 

(うぅ・・・もうお嫁に行けない・・・・!)

 

何をされたのかは本人の為にも触れることは出来ないが、あえて言うならば、・・・・いつかの猫耳メイド服であった。

そして、木虎はその屈辱的な衣装を無駄に着こなしている上に、大井と小町の手には立派なカメラが握られていた。

何をされたのかは本人の名誉のためにも言えなかった・・・・。

 

 

「はぁ・・・・お兄ちゃんはこれだからまったく・・・」

 

「まったくです・・・・ちょっと行ってきますね」

 

そう言って、八幡の援護に向かおうとする大井を木虎は止めた。先ほどまでの空気は一切排除したA級隊員としての表情で大井を止めたのである。・・・猫耳メイド服で。イマイチ締まらなかった。

 

「ダメです。これは比企谷先輩からのお願いなんです。ここから行かせる訳にはいきません」

 

「でも!」

 

大井と一緒に行こうとしていた小町も納得がいかなかった。

 

木虎はドアの前に立ち、決して通してはくれず、あげく、大井と小町に頭を下げるのであった。

 

「お願いします、比企谷先輩との約束なんです。今は私に守られていた事にして下さい」

 

猫耳メイド服の木虎は八幡からお願いされていた。猫耳メイド服になれとはお願いされていなかったが・・・。

 

それは万が一にも大井と小町が参戦して、危険にさらされないように守って欲しい、と。

珍しく八幡からお願いされた木虎は親友の兄であり、ライバルである八幡のお願いを聞き入れていた。エリートして作戦から外される悔しさもあったが、それよりも八幡からの願いを優先させたのだ。

 

・・・・その結果、猫耳メイド服なのは本当に想定外ではあったが・・・・。

 

こうして猫耳メイド服の木虎の説得により、大井と小町は八幡の元に向かわず、信じて待つことに了承したのであった。

その代償として、木虎は大井と小町のストレス発散と言う名の着せ替え人形になるのであった。

そして、その写真が一部流出してボーダーメイド服セレクションとかいう意味不明な写真集が出るとか出ないとかでちょっとした騒ぎになるのはまた別の話。

 

 

 

 

 

 

 

ー 警戒区域 -

 

『小寺、奈良坂ポイント移動、推定ポイントに誘導開始、当真、5秒後射線通ります。』

 

「りょう・・・かいっ!」

 

出水との射撃戦をしつつひふみん先輩からの情報から移動と攻撃、それから回避をしていく。

すでに戦況はそれなりに推移しており、いつの間にか迅さんはプランAからBに移行して全員を撃墜するモードに入っていた。

当然俺にもそう指示が入っていて、「別に、全員私が倒してしまっても構わんのだろう?」とか言ってみたものの、当然A級の壁は厚い。

今だ撃墜には至らずに、むしろ俺の方が結構ピンチだったりするのだ、やはり狙撃手3人はキツイ。

それでも未だ生きているのはやはりひふみん先輩によるところが大きい。あとちょっとだけツイン。

 

スナイパー組はバックワームを装備してレーダーから消えているが、俺はスナイパーの注意を惹くためにバックワームを使わなかった。トリガーセットに入れてないとも言えるが。その為、一方的に位置情報を掴まれている、はずだった。

 

我らが女神ひふみん先輩のヴェーダにより、スナイパーの位置や移動先、攻撃モーションに至るまで、すべて筒抜けなうえ、戦術AIにより、建物等を利用した射線の管理により敵スナイパーから一斉に狙撃されることが無く、単発の狙撃と、それに合わせた出水の攻撃を防ぐだけで済むため、何とか落とされることなくここまで戦えていた。

あと、たまにツインからの狙撃が出水や相手スナイパーに言ったりして、地味に助かっていた。

 

 

今回の任務である玉狛の防衛はこの調子ならなんとかなるだろう。最悪小南とレイジさんに烏丸も居るし、なんなら空閑もいるし。

そして、迅さんのもう一つの目的である、風間隊と、太刀川さんの撃退も順調なようであった。すでに菊地原はベイルアウトしている。さっすがー!

 

「ひふみ先輩、ツインを当真さんを狙撃できるポイントに誘導してください。出水と小寺と奈良坂はしばらくこっちで相手しますんで」

 

『わか・・・・た!』

 

嵐山さんと時枝も順調らしいし、迅さんも予定通り、ここで俺がつまずくわけにもいかないか。

幸い、当真さんが俺に掛かり気味になってツインへの警戒が薄くなっているし、うまい事出水と射撃戦しながら隙を作ればツインで落とせるかもしれん。そうなれば狙撃が減るしで、この絶望的な状況にも希望が見えるってなもんだ。

 

「ふぅ、よし、ファンネル起動!シールドモード!」

 

ファンネルをシールドモードに展開して、一気に出水に肉薄する。当然出水の反撃や、当真さんからの狙撃が入ってくるが、出水の攻撃を最低限の前面展開にして強度を高めたシールドビット2基で防御、いくらかダメージが入るが無視。

さらに右方向からくる当真さんの狙撃を残り8基のシールドで防ぐ・・・が、当真さんの狙撃はその展開された8基のシールドの隙間を縫ってくる。なので、俺はその隙間を避けるようにして変態スナイパーの狙撃を回避しながら接近していた。

これぞ、変態回避である。・・・・・なんか違うな。

 

「うぉ、まじか!」

 

「死ぬかと思ったぁーーーー!奥義、花鳥風月!」

 

俺の奇跡の回避に驚く出水、俺も当然驚いているのだが、このチャンスに近接攻撃を仕掛ける。こんなチャンスは滅多に無いし、さっきの回避なんぞ二度と通用しないので、しっかり、べったり、ねっとりと出水に絡みながらトリオン体を削りつつ、狙撃の盾にしてやる!俺のファンネルによる狙撃の誘導なぞ、あの当真さんにそうそう通用するわけないしな。

出水に絡んだ位では奈良坂と当真さんの狙撃は防げないが、普段より集中する必要がある。そして、そのちょっとした隙で十分だった。

 

『狙撃』

 

なんだかんだでA級スナイパーの佐鳥による攻撃で、ついに変態の一角である当真さんがベイルアウトしていく。ようし、これで負担がかなり軽減された!まだまだ油断できないが、希望が見えてきた。ツインじゃなかったのも八幡的にポイント高いゾ!

 

奈良坂と小寺が狙撃体制に入ったとひふみん先輩から可愛らしく言われたため、射線を切るべく後方に下がる。当然出水にはバラバラと適当に弾道をひいたバイパーをプレゼント。うぜぇ!とか聞こえるが、気にしてられるか!こちとら未だに劣勢なんじゃ。

出水からの攻撃はファンネルで防いで、その隙に俺のバイパーによる攻撃。射線が通らないように注意しつつ、ひたすらコレの繰り返しである。千日手である。

 

まぁ、その間に太刀川さんと風間さんにダメージが入って、歌川がベイルアウトしてるらしいし、迅さんの方はそろそろ決着だろう。

 

そうして、少しして主力である太刀川さんと風間さんがベイルアウトしていく光が見えた。

さっすがー!とか思ったら、俺の胸に穴が開いていた。・・・・ほへ?

 

『戦闘体活動限界、ベイルアウト』

 

な、なんですとぉーー!?油断したぁーー!?!?!?

いまのは奈良坂か?くそぉーーー!・・・まぁ、残りのメンバーで玉狛を落とせるわけもないし、俺の仕事は果たしたってことでひとつ。さーせん。

そんな事を考えながら俺はばひゅーんとベイルアウトしていくのであった。

 

 

ボスンッ!!

 

という音と共に自身の隊室のベイルアウト用のマットに帰還した俺。ただまー。

しかし、最近なんかやるたんびにベイルアウトしている気がするな・・・・死亡率100%とかになったら笑えないよ?ひぐらしかってなっちゃうじゃん?

 

「ふぅ・・・・」

 

「おかえり♪お兄ちゃん♪」

 

「おかえりなさい、八幡さん♪」

 

ビクッ!マットから起き上がりつつため息をついた俺の意識の外から小町と大井の、それはそれはご機嫌そうな声がかかった。・・・・表情はすげぇ笑顔だけど、いつもの目が笑ってないやつで、怖い。

 

「それで?お兄ちゃん、小町達に言う事、あるよね?」

 

「そうですね、ありますよね?八幡さん?」

 

ニコニコ、すげえニコニコと怒ってらっしゃるこの天使達。これはあれだ、木虎が言っちゃったやつですね?つまり、俺に出来るのはあれだ。いつも通り土下座して。

 

「す、すみませんでした」

 

その後、延長戦として小町と大井の説教が2時間追加され、その間に迅さんが本部に乗り込み風刃を差し出して空閑の入隊を認めさせたと、帰還したひふみん先輩に聞いたのであった。

 

 

 

 

 

 

 




という訳で、玉狛襲撃でした。

ちなみに迅さんサイドは原作どおりです。その後の処理も原作通り。

ここの八幡はTUEEではありませんが、逃げる、避けるは得意です。
なので、ヴェーダとひふみんにより建物で相手の射線を切ったり、逆にわざと撃たせたりして生きながらえた感じです。
つまり、出水には散発的に攻撃して、ファンネルで全力防御、他に行きそうなら空中狙撃を繰り返してヘイト管理をしていました。

そんなこんなで、玉狛襲撃編でした、次回は入隊の話。風間さんと三雲の戦いはさらっといきますよ!戦争までさくさくっといきたいなぁと思ってますよ!

という訳で、次回もよろしくです!


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比企谷隊の戦争13 玉狛防衛戦の後のお話

こんばんわ!戦争編13話です

今回は定番の?その後のお話。
ちょっとした設定?もどきもちょっろとだけカミングアウトしてます。

ようやく大規模侵攻が見えてきました。もうちょろっと間の話をしたら侵攻編ですどぞー。




城戸派による玉狛襲撃から数日、俺はようやく平穏を取り戻していた。

 

「ようし!もう50本行くぞぉ―――!!」

 

「まじっすか・・・・」

 

そう、平穏を・・・・俺の平穏は一体どこにいったというんだ・・・・・。

 

「はははは!行くぞぉーーーーう!!」

 

超テンションにてキャラ崩壊を加速させながら忍田さんが弧月を振り回し突撃してくるのを眺めながら、俺はいつものように現実逃避をするのであった。

 

あ、ちなみにもう今日すでに100本位やってます。帰っていい?だめ?そうですか、そうですか。

 

 

忍田さんの旋空を回避しつつ、ファンネルを飛ばしながら、どうしてこうなったかを思い返す。

 

そう、始まりはやはりあれだ、玉狛の襲撃で、俺がベイルアウトした後の話に戻る。

 

だまって任務を行っていた俺とひふみん先輩は、そりゃもう大井と小町に大層怒られました。心配させないでと大井と小町に泣かれました。そんで、説教されました。

途中でひふみん先輩は俺に巻き込まれただけだと判明してひふみん先輩だけ解放されてからは俺だけ2時間位説教されて、しかもその後もそりゃもうすごかった。

 

なにがすごいって?そりゃあれだよ・・・・・・・小町と大井が俺から離れなくなった。

 

え?意味がわからないって?うん、俺もわからん。

 

例えば・・・

 

「ちょっと、玉狛行ってくる」

 

空閑と三雲と雨取の訓練の様子を見に行こうとしたら。

 

「はい」「あーい」

 

と言いながら、キュッと俺の右手を小町が、左手を大井が握ったまま、一緒に行こうとするのだ。ちなみに、その後ろを北上もついてくるという感じ。今まで北上と大井で手を繋いでいたのにこの間からこのフォーメーションである。

ついでに言うと、隊室内でもどこでも同様に、常に小町と大井が俺の左右に陣取っている。さすがに対戦中や訓練中は我慢しているのだが、それ以外はもうべったりなのだ。

本人達曰く、目を話すとまたなんかやるかもだから監視してる。との事で、そう言われたら俺も強く言えないわけでして、ええ。まあそう言われなくても言えないんですけどね?

 

他にも

 

「トイレに~」

 

「はい」「あーい」

 

「いや、だめだから!さすがにだめだから!」

 

とか。

 

「風呂・・・」

 

「はい」「あーい」

 

「ダメに決まってんだろ・・・・」

 

とか、とにかく俺から離れなくなってしまったのだ。ちなみに風呂とかトイレとかはさすがにね?でも、ドアの前に2人で陣取ってずっと話しかけ続けられてました。お、落ち着かねぇ・・・・。

離れなくなった最初の時は俺も油断してたもんで、普通に風呂に小町と大井が突撃してきたときはもうやばかった。え?見たのかって?そりゃあれだよ、黙秘権で。ただひとつだけ言えるのは、その日は寝れなかった。

 

まぁ?あれだ。俺も2人には悪い事をしたという自覚はあるし、不安にさせてしまったのも事実でもあるわけで、これくらいの事ならあまんじて。と思っていた。

 

そう、昨日まではな・・・・。

 

玉狛戦で俺が油断して最後に奈良坂にやられてしまったことをうっかりツインが大井と小町にばらしてしまい、その結果、俺を鍛えるという名目で忍田さんが派遣されたのがはてさて、何時間前の話だったか・・・。

 

おかげさまで、俺ってばもうさっきからへろへろ。ノーマルトリガー最強の男に訓練を付けてもらっていると考えれば差し引きプラスとも取れるが、流石に疲れてしまうのです。

さすがにそんな人と対戦して勝てる訳もなく、とにかく負けないようにして過ごす。

 

「ふぅ!いい汗かいたなぁ!」

 

キラキラ、キラキラと汗を拭きとるジェスチャーをする忍田さん、いや、トリオン体は汗かかんでしょ・・・いや、そうでもないか?冷や汗とか普通に出るわ。いやでもなんか違う気がする・・・気にしたら負けか?

 

「あ、ありがとう・・・ござい・・・・ましゅた・・・」

 

いや死ぬ、ホント死ぬ・・つか何回も死んだ。

まぁでも?最後の方はなんとか忍田さんの剣の軌道をとらえることが出来たし、なんだかんだで最後の方はそこそこ反撃も出来たし良しとするか?・・・・死ぬかと思ったけど。

 

そう考えながら訓練室から出ると、俺の胸に小町が飛び込んできた。

 

「お兄ちゃん、お疲れ様!」

 

「おう、待たせたな」

 

「ムフー、ふふふ・・・」

 

勢いよく胸に飛び込んできた小町を受け止めて、そのまま胸に頭を擦り付けてくる小町。ここ数日で慣れたもので、俺はそんな小町の頭を優しくポンポンと撫でてやる。

それ、女の子としてどうなん?っという感じでふにゃっとした笑顔になる小町。それでいいのかと心配になるが、先日の件で俺から離れるのにかなりの拒否反応が出るため仕方ないのだ。ないよね?

 

「お疲れ様です」

 

「おう、さんきゅ」

 

そして、小町のうしろから大井がやって来て、俺の顔をタオルでふき取ってくれる。

うん、大井も小町と同様に、やはり離れようとせずに甲斐甲斐しく世話をしてくれる。自分で拭けるけど、そう言ったら大井が泣きそうな顔をするのでこれも甘んじて受ける。恥ずかしいけど我慢なのだ。周りからすごい睨まれてるけど我慢なのだ。

北上は?と思ったが、ちゃんと大井の後ろにニコニコ笑顔の北上がいて、とても楽しそうだった。

 

クンクンと俺の胸で鼻呼吸に邁進する最愛の妹と、ニコニコしながら顔を拭いてくれる大井。・・・・・いやほんとどうしてこうなったのやら。

 

 

 

 

んで、その夜、俺、小町、北上、大井と4人で玉狛に出掛けた。

 

あれだ、正式に空閑の入隊が認められたので、そのお祝い?と、経過観察である。まぁ、ホントに入隊するのは年越してからの正式入隊日なのだが、いわゆる仮入隊だ。

城戸司令も了承してくれたしで、しばらくは安泰だろう。それに近く大規模侵攻が予測されている昨今で、空閑のブラックトリガーが参戦してくれるのはありがたい。

そんで、小町とも仲良くなってくれれば、安全も確保できるってなもんで。

そう思ってたが、さすがのコミュ力モンスターである小町は速攻で空閑と雨取と仲良くなっていた。さっすがー!

 

小町と雨取、空閑、三雲が仲良く話している、そんな中、俺はと言うと・・・。

 

「んじゃあ、空閑は小南が、雨取はレイジさん、三雲は烏丸と、それぞれが師匠になった、と?そりゃ随分と豪勢なメンツですね・・・よっと、こっち上がりましたよ」

 

「あぁ、こっちも完成だ。空閑はすでにボーダーのトリガーで小南に3割の勝率だ。雨取はトリオン能力が超A級で、忍耐力と集中力もあって良いスナイパーになるだろう。三雲はトリオン量こそ低いが、その洞察力は光るものがある。良い先生が教えたんだろう」

 

2人で料理をしながら玉狛に入った新人達の話をしていた。

レイジさんはニヤニヤしながらこっちを見てるが、さ、さて?何のことやら・・・。

 

「そ、そうですか。それにしてもボーダーのトリガーで小南に3割ですか・・・」

 

「あぁ、トリガーはスコーピオンを使ってる。かなりキレのある攻撃をして現時点でもB級上位くらいの実力はあるな」

 

まじか・・・それつまりあれですよね?近接においてはすでに俺より強いってことですよね?まじかー・・・とか一瞬思ったものの、そういえば、あいつは幼少期からずっと戦ってたとか言ってたな、そりゃ1年そこそこの俺より強い訳だよね、悔しいけど、これって現実なのよね。

 

ふむ・・・・ちょっと俺も後で対戦するかな?スコーピオン使いって事なら俺と大井も参考に出来るだろうし。ついでに可能ならブラックトリガーともどの程度対抗できるか試してみたいしな。

たしか相手のトリガーを学習して増幅させて使う、だったか?さすがにファンネルを使う訳にはいかないか?どうだろう・・・?どうですかね?え?だめ?やっぱだめですか・・・・。

ブラックトリガーにどの程度対抗できるか確認したかったがそれは諦めよう。

 

 

そんで、それからみんなで食事して、俺と大井がそれぞれ空閑と対戦して、その後俺と北上が小南と対戦して、そんで俺とレイジさんが対戦して、って俺対戦しすぎぃ!んで、ついでに小町も小南に近接の訓練を付けて貰ったりして過ごしていた。

え?対戦結果?とりあえず、俺と大井がグヌヌってして、北上がニコニコして、小町もニコニコしていた。くそう、いくら戦闘経験に差があるからってあのキレは反則だろう・・・早いけど行動の読みやすい緑川と違って完全に戦闘のプロって感じで全然読みきれねぇし・・・。

もともとそんなに近接戦闘が得意な訳でもなかったが、悔しものは悔しい。まぁ、狙撃が得意なわけでもなければシューターとしてもそんなでもないのだが、つまり器用貧乏ってやつです。そ、そのかわりいろんな局面で対応できるもんね!全然悔しくなんて無いんだからねっ!いやしかしこれあれだな、忍田さんの特訓受けてなかったら4割も取れなかったわ。2割くらいの可能性もあった。

受けてよかったとか口が裂けても言えないが、受けといてよかったと思ったよ。ありがとう忍田さん、心の中でだけ言いますよ。下手に言ったらとんでもない特訓受けさせられそうだもんね。

 

「ふむふむ、比企谷先生はあんまりインファイトが得意じゃない?」

 

「まぁ、俺はオールラウンダーだからな・・・苦手でもないが得意でも無い」

 

「ほう・・・こないだのヒュンヒュン飛んでるのは?」

 

「ん?ファンネルか?そうだな、あれがメインになるが、あれも試作トリガーで、まだ完全には使いこなせて無いんだ、制御が難しくてな」

 

「なるほど・・・それでレプリカを?」

 

「そういう事だな、射撃補助としてついてくれればってな、今は女神に補助してもらってるが、レプリカみたいなのが居ればとは思っている」

 

「それなら協力しようか?比企谷先生にはオサムが世話になったし」

 

「お、そりゃ助かる」

 

そんなやりとりを空閑としてその日は解散とした。

とりあえず、今度ひふみん先輩とおっきーを連れて行って、レプリカのプログラムやらなんやらを教えてもらう約束をして、ついでに近接戦闘のコツを聞いたりして、もうどっちが先輩かわからんね。

そんで、雨取と三雲にもがんばれよーと応援しつつ、玉狛を後にした。

それにしてもあれだ、雨取ちっちゃかったな・・・・あれ小学生か?え?中二?まじで?

しかもパラメーターを測定してみたらトリオン量が38って完全にブラックトリガーじゃないですかやだー。

 

ちなみにこの38という数字がどれくらいかって言うと。

ボーダーの入隊基準が3とか4から。

トリオン量が少なくて苦労してたA級の木虎が4。トリオン量が少ない三雲が2、これは本来入隊出来ないんだが、迅さんがテコ入れした。んで、ボーダーナンバーワンシューターの二宮さんが14とかで、弾バカ出水が12。つまり雨取のトリオン量は3出水と少しってことだ、ヤヴァイ。

ついでに、比企谷隊で言うと、俺が10、大井が8、北上が12、小町が5、ひふみん先輩が8、おっきーは乙女の秘密らしい。たぶん8くらいってじっちゃが言ってた!

つまり、それくらい雨取のトリオン量がやばいって事だ。しかもポジションは狙撃手。

シューターになるよりはましかもだが、戦い方を覚えたらやばそうだなぁ・・・もうやばいやばい言い過ぎだけど、それくらいやばいのだ。

まぁでも、実際の戦闘はトリオン量が全てではない、せいぜいシールドが硬くなるとか、威力が上がる程度でトリオン体が硬くなるわけでもない、つまり、やりようはある。

 

だから、大規模侵攻に備えて俺も出来る限りの対策と、訓練をしていこう、んで、次は絶対勝つ!

そんな決意を胸に抱きながら、小町に抱き付かれ、大井に腕を組まれながら、そんな姿を北上にニコニコと見られつつ、決意を新たにするのであった。・・・しまらないなぁ・・・・。

 

 

 

 

 




という訳で、玉狛のお話でした。

ふぅ、次は風間さん対三雲のお話。でもさらっといきますよ!

もう侵攻まですばーっと行きます、たぶん!

最近思ったけど、会話少なすぎ?なんか会話増やしたら台本形式みたいになりそうで難しいんですよね。悩みどころです。

そんなこんなでこれからもやっていきますので宜しくお願いします!


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比企谷隊の戦争14 トリガーセット変更だ!

こんばんわ、戦争編14話です

今回はトリガーセットについて触れます、おかげさまで入隊に入れなかったので、またまた進まない回となってしまった!てへ!

後、たくさんの誤字報告感謝です、ほんとサーセン。


ー 本部開発室 -

 

年始の入隊に向けて空閑と雨取が訓練に明け暮れ、三雲も烏丸に師事しながらシューターとして訓練の日々を過ごしている中、俺は本部の開発室に来ていた。一人でね!んちゃー!小町も大井も別件でいないのだ。俺も用事があると言った時の2人が泣きそうだったが、心を鬼にして別行動とした。もちろん後でたくさん構う約束をした。

 

「それで、頼みってなんじゃ!?」

 

「へい、それが・・・・」

 

いつも俺に対してキレてるタヌキのおっさんについ小物のような返事をしつつ、そのお願いを口にする。それは

 

「つまり、トリオンタンクを作れという事か!?」

 

「へい、その通りでさぁ。あっしのトリガーの燃費じゃあ、途中でスッカラカンになってしまうんでごぜぇます」

 

なんとなくそのまま小物っぽく話してたら、タヌキのおっさんがガチギレしそうだったんで、まじめに話す事にした。さーせん。

 

「ファンネルを全開駆動させると30分と戦えないんで、いわゆるプロペラトタンクみたいに、外部ユニット、バッテリーを作れないかな、と」

 

「ふむ、なるほど・・・・・」

 

つまりそういう事だ。

大規模侵攻が発生した際、どれほどの規模で来るかは不明だが少なくとも4年前より少ない、という事は無いはず。

相手にはこちらにもトリガー技術があることは知られているだろうし、下手したらある程度の威力偵察もこれまでにされている可能性もある。

そして、俺が敵としてボーダーを襲撃する事を想定したところ、前回の大規模侵攻の5倍以上は必要だと思っている。

これは、ひふみん先輩のヴェーダに搭載されたAIでも同様の計算らしく、5~10倍くらいの規模は想定した方がいいだろう、というのが俺達の見解である。

不確定すぎる情報のため、この計算は俺とひふみん先輩のみでそれ以上は忍田さんのみに報告するだけにした。なんにもこの情報を裏付けるものないからな。無用な心配をさせないのだ。

 

しかし、その規模を考慮した場合、我が比企谷隊には決定的な問題があった。それは・・・

 

「俺達は継戦能力がありませんからね、外部からトリオンを供給しながら戦闘する方法を確立したいんです」

 

「たしかにのぅ・・・・」

 

大井の試作型はシールドのみだし、ひふみん先輩も特殊型とはいえそこまで燃費が悪い訳ではない。

問題なのは俺と北上だ。俺のファンネルは全開駆動だと、30分くらいでガス欠になるし、北上に至ってはトリガーの改良を重ね、威力と燃費を向上させた上で、フルバーストの照射が4回のみ。通常射撃ならある程度戦えるが、それでも俺と大差ない時間しか戦えないだろう。

つまり、俺達だけでイルガ―あたりを5匹くらいなら迎撃できるだろうが、それ以上は無理って事だ。うん、まじ無理。

空閑、というかレプリカがいうにはイルガ―はかなりコストがかかるとかでそんな大量に来ることもないだろうって言ってたが、こちらとしては小町の安全確保のためにもあらゆる手段を構築する必要があるのだ。

 

「よし、わかった!そのプロペラトタンクを迎撃用のトラップと一緒にいくつか設置するようにしとくわぃ!」

 

「あざす」

 

うし、これでひとまず俺達の弱点のひとつが対策出来た。タヌキがアンビリカルケーブルの方がよいかの?とか言ってくるが、世代が違うんですと言っておいた。

本部の遊び心でケーブル切れからの暴走まで再現されたらたまったもんじゃない。それならガンダムファンの多い本部が想像しやすいプロペラトタンクの方がいろいろと捗るだろう。

ついでに小町の試作トリガーの進捗も聞かれたのでボチボチですと答えてから開発室を後にした。ぐぬぬってしてるタヌキは可愛くないのだ。

 

ちなみに、現在比企谷隊では小町のトリガーを開発中で、いやこの言い方だと語弊があるか、玉狛と、ひふみん先輩とおっきーにより、が正確である。

 

最初はタヌキのおっさんが開発する気マンマンだったのだが、なぜか我が比企谷隊の新型にはガンダムネタを入れないと、というしばりでもあるのかやたらと難航していたのだ。

 

いわく、サテライトキャノンはどうだとか・・・月からのエネルギーを、とか言い出したので却下した。月は見えているか・・・・・・とか超言いたいけど却下だ。却下なのだ・・・・。高威力で北上とかぶるしな。

 

次に、核やら月光蝶やらと言いだしたがこちらもいろいろと問題あるため、当然却下。ターンXのあれも却下である。ホラーすぎる。

 

それから、光の翼・・・・これは結構ありなんじゃないか、?と思ったのだが、正直剣で良くね?って事でこれまた却下、と見せかけて保留とした。天使小町に翼が生えるとか、ここはエデンかっての。ついでにひふみん先輩やら北上やら電にも装備させたいくらいだ。まぁ、そんな遊び心は大規模侵攻後って事で。

 

そんな感じで本部の方ではあーだこーだと開発が難航しつつ、ついに大規模侵攻の対策をしなくては、という事で開発が一時中断したのだ。

 

そして、そんな中でも頼りになるのは当然にしてもちろん、我らが女神ひふみん先輩である。

おっきーと玉狛支部と協力し、さらにひふみん先輩自身のヴェーダとリンクして使用する、特殊型トリガーの開発を成功させていた。

さらに、レプリカ先生の協力により、ヴェーダのAIも強化されたり、俺のファンネルにもレプリカ先生には劣るが、照準補助の自律型照準補助システム、その名も宗次郎(ひふみん先輩命名)が配備された。

これまでのガンダム押しはどこに行ったのかと聞きたいくらいそのシステムの姿はハリネズミだった。ちなみにヴェーダのAIも宗次郎、つまり、俺のファンネルもひふみん先輩のトリガーとリンクしているのだ。ちょっと嬉しい。

 

AIのため、レプリカ先生のように実体があるわけでは無い。無いのだが、正直ロックオンとハロみたいなのを想像していたのでちょっとがっかりしたのはここだけの話である。

まぁあれだ、戦闘中にいきなり「ハロ、ゲンキッ!」とか「ミトメタクナイッ!」とか耳元で言われたらキレる自身があるので、冷静に考えたらこれが正解なのだろうと思った。宗次郎はひふみん先輩同様に静かなのだ。

 

俺のトリガーも小町のトリガーもヴェーダが起動中に最大効果を発揮するのがネックではあるが、そこは許容範囲内だろう。まぁ、現在の俺はさらなる特訓という名の忍田式スパルタ訓練によりついに10機すべてを制御できるようになったのだが、小町のはヴェーダの制空権内でないと使用不可の為、現在ではひふみん先輩と特訓中なのである。

 

「よし、トリオンタンク、いや、プロペラトタンクか?の目途はついたし、次は玉狛だな」

 

そして、俺の次の目的地は玉狛である。トリオンタンクの目途はついたし、ファンネルも制御できるようになった。現在は小南でも回避が困難になって来たほどだ。初めてファンネルで勝利した時なんかぐぬぬってなった小南がかわいくてやばかったりもしてもうあれだった。それはさておき。

 

 

「うっす、宇佐美、頼みたいことがあるんだが?」

 

「ふむ、新しい眼鏡をご所望かな?」

 

開発部を出た俺はその足で玉狛に来ていた。

三雲達の訓練を見るために以前よりもこまめに来るようになっていた玉狛だが、今は三雲達は外でランニングをしているらしい。おそらくレイジさんが監督しているのだろう。頑張れ、三雲!

そんな事を考えていると、宇佐美がいつものように眼鏡を勧めてくる。これで一体何個目だろうか・・。

 

「いや、今日はそうじゃなくて、ちょっとトリガーセットを変更して欲しいんだ」

 

「ほう?いいよ!どんな感じにする?シューティング眼鏡は必須として・・・」

 

「これで頼む」

 

いつぞやの相手に眼鏡を付けるトリガーはそんな名前だったのか・・・ぶつぶつ言ってる宇佐美をスルーしてトリガーセットの希望を記入した紙を渡す。

トリガーセット変更だけなら本部でも出来るのだが、大井と北上の本部製の試作型と違って俺のファンネルは玉狛製の為、ここでしかトリガーセットが変更できないのだ。

 

「ふむふむ・・・・本当にこれでいいの?」

 

「出来ないか?」

 

「ううん、大丈夫・・・・できるけど・・・・」

 

宇佐美が心配するのも当然だろう。俺の注文したトリガーセットは以下のようにした。

メイン ファンネル、スコーピオン、メテオラ、アステロイド、グラスホッパー

サブ  ファンネル、スコーピオン、アイビス、バイパー、スパイダー

追加依頼、ベイルアウト機能の取り外し。

 

実は俺のトリガーもレイジさんのと同じで通常のものよりもチップ数を大幅に増やす事が可能だったのだ。これまでは必要性が無かったのと、無駄な機能のために通常数で使っていたのだが、今度の大規模侵攻に備えて限界付近まで詰め込むことにした。

当然問題もあり、まず、トリガーを増やす事により、トリガーの切り替えが複雑になる、という事。これはまぁ楽しい忍田式で慣れる予定だ。でもさすがに12個は無理なので10個にした。

次に燃費の問題だ、増やせば強い、という訳ではなく、増やすだけトリオンを消費する、という事だ。しかしこれは先ほどのタヌキとの交渉でクリアした。外部ソースがあればトリオン切れの心配は少なくなる。

さらに、試作型のファンネルをこれまでのメインだけでなく、サブにもセットしてこれまで以上にコントロールを難しくしている。という問題点もあったが、これもヴェーダのおかげでクリアできる。これまでの10機だけでなく、追加で10機だ。もう何も怖くない(フラグ)

 

「問題ない、問題点はクリアしてある。燃費も、制御も当てがある」

 

「そうじゃないよっ!そこもだけど、そうじゃないの!なんでベイルアウト機能を外すの!?」

 

「・・・・・・」

 

宇佐美の問いかけに俺は答えることが出来なかった。

当然だ、ここ最近で俺がやらかした事は更生委員会の奴らやオペレーター達には筒抜けだったし、俺に無茶をさせないようにと小町と大井がさんざん説教をしてきた上でこんな事を言ってるのだから。

小町はひふみ先輩と慣熟訓練、大井と北上も別件で俺のそばにいない今がチャンスだった。

 

「トリガーセットは入れるけど、最後のはダメ。この件は小町ちゃんと大井ちゃんに報告だからね!」

 

「好きな眼鏡を好きなだけ着けよう」

 

本気で怒ってる宇佐美にとりあえず交渉をしてみる。

 

「・・・・・・ダメダメ!ダメに決まってるでしょ!」

 

ちょっと間が空いたな、これならいけるかもしれん。

 

「どうしてもだめか?おいしいとこのどら焼きもつけるぞ?」

 

「ダメ!」

 

「なんでもいう事を聞くから、頼む」

 

「・・・・なんでも・・・・はっ!だめだめ!」

 

くっ!惜しい!あともう少しだったのに・・・思わずなんでもとか言っちゃったけどだめらしい。はぁ、しょうがない。

 

「頼む、迅さんの予知だとこうする事で小町の危険が減る可能性があるんだ。十分注意する。頼む、宇佐美にしか頼めないんだ」

 

「・・・・あぶない事はしない?」

 

「努力する」

 

「絶対に言う事聞いてもらうよ?」

 

「俺に出来ることで、無茶な事でなければ」

 

「この事は?」

 

「誰にも言わないで欲しい」

 

迅さんの予知で、という点は実は少し内容が違うのだが、俺は真剣な表情で、宇佐美を見つめる。

小町の安全のために、ベイルアウトに割いているトリオンを戦闘用に回す。これによりいままで以上の能力を発揮できるようになるはずだ。

当然俺自身が、危険になる可能性が高くなるが、それよりも俺の戦闘力を向上させる方が優先だ。

そんな俺の覚悟を悟ったのか、宇佐美がため息を吐きながら俺の交換条件を提示してくる。

 

「はぁ・・・わかった。」

 

「すまない・・・」

 

「それは言わない約束だよ・・・・絶対に無茶したらダメだからね?約束破ったらアタシもハーレムに加えてもらうからね?」

 

「わかった・・・・え?なにその後の不穏な単語は?」

 

「あ、やばっ!・・・・・なんでもないよ?べ、別にそんなラノベ展開とか無いから、冗談だから安心して!」

 

「お、おう・・・・」

 

こうして最後に少し不穏な単語が飛び出したが、何とか最大の障害をクリアする事が出来た。

後はセットを変更したトリガーの慣熟訓練と、三雲達の強化を進めて行くだけだ。

迅さんが言うには、今回のキーマンは三雲らしい。あいつを守りつつ、しかし市街地への被害も減らしていくためにも俺は楽しい楽しい忍田式で訓練しつつ、C級隊員達への訓練も同時進行をして日々を過ごしていくのであった。

 

 

 

そして、年が明け、入隊日がやってきた。

 

 

 

 

 

 

 




という訳で、戦争編でした。戦争編とはなんだ・・・

ちなみに、他の隊員はこんな感じです
大井  メイン プラネイトディフェンサー、スコーピオン、ハウンド、
    サブ  スコーピオン、ハウンド、アステロイド、
基本、以前のセットにディフェンサーが入っただけ、ランク戦をしないのと、隠れる気が無いため八幡同様にバックワームを入れてない。更生委員会の創始者。

北上  メイン ビームキャノン、アステロイド、メテオラ、
    サブ  アステロイド、バイパー、ハウンド、バックワーム
大井に「私が守るから」と言われて素直にシールドを入れていない。トリガーをセットする際にタヌキに20回位確認された過去を持つ。トリオンバカ食いのビームキャノンが最近の悩み。

ひふみ メイン ヴェーダ、アステロイド、バイパー、シールド
    サブ  弧月(杖)、アステロイド、ハウンド、バッグワーム、 
なんとかファンタジアの影響で杖を持たされた戦うコミュ障オペレーター。本人だけでなく、ヴェーダのAIもあまり話さない。

小町  メイン 試作(名称未定)、スコーピオン、シールド
    サブ  メテオラ、スコーピオン、グラスホッパー
主人公の妹。この世界で最も強化されているかもしれない。「小町のお願い」の前ではすべての(八幡の)抵抗は無意味なのだ。トリガーは名称未定だが、発動後、小町は最強となる・・・予定。

刑部姫 メイン 百鬼夜行、バイパー、メテオラ、シールド
    サブ  アステロイド、メテオラ、カメレオン、バックワーム
物騒な名前のオリジナルトリガーを持つが、その性能はトリオン兵を生産するというもの、本人の趣味によりこうもりとか、キツネとか。攻撃、防御、移動、囮とこなせる万能トリガーで本人の自作である。

って感じです。それぞれ大規模侵攻で活躍予定!
今度こそさくさくっていきますよ!さくさくとはなんだ・・・・。


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比企谷隊の戦争15 ジークジオン!

こんばんわ。戦争編15話です。

突然ですが、他のが書きたい。定期的に発生する書きたい症候群。
なんとなく設定を書いたが、駄作臭がぱい。ぱないけど、個人的に駄作とかあほな設定の作品が好きな自分としては書きたくて仕方ないのです。

まぁ、すべてはこれが終わってからですね。
さぁ、ようやく大規模侵攻に入れそうです、ここまで長かった。どんまい自分!

そんなこんなで戦争編です。


ー 1月8日 ボーダー正式入隊日 -

 

さぁ、やってまいりました、ボーダー正式入隊日です。

会場となるここには多くの隊員達が並んでいて、みんなそれぞれに緊張した表情や、やる気に満ち溢れた表情をしている。ファイトだよ!

そんで奥の方では三雲や空閑がやってやんぜ!って顔をしているのが見えた。うむ、空閑よ、お前はやりすぎ無いようにした方がいいと思うよ?

そんな新たなる社畜候補達の前で、忍田さんが挨拶をするべく会場の舞台に立った。

 

「ボーダー本部長の忍田だ、君たちの入隊を歓迎する~~~~」

 

忍田さんは現状の解説をして、最後に君達と共に戦える日を待っている。とイケメンな表情をキリっと決めて締めくくっていた。

うむ、C級隊員達も忍田さんの挨拶にやる気がオーバーフローしているようだ。フローしちゃうのかよ。

 

そしてそこからの進行はいつものように嵐山隊が引き継ぐのだ。

 

ザっ!と並ぶ嵐山隊と、俺達。

そう、俺達も本日は入隊日のお手伝いという事でここにいるのだ。

雨取や空閑がいるし、もともと俺達教導隊の存在意義も新人の教育目的に作られてる。人前に立つのは未だに苦手だが、仕事だから仕方が無いのだ。ないのだ。

 

嵐山隊の登場に、参加しているC級隊員達がざわつき始める。

まぁそうだよね、テレビとかに出ているし芸能人みたいなもんだよな。うんうんわかる。

嵐山さんはイケメンだし、綾辻もスーパー美少女だし、木虎も美人だしな、わかる。

 

「おい、あれ見ろよ・・・・」

 

「あぁ、やっぱプレッシャーが違うよな・・・」

 

とこんな感じである。・・・・ちょっと、ざわつきのベクトルが違う気がするが、嵐山隊だもんね。さっすがー!

 

「すげぇ、クオリティが違う・・・さすがだな・・・!」

 

「あぁ、デティールとか本物かよ・・・」

 

キコエナイキコエナイ・・・嵐山さんの事だよね?綾辻かな?

 

どうにも居心地の悪い視線をあっちこっちから浴びつつ、マスク越しに見えるC級隊員達からの視線に冷や汗がダラダラだった。

赤い隊服の襟を直しながら、空閑が仮入隊のC級隊員と話すのを見つつ、今日の晩御飯何にするかなーとか考えて現実逃避をする。

あ、すみません大井パイセン!にらまないで、まじめにやりますごめんなさい!

 

「さて、これからオリエンテーションを始めるが、まずはポジションごとに分かれてもらう。アタッカーとガンナーを希望する者はここに残り、スナイパーを希望する者は佐鳥について訓練場に移動してくれ。そして、事前に通達がいっている仮入隊組と、何人かの者は大佐・・・比企谷の元に行ってくれ」

 

 

言っちゃった!言っちゃったよ嵐山さん!!

知ってた!C級からの視線が俺に向いてる事も、その理由が俺の恰好のせいだってことくらい知ってたよ!

 

やたらと自信満々に空閑と話していた3人組とかすげえ誇らしそうに敬礼してるしね!そうなると思ってたよコンチクショウ!!

俺はおぅ、じーざす。と心の中で叫びながら本日の赤い軍服にマスクをつけたフルフロンタル風の恰好を呪う。

人によっては遊んでるんじゃねーとか思うかもしれないが、この格好もまた、本部公認だって言うんだから笑えない。いやほんとマジ笑えねぇ・・・・。

 

いつぞやの職場見学の時からコスプレによる入隊希望者の増加がなかなかに無視できない規模になって来たらしい。それなら他の隊員にもやらせればいいやん?って思ったのだが、どうにも断られたそうで。だよね!?

俺もひふみん先輩にお願いされてなかったら断ってたよ!

いつも着た後に似合ってるね、ってひふみん先輩が微笑んでくれるからこそ俺は続けてられるのだ。

 

そんなこんなで今日の俺は大佐の恰好なわけで、しかも装備がファンネルな訳で、これはもうあれだよね、ファンとしてはもうたまらない訳で。まぁね?俺もさ、嬉しいっちゃ嬉しいよ?大佐だよ?テンションも上がる訳でして・・・・人前でなければね。

まぁ、そうは言ってもやることはやらないとだしな、と気持ちを切り替えて説明に入る俺、マジ社畜。

 

「諸君、まずは入隊おめでとう。諸君らは入隊組の中でも秀でた能力を持つ者を選ばせてもらっている。当然即戦力としての期待がかかっているのでそのつもりで励んでほしい。では訓練を始めるが諸君らの健闘を期待する」

 

「「「「「ジークジオン!ジークジオン!!」」」」」

 

俺の説明に一斉に敬礼する隊員達・・・あれ?おかしいな・・・トリオン能力やら運動能力やら、仮入隊してたやつやらから選んでたはずなんだが・・・・なんかガンダムファン率高くね?

 

あれー?とは思うものの、ま、まぁ?説明が楽だしいいか、と自分を納得させる。

ある程度B級昇格の条件も理解しているだろうが、追加でこちらも説明してもらおう・・・大井に。

もうね、なんか期待の眼差しっていうか、羨望の眼差し的な?もうプレッシャーがぱない。お前たちこそニュータイプじゃなかろうかと勘繰ってしまう。

むしろ帰りたすぎて俺が自宅の引力に魂が縛られたオールドタイプかもしれん。

 

C級隊員達が元気よくジオンコールをしているのをやむなくその場のノリで俺も敬礼をして、場のボルテージが最高になっていた。やべぇ、このまま地球に攻め込みそうなくらいのテンションだな・・・・。

 

嵐山さん達がまじめにやってる横で何やってんだろうとか思うが、楽しそうだしいいかな?あ、でもそろそろ大井がキレそうだからまじめにやろうと切り替える。

そんな怒るならこんな格好させんなよぅ、恥ずかしいとか思うけど、これもまたしょうがないのだ。

 

「それでは、諸君らの最初の訓練は、対ネイバー戦闘訓練だ。ただし、諸君らはある程度の能力がある為、今回の訓練では訓練用ネイバー3体を倒すこととする。攻撃力は無いが、その分装甲が厚く、また、3体での単純な連携も行ってくる。これを制限時間5分で倒してもらう」

 

俺の説明に先ほどまでテンションMAXなアゲアゲ集団が一斉に沈黙した。

当然だろう、通常なら1対1で行うこの訓練を1対3でやるというのだから。しかも制限時間は変わらずに。

 

まぁ余裕でしょ?っていう表情で空閑はのんきに構えてはいるが、他の隊員達には十分に脅威となる訓練である。

 

「諸君らは期待されている、それゆえこのような訓練とさせてもらった。制限時間を過ぎてもペナルティは無いので安心して臨んで欲しい。」

 

そう説明してようやく訓練がスタートしていく。ふぅ、大佐みたいなしゃべり方を意識しているせいかすげぇ疲れた。まぁ、この訓練が始まればしばらくは説明もないし、それぞれの新人達の動きを確認しておこう。

データやらなんやらは今頃別室のモニターでひふみん先輩が整理してくれているだろうし、入隊後の訓練メニュー作成はおいおいやっていくとしよう。

 

そんなこんなで訓練は問題なく進み、今はなぜか居る風間さんに三雲が絡まれていた。

え?とばしすぎ?いやだって訓練結果とかそんないらんでしょ?だいたいのC級隊員達が時間切れやギリギリで、3人組が3分くらい。空閑が20秒だったくらいか?最後のタイムが問題だらけだが、空閑ならそんなもんだろう。うん。明らかに俺より早い気がするが気にしたら負けだろう。

 

そんなことより風間さんだ。「弱い者イジメ、いくない」というセリフを30倍くらい薄めてなるべくソフトに風間さんを止めてみたものの、「迅と比企谷の後輩とやらの実力を確かめたい」とかなんとか言いながら風間さんがトリオン体に換装していた。

やる気マンゴスチンです!とその全身から伝わってくるようだ。いや、風間さんがそんなセリフを元気いっぱいに言って来たら正気を疑うけどさ。

 

どうするかなー?って思っていたら、なにやら俺の袖をクイクイと引っ張る感じがした。

ん?なんぞ?とそちらを見ると、キラキラと目を輝かせた木虎がいて、いやまぁさっきからこいつも居たけどなんでそんなキラキラした目でこっちを見てんの?

 

「比企谷先輩、私達もやりますよ!」

 

「いや、俺今忙しいから・・・」

 

と断ろうとしたが、それを予期していたのかそっと木虎が一枚の紙を差し出してくる。

ん?なになに・・・・入隊日にデモンストレーションとして木虎と戦う事、忍田。・・・・ふむ、なるほど?神は死んだようだ。

 

「やりますよ!!」

 

「はいはい・・・」

 

「本気でやらないと怒りますからねっ!」

 

でもなんでこいつはキラキラしてんだ?って思ったものの、なにやら烏丸もこっちを見ていた。・・・・なるほど?かっこいいところを見せたいって事ね。はいはい・・・。

 

 

 

 

それから木虎とめちゃくちゃ訓練した!

 

結果・・・・・

 

「「「「「ジークジオン!!ジークジオン!!」」」」」」

 

会場がすごいことになってしまった・・・・・。反省。

 

序盤はお互いスコーピオンで木虎が優勢だったのだが、今の会場の雰囲気的にファンネルを使わないのはKYかと考え直したのだ。

現在の俺のファンネルは最初の10機からさらに10機追加した結果、クシャトリヤ級のファンネルの数となっていた。

その結果、近接寄りのオールラウンダーである木虎に快勝してしまった。

 

「ぐぬぬぬ・・・・・」

 

んで、現在、木虎がすごい悔しそうにしているのだ。周りではいまだにジオンコールがやばいくらい続いているので軽く俺も手を上げながら木虎をフォローする。

 

「お前が全力でやれって言ったんだろうが・・・・」

 

「はい、でも、ここまで差が出来てるとは思いませんでした。くっ!広報さえなければ・・・・!」

 

「いやいや、俺のコレは反則みたいなもんだから、同じ装備ならお前の方が強いだろうが・・・」

 

テンションアゲアゲな隊員達を次の訓練へと向かわせて、木虎をフォローする。

 

「むぅ・・・・その余裕、気に入りません」

 

むぅ、とか言いながら頬を膨らませてるよコイツ、相変わらずの負けず嫌いだ・・・。

とりあえず小町にするように頬を指でつつく。ぷしゅっと木虎の口から息が漏れ、それにくっく、と笑いながら木虎に言ってやるのだ。

 

「はいはい、また今度相手にしてやるよ」

 

「絶対ですからねっ!次は負けませんから!!」

 

もー!と怒りながら微笑ましく次は勝つ宣言をする木虎に思わず俺のお兄ちゃんスキルが発動してポンポンと木虎の頭をなでてしまう。

そんなオレの態度にもうっ!と言いながらもされるがままになっている木虎。こういう態度をもっと出せば黒江とかにも懐かれそうなもんなんだが、と思う。

 

あ、ちなみに俺が木虎にファンネル無双をしている間に風間さんと三雲の対戦も少し離れたところでやっていたらしい。

ジオンコールやらファンネルやらの試作トリガーが注目を集めていたため、A級NO,2の風間さんの対戦を見ていたC級隊員はほとんどいなかったらしい。なんでや!

 

しかし、烏丸やらB級隊員達はみんなそっちをみていたそうで、後でそれを聞いた木虎がまたもやグヌヌってしてた。

あれね、見て欲しいけど、負けるとこは見て欲しくない的なやつですね。どんまい?

 

んで、結果として風間さんと三雲の戦いは、三雲がカメレオンに10連敗をした後、超スローの散弾とシールドチャージにより見事1勝をもぎ取ったそうだ。まじかよ!

いやはや、やはり烏丸の訓練はさすがだわ、と思った。

 

ついでに、スナイパー組の方でも雨取がボーダーの壁をぶち抜くとかいう意味不明な事をしていたらしいが、おおよそ特に問題らしい問題は無かったことにした。ほんとね、意味わからん。

 

こうして入隊日は過ぎていくのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 




という訳で仮入隊でした。

この作品、あえていうならヒロインは大井と那須です、最近出番無いけど大井と那須です。
木虎とか小南とか、宇佐美とかはヒロインではありませんのでご注意を!仕方無いんや!原作で那須の出番無いから仕方ないんや!

ちなみに、ファンネル先生ですが、これ、キュベレイには10機しか搭載されてないそうな・・・おかしいな、映像だと30機くらいありそうなのに、と思ったものです。
んで、クシャトリヤが24機、2クールですね、ちがう。
他にもニューガンダムが6機だそうな。調べてから思った。しまった、主人公のファンネル増やしすぎたかもしれん、と。

2次創作では良くあることです、気にしたら負けです。
という訳で、次回もよろしくですー!


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比企谷隊の戦争16 キャラが違うでしょー!?

こんばんわ、戦争編16話です。

次回から戦争編、本格的に突入します。今までのはあれです、戦争編と言う名の原作突入編と言いますか・・・・へへ、さーせん。

ほんとはサクッとやってこの半分くらいの話数で突入するつもりだったのですが、後から後から書きたいものが増えてしまって仕方ないのです。是非もないのです。

という訳で、大規模侵攻突入前の、あいだの話です!


三雲と風間さんのエキシビションから時間は流れ、正式入隊日もすいすいと進み無事完了する事ができた。めでたしめでたし。終わっちゃうのかよ。

 

ジオンコールで新たなトラウマを生産しそうになったり、空閑が意味不明なタイムを叩きだしたり、雨取がボーダーの壁を破壊したりとかしたけど、おおよそ順調に進んだと言えるだろう。大問題だらけだけど大丈夫、問題ない(フラグ)。

しかしそう考えるとあれだな。B級上がりたての三雲が10連敗したとはいえ、その後1勝を風間さんからもぎ取ったという事が本当はめっちゃすごい事なんだがかすんで見えるな、本人的にはまったく気にしてないだろうけど。逆に注目されて無くて良かったとか思ってるかもしれん。

 

んで、その後の話。

 

俺が木虎に対してお兄ちゃんスキルを発動させたのがばれたらしく、なぜか那須にめっちゃ詰め寄られていました。という訳で、俺は現在、我が隊室で絶賛正座中なのです。いつもの事なのです。泣きたい。

 

「聞いてる?いくら小町ちゃんと同い年の子とはいえ、烏丸君という思い人がいる木虎ちゃんの頭までなでるのは良くないと思うの、そもそも~~」

 

「はい、すみません。はい。はい・・・・。申し訳ございません」

 

と、このような状況だ。

いや、まったくもって那須の言う通りなので、こちらもクレーム対応中の社会人のような感じになってしまう。

 

しかしだな・・・俺にも言い分というか、言い訳というかはあるわけで。

それはね?実はこのスキル、オートで出るんすよ・・・・言い訳くるしすぎ?

普段からC級のやつらやら第六駆逐隊やらとやたら妹みたいなやつばかりで俺も感覚がマヒしてしまっていたかもしれん。

これは確かに反省しないとだな・・・・セクハラで訴えられたらシャレにならんし。

そういう訳でこれからは気を付けようと思い、いまだにくどくど言っている那須に真剣なまなざしを送る。

 

「~~という訳、わかった?」

 

「ああ、すまない。これからはあのスキルは小町専用にする。暴発しないように気を付けるわ」

 

正直途中の説教はほとんど聞いていなかったので、とりあえず謝罪。俺の社畜適正が上限知らずな件について。とか思ったら、那須がぷるぷるしてらっしゃる。ど、どしたん?

 

「ちがう!そうじゃないでしょ!?私の頭も撫でて欲しいの!」

 

「あぁ、わかった・・・・・・え?」

 

あえ?話違くない?そう思ったものの、どうも那須の不満はそれだけではないようだ。

 

「いい?まず、頭を撫でていいのは小町ちゃんと更生委員会、あと君のファンクラブの子達だけ。わかった?」

 

「あ、お、おう?・・・うん?」

 

なにやらプンプンという感じで超至近距離まで詰め寄ってくる那須に思わず少しのけぞってしまう。近い。

正座している俺の正面で同じく正座をしている那須だが、今は思いっきり体を乗り出してきて俺に詰め寄ってきているのだが、あ、あの那須さんや?これ、俺がちょっと状態を起こすとキスしそうなんすけど?

まぁ、当然そんな事言えないわけで。

 

「本当は私だけ、って言いたいけど、そこはさすがに我慢します。でもだれかれ構わずっていうのはダメ、ぜったい。わかった?」

 

「あ、お、おう?」

 

「返事が弱いよ?」

 

「イエス、マム!」

 

「よろしい。」

 

ダレデモハダメ。ハチマンワカッタ。

那須の言ったセリフに少し引っかかるが、とりあえずは那須のご機嫌を取るのが先決だ。

そう思って俺がしっかりと答えると、那須はむふーと息をついた。どうやら満足したようだな。安心だ。

 

それから俺達は2人でソファーに座った。でも座った場所が超となりで超近くて超いい匂いであわわわわ!ってしてしまう。だが、俺の内なる紳士力を盛大に発揮して必死に隠しながら入隊日の事を話す。

 

俺がフルフロンタルの恰好をしたせいで、嵐山さんがまじめにやってる横でジオンコールがフィーバーしてしまった事を話したときは那須もクスクスと笑って、空閑が戦闘訓練でトリオン兵3体を20秒くらいで倒した事を話すと可愛らしく驚いていた。うむ、こういう上品な反応はまさに深窓のお嬢様って感じでとても綺麗だ。なのになぜに時折どSな感じを発生させてしまうのか・・・・。

 

「ふふ、でも私も見たかったかな?じおんこーる?っていうの?楽しそう」

 

くすくすと手を口に当てながら笑う那須だが、正直こいつが微妙な発音でジオンコールをする場面が想像できないんすけど・・・・。

 

「やめてくれ・・・もうあの恰好はしない。あの後怒られはしなかったが、めっちゃ嵐山さんと木虎に小言いわれたし、綾辻にも仕事を大量に押し付けられて大変だったんだ」

 

「ふふ、よしよし、がんばったね~」

 

「・・・・・・」

 

にこにこと微笑みながら俺の頭を撫でてくる那須の笑顔に思わず俺の思考がフリーズしてしまう。

 

「うん?どうしたの?」

 

「・・・い、いや。なんでもない」

 

「そっか」

 

「ああ、そうだ」

 

那須の笑顔に見とれてました!なんて当然言える訳でもなく、なんでもないと言っておく。まぁ、なんかばれてそうな感じがしないでもないが、これまた気にしたら負けだろう。

 

しかし、こんな感じで話すのも久しぶりな気がするな。

最近では大規模侵攻に備えた訓練や、空閑の件、イレギュラーゲートやらと問題が続いていて俺の精神もそれなりに摩耗していたし、そんな時間もなかった。

 

今でも決して時間があるわけでは無いのだが、俺がかなりカツカツなスケジュールの元に対策を講じているのがばれてしまい、忍田さんの名のもとに休息を命じられてしまったのだ。

 

そういう訳で、俺は突発的に休息をとることになったのだが、その監視役として那須が派遣されていた。というのが今の背景である。さっきまで正座させられていたのはご愛敬という事で。そんな愛嬌いらないよばーにぃ・・・・。

 

んで、現在他のメンバーはというと。ひふみん先輩と小町は訓練に。大井と北上は新たに入隊したC級隊員に訓練を付けるためにランク戦ブースに出張中なのである。

 

迅さんの予知ではもうそれなりにはっきり見えているらしく。おそらく今月中には大規模侵攻が来るのではないか、と想定されている。

その為、先日入隊した隊員達に関しては主に避難誘導と、最低限の防衛を出来るような訓練を付けている。中途半端に戦い方を教えた場合、逆に危険にさらしてしまうからだ。

 

現時点で2000ポイント以下の隊員には主に避難誘導と、最低限の防衛をする為のスキルを身に着けさせるようにした。

逆に2000ポイント以上の隊員にはある程度戦闘もこなせると判断して、防衛戦に参加してもらう予定だ。

ただし、C級にはベイルアウトが無いため、積極的な戦闘ではなく、避難誘導をする際の殿を務めてもらう形とした。5人一組として、極力アタッカー2、シューターもしくはガンナー2、スナイパー1の編成になるように部隊編成をし、各部隊が孤立しないようにそれぞれ連携して撤退戦を行えるように訓練している。

当然、すべてのC級隊員にはベイルアウトが無いため、あくまでも撤退をメインとして、そのための自衛スキルであって、決して積極的に戦闘に参加しないように何度も注意している。これで人的被害は相当抑えられるはずだ。

それでも、だとしても、絶対の対策は無いし、敵側もある程度こちらの戦力は予想済みのはず、それでも仕掛けてくるという事は、向こうにも勝算があるという事だ。

 

そんな事を考えていたせいだろうか、横に座る那須がこちらをじっと見つめていた。

 

「大丈夫。私達も頑張るし、みんなも強くなってる。対策もいっぱいしてる。それに、危なくなっても八幡君が守ってくれるでしょ?」

 

「まぁ、出来る限り対策はしているが、それ、俺を信頼しすぎじゃないですかね?」

 

「ふふ、信頼してるよ?私の王子様?」

 

「・・ふ、ふぁい、守りましゅ・・・」

 

どんだけ信頼してんだよって感じの那須に思わずえぇー・・・となってしまうが、続く那須のあごクイからのイケメンなセリフに思わず赤面してかみかみになってしまう。

ぐぬぅ、相変わらずのイケメン力である。またもや俺の乙女心がドキンドキンと騒いでしまう。不整脈だと信じたい。いや、それはそれでだめだな。

そうこう那須とやり取りして、ちょくちょく赤面させられたりしていると、小町とひふみん先輩が帰還した。

 

「ただい・・・ま」

 

「ただいまぁ~・・・うぅ、頭いたいぃ・・・・・」

 

おう、おかえりーと返そうと扉の方を見ると、小町がひふみん先輩にお姫様抱っこされていた。なにそれすげぇ羨ましい。俺もひふみん先輩に抱っこされたい。・・・だっこされる側かよ。

 

「あら、おかえりなさい、小町ちゃん、ひふみさん」

 

「お疲れ様です、ひふみ先輩。小町、大丈夫か?」

 

ちょっとあれな思考をしてしまったが、那須と共にひふみん先輩と小町を迎え入れる。

俺はひふみん先輩に感謝してから小町の様子を伺う。

 

「ううん・・・・だいじょばない・・・・かも。・・・でも大丈夫、小町頑張るよ」

 

「どっちだよ・・・本当に大丈夫か?無理はしてないか?」

 

そう確認しながらひふみん先輩から小町を受け取る。

訓練に付き合ってもらってありがとうございますと俺が言うと、ひふみん先輩もまか・・せて!と返してくれる。本当に女神のような人だ。結婚・・・・しよ?

 

「ううん・・・正直ちょっと辛いけど、でも本当に大丈夫。ひふみお義姉ちゃんにも見てもらってるし」

 

「そうか、わかった。でもとりあえず今は休んどけ。ほれ、マットんとこ行くぞ?」

 

「あいぃ~。よろしくぅ~お兄ちゃん・・・zzz」

 

試作トリガーの運用試験により疲労している小町は俺と会話している間にも眠ってしまった。

小町の試作トリガーは、ひふみん先輩のヴェーダとのリンクを前提として作られている。その為、作戦行動中は基本的に小町とひふみん先輩のツーマンセルが基本となる。さらにその使用には小町にそれなりの負荷をかけてしまう為、ある程度訓練するとこのようにグロッキーになってしまうのだ。

 

俺としては小町に無理をして欲しくなかったので、最初はこのトリガーを使うのは止めるように説得していた。

していたのだが、守られるだけは嫌!と涙ながらに言われてしまい、それ以降は極力無理はさせないようにひふみん先輩に注意してもらいつつ、小町の安全の為だと自分を言い聞かせていた。

 

「どうですか?小町の調子は?」

 

とりあえず小町を寝かせた俺はふぅと可愛らしく息をついたひふみん先輩に小町の様子を聞いてみた。

 

「いい感じ・・・・だよ?

 

「お、そうなんですか?」

 

ぐっ!とサムズアップしてドヤ顔してる(超かわいい)ひふみん先輩に俺も少し安心する。

するとそれを聞いていた俺の超至近距離に座っている那須もうんうんとうなずく。すげぇいい匂いが那須の首の動きに合わせてぶわって来たのは内緒である。思わず鼻呼吸を意識してしまう。

 

「うんうん、すごいのよ?このあいだなんて私とくまちゃんの2人係で倒せなかったの」

 

むしろ途中からは押されてたくらい。と説明する那須にそれはすごいな、と思わず関心してしまう。

元々そんなに戦闘の適正が無かったのと、トリオン量もそこまで多くは無かったため、オペレーターをしていた小町だが、どうも隠れて木虎や熊谷と訓練は継続して行っていたらしく、現在ではそれなりに戦えるようになっていたのは知っていたが、それでもまさか那須と熊谷相手でも問題ないとは・・・・。

 

「それは、すごいな・・・・・」

 

「うん、すごい・・・・よ?」

 

「小町ちゃんも強くなってる。だから大丈夫だよ?」

 

「そう・・・だな」

 

ひふみん先輩と那須のお墨付きならきっと大丈夫だろう。

2人の優しい笑顔をみて、俺も少し気が楽になった気がする。あれだ、ずるずるとネガティブな思考を引きずりすぎて軽くなってきたってやつだな。うん。

 

それからしばらくして那須は自身の隊室に戻っていった。ひふみん先輩はおっきーのところに行ってヴェーダの改良をするらしく、先ほど出て行った。

んで、北上と大井が帰還して、光の速さで北上が小町と同じマットに眠りに入り、それを俺と大井が写真に撮りまくってからしばらくたっていた。

 

「・・・・・・・・」

 

「・・・・・・・・」

 

無言、超無言である。

お互いにC級隊員達のデータを確認していたのだが、なにやら大井からチラチラと視線を感じたり、何かを言おうとしたりしているのだが、どうも踏ん切りがつかないらしく、無言が続いてしまっている。

いい加減おれから聞いた方がいいのか?と思った矢先に大井が口を開いた。

 

「あ、あの・・・・」

 

「ん?どした?」

 

「そ、そのですね・・・・・なんといいますか・・・・」

 

口を開いたものの、先ほどからなにやらモジモジとしている大井。ちょっと顔を赤らめながら両腕で自身の胸を挟んでモジモジする姿に俺も思わず赤面してしまう。あれね、立派な二つの膨らみがすげぇ強調されてすげぇの。

思わず大井の最終兵器に目を奪われてしまうものの、まじめに話そうとしている為俺もすぐに思考を元に戻して大井を見つめる。

そんな俺の視線を感じ取った大井はさらに顔を赤らめる。うそ?!俺がお胸様を見ていたのがばれただと!?

 

「お、お願いが・・・・・あるんです」

 

「す、すまn・・・ん?お願い?」

 

どうやらばれていなかったようだ。ちぃ、安心。

思わず謝ろうとしてしまったが、はて?お願いとな?金は無いぞ?という視線を送ってみるが、違うと視線で返されてしまう。

ではなんぞ?という視線を送ると、ちょっと真っ赤になって涙目になりながらこちらを見つめて来ていた。

なにこの可愛い生き物。おかしくね?どしたん?最近のツンドラさんじゃなくて、これあれだ、なんか既視感あるなーって思ったら最初に出会ったころの大井の雰囲気に似てるんだ。そんな事を思っていると大きくすーはーと深呼吸をした大井が決意を込めた視線でそのお願いとやらを口にした。

 

「はい、その・・・・ですね・・・・。あ、頭を・・・・・ごにょごにょ・・・して欲しいんです・・・」

 

「え?なんだって?」

 

おかしいな、難聴系のスキルは持ってないのだが、普通に聞こえなかった。けっして意地悪で聞いた訳ではないのだ。

 

「その・・・・・して欲しいんです」

 

「その、すまん。良く聞こえなかったんだがもう一度言ってもらってもいいか?」

 

顔を真っ赤にしている大井に思わず俺のいたずら心がうずうずしてしまうが、決してわざとでは無いのだ。本当に聞こえないのだ。

そんな俺の紳士な訴えに、これ以上ないほどに真っ赤になった大井がすごい涙目でキッ!と俺を睨むとやけになりました!って感じで口を開く。

 

「だから!私と一緒に寝て下さい!それで、頭を撫でて欲しいんです!!」

 

「・・・・・え?」

 

今度は聞こえたが、理解できないと言いますか・・・・・え?

 

「その、不安で・・・。だからその、とても恥ずかしいのですが、私が寝るまででいいので傍にいて欲しいと言いますか、一緒に寝て欲しいと言いますか・・・・それで頭もできれば撫でていただければと・・・」

 

途中で自分が何を口にしているのか冷静になってきているらしい大井だが、ここまで来たら引き下がれんとばかりにトマトのように真っ赤になりながらそのお願いとやらを口にしていた。

 

「いや・・・その・・・・だな」

 

俺もなんて言っていいのやら、お前のキャラじゃないでしょー?とか思うものの、そう言えば最初の頃はこんな感じだったか?とか混乱中で、でもさすがにまずいと思った、思ったのだが。

 

「その・・・だめ、ですか?」

 

という大井の上目遣いからの涙目ウルウルにより俺は気が付いたら大井と同じベイルアウト用のマットに横になって大井の頭を撫でていた。

っべー・・・あれは無理でしょー・・・・・断れる訳ないでしょー・・・・・。

そんな俺の心の中とは打って変わって、大井はえへへ・・・と微笑みながら幸せそうに眠っていた。

だからキャラじゃないでしょーーー!?!?可愛すぎじゃぼけぇーーーー!!!!と叫びそうになったり、思わず大人の階段を上りそうになりながらも必死に耐えて過ごすのであった。

 

ま、まぁあれだ。大井も普段からかなり気を張っていたからな、その反動という事にしよう。今日のこれは俺の心の中にしまって墓までもっていく事を誓うのであった。

 

 

そんなこんなな日常を過ごしつつ、俺達は大規模侵攻に備えていく。

 

そして、それから数日が経過して、運命の日がやってくるのであった。

 

 

 




という訳で、次回から大規模侵攻突入します!

あれです!こっから原作5巻の内容はほぼ原作通りという事で総飛ばしします。

んで、久方ぶりに那須さんをヒロインして、大井のキャラ崩壊という名のこんな大井もいいよねっという自分の妄想を発動して、次回こそ大規模侵攻に入るのです。

しかしこの大規模侵攻編、単行本でいうと5巻の最後から10巻まであるわけで、果たしてこの戦争編が何話まで進むことになるやら・・・・予定だとそんなに進まないはずですが、書いてるといろいろ追加したくなるんですよね・・・・まぁ、気楽に読んで頂ければと思います。

それではまた、よろしくです!



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比企谷隊の戦争17 ついに始まってしまいました・・・

こんばんわ!戦争編!本当に戦争編突入です!

長かった!ここまで長かったよチクショウ!

という訳でここから先はちょいちょいオリジナル要素が増えていきます。
割と原作沿いにしていきますが、細かい部隊配置や敵のあれこれをいじっていますので、なんとなく雰囲気で察して下さい。

ついでに敵の数とかあれこれも割と雰囲気です。なんとなく察して下さい(懇願)
という訳で真・戦争編です。


「朝か・・・・」

 

ちゅんちゅん、まるまる・・・という小鳥さん達の声にまどろんでいた意識を覚醒させる。

普段であればまだまだごろごろして、愛しの天シスターである小町が起こしに来るまでは寝ているものだ。それからお兄ちゃん朝だよー、うぅ、後5分・・・、もう、しかたないなーっていう千葉の兄妹らしい朝の一幕をするまでがルーティーンなのだが、今日は不思議と目が覚めていた。

 

「ふむ・・・・・」

 

「むにゃ・・・・はふぅ・・・・」

 

上半身を起こしながらなんか空気重ない?って思っていると布団の中から聞こえてくる聞き方によってはちょっとエロい声に布団をめくる。するとどうでしょう!中には北上が俺に抱き付きながら眠っていたのでした。

つまりあれだ、なんも不思議もなく、北上がいたから目が覚めたんか・・・とか思っていると北上を起こしてしまったようだ。

 

「はふ・・・・・ん・・・・・」

 

「よう、北上。おはようさん」

 

「ん・・・・おはよ・・・・・・」

 

目をくしくししながら覚醒した北上はそのまま俺の胸に顔をうずめながら抱き付いてくる。

北上のような美少女が布団の中にいて、しかも抱き付いてくるとかそれなんてエロゲ!?って展開である。

だが、不安そうな表情で俺に抱き付いて来ている為当然のように俺のお兄ちゃんスキルが発動していた。北上が落ち着くまで優しくポンポンと頭を撫でておく。

 

 

しばらくすると北上が落ち着いて来たので2人でリビングに行くと、そこではすでに小町と大井が起床していて一緒に朝食を作っていた。

ちなみに、別に北上と大井と一緒に住んでいるとかではないのだ。ちょくちょくいろいろあれこれしてたらたまにこういう事になったりするのだ。全然説明になってないな。

まあ俺達比企谷兄妹も北上、大井も両親が他界しているという面で一緒な為、ちょくちょくこんな感じで朝食やら夕食やらを一緒に過ごす事は多いのだ。

 

小町と大井にそれぞれ朝の挨拶をしつつ、北上をリビングの椅子に座らせてから俺は部屋に戻って朝の準備をする。当然のように俺から離れないようにしている北上を何とかなだめて、なるはやで準備したのは当然であろう。

顔を洗って準備完了!とリビングに戻ると北上がすぐさま俺のそばに寄ってきて「ん・・」と言いながら再び抱きついてくる。どうも相当不安になっているようだ。

 

「大井、北上のこれって、あれか?」

 

「はい、おそらくは・・・」

 

あれと言うのはいわゆる女性的なアレではない。まだセクハラで捕まりたくは無いのだ。

あれと言うのは、北上のサイドエフェクトとも言える第六感的な奴である。ちなみに俺の超不幸体質とか気配の薄さとかハチザムとかをサイドエフェクト認定されそうになったこともあったりしたため、俺達は決してこれらの事をサイドエフェクトと言わないようにしている。

そう、北上のはただの野生の勘で、俺のは世界が悪かったり、シスコンだったりしているだけなのだ。だけなのだ。

つまり、北上がこれほど不安を感じるという事は、そういう事なのだ。

大井に確認すると、夜中に北上が唐突に嫌な感じがすると言い出し、不安だという事で、急遽うちに来ていたらしい。そんで、不安な気持ちでいっぱいだった北上は夜中の内に俺の布団に侵入していたとの事。

 

北上と大井にはうちのカギを渡してあるので夜中にうちに来た事自体は問題ないのだが、女の子としてどうなん?という視線を大井に向けると、大井も不安だったらしく、大井は小町を抱きしめながら寝ていたらしい。なるほど?いや、答えになってないよ?

 

「ふぅ、しかしそうなるとあれだな・・・・」

 

「そうですね、幸い私達の今日の予定は欠員の出た部隊の代わりでの防衛任務です。早期の対応が出来ますね」

 

「ん~じゃあ、みんなにも注意したほうがいいかな?」

 

「そうだな・・・」

 

大井の言う通り、本日の予定は防衛任務から始まるのだ。なんという偶然!とか思うけど、つまり、最初から最後まで頑張れよ!っていう事だ。どことなくセクハラエリートの影を感じるが、流石に気にしすぎだろうか?

そんな俺に小町がみんなにも注意喚起すべきかと確認してくるが、ふむ・・・まだ来るのは確定じゃないし、どのタイミングでくるかも不明なんだよな・・・しかも小町の言うみんなっていうのはオペレーター全員って事だろうからあれだ。万が一なにもなければただひたすらに警戒で疲れさせるだけになるだろうしな・・・・。

 

「いや、注意と言うよりも、万が一の時は落ち着いて対応するように話すくらいでいい。一応A級と忍田さんには北上が警戒している事だけ伝えとけばいいだろう。いつ来るかわからん相手だ、警戒させ続けるんじゃなくて、いざという時にすぐに行動に移せるように話しといてくれ。」

 

「りょうかいであります!」

 

「では私はC級に班分けと非難誘導と警戒の再確認をするようにだけ通達しておきますね?」

 

「頼む。・・・・北上も頼むな?お前の火力が頼みだ」

 

「うん・・・・うん!大丈夫!ギッタギタにするよ!」

 

「おう、期待してる」

 

とそれぞれに対応を指示した後、いまだに胸で顔をうずめている北上を見る。

未だに不安そうにしている北上の頭をそっと撫でながら声を掛けると北上も何かを吹っ切ったのか、うんと力強くうなずいて腕で力こぶを作ろうとして非常に頼もしい事を言ってくれる。まぁ、まったく力こぶは出来ていないのでとても可愛らしい感じになっているのだが。

実際に大規模侵攻となった場合、北上のビームキャノンは一撃で戦況を動かすことの出来る装備だ、使用回数は限られてるし、防御も大井任せではあるが、イルガ―のような大型が複数出てきた場合、俺や大井では火力不足な為、まんま言葉通りの意味で北上が頼りだったりする。

 

そんな事を考えながら北上と大井を見た後、小町の方を見ると、何かを期待したような、でも不安な表情で俺を見ていた。

今までの俺であれば、小町には危険が及ばないように今日の防衛任務で作戦室に詰めてもらうように言うだろう。だが、小町もまた俺達と共に戦えるようにと必死に頑張って来たのだ。だからこそ、俺は小町に言う。

 

「小町は作戦室でオペレートでは無く、戦闘員として行動してくれ」

 

「お兄ちゃん・・・・りょうかいであります!」

 

俺のセリフに嬉しそうな気持で一杯の了解を返してくる小町。今でも戦闘に参加させたくないという気持ちはあるが、それでも、俺は小町が俺達と一緒に戦いたい、守りたいという思いをくみ取った。

 

「あぁ、でもあれだぞ?ここぞという時まで新型は禁止な?」

 

「わかってるよ!大丈夫!!」

 

ハチザム級な使用後のデメリットがある新型はなるべく使わないようにという釘はしっかりさしておく。ひふみん先輩にも後でしっかりと管理してもらうとしよう。

ちなみにここまでずっと今日大規模侵攻がくる前提で話しているが、実はいつ来るかはわかってなかったりする。

それでも北上がここまで不安そうになるなどそれ以外考えられないし、疑う気もない。それに、空気が乾燥している、というか少しぴりつく感じを俺のアホ毛が感じ取っているのだ。心なしか小町のアホ毛もしゅんとしているので俺のなかでは今日来るのが間違いないとすら思っている。

俺達のアホ毛はなんなのだ、という質問もあるだろうが気にしてはいけないのだ。すごい妖気ですとか感じたり、喜怒哀楽を表現したりと比企谷家のアホ毛は高性能なのだ。

さすがに俺達のアホ毛が反応しているので今日間違いなく大規模侵攻が来ます!とかは言えないので先ほどのようにいざという時に慌てないでね?っていう事を言うだけにしているが。

 

そうこう話をしながら比企谷家での朝は過ぎていき、俺達の長い一日が始まる・・・・。

 

 

 

 

 

 

「ねぇ?多ない?これいくらなんでも多すぎちゃう?」

 

朝の俺達らしい愛情あふれるやりとりからしばらく、防衛任務に入っていた俺達はそのまま当然のように大規模侵攻に突入していた。とびすぎぃ!

お、おかしいな・・・こういう時ってあれじゃないの?学校でいつも通りのやりとりしてたら事態が始まって、それからなんかヒロイン的な人とか親友的な奴らに「頑張れよな!」てきなやりとりしてなんならほっぺにちゅうの一つでも貰ってから始まるんじゃないんですかね?え?ヒロインいないだろ?親友もなwワロスwwwってか?その通り過ぎて泣きそう。そもそも学校に行ってない時点でそんな主人公的な流れは無いのだ。つまり前提から破綻していた。

 

「そんな事言ってる暇があったらさっさと削ってください!」

 

「うひー、結構倒してるけど全然減ってないねー・・・」

 

俺の愚痴に大井がぷんすかいいながらハウンドを射出して複数のトリオン兵を撃墜する。その横で北上もアステロイドにより同じく複数のトリオン兵を倒す。当然俺もファンネルを省エネモードで展開して上空に展開している飛行型トリオン兵を中心に迎撃している。がんばってるんだからちょっと愚痴を言うくらい許してほしいのだ。

 

「ふぅ・・・どれくらいたった?つかあとどんくらいいます?」

 

「迎撃開始から・・・20分経過。敵は西、北西、東、南、南西に分かれて市街地へ進行中、総数小型、中型を中心に・・・およそ5000体。西と北西に迅君と天羽君が展開、B級各隊が東と南に展開中・・・だよ?」

 

現状確認をすると、これまでにないくらいの長文でひふみん先輩が説明してくれる。つか5000て・・・。こっちA,B級隊員合わせて130人位なんすけど・・・・。

なるほど、迅さんと天羽が一か所ずつ担当して残りを分散したわけか、効率的である。でも気になる点があるんだが?

 

「あれ?・・・・一応確認しますけど、南西は?」

 

「・・・・がん・・・・ばろ?」

 

もしかしてー?とか思いつつひふみん先輩に確認をすると、ヴェーダを展開しているひふみん先輩が可愛らしくぐっ!と両腕を胸の前でやりつつ俺を応援してくれる。

つまりあれですね?

 

「ええと、つまり南西は俺達だけ・・・・ですか?」

 

「そう・・・だよ?」

 

「どうりで他の隊を見かけない訳だよコンチクショー!!」

 

はは、冗談でしょ?って感じでひふみん先輩に確認をしてみるも、ひふみん先輩はとても申し訳なさそうに俺に現実を突きつけてくる。あぁ、すみません!ひふみん先輩に怒ったわけじゃないので泣かないで!すみません!

しかし単純計算で1000対を俺達5人で対応しないとなのかー・・・・。なにそのクソゲー、倒しきったらお主こそ真の三国無双よ!とか言われんのかしら?

 

「海の藻屑となりなさいな!・・・・ふぅ。でもさすがにこの物量には困りましたね・・・」

 

「うへぇ・・・・全然減らないー・・・」

 

「うーん、流石にこの数はキッツイですねー・・・」

 

俺達の後ろはもう少しで警戒区域外になってしまう、そのさらにうしろには三雲達の通う学校もあるしでこれ以上下がるわけにもいかないのだ。だが目の前に展開するボーダーが視えなくなるくらいのトリオン兵の群れにさすがの大井も困り顔である。そこに北上、小町と続いて、ひふみん先輩は無言で苦笑いしていた。

 

ちなみに現在の陣形としてはまず前衛に俺がファンネルで広範囲の敵を殲滅、ないしは足等を破壊している。当然このままではトリオン切れを起こしてしまうのだが、そこは困ったときのタヌキで、以前配置を依頼していたプロペラトタンクを使用しているおかげでトリオンの消費を抑えつつ、出来る限り広範囲の敵に攻撃を加えている。

んで、俺が撃ち漏らした敵を中衛の大井と北上が左右に展開しつつ撃破している状況だ。トリオン節約の為、北上にもプロペラトタンクを使用してもらいつつ迎撃してもらっている。さすがに小型がほとんどの敵にビームキャノンはオーバーキルすぎるので現在は通常のトリガーで闘っているが。大井は俺と北上と自身を守るように適時プラネイトディフェンサーを展開しつつ、ハウンドで迎撃している。俺と北上に比べてディフェンサーは消費トリオンが控えめなのでこちらはタンクを使用していない。まぁ俺達に比べれば、というだけで、通常トリガーよりは燃費が悪いので、大井は引き気味に戦闘している。

んで、ひふみん先輩は戦闘開始と同時にヴェーダを展開して俺達の後方から戦況をコントロールしてもらっている。通常展開ではなく最大範囲での展開の為、いつもより索敵の範囲は広がったものの、さすがに今回の大規模侵攻全域を見る事は出来ないが、それでも7割の戦闘区域をカバーできている。さすひふ!

んで、小町にはひふみん先輩の護衛をしてもらいつつ、俺達の迎撃を逃れたトリオン兵を倒すという遊撃をしている。完璧な布陣じゃないですかねー?ふはははは!とか笑いたい。まぁフラグにしか見えないのでやらんけど(フラグ)

 

「!!ハッチーさん!」

 

「ゲート発生!」

 

俺がそんな事を考えていると、北上が焦ったような顔で叫びつつ中空を指さすのと、ひふみん先輩の声が重なる。北上の指さす先にはここからが本番だと言わんばかりに複数のゲートが発生していた。

 

「まじか・・・・」

 

これなんてクソゲ?って現実逃避をする俺の前で新たなゲートから出てきたのは、見た事の無いトリオン兵だった。

 

「くっそ・・・・ここから第二ラウンドって訳か・・・・新型だ!全員けいひゃい!」

 

ここにきて俺の無能な口がシリアスに耐えきれなくなった。くそう・・・・。

うしろからぷっ、とかくすくす、とかあはは、とかふふ、とか聞こえるがキニシナイのだ。

そんな、シリアルな雰囲気を放ちつつ、割りと絶対絶命気味な俺達の防衛戦は第二ラウンドに入るのであった。

 

 

 

 

 

 




という訳で大規模侵攻開始です。

チート、TUEEはありません。ありませんったらありません。
単純に多数との戦闘においては比企谷隊はボーダー随一の対だからなのです。

トリオン量で言うと、加古とか出水クラスの八幡と北上、大井なので、火力が違うのですよ、火力が。
当然シューターメインの隊とアタッカーメインの隊では防衛できる範囲はまったく違う訳で、結果。こうなったわけです。つまり八幡の受難は続く。

次回もよろしくです~


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比企谷隊の戦争18 TUEEもチートもないよ?ないよ?

こんばんわ!戦争編18話です。

今回、ちょっと盛ります。ちょっとね?
やりすぎこーじーな感じではありますが、TUEEもチートも無いのです。ないったらないのです。

だいたい展開は原作通りにしつつ、ちょいちょい変わっています、新型の強さとか……、うまい事脳内であれして下さればと思います。

そんなこんなで戦争編です。



「なんかもう、あれだな・・・見た感じからやばげなんだが?」

 

なんか情報あります?バイパーを断続的に放ちながら視線をひふみん先輩に向けると、AIの宗次郎が任せろよ!って感じで答えてくれた。あ、さっきの長文で疲れたんですね。

ふむふむ、他の部隊も交戦を開始している?へぇ・・・。東さんとこのがやれられたと、まじか・・・しかも諏訪さんもごっくんされた!?まじかよ・・・・。

 

「なるほど、この新型はトリガー使いを捕獲するためのトリオン兵という訳ですか・・・」

 

「おっきくてかたいねぇ~・・・」

 

「うわぁ・・・・」

 

俺と北上と大井がそれぞれ通常トリガーによる攻撃を三方向から放ち続けることで新型の動きを制限する。というか何もさせていなかった。ろくに動くこともできずに前後左右にちゅどんちゅどんとあおられているトリオン兵に思わず小町が同情するような視線を向けてるが、しょうがないやん?どんな敵かわからんのだし。

ちゅどんちゅどんさせながらヴェーダのAIからの情報を共有しつつ、確認をする俺達。

ほむほむ、つまりあれか?こいつらは倒したトリオン兵の中から出てきた訳ね?んで?トリガー使いを捕獲するため、超強くて、超硬い、ついでにパワーもあるよ?って事ねオーケーオーケー。万事オーケーだ。

他がトリオン兵の中から出て来たのにここだけわざわざゲートから出したって事はあれでしょ?ここめっちゃ狙われてるって事やん?評価頂きありがとうございますだよコンチクショー!

さすがにこれの対応しつつ周辺のトリオン兵の対応は無理だ。トリオン的にも無理。周辺はある程度倒していたのですぐさま警戒区域外に行かれることは無いが、早期で決着を付けなければ。

 

「ひふみ先輩。相手の意識をこちらに向けさせるのでアレを使うと本部に連絡を頼んます。それと、さすがに増援を!」

 

「わか・・・った!」

 

さすがにこの物量と新型相手は俺達だけじゃ手が回らない。せめて第六駆逐隊あたりがいてくれたらと思ってしまう。それでも、現状は俺達だけで対応しなきゃなわけで。

とりあず相手の強度の確認は先ほどから俺と大井と北上で通常弾をフルボッコして判明した。遠距離からだと効率が悪そうだ。かなりぼろぼろにはしてるものの、いまだ撃墜できてないしな。

 

「とりあえず相手の強度は理解した。そろそろ撃墜するか。北上、10%だ。大井はガードしつつ足止めを、俺は周辺のトリオン兵を片付ける。小町は残敵掃討、ひふみ先輩は新型の索敵を」

 

「りょうか~い!」

 

「わかりました!」

 

「小町におまかせっ!」

 

「わか・・・った!」

 

それぞれの返答を確認して俺も行動に移る。さてさて、周辺のトリオン兵を何とかしないとだが、ふぅ・・・・・周辺の被害がやばくなるから使いたくないんだが、しょうがない。しょうがないったらしょうがない。

俺は新しいプロペラトタンクを確保しつつ、近場の家の屋根に昇る。さらにヴェーダから送られてくる敵の位置情報を元に、新たに展開させたトリガーを構える。狙うのは敵が密集した地点だ。500m内に大型のグループがいくつかあるのでそこを狙う。

ふぅ・・・元の家の持ち主さん申し訳ない!と心の中で謝りながら攻撃を開始する。

 

「アイビス+メテオラ、アンチマテリアルバレット発射」

 

いくら警戒区域内とはいえ、ちゅどーん!ちゅどーん!!ちゅどーーーん!!!という強烈な破壊音と共に目の前の街並みが更地になっていくのを見るのは心苦しい・・・だが、ある程度こちらに相手の目を向けさせる必要があるのだ。

大井と北上の方を見るとあちらもうまくやっているようだ。大井がスコーピオンとハウンドで新型を翻弄している間に北上が10%のみのチャージを完了させて射撃体勢に入っていた。すると大井が一気に新型に肉薄する。

 

「これで、終わりです」

 

そう大井がすれ違いざまに言うとともに、新型の左足の膝が大井のスコーピオンに破壊され体勢をくずす。そしてその隙を逃がさずに北上が砲撃する。

 

「さっすが大井っち!ふぉいや~」

 

北上のちょっと抜けた感じの声とは裏腹に、強烈な閃光を放ちながらビームキャノンが放たれ狙いたがわず新型を撃破した。おお・・・それでも蒸発せずにまだ原型が残ってるな・・・ほんと、なかなかに頑丈だ。さすがに撃墜はしたが、そのポテンシャルは脅威といわざるをえない。

使用済みのタンクを廃棄しつつ確認すると俺の方も禁断の砲撃で100くらいは減らせたようだ。爆発でトリオン兵の体内にいる新型も壊れてくれてたらいいなー(フラグ)

 

バキバキ・・・・バキバキ・・・・バキバキ・・・・

 

「デスヨネー・・・・」

 

「やれやれ、どうも私達は大人気のようですね・・・」

 

「うへぇ・・・・」

 

「うっはー♪大盤振る舞い!明日はホームランだね!お兄ちゃん!」

 

「索敵完了・・・新型総数・・・47体」

 

新型の追加登場にそれぞれ嫌そうな表情をする。しかもひふみん先輩の索敵では現時点で50体くらいいるとか・・・ふざけろ。こんなホームランいらない。

 

「あの・・ひふみお姉さま?見える範囲だと結構新型が居るように見えるのですが?」

 

「南西部新型総数・・・32体・・・・がん・・・・・ばろ?」

 

だいたいこっちにきてるぅーーーー!!!!

いやまぁ想定通りっていえばその通りだけど!いくらなんでもきすぎぃ!!

レプリカ先生いわくA級でも油断するとヤバい、が30もこっち来るとか想定外すぎる。まずいまずいまずい!

 

「北上!最大威力でフルチャージだ!ひふみ先輩は射撃ポイントの割り出しを!大井と小町は2人のガードだ!」

 

「おにいちゃんは!?」

 

「いつもどおりだ!俺が奴らのヘイトを取る!」

 

大井と小町がなにか言っているがそれどころじゃない!さすがにあの数は無理だ!ファンネルなしの俺ではせいぜい1~2体相手にするのが精一杯だろう、それもたぶん倒しきれない可能性もある。それが30!?ふざけんなっ!

だからこそ、ここで先手を取らせるわけにはいかない。幸い30体すべてがまとまっているわけでは無い。まずは目の前の10体だ。それでも多すぎだしかなりきついが仕方ない。

ふんぬらばっ!と心のなかで叫びながらファンネルをでゅへいんしていると、通信が入った。

 

『比企谷さん、大変そうだね。俺も手伝うよ』

 

『先生!援護します!!』

 

「空閑と三雲か!助かる!空閑はブラックトリガーを使用しているのか?」

 

『そうだよ。出し惜しみしてる場合じゃないからね』

 

「わかった、使用許可は俺が出したことにしておく。空閑は俺と新型の相手だ。三雲は小町、大井と合流して北上とひふみ先輩の護衛だ。北上の一撃につなげるぞ」

 

『了解』

 

『り、了解!!』

 

新型の対応で小型、中型のトリオン兵が警戒区域外に出てしまっている事をAIが警告してくる。

 

「空閑!倒さなくていい!足を止めろ!出来るだけ多くだ!」

 

『止めるだけでいいの?・・・ああ、そうか。了解』

 

いちいち撃破してたらとてもじゃないが戦力が足りない。だが、足を止めるだけなら、空閑のブラックトリガーはレッドバレットを学習している。かなり効率良く足を止めることが出来るだろう。だから俺がやるのはそれを当てる隙を作ることだ。

 

『チャージ完了まで2分だよ!』

 

「了解だ!空閑!俺がファンネルで隙を作る!そこに打ち込め!」

 

『了解』

 

北上のチャージまで2分。カップ麺ならちょっと固めでいい感じだし、キラ・ヤマトならザクを20機撃破出来る時間だ。10機くらい多いけど何とかなるだろう。

ついでとばかりにひふみん先輩に追加の指示を出しておく。反撃の始まりだ!

 

ドゴォォォォォーーーーン!!!!

 

反撃だぁ!って思ったらそんな超デカい爆発音が聞こえた。な、なんだ!?

 

『イルガ―が自爆モードで本部に直撃・・・・損害軽微・・』

 

AIからの情報を確認すると、2体のイルガ―が本部にってええい!それどころじゃない!!あたれぇ!とファンネルを飛ばして新型の足を破壊する。これで足止め12体目だ!

まだ20体もいるのかよ・・・・。

 

『イルガー・・・さらに本部に4体接近』

 

あぁ、ひふみん先輩が忙しそうだ!かつてこれほどまでにしゃべってる事があっただろうか・・・そんな現実逃避をしたいが、それどころじゃない。

AIの評価では本部で撃墜できるのは1体のみ、直撃を耐えられるのも1体のみ。詰んだ―・・・・。いや、まだだ!まだおわらんよっ!いつか言ってみたかったセリフを脳内で叫びつつ、内心ちょっと喜んでる俺。意外と余裕ありそうやろ?死にそうになりすぎて逆にふっきれてるだけやで?言ってる意味わからん?俺もだ。って、そうじゃない!

 

「北上!チャージは!!」

 

『いけるよ!』

 

「よし、大井もトリオンを追加供給!ひふみ先輩!」

 

俺が言う頃にはひふみん先輩はすでに本部に連絡していた。まだ1体残っているがそちらは太刀川さんが対応するようだ。って、うがぁーーー!こっちもまだ16体の足を止めた、やっと半分!

空閑が良い感じにこっちの意図を汲んでフォローしてくれてるし、ヘイトも多めにとってくれてるから思考する余裕が残されているのが幸いだ。本部からの砲撃が1体を撃墜するのを確認した俺は北上に指示を出す。

 

「北上!正面の敵を掃討しろ!そのまま最後尾のイルガ―を落とせ!」

 

『了解!エネルギー充填率120%アッシュクリュウシカイホウ・・・ふぉいや~~~!!』

 

通信越しに聞こえる北上の勇ましくもどこか抜けた感じの棒読みの声と共に極大の閃光が戦場を蹂躙する。ひふみん先輩のヴェーダから送られてくる戦術マップから、相当数のトリオン兵の反応が消えていく。

北上は現在俺達がいる南西部から正面の新型と南部の部隊が交戦している新型を巻き込むような射線でビームキャノンを放ち、そのままビームの照射を維持しつつ、その極大の閃光を左に旋回させ、大量のトリオン兵を撃破していく。

 

『おおーーーすごいな・・・・』

 

北上の放つ閃光は小型、大型、新型を数多く撃破しつつ、最後に閃光を上空に向け、最後尾のイルガーも撃墜した。さすがです!スーパー北上様!とか思うものの、これいくら何でも強力すぎない?って思った。

ヴェーダの報告によると今回の射撃は通常のフルチャージよりも多くのトリオンを放っていたらしい。ん?と思って周りに少し余裕が出来たのをいいことに詳細を確認していくと、どうやら通常のフルチャージ+プロペラトタンク1個分+大井のトリオンを少々との事。そりゃ見た事もない威力になるわけだ・・・・・一瞬天羽が来たかと思ったわ。

その結果、もう1体を太刀川さんが切って、1体を予定通りに耐えたらしい。

 

「追加は?」

 

『・・・・ない、みたい?』

 

ふむ・・・なら状況を整理するか。

いまだ新型は残っているものの、それらは戦闘狂の太刀川さんが切ってくれるだろう。とりあえずこの周辺はクリアだ。小型、中型はそれなりに残っているが、それらは小町と大井、空閑と三雲に任せて俺と北上はトリオン節約の為に後退してひふみん先輩と合流する。

 

「さて、敵さんの狙いは何ですかね?もう少しイルガ―突貫させれば本部を破壊する事も出来たでしょうけど・・・・」

 

「在庫・・・切れ?」

 

だといいが、さすがにそれは楽観視すぎるか・・・・先ほどの援護要請により嵐山さん達も近くまで来てくれている、現在は警戒区域の残敵を掃討しているようだ。

他の地域の戦況は、まず東に戦力を結集させて、確実にトリオン兵を駆逐してから南に向かうというある程度損害を覚悟した作戦で行くようだ。南西にも慈悲が欲しい。

正隊員の相手を新型、レプリカ先生いわく、ラービットにさせ、その隙に通常のトリオン兵が市街地に向かう、市街地を守ろうとすると、新型が後ろから・・・・と、め、めんどくせぇ。

よくわからんのが現在では新型の投入もなんか止まってるしで、相手の狙いがわからんな・・・・。そんな事を考えている間にも嵐山隊が合流してくれていて、いつの間にか三雲と木虎が後方に下がって、避難誘導の協力をすると忍田さんと話していた。あ、そうね、この先の中学校三雲の学校だし、雨取も居るもんね、よしそっちは任せたぞって気持ちを込めて三雲にうなずいておく。

 

「先生、行ってきます!!」

 

「比企谷先輩、こちらは任せます」

 

そう言い残して三雲と木虎は後方に走っていった。よし、それじゃあこちらはー

 

「よし、俺達は警戒区域内のトリオン兵を排除、特に新型を狙う!」

 

「「「「了解!!」」」」

 

と嵐山さんがイケメンスマイルで俺の思っている事を言ってくれた。あ、あざす。べ、べつにセリフ言われて悔しくなんかないんだからねっ!

 

「レプリカ先生、ひふみん先輩と協力して敵の狙いを探ってくれ、どうにも振り回されて誘導されている気がしてならない」

 

『たしかに腑に落ちないな・・・わかった。ヒフミのトリガーとなら狙いが絞れるかもしれない』

 

「頼む」

 

俺と北上はすでにトリオンの残量が半分くらいになってしまっている為、基本的には大部分の戦闘を嵐山さん達に任せてトリオンの節約に努めながら警戒区域のトリオン兵を駆逐していく。

いまだ戦況の先が読めない不安の中、俺はしっかりと小町の無事を確認しつつ、戦場を駆けていくのであった。

 




という訳で18話でした。

あれです、ビームキャノンと言いながらもイメージはヴァーチェの極太ビームだったりして。照射しつつ曲げれるやつ。
今回アレで20体くらいの新型が撃墜されました。この戦功により、現時点で北上の特級戦功が確定したそうな。

新型20体にイルガ―1体・・・太刀川さん超えてるぅ!とか思うものの、今回の侵攻規模は原作以上なのです。ここからが真の戦いの始まりなのです。

現時点で八幡は残存トリオン4割、北上も5割だけどここからなのです。

それでは次回もよろしくです~


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比企谷隊の戦争19 やっと会えました・・・

こんばんわ!戦争編19話です。

今回もなんとなく原作に寄せつつ、ちょいちょい変えてます。
その中でも相手側に1人、追加していますので宜しくお願いします。

戦局は中盤戦、比企谷隊と、アフトサイド、三雲サイドとちょこちょこ変わります。
那須さん出したいなぁ、そんなこんなを考えつつ、今回も始まります



ー アフトSIDE -

 

北上のビームキャノンで新型が一掃された頃、その映像を見ていたハイレイン達はその威力に驚いていた。

その中で黒髪に黒い角をはやしたエネドラは好戦的な顔をしながらその映像を凝視していた。

 

「おいおい、なんだぁ?今のは?」

 

「いやはや、これは・・・」

 

「今の反応・・・・ブラックトリガーか?」

 

指揮官であるハイレインの声に、状況をモニターしていた女性、空間トリガー使いのミラが測定結果を伝える。

 

「いえ、ブラックトリガーではありません、反応は通常トリガーです」

 

「強敵だな、モッド体のラービットが20体にイルガ―もやられたぞ」

 

「ええ、でもこの数字は・・・」

 

「思いがけず金の鳥という訳か・・・・作戦を変更する。エネドラ、ランバネインは敵のかく乱、ヴィザ、ヒュース、姫は金の鳥だ。戦況が移行し次第投入する」

 

エネドラ、ランバネインが凶悪な、好戦的な笑みを浮かべ、ヒュース、ヴィザは静かにうなずく。その中で、姫と呼ばれた少女だけは静かにモニターを見続けていた。

 

 

ー 八幡SIDE -

 

嵐山隊と空閑の後方で、ピクミンよろしくトリオンの節約の為に消極的な戦闘をしつつ、金魚のほにゃららの如く行動している俺達。・・・これ楽でいいけど罪悪感ぱないわー・・・・。

そんな事を思いながらも先ほどから戦況をモニターしつつ、敵の狙いを探っているひふみん先輩とレプリカ先生をみる。

 

「どうです?なにかつかめましたか?」

 

「うん・・・たぶん?」

 

『どうやら敵は何かを探しているようだ』

 

「なにか?う~ん、ワンピース・・・かな?海賊王に私はなる!」

 

自身無さげに応えるひふみん先輩にレプリカ先生がつなげる。探す?と思った俺と同じことを考えていた北上が楽しそうにしている。俺もそれ一瞬考えたが、そうではないのだろう。

 

「戦力の分散、新型のかく乱、本部への攻撃、これらすべてを陽動とした相手の目的がそれですか」

 

『そうだ、本来であればありえない規模での攻撃、これらの攻撃の裏に敵の真の目的が隠されている』

 

「・・・・!!ハチ君!!」

 

レプリカ先生と俺と北上がうむむ、と敵の狙いを模索していると、同じくうむむってしていたひふみん先輩が急に大きな声を上げた。

ひふみん先輩のヴェーダから送られてきた情報を確認すると、後方で市民の避難誘導をしていたC級達の元にゲートを介して新型が出たという。くそ!そういう事か!

 

「そうか、敵の狙いはC級か!」

 

ラッドで情報を得ていたにしては随分散発的だと思っていたらそういう事か。いくら新型が隊員を狙ったとしても、ベイルアウトを徹底すれば良いだけの事。それを理解して尚、攻撃してきたのはベイルアウトの無いC級が狙いという事か!

くそ!ここにきて三雲やC級に戦闘許可をだしたツケが回って来た!

 

『そのようだ、ラッドで後方を奇襲してC級を確保、その妨害としての新型というわけか』

 

ヴェーダから送られてくる情報によると東部、南部、南西部にて避難誘導をしていたC級部隊にそれぞれ強襲しているようだ。くそ、俺達はどうする!?俺達の担当している南西部内の敵は大分減ってきている、嵐山さん達に任せて援護に行くことも可能だろう。だが、どこにいく?このまま下がって三雲の援護か?だが、俺の勘が本部から離れるのはまずいと告げている。おそらく俺達を警戒しているだろう敵がここにも増援を送ってくるはずだ。

 

「ハチ君!!」

 

もはや内容も何もないひふみん先輩の焦った声にヴェーダからの情報を確認すると、なに!?三雲と共に後方に下がっていた木虎が敵からのダメージで片足をやられただと!?

 

三雲一人では新型相手はまだ荷が重すぎる・・・。そう思っていると、ヴェーダから追加の情報が入り、それと共に小町が焦った表情で俺の元に来た。

 

「お兄ちゃん!藍ちゃんが!!」

 

「わかってる。嵐山さん!!」

 

小町を落ち着けるべく、ポンポンと頭を撫で、嵐山さんを呼ぶと、わかってると言わんばかりにうなずいていた。

 

「こっちは大丈夫だ!行ってくれ比企谷!!」

 

「助かります、今度マッカン奢りますよ」

 

「はは、あの甘いのか・・・それよりも海の幸の方が嬉しいんだが・・・気持ちは受け取っておくよ」

 

「マッカンの良さがわからないなんて、綾辻はあんなにおいしそうに飲むのに・・・まぁ頼んます」

 

「了解だ!」

 

苦笑いしながら了解してくれた嵐山さんの次に空閑をみる。

空閑も三雲の危機に援護に行きたいようだが、空閑のブラックトリガーには他に仕事がある。その為にすでにセクハラエリートが行動を開始している事はヴェーダから入っている。だから、

 

「俺は?俺もオサムの援護に行っていい?」

 

「もう少ししたら迅さんが来る、空閑は迅さんと行動してくれ。おそらく、この後本命がくる」

 

「本命?」

 

「あぁ、この先の戦況次第だが、最大戦力であるお前には迅さんと行動を共にしてあらゆる状況に対応できるようにしてほしい」

 

ひふみん先輩が必死に情報をかき集めて被害を最低限に抑えるようにしているが、その中でもこれからの対応が戦局を左右する。だからこそ、戦局を左右できる空閑には迅さんと共にいてもらうのだ。未来視のサイドエフェクトを持つ迅さんとなら最適な方へといけるはずだ。

 

「了解、比企谷先輩、オサムのこと、頼んだよ」

 

「あぁ、任された。行くぞ!」

 

「了解」「あ~い!」「わかったよ~」「う・・・ん!」

 

空閑に任せろよとうなずいて、メンバーに声を掛けると、それぞれ元気よく答えてくれる。こういう時、全員一致で了解!とか応えてくれないフリーダムさに内心で微笑む。

こんな状況でもそれぞれがこうして対応してくれるのはいい事だ。無駄に緊張感を持ちすぎても本来のスペックは発揮できないし、思考も硬くなってしまう。だからこれでいい。ちょっと統一感のある返事に憧れなくもないが、これでいいのだ。

そう自分の心に言い聞かせながら俺達は三雲の救援に向かうのであった。

 

 

 

ー 再びアフトSIDE -

 

「む?この反応は・・・・まさか今度こそブラックトリガーか?」

 

少し前にあった反応に勝るとも劣らないだろう雨取の砲撃による数字がモニターに映し出されていたことに、指揮官であるハイレインは無表情ながらも、若干のえ?まじ?という表情で問いかけていた。

 

「い、いえ・・・こちらもブラックトリガーの反応ではありません・・・・たぶん。反応は通常トリガーのはずです・・・・たぶん。」

 

モニターで状況の確認をしていたミラも先ほどと同様のトリオンの反応に困惑しながら応えていた。その表情はやはり無表情ながらもあ、あれー?という感情を含んでいた。

 

「ふむ、ならば先ほどの通りだ。エネドラ、ランバネインはミデンの戦力を分断すべく適当に暴れてこい。ヴィザ、ヒュース、姫も先の通りだ。もしかすればここで新しい神を拾えるかもしれん」

 

「ほっほっほ・・・姫どのならもういませんがな・・・」

 

ヴィザが微笑みながら指揮官であるハイレインに告げると、なに?と表情をわずかにゆがめていた。

 

「はぁ・・・・仕方ない。姫は自由にさせる。危なくなったらミラで回収する。ヒュース、ヴィザはひな鳥の群れにいる金のひな鳥を確保しろ」

 

「了解しました。先のは隊長が?」

 

「そちらは確保に戦力が必要だ。まずはひな鳥から確保する」

 

ハイレインの言葉に頷く各員。そうして大規模侵攻の局面は次の段階へと移行していく。

 

 

 

 

 

ー 南西部、警戒区域外SIDE ー 

 

「来るぞ!」

 

三雲の声と同時に雨取がアイビスを放つが新型はそれを回避して、接近してくる。

 

「敵は学習しているのか!シールドモード!!」

 

突撃してくる新型の攻撃をレイガストをシールドにして防ぐが、その膂力に数メートル引きずられて後退してしまう。そしてその横を3体の新型が抜けて雨取に肉薄する。

 

「しまった!千佳!」

 

 

三雲を抜けた先頭の新型がこぶしを振り上げて雨取に攻撃を加えようとする。

雨取も迎撃しようとしているが、民家に被害が出てしまう為、攻撃できなかった。そのため、新型の接近を容易にしてしまう。

 

(修くん・・・・!!)

 

ギュッと目をつぶり衝撃に備える。・・・が、しかし、新型の攻撃は雨取には届かなかった。

鍛えられたこぶしを用いて新型の攻撃を受け止めていたのは、木崎レイジ。玉狛が誇るパーフェクトオールラウンダーが援護に駆け付けていた。

 

「レイジさん!」

 

「ふんっ!!」

 

木崎はふんっと意気込みそのトリガーを握った右こぶしで新型に強力なボディを浴びせる、その威力で地面から浮いて無防備になったところを渾身の、やはり右こぶしで吹き飛ばす。

 

(いやいやいや!なんで拳!?近接トリガーで切るんじゃなくて!?)

 

雨取と一緒に避難していた夏目が内心で盛大に突っ込む。意外と余裕なようだ。

その横で雨取は特に気にしていないのかレイジさん!と気を引き締めながらうなずいている。拳で戦うところにどこにうなずく要素があるのか理解できない夏目は、それでも目の前の脅威が去っていないことに気づいて気を引き締めた。

 

「メテオラ―――」

 

レイジが吹き飛ばした新型は三雲が受け止めていた新型を巻き込んで吹き飛ばし、そこにメテオラを後方に展開して上空から接近した小南が双月で切りつけ、退避したところに遅れて来たメテオラが降り注ぎダメージを与えていく。

 

さらに―――

 

「エスクードー」

 

残りの2体から放たれる砲撃を烏丸が防壁型トリガー、エスクードで防ぐ。

 

さらに―――

 

「ファンネル!」

 

残りの2体のうち1体に八幡の放つ無数のファンネルがブレードモードで突き刺さっていく。しかも腕や頭、背中等の固い部分を避け、関節部や腹に的確に突き刺さり、行動を阻害する。

 

さらに―――

 

「バイパー」「アステロイド」

 

大井と北上がそれぞれの攻撃を放ち、腕のガードを吹き飛ばし、そこにすかさず大井が切り込んで確実にダメージを与えていく。

 

4体の新型を小南と北上と大井が担当し、小町とひふみが周辺警戒をする。それを確認した八幡とレイジは三雲に告げる。

 

「待たせたな、三雲」

 

「遅くなったな」

 

「先生、レイジさん!」

 

後に夏目は言う。「まるでヒロインのピンチに駆け付ける王子様のようだった」と。

ヒロイン(三雲)、王子1(腐り目)、王子2(筋肉)。その光景はとても捗りましたととてもすがすがしい笑顔だったそうな。

 

 

ー 八幡SIDE -

 

あっぶねぇー・・・・間に合ってよかった・・・・。

新型4体に囲まれた危機一髪の三雲だが、何とか俺達と玉狛が間に合っていた。少し前に木虎が鹵獲されたと聞いた時は本気で焦った。とくに小町の取り乱しようは大変だった。だが、まだなんとかなる。木虎を鹵獲した敵を倒せば良いだけだ。

そんな事を考えていると、小南が微笑みながら話しかけてくる。

 

「遅かったじゃない比企谷!」

 

「いやいや、ほぼ同時だったろうが・・・」

 

「細かい事気にしない!行くわよ!」

 

どこか嬉しそうに、ノリノリな小南にへいへいと応えながら俺も攻撃を開始する。これあれでしょ?暴れられて嬉しいんですよね?さすが女子校生(斧)。

そんな事を考えながらも攻撃と同時に大井と北上、小町は新型以外のトリオン兵を倒すように指示をする。

 

「先生、レイジさん!!木虎が!!」

 

「わかってる。ひふみ先輩?」

 

「うん・・・あれ」

 

ひふみ先輩が言うと同時に新型の1体にマーカーが付けられる。あれか・・・。

 

「木虎は俺達が助ける・・・・三雲はC級の援護だ」

 

「ハチ君!!」

 

カッコよく決め顔で言ったところでひふみん先輩がまたもやかわいらしく声を上げる、もはや以心伝心な俺はそれですべてがわかってしまうのだ。

 

つまりあれだ―――

 

「ゲートが!!」

 

つまり、おかわりって事だ。大人気過ぎて涙がでそう。

 

思い出すのは大規模侵攻の対策会議でのレプリカ先生の言葉。

いろいろ話してたので省くが、要約するとあれだ。

角付きは強い。黒い角付きは強くてブラックトリガー。ついでに言うとその本国にはブラックトリガーが13本あるとか言うふざけた話だ。まじ無理ゲー。

 

そして、目の前に現れた敵を見ると・・・・

 

「角付き・・・・!」

 

と三雲が驚愕していた。うわぁ・・・でも白い角って事はブラックトリガーじゃないって事か。いやでもやばいのはその隣のおっさんだろ。

 

「いやはや、こどもをさらうのは気が引けますな・・・」

 

「それが任務です」

 

とかなんとか言ってるけど、やばいやばいやばい!あのおっさんは明らかに格が違う!

 

「ひふみん先輩!」

 

「人型ネイバー・・・さらに東部、南部に各1体出現。正面の2体・・・と、付近にもう1体。全5体確認。」

 

まじか・・・5人かぁ・・・。ヴェーダからの情報だと角付きが4、うちブラックトリガーが2、でもたぶん目の前のおっさんが最強戦力だろうなぁ・・・威圧感んというか、オーラがダンチだもん。このおっさんもおそらくブラックトリガー。つまりブラックトリガー使いが3人って事だ。やっべぇ・・・・。

 

「はぁ、仕方ない。戦闘態勢に入るぞ北上、大井」

 

「それと小南」

 

俺とレイジさんが指示をだすべく声を掛ける。その先はレイジさんに任せよう。そう思ったけど、レイジさんがこっちを見ている。・・・俺が言えって事ですね、そうですかそうですか。

 

「3分やる。新型を片して来い。小南、北上、大井が戻るまでは後退しながら交戦する。三雲と小町はC級隊員とひふみん先輩のガードだ。特に三雲は雨取を死ぬ気で守れ、おそらく雨取は狙われている」

 

「!・・・はい!」

 

「りょうかいであります!」

 

俺の指示に三雲は決意を込めた目で、小町も元気よく答える。

そんで俺はというと・・・。

 

「比企谷」

 

「わかってます、あちらさんは俺をご指名みたいですね」

 

少し前から視線を、それも殺意、というよりも観察されているような、まとわりつくようなものを感じていたのだ。おそらくひふみん先輩が索敵していた最後の人型ネイバーだろう。

でもあれってブラックトリガーなんだよなぁ・・・。

 

「援護は・・・「無理だ」・・・デスヨネ。はぁ、ここは任せます」

 

「あぁ、お前の妹も強くなった。そう簡単には負けないだろう。だから」

 

だから、ブラックトリガーに集中しろ。レイジさんの瞳が俺にそう告げていた。わかっている。わかっているんだ。だから。

 

「・・・・わかってます。小町、三雲、ひふみ先輩。ここは任せます」

 

安心して任せられる。正直、最後まで小町のそばにいたい。守ってやらなければとも思う。だが、それじゃダメだ。小町も成長している。もう俺に守られるだけの存在では無い。無いのだ。

だから

 

「はい!先生!!」

 

「小町にお任せ!!お兄ちゃんもしっかりね!!」

 

俺も前を向こう。

小町を守る。大井を守る。北上を、ひふみん先輩を、那須を守る。

その為にも俺はこの戦いに、たとえ相手がブラックトリガーであろうとも下がるわけには行かないのだ。

もう、だれも傷つけはさせない。その決意を込めて俺は最後の1体が居る方に向かうのだ。

 

俺の目は小町ではなく、今は相手に向けていた。

思考がクリアになっていくのを感じる。いつも俺は小町の安全を考えていた。オヤジと母さんに託された、俺のたった一人の、世界でただ一人の俺自身よりも大切な家族。

どんなにつらいことも小町の笑顔があれば乗り越えられた。小町を守るためなら・・・と。

だから、戦闘中も、訓練の時も、防衛任務の時も、どこか俺の意識はその事を考えていた。

 

だが、レイジさんの言葉で吹っ切れた。

小町は俺に守られるだけの存在では無くなったのだ。安心して任せられる。だから、俺も全神経を集中して戦えるのだ。

もう何も怖くない。そう思えた――――(フラグ)。

 

「うふふ・・・・あぁ・・・やっと会えましたわ・・・安珍様」

 

移動先にいたのは一人の和服を着た少女だった。スリットの深い和服に、長い髪、そして角をはやした少女は、うっとりとした表情で俺をロックオンしていた。

 

その少女は妖艶に微笑みながら全身から炎をまといつつ、言葉を紡いでいく。背後の炎が蛇の形をしているような気がするのは気のせいだと思いたい。

 

「さぁ、愛しの愛しの安珍様?わたくしと共に逝きましょう??」

 

その少女の笑顔は妖艶で、美しく・・・・・・そして、目のハイライトが消えて狂気に満ちていた。

なにやら言っているがキコエナイ。キコエナイったらキコエナイ。いっちゃだめだと俺の心が叫んでいた。あ、ばっちり聞こえてましたね。

 

それを見た俺は炎の熱を感じているのに全身から冷や汗が出ていた。つまり・・・・?

あ、これあかん奴や・・・・・・と、全身で危機感を感じていたのだ。それも貞操の危機的な。

小町ちゃん助けてーーー!!と身の危険を感じた俺は先ほどの決意も忘れて思わず後ろを向いて全力で逃げたくなってしまった。

 

そんな危険な状況のなか、俺の戦いは続くのであった。

 

 




という訳で戦争編19話でした。

いったい、最後に出てきたのはダレナンダーーーー。

はい、好きなんですよね、彼女。わかったかな?どうだろう?答えは次回にて。そして遂に出てきた人型ネイバー達。
戦局も大分進んできた状況で、なぜか南西部だけ過剰戦力になりました。

次回から大井と北上、小町とひふみがそれぞれの戦場に移動していきます。
激しく推移していく戦局に、文字数がバンバン膨らんでいく昨今ですが。出来るだけ雰囲気で察して頂ければと思います。

それではまた次回もよろしくお願いします。


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比企谷隊の戦争20 愛、炎、それからハイライト

こんばんわ!戦争編20話です。

あれですね、きよひーを出したら、槍きよひーのガチャが始まったことに驚いてしまいました。狙ったわけじゃないんです。

そして、当然のように10連を回すと、あら不思議、槍きよひーじゃないディスカァー!
年単位での自分のきよひーへの愛が通じた瞬間でした。うれぴー。

どうやら書いたら出るというあの都市伝説はそれなりに信用できるものなのか、と思った昨今でした。

それでは今回。暴走します。今回はまじめ路線は少なめ、久々に八幡が泣く系です。てへ!


ー 基地南西部 -

 

「ヒビ入ってるくせに硬いわね」

 

新型の頭部に双月の片方で攻撃した小南だが、新型の頭部は非常に硬く、通常の攻撃ではダメージがはいらず、そんな強固な装甲に対して小南は特に何も思う事のないと言わんばかりに無表情だった。

比企谷隊が相対していた時は基本的に関節部や耳等から削っていき、そこから北上の一撃で沈める、という流れをとっていたが、小南の場合は単純だった。

 

「ま、だからどうってことはないけどね」

 

そうつぶやくと同時に両手に持っていた双月を接続した小南は大きく振りかぶったその巨大な斧を新型の胴体にすさまじい勢いで叩き込んでいた。

するとこれまでの攻撃で鉄壁を誇っていた新型の胴体はあっさりと両断されてしまう。

これこそが、玉狛のオリジナルトリガー、双月の真の姿だった。ちなみにガンダム要素が皆無な事に八幡が不思議がっていたのは別の話。ガンダムネタは比企谷隊だけなのであった。

 

(私達が関節やらを狙って動きを阻害して北上さんの一撃につなげて沈めていた新型をあんなにあっさり倒すなんて・・・こちらも負けてられませんね!)

 

小南の一撃に対抗心を燃やす大井は、ハウンドで行動を阻害した新型に一気に肉薄し、足の関節部を両手に展開したスコーピオンで破壊して行動を阻害する。

 

「北上さん!」

 

「ほいさっ!」

 

そして、大井が新型から離脱した瞬間、通常射撃モードの北上のビームキャノンが新型の頭部に炸裂して、行動不能に追いやっていた。

 

「ふふ、やるじゃない」

 

「ありがとうございます。私達も負けられませんから」

 

大井と北上の連携にニヤリと笑う小南に、大井も微笑み返す。

 

「あと2体だよー!」

 

「ええ!さっさと片付けるわよ!」

 

「はいっ!」

 

あっさりと2体が倒されたことに動揺しているのか、やや及び腰になっているように見えなくもない新型に大井と北上、小南が襲い掛かっていく。もはや殲滅は時間の問題であった。

 

 

 

 

それから2分後・・・・多少の抵抗があったものの、新型を倒した小南と北上、大井は新型内にあるキューブを回収していた。

 

「よし、木虎さんとC級のトリオンキューブの回収を完了しました」

 

回収後、小南はレイジと烏丸の援護に戻り、トリオン残量が少なくなってきていた北上と大井はそのままC級の護衛の為にひふみ、小町、三雲と合流していた。

 

『よし、よくやった。それじゃあ木虎達のキューブは・・・・ふぉぉぉぉぉ!!!あっぶねぇーーーー!!!』

 

「お兄ちゃん!?大丈夫!?」

 

『おぅ大丈夫だ・・・・炎がな、あっつ!あっつぃ!!大丈夫だ!あ、あのーもしもし?自分はそんな珍妙な名前じゃありません。自分は比企谷です、なので人違いですごめんなさい。・・・・んで、なんだっけ?』

 

大丈夫、ダイジョウブと連呼したり、よくわからない事を言っている八幡にむしろ不安が増幅されていく大井達であったが、ひふみのヴェーダから送られてくる情報でもすぐに危険になる、という感じでもなかったことに安堵する。むしろ画面上では非常に愛らしく、綺麗な少女に追いかけられているようにも見えて、若干ムスっとした気にもなっていた。周辺を炎の蛇がうごめいていなければ戦闘中には見えなかっただろう。

 

「こちらの新型は掃討して、現在人型2体と玉狛が交戦中。私達はどうしますか?そちらに加勢しますか?」

 

『是非頼む、むしろ代わってくれ・・・と言いたいが、こっちは何とかする。それよりも・・・・あっつい!!なにこの娘怖い!つか人の話聞いて!?俺はそんな珍妙な名前の人じゃないっての!!・・・あー、それよりもあれだ、他の人型は!?どうなってる?」

 

「戦術マップによると、東部の人型ネイバーに風間さんがベイルアウトさせられました。現在付近の隊員は新型に対応し、人型は放置するとのことです。南部の人型には、現時点でB級が5人やられました。現在東さん以下複数のB級隊員が包囲していますが、こちらも撃破は難航しているそうです。また、それにより東部、南部共に新型への対応が遅れてしまっているようです」

 

さすがにひふみがしゃべるには荷が重い内容の為、大井が報告をする。その間にも八幡があっつ!とかひぇぇ!とか人違いだからぁ!とか言っているのが聞こえていたが、とても気になるのを鋼の精神で我慢して報告していた。

文字通り熱烈なおっかけがポップしていてとても気になるのだが、我慢する。我慢なのだ。

 

「大井お義姉ちゃん、さっすがー・・・」

 

そんな大井を小町がキラキラした目で見ていたが、大井はそのまま報告を続けていた。でも内心ではめっちゃ気になっていた。なにやら八幡にとんでもない貞操の危機が迫っている気がしてならなかったがぐっと我慢していた。その貞操、守りたい・・・・。

 

「こちらは人型2体が居るとはいえ、付近のトリオン兵は大分削っているので、このままそちらに合流する事も可能ですが?」

 

むしろ行きますよ?貞操を守るのは私の仕事です。という心の声は出さないでおいた。

 

『ファンネルが燃やされるぅ――!?いや、こっちは大丈夫だ。・・・たぶん。むしろこのネイバーは広域殲滅型だから包囲すると被害が拡大しそうだ。それよりも、トリオン切れ狙った方が良さそうだしな。攻撃しても何しても燃やされるしで・・・・・・・はぁ、ファンネルも、アステロイドもバイパーも燃やされるってまじブラックトリガー理不尽』

 

その言葉通り、先ほどからヴェーダから送られてくる映像では、敵の炎の蛇を回避した八幡がファンネルを飛ばすも、ブレードモードによる攻撃も、射撃モードによる攻撃も、シールドモードによる防御もすべて炎に飲み込まれて無効化されていた。その都度、泣きそうになりながらも必死にファンネルを再構成して戦闘を継続している八幡の姿があった。

 

『だから、小町とひふみ先輩はトリオンキューブを持って本部に行ってくれ。まずは救助が最優先だ。東部の人型が本部周辺に来ているみたいだから、うまい事忍田さんか誰かに押し付けつつ、援護してやってくれ。大井と北上は南部の援護だ。人型の対応で新型が抑えきれていないから援護に入ってくれ』

 

「では、南西部は玉狛に?」

 

『あぁ、雨取の護衛が減るのはあれだが、どうも迅さんの予知だとその方がいいみたいだ。どーどー・・・。ステイ、ステェェイ!燃える、燃えちゃう!?』

 

必死に声掛けしている八幡の声に、少々不安になる大井だが、たしかに戦術マップに映る戦局は南部が大分不利になってきているのが見えていた。C級の反応もいくつか消滅している事をヴェーダの戦術AIが知らせてきていた。このまま手をこまねいていたら被害が拡大してしまうのは目に見えていた。

 

『こっちはこっちで何とかする。だからそっちも頼んだ』

 

「わかりました」

「りょうかいであります!」

「は~い」

「わか・・・・った!」

 

そして、比企谷隊の戦争は、それぞれの戦場へと移っていく。

 

 

ー 八幡SIDE -

 

「はぁ・・・・はぁ・・・・」

 

まじで、まじで!まじでなにあれ!?なんなん!?ブラックトリガーってみんなあんな理不尽な性能なのかよ!!

つか、ブラックトリガーもそうだけど、あの娘も怖い!!

 

「うふふ・・・鬼ごっこですか?安珍様?わかりました、わたくし清姫が見事捕まえてみせます!うふふ」

 

何が怖いって、ハイライトが仕事してないし、さっきから珍妙な名前で呼んでくるし、違う人だって言ってるのに。わかってますとか言いながら炎の蛇をばんばん飛ばしてくるしでマジ怖い。

 

「ファァァンンネルゥゥゥゥゥ!!!!」

 

必死になりながらファンネルを飛ばすも、先ほどからジュッ!とか、ジュワァッ!とか言いながら一瞬で燃やされて、まったくこちらの攻撃は届かないのが現状だ。

ちょっとおいしそうな音に聞こえなくもないが、マジ理不尽。

 

遠距離から攻撃しても巨大な炎の蛇が少女の周りを守るようにしているため、届く前にその炎に飲み込まれてしまう。ファンネルをブレードモードで攻撃しようとしても同様に炎に飲み込まれてしまうとかマジ詰んでる。

当然、俺自身が突っ込めば、一瞬で灰になってしまうだろう。ベイルアウト機能を削除している現状ではマジで死ぬ未来しか見えない。しかも、万が一炎を何とかしても、あの少女に近づくのになんとなく身の危険を感じてしまうという・・・・。

幸いにも、機動力ではこちらが上のようなので、一定距離を保ちながらこちらに注意を惹きつけることで、周りの被害を抑えつつ、何とか戦闘っぽい感じには出来ているが、残念ながら残りのトリオン量的に、このままではじり貧になってしまうので、そろそろ何とかしないとなのだが・・・・。

そんな事を考えている間も目の前の少女、清姫さん?はにこやかに微笑みながら攻撃を繰り出してくる。

 

「愛!!」

 

「華麗に回避!!」

 

炎により髪の毛がちょっと燃えたけど、華麗に回避だ。華麗なのだ。

 

「して!!!」

 

「残像だ」

 

ファンネルが8割燃えたけど、2割残ってる。残像だと、目の錯覚だと信じたい。

 

「まーーーーす!!!」

 

「ぐわぁぁぁぁぁ!!」

 

し、しまったぁぁ!!突然のなぞの愛の告白?に俺の童貞紳士のセンシティブなハートが!つまり何が言いたいかと言うと、動揺して、つまずいて、こけた!

八幡ピンチ!なぜか命の危険より貞操の危機を感じてるのがあれだが、どっちにしろピンチ!!

 

「うふふ・・鬼ごっこは終わりですの?わたくしとっても楽しかったのですが、少し疲れてしまいましたわ・・・・ふぅ」

 

ふぅ・・・と可愛らしくため息をつく少女。でも怖い。立ち上がる事も出来ずにそのまま後ろにずるずると後退していく俺・・・・あ、あわわわ、や、やばい。

 

「も、もちつこう!まずはもちつくんだ!」

 

まずは俺が落ち着けとセルフで突っ込んでしまう。相変わらず仕事しない口だが、それとは逆に俺の脳は全力で仕事している。なにか、なにか無いのか!?

 

「おもちつきですか?わかりましたわ。わたくし、後で愛をこめて安珍様のためにお作りしますね?ですから、ね?ね?・・・ね?」

 

は、話が通じた!?と一瞬思ったものの、その直後。少女の背後から炎の蛇がその口を開け、まるで捕食するかのように俺に近づいて来ていた。えぇぇぇーーーー!?

 

「大丈夫です、わたくしがずっとそばにいますので、ですので手と足は・・・不要ですよね?」

 

にっこりと微笑む少女。全然大丈夫じゃないんですけどーーー!!手と足とか言ってるけど、これ絶対まるのみする気だ―――!!

炎の蛇がそのまま俺を飲み込もうとしたその刹那、涼やかな声が聞こえた。

 

「そんな事はさせないよ・・・」

 

そしてその声と共に大量のバイパーとメテオラが炎の蛇に殺到する。

突然の攻撃によりわずかに蛇の動きが膠着し、そのわずかな瞬間に俺は炎の蛇から退避に成功していた。

 

「お待たせ、八幡君・・・大丈夫だった?」

 

「那須・・・・・」

 

そう、退避に成功していた。成功していたのだ・・・・・那須のお姫様抱っこによって。

あいも変わらず配役がおかしいんじゃあないかと言いたくなる。なんというイケメン力なのだろうか、たぶん数値化したら53万くらいありそう。那須パイセンマジイケメン。

そしてまたもやお姫様抱っこされる俺。おそらく数値的にはヒロイン力8万くらい。地味に高くて泣きそう。もしかしたらボーダーで最もお姫様抱っこされてるのは俺かもしれん。

 

おもわず現実逃避気味にそんな事を考えてしまう俺だが、そんな事は気にせずに俺に微笑んでくる那須に思わず顔を真っ赤に染めてしまう。そして「だ、大丈夫、大丈夫だから降ろしてぇ・・・」としか言えない俺。まじ配役ミスである。

ふう、と、とりあえず、今のは無かった事にしよう。それに那須が来てくれたのは正直ありがたい。機動力のある那須となら、あの少女もなんとか攻略できるかもしれん。

そんな事を考えていた俺だが、なにやらおかしな空気が流れていることに気づく。はて・・・?

 

「あらあら、うふふふふふ・・・・、安珍様?その女性はなんですか?わたくしと言うものがありながら、うわき、ですか?」

 

いやいや、うわきとかそれ以前に人違いですから!と突っ込もうとしたが、それは出来なかった。なぜなら那須が思いっきり俺の肩をつかんだから。思わず、ギギギ・・・と那須の方を振り向くと、すごく怖い笑顔でこちらを見ていた。ひぃぃぃ!

 

「ふふふ・・・八幡くん?どういう事かな?かな?大井さんや綾辻さんとかならともかく。あの娘はなにかな?なんで私がうわきとか言われてるのかな?不思議だね?不思議だよねぇ?」

 

いつのまにやら那須のハイライトが仕事しなくなってらっしゃる!?えぇ!?

 

「あらあら、うふふ・・・わたくしの安珍様にそれ以上触れないでくださいまし?」

 

「ふふふ・・・何を言ってるのかな?八幡君は私のだよ?」

 

違う!違うよ!?俺は俺のだから!もしくは小町の!だからその所有権の主張は間違ってるよ!?そう言いたいものの、俺の口はまったく仕事をしてくれない・・・・。

いや、まぁ、小町なら喜んで所有権を譲渡しそうではあるけどさぁ・・・・ぐすん。

 

「あらあら・・・・・」

 

「ふふふ・・・・・・」

 

いつの間にか俺は完全放置でなぜか睨みあう少女と那須。

知らぬ間に俺の所有権を懸けた戦いが始まろうとしていた。これからわたし、どうなっちゃうのぉ~~!?

 

 




という訳で、戦争編20話でした。

きよひー暴走は次回までです、次回からはまたマジメ気味な感じに戻ります。

ちなみに現時点での残存トリオンは八幡30%、北上25%、大井50%、小町70%、ひふみ60%です。

小町は基本近接なのとひふみの護衛がメインのため、トリオン消費がもっとも少ないです。北上、八幡はメイン火力の為、トリオン消費がぱないです。大井は近~中距離とたまにガードとバランスよく戦闘しているため、戦果のわりに残存量多め。むしろ八幡と北上の試作トリガーの燃費が悪すぎるという感じです。ひふみはひたすらにヴェーダの維持で消費してます。

そして、次回、本格的に比企谷隊と人型ネイバーの戦いが始まります。


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比企谷隊の戦争21 生命以外の危険を感じる

こんばんわ、戦争編21話です。

今回は八幡サイドではなく、大井と小町サイドのお話。
それぞれアレな感じになっていますが、先に言っておきます。ごめんなさい。

ちょいちょいネタに走りつつ、まじめに書いてた戦争編ですが、今回はネタ回とでも思ってください。
きよひーは次回って事で、ひとつ。

それでは戦争編です、どぞー。



ー 基地南部 大井 SIDE -

 

「北上さん、残りのトリオンはどのくらいですか?」

 

私と北上さんは八幡さんの指示のもと、新型と人型により劣勢となっている南部にむかい市街地を駆け抜けています。

ひふみお姉さまのヴェーダによると、南部は人型と新型に完全に翻弄されており、しかもいくつかC級の反応が消えてしまっているとのことで、2人で急いで向かっているところです。

新型は強固な装甲と、恐るべきパワーを誇る強敵なので、通常トリガーやC級では対応が厳しいので、私達で出来るだけ対応する必要があるのですが、問題は・・・・

 

「う~ん、のこり2割くらいかなー?タンクが無いとあんまり戦えないかも?」

 

そう、問題は、この戦いが始まってから節約しながら戦闘していたとはいえ、非常に燃費の悪い北上さんのトリガーです。

もともと、ボーダー内でもトップクラスのトリオン量を持っていた北上さんですら、全力照射を4発以上撃てないというのだからその燃費にの悪さが伺えます。6000ccくらいのエンジンを積んでる車でももう少し燃費が良さそうですね・・・。

そういうわけで、各所に設置してあるトリオンタンク、八幡さん曰く、プロペラトタンクをなるべく使用しながら戦闘しているとはいっても、もはや残りのトリオン量は危険域に突入してしまっていました。

 

「わかりました。タンクを確保するまではなるべく私と付近のB級とで対応しますので、北上さんは最低出力で確実に頭部の破壊をお願いします」

 

「わかった!ごめんね?大井っち」

 

トリオン切れ寸前になってしまったことを申し訳なく思っているのか、北上さんが謝罪をしてきますが、その表情がとても可愛らしくて、このような事態でありながらもかまわず抱き付いてしまいそうでした、もちろん寸前で止めましたが。

 

「北上さんはなにも謝る必要はありませんよ?むしろ新型の撃破ランキングだって北上さんがぶっちぎりでトップですし。そもそも北上さんが南西部の新型を一掃してくれたので、今こうして南部に援護に迎えてるんですよ?ですから、北上さんには感謝しかありません」

 

「大井っち・・・うん!がんばるよ!!」

 

フンス!と息巻いている北上さんに、がんばりましょうね?と答えながら、心の中ではこれなら今回の論功行賞は頂きですと考えている事は言わないで置きました。これで来月の生活はバラ色ですとか思っても言わないのです。

北上さんがやる気になっているところに無粋な事は言いませんとも、ええ。

 

「では北上さん、人型に東さん達が足止めされている以上、私達で新型を撃破していきます」

 

「うん、まっかせてよ!」

 

「C級の救助が最優先事項になりますので、ヴェーダから送られてくる情報を元に、マーカーのついた新型を狙っていきましょう」

 

「それじゃあ、最初はあっちだね!」

 

エイ、エイ、オー!とこぶしを振り上げる北上さんに続いて私もこぶしを上げながら最初のターゲットである新型に向かって走っていきます。

残りのトリオンは2人とも心もとないですが、不思議と負ける気はしません。そう、北上さんと私なら、最強ですからね!

 

 

 

 

 

 

 

・・・・・はい、先ほどのセリフをいってすこし経ちましたが、困りました。

最強です、最強なのです・・・・トリオンが残っていれば、ですが・・・・・。

 

はっきり言いましょう、ピンチです。とてもピンチです。

どれくらいピンチかと言うと、あれから何体かの新型を撃破して、C級を何人か救助して、結果、北上さんの残りのトリオンが1割を切ってしまいました。最強は燃費が悪いのです。しかもそれだけではありません。

 

「見つけたぞ・・・シールド使いの女・・・・」

 

なぜか東さん達が包囲していたはずの人型が一直線に私達のところにやってきてしまったのです。しかも口ぶりからして狙いは私のようですし・・・。

なぜ狙われているのかは全くの不明ですが、とにかくピンチです。

私はまだ余裕がありますが、北上さんがピンチです。つまり圧倒的な火力不足によるピンチです!なぜか生命以外の危険も感じているのですが、とにかくピンチなのです。

しかもこの人型、包囲していた東さん達を完全無視して空を飛んできたので、援軍もすぐには期待できそうにもありません。これはあれですね、本格的にピンチです。

 

「なにか?」

 

なぜかすぐに攻撃してこない人型に警戒しながら、私は味方が到着するまでの時間を稼ぐために、人型の目的を訪ねます。

人型は、ゆっくりと歩きながらこちらに近づいてきます。

 

「俺の名はランバネイン。女、お前の名はなんだ?」

 

なぜか唐突に自己紹介を始めた人型の考えが不明です。しかもなんだかニヤニヤしていて、正直ぶっ飛ばしたいのですが、不利な状況ではうかつな事はできません。

 

「・・・・大井」

 

「ふむ、大井か・・・・・」

 

なんなのでしょう?相手の思惑がわかりません、私と北上さんは最大警戒しながら相手の反応を伺います。

ふむ・・・と満足そうにしていた人型、ランバ・・・・なにがしは、うむ、と満足そうにうなずいてこちらを見つめてきました。や、やりますか!?とババっと構えをとります。

 

「その強気な態度、それに戦闘センス、なによりもその胸!気に入った!!」

 

「ハウン・・・・・え?」

 

とりあえずハウンドで攻撃しようとしたのですが、聞こえてきたのは想像もしていない事でした。いえ、言ってる事はわかるんですが、理解できないと言いますか・・・・。

 

「その胸が気に入った!大井、お前には俺の女になってもらうぞ!」

 

ちょっと!?戦闘面とか態度とか消えて、思いっきり最低な感じになってますが!?当然そんなの拒否の一択です!

 

「・・・・・お断りします!」

 

「ははは!その意気やよし!強引にでもその胸、いや、お前を奪わせてもらおう!抵抗するのも一興だ、存分に抵抗するといい」

 

っははは!と何が楽しいのか不明なのですが、とても楽しそうに変態が笑っています・・・・ぶ、ぶっ飛ばして海の藻屑にしてやりましょうか・・・・・そう思って口を開こうとすると

 

「ダメだよ」

 

と北上さんが先に発言していました。思わず北上さん!と言いそうになる私でしたが、なにやら北上さんの雰囲気が・・・・あ、あら?

いつも太陽のように明るく微笑んでいる北上さんの表情が今はとても凍り付いているようで・・・も、もしかしなくても怒っている!?北上さんが怒っているのですか!?

 

「ふむ、少々胸がたりんが、お前もなかなか愛らしいな、いいだろう。お前も俺の女にしてやろう」

 

うんうんとうなずく変態ですが、どうやらこの人型は言ってはならない事と言ってしまったようです。

その証拠にこちらの会話を聞いていた八幡さんが通信ごしになにやらキャンキャンわめいています。いつの間に私と北上さんが八幡さんのになったのか、小一時間ほど問い詰めたいところですが、通信から野郎、ぶっ飛ばす!那須、ここはまかせ・・・え?だめ?デスヨネーとかやかましいのでここは無視です。それよりもまずやる事があるのです。

 

「ダメだよ、大井っちはあたしとハッチーさんのなんだから連れて行くのはダメだよ」

 

「そうですそうです。それに北上さんも私の大事な人ですからダメです、拒否です、不許可です!」

 

どうやら北上さんも私と同じ気持ちだったのか、本気で怒っています。北上さんのセリフに私もそうだとうなずきながら拒否の言葉を告げます。北上さんのセリフに少し気になる部分がありましたが、今はそれどころじゃありません。とにかくノーです。

 

「いいだろう、ならば力づくでいかせてもらう!」

 

そう言いながら攻撃態勢に入る人型、私と北上さんの貞操を懸けた戦いが始まるのでした。

 

 

 

 

 

 

ー 本部基地 小町SIDE -

 

本部についた小町とひふみお義姉ちゃんは解析班に藍ちゃんのトリオンキューブを渡したあと、戦況を整理するためにヴェーダから送られてくる映像を見ていました。サボってはいません、戦況分析なのであります。

その映像の中では、お兄ちゃんと那須お義姉ちゃんがブラックトリガーの綺麗な女の人と戦闘のような追いかけっこをしたり、愛の告白のようなものをされていました。

なにやってんの・・・と思いながら別の映像を見ると、そこでは大井お義姉ちゃんが空飛ぶおっさんに口説かれて、それから北上さんも口説かれて、そんでもってなんだかんだで戦闘に入っていた。

 

うん、小町も言っててなにがなんだかわからないけど、とにかく言えることは、お兄ちゃんと大井さんがなぜかネイバーにモテモテだという事です。やっぱり意味がわからないや・・・・・。

 

どうしよう、確認されている残りの人型はなんかよくわかんない攻撃をしてくるブラックトリガーで、風間さんを倒した人がフリーになってるけど、万が一接敵して口説かれたら小町こまっちゃう!?とか思ったりして、まあそんな事はないよね!(フラグ)

そんなくだらない事を考えて現実になるのはお兄ちゃんだけだろうし(フラグ)、万が一そうなったとしても小町よりも綺麗でスタイルもいいひふみお義姉ちゃんがモテるよね(フラグ)

 

 

・・・・・だ、大丈夫。なんかすごい嫌な予感とかしてるけど大丈夫!小町はお兄ちゃんとは違うから大丈夫。

ひふみお義姉ちゃんと待機している現在、どうも少し前まで捕捉出来ていた風間さんを倒した人を見失ってしまったらしくて、緊急事態に備えているのであります。

正直帰ってくれたらいいなーとか思ったりして。

ブラックトリガーの相手どころか新型の相手ですら小町には荷が重すぎるので、是非とも太刀川さんのところとかに行ってくれるといいなあと祈ってみたり(フラグ)。

 

さっきからフラグ建てまくりな気がしないでもないけど、気にしたら負けだよね!!

そうやってむりやりポジティブシンキングをしていると、戦況を解析していたひふみお義姉ちゃんが小さくあ・・・とつぶやいていました。ん?なになに?どうしたんです?とひふみお義姉ちゃんの方を見ると、少し困ったような表情をしていました。うぅん・・・困った顔も可愛らしいとかずるくないですか?え?そういう場合じゃない?すみません。

 

「姫ちゃんが・・・・」

 

「刑部姫さんが?」

 

たしか、刑部姫さんは姫は最終兵器だからね!とかなんとか言いながら、本部に待機していたはずだけど・・・と小町が少し前の事を思い出してみる。お兄ちゃんならひふみお義姉ちゃんの今のセリフだけでだいたい理解できるだろうけど、小町にはまだ無理なのです。

根気よくお義姉ちゃんの表情を伺っていると、すーはーと深呼吸をして続きを言ってくれます。なんなんですかね、この可愛い生物は・・・そんな場合じゃないのは解るけど、抱きしめたい!

 

「姫ちゃんの・・・部屋に・・・・」

 

「刑部姫さんの部屋に行くんですか?」

 

小町がそう聞くと、ううん、と静かにクビを横に振るお義姉ちゃん、可愛すぎて小町ベイルアウトしそうだよ・・・。そんな事を思っていると、またもあ・・・と小さな声が聞こえて。

 

「おそ、かった・・・・・」

 

「ほへ?何がです?」

 

お義姉ちゃんがつぶやいて、小町が聞いたのと同じくらいのタイミングで、小町達の進行方向の通路がちゅどーーん!!とはじけとんだのでした。

 

「えぇーーーーー!?」

 

おどろく小町ですが、事態は混迷の一途をたどっていきます。なぜなら通路が爆発したその先から、先ほどから反応をロストしていた人型の人が出て来ていたのです!なんで!?と叫ばなかった小町は偉いと思いました。まぁ、爆発に驚いて叫んでしまいましたが・・・・。

 

「くっそ!どうなってやがる!」

 

ガッデェム!!!と叫んでいる人型さんですが、それはこっちのセリフだよ!と突っ込みたいです。いったいなにがどうなったら突然こんなところに出てくるのさ!?そう思っていたら、再度爆発が発生して、人型さんを吹き飛ばしていきます。

 

「どうしてくれんの!?どうしてくれんのよ!?!?プレミアなのよ!?もう手に入らないのよ!?」

 

状況についていけない小町を置いて、今度は爆発した人型さんを追いかけるようにして涙目の刑部姫さんが現れました。超怒っています、激おこです。カムチャッカです。

でも、お願いだから小町にもだれか状況を説明して欲しいのであります。どうしては今の小町こそ聞きたいのです。どうして突然人型さんが爆発しながら飛び出してきて、その後刑部姫さんが泣きそうになりながらくるのでしょうか?

 

「あぁ!?なんなんだよさっきから!ミデンのサルのくせに!!」

 

「ミデンじゃないの、プレミアなのよ!?今じゃ10万だしても手に入らないのよ!?辛気臭いコスプレ野郎のせいでおじゃんなのよ!?どうしてくれんのよ!?」

 

あ、把握。だいたい理解しました。

とてもくだらない理由だなーとか思ってしまうのは小町だけではないでしょう。

なんでお兄ちゃんのとこも大井お義姉ちゃんのとこも、それにここもですが、比企谷隊だけコントしてるように見えるのは小町の気のせいなのでしょうか?

折角北上さんのおかげで今回のボーナスに期待できそうなのに、このままではむしろお兄ちゃんが怒られる未来しか見えないのですが・・・。そんな悲しい未来について考えている間も刑部姫さんと人型さんの知能レベルの低そうな言い合いは続いています。ばーかばーかと言い合いしているのを見て一周回ってちょっと楽しそうに見えるのは、小町が疲れているせいなのでしょうか?

 

「ふん、もういい!あんたをぼこぼこにしてそのトリガーをタヌキに売りつけて買い直すんだから!」

 

「は!面白れぇ!!ミデンのサルごときがやれるもんならやってみやがれ!!」

 

何気なく見ていた小町とひふみお義姉ちゃんは、ようやく展開が進むなーとか思っていました。ヘイワダナー。

 

「いくわよ!コマちゃん!ひふみん!」

 

「「えぇ!?」」

 

「ジェットストリームアタックよ!!」

 

さらりと小町とお義姉ちゃんも巻き込むあたり、相変わらず刑部姫さんは小物感が半端ないと思うのです。さらりと初めて聞くフォーメーションを要求してきますし。この後踏み台にでもされちゃうのかな?

折角綺麗でスタイルもいいのに、お兄ちゃんのお嫁さん候補に入れない要素が先ほどからチラチラどころじゃないレベルで見えています。残念美少女とは刑部姫さんの事をいうのかも・・・・。

 

 

「あぁ!?めぇ、卑怯だぞ!!」

 

「卑怯じゃありませんーーー!チームプレーですーーー!!コマちゃん、ひふみん!やっちゃって!!」

 

楽しそうだなー・・・・さりげなく押し付けようとしてる刑部姫さんに冷たい視線を向けます。どうやら悪い事をした自覚はあるのか、やや視線が泳いであ、あのね・・・・といいだします。

 

「ち、ちがうのよ?もちろん姫も一緒に戦うわよ?数々のグッズの恨みもあるし?でもね?ちがうの」

 

「・・・・・」

 

「姫はね?戦うのが苦手なの。だから・・・・ね?」

 

「ひふみお義姉ちゃん、小町達は南部の応援に行きましょうか?」

 

「あーーー!ごめんなさいごめんなさい!!さすがにブラックトリガーを相手に一人は無理なので手伝ってくださいーーーーー!!!!」

 

 

そんなやりとりを律儀に待ってくれているこの人型さんは意外といい人なのだろうか?とちょっと思いつつ、仕方ない、とひふみお義姉ちゃんと戦闘態勢に入る小町達。

 

・・・・うん、単純にあれだね、なめられてるだけだったよ。

にやにやしながらこっちをみる人型さん。さっきまで刑部姫さんが味方を呼んだ時にあんなにギャーギャー言ってたのに・・・。

 

「うるせぇサルどもだと思ったが、よくみりゃまぁまぁじゃねぇか・・・」

 

うわー・・・・キモイ。そう思ったのは小町だけではないようです。刑部姫さんも、ひふみお義姉ちゃんも見た事ないくらい冷たい表情をしています。

 

「ちょっとばかし体が発育しすぎだが、悪くねぇ・・・・・・」

 

そう言いながら人型さんが小町を見てきます・・・って、ぎゃー!!!この人、ロ〇コンだーーーー!!っていうか、その方向性で小町ピンチなの!?だいぶ前から迅さんに言われてた危険ってこれなの!?

ある意味ピンチだけど、なんか違う!!思ってたのと違う!!ピンチだけども!!

 

そんな、お兄ちゃん、大井お義姉ちゃんにつづいて小町までも生命以外の危険にさらされる戦いが始まるのでした・・・・。

 

 




というわけで、戦争編、大井、小町サイドでした。

戦争編を始める頃からこのネタがやりたかったと言っても過言では無いかもしれません。いえ、過言ですね、はい。

いや、まぁ、絶対ランバネインって、大井好きそうだなーって思ってたんす。あと、エネドラとおっきーって言い合いさせたら楽しそうだなーとか。きよひーに追われる八幡も楽しそうだなーと思ってみたり。

こういういろんな作品のキャラをぶつけられるのがクロスオーバーの楽しみですよね。まぁ、やりすぎてキャラがわからなくなるんですけど・・・もう、原作の八幡がどんな人だったのかわからないよバーニィ・・・・。
気にしたら負けかなって思いつつ、離れすぎないように気を付けますのでこれからもよろしくお願いしまっす!!


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比企谷隊の戦争22 バーニング少女、清姫さん。

こんばんわ、戦争編22話です。

そろそろ終わりが見えてきた戦争編、今回は八幡SIDEのお話。

マジメな感じにしようと思っていたけど、今回もギャグ回になってしまった。
仕方ないんや・・・最近重い話ばっかり読んでたから、軽い感じにしたかったんや・・・・。

そんなこんなで戦争編です。



ー 基地南西部 八幡SIDE -

 

20xx年、地球に核の冬が・・・・みたいな感じのプロローグが似合う感じに住宅街が次々とカスタマイズされていく中、俺は那須と共にバーニング少女、清姫さんとの戦闘状態を継続していた。街が、俺達の街が燃えていく・・・・。

右を見ると白い二階建ての建物が縦に半分になりつつ、その断面が融解していた。あれが自分の未来の姿にならない事を切に願う、本当に切に願う。焼き加減がウェルダンどころの話じゃない。

ああはなりたくないなぁと思いながら今度は左を見てみるが、やっぱり同じようにアイスのような溶け方をした似たような建物があって、今すぐベイルアウトして炬燵にくるまりたくなった。・・・やべ、俺のトリガーベイルアウト機能無いんだった・・・やべ。

 

焼き八幡は嫌だとばかりになんとか撃破しようと攻撃してみた。みたが、俺のファンネルも、那須の鳥かごバイパーも清姫さんを中心に全方位をカバーするかのような長大な炎の蛇にその巨体で防がれてしまう。まじブラックトリガーさん理不尽。トリオン体もそうでないのも燃やすとか理不尽すぎる。

ただ、幸いな事に清姫さんの攻撃においてもその長大な炎の蛇を使うため、その大きさからか、さほど早くはないので機動力を活かしたり、メテオラの爆風を利用したりして何とか軌道を逸らしたりすることでなんとか互角の状況を作り出せていた。

 

・・・そう、ぱっと見圧倒的に不利な状況でありながらもどちらもダメージ的にはノーダメージの互角だった。

 

「ふぅ・・・・那須、あとどんくらいだ?」

 

「あはは・・・・さすがにもうあんまり残ってないかな・・・・八幡君は?」

 

那須の問いに俺もそんなもんだ、と答える。いやはや困った困った。

そう、ダメージ的には互角でも俺のトリオン量も、那須のトリオン量もかなり苦しくなってきていたのだ。戦闘途中で南西部にある最後のプロペラトタンクを確保する事が出来ていたのだが、それももう使い切ってしまっていた。なんであの清姫さんはトリオンが枯渇しないのか不思議でしょうがない。あんだけの壊れ性能で燃費もいいとか理不尽すぎるだろ。

 

「そっか・・・・こまったねぇ?」

 

あぁ、まったくだ。とそう答えつつ、ここまでの事を振り返る。

よくわからんライバル心的な物を延焼させた那須と清姫さんがとっても干渉しずらい、よくわからんテンションで戦闘を開始して。なんか互いの所有権について言っていたが、そこはスルーだ。スルーなのだ。

あははははは、うふふふふふと笑いながら壮絶な攻撃を繰り返していて軽くホラーで怖かった。正直夢に見そう。

あはははとか笑いながら相手がブラックトリガーなのになぜに互角に戦えてるのかは本当に意味不明だった。

那須すげえ!って言ったら愛の力よとかイケメンスマイルで言ってきた那須に思わずキュンときてしまったが、いったい俺はどこに向かっているのか不安でしょうがない。

 

そんなこんなでいろいろな面であまりの恐怖にあれこれと理由を付けて逃げようとしたが、そうすると炎の蛇とバイパーが同時に飛んできて俺の逃亡を阻止していて、なんで那須も攻撃してくんのさ、とか思ったり。

実際、さっきから俺の天使であるところの大井と北上と小町が敵に口説かれていて、割と本気で今すぐ駆け付けたいのだが・・・・・もちろん、この場から逃げたいのもあるのだが。とうぜんのように俺はここから戦略的撤退は出来ないようだ。那須と清姫さんの笑顔が怖い。

 

「なぁ、那須。なんか小町と大井と北上が危険な状況だから助けに行きたいんだが?」

 

「大丈夫、八幡君の童貞は私が守るから!」

 

「あらあら、安珍様はわたくしのものですわ」

 

「ちがうからね!?誰もそんな事心配してないからね!?そうじゃなくて、小町のところに行きたいのだけど!?」

 

「私、この戦いが終わったら、八幡君にいっぱい甘えるんだ・・・・」

 

「あ、あの・・・わたくしはこ、恋人繋ぎというものをやってみたいのです・・・」

 

話を聞いて!?思わず涙ぐんでしまうのも仕方が無い、仕方が無いのだ・・・・。会話がかみ合わなすぎて泣きそう・・・。むしろ那須と清姫さんの方がかみ合ってるように見えるのは気のせいだろうか・・・・。

そして謎の対抗心からか、那須のセリフが過激になってきている反面、清姫さんが想像以上にピュアな感じでちょっとキュンとしてしまったのはここだけの話。

ちょっと、赤くなりながら何をさせる気かと思ったら恋人繋ぎて・・・ちょっとかわいいとか思っちゃったじゃねぇか。

 

そんな事を思っていると、那須がちょっと悔しそうに清姫さんを睨んでいて、清姫さんが勝ち誇っていた。いったいこのわずかな時間に何があったんだってばよ・・・・。

 

ほんとなんか仲良さそうだなぁ・・・・とか思っていたら、何やら那須が清姫さんに向かってタイム!と宣言していた。はて?と可愛らしく頭を傾ける清姫さん、仕草は可愛らしいのになぁ、話が通じないからなぁ・・とか思って2人のやり取りを見守る。間違ってもここで逃走を図ってはいけないのだ。悲しい未来しか見えないからね。

 

「タイム?」

 

「ちょっと、休憩。少しまってね?」

 

「わかりましたわ」

 

那須のお願いにこくりとうなずく清姫さん。

え!?なんで会話が成立してんだよ!?しかもあっさりタイムを了承してるし!!実は友達だったりすんのか!?

あっさりと了承したあと、ふう、と一息ついてほんとに休憩し始めた清姫さんに、まじかぁーとか思っていると、那須が、作戦があるの!とニヨニヨしながら近ずいて来ていた。

 

「いや、なんか嫌な予感がするんだけど?」

 

「大丈夫!絶対安全で、完璧な作戦だよ!」

 

ニヨニヨしながら告げる那須に、マジで?と問いかけても自信満々にうなずいてくる。

そうか、そこまで自信があるならいいだろう。とか本気で思うやつがいたら会ってみたいものだ、嫌な予感しかしないよ?

 

「わかった、何をすればいい?」

 

でも、ノーと言えない俺、マジ社畜。すると那須はこそこそと俺にその作戦を説明し始める・・・・・聞かなければよかった。

 

「いや、それは無理だろ・・・・」

 

そんな俺に那須はニコニコしながら小切手のような紙を渡してきた。ん?なんぞ?・・・・・!!こ、これは・・・・!

 

「ふふふ♪お願いね!」

 

「カシコマリマシタ・・・・・」

 

チケットを使うとは卑怯なりぃぃぃぃぃ!!愛する小町への思いを利用するとは・・・・!でもなによりもずるいのは小町なのよね・・・。

 

しかし、こうなったら仕方が無い、腹をくくるしかあるまい。なんだかんだでこのチケットには逆らえないのだ。

ようし!と気合を入れ直した俺、目をどろどろと腐らせているのだろうなぁ、と思いながらも那須を見てうなずく。那須も、わかったわ、面白いのをよろしくとばかりにうなずいた。

それにしても那須さんや・・・こんな状況でも余裕ですね・・・・そんな魅力的な笑顔をうかべられてもさぁ・・・・でも、遊んでるように見えて、これが一番被害が少なくなりそうなんだよなぁ・・・・。

 

 

「たいむ終わりですわ、さあ安珍様、わたくしと共に参りましょう?」

 

「そんな事わさせないわー」

 

さぁ、ファイナルラウンドの開幕だ!と言わんばかりに清姫さんが戦闘態勢に入る、それに那須が棒読みで答えていた。すさまじい勢いで茶番の匂いが立ち込めている。

しかし、ここからが真の茶番の始まりなのである。俺はすぅ・・・と静かに深呼吸をして気持ちを落ち着かせる。

 

「うぅ!あ、あたまがぁ・・!・・・・はっ!こ、ココハ、ドコダー、オレハイッタイナニヲシテイタンダァー!」

 

「?」

 

首を傾げながら見てくる清姫さん。その目がまるで何やってんだこいつと言ってるようで今すぐ布団にくるまって叫びたくなるが、ここは我慢である。

そんな俺の茶番を見て、那須が笑いを必死にこらえていたが、我慢なのである。こいつが男だったらぜったい殴っていたが我慢だ。

ナニガオキタンダァー!と頭を抱えている俺を見て、清姫さんがトコトコと歩いて来て、心配そうに俺の近くに来て表情を曇らせていた。

 

「安珍様?大丈夫ですか?」

 

この大丈夫が体調の事を言っているのか、頭の事を言っているのか不明だが、純粋に心配そうにしてる清姫さんは実はすごい良い人なんじゃないかと思ってしまう。あと可愛い。

 

「ハッ!き、キミハ、清姫じゃないディスカァ!」

 

ええい、ままよ!と心の中で唱えながら、これはセクハラではない、作戦なのだ!セクハラではないのだぁ!と言い訳しつつ、まるで記憶が蘇った恋人のように清姫さんを抱きしめた。

訴えられませんように!と心の中で何度も唱えるのも忘れない。

 

「あ、あああああ安珍様ぁ!?」

 

恥かしそうに顔を真っ赤に染めながらばたばたと手を動かす清姫さん。嫌悪ではなくちょっと嬉しそうな声色に、那須の作戦は間違っていなかったのかと、安心する。正直、敵とはいえ、実はすごい良い娘っぽい清姫さんを騙すようですごい罪悪感がぱないのだが、しょうがないのだ。

 

「会いたかったよ・・・・い、愛しの・・・き、清姫・・・」

 

耳元で囁くように俺的イケボで死にたくなるセリフを言う。むしろ誰か俺を殺してくれ・・・・。

 

「あぁ、安珍様・・・・わたくしの事を思い出してくれたのですね・・・」

 

嬉しそうに抱きしめ返してくる清姫さんにあぁ、ずっと会いたかった・・・と返しつつ、ごめんなさいごめんなさい!でもいい匂い、柔らかい、意外とでかいとか心の中で叫んでしまう。

相変わらず騙すようで罪悪感が天上知らずだが、その後も俺は思い出したくもない黒歴史的なセリフを清姫さんに連発し、その都度嬉しそうにする清姫さんの頭を撫でたりする。月が綺麗ですね・・・とか、どこにも月が見えないのに言ってみたり、まるで絹のような素敵な髪だ、とか言ったりして。後ろでニヨニヨしている那須に通信で後で私も抱きしめてね?とか言われたりすることしばらく。

 

・・・・なんと・・・・、清姫さんが仲間に加わった!!

 

「では、わたくしはいったん戻りますわ」

 

嫁入り道具を取りに帰るとの事で、いったんアフトに戻るそうな。

自分でやっといてなんだが、まったく理解が追い付いていない俺はあぁ、わかった。早く戻ってきておくれ、愛しの清姫とか無意識に応えていた。・・・ほんとに意味がわからんね。何がどうなってこうなったのやら記憶が欠落しているんだが・・・・。

 

「あぁ、でもその前に、安珍様?」

 

「どうしたんだい?清姫?」

 

きっと俺の口には俺の知らない何かが寄生したのだろう。どうしたんだい?とか言いながらキラキラした笑顔をするとか・・・ほんと死にたい。そんな事をボーっと考えていたせいか、清姫さんの行動に反応する事が出来なかった。

 

「これはわたくしからのぷれぜんとです」

 

そういいながら顔を真っ赤にした清姫さんの顔が目の前に、そして気づいた時には俺のおでこにやわらかな感触がががが・・・・。

 

「わたくしの愛の加護です、安珍様、どうぞご存分に」

 

「あ、あぁ・・・・ありがとう、清姫」

 

顔を真っ赤にしつつ、ニコリと微笑む清姫さんに、俺はそう言うのが精一杯だった。顔を真っ赤にした清姫さんは両手で自身の頬を抑えつつ、き、キスをしてしまいました!これはもう、夫婦と言ってもいいのではないのでしょうか!?とか言っている。正直、可愛すぎてつらい。でも那須からの視線が怖いので、差し引きトントンだったりして。むしろ通信越しに大井やら小町やらがフィーバーしててやばい事になっていて、後の事を考えると頭痛が痛い。

 

「では、那須さん?しばらくは安珍様をお任せしますわね?」

 

「うん、わかった。後でメールするね?」

 

ばいばいと微笑みながら別れの挨拶をする那須と清姫さん、ニコニコしているが、いつの間にメアド交換したの!?とかメール出来んの!?とかすげえ仲良さそうにしている那須と清姫さんに驚愕してしまう。これがイケメンの力なのかと思った。違うか?

すげぇ、那須すげぇとか考えている間に清姫さんはゲートを開いて消えてしまった。

なにやら単独でゲートを開いていたように見えるのは俺の気のせいだろう。きっと敵さんにゲートのトリガーを持つ奴が居るのだろうと考える事にした。

 

「八幡君?これが全部終わったら、私達にもお願いね?」

 

ふぅ、なんとかなったぜ・・・!と思っていると、ちょんちょんと肩をつついた那須ににこやかに死刑宣告を告げられた。そ、それはつまり、さっきの黒歴史をやれと?そんな思いを視線に込めると、那須はそれはもう楽しそうに、花が咲くような微笑みを浮かべてうなずく。

 

「今日一番の笑顔をここで持ってくるとか鬼か!!」

 

 

その後、なんやかんやして那須はもう残りのトリオン量が少ない為、周辺の小型のトリオン兵の対応に向かった。もちろん俺の黒歴史を量産させる約束をしてからそれはもうにこやかに走っていった。

俺はこの後どうするかとヴェーダとリンクしようとしたが、むむ・・・・?

 

「小町とひふみ先輩とのリンクが途絶えてる?アレを使ってんのか・・・・」

 

大井と北上は俺がよくわからん事をしている間に人型ネイバーを撃破していたようだ。どうやら俺が意識を遠くに飛ばしている間になにやら事態はかなり進んでいたようだ。

小町が試作トリガーを使っているのだろう。小町とひふみ先輩に連絡が取れないため宇佐美と連絡を取った俺は三雲の援護に向かう事にした。

正直本部に行って小町の援護に行きたいのはやまやまだが、今から行っても間に合わないだろうし、なによりも忍田さんがあそこにはいる。だからこそ俺はこの事態を早期終了させるべく、今も必死に戦っている後輩の元に向かうのであった。

 

 




という訳で清姫編でした。

次回は大井と北上と小町とひふみ先輩のお話、つまり次も軽い。
そもそも重い話は無かったと言えばそれまでですが、仕方ないんや・・・・。

さすがにハイレインが出てきたらまじめになりますので、それまでは少し軽い感じで行きます。まじめな話は書きづらいんですよ・・・・戦闘とか、戦場とか・・・書くのが大変!思ったより時間がかかってまうんや。

最初からお察しなクオリティがさらにお察しになっているが、その辺はいつも通り、脳内でいい感じに補填してください、力不足で申し訳ない!

そんなお察しのあれやこれやですが、戦争編終了まではきっちり?書きますのでそれまではお付き合いいただければと思います。それでは!また次回もよろしくお願いします!!


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比企谷隊の戦争23 ハイパーズ対ランバネイン

こんばんわ!戦争編23話です!

今回は前の話から少し戻ったところのお話でぇす!つまり、ハイパーズ対ランバネインです。
いろいろと設定を確認しながら書いているものの、戦闘に入ると難しい!そして長くなっていくこの頃、いかがお過ごしでしょうか?

そして、今期も新しいアニメが始まりましたね、ガンダム見てますか?サラちゃんかわいいよ、サラちゃん。白髪とか銀髪キャラが大好きな私が通りますよー!!

そんなこんなで戦争編です、どうぞ!




ー 基地南部 大井 -

 

「はっはぁーー!俺のケリードーンとお前のシールド、どちらが上か、楽しみだなぁ!なあ大井よ!」

 

楽しそうに雄たけびを上げながら攻撃をしてくる変態に対する私の感想はただ一つです。とっても気落ち悪い!です!

なにやら脳みそが筋肉で出来ていそうなこのマッスルさんの暑苦しいテンションにもううんざりです。

こんなのの相手をしないで今すぐ八幡さんの貞操を守りに行きたいのですが、どうにもこの変態筋肉さんは私達を逃がしてはくれないのでしょう。ああ忌々しい!

なにが忌々しいって、この変態筋肉はあろうことか、私と北上さんをそ、その・・・なんですか、あれです、お、お持ち帰りして、え、エッチな事をしようとしているとかで、ハレンチ極まりないのです!エッチなのはいけないと思います!

だいたい、変態筋肉ごときが、世界の天使たる北上さんを、だなんて言語道断なのです。せめてうちの隊長ならまだしもこんな胸ばかり見るだらしのない男なんて絶対に却下なのです。もちろん私も却下です!

 

そういう訳で、絶賛私と北上さんによる、絶対貞操防衛戦はそれはもう絶対に負けられない戦いで、まさに聖戦といっても過言ではないのです。生命以外の危険がデンジャーなのです。

なので先ほどから2人で協力して事に当たっているのですが、これがまた忌々しい事に、この筋肉ダルマ、変態のハレンチ野郎のくせに無駄に強いからたちが悪いのです。

 

だいたい、なんなんですか!?このケリーなんとかいうちょっとこじゃれた名前のトリガーは!

まず、火力がおかしいです。最大火力こそ、北上さんのビームキャノンの方が上のようですが、速射性能では圧倒的に向こうが上!しかも速射と言ってもその威力は一発一発がアイビス級とかどういう事ですか!バグですか!?

それにシールドも硬いです。私のディフェンサーには及ばないまでも、こちらの攻撃が北上さんのビームキャノン以外通らないってどういう事ですか!東さんの話だと、荒船隊のイーグレット3連射を鼻歌交じりで防いだとか、バカなんですか!?バカなんですね!?いいえ、変態でしたね!お疲れ様です!!

それで終わりではなく、ついでに飛行機能も搭載してるとかもう意味がわかりません。なんなんですかこの変態は、詐欺としか言えません。あとは変態とか筋肉とかくらいしか言えませんね。もしかしたら脳筋とも言えるかもしれません・・・・意外と言えますね、え?そうじゃない?黙っていて下さい。

 

「う~ん・・・・・困ったねぇ?大井っち」

 

「えぇ・・・正直、火力、というよりも、圧倒的にトリオンが足りません」

 

ケリーなんとかからくる絨毯爆撃のような砲撃の嵐をディフェンサーで何とかガードしていますが、可愛らしくも困った顔の北上さんに言葉に、思わずうなずいてしまいます。

 

なんなんですかこのずるっこトリガーは!こっちはさっきからシールドビットをフルに使用してるんですが!?おかしいでしょう、この連射性能と威力!!冗談はさっきの変態発言だけにしてもらいたいです!いえ、それも全力で勘弁なのですが!こっちは防御と攻撃をそれぞれ二人で分担しているからこそのこの性能なのに、なんですかこの理不尽は!?これでブラックトリガーじゃないって納得できるわけが無いでしょう!?

 

忌々しいと思うものの、正直このずるっこトリガーに勝機がない訳では無いのです、むしろ私と北上さんが万全であれば、有利に戦えると思うのです。

最大火力も防御力もこちらが上ですし、私と北上さんの連携があれば勝つことはそう難しくはないと思います。

そう、難しくは無いのです・・・・トリオンさえあれば、ですが。お、おのれぇ・・・・。

 

「まったく、卑怯な!こちらのトリオンが枯渇しかけているときに変態をけしかけてくるなんて!」

 

「もう、こっちにあるタンクも使い切っちゃったよ・・・・どうしよう、大井っち?」

 

ほんとにどうしましょうね?先ほど本部長から付近の隊員は玉狛の援護を~って言ってましたが、是非私達にも援護に来て欲しいのですが・・・・。というか、これを包囲していた人達はまだですか!?

そんな私の思いが通じたのかようやく援軍が到着したようです。いえ、正確にはこの変態を包囲しておきながら逃げられたのですから援軍とは違うかもしれませんね。

 

『すまん、ようやく追いついた。これよりサポートに入る』

 

『出水だ、米屋と緑川もいる。俺達も角付きと一戦やるぜ!』

 

現状のトリオン残量ではどうあがいてもこの変態の防御を抜けそうになかったので、ありがたいです!これで勝てますね!ですが、文句のひとつくらい言っておきましょう。

 

「遅いです!もうこちらはトリオンが枯渇しかけていますので、この変態筋肉の相手をお願いします!」

 

『いや、本当に申し訳ない・・・』

 

私の文句に東さんが本当に申し訳なさそうに謝罪してきていて、あぁ、言いすぎてしまいました。違うのです、東さんではなくて、出水とか、米屋とか緑川とかに言ったのです、と謝罪しつつ、早くこの筋肉の担当を代わってくださいとお願いしますが、東さんの反応はイマイチです・・・・。変態筋肉の相手が嫌なのはわかりますが、それでも私と北上さんという乙女2人を前面に出すのはどうかと思うのですが・・・・と文句を言います。が、東さんの返事は残酷でした。

 

『いや、相手の狙いは大井だ。このまま大井を中心に陣形を組む。北上はまだいけるか?』

 

東さんの指示に、鬼ですか!と思うものの、まぁそうなりますよね、とも考えつつ、現状の報告を続けます。正直北上さんはトリオン枯渇寸前でもう戦闘継続は厳しいのと、私は変態に会うまではトリオンに余裕があったのですが、それもこの弾バカ族の変態筋肉のせいで現状残り2割強と言ったところでしょう。

報告を続けながら北上さんを守り、変態の攻撃を防ぎながらも反撃の機会をうかがっていると、変態の後ろからトリオン弾が複雑な軌道を描きながら飛んできました。

トリオン弾はそのまま変態の周囲に着弾し、爆発と共に、煙幕を発生させた、いまですね!

 

「新手か!人の恋路を邪魔するとは!無粋な!」

 

「北上さん、三バカがひきつけてくれます、いったん下がりましょう!」

 

「ふわぁ~!助かった~!」

 

胸しか見ない恋路はノーです!と心から突っ込みつつ、北上さんと後方に下がります。

弾バカ、槍バカ、迅バカ、やってしまいなさい!と心の中でエールを送りつつ、柿崎隊と合流し、北上さんの護衛を依頼しつつ、ついでにあの変態を倒すために協力を要請します。

私のお願いに快くうなずいてくれた柿崎隊に感謝しつつ、私は三バカの元に戻ります。正直私のトリオン量もカツカツではありますが、変態のタゲをなるべくとる必要があるのです。

 

「カカカッ!白兵が2人に火兵が一人、それにセクシー要員が一人に狙撃手が複数か・・・・おもしろい!」

 

誰がセクシー要員ですか!ぶち殺しますよ!?

 

「だが、こういう場合は、同時に相手をしない事だな」

 

そう言い、上空に飛翔する変態、あれは、まずいです!

空飛ぶ変態の次の行動を理解した私は、とっさにディフェンサーを最大出力で展開します。

 

「大井先輩、後ろ失礼しまーす!」

 

ちゃっかり私の後ろに避難した緑川と自分を守るようにディフェンサーを展開して、変態の雨のような攻撃を防ぎます。米屋と出水は建物の影に隠れたようですね。

わずかな隙間もなく降り注ぐトリオン弾にシールドがきしみますが、この程度!

砲撃を防ぎきると同時に側面に気配を感じました。

 

「大井、お前は最後だ、まずは一人」

 

砲撃に紛れて接近してきた変態はそういいつつ、側面から緑川に攻撃を仕掛けてきますが、それもまた私がディフェンサーを再度展開して防ぎます。

 

「私の絶対守護領域内で、変態ごときの攻撃が通るとは思わない事です」

 

「だろうな」

 

私が防御する事を読んでいたかのようにニヤリと笑う変態。思わずなぐりたくなりましたが、こちらの冷静さを奪う事が目的かもなので、冷静に死ねばいいのに、という視線を向けます。

悪くない、と満足そうにうなずく変態にもうやだ・・・・と思わず帰りたくなりますが、我慢です。絶対ぶん殴るまでは我慢なのです。

 

建物の陰で爆撃を回避した米屋が変態の背後から切りかかり、その反対からピンボールで急接近しつつ、緑川が強襲します。

しかし、変態の防御は固く、なかなか決定打になりません。ニヤニヤした顔がイラつきますね・・・・。

 

そこからは変態の攻撃を私が防ぎ、出水の攻撃で変態の隙を作り、米屋と緑川が突っ込むという状況を何度かしつつ、どちらも決定打に欠ける状況が続きました。

このままでは私のトリオンが枯渇してしまいそうです、早くなんとかしないとですが。

 

「ふむ、手強い・・・思わず太ももと胸に視線がもってかれるな・・・・」

 

そっちですか!?と突っ込みつつ、変態の発言に思わず胸とスカートを抑えてしまいます。横を見ると米屋と緑川もうなずいていました。おい。

トリオン体なのに全身に鳥肌が立ってしまいました。ドン引きです、思いっきりドン引きしてしまいました。

なんなんですかこの変態共は!?そんなドン引きな私についでと言わんばかりに緑川が爆弾を投下していきました。

 

「ダメだよ?大井さんはもう比企谷先輩に売約済みだからね!」

 

な、なにを言ってるんですか!?あの迅バカは!?海の藻屑にしますよ!?わ、私が、は、八幡さんのとか・・・・。自分でも顔が赤くなっているのを感じてしまい、思わず顔を両手で隠してしまいます。

あぁ、もう!戦闘中になんなんですか!?

 

「ほう・・・ならばそいつを殺せば大井はオレのものだな」

 

「・・・・・・は?」

 

変態の言葉にそれまでの思考が一気に冷却されて行きます。

この変態は今なんて言いました?八幡さんを殺す?変態ごときが?・・・・笑えませんね。

 

「・・・・今、なんて言いましたか?」

 

私の発言に、三バカがハイライトが・・・とか言いながら凍り付きますが、それどころじゃありません。

 

「今、殺すって言いましたか?・・・八幡さんを?」

 

「あぁ、殺す。」

 

ニヤニヤしながら即答する変態。これはもう、あれですね、つぶしましょう。

 

「変態ごときが北上さんに手をだそうとするだけでも万死に値するというのに・・・・私の未来の旦那様にまで手を出そうとするとは・・・・」

 

さっきまで怯えていた三バカが楽しそうにこちらを見ているのをひと睨みして黙らせます。

同時に仕事しろ、と視線に込めると高速で頭を上下に振るのを確認して突撃させます。

なにやらとんでもない事を口にした気がしないでもないですが、今はそれどころじゃありません、まずはあいつを殲滅するのが先です。

 

「北上さん、準備はいいですか?」

 

『うん、柿崎せんぱい達に手伝ってもらったから、後1発いけるよ!』

 

「では、いつものように」

 

『了解だよ!大井っち!!』

 

通信で北上さんに最終確認を取ります。

トリオンが枯渇しかけていた北上さんですが、この変態を倒すのには北上さんのビームキャノンが必要です。

なので、私が囮となり変態の注意をこちらに向けている間に、柿崎隊のメンバーに北上さんのビームキャノンにトリガーを臨時接続させてチャージしていたのです。私ってばマジ策士。

 

北上さんに確認をした私は最後に通信越しに微笑み、変態に突撃していきます。いざ!

 

「教導隊所属、大井。参ります!さぁ!海の藻屑となりなさいな!」

 

出水のサラマンダーが再度炸裂した瞬間を見逃さず、私、米屋、緑川が同時に三方向から切りかかります。

 

米屋が左手、緑川が右足を切り落とし、私が胴体に風穴を開けると、変態は苦し紛れに攻撃を放ちますが、そんな攻撃私が通すわけがありません。当然、ディフェンサーでガードです。

 

「くっ!」

 

攻撃を防御されたのを見た変態は、再度切りかかる私達にはこりゃたまらんと思わず上空に回避するという愚行を犯します。

 

「また飛びやがった、落とせ弾バカ!」

 

「落としてくださいだろ!」

 

こちらの狙い通りに飛びあがった変態・・・・飛び上がった変態って、今思うと悪夢でしかありませんね・・・。まぁ、それはさておき、その変態を誘導するように出水と私のハウンドが変態を追尾し、その先でついに東さんと荒船さんの狙撃がクリーンヒットしました。・・・って、あのマントも地味に硬いですね・・・・・。

 

蛇行飛行をしながら散発的に攻撃してくる変態とそれを追いかけるように誘導する私と出水のハウンドと、狙撃手の攻撃。ふふふ・・・破滅の時は近いのです。

東さん指揮のもと、いい感じに数の優位を確保しつつ、各員バラけつつ変態を追い込んでいきます。

 

『アタッカー配置完了だ!』

 

『あたしもオッケーだよ!』

 

それぞれの配置が完了した報告を受けて、仕上げにかかります。

 

「では、愚か者を沈めましょうか」

 

私の言葉を合図に出水と私のハウンドと、柿崎隊の射撃、狙撃手の攻撃が四方から変態に殺到し、誘導していきます。その誘導先はもちろん・・・

 

「大井ぃぃーーーーー!!」

 

「はい、くたばってください。このクソ野郎」

 

叫びながら突撃してくる変態ににこやかに応え、その攻撃を、その突進をディフェンサーで止めます。

そしてその隙にサイドから米屋と緑川が突撃して背面のスラスターを破壊します。これで空にも逃げられなくなりましたね。

 

「まだまだぁーーー!!大井ぃぃーーーー!!!」

 

どしゃりと地面に落ちた変態はそれでもまだ戦意を失っていないのか、叫びながら立ち上がります。

っていうか、私の名を叫ばないで欲しいのですが・・・・。

 

「いえ、これで、チェックです」

 

「なに!?」

 

『ふぉいやー!』

 

通信越しに聞こえる北上さんのエンジェルボイスに続き、極大の閃光が変態を飲み込んでいきます。

流石にチャージが少ないのかその閃光はすぐに消えましたが、その威力は絶大です。

 

「ぐ、ぐぅぅぅ・・・・・・」

 

全身を極光に焼かれた変態がミディアムレアな感じに仕上がっていました。トリオン体が解除されたようですね。

 

「では、とどめを・・・」

 

とスコーピオンを振りかぶり、変態に向けて攻撃をしようとすると、米屋の槍が防いできました。

邪魔をするな、という視線を向けると、ひっ!と言いつつ、しどろもどろになります。

が、すぐに周囲に展開された黒いなにかに気づき、とっさに後方に回避します。

すると、その黒いなにかから、とげが飛び出し、先ほどまで私と米屋がいた場所を貫いていました。

 

「むぅ・・・」

 

変態をスコーピオンで殴っていたら貫かれていましたね・・・・米屋には感謝です。・・・言いませんが。

そしてその隙に変態はその黒いなにかに吸収されていなくなってしまいました。

今のはあれですね、ゲートを開くトリガーでしょうか、まったく、おかげで変態を殴りそこなってしまいました。残念でなりません。

その後、あれやこれやとなんやかんやしていたら、東さん達B級はそのままC級の援護に、出水達は玉狛の援護に行くようでした。

 

「私達は・・・・」

 

トリオンの残量は、私も北上さんも残り1割にも届きません、もはや攻撃手段はあまり残されていません。

戦略的に見れば、ここで撤退を選んだ方がいいのでしょう。ですが、いまだぬぐえぬこの焦燥感のようなものが気になります。

 

「2人はもうトリオンが限界だろう、本部に戻った方がいい」

 

東さんのいう事ももっともです、ここは戻った方がいいのでしょう。いまの状況では足手まといになるでしょうしね。

だから私は東さんと出水達にこういうのでした。

 

「私達は、まだ戦えます。私も、北上さんも、トリオンが少ないですが、まだ、戦えます。それに・・・」

 

驚いた表情の東さん。すみません、もしかしたら迷惑をかけるかもしれません。危険なのも理解していますが、ここで下がる訳にはいかないのです。

横を見ると、同じことを考えているのか北上さんが笑顔でうなずいてくれました。私もそれにうなずき返して続けます。

 

「八幡更生委員会の一員として、更生対象である八幡さんが戦っているのに、私達が先に後退してしまったら、誰が八幡さんを更生するのですか?」

 

 

そう言いつつ、東さんに微笑みかけると、違いない、と苦笑しながら東さんがうなずいてくれました。

 

すみません、と心の中で謝罪します。

 

「なら、めて、北上と大井のトリガーに俺達のトリオンを充填しておこう。」

 

「ありがとうございます・・・・」

 

再度、すみません、と言いそうになるのをこらえ、その代わりに北上さんと共に感謝の言葉を口にします。

気を付けろよ、と言いながらトリガーを臨時接続して私達のトリガーにトリオンを充填してくれる東さんと柿崎隊の人たちに、頭が上がらないです。わがままを言ってすみません。

 

しばらくしてトリオンの充填を終えた私達はそれでは、と先行した出水達を追うように玉狛の救援に向かうのでした。

 

 

 

 




という訳で、戦争編、ハイパーズ対ランバネインでした。

べ、別にランバネインの事、嫌いじゃないですよ?ただ、あれです、とあるキャラをパク・・・参考にしたら、あんなキャラになって、そしたら大井的にあんな反応になってしまっただけなのです。
個人的には結構好きなキャラなのに、なぜこうなったし。

ちなみに敵側ではもちろんヴィザ爺が一番好きで、あんなじい様になりたいものだと思っているのですが、こちらは暴走させずに大人しく原作通りに空閑とやり合う予定です。その辺は次回の小町、ひふみサイドの後にでも書きますれば。

いろいろと佳境に入ったと見せかけて、いまだハイレインが出て来てない戦争編はまだ続きます。
いろいろ設定確認したり、戦況の流れを確認しながら書いてるので、ちょいとペースが落ち気味ですが、戦争編は終わらせますので、それまでもうしばらくお付き合いいただければと思います。


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比企谷隊の戦争24 小町、覚醒すりゅ

こんばんわ、戦争編24話です。

ぐだぐだ続く戦争編ももう少し、です。
今回は再び時間が戻りまして、小町、ひふみ、刑部姫チーム対エネドラのお話。

小町の試作トリガーが解禁されます。当然今回もガンダムネタ!
しらない人はガンダム見てね!!

という訳で、戦争編です。どぞー


ー ボーダー本部内 仮想戦闘室 -

 

「おいおい、なんだこりゃ?どうなってんだぁ、おい・・・・?」

「フフン♪どうなってるのかしらねー?ふしぎねー?」

 

いくら攻撃してもダメージがない状況に怪訝な表情の人型どろどろマン。そんなどろどろさんに刑部さんがニヨニヨとした表情で口に片手を当てながら微笑んでいます。うわぁ・・・小町から見てもその笑顔、イラっときてポイントひくぅーい。

 

もう、見てるだけでもどろどろさんがイライラしてて、刑部さんが楽しそうなのが手に取るようにわかるのです。本当に性格わるぅーい。

 

冷静に考えると、相手のどろどろさんは今回の襲撃の中でも角付きで、ブラックトリガーという、当たり中の当たりで、正直担当したくないのですが、刑部姫さんってばそんなブラックトリガーさん相手にこの表情、普段はポンコツ美少女だけど、意外とすごい人なのかも!?

そんな小町の期待に応えるかのように、刑部姫さんのターンは続いているのです。

 

「あれー?あれれー?どうしたのかなー?ブラックトリガーさんはこんなものなのかなー?」

「くっそ、このサルごときが・・・・!」

 

へいへーい!とかいいながら戦う刑部姫さんに翻弄されまくっているどろどろさん、もう小町にはどっちが悪者かわからないよお兄ちゃん・・・・。

 

どろどろさんがどろどろになると、そこから黒い液体のようなのが、どろどろして、さらにそこからトゲがビュンビュン飛んできますが、刑部姫さんは余裕の表情で蝙蝠の群れに引き上げられながら空中に回避します。

さらに刑部姫さんが空中から両手を広げると、そこから折り紙のようなものがぱらぱらと舞い、瞬時に動物の形を作り、どろどろさんに突っ込んでいきます。

折り紙のようなもので作られたキツネやら、馬やら、蛇やらが、それぞれ本当に生きているかのように動き、どろどろさんに攻撃していきます。

どろどろさんがうざそうにどろどろして、動物達が四方八方からどろどろさんを強襲する。そんな戦闘が続いていました。

なんか低レベルな言い合いをしているなぁ・・・。

ていうかどろどろ言い過ぎてどろどろが、ゲシュペンストほにゃららしちゃってるよ・・・。え?ちがう?最初しかあってない?そんな細かい事は気にしたらダメだよ♪

それにしてもあれですねぇ・・・?

 

「うぅーん・・・。これもう小町達いらないですよね?ひふみお義姉ちゃん?他に行きませんか?」

「う、う~ん・・・・?」

 

なんかこれ、小町達いらなくない?って状況だったので、そうひふみお義姉ちゃんに問いかけますが、お義姉ちゃんは少し困ったように微笑んでいます。だって忍田さんもくるんでしょ?いらないよね?

えぇー・・・だめ?うぅーん、というやり取りをしていたら刑部さんから通信が入りました。

 

『ダメ!ダメよッ!絶対に姫をひとりにしないでね!?姫、いまにも泣きそうなの我慢しながら戦ってるんだからねっ!?』

 

相変わらず、余裕そうな表情を崩さずに泣きそうな声で無線で懇願してくる刑部さんに、器用ダナァーとか考えつつ、小町は不思議そうに問いかけます。

 

「え?でも刑部さんだけで倒せそうですよね?」

 

今は仮想戦闘モードで戦ってるので刑部さんも、どろどろさんも、ダメージどころかトリオンの消費もゼロですが、小町の目には刑部さんが有利に見えるのです。

むしろどろどろさんがたくさんの動物に囲まれてリンチされてる様を見てるとかわいそうに見えるレベル。むしゃむしゃとどろどろを食べてる動物さん達が結構グロい。

 

『無理っ!今だけなの!トリオン気にしないで戦えるからなのっ!仮想戦闘モードが破られたら姫負けちゃう!だからこまちゃんお願い!』

 

1人にしないでぇー!と余裕の表情で泣き叫ぶ刑部さんに関心した小町です。

えぇ?ホントに倒せないの?正直、小町の目にはどっちもブラックトリガーに見えるんだけど?

 

刑部さんの試作トリガー百鬼夜行は、トリオンで生成した折り紙を様々な形状に形作り、それをコントロールするというもの。なぜ折り紙なのかと聞いたら姫としてのたしなみと言われたのを思い出す。どうやらいつもの姫様ぶったムーブをこなしているらしいのです。

バイパーどころか合成弾すら軽く凌駕するほどのトリオンコントロールを求められるこの複雑怪奇なトリガーは、刑部さんの趣味というか、姫様ムーブによるものか、折り紙を自在に操作し、攻撃、防御、変化と組み合わせての囮等と様々な形で使用できる、まさに変幻自在なトリガーなのです。

ちなみに小町には無理でした!お兄ちゃんとひふみお義姉ちゃんは少し時間をかければ何体か作って操作する事も出来たけど、刑部姫さんはそれを一瞬で作り上げてしまいます。しゅごい!

 

百鬼夜行の名の通り、数多くの動物型を作成していき、作成されたその動物達は、それは本当に折り紙なのかと疑いたくなるくらい、自然な動きで攻撃したり、刑部さんの援護に入ったりと多彩な能力を持っているのです。

そして、何よりもすごいのが、この動物達がまるで生きているかのように操作する刑部さんが、普段がポンコツ過ぎて全然すごい人に見えないところだったりして。小町は涙が止まりません。

折り紙おって、動物作って、コントロールとかすごすぎる。と最初に聞いた時は、刑部さんすごい!しゅごーい!とか思った小町です。まぁ、その後で、自分で動くのめんどいから蝙蝠作ってそれで飛んだり、馬作ってそれで移動してたらうまくなったとか聞いてがっかりしたものですが、それでもすごいと思う。小町的にポイントは微妙だけど。

例のごとく、試作トリガーである百鬼夜行もトリオン消費が激しいけど、仮想戦闘モードの現在ではそれはもうバンバン作りまくる刑部さん。

壁際に退避してその様子を観察している小町とひふみお義姉ちゃんからは、動物の軍勢を引き連れた胸が大胆に見えている、改造ミニスカ巫女服?のようなものを着ている刑部さん対、どろどろ液体になるどろどろさんというよくわからない絵面がとってもシュール、に見えました。まる。

 

『ねぇっひふみん!?姫ってば結構頑張ってるんだけど、そろそろいいでしょ!?』

 

泣きそうな声で通信を飛ばしてくる刑部さんに小町はどうですか?とひふみお義姉ちゃんに問いかけますが、ひふみお義姉ちゃんは無情でした。

 

「うぅー・・・ん、あと、ちょっと?・・・・がん・・ばれ?」

『うわぁーーん!!ひふみんのばかー!コミュ症ーーー!巨乳ーーーー!!死んだら今年のコミケットいけないじゃないーー!!』

 

少し困ったような表情で刑部姫さんを応援するひふみお義姉ちゃんが可愛すぎると思うのです。

それにしても、刑部さんの演技力がすごい。通信だとこんな感じになのに、どろどろさん相手には余裕の表情で煽りまくりですごい。よく見ると足が小刻みに震えてるけど。頑張ってください!

そんな感じでフレーッフレーッって応援していると、訓練室の仮想戦闘モードが解除されてしまいました!な、なんですとぉー!?

 

「はっはぁ!これで無敵モードは終わりかぁ?」

 

いつの間にかどろどろさんによってこの部屋の仮想戦闘モードが解除されてしまった!い、いつの間に!

どういう事!?ってひふみお義姉ちゃんに聞くと、どうやらこのどろどろさん、どろどろするだけじゃなくて、気体にも変化出来るみたい。それでスイッチを操作したらしいのです。ひ、ひきょうな!

仮想戦闘モードが唐突に終了したため、刑部さんがめっちゃ動揺してます、無敵モードが終わった瞬間にビビり始めるとか、小物感がぱないですよ・・・。

ひふみお義姉ちゃんの解析終了までもう少し、でも、なんとかなるかな?

 

「旋空弧月」

 

部屋の天井付近の壁をぶち破って突入してきた忍田さんがそれと同時に旋空を放ちます。やったね!これで勝つる!!

ずばずばと旋空がどろどろさんを細切れにしていく間に着地した忍田さんがイケメンに見えました。いえ、もちろん元々イケメンだと思うのですがね?

どことなくすっきりした表情の忍田さんに、ストレス発散してくださいとか思ってしまいます。

 

「よく足止めした。刑部姫くん」

「あれ?ご苦労だったな、は?姫もう休んでいいよね?」

「私が切る。刑部姫君は援護だ」

「あれ?姫の仕事もう終わりでしょ?帰って良いでしょ?え?だめ?ですよねー・・・・はぁ」

 

どことなくうきうきしてる忍田さん、いくら切っても再生するどろどろさんにテンションが上がってるのでしょうか?どろどろさんが少しかわいそうに見えてしまう不思議。

忍田さんの隣ではかえりたいなぁーとかつぶやきながらも健気に動物達を作成していく刑部さん。どうやら鳥型の動物を大量に作って気体化したどろどろさんを吹き飛ばす戦法のようです。なんだか動物達がポケモンに見えてきました。

 

貴様のような奴を倒す為、我々は牙を研いできた。とか、すごくかっこいい事をかっこいい表情で言っていますが、小町の耳には副音声でひゃっほう、切り放題だぜ。的なのが聞こえてくる不思議。忍田さんの心労が伺えます。

 

「はっ!おもしれぇ、やってみやがれ!!」

 

と言いながらどろどろさんがどろどろしたりビシビシとトゲを飛ばしたりして忍田さんを攻撃しますが、刑部さんの動物に妨害されたり、ひょいひょいと忍田さんに避けられたり、切り落とされたりしつつ、時たま飛んでくる旋空に切り刻まれていきます。うわぁ・・・・文字通り、手も足も出ないとはこの事を言うんですかねぇー。

これもう小町の出番ないですよね?っていうか、これ小町足引っ張るだけじゃね?って思ってしまいます。一生懸命訓練したけど、まだまだだなぁ・・・。

 

「忍田さんってほんとにぱないですねぇ・・・。ちょくちょくお兄ちゃんが泣かされて帰ってくるのも納得です」

「うん、でも・・コマちゃん、じゃないと・・倒せないかも?」

 

今の小町ではとても能力不足で援護にも入れないほどの高レベルな戦いを見て沈んでいたところにひふみお義姉ちゃんがそう言ってきました。

確かに試作トリガーを使えば援護くらいは出来るかもだけど、このままいけば倒せそうですよ?と。言うとひふみお義姉ちゃんが説明してくれました。

 

それは、相手のどろどろは無敵なのではなく、体内で伝達脳と供給機関を移動させたりダミーを作ったりして的が絞れないんだとか。レーダーに映るようにはしてあるけど、破壊する度に新しいのが作成されて的を絞れないのだそうです。

さっきからすごい勢いでズバズバとダミーを切ってる忍田さんですが、それでも全てを切る前にダミーを複製されてしまい、破壊スピードが足りないらしいのです。

なら刑部さんは?と聞くと、気体化への対応で動物達を作成し、援護に徹していないと、だそうです。、そしてひふみお義姉ちゃんはブラックトリガーの解析で動けない。つまり?

 

「だから、コマちゃんが、倒すの」

 

いつものおどおどした感じではなく、瞳に強い決意を宿したひふみお義姉ちゃんはまっすぐに小町を見てきます。

綺麗な、とても綺麗な瞳に見つめられた小町はこんな状況なのに、結婚して欲しいな、とか場違いな事を考えてしまいました。これが比企谷家の遺伝なのでしょうか?でもそんな余計な事を考えてしまっても、やる事は決まっているのです。

 

「ひふみお義姉ちゃん・・・わかりました!小町、がんばるであります!」

 

だから小町はビシっと敬礼を決めて覚悟を決めます。

ビシっと敬礼した小町にうなずいたひふみお義姉ちゃんはすばやくヴェーダを操作していきます。

 

「コマちゃん。これから、ゼロを、起動させる・・・ね?制限時間は・・・3分」

「はい、大丈夫です」

 

ひふみお義姉ちゃんの言葉にうなずくと、小町の目を守るようにバイザーが展開されます。

小町の試作トリガーは時間制限があるのです。3分以上は脳に負担がかかるそうです。なので、3分で決着をつけないとです。

 

「ヴェーダのリソースを・・・全て、コマちゃんに」

「ふぐ・・・よろしくお願いします」

 

続くひふみお義姉ちゃんの言葉にヴェーダからの情報が脳に直接送られてきます。これが、試作トリガーの能力のひとつ。・・・少し頭痛がするけど。

 

「リンク・スタート・・・ヴェーダとのリンク、完了。ゼロシステム起動します」

「ではでは~♪教導隊所属、比企谷小町、いっきま~~す!」

 

そしてひふみお義姉ちゃんが告げる起動のセリフと同時に小町の試作トリガーゼロシステムが起動する。

起動と同時に小町の視界、思考が切り替わっていきます。

 

ゼロシステム。これは比企谷隊の試作トリガーの中でも最後に作成されたお兄ちゃん曰く、最強のトリガー。

その能力は、未来予知。セクハラエリートのような能力なのです。

でも、セクハラのと違い、このゼロシステムにはいくつかの制限が付いてしまうのです。

まず一つはゼロで一つのトリガーホールを使用している為、必然戦闘に使用できるトリガーが1つのみとなってしまう事。

もう一つが、ヴェーダとのリンクを前提としている事、その為、使用時にはヴェーダの能力を全てゼロにそそぐ必要があるのです。

そしてもう一つが使用者への負担、ヴェーダによる莫大なデータと戦況予測から推測されるそれは予測を越えて、予知のレベルとなる。しかしそれを直接脳に送り込むため、脳への負担が大きいのだそうです。

でも、だからこそ、今回の敵相手には小町とゼロは勝利への最後の布石となるのです。・・・たぶん。

 

「!小町君!・・・そうか!」

 

小町の参戦に気づいた忍田さんですが、小町がゼロを使っているのを見てうなずいてくれました。

本来なら小町では足を引っ張ってしまうだけです。ですがゼロシステムを起動した今は忍田さんが切りやすいように、どろどろを切ったり、ダミーを切る援護は出来るのです。

 

「あぁ・・・!?なんだ?どういうことだぁおい?」

 

小町が参戦するのを見ていやらしい笑みを浮かべたどろどろさん。でもその笑みはすぐに歪んでいきます。

ゼロの未来予測により、小町への攻撃はもちろん、忍田さんへの攻撃も小町が都度忍田さんと刑部さんに伝えたり、切り捨てたりすることで、まったく当たらなくなり、こちらの攻撃がズバズバとダミーを切り裂いていくのですから歪むのも当然なのです。

 

忍田さんに、右、下、右、右、旋空、旋空、からの~?上、X、下、B、L、Y、R、A、と伝えつつ、間に刑部さんに風を起こしてもらい気体化を押し戻します。その間にもちろん小町もカカロット・・・じゃなくて、どろどろさんを切ったり、切ったり、も一度切ったりとどろどろさんを徹底的に切りまくりんぐします。

 

「どうなってんだクソ!雑魚トリガーの分際で!!」

「貴様の敗因は我々の前ではしゃぎすぎた事だ」

 

ダヂバナザァーーン!!って感じで叫ぶどろどろさんに忍田さんがかっこよく決め台詞を告げて最後のダミーを切り捨てました。そう、最後に残った反応こそ、ダミーではなく本物のはず。小町も本物がほしい・・・・・。

じゃなくて、それで倒せるはずだったのですが、土壇場でどろどろさんはダミーから弱点を外していました。こすぅーーい。

 

どろどろさんがまたもやどろどろして忍田さんに攻撃するのをまたもや小町が隠しコマンド的な感じで回避予測して伝えます。上、X、下、Bほにゃらら・・・・・できた!

 

「よくよけたなぁ・・・だが、そこは風下だぁ」

 

忍田さんからトゲが生えるのを見てニヤニヤ勝ち誇っているどろどろさん。小町の存在が忘れられてる気がするのは気のせいかな?これがステルスヒッキーなのかな?まさか小町も使えるとは・・・。

 

「教えてくれよおれの敗因ってやつをよぉ?」

 

油断です。超油断してるどろどろさん。そんなどろどろさんに向かって刑部さんの動物達が強襲します。

 

「こんな雑魚で倒そうってかぁ?」

 

そう勝ち誇りながらズバズバどろどろと吹き飛ばされる動物達の影に隠れて小町が切りかかりますが、それも予想通りだったのか、どろどろさんが小町にもどろどろを向けてきます。

 

「とろいぜ!!」

「そうだね、でも小町はお兄ちゃんの妹なんだ。だから、ここで負けられない」

 

なぜか小町を見て小学生は最高だぜっ!て叫ぶどろどろさんの攻撃をゼロの未来予知により回避しつつ、最後の反応、弱点部分をすれ違いざまに切り裂きます。

 

「あと、小町は中学生です。」

「なん・・・・だと!?」

 

ぴしぴし、ちゅどーんと爆発してトリオン体が解除されるどろどろさん。それと同時に小町のゼロも解除します。

ふぅ・・・制限時間内に倒せてよかった。

 

その後、どろどろさんのすぐそばにゲートが開いたと思ったら、中からショートカットの美人さんが出て来て、どろそろさんと口論をしてとなんやかんやしてたらどろどろさんが死んでました。

途中から、戦闘能力の低い小町とヴェーダを展開しているひふみお義姉ちゃんを守るように刑部さんが動物の森、じゃなくて百鬼夜行を展開していたので詳細がわからないのです。

 

その後、忍田さんにしこたま褒められた小町。MVPだね!っぶい♪

刑部さんのおかげなんですっていったらすごい怪訝そうな顔して刑部さんを見た忍田さんに、刑部さんが泣きそうになりながら姫、がんばったのよ?だから、休みちょうだい?って言って、却下されてとそんなやり取りをしていると、ひふみお義姉ちゃんが小町のそでをちょいと軽くつまんできました。うん、いちいちかわいいな!

 

「ハチ君と、北上ちゃんと、大井ちゃんが危ないかも」

 

戦闘が終了した後、外の戦況を確認していたひふみお義姉ちゃんが告げたのは我が比企谷隊のピンチでした。

どうする?と告げるひふみお義姉ちゃんに小町は笑顔で告げるのです。

 

「もう、まったくしょうがないんだから、ごみいちゃんは。ほんとに小町がいないとだね!あ、今の小町的にポイント高い♪」

 

ってね。さて、お兄ちゃんの自慢の、出来る妹小町が援護に行きますよーっと。

こうして、小町とひふみお義姉ちゃんはお兄ちゃんの援護に向かうのでした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 




という訳で、戦争編でした。

試作トリガー”ゼロシステム”はガンダムウイングに出てくるのです。
これにより、北上、大井、小町がガンダムウイングネタで、ひふみがダブルオー、八幡が宇宙世紀のガンダムを参考に装備を作っています。
現時点で対人最強は小町、防御は大井、攻撃は北上、情報戦はひふみ、八幡は器用貧乏に。
やはりここの主人公の扱いはどこか切ないのです。

ちなみにヴィザとヒュースは原作どおりです。
次回からは玉狛逃亡戦、つまり、最終決戦です。

というわけで、次回もよろしくです。


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比企谷隊の戦争25 比企谷隊、再度集合

こんばんわ。戦争編25話です。

ついについに、戦争編も終盤にはいってきました。
なるべく原作の流れを踏襲しつつ、オリジナル要素を絡ませてたら、ちょっとこんがらがってきた昨今、いかがお過ごしでしょうか?

いつもどおり、細かい事はかるくスルーしつつ、なんとなく読んでもらえればと思います。
俺TUEEもチートも無いよと言いつつ、大規模侵攻の戦功をかっさらいまくりな比企谷隊ですが、細かい事はスルーなのです。

という訳で、戦争編です、どぞー


ー 基地南西部 八幡 SIDE -

 

ふう・・まずは現状の確認だな。

 

「えぇと・・・ひふみ先輩?どうです?」

『ちょっと・・・まってね?』

 

少し前に本部内にてブラックトリガーの撃破報告があったのでひふみん先輩に通信をつなげて現状の確認をする。

ひふみん先輩によると、北西、西部は天羽が一人で無双して、東部はB級合同と太刀川さんが担当と。

南部は同じくB級合同と3バカ、大井、北上で人型を撃破。その後B級合同がC級の護衛、3バカと大井と北上は玉狛の援護と。ふむ。

南西部で清姫さんを相手にしていた俺はいつの間にかそれなりの距離を移動していたらしく、玉狛から少し離れた場所にいた。とりあえず俺も玉狛に合流しようかの。

つい先ほど本部内に侵入していた人型を小町とひふみん先輩とおっきーと忍田さんで倒したようで、これから小町とひふみん先輩もこちらに合流するため移動しるようだ。小町が無事でなによりである。

 

そうなると、ふむ・・・東部と南部にいまだ新型が居るみたいだが、こちらはB級合同部隊で問題なさそうだな。

となると、問題は残りの人型か。

 

『玉狛・・・人型・・・・3人・・・・疲れた・・・・』

 

大規模侵攻が始まってからしゃべりまくりなひふみん先輩の通信が雑にもほどがある、もう少し頑張ってくださいと何とか励ます。いや、一応通じるけどさ・・・。

がんばって!もう無理、そこを何とか、とやっていたらいつの間にか今度好きなだけコスプレに付き合う約束をさせられていた。あれー?と思うものの、ひふみん先輩のナビが無いとなので、これくらい必要経費として黙認する。大丈夫、ひふみん先輩にもコスプレしてもらうからね!って、そうじゃない。

 

話すのが疲れたひふみん先輩の代わりにヴェーダから送られた情報によると、玉狛が相手にしている人型は2人、うち一人がブラックトリガーのじいさんで、レイジさんがやられている。現在は空閑が対応しているようだ。おそらく今回の敵の中で最強の相手だろう、なかなかにキツそうだ。俺なら1分くらいで死ぬかもしれん。援護に行きたいのはやまやまだが、レイジさんのやられた映像を見る限り、俺も足手まといになりそうな気がする・・・。やばない?アフトの国宝とかやばない!?

んで、もう一人が磁力使いのイケメンで、こちらは迅さんが対応中。うん、こっちはもう援護はいらないだろう。

そんで、おそらく撤退やら援護要員のゲート使いの美女がどこからか増援を送ったり、なんだりしているようだ。正直このゲート美女が一番厄介な気がする。美人には気を付けろってじっちゃが言ってた!那須とか加古さんとかで学習済みなのだ、俺の実体験的にも美人には注意なのだ。おっと、何やら悪寒が・・・もしかして那須かな?まさかぁ・・・。

という訳で、危険な人型はそれぞれ空閑と迅さんが対応して、相手の狙いであるところの雨取とC級達を守りつつ、本部基地に撤退戦をしているのが、三雲と烏丸。

現在は3バカが合流して撤退戦を援護しているようだ。大井と北上はもう少しで合流するというところか?

 

「となると、迅さんはいいとして、俺は空閑の援護か?いや・・・」

 

無理でしょー・・・あの爺さんの相手とか俺じゃ無理でしょー・・・。

とりあえず、本部に向けて撤退戦をしているので、北上と大井には本部付近で小町とひふみん先輩に合流してもらう。正直北上と大井の残りのトリオン量が1割では撤退戦は厳しいかもだしな。迅さん曰く、本部前が最後の未来の分岐になるようだしそこに集中しよう。

 

そうと決まればそこまでは3バカと烏丸、俺で本部前まで護衛しよう。

 

さっきまでは俺もトリオン量が心元無かったが、ブラックトリガーの力か?清姫さんと接触してからなぜかトリオンが回復しているのだ。半分近くまでトリオンが回復したのはありがたい。まさかのキスで回復するとは・・・思い出すと恥ずかしくて今日もふとんでバタバタする仕事が忙しくなりそうである。あと、このいろいろが終わった後の那須と大井からあるだろうお話が怖い。・・・ほんとこわい。

 

『ハチ・・・君!!いそ・・・いで!!』

「!!!わかりました。急行します!」

 

あぁー顔あついわぁー、あと怖いわぁーとか考えていたらひふみん先輩が慌てた声で俺に通信を繋いできた。

あわててヴェーダからの情報を確認すると、撤退戦をしていた三雲達にさらにブラックトリガー使いの人型が現れたらしい。もうやだ・・・。

瞬く間に緑川がベイルアウトさせられて、C級たちが何人かトリオンキューブにさせられてしまったようだ。ブラックトリガー来すぎぃ!!

レプリカ先生の話だと人型なんてほとんど来ないし、ブラックトリガーとか来ても一人か二人って話だったじゃないですか、やだー。

とりあえず、俺も急いで合流する。しまったー・・・こんな事なら露払いとかしなければよかったかもしれん。撤退戦をしやすくするために道中のトリオン兵を間引いていたのが裏目にでてしまった。

 

「スラスターは使う訳に行かないかな?ですよねー」

 

ひとりでそんな事をつぶやきながらも走る。大丈夫。道中のトリオン兵はある程度間引いてる。

なにやら最後の司令官ちっくな人型と新型が大盤振る舞いで来たようだ。

今は出水と米屋で抑えてるみたいだが・・・。

 

『おい!比企谷!まだか!?俺もう片足がふにゃふにゃで動けないんだが!?』

『新型と連携してきやがる!!』

 

おおう・・・出水と米屋からも苦情の連絡が・・・。今向かってる!と返事をしつつ、ひふみん先輩にも最優先で相手のトリガーの解析をお願いする。鳥がたくさん・・・トカゲ的なのとかもある、なるほど、動物の森か!

そうこう考えている間に、雨取のトリオンを使って戦っていた三雲だったが、動物の森によって雨取がキューブにされてしまったようだ。まずいー!

 

「三雲!雨取を守れ!基地に向かうんだ!!」 

『ぼさっとすんな!基地まで行きゃまだ全然助かる!』

『走れ修!お前がやるべきことをやれ!』

 

俺、出水、烏丸にそう言われた三雲は僕の、やるべきこと・・・とつぶやく。おそらく自分のミスで雨取を危険な目に合わせてしまった事を後悔していたんだろうが、それは後だ。今は後悔ではなく、前を向く時だぞ!

ほんの少し、それこそ数秒と言ったところか、思いつめたような表情から一転、覚悟を決めたような顔をする三雲。そう、そうだ。それでいい。

ふん、少しはましになったんじゃない?って小南あたりが言いそうだな。

 

『基地に向かいます!サポートお願いします!』

『おー行け行け、人型には一発お返ししないと気が済まないぜ、それに、お前のサポートは比企谷がしてくれる』

 

そうだろ?と続ける出水に、三雲が先生!!と言ってくるので、俺はすぐ行く、それまで頼むぞ!と返しつつ走る速度を上げる。

これ完全に三雲が主人公ですね。うん。これが迅さんの見た未来なのだろうか?今が迅さんの予知でどのあたりなのかは不明だが、おそらくは未来の分岐点は基地まで。そんで、最悪の未来は三雲と雨取の死。

 

現状の戦況ではこちらが有利にも見える。相手の新型はさすがにもう頭打ちのはず。そして、おそらく指揮官であろう動物の森が出た時点で人型の増援も考えなくていい。これで実はまだ追加いましたー!とか言い出しらもう諦めるレベル。

迅さんが相手の人型を抑え、空閑が相手の最強の足止めをしてる今、俺達が指揮官を倒せば相手は撤退するはずだ。それが一番むずいのだが。

だからこそ、ここが正念場だ。相手の目的は雨取とついでにC級。これは雨取のトリオン量や敵の出現からまず間違いない。つまり俺の、俺達のやることは単純だ。

 

「もう少しだ!三雲、合流するまで耐えろよ!」

『はい!先生!』

 

立ち止まるな、基地はすぐそこだ。そう応援しながらヴェーダから送られてくる三雲の戦闘を見つつ、俺は三雲の元に急ぐ。

磁力攻撃をする新型と、空飛ぶタイプの新型に追われながらも必死に基地に向かって走る三雲が画面に見える。ファイトだよ!

 

磁力タイプの攻撃には磁力が作用しないよう、離れた部分にシールドを展開して防ぎ、空飛ぶタイプにはレイガストのスラスターをうまく使って回避に専念している。

いいぞ、撃破ではなく、守りと回避に専念する事で、ギリギリのところでなんとかなっている。

トリオン量の少なさや、運動神経でハンデのある三雲だったが、良い感じに広い視野が持てているようだ、相手の先の行動を読み、それに対応できている。これなら俺が合流するまで何とかなるか?そう安心したのもつかの間、増援だぁー!

 

「!まずい!三雲!!」

 

ヴェーダから送られてくる情報から、俺はとっさに三雲に声を掛ける。俺の声にギリギリで反応できた三雲は追加で現れた3体目の新型からの砲撃を紙一重で回避する事に成功したが、その手から雨取のキューブを手放してしまった。

それを飛行タイプの新型が確保しようとするが、三雲は回避から着地すると同時にレイガストをブレードモードにして、スラスターを使う。

 

「させるかぁぁぁぁーーー!!」

 

スラスターで加速したレイガストが新型に突き刺さる。その隙に三雲は雨取のキューブを確保するが、今度は磁力タイプの新型がその磁力弾で三雲を拘束する。

今度こそ絶対絶命の状況だが、間に合った。

 

「ところがぎっちょん」

 

拘束した三雲に砲撃しようとしていた新型のコアに俺のファンネルがブレードモ―ドで突き刺さる。これでまずは一体。

 

「待たせたな、三雲」

「先生!」

 

スタッと三雲を守るように着地した俺、結構主人公っぽくね?とか考えながら三雲にうなずく。うむ。

俺に対して先生というだけの三雲にさらに声を掛けようとすると、再度磁力タイプの新型が攻撃を加えようとしてくるが、これは俺が対応する必要はない。

新型の磁力攻撃を大井のディフェンサーが防ぎ、その隙に北上のビームキャノンが新型を貫く。

この大規模侵攻が始まってから何度も見た勝ちパターンである。

 

「お待たせしました。八幡さん、三雲君。」

「おまたせ~っていっても、もう私達あんまり手伝えないんだけどね」

 

すずやかな声と共に降り立ったのは比企谷隊の誇る堕天した女神大井と天使北上であった。あ、すみません、大井さん、睨まないで。

 

「小町、参・上!」

「おま・・・たせ?」

 

大井に睨まれてひぃってなってる俺。そんな状況の中、最後の人型に小町が颯爽と登場しつつ、攻撃をするが普通に防がれてしまう。えぇーとなる小町に反撃しようとする新型にひふみ先輩のアステロイドが直撃して沈黙する。

ひぇーい!さすがはひふみん先輩だぜ!ヴェーダの展開のみに集中していた為、トリオンに余裕があったのと、新型からのマークが無かった為、あっさり撃墜していた。さすひふ!さすひふー!って言いまくっていたら顔を真っ赤にして恥ずかしがってた。かわいい。両手で顔を隠してもうやめて・・・とか可愛いらしく言われて、もう、結婚しよ?って思った。その後大井にはたかれたが。サーセン。

 

「ふう、比企谷隊、再び全員集合、だな」

「はい、皆さん無事で何よりです。」

「ふふ~ん♪よかったね~大井っち♪」

「お兄ちゃん!小町超活躍したよ!」

「よかった・・・疲れた・・・」

 

それぞれの無事を確認しあう俺達。いえーい!!

喜んではみたものの、北上と大井はトリオン枯渇寸前。戦闘状態に入れば数分でベイルアウトしてしまうとの事だが、B級合同部隊にチャージしてもらったため、北上のキャノンがフルチャージの3割、大井のディフェンサーがあと2分ほどシールドの展開が可能だそうだ。

 

いけるか?どうだろう・・・?そんな事を考えていると、すっかり存在をスルーされていた三雲がおずおずと発言する。あ、すまん・・・。

 

「先生、千佳が・・・」

「わかってる。お前が雨取を守るんだ。」

「はいっ!」

 

さぁ、基地まであと少し。最終局面だ。

俺、この戦いが終わったら、しばらく休むんだ・・・。

 

 

 

 




というわけで、戦争編25話でした。

再度合流とか時間的に厳しい感ありますが、いわゆるあれです。ワープしたのです。トリガー万能説!

比企谷隊活躍しすぎ疑惑がストップ高ですが、気にしないキニシナイ。

という訳で、次回もよろしくですー。


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比企谷隊の戦争26 最終局面開始

こんばんわ。戦争編26話です。

熱が夏い。ちがった、夏が熱いです。
思わず暑すぎて夏バテがぱなくてまったくぽちぽちするテンションにならなかったずら。

でも、今日は主人公の誕生日。

短いけどあげまする!!

はちまーーーん!!おめでとうーーーー!!



ー 基地南西部 -

 

「さて、それじゃあ基地に行きましょうか」

「いこ~♪」

 

ちょっと空気になってた三雲に忘れてた訳じゃないんだからね!?って感じで大井が行動指針を提示し、北上が元気に右腕を振り上げる。

北上に続いて小町もおー!と元気に応え、ひふみん先輩もお、おー・・と恥ずかしがりながら小さく右腕を持ち上げていた。もう、ちょう可愛い。んで、三雲がよろしくお願いします!とか言って思わず空気読めって思ったが、そんな事考えてる俺が一番空気読めてないので静かに右腕を上げるだけにした。

 

「基地まであと少し、敵の指揮官は出水と烏丸と米屋が抑えてる。ゲート美女に注意しながら行くぞ。ひふみ先輩?」

「うん、だい、じょうぶ。だいたいわかっ・・た」

「さすがです。んじゃその情報、出水達にお願いします。」

「わかっ・・・た!」

 

相手のトリガーの解析に集中していたひふみ先輩だが、ヴェーダのリソースを全力で注いでいた結果、ある程度の性能が把握できたようだ。

ふむふむ・・・ひふみん先輩から各員に送られた情報を確認しながら本部に向かう。

本部まであと少しとは言え、ゲートさんが居る以上どこかで必ず抵抗がある筈。新型も今のところこちらには来ていないようだし、気分はまさにスネークさんだ。だれぞ!段ボールをもてい!!

 

「ふぅ、これはまた厄介な・・・・」

「すごいねぇ?」

「うへぇ・・・これ小町にはきっついですねぇ・・・」

 

段ボールを探す俺をよそに、ひふみん先輩からの情報に目を通した各員の感想はそんな感じだった。

うん、だよね!これ俺と大井は相性悪すぎじゃね!?俺のファンネルとか大井のシールドとかキューブにされたら再構築するのに結構トリオン使うからなぁー・・・攻撃するにも防御するにもビットやられたらアボンしちゃう!

 

かいくぐって接近戦とかA級の変態組じゃないと厳しいだろうし、こりゃまいった!北上の掃射で一掃しか勝機なくね?

そう思ったが、ヴェーダの予測だと、圧倒的トリオン不足との返答を頂いた。ダヨネー。勝率2%とか昔の消費税よりも低い数値が出たのにはびびった。どうもここまでの戦闘で俺達のトリガーも解析されているっぽいのだ。つまり北上は超警戒されてるから、下手に撃ってもゲートさんあたりにカバーされる可能性大らしい。はい、詰んだ―。

 

「ま、まぁ、出水達が何とかしてくれんだろ・・・・」

「だ、だよね!」

 

ちょう他人まかせな俺の発言に小町も全力でうなずいてくる。ゼロを使ってもあの動物の森は回避しきれないと思ったんだろうな。さすがにキューブにされる未来しか見えん。もう少し動物を減らしてからならまだ何とかなりそうなんだが。

俺達にはあの魚ガードをくぐりぬけて攻撃を当てる変態性はないのだ。

そんな感じでなんとか対策を練ろうと考えていると、後方からベイルアウトの光が見えた。

ヴェーダからの情報を確認すると、出水がやられたようだ。さすがに出水でも厳しいかー・・・・。

 

「ハチ君・・・烏丸君が・・・」

「ガイストを使いましたか?」

 

俺の確認にひふみん先輩がうなずく。やっぱりこの展開になるかぁー・・・・。

迅さんの予知だと三雲と雨取が基地に入れるかどうかが未来の分かれ目になると言っていた。

ここから基地まではおよそ3分。だからこそここまで抑えて戦ってきた烏丸が全力を出せる。

 

「んじゃ俺達も急ぎましょうか、三雲、雨取をしっかりと守れよ?」

「はい!」

 

出水、烏丸・・・お前たちの死は無駄にはしない!

たとえ事ある度に3バカで絡んで来て、死ぬほど疲れてるときにランク戦やらされてうぜえな。とか思ったり、俺が小南と話すたびに嘘ついてキレた小南に噛まれたりして理不尽な思いをしまくって、ちょっと、かなりうぜえな。とか思ってたけど。お前たちの事は嫌いじゃなかったぜ。正直死ねばいいのにって思った事がない訳でもないけど、嫌いじゃなかったぜ・・・・。

 

そんな事を思いながらも基地に向かってヨーソローする俺達。段ボールは無いけど、いい感じに敵はやってこない。これはあれですね。絶対なにか狙ってますわ。

 

「さて、もうすぐ基地だが・・・」

「間違いなく、仕掛けてきますね」

 

俺のつぶやきに大井がリツイートしてくる。いいね!

全然良くないけど。

 

「勝てるかなぁ~?」

「小町達全員でやっても2%ですからねぇ・・・」

 

北上のつぶやきには小町が切ない現実を突き付けてくる。ほんとそれな・・・ゲートさんだけとか指揮官だけならそれなりの勝率があるが、この2人が組んだ場合、一気に勝率が低下してしまうのだ。まぁね?ブラックトリガーが組むとかそれなんてクソゲー状態だもんな。

 

「ううむ・・・・」

「ハチ君・・・・」

 

困ったことに、人生はそれなりにクソゲーで、今俺の目の前に迫って来ている問題をなんとかできないとバットエンド直行だからたとえブラックトリガー2人のクソゲーだろうと撃退する以外の選択肢はないのだ。・・・ないのだ。

うむむ、って考えている俺を気づかうように見てくるひふみん先輩。あ、先輩も対応策考えついちゃいました?でも、これ正直ないですわ。

しかし、そんな俺とひふみん先輩とのアイコンタクトを見逃さない堕天した女神がいた。

 

「なにか対応策を思いついてますね?」

「ぎくっ」

「ひぅっ」

 

大井のジト目の発言に俺とひふみん先輩がビクッとなってしまう。ついでにそれを見ていた三雲も超怖がってた。だよね。

 

「な、なんもオモイツイテナイヨ?」

 

ジト目で顔を近づけてくる大井に思わずキョドリつつ答える。ひふみん先輩もすごい勢いでうなずいていた。あ、あの、大井さんや?それ以上近づくとキスしちゃいそうなんですけど?

 

「嘘ですね」

「うそだねぇ?」

「んで?本当のとこは?」

 

大井、北上にサクッと嘘だとばれてしまう、なんでばれたし・・・・・。当然ですね。

小町にはよ言えと言わんばかりにあきれた視線を向けられてしまう。しかしなぁ・・・・。

 

「では、そうですね、北上さんのビームキャノンは小町さんに託します。私と北上さんが陽動で八幡さんとひふみお姉さまは弾幕を、小町さんがゼロを使って最適なタイミングで北上さんのビームキャノンで決める。というのはどうですか?」

「大井・・・」

「私達は早々にベイルアウトするでしょうから、それまでに決める短期決戦ですね。幸い、私と北上さん、八幡さんはここまでの戦闘で警戒されているでしょうから、小町さんの警戒はうすくなるはずです」

 

どうですか?と言わんばかりにドヤ顔の大井。

いや、俺もそんな感じの策を考えていたけど、大井と北上が危険にさらされるから採用したくなかったんだが。

そんなオレの考えを見抜いているのか大井が俺に向かって微笑んでいた。

 

「ふふ、あっていましたか?ではこれで行きましょう。大丈夫です、私達は信じていますから。」

「まっかせてよ!」

 

微笑む大井とグッとガッツポーズをとる北上。むう、そうくるか・・・・。

 

「それに、考える時間はなさそうですよ?」

 

大井がそう言うとベイルアウトの光が見えた。烏丸が落ちたか。むぅ・・・・仕方ない。

 

「小町、ゼロはまだいけるか?」

「うん。少し休んだから2分くらいはいけるよ!」

 

俺の確認に小町は元気よく答える。横でひふみん先輩もうなずいてるから嘘ではなさそうだ。それなら。

 

「よし、じゃあ北上はビームキャノンを小町に、代わりに俺のアイビスを渡すから大井と共に陽動だ」

「はい」

「りょうかーい」

「ひふみ先輩は小町のゼロを起動させるまでは俺と一緒に弾幕です。大井と北上に動物の森を行かせないようにしてください。」

「うん・・・。」

「んで、小町は北上と大井がベイルアウトする前にゼロを起動。タイミングを見て撃ってくれ。」

「あいあいさー!!」

「三雲、俺達が護衛できるのはここまでだ。かならず雨取を守れよ?」

「先生・・・・、わかりました!」

 

それぞれがやることを再確認しつつ、準備をしていると、ついにラスボスが出現した。

ゲートと共に現れたのは指揮官とゲート美女。それと新型が5体・・・・新型も!?

 

「見つけたぞ・・・」

 

ごごごごごって感じで現れた指揮官とゲート美女。

俺達は互いにうなずき合う。準備はした、対策もした。トリオンは心もとないが、でも、負ける気は不思議としなかった。

 

「いくぞ!作戦開始だ!!」

「「「「「了解!」」」」」

 

 

 

 




短いけど、今回はここまで!!なんとか今日まにあったー!

次回本編は決着まで書きまする!!夏バテがね!!ひどくてね!!

次回は頑張りまするので!!エタりませんのでご安心を!!

ついでに本日、もう一本番外編?行きます!


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番外編、八幡誕生日おめでとうの回!

こんばんわ!本日2本目の投稿です!!

夏バテの為全然書いてなかったけど、八幡の誕生日くらいあげてやんよ!と思いましてね!

急いで書いたので誤字脱字はご勘弁を!いつもの事でしたね!サーセン!!

本日は本編も上げておりますので本編は一個前を見て下され!
という訳で、誕生日くらいは八幡を甘やかしてもいいよね、という回です。どぞ!



ー とある日の比企谷隊 -

 

「ふぅ・・・・・」

 

防衛任務上がりのとある午後。俺は比企谷隊の隊室にてひとり録画してあるぷりぷりなキュアキュアを見ながらマッ缶を飲むというとても優雅でロハスな感じの時間を過ごしていた。

 

「この甘さ・・・口内にいつまでも残るくどすぎるほどの甘み・・・だがこれがいい・・・・」

 

あぁ、素晴らしきかな午後のティータイムならぬ、マッ缶タイム。

いろんな人に勧めたけどいまだに理解者が北上とか雷とか一部の人しかいないマッ缶だけど、それでも千葉を愛し、マッ缶を愛する俺は毎日のこの時間を大事にしていた。・・・・・していた。

過去形である。過去形なのだ・・・・・それは比企谷隊の堕天した女神こと大井さんがとても、大層コレをダメだと言ってくる為、今ではこうして大井がいない時にしか飲めないのだ。

だからこうして大井がいないのをいいことに一人マッ缶パーリィーとしゃれこんでいたのだ。

 

「ふぅ・・・うまい・・・・あっ」

「・・・・・・・・」

「・・・・・・・・」

 

しゃれこんでいたのだが、ふと視線を感じたので扉の方に視線を向けるとあら不思議。いつのまにやら大井さんが帰ってきていたらしく、ジトッとした目で俺を見つめていた。俺も思わず無言で見つめ返す。

 

「・・・・はぁ・・・またそれですか・・・・・」

「・・・・・はい、すみません」

 

とてもあきれたような表情でこちらを見つめてくる大井に反射的に謝罪する。してしまう。

俺ってばまじ大井さんに頭上がらなすぎでかなしい。

 

「いつも言っていますが、それは健康に良くないので控えるようにとお願いしたはずですが?」

「・・・・いや、まぁそうなんだが・・・」

 

そう、大井には俺の健康のためにと飲まないようにお願いされていたのだ。

そんな気遣いをしてくれる大井にはとても感謝しているのだが、千葉県民とマッ缶は切っても切れない関係なのだ。特に今日みたいに、タヌキに試作トリガーの試験をさせられて、加古さんのある意味当たりチャーハンを食べた上で防衛任務をこなし、ちょっと怖い表情で明日忍田さんとこに出頭するように命じられた今日みたいな日にはこれを飲んでないとやってられないのだ。・・・・はぁ、明日何言われんだろ・・・・。

 

「人生は苦い事ばかりなんだ、マッ缶くらい甘くてもいいだろ?」

「・・・・またそれですか・・・・しかし・・・・ふむ」

 

俺のいつもの決めセリフに大井はあきれたような表情を浮かべた後、考えるような表情を浮かべる。

 

「たしかに、少し仕事が多すぎたかもしれません。それに・・・わかりました。」

「え?仕事へらしてくれるん?」

 

いつものように説教されるのかと思ったら、大井さんからまさかの恩情が!え?まじで!?

 

「ええ、そうですね。それも検討しておきましょう。それと、着替えたいので5分だけ外に出てもらってもいいですか?」

「おう、わかった?」

 

おお、すばらしい!大井がまさか仕事を減らす方向で検討してくれるとは!!滅多に無い事に有頂天な俺は少し大井が頬を染めながら話していたのを軽くスルーしていた。

 

しかし大井が仕事を減らす方向に考えてくれるとは珍しいこともあるもんだ。あれか?なにかいい事でもあったんだろうか?

たぶんあれだな、北上関連でいい事でもあったんだろうな。とかそんな事をのほほんと考えていた俺はのほほんとしたまま、大井から入室の許可が下りて、特になにも思う事なく隊室のドアを開けるのであった。開けてしまったのであった。

 

「おかえりなさいませ、ご主人様」

「・・・・・・・・」

 

のほほんとドアを開けた先にはメイドさんがいた。超綺麗なメイドさんはとても綺麗なお辞儀をしながら俺を出迎えてくれた。

目の前の超綺麗な、大井によく似たメイドさんはお辞儀から顔を上げると、とても綺麗な微笑みを浮かべてくれる。少し頬が赤くなっているのが八幡的にポイント高かった。

 

「すみません、間違えましたっ!」

「あっ・・・」

 

とりあえず謝罪と共にドアを閉める俺。

ふぅー、ふぅー落ち着けよぉー俺。しっかりと深呼吸をして目をごしごしとこする。

隊室のドアを再度確認する、比企谷隊、よーし!

間違いない。うん、あれだ。さっきのはたぶん幻覚だろう。俺ってばたしかにクラシカルなメイド服とか大井と綾辻と那須に着せたいなぁ、なんで俺が着ないとなんだろうってずっと考えてたからな、たぶんその幻覚だ。うん。

そう自分に言い聞かせて再度ドアを開ける。

 

「おかえりなさいませ、ゴシュジンサマ・・・・こちらへどうぞ」

「あ・・・はい」

 

再度ドアを開けるとやはり綺麗なメイドさんがいて、思わずドアを閉めそうになったが、笑顔のセリフの裏で、次閉めたらわかってんだろうな?的な声が聞こえた気がしたので素直に従う。笑顔なのに超怖い。つか声低っ!なんで笑顔でこんな声だせんの!?

うん、あれね、大井に似てるなーとか現実逃避してたけど、どうやら幻覚ではなく現実のようだった。

え!?なにこれ!?なんなの!?大井は一体俺に何をしようとしているんだ!?

 

「それではご主人様、こちらへお座りください」

「あ、はい・・・・」

 

相変わらず笑顔のままの大井。ちょっと顔が赤いのがとてもキュートではあるのだが、一体何をされるのか戦々恐々な俺はビクビクしながら大井の勧めに従いソファに座る。

ビクビク、きょろきょろする俺に再度、最上級の微笑みを向けた大井はそのままお茶の準備を進めはじめた。

 

・・・だから!ナニコレ!!??なんなの!?!?!?!?

 

と叫びたいのを必死にこらえながら大井の様子を伺う。

どうしよう、すごくメイド服が似合いまくってるんすけど、これあれか?その服似合ってるな、とか言った方がいいのん?でもそんなの言ったら、はあ?何言ってるんですか、キモ。とか言われたりしないかな?

どうするのが正解なのん!?教えてよママン!!

 

「どうぞ・・・・」

「あ、はい・・・」

 

未だに少し顔を赤くしながらもやはりにこやかに微笑みながら紅茶とお菓子を出す大井と、それをビクビクしながら見る俺。

そんなびくびくな俺の隣に失礼しますといいながら大井が隣に座ってくる。すごい近くに座った。超いい匂いした。え、マジでなんなの!?

 

「ふぅ・・・・では、いきます!」

「え、マジでなん「あ、あ~~~ん」・・・・・」

 

肩と肩がぶつかるくらいの至近に座った大井は、静かに深呼吸をすると、キリっとした表情をしたかと思えば、クッキーを手に持ち、俺の発言にかぶせてとんでもないことをしてくるのであった。

え、だいじょうぶ?って心配したくなるくらい顔を赤くした大井はちょっと涙目になりながら俺にあ~んをしてきていた。

恥かしいならなぜやるし!?って思うものの、早く食べろという大井の視線に反射的に従い大井の手にあるクッキーを口にする。うむ、味がわからんね!

 

「ふ、ふふ、どうですか?おいしいですか?」

「あ、あぁ。うまい」

「そうですか、それは良かったです。それではもう一枚。あ~~ん」

 

顔を真っ赤にした大井は微笑みながら感想を聞いてくるが、さすがに味がわからんね。とかいえるわけもなくうまいと告げるとホッとしたような表情を浮かべる。そしてまたあーん。お前は鬼かと言いたい。なにが目的なんだー!?

そう問いただしたいのはやまやまだが、一枚目を食べさせて興がのったのか、大井はとても楽しそうに俺にクッキーを差し出している。なにが目的なのかは気になるものの、とても楽しそうに微笑んでいる大井に水を差すのもあれだ。

 

それからしばらく、大井が楽しそうに微笑み、ひたすらにクッキーを差し出してくるのを食べ続けるだけの時間が過ぎて行った。        

何がしたいのかはさっぱり不明だが。たまにはこういうのもいいかもしれんと思った。正直クラシカルなメイド服を着た大井超可愛いし。・・・そんな事言えんけど。

 

しばらくそうして過ごしていると机の上のクッキーが無くなっていた。

ようやく大井に聞けるかな?と思ったら、またもや大井が顔を赤くしながら深呼吸をしていた。あれ、なんかデジャビュ・・・・。

 

「ふぅ・・・・よし!ではご主人様。どうぞ・・・」

 

深呼吸をした大井は顔を真っ赤にしながら膝をポンポンとたたいていた。

 

「・・・・?」

 

ポンポンとたたく大井に何がしたいのか不明な俺はえ、なに?という表情を向ける。それをみた大井はちょっとムッとした表情をした後、おもむろに俺の頭を両手で持ち、そのまま自身の膝に頭をのせていた。ふぁっ!?

 

「お、大井しゃん!?」

「無駄な抵抗は辞めて下さい」

 

無駄な抵抗って・・・いやそのセリフこの状況で使うやつとちゃいますやん!?

あわわってする俺と顔を真っ赤にしながら俺の頭を自身の膝に押さえつける大井。まじで何なの!?

 

「お、大井・・・?さっきから何がしたいんだ?」

「・・・気持ち良くないですか?」

 

いい加減気になった俺はようやく疑問を大いにぶつけるが、大井は少し不安そうな表情で俺に問いかける。

大井さんや・・・そのセリフは危険だとおもうんだ・・・。

大井の無自覚なセリフに俺のミニ八幡が反応しかけるが、鋼の精神で押さえつける。

 

「いや、大井の膝枕はめちゃくちゃ気持ちいいんだが・・・」

「それは良かったです」

 

俺の発言に大井はホッしたような表情を浮かべて微笑んでいる。そんな表情を見て、俺の顔も赤くなっているのを自覚する。おおう、ハートのビートもやばい事になってるんですけど・・・。

 

「ふふふ・・・よしよし♪」

 

ハートのビートがやばい感じにドキコンドキコンしている俺とは対照に大井はまだ少し顔を赤くしながらも楽しそうに微笑みながら俺の頭を撫で始めていた。

 

「人生は苦い・・・・確かにそうかもしれませんね。でも・・・・」

「大井・・・?」

 

先程までの楽しそうな大井の表情はいつのまに少し悲しそうな表情になっていた。

 

「でも・・・・私は、私達はあなたに元気でいて欲しいのです。いつまでもそばにいたいと思っています。だから、甘さが欲しいのであれば私がこうしてあなたを癒します。ですからどうか、いつまでも・・・」

「・・・・・」

 

悲しそうな、それでも必死に思いを伝えてくる大井に俺は何も答える事が出来なかった。

マッ缶が健康に悪いからという話からなぜこんな告白みたいな事をされているのかさっぱり不明だとか、これもう大井ルートでゴールインじゃね?とか大井を見てると胸が高鳴るとかいろいろあるけど、とりあえずあれだ。

 

「その、なんだ大井・・・・」

「はい・・・・」

 

俺の言葉に瞳を潤ませながらうなずく大井。なんか空気がアレな感じになっているがとりあえずまずはあれなのだ。

 

「その、大井の言ってくれる事は嬉しい。俺もこれからは気を付けるようにする。だから、な?」

「はい・・・・」

「まずはそこで覗き見していてる小町に説教しないか?」

「・・・・・・そうですね」

 

俺のセリフと目線の先を見た大井は小町をとらえる。

すると小町はやばっ!言い逃げ出す。それをみた大井は深くため息をつきながら俺の発言にうなずく。

 

その後、逃げた小町を無事確保した大井は小町を正座させ、2時間くらい説教をするのであった。

 

「いつまでも・・・・・か」

 

大井のセリフを思い出した俺はそれからはマッ缶を控えよう、そう思うのであった。

 

 

 




という訳で、八幡の誕生日くらい甘やかしてもいいよね回でした!!

次回こそは本編と言いますか、大規模侵攻編も終わらせたいと思っています。

夏バテがひどくてまったく進まないですが・・・・。がんばります。

そんなこんなで次回もよろしくです


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比企谷隊の戦争27 大規模侵攻終了。

こんばんわ!戦争編27話です。

今回にて大規模侵攻を終了します。
次回からはその後の話を何話かやっていきまう。

俺TUEEもチートもないよと言いながら最後まで比企谷隊大活躍の戦争編。
他の隊はどうしたとか思うかもですが、あれです。新型の相手をしてたんす。

という訳で戦争編です。どぞ!



― 基地付近 -

 

「ファンネル!フルバースト!!」

「アステロイド」

 

敵の指揮官を前に、俺とひふみん先輩はならんで立ちながら攻撃態勢に入る。これあれね、なんか主人公とヒロインっぽくね?とか思ったりして。

まずは開幕の挨拶だ。俺のメイン、サブのファンネルを使ったフルバーストと、ひふみん先輩も同じくアステロイドをフルで放つ。互いに弾幕を張るのが主目的なので、威力を抑え、数を重視した攻撃を行う。いわゆる三雲の低速散弾を高速化した感じだ。

四方八方からせまる20機のファンネルの射撃に正面から迫るひふみん先輩のアステロイド。敵の指揮官も苦虫をかみ殺したような表情である。そりゃね!さすがにこの組み合わせでの弾幕射撃はうちの変態アタッカーどもでも回避不可の自慢の一品ですからね!そう簡単にはかわせませんぜ!まぁ、普通に防がれてるけどね!だがそれでいいのだ。俺達の目的は鳥ガードを削る事。ガンガン削って小銭の音がしなくなるまでジャンプさせてやんよ!いや、これは違うな。

しかし、俺達のちくちく攻撃をものともしない新型はそんなへなちょこ効きませんよ!と言わんばかりにこちらにまっすぐに突撃してくる。

ふっ・・・あまいな・・・・マッ缶の2歩手前くらい甘い。こっちはもう、本部前なんだぜ?

 

「第六駆逐隊、参・上!!」

「なのです!!」

「ハラショー」

「俺も混ぜてくれよな!」

 

新型5体に対して第六駆逐隊と米屋が戦闘状態に入った。

ちょこまか動く駆逐隊に新型が翻弄されて、その隙にうまいこと米屋が攻撃を加えている。まったく、小学生は最高だぜ!って感じだ。いや、あいつら小学生なのかわからんけど。

でもこれで数の優位はこっちになった。

 

「こじ開ける!大井!!」

「はい!!」

 

新型をうまい事第六駆逐隊と米屋におしつk・・・任せる事が出来た俺達は当初の予定通りに指揮官とゲート美女に攻撃を集中させる。

 

「対策済みというわけか・・・」

「隊長・・・」

 

こいつらの対策はとにかく細かい攻撃を息つく暇もなく撃ち続ける事だ。大きい攻撃はゲートで返されるから、小さな攻撃で十分なのだ。そして、そこからできた隙間に大井が滑り込んでいく。

 

「海の藻屑となりなさいな!」

「くっ!アレクト―ルの情報が伝わっているとはいえ、斬撃をくらうのは久しぶりだな」

「いっくよー!」

「させません」

 

大井の斬撃にひるんだ指揮官に北上がアイビスを構えるが、それをゲート美女がゲート&ニードルアタックで妨害してくる。

やはり、ゲート美女は北上を警戒しているようだ。それなら話は簡単だ。

 

「ひふみ先輩、作戦継続です。このままあいつらの注意を俺達に釘付けにします。小町、ゼロを起動だ」

「わか・・・った!ゼロシステム・・・スタンバイ」

「ゼロ起動します!」

 

陽動が成功しているのを確認した俺達は作戦の最終局面に入る。

ひふみん先輩がヴェーダを小町に使う事で、小町はゼロシステムを起動させる。

起動時間は短いものの、ゼロの未来予知は強力だ。確実に北上から譲り受けたビームキャノンを当ててくれるだろう。

 

「お兄ちゃんやばいかも!」

 

当ててくれるだろう・・・・え、だめ?防がれる未来しか見えない?まじで?

 

「倒しきれないっぽい!」

 

チーン!え、まじ?っていう俺の視線に小町が泣きそうになりながらうなずいている。まじかー・・・。

 

「それなら、ゲート美女のトリオンを削る方向で撃ってくれ」

「動物の森さんじゃなくていいの?」

「あっちは周りのキューブで自己再生出来るから後回しだ。まずはゲートを止める!」

「了解!フォーメーション、ブルーディスティニーでお願いします!」

 

え?なにそれ?って思う俺をよそに、小町の指示に大井と北上、ひふみん先輩が同時にはいっ!と答えていた。

どうやら俺以外のメンバーでひそかに訓練していたフォーメーションがあるようだ。

ま、まぁ?俺のファンネルって結構ランダムに飛び回るから連携しずらいのは認めるけどさ・・・疎外感を感じてしまう。あれ?目から汗が・・・。

 

「お兄ちゃん・・・・!」

「・・・・・お、おう」

 

牽制射撃を行いながらしょんぼりしていると、小町からテレパシーが送られてきた。

感じる・・・アホ毛を介して、みんなの、小町の思いを感じる・・・・ファンネルが連携に邪魔なんすね、さーせん。

小町の意思を感じ取った俺は、小町のアホ毛から俺のアホ毛に送られてくる指示通りにファンネルを飛ばす。

まぁ、小町が視線でひふみん先輩に合わせろって言ってただけなんだけどね!俺にニュータイプの素質は無いし、カテゴリーFでもないのだ。あほ毛で感じるなんて無理。言ってみただけだ。

 

「ハチ・・・君」

「合わせます」

「アステロイド」「ファンネル」

 

まずは正面から、俺とひふみ先輩によるアステロイドとファンネルの攻撃により正面の防御を薄くする。

これまでの連携と同じように、俺達がこじ開けた空間に大井が突っ込んでいく。

 

「死ねぇっ!」

「効果的ではあるが、そう同じ手がなんども通じると思うな」

 

かいくぐった大井の斬撃をマントとその下に隠していたハチのような虫軍団で防ぐ指揮官。

そのまま大井に虫が押し寄せてくるが、大井はディフェンサーを起動して虫を防いでいく。が、展開したシールドが端からキューブに変換されていってしまう。

 

「お前のトリガーは優秀だが、基点となるビットをつぶせばいい」

「おのれ・・!畜生使いの分際で・・・!」

 

指揮官の宣言通りにビットを狙われる大井。それでもここで下がる訳にはいかないと俺とひふみん先輩が弾幕を張りつつ大井の周囲の虫や鳥を撃墜していく。それにしても大井さんや、さっきから口悪すぎない?

俺と大井とひふみん先輩の3人がかりでも敵の指揮官一人を倒せない、ゲート美女は指揮官のそばで北上を警戒しているようで。先ほどから俺達の攻撃を防御するでもなく警戒のほとんどを北上に向けている。だからこそ、この一撃が通るのだ。

俺はひふみん先輩とうなずき合う。タイミングはーーー今。

 

「「メテオラ」」

 

俺とひふみん先輩の同時攻撃により、指揮官とゲート美女の視界を奪う。ここからだー

大井が指揮官に切りかかり、俺とひふみん先輩が指揮官とゲート美女へと半々で攻撃を放つ。こちとらあらかじめ視覚支援を受けてるんだっつーの!煙幕の中でも良く見える!

 

「くっこざかしい真似を!」

「隊長!」

 

ここで、これまで牽制のみに徹していた北上が攻撃態勢に入る。俺から受け取ったアイビスを臨時接続した北上が声を上げる。

 

「ふぉいや~~!」

 

北上の声に反応したゲート美女さんはとっさに北上のフルチャージの射撃を想像したのだろう。指揮官と共にゲートで回避する。そして・・・

 

「トリガー臨時接続・・・・発射!」

 

その回避先を予見していた小町がゲートから出てきたところをB級部隊にチャージしてもらっていたビームキャノンで打ち抜く。

やったか!?とかフラグを建てないようにしっかりと注意する。これで倒せないのはわかっている。どこまで削れるかが問題だ。

 

「ここまで追い詰められたのは久しぶりだ・・・見事だ」

「・・・すみません、隊長・・・」

 

おっ予想以上だな。ゲートさんの左手が根本から無くなっている。指揮官のほうも片手と片足にそれなりのダメージが入っている。それなりに動きずらくなっているし、トリオンもガンガン漏れてる。押すならここだ!

 

「「アステロイド」」

「ファンネル!」

 

北上は臨時接続していたアイビスを手放してひふみん先輩と同時に攻撃をし、俺はファンネルを放ちながら接近していく。知ってるんだぜ?お前はキューブで回復できるが、その間攻撃が出来ないだろう?だから、回復させねぇよ!!

 

「小町!」

「小町にお任せ!」

 

北上とひふみん先輩による牽制射撃により、指揮官の動物の森は大分さみしくなってきている。

北上と大井はもう数十秒もすればトリオン切れでベイルアウトするだろう。だから、ここが最後のチャンスである。

俺と小町、大井はアイコンタクトをとると俺と大井が連携し、指揮官に近接戦闘を仕掛け、小町はゲートさんの懐に飛び込んでいく。

ひふみん先輩と北上により、周辺の動物を削り、その隙に俺と大井がそれぞれ切りかかっていくが、さすがは指揮官である。それでも倒しきれず、決定打を入れることができなかった。

大井はもはやディフェンサーを展開するほどトリオンが残っていないため、スコーピオンのみ、俺はファンネルとスコーピオンで攻防をしつつ、大井のフォローをする。しっかし、こいつ、マジで硬いな!

横目で見ると小町がゲート美女を追い込んでいた。もとより接近される事がなかったであろうゲート美女だが、どんな攻撃も、死角からだろうが、なんだろうが、今の小町をとらえる事は難しいし、ゲートでショートジャンプをしてもすぐに小町が切りかかってくる。やりずらいってもんじゃないだろう。

そんな優勢な小町だが、欠点である起動時間の限界まではあとわずかである。北上と大井がベイルアウトして、小町のゼロが限界に来た時までに倒しきれなかったら、こちらには勝機はなくなってしまう。

 

「くそっ!倒しきれねぇ・・・」

「お、おのれ・・・・!」

「なかなか良い駒だ。ミデンの兵よ、ここまで健闘するとは思わなかったぞ」

 

くっそむかつく!なんだこの超上から目線!まぁ、俺達総出でかかっても倒しきれないどころか押され始めてるから上から目線も仕方ないんだけどね?

大井も俺と同じ気持ちなのか、見るからにイラついてらっしゃる。ひぇぇ・・・これすべて終わった後が怖いんすけど!?でもそんな大井もすでに右手がふにゃふにゃにされており、もはや戦闘継続は困難になっている。

だが、うちの堕天した女神がこのまま大人しく落ちるわけが無いのだ。

 

「畜生使いの分際で・・・、調子に乗らない事です」

「無駄なあがきを・・・・なに!?」

 

言葉遣いがべらぼうに荒くなってる大井さんが、玉砕覚悟で飛び込み、それを指揮官がマントとハチ軍団で防ぎそのまま大井に虫をけしかける。このタイミングでは大井はかわせない。

そう指揮官が油断した、その隙をつくように、大井の体ギリギリのところを北上のアステロイドが通り過ぎ、そのまま指揮官を貫いていた。

 

「ふっ油断大敵です。八幡さん、申し訳ありませんが、後はよろしくお願いします」

「ふふん♪あたしと大井ッちにかかればってね!でもこっちも限界だよ、後はよろしく~」

 

最後にデカい一撃を入れる事が出来た大井と北上がそれぞれベイルアウトしていく。

おう、後は任せろ。と答えながらさらに指揮官との距離を詰めていく。大井と北上のラストアタックにより、指揮官のどてっぱらに風穴があいた。回復さえさせなければ!

 

「このまま決めさせてもらう!ファンネル!」

「チっ!おのれ!煩いぞ」

 

俺の残りのトリオンも、小町のゼロもあと少しで限界を迎えてしまう。だからこそ、ここですべてを出し切る!

俺達がここで指揮官を食い止めている間にも戦況はこちらに傾いている。周辺の残党は残りわずか、ここで俺達が負けても後援の味方がすぐにくるはず。だから、ここだ。ここが使いどころだ。

 

「はっ!煩くて結構。千葉の兄妹愛、見せてやんぜ」

「なに!?」

 

シスコンを極めた先にある奥義・・・・ハチザムを使う!横で小町がゼロの限界が近いのか、苦い顔をしながら小町はそんなでもないけどね、とか律儀に突っ込んでくるが。照れ隠しだと信じる。

もはや後の事を考えなくてもいい状況で俺は加速した思考を全力で使い指揮官を追い詰めていく。

最初の頃の半分くらいまで削った動物共と、指揮官へのここまでのダメージにより、一気に俺が優勢になる。後詰めの指示を宇佐美経由で連絡しつつ、ひふみん先輩がこじ開ける空間で俺とファンネルが暴れまわっていた。

 

「ばかなっ!?」

 

加速した俺に驚愕したのだろう、指揮官が信じられん・・・とつぶやいている。

戦いの中で進化した系主人公っぽく見えたのか?俺は不敵にニヤリとかえしてやる。

 

「ヴィザ爺がやられただと・・・!?」

 

・・・・こいつだけは絶対殺すって思った。そう決意すると同時に空閑からすぐに援護に入ると連絡があったが、それまでにこいつだけは絶対倒す、絶許だ!

前後左右から10機のファンネルを展開して、鳥の隙間を縫うように攻撃をし、更に俺自身もその射撃を回避した先に回り込むように接近してスコーピオンで連撃を加える。

当然、スコーピオンも虫軍団によりキューブ化されるが、そんな事お構いなしに、さらにファンネルで攻撃。と終わることのない連続攻撃を加えていく。通常状態よりも思考が加速した今、敵の指揮官には動物を増産する隙も、回復する隙も与えない。

 

「オラオラオラオラオラオラぁーー!!」

「ぐぅ、ぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉーー!!」

 

加速する思考の先に見えた勝機に俺は咆哮を上げ、斬撃を加速させていく。さらに加速する俺の連撃についに、今度こそ指揮官が動揺をする。ここだ!

 

「スラスターON!!」

「なにっ!?」

「ちぇいさーーーー!!」

 

指揮官が隙をみせる、俺はファンネルを展開して、指揮官に組み付いたその瞬間。

今まで隠れていた三雲がレイガストをスラスターで射出し、指揮官と、俺のトリオン体を貫いた。ぐはぁ!

 

さらに俺はトリオン体が解除される前にファンネルを射出して俺と共に指揮官を串刺しにする。これぞ自爆戦術。テンさん死なないで攻撃である。・・・違うか。

 

トリオン体が強制解除された俺と指揮官はそのままにらみ合いながらバックステップで距離を取る。

 

「はっ!千葉の兄妹愛の前ではブラックトリガーも無力だな」

 

ベイルアウト機能の無い俺は生身で戦場に立つという正気を疑いたくなるような状況だった。超怖い。これ新型がきたら真っ先に殺されちゃう!しかし、そんな雰囲気など、おくびにもださずに敵の指揮官を挑発する。ちょっとひざが笑ってるくらいは勘弁してほしい。

 

「おのれ・・・・!!」

 

めっちゃにらんできて超怖いが、これで撤退せざるおえないはずだ。

もはや小町もゼロを停止させてゲート美女から少し離れたところでひふみん先輩に介抱されている。おそらくゼロの使い過ぎで気を失いかけているのだろう。ふらふらしているのが見える。

こっちももう戦闘継続は出来ない。たのむ、ここで撤退してくれ!!

 

「ここまでだ、こっちはもう自陣前だ。今の俺達にあんたらを追撃する余裕はないが、すぐに増援が来るぞ?撤退してくれるならありがたいんだが?」

 

ありがたいどころか是非是非帰っていただきたいところだが、ここは強気で行く。

実際、すでに空閑がすぐそこまで来てる。万が一ゲート美女が戦闘態勢に入ったとしてもあいつに任せておけば問題ない。三雲もひふみん先輩と合流してるし、第六駆逐隊と米屋も残りは新型1体のみ。

 

「いいだろう・・・今回はこちらの負けだ。まさかミデンの戦士にここまでやられるとは思わなかったぞ・・・」

「はっ!そいつはどーも」

「貴様の名を聞こう」

「・・・・比企谷八幡」

「比企谷か・・・俺の部下になる気は?お前なら俺の右腕になれるだろう」

「断る」

「そうか、残念だ」

 

全然残念そうじゃないんですけど?なにその次は絶対殺すって感じの目は・・・。

もう来ないでくれませんかね!?そんな俺の視線を理解しているのか、不敵に笑い返してくる指揮官。

 

「俺の名はハイレイン、次は比企谷、お前を殺してやろう。」

「そりゃ勘弁だ」

「ミラ、撤退するぞ、ヒュースは予定通りここに置いていく」

 

その言葉と共に、ゲート美女と指揮官がゲートの先に消えていく。

なにやら最後に気になるセリフを言っていたがそれどころではない!俺はゲートが消えるのを見届けると、ひふみん先輩に支えられている小町の元に走る。ええい、トリオン体じゃなくなったから走るのが遅い!!

 

「小町!!」

「は~・・・い、小町だよ・・・。」

 

ふらふらしている小町を俺は抱きしめる。

 

「小町、大丈夫か!?」

「だいじょばない・・・お兄ちゃんは?・・てかなんでトリオン体壊されてるのにベイルアウトしてないの・・・」

 

ゼロを使いすぎた事による後遺症で頭痛がひどいのだろう、しかめっ面で答える小町。そのまま今度は俺に詰問してくる。あ、その表情はゼロによる頭痛じゃなくて俺によるものですか、え?半々?すみません・・・。

 

「ま、まぁ、ほら。それはあれだ。とりあえず小町は休め。ゼロの後遺症がひどいんだろ?」

「お兄ちゃんのせいでさらに頭痛がするんだけど?・・・まぁ、でも・・・あとで・・・・せっきょ・・う・・」

 

おおう・・・気を失う直前まで俺を問い詰めるとは、さすがは小町だ。ちがうか?

まぁいいや。それよりも問題は・・・。

 

「ひふみ先輩、三雲」

「な・・・に?」

「はい」

 

俺は真剣な表情を2人に向ける。そんな視線を向けられた二人は緩んでいた表情を引き締める。

 

「すまん、俺も、もう限界・・・ハチザムの影響が・・・」

「くす・・・わかっ・・・た」

「え?え!?」

 

小町に休めって言った手前で大変申し訳ないが、俺もトリオン切れとハチザムの影響で、もう意識を保ってられそうになかった。

そんな俺のセリフにひふみん先輩は笑ってうなずき、三雲はよくわかってないのか頭にはてなマークを浮かべている。すまん、ひふみん先輩に聞いてくれ・・・あ、でもひふみん先輩もしゃべり疲れてるや・・・・ごめん。たぶんその、なんだ?大井に聞いてくれぃ。

 

そう言いたいのはやまやまだが、俺の意識はすでにほとんどブラックアウトしていた。

ふらりと倒れそうになる俺をなんだかとても柔らかくて、いい匂いのするなにかに受け止められる。とても安心するそれに俺は意識を失っていく。

 

「ふふ・・・お疲れ・・様。ハチ君」

 

最後になにか聞こえた気がするが意識を失っていくおれにはその声が聞こえなかった。

 

そして、俺達の戦争が終わった。

 

 

 

 

 

 




という訳で戦争編27話でした!

大規模侵攻が終わり、次回はその後のお話。
ランク戦編はやらないけど。トータル100話になるまではなにかしら番外編を書きたいなと思っていたりして。

ちなみに、細かいところつっこみだすとキリがない大規模侵攻ですが、いつものようにヘーフーンという感じで流してもらえると助かります。

Q、新型多くない?
A,性能を原作より下げて、その分数を増やしています。北上の一撃で大量撃破が書きたかったんや。

Q,他の隊員は?
A,新型が大量にいたからその対応です。三輪の特級戦功は消えた。

Q、比企谷隊いろんなとこにいきすぎじゃない?
A,ワープです。

Q,なんで八幡トリオン回復したん?
A、きよひーのブラックトリガーの能力です。

と、個人的に無茶したな、ってとこはこんな感じです。他にもあるかもですが、笑って流してください。レプリカいなくなってないとかあるけど、流してください。

それでは次回、大規模侵攻終了ごのお話です。
あと少しお付き合いいただければと思います。


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比企谷隊の戦争28 大規模侵攻後、その1

こんばんわ。戦争編28話です

今回は戦争後のお話。もう一話戦争編やったらアフターの話やります。

いろいろとぶっとんだネタをやるかもなので、いつも通りあまり期待せず、ヘーフーンと見ていただければと思いまする。

でも、今回は戦後処理の話。
論功行賞とか記者会見の話を今回と次回でね!


ー 比企谷隊隊室 -

 

「1枚書いては小町のため~、2枚書いては小町のため~」

 

3枚書いてはマイスィートアルティマキュート小町のため~と歌いながら目の前に積まれた鬼のような書類の山を目を腐らせながら突き崩していく。

しかしなんだこれ?おかしいでしょ?書いても書いても終わらないんだけど?

大規模侵攻が終了してから早4日、マスゴミ、もといマスコミの記者会見が3日後に控えている為、マスコミ用の先の戦果報告という名の報告書の作成をしているのだが、この量おかしいでしょ・・・。

ぶっちゃけ特大の爆弾ももう一個あったりするが、これに関しては今はまだスルーだ。しかし・・・。

 

「まじでこれあと3日で終わらせるのとか無理でしょ・・・・」

「がん・・ばろ?」

「そうです、ぶつくさ言う暇があれば書類を進めて下さい・・・」

 

山脈のように積まれた書類の山を前に俺が世の無情をぐちると、女神ひふみん先輩がやわらかな微笑みをうかべながら励まし、大井がいつものように淡泊に返してくる。

 

当然2人も俺に勝るとも劣らない量の書類を処理しているが、やはり大規模侵攻終了からひたすらにデスクワークをしている為、疲労の色が濃く見えていた。

 

そんな俺を見かねたのか隊室にいる4人目の少女が静かにそれぞれの飲み物を置いてくれる。ありがとうと告げると彼女もにこやかに微笑み頑張ってくださいと返してくれた。正直笑顔が大変可愛らしくて癒されるが、彼女が爆弾の原因なので、しばらくはスルーである。大井とひふみん先輩の視線がたまに痛いがスルーなのだ。

 

そんなつらい状況でも俺にやさしく微笑んでくれるひふみん先輩まじ女神!さらっと返していた大井もなんだかんだで書類の合間に食事を作ってくれたり他の隊員と連携を取ってこまごまとした戦後処理をしてくれたりと各部署との折衝をしている分、俺よりも大変かもしれん、それでも泣き言ひとつ言わずに仕事にいそしんでるのだから頭が上がらない。

 

「わかってる。小町に怒られちまうからな、せいぜい社畜のエースとしてビシバシ働くさ」

「ええ、その通りです。小町さんと北上さんの為にもしっかりとやらないとです」

「ふふ、すぐに・・・起きる・・よ?」

「ですね、小町が起きたときに仕事が残ってたら今度は何させられるかわかりませんからね」

「頑張ってくださいまし」

 

うふふ、とかわいらしく微笑みながら俺を励ましてくれる女神マジアルティマキュート。きゅんきゅんしちゃう。

いまでこそこんな感じに話が出来ているが、大規模侵攻翌日は大変だった。

 

トリオン切れかつ、ハチザムの影響で気を失っていた俺が目覚めたのは翌日の事だった。

その時点ですでに報告やら事後処理でてんやわんやのボーダー内において、我が比企谷隊は大規模侵攻の始まりから終わりまで大活躍(不本意)だったため、報告書の量が半端なかった。

報告書にレポートに、マスコミの対応に、今後のうんたらかんたらと、とんでもない量の書類が俺をまっていたのだ。

そこまではまだ、想定内だったのだが、問題は大規模侵攻の翌日になっても小町の目が覚めなかったことだった。いやまぁ、もう一つ、さりげなくいた少女も大問題だったのだが。

本部内での対ブラックトリガーと、最終局面でもゲート美女の相手をするのにゼロシステムを使用したことで、想定よりも小町の脳に負担がかかっていたらしい。

時間制限があったはずだったが、最終局面でゲート美女の相手をするのに限界を越えて使用していたらしい。目が覚めない小町におろおろしていた俺に大井とひふみん先輩が教えてくれた。

2人が言うにはかなり脳に負担がかかっていたらしく、目が覚めるのに時間がかかるかもしれないとの事だった。

小町が目ざめない事に最初こそ激しく動揺した俺だが、小町が無理をしているのを知りつつ、あの時点で小町以外にゲート美女を足止め出来ないために止めることが出来なかった。とひふみん先輩に涙ながらに謝られ、大井にも励まされて今では無様を晒して小町に怒られないようにしようと考えられるようになった。

ほんとに、俺にはもったいないくらいの仲間である。

 

そうして2人に励まされた俺は、もう何も怖くないと書類の山に向かい勇猛果敢に取り組んで、大井とひふみん先輩と共に強大な敵に立ち向かっていた。

そして、俺達が書類と格闘している間、北上には医務室でいまも眠っている小町の様子の看病をお願いしていた。そして、しれっといる少女はいったん受け入れて、問題を後回しにした。

北上に小町の看病が出来るのか不安ではある。むしろ小町と一緒に寝ていそうでもあるが、だからと言って北上に書類仕事は絶望的だったのだ。

大井かひふみん先輩がいないとか、マジ無理な書類の量なので消去法である。もちいろんそんなこと大井に言ったら後が怖すぎるので言わないが、つまりあれだ。どれだ?だめだ、もはや疲労と寝不足でなんだか思考が纏まらない・・・いつもか。

いつの間にか隊室にいた角の生えた少女の件とかなぜかボーダーに認識されてないからスルーしてるが、こちらも頭の痛い案件である。

そんなことを考えながら書類を片付けているとどうやら来訪者きたようだ。はいはい、絶賛社畜中のはちさんですよー。来訪者を出迎えようとした頃には角の生えた少女、清姫さんの気配が消えているのを確認した俺はドアを開く。

 

「こんばんわ、比企ヶ谷君。実はお願いがあってねーーーー」

 

それは、事実上もう2〜3泊徹夜しろよ。と言ってるのとど同義のセリフだった。

ふ、ふざけんんあぁぁーーーーーーーーにゃんでこんなにゃ書類ばっかでさらにやらにゃならんのじゃぁぁぁーーーーー!

と、全力で脳内で叫びつつ、俺は当然のようにそのお願い(強制)を受諾するのだった。

もうね、あんなん言われたらしゃーないやん?はぁ・・・・。あ、清姫さん、あざっす。うん、おいしい・・・。

いつの間にか気配を戻した清姫さんが差し出すどらやきを頬張りつつ、大井に視線を向ける。清姫さんの件はしばらくスルーなのだ・・・。

 

「大井、スマンが・・・」

「わかりました。それなら私が交渉してきますが、当日は八幡さんがお願いします」

「むぅ・・・まぁ、そうなるか。了解だ。」

 

とりあえず、大井にある程度の指示を出す。俺には交渉事は無理なので、そこんところは大井にお任せなのだ。

こんな時小町がいればと思ってしまう。交渉事には小町が最強なのだ、ちなみに俺とひふみん先輩は戦力外通告を受けている。仕方ないネ。

 

「あ・・・そう、いえば。」

「なんです?」

 

そんな会話をしつつ、今後の事を考えていると、ひふみん先輩が何かを思い出したようだ。

女神ひふみんによると、今回の論功行賞が発表されたようだ。ほぅ・・・・。

ぶっちゃけそれどころじゃないが、少し息抜きもしたかったので俺とひふみん先輩と大井で発表内容を確認する事にした。まぁ、今回そうとう働いたし、ブラックトリガーも倒したしでかなり期待できる。

 

「どれ、確認するかね・・・・・」

「ふふふ・・・・今回はかなり頑張りましたからね。これで北上さんに新しい服を買えます」

「みんな・・頑張った・・!」

 

うんうんとうなずく清姫さん。まじでこの人さらっと居るんだけどマジでどうしようかな・・・・。とか思うものの、とりあえず論功行賞を確認するのを優先する。現実逃避ではない、ないのだ・・・。

 

「んじゃま、いくぞ・・・・」

「は、はい・・・」

「どきどき・・・・ごくり」

「楽しみですわ」

 

俺がPCの正面、右に大井、左にひふみん先輩、俺の肩にそっと手を置いて画面をのぞき込む清姫さん。

大井はそうとう期待しているのか画面に頭をぶつけんばかりに近づけていて、その結果、肘と肘がかるくぶつかって、ともすればたゆんとしたものにまで触れそうで、違う意味でどきどきしてしまう。

左のひふみん先輩も、期待度の高さが伺える。どきどきとかごくりとか口で言ってるあたりに俺を萌え殺す気なのかと疑いたくなるが、可愛いので良しとする。俺の目の前ではらりと流れる髪がいろっぽい。こちらもどきどきがとまらない。

んで、後方の清姫さんは俺の肩に軽く体重をかけて画面をのぞき込んでいるように見えるが、そもそもうちの隊じゃないし、なんならボーダーの人間でもない。さらに言うと今回敵対していたはずなのに、いつの間にか我が隊室にいた。今も画面を見るふりをして俺の髪の匂いをこれでもかと嗅いでいて、横の2人とは違う意味でどきどきしている。

そんな感じでいろんな意味でどきどきしているのをごまかすようにPCから今回の論功行賞を確認する。

 

ー 論功行賞 ー 

 

特級戦功 

B級教導隊(比企谷隊) 北上

B級教導隊(比企谷隊) 比企谷八幡

S級(ブラックトリガー) 天羽月彦

玉狛支部 空閑遊真 

 

「しゃーーーんんなろぉぉぉーーーーーー!!!!・・・・おっと、失礼しました。」

「あ、あぁ・・・・」

特級戦功の部分で大井が見た事もない奇声を上げてガッツポーズをしていた。・・・すぐにいつもの感じに戻っていたが。正直目の前でがばっと動いた結果目の前でたゆんたゆんしているものに目を奪われていたとか言えないので気にしてないよと答える。あ、ちょっと、清姫さん?肩が痛いんすけど?あと後頭部になにやら柔らかいものがあたってるんすけど?

いろんな意味で姿勢をかえれなくなったので、俺は鉄の意思でもって続きを見る事にした。

 

一級戦功 

B級教導隊(比企谷隊) 大井

B級教導隊(比企谷隊) 滝本ひふみん

B級教導隊(比企谷隊) 比企谷小町

玉狛支部 迅悠一

玉狛支部 小南桐絵

A級5位 嵐山隊 

玉狛支部 三雲修

 

「おおう・・・・・」

「はうぅ・・・・・」

 

予想していたとは言え、比企谷隊オールスターズ参戦である。やべぇ・・・。しかも左のひふみん先輩が顔を赤くしてもだえている。かわいい、ひふみんまじひふみんって俺が言い過ぎたせいだろうか。どうやら本部でもひふみんが定着してしまっていたようだ。反省はしているが、後悔はしていない。

2級戦功の方を見ていくと、レイジさんやら烏丸やらおっきーがいた。とにかくいっぱいいた。みんな頑張った!って感じか。何人かの活躍の場を奪っている気がしないでもないが、そこは気にしたら負けだと思った。

 

「んで、詳細の方は・・・・?」

 

北上 本部基地南西部から南部にかけて多数の新型を撃破、その後A、B級と共に人型を撃破し、本部前の攻防でブラックトリガーの撃破に大きく貢献した。新型撃破数 108 報奨金150万 S級に認定

 

比企谷八幡 本部基地南西部をほぼ比企谷隊のみで防衛、その後部隊を分割しそれぞれ人型の対応をするよう指揮をする。さらに人型ブラックトリガー2体を撃破、奮戦した。新型撃破数 15 報奨金150万 S級に認定

 

「おおう・・・・って、んん!?S級!?」

「えぇ・・・?なんですか、これ?」

「すごい・・・ね?」

 

いやいや、すごいねってチパチパしてる場合じゃないですよ、可愛いけど。

なんだこれ、S級に認定ってなにそれ?ブラックトリガーじゃないんすけど?というか北上の撃破数がおかしい事になってる。単独で6割の新型を倒してるんすけど・・・。

 

「ふむ、なになに・・・今回の戦果を元に、比企谷隊の比企谷八幡、北上をS級に認定する。・・・つまり、単独でブラックトリガーに対抗できると認定されたという事ですね。幸い部隊は教導隊としてそのままでいいみたいですから良しとしましょう。給料も手当がつくみたいです。」

 

よかったですとにこやかに微笑む大井だが、俺はそれどころじゃない。まじか、まじなのか・・・忍田さんか!?それとも城戸司令か!?俺にうらみでもあるのかよ!いや、まぁ、今回結構迷惑かけた感あるし、なんなら俺の後ろでくんかくんかしてる特大の爆弾もあるからちょっと、かなり文句言いずらいけど!これ言った後降格されるよね・・・さすがにクビは無いと思いたい。

ま、まぁ?それもまた今度にしよう、続きを見よう。現実逃避じゃ・・・

 

大井 本部基地南西部から南部にかけて新型撃破に貢献、南部の人型戦では多くの隊員を守り人的損害をゼロにした。その後本部前の戦闘でもブラックトリガーの撃破に大きく貢献した。 新型撃破数 5 報奨金80万 A級に昇格

 

滝本ひふみん 戦闘開始から戦況の分析、情報収集に努め、新型、人型、ブラックトリガーそれぞれの情報、対策に大きく貢献した。 新型撃破数 2 報奨金80万 A級に昇格

 

比企谷小町 基地南西部の戦闘支援後ボーダー内に侵入したブラックトリガーを撃破、さらに本部前の戦闘においてもブラックトリガーの撃破に大きく貢献した 新型撃破数 3 報奨金80万 A級に昇格 

 

・・・なるほど。つまりなんだ?俺と北上がS級で大井とひふみん先輩、小町はA級?つまりなに?もう同じ隊でA級とかB級とか関係ないかんじ?

 

「え?なにこれ?なんていじめ?」

「つまり・・・・比企谷支部?」

「・・・・・・は?」

「まぁ、そういう可能性もあるでしょうね・・・」

 

え、なにそれ・・・・めんどくさいんですけど?なにその支部。隊員俺達しかいなくね?あとは・・第六駆逐隊とか?

なんかわかったような顔して大井とひふみん先輩がうなずいてるけどやだよ?っていうか城戸司令もいつだったかなんか牽制してきたし、やらないよ?

 

「まぁ、その辺はまた今度確認しましょう。とりあえず目下のところはマスコミ対策の報告書の作成ですね。」

「だ、だな・・・・とりあえずいろいろと後回しにしよう、いろいろとな。」

 

よーし!と張り切っている大井とひふみん先輩が仕事に戻っていくのを見届けつつ、いまだにクンクンしている清姫さんをやんわりと引き離しつつ、お茶が飲みたいと言ってみる。すると嬉しそうに微笑みながら清姫さんはお茶を入れに行く。

いや、もうこれどうしよ?逆に支部化した方が楽な気はするけど、いやだなぁ・・・また仕事増えそうじゃない?ホントこれどうなんの?

 

 

 




という訳で戦争編戦後の話でした。

清姫さんはしばらくスルーして下さい。アフターでやります。たぶん。
そして新型撃破数、北上がすごいことになってますが。スルーして下さい。
そしていろいろと活躍の場が奪われた人たちはだいたい2級戦功です。全部書くと長くなるのでメインどころのみ書いてます。察して下さい。

スルーして下さいばっかですが、仕方ないのです。ほんとすみません。
ほんで、次回が記者会見のお話。
ここでも比企谷隊がはっちゃけます。たぶん!

そんなこんなで次回もよろしくです~


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比企谷隊の戦争29 記者会見

こんばんわ!戦争編29話です。

これにて戦争編完結です。ついでに本編も完結です

わーぱちぱち。

ざっくりほぼ2年くらい書き続けていたこのシリーズも一応の完結です。(2回目)
なんとなく始めたシリーズですが、なんだかんだでエタラズに書けて良かったと思います。

それでは戦争編、ラストです。どぞー



ー 記者会見会場 -

 

「ようし、そんじゃまぁいくかね」

 

重い気分を打ち消すようにつぶやく俺にうなずく少年、少女達。

みな、緊張した表情でC級のトリオン体に換装していた。

そんな彼らに向き合いながら本日の確認をする。

 

「確認だ、今日の任務は会場の警備だ。いまだ侵攻してきたとこが近くにいるからな」

 

真の目的は別にあるが、そういう名目で集まってもらっている。

これからの事を考えると申し訳ない気持ちがある。辛い事になるかもしれない、それでも皆、強い意志を持ってうなずいてくれる。

 

「お前たちにとっては辛い事かもしれん・・・それでも」

「それでも、僕たちに、僕たちでも出来ることがあるならやりたいです」

 

俺の言葉にかぶせるように話したのは一人の少年だった。彼は確か、三雲のクラスメイトだったか。

それに続くように他の少女も口を開く。

 

「そうです、私達に出来る事ならなんでもやります!」

 

少女の言葉に他の隊員達も俺も、私もと続いていく。

そうだ、これが三雲の守ったものだ。

だからこそ、今回の本部のやり方を認めるわけにはいかない。

まっすぐに努力するあいつをここで失わせはしない。

 

「助かる、それとよろしく頼む」

 

だからこそ、三雲の為に集まってくれた彼ら、彼女らの為にも、と思うのだ。そんな気持ちを込めて俺は頭を下げた。

 

「それじゃあ各員、配置についてくれ」

「「「「「はい」」」」」

 

 

 

 

 

 

会見は始まってから何分くらいたったのだろうか・・・・。

いまだにキツネのおっさんの報告が続いている。

正直、眠い。・・・失敗した、今日の朝までかかっていろいろと準備してたもんで、寝不足がぱない。

寝不足のおかげで緊張感が薄れているというメリットもあるが、眠いものは眠いのだ。

 

そんなこんなでしばらく過ごすとついにその時が来た。

そう、記者からの質問タイムだ。

 

大規模侵攻前のイレギュラーゲートで死者18人、重軽傷100名以上、建物への被害も多数。

今回の大規模侵攻でさらに民間人の死者は何とか0名だが、重軽傷者80名、ボーダー内で死者4名、重傷6名、行方不明25名という結果に記者はこぞって文句を言いに来るだろう。

 

最初の記者がボーダーの防衛力に疑問を呈するとか抜かしてるが、ふざけるなと言いたい。

こちとら文字通り、命がけでやってんだぞコラといますぐ胸ぐらをつかみたくなるが、我慢なのである。

 

キツネのおっさんも自信満々にまったく問題ないね!といってらっしゃるじゃないですか、そうだそうだ、言ってやれー!ていうか、今回の規模、前回の大規模侵攻の10倍以上だったのね、そりゃ5倍くらいを想定して置いたトリオンタンクが足りなくなるわけだよガッデム。

いやまあ、報告書を書いてた時点で気づいてたけどさ。

そりゃ被害をゼロに出来なかったのは悔しいが、今回のような敵側が圧倒的有利な防衛戦において、完全に被害ゼロとかむりだと思うのよ。それこそ開幕でイルガ―を四方に飛ばされたら民間の死者100名越えもあったと思うし。

C級狙いだったからこそこの被害で済んだとも言える。

もちろん、そんなこと言える訳もないけれど。

 

それ以降も記者がボーダーが悪い、という風に持っていこうとしているが、キツネのおっさんはのらりくらりとかわしていく。

そして、そんなやり取りが続く中、ついにキツネのおっさんの仕込みが始まった。

それは、訓練生は緊急脱出が出来ないとネイバー側に知られた事に対してだった。

 

そう、イレギュラーゲートの時、三雲が中学校でC級のトリガーを使用して撃退したことで敵側に漏れたのではと、矛先をボーダーから三雲へと誘導しようとしていた。

 

ふざけるな!雨取の為、雨取の兄、友人をを取り戻すために必死に戦っている三雲をスケープゴートにしようなどと認められるか!

トリオンの才能が足りず、それでもあきらめずに必死に戦い、クラスメイト達を命がけで守り、今回も雨取を無事守り抜いた三雲が、手ぶらで帰らせたら何書かれるかわからないから分かりやすいネタを提供するためにつぶされるだと!?そんなもん、却下に決まってる。

 

事前の会議でこれが決まった時、沢村さんと唐沢さんが俺に教えてくれたのだ。そもそも俺が三雲にトリガーを使用するように指示したのに、それを無いものとして三雲にすべてを押し付けようとしている。そんな本部の、城戸さんとキツネの考えを許すわけにはいかない。

 

「よし、フェイズ2だ」

『了解です』

 

まずは、ヒーローを召喚する。

あいつのまっすぐな姿勢をここで失う訳にはいかない。だから、三雲に反撃の機会を与えた。

 

突然記者会見の会場に現れた三雲に騒然としている。キツネのおっさんも驚いている。

静止しようとしているキツネを無視して三雲がマイクの前に立った。

緊張した、それでもなにかを決意したような力強い目で正面を向いて口を開く三雲の姿には数か月前までの自身の無さは伺えなかった。

 

「三雲修です。今の話に出てきた学校でトリガーを使用した訓練生は自分です」

 

質問があれば直接答える。そう告げた三雲に場はさらに騒然とする。

どこかの記者が元凶の・・・とか抜かすが、忍田さんがとっさにフォローをしてくれる。

そうだ。三雲をスケープゴートにしようとしたのはあくまでキツネと城戸さんだ。タヌキは知らんが、おそらくタヌキもだろう。だが、忍田さんと林藤さんは三雲を守ってくれるだろう。

 

そんな事を考えている間にも三雲の行動によって、トリガーの情報が洩れた疑いがあるという記者に、三雲は正直に答えている。

相変わらずの馬鹿正直さではあるが、それがコイツのいいとこだ。頑固で、馬鹿正直。だからこそ俺はこの理不尽な状況をそのままにすることは出来ない。

 

「情報が漏れていたとしても、トリガーを使っていたと思います。それくらい切迫した状態でした」

「その結果、その先さらに犠牲者が出るとしてもか!?」

「はい、その先で被害が広がろうと、目の前のクラスメイトを見捨てていい理由にはなりません」

 

記者の理不尽な物言いに三雲は毅然として返している。

だが、もう我慢ならん、そう思った俺が指示を出すまでもなく、三雲の前には今日の記者会見の為に集まっていたC級達が立ちふさがっていた。

どの少年、少女達も目にいっぱいの涙を浮かべながら三雲を守るようにしてる。

そんなC級達を前に若干ひるんだが、記者は発言を続けていた。

 

「な、なんだね君たちは、今はその三雲君のせいで多くの犠牲者が出てしまった事に対して追求しなければならない。さがりなさい」

「下がれません、三雲は俺達を守る為にあの時戦ってくれたんです」

「なっ!?」

 

記者に対して、答える三雲のクラスメイト。

そう、あの時三雲がC級でありながら、規定違反だと知りながらも助けようとした、三雲の中学校にいた少年、少女達が記者の前に立ちふさがっていたのだ。

 

「みんな・・・・」

「へへ・・・あの時、三雲は規定違反なのを理解して、しかも、死ぬかもしれないってわかっていながら俺達を助けようとしてくれたんだろ?だから、今回は俺達が守ってみせるぜ!」

 

実はこの流れがだいたい全て台本通りだと、誰が思うだろうか。

ふと、三雲のクラスメイトのボーダー大好き少年、三好君のすばらしい演技を見て、そんな事を思ってしまった。

握手とサインのみでここまで協力してくれる彼と彼のクラスメイト達には頭が上がらない。まぁ、小町に握手求めてきたときには張り倒しそうになったけど。おっと、思考がそれた。

さて、そろそろ俺の出番だろう。

 

「いいかげんにしたらどうですか?」

 

俺のその発言に会場全員の視線がこちらを向く。

さぁ、ここからは俺の、俺達のターンだ。

 

「あなた方は、三雲が命がけで救った中学校の生徒達にあの時に死ぬべきだったと言ってるようなものですが?そこんとこどうなんです?」

「な、なんだとっ!?」

「当時、我々ボーダーはネイバーからの新手の攻撃に翻弄されていました。三雲がいた中学校だけでなく、警戒区域外で同時に複数のゲートが発生し、さらに大型のイルガ―により多大な被害を出してしまいました」

 

そう、あの時、多方面からの同時攻撃があったのだ。しかも警戒区域外で。そんなもの、俺達が言ってはいけない事だとわかっていても、それでもあえて言うなら防げるわけが無い。悔しいが、俺達の力不足だった。

だが、それでも三雲は何とかしようとしたんだ。本来俺達正隊員がうけるべき批判を三雲にうけさせるなど許せるか。

 

「そして、三雲がいた中学校には当時ボーダーの正隊員がたどりつくまでに5分以上掛かってしまう状況でした。三雲が命がけでネイバーからクラスメイト達を守っていなければ、今あなた方の目の前にいる彼らは死んでいたでしょう。」

「・・・・・・・・・」

「さて、今度はこちらから聞きましょう。それでも、あなた方は、将来を見越して100人以上いた彼らを見捨てるべきだったと、そう言うつもりですか?」

 

俺の発言に記者たちは静まりかえっていた。いや、三雲を守るように立っていたクラスメイト達がすすり泣く、静かな音だけか。

そんな状況にキツネが何かを言おうとしているが、俺はさりげなくメモを渡して黙らせる。

そのメモには、ここで止めれば二度と取材に出ませんと署名されたボーダーの女性陣達の名前が連なっていた。完全に脅迫である。キツネがぐぬぅってしていた。

 

「ですが、俺達の力不足により、大きな被害を出してしまったのは事実です。だから、その責任は取ります」

 

つづく俺のセリフに記者達がさらにいぶかし気な表情をしていた。

 

「どう責任をとるつもりなのかね?」

 

キツネの仕込みの記者だ。ふん、いい仕事しやがる。もちろんその答えは決まっている。

俺は三雲に視線を向ける。

 

「取り返します。ネイバーにさらわれたみんなの家族も、友人も取り返しに行きます。責任とか言われるまでもない」

 

当たり前のことです。そう締めくくる三雲に、お調子者の三雲のクラスメイトが取られたら取り返す、それが俺達・・とか抜かそうとしていたのを他のクラスメイト達が取り押さえていた。空気が読めん奴め。

そんな小芝居など聞いていなかった記者達は、一瞬、惚けたものの、すぐに騒然となっていた。

 

そこからは城戸司令の、城戸しれぇ!の独壇場だった。

ネイバーへの大規模奪還作戦、ボーダー最大のプロジェクト!と言いつつ、戦力を求めてるんだ!だからじゃますんなよ?という殺気を込めながら記者達に発表していた。

ついでにちらりと俺の方にも殺気を込めて来たのでそっと視線を逸らしておく。さーせん。

 

そんなこんなで三雲を守る為の戦い?は無事に終わった。

後々の城戸さんからのオーダーが怖いが、大方奪還作戦に比企谷隊を参戦させろとかだろうし、正直小町も参加させるのは反対ではあるが、まぁそれはまた、この先に俺に任せればいいだろう。

三雲一人に責任を押し付ける事にならなくてよかったと思う。そんな思いを込めて三雲達の方を見ると、三雲はクラスメイト達と話していた。その表情は・・・力強い意志の力が宿っていた。

 

「三雲、これから忙しくなるぞ?それとお前らもサンキュな。嫌な気分になっただろう?」

「はい!絶対に選抜試験に通って見せます!」

 

三雲は力強くうなずき、三雲のクラスメイト達は大丈夫ですと笑っていた。

これからランク戦シーズンに入るに当たり、三雲と空閑、雨取はチームを組み、玉狛第二として参戦するようだ。

三雲のクラスメイト達もこのままボーダーとして少しでも三雲達の力になれるように努力していくようだ。鍛えて下さいと全員で一斉に頭を下げられてしまった。

 

「おう、ばりばり鍛えるからな。覚悟しとけよ?」

「「「「「「「はい」」」」」」」

 

新たな目標に向けて、三雲達の戦いは続く・・・・・そんな感じに終わったと思った。

 

 

 

 

 

「・・・・・ガッデム!」

 

記者会見からさらに数日後、俺に届いた通達に思わずネイティブな発音で叫んでしまった。

その通達には城戸司令からで、比企谷八幡をB級に降格すると書かれていた。なんやて工藤!?ちがう、城戸!?

 

いや、別にS級でいたいわけでは無いが、俺だけ降格って、大人気なさすぎじゃない!?そんな勝手にして怒ってたの!?いつも通りの無表情だったからしらんかった!

 

その後、その通達を見た大井が激怒して、さらに小町と那須と大井の3人で3時間くらい説教されるのであった。

その後、小町が城戸さんに直談判して事なきを得るのであった。

 

あやうくB級なんだぜ!?って終わるとこだった。あぶねぇ・・・。

 

こうして俺達の戦いは終わった。だが、ランク戦の後には遠征もある。今回の事で力不足も痛感した。

俺達はランク戦に参戦出来ないが、この先まだまだ戦いは続く、だから俺も三雲のように前を向いて行こう。そう思った。

 

 

 

 

 

「はい、もしもし比企谷です。え、何?CDデビュー?誰が?・・・・ええ、比企谷隊と、猫耳メイドの比企谷さん、それと綾辻・・・・綾辻!?」

 

ある日、俺のスマホにかかって来た電話に早速ダッシュで逃げたくなるのであった。

 

番外編に続く

 

 

 

 

 

 




という訳で、戦争編最終話でした。

次回からは番外編です。だいたいトータルが100話になるまでまで書く予定。
なぜか希望のあった、男キャラを題材にしたり、ヒロインをヒロインさせたり、二宮さんをTSさせようとしたりとか考えてます。たぶん。もしもシリーズとか。

とりあえず次回は綾辻CDデビュ―のお話。たぶん。

それと、これで一応の完結扱いなので。
これまで長々とお付き合いいただきましてありがとうございました。
ちょこちょこと感想をもらったりしてとても励みになりました。
我ながらニッチな作品だなぁと思っていたので、反応があってとても嬉しかったです。
まだ、番外編が続きますが、ここで、これまで読んで頂いた皆様に多大なる感謝を。
本当にありがとうございました。

まぁ、それはそれとして。
それではまた、次回もよろしくお願いします!(笑)


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比企谷隊の番外編
比企谷隊の番外編1 ボーダーで、アイドル!?


こんばんわ!  

番外編そのいちです。
今回はCDデビュ―のお話。ちょっとやってみたかったネタがあったのです。

本編にはほとんどからまず、適当にやっていきます。




俺たちのCDデビューが通達される数日前の話をしよう。

 

「なに!?まじでか!?」

「ええ!さきほど小町さんが目覚めたと連絡がありました!」

 

隊室にて大井とあれやこれやと相談して過ごしていたところ、おもむろに連絡が入ったのがつい今しがただった。

大井が嬉しそうにそれを告げた瞬間、俺は隊室を飛び出した。

 

「小町!小町っ!!こまちぃぃぃぃぃぃーーーーーーー!!」

 

うぉぉぉーーー!!と世界を狙えるんじゃないかという速度で通路を走る俺は、わずか1分足らずで小町の眠っていた保険室に到着し、勢いよくドアを開ける。

 

「小町ぃっ!!!・・・あ」

「え?・・・・・・・・あ」

 

勢いよくドアを開けたそこでは小町が服を脱いで医者に聴診器をあてられているところだった。俺の位置からは大規模侵攻からしばらく、寝たきりだったとは思えない健康的な小町の背中が見えていた。つまり、セーフだと信じたい。

小町とアイコンタクトをしてみる。無理ですか?ですよね。つまり俺が怒られる未来が確定した瞬間だった。

 

「えーっと、その、すみませんでした・・・・・」

「はぁ・・・まったくごみいちゃんはこれだから・・・とりあえず流石に恥ずかしいから外に出ててよ・・・・」

「はい・・・・・」

 

さすが小町、超クール。そんで、他の野郎に見られなくてよかったと思った。そんな事を考えながらすごすごと保険室から出た俺はしばらく待機する。

そうして過ごす事しばらく、ようやく小町から入室の許可が下りたので、再度入室する。

入室したそこにはジト目で俺を見る小町がいた。

 

「おはよう、ごみいちゃん」

「ああ、おはよう、小町」

「それで?かわいい妹が長い眠りから起きた瞬間にノックもせずに入ってきて、あまつさえ服を脱いでいたのを見たごみいちゃんは何か言うことがあるんじゃないの?」

「・・・・今日もかわいいよ?」

「ありがとうお兄ちゃん。でも違うよね?」

 

とりあえずごまかしてみるが、小町ばジト目で俺を見ている。ですよねー?

笑顔だけど目が笑ってない。

 

「その、すまない。小町が目覚めたって聞いて、いてもたってもいられなかった」

「はぁ、まったく・・・・目覚めてすぐにごみいちゃんっぷりを見せられるとは思わなかったよ・・・だいたいそういうのは大井お義姉ちゃんとか那須お義姉ちゃんにやらないとなのになんで小町なのさ・・・」

「本当に申し訳ありません」

 

後半は小声で何を言っているのかは不明だが、怒られているのは間違いないので謝っておく。

そんな俺にはぁ・・・・これだからごみいちゃんは・・・とため息をつく小町。

やれやれというポーズもつけていて、なんだかそんないつも通りの小町を見れて、なんとも言えないくらいに嬉しかった。

俺の守りたかった小町の元気な姿を見て、嬉しさがこみあげてくると同時に目頭が熱くなってくる。

そんな俺を見た小町はまったく、と言いながら苦笑しつつ、俺に両手を広げてきた。

 

「全く・・・・・お兄ちゃんにはまだまだ小町がいないとだね・・・・」

「あぁ・・・全くだ、だから小町、目が覚めて、無事で良かった・・・!」

 

苦笑しながら両手を広げている小町を俺は思いっきり抱きしめた。

全く、やれやれだよ・・・・と言いながら、俺の頭を撫でる小町。いつもとは逆の立場ではあるものの、今ばかりは勘弁んしてほしい。

 

いつのまにか追いついていた大井も良かったと涙ぐみながら目頭を抑えていて、ひふみん先輩の瞳も涙にぬれていた。

北上と那須もニコニコしていた。

みんなニコニコ、俺もニコニコ。これが俺が守りたかったものなんだ、そう思えた。

 

 

 

 

 

・・・・10分後。

 

俺はみんなの前で正座させられていた。

あれー?あるぇー?さっきまでいい感じに終わった感あったのにどうして俺は正座させられているのでせうか?

 

「さて、それじゃあお兄ちゃん?いろいろ聞かせてもらうからね?」

 

え?え?という俺を囲むような形で小町、大井、那須、綾辻と更生委員会のメンバーが私、怒ってますっていう顔で立っていた。

 

ちなみに、俺のうしろには宇佐美も申し訳なさそうに正座していて、ちょっと離れたところでひふみん先輩と北上と清姫さんがおかしを食べていた。羨ましい。俺もそっちがいいな・・・。でもそんな事認められないわぁとばかりに小町の説教が始まった。

 

「んで?お兄ちゃん?小町の記憶が確かなら、最後、トリオン体破壊されてたのにベイルアウトしなかったように見えたんだけど?」

 

どういう事だい?と視線を向けてくる各員に俺は必死に説明した。それはもう必死に!宇佐美も必死だった。極刑は勘弁である。

それはもう必死に説明した。

その間も、小町は久々に起きたために、軽く口に入れたり、健康状態を確認されながら報告書を読みながら聞いていた。

 

「なるほどね~・・、それじゃあ、そこの清姫さんは?小町的にはもうお義姉ちゃん候補はいいかなぁ~って思ってたのにまだ増やすの?これ以上は大変だよ?いろいろと」

 

そんな小町にまたもやちゃうねん、ホンマちゃうねんと一生懸命に説明する。これまたやんごとない事情があるわけでして。

正直なんでしれっといるのかまったくわからんのだが、仕方ないのだと説明する。

いつの間にか更生委員会の連中とも仲良くなっていた清姫さんに俺自身が驚愕しているのだが。

 

「う~ん、まぁ、いいのかな?まぁいいや。それで、その後記者会見やって、城戸さんを怒らせちゃったというわけね?」

「はい、そのとおりです・・・・」

「はぁ・・・せっかく北上さんと一緒にS級になって給料も上がるかと思ったのに、すぐにB級に戻されるとかバカなの?八幡なの?」

「小町ちゃん?さっきからお兄ちゃんの扱いが雑すぎない?」

 

そんな俺の言葉にはぁ・・とため息をつく小町。

 

「まぁ、それは後で小町が城戸さんに聞いてみるよ。んで?最後のが?」

「えぇ、CDを出さないか、と根付室長から打電が来ていますね」

 

小町の質問に大井が答える。

これはぜひとも拒否して欲しい。俺とひふみん先輩がそんな気持ちを込めて小町を見ている。

そんな俺達の視線に気づいた小町は天使のような微笑みを浮かべて俺とひふみん先輩にうなずく。さすがです小町様!これで勝つる!

 

「いいですね!やりましょう!CDデビュー!!」

 

なにぃぃぃぃー!!!と俺とひふみん先輩が絶望する。というかひふみん先輩の顔が作画崩壊しているんだが。大丈夫か?なんか色も真っ白になってるんだが。

 

「ま、まて、まってくれ小町。だめだ、CDデビュ―とか、メディアに出る系の仕事はダメだ、いや、無理だ」

「え?ダメじゃないでしょ?だってお兄ちゃんCV江口〇也だよ?歌わせるに決まってんじゃん」

「決まってるんだ・・・」

 

必死に拒否する俺に小町が言い放つが、決まってはいないと思うんだがと俺が思った事を那須も思ったのか静かにつぶやいている。だが、止めてはくれないようだ。むしろニヤニヤしていらっしゃる。鬼か!美少女でしたね!ついでにイケメンでドSの!

俺もひふみん先輩も必死にプルンプルンとクビを横に振りまくる。決まってない決まってない。

 

「で、CDデビュ―するのが?ボーダーのファンサイトのランキング順で、まず綾辻遥・・・え?」

「ええ、がんばルビィ!!」

 

書類に目を通しながらつぶやく小町が最初の綾辻に驚く。・・・だよね?

そんな小町のつぶやきに反応した綾辻は元気いっぱいにやる気ありますアピールをしていた。正直、不安しかない。

 

「は、ハイ・・頑張って、ください?え?大丈夫かな、これ・・・・。こ、こほん。それで、次が比企谷八幡・・・・はぁっ!?」

 

・・・・ダヨネ。

俺もなんで人気のランキング順でそこに俺の名前があるのかビックリだよ。そんで今の俺の扱いにもゲッソリだよ。

どうも先の大規模侵攻で人気ランクが上がったそうな。

いやいや、戦争直後に何やってんのさとか思ったが、無駄にラグビー推しをしてくる唐沢さんがボーダー人気上昇のためやらなんやらで人気投票をしたらしい。

正確には前からやってたのが戦争後に人気爆発したとか、知りたくなかったよばーにぃ。

 

「あぁ、それで・・それなら比企谷隊で出そうって事になったんですね。小町納得です」

 

納得しないで!理解早すぎるよ!

小町とか大井とか巻き込めば俺が逃げださないだろうとの事で比企谷隊が参加決定したとか不名誉すぎる!それと、ボーダーの俺に対する理解が深すぎて涙が出てくる。八幡検定3段くらいありそうだ。

 

ぶんぶんと首をふる俺とひふみん先輩。まだ俺達は認めてないぞー!

そんな俺達をチラリと見る小町の目は冷たかった。あれー?少し前の温かみが一切感じられないぞー?

 

「お兄ちゃんうっさい。これはベイルアウト外した事と、小町の裸見た事への罰だよ。ひふみお義姉ちゃんもいいですよね?」

「ひぅ・・・こくこくこく」

 

俺への扱いがひふみん先輩にも反映しはじめている気が・・・・でもこくこくうなずいてるひふみん先輩が小動物チックでかわいいからいいかな。

そんな事を考えていた俺に小町がさらなる追撃を入れてくる。

 

「まったく、お兄ちゃんには特訓が必要だね・・・・」

 

特訓、という言葉に大井の目がキラーンと光ったのを見逃さなかった。ヤメテ。本当に、それだけはヤメテ。

 

「大丈夫だ。しっかりと、適切に、完璧にやる。安心しろ、小町」

 

それだけは勘弁と思った俺はしっかりと小町に無駄にイケボでアピールをするが、小町の視線は冷たかった。

 

「うへぇ、信用できないよお兄ちゃん。う~ん、そうだなぁ・・・大井お義姉ちゃん、申し訳ないですが、今回は小町とひふみお義姉ちゃんの練習に付き合ってください。んで、お兄ちゃんの練習は遥お義姉ちゃん、監視をお願いします」

 

はっ!?う、裏切ったな小町!大井に練習を見てもらうといいながら自分と北上、ひふみん先輩を安全圏に避難させ、俺の監視をさせるという名目で綾辻を押し付けやがった!

 

「わかったわ!それじゃあ練習に行きましょう!」

 

そう言った瞬間、善は急げと綾辻は俺の腕を掴んで走り出していた。

女の子の腕が、とかドキマギする暇もないくらいに速攻で飛び出していく綾辻。

部屋からは小町のいってらっしゃーいという声が聞こえていた。だ、ダレカタスケテェーーーーー!!

 

その特徴的な歌唱力と仕事の忙しさから滅多にカラオケに行けない綾辻は歌う事に飢えていたのだ。

そして、捕まったら最後、綾辻のライブが始まるのだ・・・・。

 

 

 

 

 

「さぁ、それじゃあ練習を始めましょう!」

 

着きましたのは当然のようにカラオケBOX。と見せかけてボーダー内にあるカラオケ専用の部屋である。

なんであるかって?そりゃあれだよ、接待とか、任務までの待機時間に使うんだよ。

飲み物は自分で持ってこなきゃだし、食べ物も出ないけどお金がかからないのはありがたい。いつでも出動できるね!

間違っても、嵐山隊をCDデビューさせようとして準備したら、流れてしまったからとかが理由ではない。ないのだ。キツネのおっさんが悔しそうに言ってたから間違いない。

 

そこから始まる綾辻のライブ。独特な歌が部屋に響いていた。俺の頭もぐわんぐわん、うん。特徴的ダネ。

かわいらしい声で音程を外しまくる綾辻の歌に俺は頭を抱えそうになってしまう。これ、無理やん?CDとか無理やん!?

でも綾辻は楽しそうに歌ってる、楽しそうに。そう、綾辻自身は歌うのが好きなんだよなぁ~。はぁ、しょうがない。

 

歌い切った綾辻がどう?とちょっとドヤ顔で言ってきて、正直に下手。とか言えないので、やるな、とか言いながらチパチパと手を叩いておく。満足そうな顔が可愛かった。

その後、俺も歌わされたので、適当に音程を外しながら歌う。意図的に外すの結構難しいな、これ。

下手だね~って綾辻に言われてちょっと本気で歌い直そうかと思ってしまった。CV江口なめんなよ?

そんな俺の内心の葛藤も知らずに考えごとをしていた綾辻はよし!とうなずいた。

 

「これは、特訓が必要だね・・・・」

 

どこか楽しそうな綾辻に、俺は頼む。と答えた。

こうして、俺と綾辻の特訓が始まった。

 

 

 

 

「え?これ、かぶるの?」

「うん、私もかぶるから!」

「まじで?ボーダーのマドンナにバケツかぶせたとか、これがお前のファンに知られたら殺されそうなんすけど・・・」

 

そんな事を言いながらバケツをかぶって2人で歌った。

とてもシュールな絵面が広がっていた事だろう。何が楽しくてこんな事をしているのか虚しくなったのはここだけの話である。

なんかちくたくして揺れてる謎のアイテムを2人で見つめながら歌ったり、ピアノの音に合わせて声を出したりと俺達はすげえ練習しまくった。

 

 

 

結果。

 

「あ~いま~いに3センチ♪~~~~♪」

 

なんとか、普通に歌えるレベルにはなったものの、綾辻の歌はいまだ音程はちょいちょい外すし、下手がちょっと下手になったレベルだった。

そのため、もう歌じゃなくて、早口で何とかしようという事に。これで万事解決である。なんだったら振り付けもさせるしセーラー服も着せちゃう!コレで完璧だ!歌の部分はあれだ、適当にごまかした。綾辻の中の人はセーラー服を持ってく人じゃなくて、ゆるゆりする感じの人だが、しょうがないのだ。

いままでの特訓は何だったんだと思わなくもないが、これでいいのだ。

 

その他は・・・

小町の歌?控えめに言って神だった。保管用と聞くようと布教用で3枚買った。さすがCV悠木〇である。

 

大井と北上は当然のように2人で歌った。なぜか同じ声で歌ってるように聞こえなくもなくて不思議な歌だった。金剛4姉妹の歌は一人4役らしいがすばらしい歌い分けをしていて感動したものだ。うん。

 

ひふみん先輩は当然のように一人。控えめに言って、こちらも神がかっていた。俺の心にConnectしてしまった。ひふみんまじひふみんである。ちょっと明るい感じの曲がスバラシイ。テンション爆上げである。

 

んで、俺の歌は、あれだ。ごーいんごーいん歌いながら更生委員会がヘイヘイしていて、アローンとかなんとか言ってみたけどみんなすげえ盛り上がっていた。

 

そんな感じで俺達のボーダーファーストアルバムは異例の盛り上がりを見せて、めちゃくちゃ売れたらしい。唐沢さんとキツネのおっさんが超喜んでて気持ち悪かった。

 

次もよろしくとか言われて小町と綾辻の目が輝いていたけど、丁重にお断りした上で、次は三上とか嵐山さんとかどうですかね?って誘導しておいた。むしろ今回綾辻をだして、嵐山さんとか木虎を出さずに俺達が出た意味がわからなかった。

 

まさかその後、三上と綾辻と月見さんと国近さんと橘高さんとかのオペレーター陣になぜか俺と嵐山さんが入った謎のアルバムが出るとかで意味がわからな過ぎてキツネさんを殴りそうだったのはまた別の話である。

 

他にも俺と二宮さんで、とか俺と風間さんで、とか俺と嵐山さんとかでCDをだしたり、ドラマCDを出すのはどうだろうか?と沢村さんに興奮気味に言われた。

薄い本が厚くなるとか言われたので思わずそんなの欲しがる奴、死ねばいいんじゃないんですかね?って言いそうになった。

もちろん全力で断った。すべてのパターンで俺がいる事についても触れちゃいけないと思った。誘い受けとか聞きたくもない。

 

そんな感じで俺達のCDデビュ―の話は終わったのであった。

え?売上?オリコン入りしたよコンチクショウ!

 

そんなこんなをしている間も三雲達はB級ランク戦で奮闘していたらしい。そりゃね、空閑が居ればね、とか思った。あんなん普通にチートレベルだからな、B級で相手になるのなんて、そんないないだろ。

 

そんなこんなで俺達のCDデビュ―が大成功に終わったので、俺はついにオペレーション、清姫を発動する事に決めた。

戦争から時間もたって、忍田さんのストレスも若干下がったはず。ここだ、ここで清姫さんをぶち込むしかない!俺の新たなる戦いがはじまる、そんな予感がした。

 




という訳で声優ネタでした。

八幡のCV江口、小町のCV悠木、どちらも歌が上手いのです、とても好きです。
ひふみん先輩のキャラソンも可愛い、とにかく可愛い。
大井と北上はアレです、ゆるゆりの人でね、こちらも結構好きです。艦これのCDなら金剛4姉妹の曲が一押し、東山さんすげぇってなります。ガ浜さんはここには出ないけどネ!

個人的にはひふみんの曲が一番好きですね。癒されます。ひふみん!ひふみん!!

そんなこんなでCDデビュ―の話でした。そして次回は清姫さん問題解決に動きます。たぶん!

それにしてもあれですね、感想いろいろとありがとうございました。嬉しかったです。なぜか二宮さんの押しがすごいのですが、みなさん腐らせたいのかな?ボーイズラブタグ付けた展開キボンヌですか?(笑)

そんなこんなで番外編は続きます。
次回もよろしくです~


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比企谷隊の番外編2 清姫さん、ボーダーに入る。

こんばんわ!番外編2話です。

今回は清姫さんのお話。ネイバーを入れるために八幡がいろいろと考えます。

あれですね、今期のアニメが始まりました。楽しみですね。
次に何を書こうかね、とか考えつつ、いろんなのを見ています。

魔法科高校に玄海さんとか入れたら楽しそうだな、とか。志々雄さんとかなんかの作品に入れたいな、とか。今期関係ねぇな・・・まぁ、一発ネタで終わりそうなので書きませんが。
書くならそれなりに長く書くつもりなのでいろいろと考え中なのです。まだ、こっち終わってないけどネ!!
それでは番外編2話です。どぞー



さて、小町が目を覚ましてからある程度の時間が経った昨今、俺はついに例の作戦を決行しようとしていた。

 

「ふぅー・・・ふぅ・・・ふぅ。ようし、逝ける!!」

 

だめ、逝っちゃだめぇーーー!!と思わず自分自身に突っ込んで気持ちを落ち着ける。

だいじょうぶ、おれならできる。たぶんできる。いける、いける・・・・。

 

そんな感じで精神を集中させている俺を隊室のソファに座りながら小町は覚めた目で見ていた。

 

「あのさ、お兄ちゃん。さっきからそればっかで楽しい?」

「ふぐぅ・・・・それは、あれだ・・・・な?」

 

そんな感じのやり取りをするのもかれこれ3回目くらいで、そろそろ行かないとなのだが、俺にはまだ、忍田さんの毛根を蹂躙する覚悟が持てなかった。

 

「でもさ、はやくいかないとだよ?」

 

わかっている、わかっているが・・・・・・。やはりここは小町に・・・

 

「だめ。今回のはお兄ちゃんが行くべきだよ。S級に戻すのは小町が説得したんだから、これはお兄ちゃんがやらないと」

 

まったくその通りで何も文句が言えません。というか、流石小町、さっきから俺の思考にドンピシャで答えてる。

流石千葉の妹。

 

「はいはい、小町だからね。それより、はやくいかないと」

「あ、ああ・・・。なぁ、小町?「だめ」・・・・行ってくる・・・」

 

こないだからなんだかちょっと冷たい小町に少しだけ寂しく感じる今日この頃。きっと照れ隠しダヨネ!?と思いつつとぼとぼと忍田さんの元へと向かう。

理由は、こないだの大規模侵攻で攻め込んできた敵側の一人、清姫さんが味方になってくれた件についてである。

 

なぜか、本当になぜかは不明だが、俺の事を安珍様と言い、こ、・・恋人だと言っているのだ。

もちろん、俺はそんな名前ではないのだが、戦闘時はブラックトリガーである清姫さんを撃破するのが困難だった。

そのため、那須が講じた作戦が、もう、味方にしちゃえよ作戦であった。そのため、俺は安珍様になり、清姫さんが味方になり、現在に至るのだった。はしょりすぎぃ!!

 

 

そんな事を考えつつ、昨日の事を振り返る。

とりあえず、一旦清姫さんは国に帰ったはずだったのだが、いつの間にか俺達の隊室にいたのだった。

何言ってるかわからないが、気づいたら清姫さんがいたのだ。

え?と思って、清姫さんの国に帰ったのでは?と聞いたら。

 

「はい、嫁入りどうぐをとりにかえっておりました」

 

と、可愛らしく微笑みながら応えてくれた。

嫁入り道具と聞いて、大井の表情が凍ってしまったが、とりあえず俺は質問を続けることにした。

そもそも、どうやって惑星国家間の移動をしたのかを聞いてみたら。

 

「はい、まだわたくしのいた国が近くにいましたので、えいやーっと」

 

え?

 

「はい、えいやーっとやったら、移動できました」

 

単独で?

 

「はい♪」

 

にこにこ、にこにことしながら応える清姫さん。あれー?惑星間の移動ってたしか莫大なトリオン量が必要になる筈で、単独でできないはずなんですけど?

とりあえず、これ以上聞いても俺には理解できない事がわかったので良しとした。逃げでも、諦めたわけでもないのだ。

それじゃあこれからは?

 

「はい、これからはもちろん、安珍様と共に。そしてゆくゆくは、その・・・ふ、ふうふに・・・」

 

と、可愛らしく頬を染めながら言う清姫さん。かわいいなチクショウ・・・・。ブラックトリガー使って街を廃墟にしまくっていた少女と同一人物に見えないんだが・・・・。

 

それからいろいろと話した。

そもそも、清姫さんはなんと地球の生まれだとか、過去にネイバーへと偶然わたり、たまたまアフトに協力していたらしい。そして、俺に会ったためにこちらに帰って来たそうだ。

どうやら、世界を渡るサイドエフェクトを持っているのであろうと無理やり納得しといた。なんか清姫さん自身はOLが有給で海外旅行に行ったくらいの陽気さで話していて、そう思う事にした。

 

で、現在は帰って来た的な感じでいるらしい。どうやってここまで侵入したのか聞いたら、えいやっって答えられて、もうなんでもいいやってあきらめそうになった。

 

「それじゃあ、これからいろいろと辻褄を合わせよう」

「はいっ!」

 

そこからはさらにいろいろと話した。

そもそもネイバーの隊員がまったくいないわけでは無いのだ。

玉狛にもいるし、空閑もそうだ。清姫さんに至ってはこっちの生まれだ。

だから、問題なのはそこではないのだ。

 

「問題は角とブラックトリガーか・・・どうやってごまかすかな・・・・」

「・・・・?」

 

俺のつぶやきににこにこしながら首を傾げる清姫さん。・・・・ちょっと?この娘可愛すぎない?

おっと、またそれた、角に関しては、常時トリオン体で活動してもらえれば隠せる。履歴書もとりあえずごまかせるだろう。本名やら生まれやらは角を移植する際に記憶が無くなってしまっているようで、調べられなかったのだ。それはまた今度、時間をかけるとしよう。

 

「問題はブラックトリガーをどうするかだな・・・・」

「これはだめですか?」

「ダメっていうか、なんというかだな・・・」

 

どう説明するか・・・・正直に勢力争い的にバランスがブレイクするから手放してとか言えるわけないしなぁ・・・。

そんな事を考えていると、俺の横に座っている清姫さんがおもむろに服に手をかけて脱ごうとしていた。ふぁっ!?

俺はとっさに視線を明後日の方向に向けるが、それでも清姫さんの豊かな谷間がチラリとばっちり見えてしまい、今日も一日頑張ろうと思ってしまった。

 

「き、きよひめしゃん!?」

「では、これは安珍様に」

「・・・ほへ?」

 

ほへ、とか初めて素でいっちゃったよ。ていうか、清姫さんに渡されたものを見ると、俺の手にはネックレスが握られていた。蛇のような意匠をしたそれは、なんというか不思議なオーラのようなものが感じられた。

どことなくあったかいそれは、それは・・・あれだ、うん。ずっと清姫さんの谷間にあったから、あれだ。そこに気づいてしまい、俺の顔に熱がこもってしまう。

・・・って、そうじゃなくて!

 

「き、清姫さんや、これってもしかして・・・・」

「はい、ブラックトリガーです♪わたくしが安珍様といるのに邪魔なのであればいりませんので」

 

にこにこ、にこにこと話しながらさらっと告げる清姫さん。おおぅ・・・笑顔がまぶしいぜ。

 

「え?そんな簡単に?いいんですか?」

「はい。いりませんわ」

 

思わず小町も確認するが、清姫さんの笑顔は変わらずにこにこしていて、一切惜しむ様子がなかった。

むしろ、ガチャガチャがだぶったからやるよ、くらい軽いノリでビックリだった。

 

「ただ、気をつけてくださいませ」

「なにをです?」

 

いまだにネックレスのほんのりとした暖かみに気もそぞろな俺の代わりに小町が清姫さんに問い返していた。

 

「そのトリガー、適応しないと死んでしまうそうなのです」

「へー・・・・え!?」

「取り込まれるそうです」

「・・・・・・・」

 

その後の清姫さんの話は壮絶だった。

アフトでも適合者のいないトリガーだったらしい。これまでにも10や20ではきかないくらいの人数が起動させようとして命を落としていったそうだ。しかもその都度トリガーに取り込まれて暴走し、破壊の限りを尽くしていたそうな。

やっべぇ、まじやっべぇ・・・ちょっと興味本位で後で使ってみようかなとか思ってたよ・・・。さっきまでの清姫さんの谷間のどきどきが一瞬にして霧散してしまった。

 

「えぇー・・・、清姫さんはよくコレ使えましたね・・・・」

 

流石の小町もかなりびびっているようだ。冷や汗がすごい。

 

「はい、なんとなく使えそうでしたので」

「なんとなく、ですか・・・」

「えぇ、なんとなく、です」

 

いやぁ・・・すごいなぁ、はははなんてコミュ力の塊である小町が乾いた笑いしか浮かべられないとか、やばすぎるでしょー・・。

いや、しかしそうなると、城戸さんに言うべきか悩むな・・・

 

「ちなみに、これに適合しそうとかは解るか?」

「はい、なんとなく。安珍様は大丈夫だと思いますが、小町さんは難しいかと」

 

ほうほう・・・・。これなら・・・・。

 

「他に適合しそうなのはいるか?」

「そうですね・・・・安珍様以外はダメです」

「俺だけ?」

「はい」

「・・・・・・」

 

これあれじゃね?清姫さんの補正が掛かってるよね・・・・これうかつに城戸さんとかにトリガー渡せねぇじゃん、適合者探しで人死にとか勘弁だ。

うむ、そうなるとあれだな、いろいろと暗躍が必要そうだな。

 

「よし、そんじゃこれはしばらく俺が預かっておく」

 

怖いけどね!うっかり起動して死ぬのとか勘弁である。

 

「そんで、これから清姫さんをウチに入れるためにちょいといろんなとこに働きかけるかね」

「ほいほーいい!小町は?」

「おう、小町も頼む」

「ではわたくしはお茶を・・」

 

と、昨日の話し合いはこんな感じで終わったのであった。

 

 

 

そんで、今日、これから忍田さんのところに清姫さんの加入の申し込みをしつつ、とりあえず挨拶がてらランク戦という名のストレス解消に付き合う予定だ。

最近はあまりストレスのたまる事がないらしく、今日のストレス発散は50本でいいと言ってくれていた。

もはや忍田さんがランク戦(ストレス発散)でなく、ストレートにストレス発散といったり、50本でいいとか言ってる事に涙が出そうである。

これ、清姫さんの事言ったら300本くらいになったりしないよね・・・・?

 

「失礼します。教導隊比企谷です」

 

内心のどきどきを必死に押さえつけながら指令室に入る。そこには城戸さんと忍田さん、沢村さんに複数のオペレーターがいた。

 

「あぁ、比企谷。それじゃあ殺るか」

「は、はい・・・・・」

 

しれっと忍田さんのセリフが物騒になってるのはきっと誤字だと信じたい。

なにやら舌打ちしてるのとかめっちゃ機嫌が悪そうに見えるのとかも気のせいだと信じたい。あれー?これ絶対何かあったやつじゃないですかやだー。

 

 

「くそっ!くそっ!」

「・・・・・・・・・」

「何が可能な限り対外秘だ!迎撃なんだぞ!?」

「・・・・・・・・・」

 

えぇー・・・これ言っていい奴なんですかねぇ?これ明らかにまたなんか来るやつじゃないですか、やだー。

しかも聞く限り対外秘とか言ってるけどめっちゃ俺に聞こえてるんですけど?えぇ、えぇ、もちろんその作戦に俺達が組み込まれるんですよね、わかってますよもちろん。

俺はファンネルが片っ端から切られていくのを無言で見ながら忍田さんとランク戦という名のストレス発散に付き合うのであった。

 

「ふぅっ!たすかった比企谷。大分すっきりしたよ!」

「えぇ、そりゃよかったです」

 

キラキラと汗を流しながらイケメンスマイルを浮かべる忍田さんに俺は力なく答える。

冷静に考えなくてもあれだが、教導隊の任務に本部長のストレス発散は含まれてないんだが、これなんか手当でないかな・・・・。ない?ですよね。

まぁ、ようやくストレスが発散できた忍田さんには申し訳ないが、もう少し付き合ってもらおう。大丈夫、もう100本くらいなら覚悟完了したからね!

 

「それでですね、忍田さんにお願いというか、承認してもらいたいと言いますか、そんな感じの案件があるんですが・・・」

「・・・・・・20」

「・・・・もちろんです」

 

俺の申し訳なさそうな態度からいろいろ察したのであろう。とりあえず聞くから言ってみろよ、とその数字が語っていた。聞くだけで20かよ!

しかし、言わなければ始まらないし、終わらないのだ。

 

「実は、うちの隊に入れたいメンバーがいるんですが」

「おぉ、なんだ!そんな事か、かまわないぞ!!」

 

俺のセリフに安堵したのか忍田さんは気楽に応えてくれる。それどころか、あの比企谷がメンバーを増やせて嬉しいぜって表情になっていた。

ほんと申し訳ない気持ちでいっぱいになりそうです・・・・。

 

「それで?誰を勧誘するんだ?」

「この少女です」

 

誰だろなーと楽しそうにしている忍田さんに清姫さんの書類を渡す。

 

「ふむふむ、清姫君か・・・・・。出身、たぶん日本?・・・・帰国子女(ゲートの向こうから来ました♡)・・・・・・趣味、特技、隠密的にすら見える、献身的後方警護・・・・・・その他、ブラックトリガー・・・・・・・比企谷?」

「はっ!」

「とりあえず後で100。それとこれは?」

「はっ!先日のブラックトリガーの一人であります!」

「プラス50」

「くっ!そ、それで、その後、こちらに取り残されていたところを我が隊が確保、調べたところこちらの出身と判明し~~」

 

つらつらといろいろとでっちあげた話を語る。

つまり、現在捕虜になっているヒュース?と同じように取り残された事にした。後はほんとのことだが、もともとこちらの出身だと思われるが、記憶が曖昧な事、こちらの味方になったこと、ブラックトリガーを手放す事も可能な事、ただし、そのトリガーが非常に危険な事を全て伝えた。

全てを語り終わった後、忍田さんを見ると、胃のあたりを抑えていた。ほんとさーせん。

 

「・・・わかった。清姫君の件は城戸司令にも伝えておこう。ただ、ブラックトリガーは紛失、奪われた、という事にしておく」

「・・・・すみません」

 

まぁね、城戸司令とタヌキのおっさんなら危険とわかっていても使おうとしそうだしな。ブラックトリガーなんて無かった。それが一番平和的だと俺も思う。ばれたら超やばいけど。

 

「だが、入隊の件は了解した。もともとこちらの出身であるならば問題ないだろう。城戸司令にも伝えておく、ただし、対外的にはその事実は伏せ、通常の入隊扱いとする。あとトータル300だ」

「はい・・・。もろもろ了解です。アリガトウゴザイマス・・・・」

 

 

その後、清姫さんは宇佐美謹製の角隠しトリガーを使用してC級に入隊が許された。

雨取程ではないものの、莫大なトリオン量を誇っていたらしい清姫さんの前にはすべてのC級達がまるで紙切れのように吹き飛ばされ続け、あっという間にB級に上がり、教導隊入りを果たすというスピード記録を樹立したそうな。

また、その圧倒的な火力から早くも一部の隊員がファンになったらしい。告白者も居たそうだが、清姫さんが全て無視したそうで、泣き崩れるものや、恍惚な表情を浮かべる者が後を絶たないそうだ。あらゆる意味でこの組織が不安になる。

 

そんで、忍田さんのストレス発散に付き合わされた俺はと言うと、訓練室で遥か虚空を見つめて倒れているところを発見されていたらしい。その時の記憶は俺には無く、気が付いたら保健室に寝かされていたのだった。

 

いろいろとあったが、今では清姫さんも無事に教導隊に加入を果たし、俺が訓練室で発見されてからなぜか小町と大井が俺に対して優しくなったり、忍田さんからストレス発散に付き合わされる事も減るのであった。

よかったよかった。空白の記憶が気になるものの、そう思う事にした。

 

 

~ここからは次回予告~

 

ある日の事・・・・

 

「ねぇ、お兄ちゃん、知ってる?」

「なに?まめしば?」

「違うし、なんかね、不思議なトリガーを使う美女が居るんだって」

 

小町の話にちらりと清姫さんを見るが、ニコリと微笑みながら首を傾げていた。かわいい。

けど清姫さんじゃないようだ。そりゃね、清姫さんのブラックトリガーは俺が持ってるからね!違うよね!

 

「不思議・・・・試作トリガーか?」

「たぶんね、でもその美女がすごく強いんだけど、見た事がない人なんだって」

「へー・・・・・」

 

その日の俺はそんな感じで小町の話を聞いているだけだった。それがまさかあんな事件につながるなんて、その時の俺にも想像できなかった。




という訳で、番外編でした。

ブラックトリガーの名前は特に考えていません。しいて言うなら転身ほにゃらら~になるのですが、まぁ、そこらへんは別にいいかなって思ってふわっとしておきます。
ただ、清姫さんのトリオン量はすさまじく、パラメーターで20くらいあります。ブラックトリガーを起動するとトリオンが60越えをするという。その為、アフトでも誰も清姫さんを止められなかったそうな。

次回、謎の美女のお話。舌打ちする謎の美女隊員に八幡が挑んでいくお話です。たぶん。
いや、これ書いてる最中ですが、上げないかもです。ちょっと暴走しすぎたかもです。まぁ、来週にご期待?ください。


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比企谷隊の番外編3 二宮さん、××化するってよ。

こんばんわ。番外編3話です。

二宮さんを××するお話です。もっとあれこれやろうかと思ったけど、自重した結果中途半端になってしまった。これ以上考えても、もっと暴走しそうなので投稿します。えへ。

今期もいろいろ始まってますね。禁書とか、もう覚えてねぇよ!とか思いながら楽しく見たり、幼女にはぁはぁするメイドさんと友達になりたいなって思ったり。
やっぱり百合はいいよね、って思いながら見たりと見どころ盛りだくさんですね!

というわけで、番外編3話です。どぞー


ー 開発部 試験場 -

 

『試験開始』

 

無機質な機械音声と同時に複数のターゲットが出現する。俺はスタート地点から移動しつつ、ターゲットを破壊して目標ポイントへ移動していく。

複数のターゲットが攻撃態勢に入るが、それをことごとくファンネルで破壊しつつ、進んで行き、目標ポイントに到達する。なかなか良いタイムなんじゃない?さぁ、次だ。

 

『レベル2』

 

その機械音声と同時にさらにターゲットが増量される。

またまた、次のポイントに移動しつつ、ターゲットを破壊していく、レベルが上がり反撃のレベルも上昇しているので侮れない。が、ここもサクサク進んで行く。まだまだだね。

 

『レベル3』

 

さらにレベルが上昇したことでターゲットのレベルが上昇したが、うまい事撃破しつつ次のポイントに移動する。

ちょっとした連携をして来たり、中、近距離からの攻撃に厚みが入ってきている。この辺から難易度が上がってくるのだ。だがまだいける、マイケル。

 

それからも試験は続いていく、途中から通常のトリオン兵型のターゲットだけでなく、宇佐美謹製のやしゃまるシリーズも登場していてかなり厄介である。なぜかやしゃまるのブラックとピンクがラブコメっぽい雰囲気を出していたが、容赦なく貫いていく。ごめんね?

 

『レベル10 ラストステージ開始』

 

長い試験も次で最後、かなりの好成績を出してる手ごたえを感じて臨む最終ステージである。

よっしゃこーい!という気合を入れて最終試験に臨む。

 

『やしゃまるアルテマバハムート、攻撃開始』

「は?」

 

機械音声と同時に出現した最後のターゲット、それは、やしゃまると、機械音声は言っていたが、どこにやしゃまるシリーズというか、モールモッドの面影があるのだろうか?

見上げるほどの巨体に、大きな翼をはためかせた超巨大トリオン兵がそこにいた。

 

えー・・・・タヌキに言われて新しい試験メニューのテスターとしてきたけど、これ無理ゲーでしょー・・・・。

 

『メガフレア照射』

 

えーって思っていると、やしゃまるなんちゃらが発光して、気が付いたらゲームオーバーになっていた。・・・ふざけんな。

なんともやるせない気分になりながら試験室から出ると、タヌキのおっさんがわくわくすっぞ、って顔でこちらを見てくる。

とりあえずぶっ飛ばしてもいいですかね?そんな気持ちをぐっとこらえてタヌキに話しかける。

 

「なんすかあれ、あんなん単独じゃ無理でしょ。せめて大井と北上と連携するならまだしも、単独とかクソゲーですよ。だいたい、一応こっちだってファンネルをシールドモードにしてフルガードしたけど、一瞬しか防げてないし。広範囲殲滅っぽい攻撃で防御不可とかなめてんの?あんなんもしほんとにネイバーが使って来たら5秒でボーダー壊滅するじゃねぇか、訓練メニューにクソゲーいれるとか訓練の意味わかってますか?」

「う、うむ・・・・すまん」

 

ちょっとしたおちゃめ心じゃったんじゃ・・・とかしょんぼりとつぶやくタヌキに気持ち悪いと思いながらも、はぁ、とため息をついて怒りを収める。

 

「わかってもらえればいいんです。あんなんが訓練がに出てきたら、場合によってはトラウマになりかねないので、注意してください」

「うむ・・・たしかにそうじゃの・・・・すまんかった」

「いえ、こちらも言いすぎました。すんません」

 

そう話してから今回の試験結果の確認に映る。

 

比企谷八幡 

トリオン  :10

攻撃    :7(8)

防御・援護 :6(8)

機動    :4(8)

技術    :6(8)

射程    :7(8)

指揮    :5(8)

特殊戦術  :5(8) TOTAL50(66)

備考:カッコ内はファンネル起動時の数字。ハチザムは測定不可。

 

比企谷小町

トリオン  :5

攻撃    :5(9)

防御・援護 :4(12)

機動    :8

技術    :5

射程    :2

指揮    :4(7)

特殊戦術  :2(5) TOTAL35(53)

備考:カッコ内はゼロシステム起動時

 

大井

トリオン  :8 

攻撃    :6(4)

防御・援護 :7(18)

機動    :7

技術    :7

射程    :4

指揮    :5

特殊戦術  :4(6) TOTAL48(59)

備考:カッコ内はプラネイトディフェンサー起動時

 

北上

トリオン  :12 

攻撃    :8(27)

防御・援護 :2

機動    :4(2)

技術    :8

射程    :4(10)

指揮    :1

特殊戦術  :4(6) TOTAL43(68)

備考:カッコ内はビームキャノン使用時

 

滝本ひふみ

トリオン  :8 

攻撃    :5

防御・援護 :10

機動    :4

技術    :9

射程    :4

指揮    :3

特殊戦術  :7 TOTAL50   

備考:ヴェーダ使用時は半オペレーターとなる為測定不可

 

 

・・・ほむほむ・・・・なるほど?これあれだよね?

 

「すんません、これ、絶対俺の数字適当にいれてますよね?トリオン以外全部8とか雑すぎません?」

 

とりあえず、思った事をタヌキに聞くと、しれっとそっぽを向いてしまった。

おい、わかりやすいな・・・・・別にそこまで興味があったわけでもないけどもう少しあるじゃん?そんな思いを込めてジトッと見続けるとタヌキはおもむろに電話に出ていた。おいタヌキ、こっちみろ。

で?これ結局マジな数字なん?という視線を他の開発部の連中に向けると、たぶん・・・と答えが返って来た。ふむ・・・一応そういう事にしておくか。

つかさ、この数字でS級とかにされてもやっぱ無理じゃね?だって、迅さんが風神起動時でTOTAL120とかだったか?

あきらかに俺も北上も対応不可じゃねぇか・・・・・どういうことだってばよ。

これ、S級だからって次にブラックトリガーが来た時に俺か北上単独で対応しろって言われたら死ねるぞ・・・。

そんな事をえー・・・と考えている間にタヌキの電話が終わったらしい。

 

「よし、次のテストじゃ!次は試作トリガーの相手じゃ!」

「相手ですか?俺が使うんじゃなくて?」

「うむ!」

 

どんな試作機なのかとか、誰が使うのか聞いてもなんも応えずに、やるぞー!と俺を試験場に押し込むタヌキ。

おい、詳細教える気ゼロかよ。

そう思うものの、とりあえずやらない訳にもいかないので、おとなしく訓練室に入り、試験用のフィールドに転送された。

 

 

転送された先にはやたらと尊大な態度のしらない女性がいた。

なぜかオペレータ連中が着ているスーツ姿で、茶髪のセミロングの髪をなびかせて立っているその女性は舌打ちしながらこちらを見据えていた。こわい。

 

・・・なんだろう、初めて見るはずだが、どことなく既視感があるような・・・?

んー?とその女性を見ながら首を傾げていると、その視線が不快だったのか舌打ちして睨んできた。やべっ!

思わずすみません!と謝るが、その女性は不機嫌なままだった。やっべー・・・っべー・・・・。

 

怒らせちまったよ、っべー・・・と思っている俺をよそに無情にも試験が開始されてしまった。

 

『試験開始』

 

機械音声と同時に俺はファンネルを起動する。初見の相手とは言え、開発部の試験の為、ファンネルを使用してデータ収集をする。

相手を伺うと、いまだ動きはなかった。こちらの様子を見ている・・・?ならこっちから仕掛けるとするか。

 

「ファンネル!」

 

俺は展開していた20機のファンネルの内、10機を周辺に待機させ、いつでもシールドを展開できるようにし、残りの10機を相手に飛ばす。

すると、ようやく動き始めた相手がファンネルの攻撃をさらりとシールドで防ぎつつ、回避していた。あっさり回避しすぎぃ!

 

しかし・・・・なんだ?この動き、どこかで見た事があるような・・・?

そんな俺の思考の隙を見逃さず、相手は攻撃態勢に入っていた。それに気づいた俺はどんな攻撃が来ても防げるようにファンネルのシールドを起動させる。さぁ、こい!

 

「ラティルト」

 

相手が右手をこちらに向けて唱えたトリガーの名称は聞いたことの無いものだった。そう思う間に、俺の足元から光の柱が上がり、俺はベイルアウトていた。

 

「・・・・は?」

 

ボスン、とマットにたたきつけられた俺は思わずつぶやいてしまう。え?地面が発光したと思ったら死んだ。つまり、座標指定型って事か?ざっと見た感じ、直径2mくらいの光の柱がたっていた気がする。・・・初見殺しすぎぃ!

 

『ほれ、2本目行くぞ!』

 

タヌキに促されるままに、再度フィールドに転送され、2本目を始める。

先程の攻撃から学習した賢い、可愛くない、ハチ―チカであるところの俺は座標を固定されないように動きを入れつつ、ファンネルを飛ばすがやはり様子見のファンネルでは防がれてしまうようだ。ハチ―チカ、おうちに帰る!!

 

「ラティルト」

「うぉっ!」

 

またもや思考を読まれたかのようなタイミングで再度光の柱攻撃が来るが、今度はしっかりと回避する。うむ、今度の有効範囲は直径3mはあるな。

最近の開発部の傾向から、トリオン量次第で有効範囲が変わるって事だろう。相手のトリオン量次第だが、喰らったら一撃でやられる以上、かなり広めの回避が必要になりそうだな。

んで、弱点は座標を指定する為の演算に時間がかかるってとこか?連射はあんまできなさそうだ。

これなら、何とかなるか?俺は地面を警戒しつつ、今度はファンネルの半分をスラスターとし、残りを攻撃用として飛ばす。

 

「ファンネル!」

「甘い。ハウンド、ラティルト」

「うぉっ!」

 

地面警戒すれば回避可能やん?とか思っていたら、そんな俺をあざ笑うように上空からハウンドが降り注いで来た。

そんなハウンドに気を取られてスラスターをとめ、防御態勢に入った瞬間、再度地面が発光し、やべっって思う間に、再度ベイルアウトされた。

もてあそばれてるっ!八幡もてあそばれてるようっ!!悔しい、でも感じ・・・・・ない。むしろあれだ、なんかこの追い込まれ方にやはりなじみがあるというか、身に染みてるというか・・・・。

 

そんな違和感と、地面発光現象と戦う事しばらく、試験は終了した。結果は俺の負けだ。10本中3本しか取れなかった。・・・S級とはいったい・・・・。

 

 

ぐすんぐすんと泣きたくなる気持ちをこらえて開発室にもどると、先ほどのやたらと不機嫌そうな女性がいた。っていうかさ、この人・・・・。

 

「あの・・・もしかして・・・・?」

「・・・・ッチ、帰る・・・」

 

俺が話しかけようとすると、ふぃっと視線をそらし、舌打ちと共に去ろうとする。

あれですね、聞くな、話しかけるなって事ですね。了解であります。

俺はもういろいろと気にするまいとして見送ろうとしたが、神様は彼の人に冷たかった。

 

「やっほー!刑部姫こと、おっきーでーす!あー!はーちゃん、見て見て!!」

 

ほにょ宮さんが開発室から出ようとする直前、ドアが勢いよく開き、そこから刑部姫こと、おっきーこと、姫ちゃんさんが現れた。あれ?前までなんてよんでたっけ?まぁ、今日は姫ちゃんさんでいいか。

ニコニコというか、によによしながら謎の美女Xならぬ、ほにょ宮さんを捕まえた姫ちゃんさんは、そのまま、楽しそうに俺に話しかけてきた。やめて!ほにょ宮さん、すげえキレてるから!めっちゃこっち見てる!殺されるよ!!俺が!!

ここは、しかたない、俺がでるしかない!

 

「うっす、すごいっすね、んじゃ」

 

オーケー、超クール。完璧だ。一つのミスもない。

そんな感じで自画自賛しながら開発室を出ようとした俺を、姫ちゃんさんは容赦なく捕まえる。めっちゃニヨニヨしてる。なぐりてぇ・・・・。おま、殺されるよ?ほにょ宮さんめっちゃ怖いよ?

 

「まぁまぁ、見てこれ!この美女、だれだと思う!?」

「・・・・ッチ、離せ・・・・・」

 

ニヨニヨしてる姫ちゃんさんに捕まえられたほにょ宮さんがもうやばい。キレそう。つかキレてる。

俺は質問にさぁ?知らないっす。と適当に返してじゃあ。とさっさと帰ろうとしたけど、そうはさせてくれなかった。

 

「ぷぷぷ!だよね!?実はこの美女は、二宮ちゃんでしたーーー!!!!驚いた?驚いた?」

「・・・・・・・」

 

あ、これ死んだわ。

まずほにょ宮さんあらため二宮さんがぜってえ殺すって目でこっちと姫ちゃんさん見てるし。

これなんて返せば俺のダメージ減らせるかな・・・・?つか、なんでこの残念姫様はこんな楽しそうにできんの?自殺志願者なの?ど変態なのん?俺はもう今すぐ自分の隊室にベイルアウトしたいんですけど!?

 

なんて反応すればいいんだよ!って思ってる間にも姫ちゃんさんは無謀にもこうなった経緯を俺に説明していた。なぜにこの残念お姫様は自らの首を絞めるの!?バカなの!?

 

こうなった経緯、それはある日俺がファンネルで二宮さんにランク戦で勝ち越したことに起因したらしい。

は?と思ったが、そうらしい。んで?

 

「それでね?師匠として負け越したままにするわけには~って姫に言ってくるから、姫がこのトリガーを作ってあげたってわけ!どう?すごいでしょ?」

 

フフン♪と胸を張る姫ちゃんさん。見た目とは裏腹に、残念な性格をしているが、スタイル抜群なマウントひふみんに勝るとも劣らないマウント刑部がばいん!と俺にアピールしてくる。ついでに超ドヤ顔だった。くっ!普段の残念さを知ってはいるものの、視線が吸い寄せられてしまう!

 

「それで、ついでだから、二宮ちゃんのトリオン体の外見をカスタムしたら想像以上に美女が出来上がっちゃったもんだから、もう、姫、これで行くしかない!!って思ったの!!」

 

なるほど、それで、この後俺と一緒に死ぬんですね。わかります。

 

「それにしても、二宮ちゃんが、あの二宮ちゃんが、はーちゃんの師匠として~とか言ってここまで必死になるなんて、ぷぷぷ!」

 

やめて!それ以上はやめて!!つか後ろ見ろ!

すげえオーラ放ってる二宮さんが!いつものトリオン体に換装した二宮さんが!!

 

「だまれ・・・」

「ふがっ!!」

 

チーン・・・おさかべひめはしんだ。

にのみやは、はちまんをにらんだ。はちまんのすてーたすがぜんぶさがった。

 

「比企谷・・・・・」

「ひゃいっ!!」

 

めっちゃにらんでる!にらんでる!!もう八幡の防御力はこれ以上下がらないよ!!

 

「今見た事は忘れろ・・・いいな」

「イエス!サー!!」

 

もちろんであります!二宮さんはとてもスーツの似合う、ナイスガイです!!

さっきまで俺が対戦していたのは謎の美女Xです!そう叫ぶ俺に二宮さんは再度、もし誰かに言えば、わかるな?と入念に確認してくるので、俺は高速でうなずいておく。まだ死にたくはないのだ。

それを見た二宮さんはひとまず満足したのか、気絶している姫ちゃんさんを引きずりながら開発室を出て行こうとしていた。

 

「お、お疲れ様です・・・?」

「ああ。・・・・・比企谷」

「へ、へい・・・・」

 

一度は出て行こうとした二宮さんは立ち止まってこちらを見ていた。

え、もしかして、殺し忘れたから後で死んどけとか?っべー・・・とびくびくしながら二宮さんを伺う。

 

「次の休み、焼き肉に行くぞ」

「はい・・・・?」

「それと・・・・強くなったな」

「二宮さん・・・」

 

あざす。と俺が言う前に二宮さんはさっさと開発室から出て行ってしまった。

え?あれ?もしかして、今俺二宮さんに褒められた?まじで!?

やっべ!これまじやっべ!!めっちゃやっべぇ!!!これもうあれだな!どれだ!?

 

その後、めちゃくちゃハイテンションになった俺はそのテンションのまま小町に絡みまくった。すぐにウザイと言われたが、それにもめげずにハイテンションだった。

 

数日後、約束どおり、二宮さんと焼き肉に行った。めちゃくちゃおいしかった!これからも頑張ろうって思った!

まだまだファンネル抜きじゃ二宮さんにはかなわないので次はファンネル抜きで二宮さんに勝てるようになろうと思った。

あまりにテンション上がりすぎて小学生の作文になってしまった。反省である。

 

余談だが、その後、試作トリガー・ラティルトは開発部の試作シリーズの仲間入りを果たした。しかし、ガンダム作品を源流としていないため、おそらく俺達がテスターになることはないだろう。

 

二宮さんはランク戦の為に通常のトリガーに戻したそうだ。そのため、謎の美女Xの目撃情報はそれ以降無くなったらしい。

しかし、尊大な態度と強力な戦闘スタイルから、ひそかにファンがいるとかいないとか。

その話題がでるたびに二宮さんが不機嫌になり、俺が虐殺されるのは、また別の話である。

 

 

 




という訳で、番外編3話でした。

今回はパラメーターも載せてます。どやぁ!
以前から考えてはいたのですが、なかなかどうして、あれですね。タイミングがなくてね。
いろいろとつっこみあるかもですが、この辺はいつものようにヘーフーンと思って頂ければと!しかし、このパラメーターって、基本アタッカー不利じゃね?って思ったりして。
オールラウンダー有利くね?みたいな。まあその分技術とか下がってトントンになるんでしょうけどね。
太刀川さんと出水が同じ数字なのは納得がいかなかったりして。

と、まぁ、そんなこんなで、二宮さんの回?でした!
最初は魔法少女の恰好させてやろうかと思ったけど、流石にそれは無いな、と思って今回の形となりました。まぁ、それでも無理矢理でしたが。まぁ、あれです。二次創作ですからね!という事でひとつ!

それではまた、次回もよろしくですー!!


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比企谷隊の番外編4 風邪を引くとシリーズ

こんばんわ。番外編です!

さて、ついに復活しましたね!ワールドトリガー!!
まってましたよ!!待ってましたとも!!

来年からは週刊じゃ無くなるみたいですが、おめでたいものです。

そんなうれしさから今回も軽く暴走します。そう、軽くね!!
風邪ひきシリーズ!全員やるのは面倒なんで、ちょっとだけね!




とある日の事だった。

その日もいつものようにボーダーにて過ごしていたのだが、小町のある一言が引き金になり、とてもめんどくさい状況になった時の話をしよう。

 

 

その日、俺がいつものように段ボールの机に書類を広げてひたすら処理をしていた時の事。

え?なんで段ボールの机かって?そりゃあれですよ、ベイルアウト外した罰だそうで、しばらくはまたコイツの世話になる事になったのだ。久しぶりだな、相棒・・・。

それはそうと、今日もダンボールのダンちゃんと仕事にいそしんでいる俺に小町が話した内容、思えばこれが原因でフラグがたってしまったのだろう。

 

「お兄ちゃん、なんか最近風邪が流行っているんだって。気を付けてね?」

「まじか、わかった」

 

このセリフだけ見ると、純粋に心配してくれてそうなのだが、副音声で、小町に移されるとこまるから。という声が聞こえてくるのは俺の精神が病んでいるせいだろうか?

だがまぁ、当然妹スキーな俺が風邪を引くなど許容できるわけもないし、なんなら北上スキーな大井も体調管理は万全だしで、めったな事では大丈夫だろうと思っていたんだ。

 

この時の俺は油断していたのだろう。大規模侵攻が終わり、清姫さんも承認され、三雲達も良いスタートをきれていて、端的に言うと、調子に乗っていたのだ。だからこそ、この事件は発生してしまったのだろう。

 

「兄さん、兄さん。カツカレー、カツカレー」

「はいはい、ちょっと待ってくださいね・・・・どうしてこうなった・・・・・」

 

ちょっと前の事を振り返りながら考える俺の服の裾をちょいちょいとつまみながら目をキラキラさせて単語を連射する風間さんに返事をする。

そう、風間さんだ。今回の事件はなんと風間さんが起こしていた。

 

つまり、今回は、あれだ。

風邪をひくと性格が変わるあれシリーズなのだ。まじかんべんである。バイプスだだ下がりである。

 

なんでこうなったかは今更あれだが、困ったことには変わりない。

 

「兄さん、兄さん」

「はいはい、今度はなんですかー」

 

適当に風間さんの相手をしながら何がいけなかったのかを考える。

通路を歩いていた俺を唐突に兄さん呼びしながら風間さんが走ってきたときには一体なにが起きたのかと驚愕した。

んで、何を聞いても兄さん、兄さんで。俺は比企谷ですと何度説明しても聞いてもらえず、諦めた結果が現在である。

とりあえず、あれだな、風邪ひいたんだな、って気づくのに驚愕過ぎて時間がかかってしまったが、なんのことはない。

よくある風邪を引いて性格が変わり、幼児退行しただけだった。・・・・とんでもなく大変な事態だった。

 

小型高性能な風間さんから高性能部分が取れたらそれってただの小型生物って事で、つまり風間さんの危機である。

風間さんのイメージ的に無表情で車のおもちゃをぶーぶー言いながら動かしてるとこなんて見せられるわけが無いのだ。似合ってる気がするが、ぶっぶーなのだ。うまいこと言った。

 

「兄さん、兄さん、ほら、スカイツリー」

「はいはい・って、すげぇ!!え、マジで!?」

 

そんな事を考えてる俺をよそに、風間さんはのんきにスコーピオンでスカイツリーを再現していた。すげえ再現度で思わず叫んでしまった。いや、まじですごい完成度だ・・・・。

 

いやいや、そんな事より、早く寝てくれませんかね?早く治さないと、こんな風間さんの姿、見せられないよ・・・。

もうさ、ぱっと見は普段とあんま変わんないし、話してもカタコトだったり、口数は少なくて、ああ、風間さんって昔からこんななんか。とか思ったけどさ、さすがに変身ベルトを装着してポーズをとるのはダメだと思うんだ。イメージ的に。・・・・・ほんと似合ってるけど。

 

そんなこんなでてんやわんやとしている事しばらく。ようやく風間さんが寝てくれた。

 

いや、マジで、まさか風間さんとおままごとする日がくるとか夢にも思わなかった・・・。とりあえず、今日の事は見なかったことにしよう。そう心に決めた八幡であったとさ。

 

 

 

 

 

おいおいおい・・・・今日はなんて厄日だってばよ・・・・。

 

ようやく風間さんが落ち着いて、意識を取り戻して、正気に戻ってくれたと安心してマイ隊室に戻ろうとしたら今度はこれかよぉぉぉぉーーーー!!!あ、ちなみに、風間さんは風邪の間の記憶が残っていないようでした。八幡安心である。ホント、おままごとの記憶とか無くてよかったよ。

 

「比企谷、行くぞ」

「へい・・・・・・」

 

そう、安心したのもつかの間、今度は二宮さんに捕まったとさ!!ホント今日のエンカウント運悪すぎぃ!!

自分のガチャ運の無さにがっかりしながら二宮さんの後ろを3歩下がってしずしずとついていく。

はぁ、小町か北上かひふみん先輩に癒されようと思っていたのになぁ・・・・。

 

「こっちだ」

「え?あれ?ランク戦ブースはこっちじゃ・・・?」

「いや、今日はランク戦はしない」

「え・・・?」

 

おや?ランク戦ではない?そしたらなんだ?

あれー?と考えながらも二宮さんに意見なぞできるわけもなく、ひたすらついていく。

時折フラリとする二宮さんだが、なんか今日は足取りが変だな?と思う程度だった。この時は。

 

 

そんな事を考えている事しばらく、気が付いたらよくわからん店に入って二宮さんにジンジャーエールを渡されていた。意味がわからん。

 

「あの・・・・二宮さん?」

「まぁ、飲め・・・・ここのジンジャーエールはうまい」

「は、はぁ・・・・」

 

ここのジンジャーエールは、とか言われてもジンジャーエールの違いとかわからんがな・・・。

産地が違うのか?とか二宮さんの謎の行動に首を傾げる。マジでなんだ?

 

「お、いたいた。すまん、まったか?」

「いや、今来たとこだ」

「・・・・・・・・」

 

二宮さんの奇行に戸惑っていると、新たな客が現れた!・・・・なんのことはない、ただの太刀川さんだった。

でも、八幡知ってる。このパターン絶対ダメな奴だ。間違いない。

 

「やぁ、比企谷。最近はどうだ?」

「・・・・えぇ、まぁぼちぼちです」

 

もうね、太刀川さんがやぁ。とか言わんもん。ナニコレ?

 

「まったく、そんな事じゃダメだぞ?おまえはもうS級隊員なんだ。これまでのようにぐうたらしながらじゃだめなんだぞ?」

「・・・・・・・・」

「ん?なんだ、急に鏡なんか向けて?顔にゴミでもついてるか?」

「・・・イエ、ナンデモナイデス、コレカラハキヲツケマス」

 

おまいう!?とか思ったのは俺だけなのだろうか?

まさか太刀川さんからこんな事を言われる日が来るとかショックなんですが・・・・。

そっと太刀川さんに向けていた鏡をしまいながら悔し涙を我慢する。正直、ぶっとばしたいです。

 

それからもつらつらと太刀川さんが説教のような、熱いトークをかましてくる。まじ帰りたいっす。

もう絶対太刀川さんのレポートは手伝うまいと決意をする俺をよそに太刀川さんの説教は続く、まぁ、大井の説教よりましだけどね?

 

「という訳だ、これからはもっと頑張るように」

「・・・へい」

 

ふぅ・・やっと終わった?そう思った俺は甘々だった。そう、この場にはもう一人いるのだ。

 

「比企谷・・・・・」

「・・・・・・へい」

 

太刀川さんが満足そうな表情で説教を終えて眠り始めた頃、今度は二宮さんのターンが始まってしまった・・。

 

「太刀川はああいっているが、良く努力したな」

「へい・・・・へ?」

 

今度は2時間コースで説教かな・・・とか思っていた俺の耳には想像とまったく違う言葉が降って来た。

へ?と思って顔を上げると、今まで見た事がないような優しい微笑みを浮かべた二宮さんがいた。

 

「たった一人の妹を守る為、お前が血反吐を吐きながら必死に努力してきたのを俺は知ってる。俺はお前ほど努力を積み重ねてきた奴を知らない。よく、がんばったな。えらいぞ」

「に、二宮さん・・・」

 

こないだもちょっとだけ褒めてくれたけど、今日はその比じゃなかった。

優しい笑顔で頭を撫でられながら二宮さんに褒められてしまった!思わず心臓の鼓動が早くなるのを感じる。今の俺はきっと顔を赤くしてしまっているだろう。

普段の俺なら死にたくなること間違いなしだが、今はそれを抜きにしても嬉しさがこみあげてしまう。

 

俺がボーダーで目標としている人は3人いる。まず、東さん、次に二宮さん、そしてレイジさんだ。

忍田さん?もちろん尊敬シテマスヨ?ストレス発散がなければ。

そんな尊敬している人たちの中でも最も厳しいのが二宮さんだった。いつか、二宮さんに認められたい。そう思っていた。

だからこそ、この言葉に、思わず涙がでそうになってしまう。二宮さんは俺の事を見てくれていたんだ、と。

 

「二宮さん、俺・・・・!」

「それに、毎日説教されててえらいぞ」

「これからもがんば・・・・え?」

「眼鏡も似合っててえらいぞ。腐った目もいい感じだ」

「あ、あの・・・・・?」

「二足歩行が出来てすごいな」

「・・・・・・・・」

 

・・・・・・きっと、今の俺は眼鏡越しでもわかるくらい目が死んでるんだろうな・・・・・。

そんな俺を二宮さんは褒めちぎっている。いや、死んだ魚の目がいいとか意味わからんがな・・・。

すげぇ褒められてテンションマックスになったとこからこの急転直下は精神的にキツイ。

 

その後も二宮さんは俺が箸を持てて偉いだのと小さな事を褒めまくった後、満足そうに眠ってしまった。

 

つまり、これあれだ。

太刀川さんも、二宮さんも風邪を引いて性格が変わってたって事だ。うん。気づいてた、気づいてたよ、もちろん。

 

たださ、こう、あれだよ?今までのギャップとかさ、あるじゃん?

わかってても、太刀川さんのはイラっと来たし、鏡見ろよ!って思ったし、二宮さんのは嬉しかったんだよ。思わずまふゆ先生かよっ!・・・とか言いそうになっちゃったけど、それでもめちゃくちゃ嬉しかった。

だから、2人が風邪を引いて性格が変わっているのがわかっていても、こう、突っ込みが後手に回ってしまったといいますかね?

 

そんな言い訳もそこそこに、俺はしょうがない、とつぶやきながらトリオン体に換装して2人を抱える。

太刀川さんと二宮さんを肩に担いでせっせとボーダーのそれぞれの隊室に放り込んで寝かしておく。

さっさと治ってくださいねー、あと、太刀川さんは今後絶対レポートは手伝いませんからねー。

 

それぞれを隊室に放り投げてから隊室に戻った俺は、ひどい一日だったと思いながら今日を終わるのであった。

 

 

ー 翌日 -

 

「小町ぃー小町ぃー」

「はいはい。まったくごみいちゃんはしょうがないなー、風邪を引くと甘えたがって大変だよ」

「小町ちゃん!次、私!私!!」

「その次は私です!」

 

風間さん、太刀川さん、二宮さんの風邪をばっちりうつされた俺が小町や、大井、那須、綾辻に甘えまくっている動画で脅されて、また新たな面倒事に巻き込まれていくのはまた別の話。

 

 

 

 

 

 




という訳で、風邪を引くと性格が変わるシリーズでした!!

勉強ができない!のまふゆ先生が好きです。あのポンコツ先生、ツボを押さえすぎでしょ・・・。という訳で、まふゆ先生ネタを拝借させて頂きやした。へへ。

次回はもしもシリーズです。たぶん。
ちょいとリアルが忙しくてなかなか更新できませんが、100話まではやりますので、もしよろしければお付き合いいただければと思います。
まぁ、ストーリーも何もない話なのであれですが・・・・。

という訳で、最近時間がかかり気味ですが、続きますので次回もよろしくお願いします。


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比企谷隊の番外編5 もしもシリーズ

こんばんわ。お久しぶりです。

番外編5話をお送りいたします。
それと、一か月もあいてすみませんでした。

ちょっとね、引っ越ししてたんす。サーセン。
やっとこさ落ち着いたので、元のペースで書いてきます。
といってもぼちぼちネタが無くなるのですが。

とりま100話までは書きますので宜しくお願いします。


ー もしもシリーズ -

 

「ふぅ・・・うまい。やはりマッカンはイイ・・・・」

 

今日も今日とてマッカンタイム。

俺の所属する部隊の隊長はこういう不健康そうな飲料物とかにめちゃくちゃ厳しい。見つかったら激おこ。

自分も変なこだわりがあるくせに、俺のこのマッカンに対して滅茶苦茶厳しく制限してくるのだ。

だから俺は怖い鬼の居ぬ間に至福のひと時を過ごすよういなっていた。

 

「あぁ・・・この甘さ。コーヒーに練乳が入っているのではなく、練乳にコーヒーを入れてるような甘さ。人生の苦さに比べてこの甘さ・・・たまらないぜ」

 

もう、マッカンと結婚したいレベル。おぉ、マッカンよもっと俺を甘やかしておくれ・・・。

 

「だいたいあれだ。うちの隊長は厳しすぎんだよな・・・・意味不明なこだわりを見せたり、むやみやたらにしごいてきたり、意味不明なこだわりがあったり、スーツスーツ言ってきたり」

「ほぅ・・・・」

 

至福のマッカンタイムを過ごして愚痴っていたが、地獄の底から響くような、おそろしい響きの声が聞こえた。

あわ、あわわわわ・・・!!

 

「あわ、あわわわわ・・・・・」

 

俺があわわ・・とビクビクしながら声の方をゆっくりと振り返ると、あら不思議。とてもスーツの似合う、イケメンな二宮さんが、「おま、殺すよ?」と言わんばかりの眼光で睨んできていた。

いやーー!さっきの愚痴絶対聞いていたやつですねー!!

 

「比企谷・・・・さっきのは、良く聞こえなかったんだが・・・・うちの隊長が、なんだ?」

 

怒ってる!ちょう怒ってるよ!!激おこ!ひえぇぇぇ!!

 

「いや、あの、しょの・・・・」

「なぁ、比企谷、なんて言ったんだ?殺してやるから、正直に言え」

 

殺さないでぇぇぇーーーー!!いやぁぁあーーー!!

 

「いや、しょ・・・その、あれです。えぇと、スーツへのこだわりとか?強くなるための努力を惜しまないところとか、厳しすぎるところが、その、ストイックでかっこいい・・・な、と?」

「・・・・・」

 

だめか・・・?!さすがにこんな見え透いたヨイショじゃ無理か!?やはり俺は二宮さんに殺される運命線から逃れられないのか!?

 

「ふん、それならそうと言え」

「すみま・・・あれ?」

 

とっさに謝ろうとした俺だが、先ほどまでの絶望的な空気が霧散していた。

あれー?と思う俺をよそに、二宮さんはなにやらまんざらでもない顔で語り出していた。

 

「お前にもようやくスーツの良さがわかってきたようだな。だいたい他の奴らの隊服はその、なんだ、コスプレみたいじゃないか。男ならスーツだろう」

「で・・・で・・・デスヨネ!!!」

 

とっさに全力でうなずいた。正直むしろ俺達のほうこそコスプレっぽくなってますけどね。とか正直に応えそうになるのを必死にこらえて盛大に、全力で頷いておく。ここで正直に答えたらせっかく変わった空気がさらに変貌して地獄へまっしぐらだからな。

 

「そうだろう。男ならスーツだ」

「デスヨネ!!」

「強くなるために技術を磨く、当然だろう」

「デスヨネ!!!」

「めんどくせぇな、とりあえずヨイショしとこう。とか思ってるだろう?」

「デスヨネ!!・・・・・ッハ!!!」

 

二宮さんのミスリードに見事に騙されてしまった!

二宮さんはいい度胸してんじゃねぇかと言わんばかりに指の骨をパキパキ鳴らしながら俺に詰め寄って来ていた。

 

「いい度胸だ。今日は特別厳しくしごいてやろう。どうだ、うれしいだろう?」

「・・・・た、たすけて、ください・・・・・」

「はは、どうした、嬉しすぎて涙が止まらないのか?」

「い、いや・・・・ごめ・・・なさい」

 

とても楽しそうに見える微笑みを浮かべた(眼が笑ってない)二宮さんに襟首をつかまれた俺。

必死に逃げようとするものの、生身の俺とトリオン体の二宮さんでは力が違う。ずるずる、ドナドナとランク戦ブースへと引きずられて行ってしまう。

必死に涙を流しながら愛すべき隊員である犬飼や辻(どうやら二宮さんと一緒にいたらしい)に助けを求めるも、諦めろと言わんばかりに首を横に振られてしまう。ノォー―!!

 

「いやぁ、ホントウチの隊長は比企谷ちゃん好きだよねぇ~」

 

にこにこと裏切り者の元愛すべき隊員がなにやらつぶやいていたが、ただひたすらに助けを求める俺には聞こえてなかった。

 

「い、いやぁぁぁぁーーーーーー!!!」

 

それからめちゃくちゃ訓練した。んで、二宮さんがめちゃくちゃハッスルしていた。

 

 

 

 

 

 

数時間後

 

ボロ雑巾の方があつかいがいいんじゃないかと思うくらいボロボロにされた俺はさらなる窮地に追いやられていた。なぜか二宮さんと太刀川さんと一緒に。

 

「おい、比企谷、お前がいけ」

「待って下さい、ここはまず太刀川さんでしょう!?そもそも俺は巻き込まれただけですし!」

 

変態アタッカーナンバーワンの太刀川さんに生贄にされそうになるが、そもそも始まりは太刀川さんなのだ。全力で回避に専念するが、敵は太刀川さんだけではなかった。

 

「だまれ。比企谷、逝け」

「おい、いま明らかに死ぬほうの逝くっていったよね?」

「噛んだだけだ。良いから死ね」

「ストレートになった!?」

「だまれ」

「ひどい!?」

 

と我が隊の隊長であるスーツバカの二宮さんからも生贄に捧げられようとしていた。

味方がいない現状で、俺の目の前に鎮座しているものに目を向ける。

 

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ・・・・・・

 

と謎のオーラを放つ物体が目の前に鎮座していた。

あまりの威圧感に俺は喉がカラカラになってしまう。

そんな俺に、心配するかのような声が掛けられた。

 

「大丈夫?比企谷君。お腹がすいてるのね、さぁ、遠慮しないでどうぞ?」

 

ニコニコと微笑みながら俺に死刑宣告をしてくるのはボーダーA級部隊の隊長である加古さんだった。

女神かと言いたくなるような微笑みで俺に地獄行き宣言をしてくるあたりに一定の層に人気が出そうであるが、今の俺には恐怖の対象であった。

なにせ、今俺の前には皿に山盛りに盛られた何かがあるのだから。加古さん曰く、『新鮮なカキとレバーのモールモッド風チャーハン、ストロベリー味』だ。

始まりから終わりまでツッコミどころしか無い作成者曰くチャーハンを前にした俺には絶望しかなかった。

ちなみに太刀川さんの前には最後がチョコレートになった物と、二宮さんの前にはモールモットの部分がバムスターなったメロン味のチャーハンがあった。どれも絶望の未来しか見えないし、それぞれ何かがはみ出していた。

 

「さぁ3人共どうぞ?熱いうちに食べてちょうだい?」

 

ニコニコと微笑む加古さんに俺達は覚悟を決めるしかなかった。

太刀川さんの方をチラリと見ると覚悟完了と顔に書かれていた。・・・・死ぬ気の表情だ。覚悟を決めるのが早すぎなイカ?

まじか、と思い今度は二宮さんの方を見ると、決意を込めた瞳で俺を見てゆっくりと頷いていた。共に逝こう。そう言っているような気がした。嫌です。

 

左右の2人から覚悟を決めろ、同時に逝くぞという空気をヒシヒシと感じる。俺の決意待ちなのだろう。

だが、一つ言わせて欲しい。

左右からお前待ちだという空気を出されているが、そもそも最初に声を掛けられたのは太刀川さんなのだ。

たまたま加古さんに捕まった太刀川さんが、道連れの為に二宮さんを捕まえた。そうしたら今度は二宮さんに道連れにされたのが俺なのだ。まったくもって巻き込み事故も甚だしい。

 

だが、そんな事を思っても目の前の微笑みの女神加古さんを前にして言う訳にはいかず。俺もまた決意を固めるのであった。

 

「「「い、いただきます」」」

「はい、どぉぞ?」

 

神妙な顔で自称チャーハン(仮)を食べる俺達。

口に入れた瞬間に広がる新鮮なカキの風味が口に広がると同時に、ストロベリーの味も負けじと広がっていく。

あまりの意味不明さに俺の全身が震えているのがわかる。

さらに、それだけではなく、後から口の中に鉄分の味が追従してきた。なんなのこの料理・・・・。

 

横をそれぞれ見ると二宮さんも太刀川さんも無表情でスプーンを動かしている。すげぇ・・・職人芸のようだ。こんな職人にはなりたくないけど。

 

「どうかしら?」

「あぁ、独特の風味だが、わるくない。お前らしいチャーハンだな」

「そうだな、この組み合わせは考えた事が無かった。なんかモールモットの足っぽいのがあるのに正直驚いたがな」

 

加古さんの質問に二宮さんと太刀川さんが答えている。

つか、さりげなく明言を避けてるあたりに2人の気遣いが伺える。そんな場面を見て、俺は涙が出そうになる。

だが、加古さんはそんな玉虫色の返答では満足しなかったようだ。ちょっとムスッとした表情で再度問いかけていた。

 

「あらそう?それで?おいしい?」

「「・・・・・・うまいよ」」

 

ブワッ!と思わず涙が溢れそうになってしまう。

笑顔の加古さんに真実を告げる事が出来なかった2人は、ニコリと歪んだ微笑みを浮かべて答えていた。あんたら、ほんまもんの漢や!!

 

「ふふ、良かったわ。それで?比企谷君はどうかしら?あまり進んでないみたいだけど、もしかして苦手なものでも入っていた?」

 

2人の返答に満足した加古さんは今度は俺に問いかけてくるが、その内容は俺を気づかうようで、それを聞いた二宮さんと太刀川さんがなにぃ!?という表情でこちらを見つめて来ていた。

そんな加古さんの問いかけを聞いて俺は考えてしまう。

このタイミングがすべてじゃない・・ここはおいしいです。そういうのが正解なのだろう。でも、今しか出来ない事、ここでしかできないこともある。今だよ俺・・・・今なんだ。原作の世界線で平塚先生にそう言われた気がした。

 

「そうっすね、せっかく作ってもらったのに申し訳ないです。自分、貝類とか苦手で・・・」

「あら、そうなの?ごめんなさい。トマトだけじゃなかったのね・・」

「え、ええ・・・」

 

それじゃあ仕方ないわね、少し待ってね、新しいのを作ってくるわ。そう言って俺の前に会ったチャーハンを回収しキッチンに戻っていく加古さん。きっと野生児黒江がおいしく食べてくれるのだろう。今度あいつに会ったら優しくしてやろう。そう思った。

だが、俺達の戦いはまだこれからだ。俺は決心をすると二宮さんの前に置かれたチャーハンにスプーンを伸ばしていく。

 

「比企谷・・・?」

「手伝いますよ・・・・隊長」

「フン、いいだろう。俺についてこい」

 

バトルものでありがちな雰囲気を出しながら俺と二宮さんは共同戦線を組んで強敵を突き崩していく。

敵は強大だった。二宮さんが必死に削ろうとし、そこに俺が援護に入ってもなお、圧倒的なオーラを放ち続けていた。

だが、これでもボーダーナンバーワンシューターの二宮さんとその弟子である俺が組んで取りこぼすことなどある訳もなく。そう時間もかからずに見事に皿の上にある強敵は消えていた。

 

やるじゃないか、比企谷。そんな表情を向けてくる二宮さんに俺もニヒルに笑みを返す。

なんだか二宮さんと距離が近づいた。そんな気がした。

 

「なぁ、そっちが終わったならこっちも手伝ってくれ・・・」

「死ね」

「お断りします」

 

完勝した俺達を太刀川さんが羨ましそうに見るが、二宮さんと俺は即答しておいた。太刀川さんは無表情になりながら食べることにしたようだ。当然である。

 

そんなやり取りをしていると、加古さんが戻って来ていた。その手には、どう見ても普通のチャーハンがあった。

 

「お待たせ。ごめんなさいね。今度は海鮮じゃなくて、お肉にしてみたわ。良く考えて見れば、比企谷君くらいの子にはこっちの方がいいわよね?今度から比企谷君にはこっち系で作っていくわ」

「あ、ありがとうございます!頂きます」

 

そのチャーハンは筆舌に尽くしがたいほどに美味しかった。

今まで食べた中でも最高のうまさを誇るそれに、俺のスプーンは加速していく。

 

「ほぅ、うまそうだな」

 

もりもり食べていると、二宮さんがこちらを見ていた。ので、俺は手を止めて二宮さんに問いかけた。

 

「そうですね、俺はこっちの方が好きみたいです。二宮さんも食べてみますか?」

「あぁ」

 

そんなやりとりをし、俺はスプーンにすくったチャーハンを二宮さんにどうぞ、と言いながら差し出した。

 

差し出されたチャーハンを口に含んだ二宮さんはおいしそうに咀嚼していた。2人でうまい、うまいと微笑みあう。さっきまでの地獄が嘘のようだった。

 

「うむ、うまいな」

「でしょう?」

 

そんなやりとりをする俺達に加古さんは楽しそうに微笑みながら見つめていた。

 

 

 

 

ー 数日後 ー

 

なぜか俺が二宮さんにチャーハンを食べさせて楽しそうにしている画像やら動画が拡散され、ボーダーに所属する腐ったオペレーター達が大興奮していたり、それに不機嫌になった二宮さんにボロボロにされた俺がいたのはまた別の話である。

 

 

 

 

 

 




という訳で、番外編5話、もしも八幡が二宮隊だったら編でした。

意外とこのシリーズが書きづらい事に気づいたのは引っ越ししながらネタを考えていた時でした。

本文はパソコンで書くので、ネット環境が整うまで更新できなかったんですよ・・・。感想とかはスマホでポチポチ出来るけど、長文はスマホで書く気になれなくて・・・・ほんとサーセン。

という訳で、ネタに苦しんだり、新しいシリーズを考えたりした一か月でした。
残り数話ですが、次回はそんな間を開けませんので宜しくお願いします!


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比企谷隊の番外編6 ちょっと本編に絡む話

こんばんわ。番外編6話です。

ほんとはもしもシリーズの那須隊編を書こうかと思ったけど、微妙にネタが浮かばなかったので、ちょっとだけ本編に絡むお話。

12月でね、ネタが浮かばなくてね!12月関係ないな・・・・。
次回作のネタばっかり考えててなかなかこっちのネタが降って来ないのです。是非もないよネ!!

そんなこんなで番外編です。



とある日のボーダー。

俺が学生だという事を忘れそうになるくらい毎日がボーダーな昨今いかがおすごしでしょうか。

 

以前に少しアドバイスをしていた三雲から相談を受けた事から今回の話は始まっていた。

 

「あん?俺に対スナイパーのアドバイスをしてほしい?」

「はい、今度のランク戦では隊員全員がスナイパーの隊がいるので・・・」

 

全員スナイパーってあれか、荒船さんとこか。つかあの人アタッカーもこなせるから正確にいうとスナイパーよりのアタッカーなんだが?それならあれだ。

 

「いや、三雲よ、そういうのはレイジさんに聞いてないのか?」

 

なんで俺に聞くのさね?そう思った。たしかにある意味俺もコイツの師匠的なポジションにいると言えなくもないし、なんならコイツからも先生とか言われてる。

でもよぅ、そうじゃねぇだろぅ!?そう思ったのだが、当然それは三雲も聞いたらしい。

 

「はい、それを考えるのも~と言われて。いろいろ調べてるんですが。なんだかイメージがつかめなくて・・・」

 

そう、困ったように話す三雲。

まぁそりゃそうか。スナイパーとの対戦なんか経験がある訳もない。こいつが重度のFPSプレーヤーのわけもないし、想像しようにも出来ないんだろうな。

だが、レイジジさんの言うように俺がなんでもかんでも言うのはこいつの成長にならない。だから、俺から言うのは簡単なアドバイスにしておくか。

 

「スナイパーは経験がものを言うポジションだ。通常のフィールドで戦闘しつつスナイパーから逃げ切る。というのは不可能だろうな」

「はい、調べれば調べるほど今の自分では・・・」

「だな、だから相手の場所がわからない場合は、あえて撃たせるのも手だ」

 

俺の極論に三雲が困った顔をしている。そりゃそうだ。

 

「え?それだと・・・」

「ボーダーの狙撃銃は優秀だ。走っているくらいだと荒船さん達なら普通に当ててくる。だから、あえて隙を作ってそこに撃たせるんだ」

 

以前、一人でランク戦を戦い抜いていた時によく使った戦法だ。味方がいない俺があえてスナイパーに撃たれるように仕向ける。撃ったことで位置バレした相手を他の敵チームに落とさせる。さらにそこに俺が横ヤリを入れる。という最低な戦法を取っていた時期があった。

今思い返してもなかなかにゲスい戦い方だったかもしれん。そんな事を思い出しながら、三雲に話す。

 

「ランク戦は3チームで入り乱れての対戦だ。荒船さんとこだけにとらわれすぎるなよ」

「はい」

「まぁ、俺のやり方は少し特殊なやり方だな、リスクも多い。基本は宇佐美の指示に従って射線を意識だ」

「はい、ありがとうございます!」

 

後は自分で考えろよ、そう言ってから俺は三雲と別れる。

三雲も何かをつかんだような表情をしていたし、次のランク戦は見に行くのも有りだな。そう思っていたんだ。この時は。

 

 

 

 

「なん・・・だと・・・・!?」

 

三雲達のランク戦が終了した直後、俺はその結果に驚愕していた。

 

「まさか、三雲達が完勝するとは・・・・・」

 

正直びっくりである。空閑もいるし、そこそこ健闘するんじゃないかと思ってはいた。

だが、スナイパーとの戦いは経験がものを言う。空閑はともかく、三雲や雨取がいて勝機があるとは思っていなかったので、今回の結果には驚愕である。

そう思ったのは今回たまたま一緒に見ていた那須も同じで相当驚いているようだ。

 

「すごいわね、空閑君はもちろんだけど、三雲君も雨取ちゃんもまだ動きは固いけど、しっかりと動けているわ」

「だな」

 

空閑がほとんどの点を取っているものの、三雲の動きも雨取もチームとして起動し始めたばかりという割には良く動けている。

 

「こうしちゃいられないわ、私達も訓練しましょう!」

「そうか、まぁ頑張ってくれ」

「ええ!まかせて!」

 

三雲達に感化されたのか、那須が気合十分という顔で立ち上がったので、俺はひらひらと手を振って見送る体勢に入る。

すると、何を思ったのか那須が俺の手を掴んでいた。アーハン?

 

「行きましょう!!」

「・・・・・頑張ってくれ」

「逝きましょう!!」

 

何を言いたいのかは那須の目を見ればよくわかっているものの、ささやかな抵抗を試みてみた。結果、那須に握られた俺の手がミシミシと音を立て始める。

 

「・・・・・・逝こ?」ニコニコ

「・・・・・・はい」

 

いい加減にしろよ?そんな目で俺の手を握る那須に抵抗すること叶わず、俺は那須と共に訓練に臨む事にするのであった。しぶしぶ重い腰を上げた。

 

「ふふ、八幡君の育てた子達とランク戦するなんて、楽しみね」

「いや、弟子ってわけじゃ・・・空閑にいたっては、ファンネル抜きだとあいつのが強いぞ?」

「そうなの?ますます楽しみだわ」

「し、しょうか・・・」

 

どれだけ楽しみなのん?というくらいニコニコと微笑む那須。楽しみだとそう言っている言葉とは裏腹に、瞳に炎が宿っているように見えるのは気のせいだろうか?

瞳に力が籠り、さらにはとても魅力的な微笑みだが、気づいて欲しい。最初こそ普通に手を握っていただけだったのが、いつの間にかテンションが上がっていたのか抱きつきの体勢に移行している事に。

つまり、なにが言いたいのかと言うと、那須の控えめながらもしっかりと主張するお胸様がしっかりと腕に当たっていた。ふにょん、ふにょんと腕に当たる感触と、那須の爽やかな香り。もうね、ありがとうございます!

 

「どういたしまして」

「!?!?」

「ん?どうしたの?」

「い、いや・・・・なんでもにゃい」

 

ニコニコと微笑む那須の表情はとても、とっても楽しそうに俺に向いていた。

・・・つまりあれだ、俺の反応を見て楽しんだ上で、俺の思考にドンピシャで返答したという訳だ。ナニソレ怖い。

 

そんな感じで那須にいじられながらもランク戦ブースについた俺達。

 

「それじゃあ、お願いね?」

「ああ」

 

それからめちゃくちゃ訓練した。

 

 

 

 

 

 

「なぁ、もうそろそろやめね?」

「はぁ、はぁ、・・・・もう少しだけ、お願い」

 

那須と訓練することしばらく、普段なら那須の体調的にあまり長く訓練しないのだが、今日はいつも辞めるタイミングでも訓練を継続していた。

息が上がってきてもなお継続しようとする那須にそろそろやめようかと提案するが、今日の那須は気合が違っていた。

それと、息遣いがめちゃくちゃ色っぽくて、正直こっちも集中しきれないのもあって、今日はもう終わりでもいいんじゃないかなって思っていた。

ちょっと頬を染めて荒い息遣いするとか卑怯やん、そんなんチートや、チーターや!!そう思いました。こいつはもう少し自分が振りまいている魅力を自覚して、自重して欲しいものだ。

 

と、そんな事をつらつらと考えて何とか平静を装いつつ、いい加減那須の体調が不安なので休ませないとだな。

これで訓練のし過ぎで体調崩したとかになったら俺がくまちゃんに怒られてしまう。

 

「もう十分だろ?」

「まだ、大丈夫・・・・」

「つったって、もうへろへろじゃねーか」

「・・・・やるの」

 

ちょっとぷくぅ。と頬を膨らませて子供みたいにすねてるのが無駄にかわいいなコンチクショウ。

それでもなかなかにやめようとしない那須。まったく、しょうがない、これはあんまり使いたくないんだがなぁ・・・。

 

「わかった。じゃあ訓練するか。今日これで終わりにしたら今度何か言うことを聞いてやろうかと思ったんだが、しょうがない」

「あぁ・・・めまいが。もう、今日はダメね、休みましょう」

「・・・・おう」

 

俺の提案を聞いた瞬間、那須の手のひらクルーが発動した。

正直ビックリというかドン引きだよ。なにがそこまで那須を動かすのかわからんが、必死に訓練していたのが今の一言でこれだもの。ドン引きである。俺に何させる気だよ、怖い。

まぁそれでも、休んでくれるならこちらとしても文句はない。

 

「んじゃ、今度な」

「うん、絶対よ?私のお願い聞いてね?」

「あぁ、無理のない範囲で頼む」

 

こうしてその日は訓練を終えたが、それからの那須はことある毎に俺との訓練に励んでいた。

突然の訓練ブーストに那須隊のメンバーも心配していたが、那須が大丈夫。と言って訓練を続けていた。その瞳はどこか焦りのようなものが見えていた。

 

 

 

 

 

那須が訓練に励み始めて数日。

明日は那須隊、玉狛第二、鈴鳴第一のランク戦だ。

 

明日に備えて各チーム作戦を練っているであろうタイミングで俺は那須隊の隊室に来ていた。

 

「・・・・何か言いたいことは?」

「・・・・・ごめんなさい」

 

なぜかって?そりゃあれだ。那須に説教するために決まってる。

なぜ説教かって?そんなんもちろん那須が訓練のし過ぎで体調崩したからに決まってる。

 

「なぁ、俺言ったよな?体調崩すからほどほどにしとけよって。言ったよな?」

「・・・・・・・うん」

 

俺の詰問に那須はまたもや子供みたいにむくれながら、めちゃくちゃ間をおいてうなずいていた。やっぱり無駄にかわいいなチクショウ。

 

「明日はランク戦なのに、こりゃ那須抜きでやるしかないだろ?」

 

そういうと、那須以外の那須隊メンバーがうなずく。

 

「大丈夫、やるわ」

 

だが、那須だけはうなずかなかった。一体、何がそこまでさせるのだろうか」

 

「ダメだ。那須、明日は休め」

「やるわ」

 

俺の言葉にも那須は決してうなずかなかった。どうしても参戦する気のようだ。

 

「八幡君、私のお願い聞いてくれるでしょ?だから、お願い。明日はやらせて」

 

どうやら那須には譲れないものがあるようだ。

とても真剣な目でこちらを見つめる那須の瞳にはなにか、あせりと決意のようなものが視えた。

 

「どうしてもか?休んだって良いんだぞ?」

「どうしても、やらないとダメなの」

 

何度確認してもやると決めてしまっているようだ。こうなってしまってはもう誰にも止められないのだろう。チラッと熊谷を見ても、仕方が無い、そういった表情をしていた。

 

「わかった。でも、今よりも体調が悪くなっていたら問答無用で休ませるからな?明日までに少しでも休め。いいな?」

「うん、ありがとう。それと心配かけてごめんね?」

「ったく、そう思うなら明日は休んで欲しいんだが?」

「ふふ、ごめんね?それはダメ」

「はいはい、ったく、強情だな。まぁ、明日までしっかりと休めよ?」

「うん、しっかり見ててね?」

 

見てて、それはあれですよね?今休むのを見るじゃなくて、明日のランク戦ですよね?

そう思った俺は那須にわかった、ちゃんと見るからと頷くのだった。

 

「約束よ?ちゃんと・・・みて・・・・スースー」

「ふぅ、やっと寝たか。んじゃ熊谷、後頼むな」

 

那須が寝たのを確認した俺は熊谷に後を任せて那須隊の隊室を後にした。

ちなみに、俺が熊谷の方を見ると、颯爽と志岐と日浦を連れて隊室から出ようとしていたので必死に止めた。油断すると那須の看病を俺にやらせようとする熊谷には困ったものだ。

これ俺じゃなかったら今頃R指定入ってたからね?まったく、少しは俺の紳士力に感謝して日ごろの俺に対する扱いを優しくして欲しいものである。

 

そんな事をつらつらと思いながら俺は自身の隊室に戻るのであった。

 

 

 

 

 

翌日、ランク戦が終わったのを見届けた俺は再度那須隊の隊室を訪れていた。

 

隊室のドアを開けると、同時に胸に軽い衝撃がした。それと同時にふわりとここ数日毎日のように嗅いでいた香りがした。うん、この言い方は変態っぽかったな。

そんな事を考えながら視線を少し下げると俺の胸に那須が抱き付いて来ていた。

 

「・・・・・・」

「あー・・・・その、なんだ・・・・?」

 

沈黙が痛い。

どうにも少し泣いていたのかぐずぐずと小さく鼻をすするような音がするものの、那須はひたすらに俺の胸に顔をうずめて静かにしていた。

那須からただよう香りや、那須のお胸様や、やわらかいぃぃぃ!とか、そういったもろもろのあれこれはあるものの、那須がここまでランク戦にかけていたとは。

 

「まぁ、その、なんだ?さすが那須だな。あの状況で単独で3点とって、すげぇな」

「・・・・・・」

 

とりあえず、オートで動く俺の腕が那須の頭を撫でるのにまかせつつ、励ましの言葉をなげる。

那須は未だに無言で俺の胸に頭を擦りつけている。心なしかぐりぐりされているような気がするし、なんならさっきから鼻呼吸しまくっているような気がするが、気のせいだろう。

 

それからしばらく那須に励ましの言葉をかけ続けていた。

那須が名前で呼んでと言うので、なのは・・・じゃなくて、玲と呼んだりした。その後も那須の望むままにかわいいよ玲とか好きだよ玲とかもう俺の瞳には玲しか映らないとかこっぱずかしいセリフを言わされまくった。途中から調子に乗りだしたので、軽くチョップしておいた。

 

そうしてしばらくして俺の精神に甚大なダメージを受けた励ましの結果。なんとか那須の心は持ち直していた。

 

「んで?なんでこんな無茶したんだ?」

「・・・・・・・禁足事項です♡」

「・・・・・んで?」

「もうちょっと、反応してくれると嬉しいんだけどなぁ・・・」

 

何言ってんだ?と思ってごまかそうとする那須をジト目で見ていたら、それまで黙っていた日浦が口を開いた。

つまりなんだ。日浦がボーダーを去らないといけないかもしれないから、これまでで一番の成績を残そうとしていたと。

なるほど?

 

「ったく、それならそうと先に言え」

「・・・ごめんなさい」

 

めずらしく、那須が本気で反省しているようだ。ここはあれだな。これを機に俺への普段の行いを改善するチャンスかもしれん。

 

「志岐。まだまだランク戦で巻き返すチャンスはあるだろ?」

 

俺の質問に志岐がもちろんですとグッ親指を立てて来た。ったく、おまえはそんなキャラじゃねぇだろうが。

 

「なら、やることは1つだな」

「私と結婚する?」

「そのとおり・・・・って、んなわけねぇだろ・・・・」

「チッ・・・」

 

おい那須、今舌打ちしただろ?おい、なんだその顔は。熊谷も日浦も志岐もなんだその眼は。ちげぇだろ、今はそうじゃないだろ?そんな眼で見るなぁ!

 

「あーごほん。やる事って言ったら訓練に決まってんだろ」

「・・・・・結婚は?お付き合いを前提に結婚する?」

「それ順番おかしいだろ・・・・そもそも俺の年齢じゃまだ結婚できねぇよ」

「じゃあ8月になったらしてくれる?」

 

おかしい・・・なんかさっきまでと全然違う方向に話がむかってるんだが・・・。例えるならあれだ。北上と訓練しようとしたら二宮さんが出てきた感じ。ちがうな。

 

「そうじゃねぇ、訓練の話だ。やる気ないなら帰るぞ?」

「あぁ、ごめんね?うん。もちろん訓練よろしくお願いします」

 

もういいや、そう思って帰ろうとしたら那須が笑顔で抱き付きながら俺に謝って来た。

ったく、そうやってほいほいボディタッチを激しくされると俺のハートが激しくビートを刻みすぎて大変なんで控えてもらえませんかね?

 

そうは思うものの、こないだまでの必死な感じもないし、どことなくいつもの那須隊の空気になったようでなによりだった。

 

 

「まぁ、まずは体調を戻せ、それからだな、熊谷と日浦にも特別メニューを組んでやる。任せろ、伊達に教導隊を名乗ってねぇ。きっとお前らの力になってみせる」

 

俺がそう言うと、那須を含め、那須隊のメンバーが決意を込めた瞳でうなずいた。

こうして、俺と那須隊の訓練が始まったのであった。

 

 

 

 

 




という訳で、番外編でした。

ちょっとだけ、本編にかすりつつ、たまにはおバカな話を少なめに書いてみました。
あ、あたいにだって、まじめな話書けるんだぞう!そう思って書いた今回ですが、まぁ、筆が進まない進まない。
やはり自分にはお気楽な話が良いんだなって再認識しました。知ってたけどネ!!

次こそはもしもシリーズの那須隊編になる予定!!きっとね!!
ちなみに感想であった理想のどS那須さんはもう今の那須さんのキャラからは取り戻せないくらいのキャラ崩壊になるから、やりません!

みんなの心の中でだけ、下げずんだ目で見られながら踏んでもらって下さい。

そんなわけで、また次回よろしくですー!


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比企谷隊の番外編7 もしもシリーズその2

こんばんわ。そろそろネタが出なくなって来た番外編7話です。

もうすぐ年越しですね。クリスマス?知らない子ですね。

今期のアニメも終わりますね、来年は年始からラブライブです。テンション上がります。やばいですねっ☆

劇場版作品がぽんぽん出るしでいまから前屈みですが、それよりも魔法科2期こい。そう思う昨今です。来ませんかね?来ませんか、そうですか。

そんなこんなで番外編です





― もしもシリーズ -

 

これは、俺が那須隊に入った時の話だ。

 

最愛の妹である小町と別れないようにと必死に訓練し、ようやっとB級に上がってしばらくした俺に待っていたのは小町が本部所属のオペ―レーターになる事と、俺が那須隊に入る事だった。そんな八幡的にポイント低い事をにこにこ笑顔の小町により告げられたのだ。

 

「という訳で、お兄ちゃん。明日から那須隊ね!」

「もしもし?小町ちゃんや?何を言っているのん?」

 

という訳で、と言いながら、唐突に告げる愛しのマイシスター。前からおバカだとは思ってはいたが・・・と俺が妹の残念なオツムを心配していると、小町はコホン、と芝居がかった仕草をした。

 

「お兄ちゃんの為に、もう玲さんに話は通してあるから安心してね!!」

「ねぇ?小町ちゃん?お願いだから聞いて?」

「大丈夫!お義姉ちゃん候補ナンバーワンの玲さんならきっとお兄ちゃんもうまくやっていけるから!!」

「もしもし?もしもーし?」

 

だめだ、小町ってば、俺の質問のいっさいがっさいをスルーして強引に話を勧めようとしていやがる。このままじゃボーダー屈指の美人隊員であるところの那須のところに入れられてしまう。それはだめだ。

ただでさえ小町のコミュ力により那須隊の奴らとはちょくちょく訓練したり、小町つながりで風間さんとか嵐山さんとかに訓練を付けてもらったり、なんなら木虎や加古さんとも訓練したりと周りからの嫉妬的な視線がきついのだ。

 

ここでさらにB級の華であるところのガールズチーム那須隊に入ったりしたら、今度こそ俺は人生をベイルアウトしなくてはいけなくなってしまう。

小町を残してベイルアウトするわけにはいかないし、何なら、絶対に俺の居場所がなくなる未来しか見えない以上、なんとかこの話を流さなければ!

そう決心をする俺は、いまだに強引に話しを進めようとする小町を説得するべく、声を掛けようとした。が、世界は俺に冷たかった。

 

「なぁ、小町ちゃんや?」

「お待たせ、比企谷君、小町ちゃん。申請終わったわ」

「あ、玲さん。いえ、お義姉ちゃん。ありがとうございますー!!」

 

終わった?・・・・・終わっただと!?

 

「あ~・・・もしもし、那須さんや?ちょっと聞きたいんだが・・・」

 

小町はさっきから聞き流してくるので、ここは那須に聞くしかあるまい。・・・もう、なんとなく、小町と那須の表情から察してはいるけど!まだ可能性はある!!あるったらあるのだ。

 

「うん?なにかな?」

 

俺が小町に聞くのを諦めて確認をしようと声を掛けると、那須は楽しそうに微笑みながら首を傾げた。ええい、かわいいなちくしょう。

 

「その、だな。今の終わった、ってのは、その、なんだ?もしかして・・・」

「うん、そうだよ?比企谷君の入隊申請。さっき沢村さん経由で本部長に渡してきて、受理してもらったの」

「受理しちゃったかー・・・・・」

「受理しちゃったのー♪」

 

まじかよー・・・・とがっくりする俺を楽しそうに見つめる那須。

これからよろしくね♪と音符混じりで俺に微笑む。ホントいい性格していやがる。やばいですねっ☆

だが、まだだ、まだキャンセルが効くはず!

 

「あーその、なんだ。実はだな・・・その件なんだが・・・・」

「もしかして・・・・嫌、だった・・・・?」

 

先程までのにこにこ笑顔が曇り、今にも泣きそうな表情になる。心なしか瞳がうるんでいる気もする。おおぅ・・・すげぇ罪悪感が出て来たんすけど・・・。

だが、だがしかし!ここで承諾するわけにもいかないのだ、俺は心を鬼にして那須に告げた。

 

「い、いや・・・じゃ、ない・・・が、その・・・だな」

「だめ・・・・?」

 

言えねぇ、言えねぇよチクショウ!

 

「コレカラヨロシクオネガイシマス・・・・」

「うんっ!よろしくねっ♪」

 

あきらめて俺がうなずくと、それまでのしょんぼりな表情は一瞬で消え、那須はにこやかに微笑んだ。

くそぅ、美少女には勝てなかったよ・・・・・。

こうして俺は那須隊に入ったのであった。

 

 

 

 

 

 

 

「作戦会議をします」

 

俺が那須隊に入って最初のランク戦のシーズンを迎えた。

 

小町と那須に無理やり入隊させられた最初の頃こそ、那須隊での居場所がなくなる事や那須や熊谷、日浦のファンから夜道に刺されないか心配しながら俺は過ごしていた。

 

実際那須隊に入ってからしばらくは周りの隊員達からめっちゃ睨まれまくっていた。が、その視線はしばらくすると無くなっていた。

なんでかって?同情されてんだよコンチクショウ。

事ある毎に那須にいじられ、もてあそばれてるのを見られていた為に、いつの間にか俺は周りから同情されるようになっていた。

そんなこんなでいつの間にか俺は、自身の尊厳を生贄に捧げることで那須隊の隊員としての日々をなんとか過ごせるようになっていた。尊厳は失われてしまったが。

 

で、さっきの那須のセリフである。

とりあえず、なんぞ?という意思を込めて那須を見る。熊谷も日浦も志岐も真剣な表情だ。

全員の意識が向いたのを確認した那須は話を続けた。

 

「今度のランク戦に向けて明日、私の家で作戦会議をします」

「異議あり!!」

「却下します。なので、明日は学校が終わり次第私の家に来てください。あ、小夜ちゃんはPC越しでいいからね?」

 

あれー?隊長?もしもーし?俺の意見は?つか、志岐は来なくてもいいのに俺は強制参加ですか、そうですか。って、いける訳ないだろが。

 

「いや、さすがに女子の家に行くのは・・・・」

「比企谷君?」

「・・・・・・はい」

 

もうね、なにも言えないよ・・・なんか微笑んでるけど目が笑ってないもん・・・・。

そんなわけで、那須の家で作戦会議をすることになった。

 

 

 

 

 

 

 

んで、作戦会議の日。

 

俺はさっそく帰りたくなっていた。

理由?そんなん、目の前にいる人が原因だよばっきゃろー。

 

「それで?比企谷君?玲とはどういう関係なのかしら?」

 

にっこりと微笑むたぶん那須の母親と思われる美人さんが、新しいおもちゃを見つけたと言わんばかりにニコニコしているんだもの・・・。なんだろう、すごく素敵な微笑みだけど、やっぱり那須の面影を感じるなぁ・・・・主に俺が困ってるとこを楽しそうに見てるとことか・・・・。

 

とりあえず、少し前にさかのぼると、さすがに男が那須の家に行くのはまずいんじゃなイカ?と話してたのだが、那須が、じゃあこれ着ればいいよと取り出したのが那須隊の隊員服だった。

それを見た俺は那須の目を見たのだが、どうもかなり本気で言っているようだった。なので、俺はその服を見なかったことにして、今日はいつもの恰好で来たのだ。

今度のランク戦でアレを着せられそうな気がしないでもないが、そこは志岐に期待するしかない。頼むぞ!正直どこぞのコスプレになりそうだけど。那須達と同じのを着るよりましなはずだ。

 

そんな決意の元に那須の家に来た俺は、絶賛那須の母親に歓迎されていた←今ココ。

 

那須と熊谷と日浦は遅れているらしい。志岐は引きこもりだから当然来ない。つまり、孤立無援である。那須よ・・・なぜこの時間を集合時間にしたし・・・・。

そんなわけで、なぜか今俺は那須の母親と単独で向き合う事になっていたのだが、これがまたやばい。

 

「それで?恋人はいる?玲はどう?」

「いや、その・・・・」

 

こんな感じである。

はやく那須か熊谷か日浦来てくれー!!そんな願いを込めつつ、適当な返事をする事しばらく、ようやく那須達が来たようだ。

助かった!!

 

「ごめんね?まった?」

「い、いや・・・・」

「おかえりなさい、玲。比企谷君、すごくイイ子ね?お母さんも気に入ったわ」

「でしょう?」

 

でしょう?じゃねぇよ!?おかしいだろ!なにこの2人!?親子か!親子でしたねコンチクショー!!

そんな俺の憤りをスルーして那須と那須母は楽しそうに話していた。

ぐっと涙をこらえる俺を熊谷が優しい微笑みを浮かべながら肩に手を置いて励ましてくれる。やだ・・・カッコイイ。

 

「くまちゃん・・・」

「くまちゃん言うな」

「あいたっ」

 

とっても頭が痛かったです。

そんな感じで那須の家で作戦会議は始まった。

 

 

 

 

 

 

「うん、それじゃあ次のランク戦はこの作戦で行きましょう」

「「「了解」」」

 

しばらくして作戦会議は終わったため、俺達は帰る事にした。・・・正直わざわざ那須の家に来る必要性が感じられなかったが、そこは考えないようにしておく。

日浦、熊谷と順に玄関から出て、さあ、俺も帰るか。と一歩を踏み出そうとしたが、残念ながら帰ることは出来なかった。

 

なぜかって?

 

那須と那須母が俺の肩の左右をがっしりと掴んでいたからだった。

嫌な予感がしたが、思わず振り向いた俺の視界にはにっこりと微笑む那須と那須母の顔があった。

信じられないくらい整った顔立ちの母娘に至近距離から見つめられてしまう。

顔が赤くなるのと同時に、びっくりするくらい感じる恐怖。もうやめて!八幡のライフはゼロよ!!

 

にこにこする2人の美女の視線から逃れるべく、今まさに玄関から出た熊谷に助けて!と救援要請の視線を送る。

 

「く、熊谷・・・・」

「・・・・がんばんなさい」

 

だが、熊谷は同情の視線を送るものの、俺を助けてはくれなかった。

日浦もニコニコと微笑みながらさよならです~とか言ってくるし、熊谷は静かに玄関のドアを閉めてしまった。

締まる直前に小さくごめん、と聞こえた気がするが、助けてはくれなかった。く、くまちゃぁぁぁぁーーーん!!!

 

「さ、比企谷君、一緒にご飯食べましょ?」

「2人の馴れ初めを聞かせてね?」

「・・・・・・・ハイ」

 

ただでさえ那須一人にすら抵抗の出来ない俺が、その母親も混ざった状態で断れる訳もなかった。

それからめちゃくちゃ那須と那須母から話を振られてもてあそばれて過ごした。

 

「ただいま。おや、君は・・・・」

 

そんな感じでしばらく那須と那須母と会話する事しばらく、今度はおそらく那須の父親らしきナイスミドルが・・・・・あ、終わったぁー。

 

すまない小町。俺はもう今日が命日になるかもしれん。

 

家に帰ったら娘と妻が見知らぬ男を挟んで会話してた。

うん、これは俺でも殺すわ。

そんな事を考えていると、那須母がにこにこと答えた。

 

「あら、おかえりなさい。この子は比企谷君、玲の旦那様よ」

「え、ちがっ・・フガッ」

 

那須母がさらっと火に油を注ぐような事を言い出した。え、ちょっと!?

止めようとすると、那須に止められてしまう。やめて!?その誤解はやく解かないと俺死んじゃう!?

 

「ほぅ・・・・?」

 

ひぇぇぇぇ・・・・。クールな視線が俺を射抜いてる。

 

思わず逃げようにも左の腕を那須に、右の腕を那須母にしっかりと抱えられているため逃げられなかった。

左右の腕がとても柔らかいものに包まれているが、そんな事を考えている場合じゃない、さすが那須母、那須よりも母性が大きいですね、とかちょっとしか考えていないのだ!考えてましたね、すみません。あと那須さんや?腕がミシミシ言ってるんでやめて?

そう考えていると、那須父はふむ、とひとつうなずいた。

 

「比企谷君か、あきらめてくれ」

「・・・・・え・・・・」

「2人とも、ほどほどにしておくんだぞ?」

「「はーい」」

「・・・・・え・・・・」

 

比企谷君、ゆっくりしていくと良い。そう言って那須父は着替えに行ってしまった。

だが、俺は見逃さなかった。那須父の目が、同士よ・・・と言っていた事に。

つまり、あれだ。そういう事なのだ。

 

それからさらに那須と那須母にいいようにもてあそばれたのであった。

・・・ほんと、作戦会議どこ行った。

 

ちなみに、その後、那須と同様に熊谷家と日浦家に行き、なぜかそれぞれの両親と挨拶した。

娘をよろしくとそれぞれの母親に言われた空気が完全に娘さんを下さいな感じになっていた気がするが気にしたら負けだと思い、(隊員として)うなずいておいた。

 

ついでにランク戦は無事に勝利し、その後、打ち上げと称して再度那須の家に行ったり、またもや那須母にもてあそばれたりした。

その後那須父に励まされながら2人で飲んだマックスコーヒーの味を俺は一生忘れないと誓った。

 

人生は苦い。だからコーヒーくらいは甘くても良い。

那須父はそう言っておいしそうにマックスコーヒーを飲んでいた。社畜として働く那須父、那須母に弄ばれる那須父。自分の未来を見ているようだった。

 

なぜか那須父とそんな感じで絆を深めたりした俺の那須隊での日々は過ぎていくのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




という訳で、番外編でした。

なぜか那須隊だったらといいながら日浦にも志岐にもセリフが無いというミラクル!
そしてなぜか登場した那須母と那須父。

自分でもなぜ出してしまったのかよくわかりませんが、出してしまった。さーせん。

マジでボチボチネタが出ない昨今、次は何を書こうか思案中です。また原作に絡むかハイパーズの話か小町の話だと思いますが、次回もよろしくですー!


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比企谷隊の番外編8 受難な一日

こんばんわ。番外編その8です。

ネタが、ありません。
迷走する昨今いかがおすごしでしょうか?
いろいろアイデアを頂きながらも形にできずに日にちばかりが過ぎていきます。これが、スランプってやつですね。いっちょ前にそんな事を思ってみたり。

うん、百年早いですね、さーせん。

そんなこんなでひねって絞って書いた番外編です。



ー とある受難な一日 -

 

「おかしい、おかしすぎる・・・」

 

なにがおかしいって?今日も今日とて仕事を終えた俺を待っていたのは加古さんだったからだ。休ませる気ゼロなこの世界が憎い。

ま、まあ?先日の革命により俺のチャーハンには海鮮コンボが無いので油断していた。安心していたのだ。しかし・・・

 

「まさか、普通のチャーハンにあそこまでの可能性を見出していたとは・・・・・おそるべし」

 

まさかあんな摩訶不思議な味が完成するとは思わなかった、見た目が普通なだけに完全に油断していた。むしろあれは見た目がチャーハンなだけの完全に別物だったな、今後は気を付けよう。

 

そんなわけで仕事終わりに厳しめのボディを入れられた俺は震える足を引きずりながら我が隊室に戻って来ていた。

小町よ!私は帰って来た!と心の中で叫びつつドアを開けると見事に誰も居なかった。さみしい・・・・。

 

「小町か北上に癒して貰おうと思ったが、まぁいいか・・・」

 

ひふみん先輩でも可!とか思って隊室を見回してみても我が癒し隊員達は誰も居ない。なんなら堕天した女神大井も居なければバーニング少女清姫さんも居ない。

さみしい・・・以前までの俺なら小町さえ居れば良いと思っていたのにな、そんな事を思いながら随分と広く感じてしまう隊室をずるずると足を引きずりながらソファに向かう。

 

あぁ、もう駄目だ。

思っていたよりボディのダメージが大きいようだ。一見普通のチャーハンに何を入れたのだろうか?おいしいおいしいともくもく食べていた黒江の強靭な胃がある意味羨ましい。

 

俺も生まれ変わったら黒江のような何者にも負けない胃が欲しい。あ、でもまだ死にたくない、てか死ぬわけにいかないからいいや。そんな事を考えながら意識を手放すのであった。

 

ん?ドアの開く音が聞こえたような?

まどろみから少しばかり意識を浮上させる。

いまだ仕事による疲労と加古さんの可能性あふれるチャーハンのダメージが抜けていないのでまぶたを閉じたままどこか夢見心地のように意識がふわふわしている。

起きてますか?寝てますよぉーとそんな事をフワフワと考えているような、考えていないような感じでいると、音の発生源が近づいてきている気がする。

 

「ふぅ、ただいま戻りました・・・あら?」

 

う~ん・・・この声は大井かな・・・・まぁ、いいか。寝よう。

 

「ふふ、寝ているのですか?まったく、仕方が無いですね」

 

くすくすと笑っている大井の気配にだんだん俺の意識が浮上してくる。

まったく、と楽しそうにくすくす微笑んでいる大井の気配が静かに俺に近づいて来ていた。

 

あれ?これなんか目を開けづらい感じじゃね?そんな事を思っている俺をよそに、大井は寝ている風を装っている俺に毛布を掛けてくれる。やだ、優しい・・・・。

 

「風邪を引いてしまいますよ?まぁ、それならそれで精神誠意看病しますが」

 

くすくすと微笑みながら寝ている俺の頭を優しく撫で始める大井。・・・・大井だよね?あれーーー?なんか聖母のような優しさに溢れてる気がするんすけど!?

 

「ふむ・・・・・看病するのも悪くないですね。失礼」

 

少し間が空いた後、一度はかけてくれた毛布をはがし始める大井さん。

あれーー?もしかしなくても俺に風邪を引かせようとしてない?あれー?

 

「それにしても、随分顔色が悪いですね・・・きっと私があなたに無理をさせすぎたせいですよね、すみません。ですが、私は北上さんと同じくらい。いえ、もしかしたらそれ以上にあなたが・・・・・だから、すみませんでした」

 

いやね?今はタヌキ寝入りしてるし、グロッキーなのは加古さんのせいなんだ。とか言えない空気になってしまった。やべ、これもう完全に寝てる事にしとかないとじゃないですか・・・。

俺は背中に冷や汗を浮かべながらも必死にタヌキ寝入りを続ける事にした。

そんな俺の決意をよそに、いまだ俺が寝ていると思っている大井は頭を撫でながら独白を続けていた。

 

「このような状況でないと正直に話せないなんて・・・私もあなたの事をとやかく言えませんね・・・・」

 

「本当にごめんなさい・・・・」

 

まさか大井があのスパルタに対してやりすぎたと自覚していたとは・・・・。

自分でもよく耐えたなーとか思っていたけどね?わかっていたなら自重して欲しかったと思うものの、大井のスパルタが無ければこの間の大規模侵攻を乗り切れなかったかもしれない。そう思ってしまう。

少なくとも大井が入る前の俺ではこの間の戦いを乗り切れなかっただろう。だからこそ、大井には感謝してる・・・・そんな事、このタイミングで言ったら殺されるかもなんで、ひたすらタヌキ寝入りするが。

 

そんな葛藤をする事しばらく、俺が寝たふりをして、大井が撫で続けるという時間が過ぎていく。

だんだんまた眠くなって来たな・・・そう思い始めていると、大井が動きはじめた。

 

「あら、もうこんな時間ですか。そろそろ行かないとですね」

 

その言葉と共に大井が立ち上がる気配がする。

ふぅ、何とかごまかしきれそうだな、そう安堵するが、なかなか大井は動き出さなかった。

あ、あれ?もしかして俺が起きてるかと疑ってるのん?や、やばい・・・冷や汗が・・・・。

 

「起きてないですよね・・・・?」

 

寝てますよ!!とか当然言える訳ないのである。

 

「戸締り、良し。周辺確認、良し。八幡さん、良し・・・・すー、はー・・・・ゴクリ」

 

え!?なに!?なんの確認なの!?殺される!?殺されちゃうのん!?もしかして起きてるのばれて殺されちゃう!?どうしよう?起きるべき!?起きるべきなのん!?

そんな感じで脳内で大パニックになっている俺をよそに、大井の気配が近づいてくる、もう、ダメだぁー!!死んだー!!!!

 

「んっ・・・・。ふぅ、これは、とても恥ずかしいですね・・・・・」

 

大パニックな俺に大井の爽やかな香りがしたかと思うと同時に額に柔らかな感触がした。

・・・・・え?

 

「ふふ、でも、悪くないですね」

 

・・・・・・え?

 

「それでは、行ってきますね?」

 

・・・・・・え?

 

しばらく俺の思考はフリーズして、そのまま再度意識を手放すのであった。

 

って、できればいいんだけどね?こんなん寝れる訳ないだろが!!!なに?!なんなの!?今の何!?

いや、わかるけどさ!わからんだろが!?意味わかんねぇよ!?

 

そんな感じでぐぉぉぉぉ・・・とソファの上でもだえる事しばらく、ようやく落ち着いて来た。

ふぅ、きっとあれだ。

 

夢だな。うん。寝よう。

もう意味不明過ぎてね、とりあえず寝ようと思いました、まる。現実逃避じゃないよ?ないよ?

 

そんな事を思っていると、再度ドアを開ける音が聞こえた。うん、もうね、寝たふりでいこう。

 

「ますたぁー?安珍様ー?清姫ちゃんですよー・・・・あら?」

 

おぉっと、今度は清姫さんですか。うん、寝てやり過ごそう。寝てるとわかれば帰ってくれるさ!くれるよね?

 

「あらあら、ますたぁはねていらっしゃいましたか」

 

くすくすと微笑みながら近づいてくる清姫さん。

寝てるので用があるならまた今度ね!そんな願いを込めてタヌキ寝入りを続行する。

 

俺が寝ていると見て、清姫さんは先ほど大井が座っていたところに同じく収まり、やはり同じく俺の頭を撫で始めていた。

最初は敵として、ブラックトリガーとして相対していた清姫さんだが、気が付いたらボーダーにいるわ、しれっと教導隊に入るわとなかなかファンタジックな行動をする不思議な美少女である。

最初は俺の事を安珍様と呼び、生まれ変わりだなんだと言ってきて困ったものだ。さすがにボーダーに入ってそのままという訳にもいかないので、呼び方を変えてもらったら現在のマスター呼びになったのだ。

 

ちょっと、かなり強大なトリオン量を誇る清姫さんだが、その実態はやや思い込みが激しいものの、献身的な美少女である。

マスターを、ますたぁと可愛らしく呼んできたり、ニコニコと微笑んでくれたりと可愛らしい。ほんとね、あとはもう少し思い込みが改善されればなぁ・・・。

 

そんな清姫さんも最近ではすっかりボーダーに馴染んだようで、教導隊らしく試作トリガーの試験運用を主に手伝っている。

チームに入ってランク戦をさせようと思ったが、トリオン量が圧倒的過ぎてさすがに気が引けたのと、本人もまったく興味を示さなかったため、現在ではほぼ比企谷隊所属みたいな感じになっている。人数居るから違うんだけどね?

基本ソロで活動しつつ、試作トリガーの運用試験をしている感じだ。

ちなみにパラメーターがマジでやばかった。

トリオン30

攻撃  15

防御  15

機動  3

技術  5

射程  5

指揮  1

特殊戦術5 トータル79なんだとか。

トリオン量がおかしなことになっているが、これがブラックトリガー起動時じゃなくて、ボーダーのトリガーを使っての数字だとか言うから笑えない。

ブラックトリガーに適合していなかったらアフトの新しい神にされてたんじゃね?

 

現在では雨取クラスの膨大なトリオン量を元に、タヌキが広範囲攻撃型のトリガーを意気揚々と作っているらしい。

どんなに頑張って作っても清姫さんの本来のブラックトリガーには遠く及ばないだろうが、それは言わないのが優しさだろう。どうやら本当に忍田さんはその情報を城戸さんらに上げずにいてくれているようだ。たくさん切られた甲斐がある。もう二度とごめんだが。

 

そんなこんなで現在の清姫さんはメテオラ、ハウンド、シールドをメインとサブに両方入れ、試作トリガーの詠唱型トリガー、スレイヤーズを入れているそうだ。完全に侵略兵器ですね、はい。

タヌキのおっさんの趣味が爆発した結果、どこぞのドラまた清姫さんになっている為、うかつに防衛任務にいれられない不思議。あのタヌキがいったいどこを目指しているのだろうかと俺の中でもっぱらの噂である。

 

そんなここ最近の清姫さんの出来事を振り返っている間も清姫さんはもくもくと俺の頭を撫で続けていた。

 

「うふふ、ますたぁ~、すてきなねがおです♪」

 

よせやい、照れるじゃねぇか・・・・。くすくすと微笑む清姫さん。とっても上機嫌である。

 

「あぁ、それにしても、これはもう・・・・じゅるり」

 

じゅるり?・・・先ほどまでの微笑ましい感じから一転、なんとなく空気が変わったような・・・・具体的に言うと、採取してたらイビルジョーが来たような・・・。

 

「ちょうどだれもいませんし、これならますたぁと・・・・うふふ」

 

俺と何!?誰も居ないとか確認されると怖いんですけど!?俺がびくびくしている間も清姫さんはくすくすと微笑んでいる。どすんどすんとイビルジョーが近づいて来ているようなプレッシャーだ・・・。

 

「では・・・・・いただきます」

 

いただかないでぇーーー!!!俺はとっさにがばりと起き上がり、にこやかに清姫さんに微笑みかける。ひきつっていたが。

 

「ふぅ!良く寝たな!おや清姫さんじゃないディスカァー」

 

今起きましたアピールを全力でする。若干棒読みなのはご愛敬だろう。そんな俺にびっくりしたのか清姫さんは目をぱちくりさせながらこちらを見ていた。かわいいなチクショウ。

 

「・・・・いただきます」

「なんでやねん」

 

もう起きたのであきらめてくれアピールをしたにも関わらず、清姫さんはグイグイくる。

思わず関西弁で突っ込みながら清姫さんを押しとどめる俺。

ぐいぐい来る清姫さんと必死に押しとどめる俺の攻防は、長くは続かなかった。

 

「あっ!清姫さん!また私の八幡君に!!」

「いや、那須のじゃないからな?」

「そうです、ますたぁはわたくしのです」

「いや、清姫さんのでもないからね?」

「当然です、私のですからね」

「いやいや、大井さん?なんでそうなるのかしらん?」

 

俺の貞操の危機を感じて飛んできました!と言いながら隊室に突入してきた那須と大井。

それによって俺と清姫さんの攻防は中断されたのだが、君達のじゃないからね?と丁寧に突っ込むと、それぞれ3人がコイツ何言ってんだ?というような表情でこちらを見ていた。ちょっと可愛いじゃねぇか。イラっと来たけど。

 

「俺は小町のだ」

「いや~小町的にポイント高いけど、それはないかなー」

 

ドヤァと自信満々に告げると、いつの間にか戻っていた小町にするっと拒否られてしまう。あれー?

ここまで共に過ごしてきた千葉の美しい兄妹愛は・・・?小町エンドは?

 

「無いよー」

「まじか・・・・・」

「マジだよ」

 

まじかぁー・・・とがっかりしている間も清姫さんと那須と大井のバトルは続いていた。

 

「ますたぁ?ますたぁはわたくしをえらんでくださいますよね?」

 

清姫さんがそっと俺の右腕を抱き寄せてくる。身長差から上目遣いになっているうえ、しっかりと抱き寄せられた事で清姫さんの着やせしながらもしっかりとしたボリューム感あるお胸様が俺の腕を包み込んでくる。ともすればそちらに意識が向きそうになってしまうところを今度は反対の手を取られる。

 

「ダメです。私のです。そうですよね?」

 

清姫さんに触発されたのか、普段の強気な大井はどこに行ったのさと言いたくなるくらい弱々しい表情で、でもしっかりと俺の左腕を抱き寄せてくる。そんな捨てられそうな表情をしないでくれ、きゅんとくるから。

ボーダー内でもひふみん先輩や刑部姫ことおっきー、国近さんに並ぶお胸様の持ち主である大井により、俺の左腕も大変な事になっていた。ついでに八幡の八幡が覚醒しそうでそちらも大変な事になりそうである。

 

「八幡くん?わたしでしょ?」

 

そんな俺をあざ笑うかのように那須が俺の顔に手を添えて、視線を合わせてくる。あ、これあごクイってやつや・・・。俺の目の前、少しでも顔を動かせばキスをしてしまいそうな距離に那須の信じられないくらい整った顔があり、俺の心臓がさらに躍動する。

 

「い、いや・・・しょの・・・・」

 

左右から大井と清姫さんが、正面に那須。

右も左も柔らかくて、正面からは那須の美貌が、視覚をとざそうにも感触と少女達の爽やかで、甘い匂いにくらくらしてしまいそうだ。

現実に意識を向けても別の意味でくらくらしてしまう。

どうすればいいのん?天国の、ママンとパパンに聞くも、答えは帰って来ない。

 

「あらあら、ますたぁはわたくしのですよ?」

「いえ、私のです」

「それはどうかしらね?」

 

「「「・・・・・・・」」」

 

ママンとパパンがたよりにならないので、やはりここは小町か!と再度小町に助けを求めようとすると、小町は焦ったような表情でわちゃわちゃしていた。

え?どしたん?てか助けて?という表情で小町を見ると、あれをとめて!という表情が返ってくる。

え、どれ?と思い、小町の視線の先を見ると、清姫さんと大井と那須が今にもバトル開始しそうなくらいバチバチしていた。

 

え?あれ俺が止めんの?先に俺の命の鼓動が止まりそうなんだけど?ともう一度小町に視線を向けるもいいから止めてと返されてしまう。

 

えー・・・まじかー・・・。だが、確かにここで止めないと、清姫さんのトリガーで暴れられたらここが大変なことになってしまう。

 

やるしか・・・ないのか・・・ゴクリンコ。

 

「ヤ、ヤメロォーーーー!!」

 

そうして俺は爆発させるのが大好きなロリっ子魔女のごとく声を上げながら争いの仲裁に入るのであった。

 

・・・・まぁ、もちろん?その後なぜか3対1で対戦する流れになって、ぼろくそにやられたけどね?

そんな感じで今日も俺のハードな一日が過ぎていくのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




という訳で、番外編その8でした。

たんに、清姫さんのトリガーセットやらパラメータを書きたかった為の回でした。
とてもピーキーな清姫さんでした。

次が最後の予定です。まぁ、ネタが降ってきたら書きますが、一応次で完結扱いにします。

何を書くかは不明ですね・・・最後くらいまじめに書くか、いつものノリで書くかはいまだ考え中。
俺達の戦いはこれからだエンドになるのは確定ではありますが、どうしましょね?
そんなわけで次回もよろしくです!!


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比企谷隊の番外編9 比企谷隊隊長の逆襲

こんばんわ。 最終話です。

これにて一応の完結とします。ほんとうにします。
またネタが降ってきたら書きたいなぁ、とは思っていますが、完結扱いにします。フリじゃないよ?

最後の方ではもうネタが出なくなったり、体調崩しまくったり、引っ越しがあったりとなかなか進みませんでしたが、それでも見てくれた皆様、どうもありがとうございました。

それでは最終話です。どぞー。



ー とある日のボーダー -

 

「・・・・・くすんくすん」

「あー・・・よしよし、ほらいつまでも泣いてないの」

 

今日も今日とて二宮さんの熱烈な訓練をなんとか生き延びた俺を待っていたのはにこやかに微笑む那須だった。えらばれたのは俺でしたってね。

ちょっとファンネルで勝ち越した位でムキになった二宮さんの鬼のような連戦に疲れ果てた俺は那須のその微笑みを見てベイルアウトしたくなってしまったのは仕方ないだろう。ベイルアウト出来なかったけど。

 

や、やぁ。こんにちは。と挨拶をした俺に微笑む那須が近づいて来たのだ。

当然のようにその後俺は那須によるえ?なんでそんな近いの?って思うくらい急接近アタックをくらい顔を真っ赤にさせられてしまう。

今日は何してたの?という那須に、二宮さんにハチの巣にされてました。って答えたら、じゃあ今度は私ね、とか言いながらキスしそうなくらい近づいて来てもう心臓がね?しかもじゃあからのセリフがひどい。

いい加減この辺の耐性が身について欲しいところだが、いまだに世界の言葉は聞こえてこないのだ。

 

そんなこんなでその後那須に思う存分からかわれた俺は今現在熊谷に慰められているって寸法である。

この年になって同年代の女子にこれほどまでに慰められまくっている俺のふがいなさというか、なんというか、そんな感じのあれこれがあって、もう打ちひしがれている訳なのだ。

 

大井や那須も慰めてくれるが、同時に絡んで来たり、難題を持ってくるのもあいつらなので、マッチポンプ感がぱないが、熊谷だけはだいたい俺の味方だ。惚れそうである。

ちょっとからかってくることもあるけど、それは那須や大井に比べれば可愛いもんで、本当に困った事になる前にその姉御肌的な感じのアレでいい感じにしてくれるのだ。

そんなわけで絶賛慰められ中な俺。しってる?俺こんなんでもS級扱いなんだぜ?アニメだろ?

なんか第三者視点で考えると俺の情けなさが際立ってるわぁ・・・・死にたい。

 

へこみ続ける俺を見かねた我らが姉御、熊谷ことくまちゃんが、はぁ、しょうがないわねぇ・・といいながら俺の肩に手を置いてきた。ん?なんぞ?と顔を上げる俺の目の前にはやたら漢前な熊谷がいた。ついでに傘を俺に掛けてくれていたようだ。

え?なんでちょっと感動シーンみたいな事やってんの?ここボーダー内よ?

 

「比企谷・・・力が欲しい?」

「え?なにそのかっこいいセリフ、いきなりどした?」

 

傘の事は軽くスルーしたなぁとか、世界の半分をやろう、の次くらいに言ってみたいセリフだなぁ、とか思いながら唐突な熊谷の問いかけにきょとんとしてしまう。

 

「さすがにあんたがかわいそうだからね。那須にからかわれても大丈夫なように私が鍛えてあげるわ」

「おぉ・・・!!くまちゃ~~ん・・・!!」

「えぇい、泣くな!くまちゃんゆうな!!」

 

どらえ、じゃなくてくまえもぉーん!!と思わず抱き付きそうになるのを熊谷が押しとどめてくれた。ありがとう。勢いあまってセクハラで捕まってしまうとこだった。

反省である。うん。そんで?鍛えるってどうすんの?自慢じゃないけどこんだけ那須にやられていまだにもだえてますが?と熊谷に自信満々に伝えておく。

 

「あんた、それ言ってて悲しくないの?」

「事実だからな。受け止めて前を向いてるんだ」

「あっそ・・・」

 

まぁいいわ、そんじゃあ行きましょうか、と言う熊谷にへぃっ!と答え俺達は力を求めて旅だったのであった。完!!

 

 

そのあと、めちゃくちゃ特訓した。

 

 

「よし、これだけやればなんとかなるでしょ」

「あぁ、今なら那須にも負ける気がしない」

「最後にこれを飲みなさい」

「え、なにこれ?」

「ツヨクナールよ」

「まんまか」

 

その後、なんだかんだと問答をしたが、結局謎の液体Xを飲まされてしまった。マッカンの味がする謎の液体を飲む。

満足げに頷く熊谷、俺もなんだか強くなれた、そんな気がした。

これならもしかしたら那須に勝てるかもしれん、そう思えた。ツヨクナールの名前はどうかと思うが。

 

「よし、後は実戦あるのみね」

「う、うすっ・・・・・」

 

熊谷の早速行くか宣言に俺の足が震えだしてしまった。こ、これは・・・・武者震い、じゃなくて、普通にビビってるやつですね。やべ、急に勝てる気がしなくなって来たんすけど・・・・・。あれー?

 

「大丈夫よ、いきなりボスにはいかないわ。少しずつ慣らしていきましょう」

 

熊谷はその言葉と共に歩き出す。その背中がついてこいと、そう言っていた。俺も背中で語れる男になりたい、そう思えた。熊谷女だけど。

 

 

ー ターゲットその1 滝本ひふみ -

 

「さぁ、難易度的にはまずはスライムからよ」

 

最近のスライムは魔王にもなれるから油断できないけどね、とか思いながら熊谷の視線の先を見る。

そこにはひふみん先輩が書類を持ってボーダーの通路を歩いていた。なにかいい事でもあったのか鼻唄しながら微笑んでいるひふみん先輩から出るマイナスイオンに癒される。

だが、打倒那須の為にもここは思い切って行こう。

熊谷が視線で行ってこい。と指示をしているので俺はふぅ、と一息ついてからひふみん先輩の元に歩いていく。

 

「ひふみ先輩」

「ハチ君っ」

 

俺が声を掛けるとひふみん先輩は嬉しそうに微笑んで答えてくれた。

可愛らしいひふみん先輩の微笑みに癒された俺はそのままトコトコとひふみん先輩との距離を詰めていく。

 

「・・え?・・え?・・ハチ・・・君・・?」

 

とまどうひふみん先輩にかまわず俺はぐいぐい距離を詰める。そして戸惑うひふみん先輩を通路の端に追い詰める。

俺に対する信頼感ゆえかとまどいながらも微笑み見上げてくるひふみん先輩に少しばかり罪悪感が沸いてしまうが、悪い事をするわけでは無いのでこのまま思い切って訓練の成果を発揮する。

 

どうしたの?と顔を上げて目線で問いかけてくるひふみん先輩の顔の横に俺はトンッと手をついた。

そしてもう片方の手でひふみん先輩の可愛らしいあごをクイッと持ち上げる。つまりあごクイだ。そのまんまだな。

そして最後に顔を近づけて、ひふみん先輩の耳の横で囁く。うなれ、CV江口!!

 

「ひふみ先輩、今日は一段と可愛らしいですね。抱きしめていいですか?」

「!?!?え!?!?え!?!?!?あわ、あわわわ・・・プシュー」

 

するとひふみん先輩はまっかになりながらフリーズしてしまった。うむ、これはやりすぎたかもしれん。

フリーズしてしまったひふみん先輩をしっかりと隊室まで運んだ俺と熊谷は2人で眠るひふみん先輩に謝る。ごめんなさい。

だが、これで俺も少し自信がついた。いけるかもしれん。那須とひふみん先輩ではひふみん先輩には申し訳ないが、那須の方が圧倒的に難易度が高いとはいえ、これも大事な一歩だ。

何かを間違えている気がしないでもないが、大事な一歩なのだ。すごい、ツヨクナールすごい。

 

「よし、後で滝本先輩には誠心誠意あやまるとして、つぎに行きましょう」

 

この時、すでにオチは見えていたが、なぞのテンションになっていた俺と熊谷はその事に気づいていなかった。

 

ー ターゲットその2 綾辻 -

 

「よし、居たわ」

「次は綾辻か・・・・・」

 

ひふみん先輩との訓練を終え(滅茶苦茶あやまった)俺達は次の訓練相手である綾辻を見つけた。

逝け、と視線で訴える熊谷に逝ってきます。と答え、俺は綾辻のもとに向かう。

 

「よう、綾辻」

「あ、ちょうどよかった!」

 

え、仕事なら嫌だよ?という視線を向けるとあはは、仕事じゃないよ。と微笑む綾辻。壊滅的な芸術方面の才能を持つ才色兼備な我らがボーダーのマドンナ綾辻はクスクスと魅力的な微笑みでいったいどれだけの男子諸君を死地に追いやったのだろうか。油断するとこの場で俺もカウントに入りそうで怖い。

そんな事を思っていると、綾辻が、ちょうどいいって言ったのはね?と現実に引き戻してきた。

 

「いいとこのおまんじゅうが手に入ったんだ。一緒に食べない?」

 

という事だった。あまいもの、好きでしょ?と微笑む綾辻。さすがはマドンナである、そこらの男子なら以下略。

 

「あぁ、甘いものは好きだな」

「でしょ?」

 

ニコニコと微笑む綾辻の手を取り、俺は顔を近づける。

 

「でも、もっと甘い、綾辻を食べたい、かな」

「・・・・・うん、いいよー?」

 

あ、あれ?ちょっと間が開いたものの、普通に返されてしまった、あれー?

 

「じゃあ・・・・行こ?」

「あ、あれー?」

 

それからめちゃくちゃまんじゅうたべた。

え?綾辻はって?なんかまんじゅう食べた後、手作りのクッキーも出て来て、それも食べた。なんか間違って伝わったみたいだ。難しいものである。

 

その後もさりげなく頭を撫でたり、耳元でCV江口を発動させてみたが、綾辻はニコニコとしているだけだった。あれー?

 

流石は那須、大井に次ぐ中ボス綾辻である、これくらいではまったく効かないのかもしれん。これは大井と那須は厳しい戦いになるかもしれん、そう思いながら俺は綾辻のところを後にした。

少し綾辻の顔が上気しているような気がしたが、気のせいだろう。なんどか聞いたが問題ないって言ってたしな。

 

「まぁ、しょうがない、こういう事もあるわよ!」

 

そうして俺と熊谷は次に行くのであった。

綾辻のいた部屋からなにか叫び声がしていたのに気づかずに・・・。

 

その後も俺と熊谷は三上や木虎、宇佐美や氷見、小南や二宮さんといろんな人にCV江口アタックをかましていた。

最後で明らかにかましちゃいけない人が居たが、謎のテンションになっている俺達を止められるものはいなかった。

ちなみに、二宮さんにはしっかりと怒られた後なぜかジンジャーエールを奢られた。なんかすこし上機嫌になっていて意味がわからなかった。

熊谷に聞いても教えてくれなかった。ただ、マジ・・・!?と驚愕していたが。とりあえずツヨクナール、さっすがぁ!と思うようにした。

 

そんなこんなでついにこの時が来た。

 

ー ターゲットその3 大井 -

 

「じゃあ、行ってくる」

 

そう言って、俺は大井の元に向かうのであった。目指すは我が隊室である。

プシューとドアを開けると、やはり大井が一人で書類を見ているところだった。小町は北上と共にお出掛け中だし、ひふみん先輩も外出中であることは織り込み済みである。

俺が戻って来たのを確認した大井は少し前からは考えられないくらいやさしい微笑みを浮かべてくれた。

 

「あら、八幡さん、おかえりなさい」

「あぁ、今戻った」

 

そう答えて俺は大井のすぐ隣に座った。普段は北上が座るであろう所に、大井とこぶしひとつ分の距離も置かずに座る。

俺がそんな至近距離に座ったのを不思議に思ったのか、大井がこちらを見上げてくるので、俺はそんな大井の頬に手を添えて、CV江口を発動する。

 

「仕事とはいえ、そんなに書類ばかり見ているとさびしいな・・・・」

「・・・・へ!?」

 

途端に顔を赤くして慌て始める大井。さすがは江口さんである。

持っていた書類をバサバサと落として慌て始める大井に俺はくすりと微笑みながらさらに大井との距離を詰める。

 

「へ!?あの、どうしたんですかっ!?」

「ん?なにが?」

 

慌てる大井が可愛いなぁと思いながら俺はそのまま大井の頬から頭へと手を伸ばして撫で始める。

 

「何が、って何してるんですかっッていうか、一体何がと言いますか・・・・」

「あぁ、いつも大井には苦労を掛けてたからな、好きだろ?」

「えぇっ!?す、すすす、好きって・・・!?」

「撫でられるの」

「え、ええ・・・・まぁ。ソウデスネ、スキデス」

 

あれ?さっきまで真っ赤にしてたのに急に冷めて来てない?あれー?

それでも俺に撫でられてご満悦だったのか、気持ちよさそうに目を細める大井。

 

「いつも感謝してる。たまに厳しい時もあるが、それもすべて俺の、俺達の為だって理解している」

「本当ですか?本当は私の事嫌いになっているんじゃないですか?」

「そんなことない。信頼してるし、好意を持ってる。大井がいてくれて良かったといつも思ってる」

「そ、そうですか・・・」

 

突然撫でて来て、そんなこと言うなんて、ずるいです。とつぶやきながら顔を赤くした大井は少しうつむきがちになりながら静かにしていた。

それからしばらくして、大井がおもむろに立ちあがった。

 

「あ、あー。そう言えば、この後アレがアレするんでしたー!それでは!!」

 

と、俺みたいな言い訳をして隊室を飛び出していった。

 

まぁ、なんか想定と違う感じだったが、まぁ、良いだろう。

 

「さあ、ラスボスの時間よ・・・・」

 

こうして、俺と熊谷はツヨクナールによる謎のテンションのまま、さながら魔王城を目指す勇者のような気分で那須隊の隊室に向かうのであった。

 

ー ボスバトル -

 

「こんにちわ、八幡君」

 

さて、やってまいりました、那須隊です。毎度のように熊谷に送り出された俺は、那須隊の隊室に入るなり、那須に確保されてぴったりとくっつかれた状態でソファに座っていた。

おいおい、先制攻撃かよ、さすがラスボスだな、脳内でラスボス言ってるのばれたらヤバそうだああでもなんでこうも那須は距離を詰めてくるんだがんばれ俺がんばれツヨクナールああでも柔らかいい匂いぃぃぃ・・・・。

とか脳内で大フィーバー中の現在。さすが那須だ、こちらから攻撃する隙がない。

だが、今の俺は昨日までの俺では無いのだ。いくぜ、CV江口!!

俺は腕に抱き付いている那須の耳元に顔を近づける。

 

「こんなにくっついて、玲は本当は甘えんぼさんなんだね?かわいいよ」

「・・・・・・うん、そうなの。君に甘えたいんだ」

「はは、それは光栄だね・・・いいよ・・・・」

 

そこから続きを言おうとした瞬間、唐突にこれまでの羞恥が帰って来た。つまり、ツヨクナールの効果が切れた!!!

 

「お・・・いで・・・って、言える訳ないだろアホーーーーー!!!!!!!」

「きゃっ」

 

あああああ、俺は今までなんてことをしてしまったんだ、途中で二宮さんにも同じ絡みかたしてる気がするし、明日から俺は生きて行けるのか?

あわわ、あわわ、と正気に戻った俺が恐れ慄いていると、俺の叫びに驚いていた那須がくすりと微笑みながら俺の手を握って来ていた。ふぁっ!?正気になった今、そんなスキンシップされると心臓がががが・・・・。

 

「あら?もう終わりなの?もう少し素敵なセリフが聞けるかと思ったのに残念ね」

 

くそうっ!侮られてる、めちゃくちゃ侮られてるよ俺!こうなったらツヨクナール抜きでやってやんよコンチクショ―!!俺は死ぬほど恥ずかしくなるのを我慢する。

 

「そ、そんな事はないさ、玲の美しさにめまいがしただけさ」

「あら、そうなの?」

 

ウソです。めっちゃ正気になって恥ずかしさから叫んでました。さすがに無理があるが、ここは押し切るしかあるまい。

 

「あぁ、君の美しさは・・・その・・・・・なんだ・・・・」

「あら?もうおしまいなの?」

「いや、その、なんだ・・・」

 

くそう・・・無理だ、これ以上はもう・・・・。

そんな感じで敗北感にまみれる俺の顔に手を添える那須。

 

「ふふ、でも嬉しかったよ?ありがとう」

 

そう言って俺の額にキスをする那須に俺のハートは打ち抜かれてしまう。

 

「な、なななな、なすしゃん!?」

「あら?もう玲って呼んでくれないの?残念」

 

残念と言いながらもクスクスと微笑む那須にやっぱり勝てねぇなぁ、とそう思う。

それから俺と那須はなぜ、こんな事になったのかという話を追及しようとする那須と、それを回避しようとする俺との水面下の戦いをしていた。

とりあえず、まぁまぁ、という事でおいとましようとした俺の最後の運が尽きたのがこの瞬間だった。つまり・・・。

 

「見つけたぞ・・・・・比企谷・・・・」

 

ゴゴゴゴ・・・って感じで見るからに怒ってらっしゃる感じの二宮さんとその後ろに綾辻や大井、小南に三上などなど、先ほどまでいろいろとツヨクナールの影響で暴走していた俺が絡んだ人たちがいらっしゃりましてええ。ほんとなぜ暴走した俺は二宮さんにまで絡んだし・・・・。

 

「さて、いろいろとあるが、遺言くらいは聞いてあげるわよ?」

 

ねぇ、おかしくない?遺言くらいは聞くよ、って言ってる人が双月をコネクトして振りかぶってるんだけど?それ遺言言う時間明らかに無いよね?

とか思う間に俺もとっさにトリガーオンと同時にファンネルを最大展開してシールドを張る。そこに女子高生(斧)の双月が振り下ろされる。

20機のファンネルをシールド展開したおかげで攻撃を受け止める事は出来た。おい、遺言いう暇なかったじゃねぇか、とか突っ込もうにも今度は三上がおもむろにスマホの画面を向けてくる。お、おい、まさか・・・・。

 

『この、赤い糸の先に君がいたんだ・・・・』

「い、いやぁぁぁぁぁぁぁぁあぁーーーーーーーー!!!!!」

『君の美しい瞳をいつまでも見つめていたい・・・』

「や、やぁぁぁめぇぇぇーーーーてぇぇぇーーーーーーー!!」

 

殺してくれぇーーー!!と叫ぶ俺を包囲するかのように退路が断たれてしまう。

うわぁぁと叫ぶ俺の肩に手が置かれた。目にめっちゃ涙をためながら見上げると、めちゃくちゃ良い笑顔な那須がいた。あ、これダメな奴ですね。

 

「さて、それじゃあ・・・・・・ね?」

 

ね?じゃねぇよバカァァァァァァ!!と叫ぶが、当然のように俺を待っているのは皆からのお仕置きだった。

 

こうして八幡の逆襲は当然のように敗北を迎えるのであった。

その後、二宮さんや小南に死ぬほどランク戦をさせられ、オペレーター達からは死ぬほど仕事を手伝わされ、大井には死ぬほど説教され、ひふみん先輩には可愛らしく、めって怒られた。最後ので大分癒された。

んで、熊谷は気づいたらどこにもいなくて、那須にめちゃくちゃいじられて、またもや那須家に強制搬送されて那須と那須母にびっくりするくらい絡まれた。

 

そんな感じで日々は過ぎていった。

 

俺達は順調に実力を伸ばし、教導隊も日々新しいトリガーの開発や新人隊員の育成をしている。

三雲達もB級トップとのランク戦こそ敗北したものの、新しい戦術と訓練に励んでいる。まだまだこれからだろう。

また、迅さんがメンドクサイ感じの未来予知をしているが、今の俺達なら何とかなる。そう思えた・・・・。

 

「だから、もう許してくんない?」

「ダメです」

 

そんな事を、大井に正座させられ説教されながら考えるのであった。

 

 

 

 




という訳で、最終話でした。え、これが?最終話?そう思うでしょう。サーセン。

なんか、こう、いろいろやりたいことあったんですけどね、実際に文章起こすとどれもイマイチで、こう、しっくりこないと言いますか、それで試行錯誤しているうちに時間が経ってしまいました。

最終的にはいつものノリで、最終回らしくない感じで終わろうと思い、このような形になりました。

そんなこんなでこれまで読んで下さった皆様に多大なる感謝を。
特に毎話感想を頂いたりしてとても励みになりました。きっと感想や応援の言葉が無ければこの作品は20話くらいで終わっていたと思います。本当にありがとうございました。




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またまた番外編、その名も熊谷友子の日記

こんばんわ。

お久しぶりです。どれくらいの人が覚えてるのでしょうか?ちょいとリハビリがてら久々の投稿です。
先に宣言してしまうと、このシリーズの再開は今のとこ予定してません。
ついでに言うと今回のはこれまでの流れをだいたい把握してる事前提で書いてますのでごめんなさい。だいたい1~22話くらいの話。最初の頃のは読みにくくてねぇ・・・・マジさーせん。
それでもいいぜ!って方はどうぞ読んでくださいね☆

しばらく充電期間をして、そろそろ別のシリーズ書こうかな、あ、でもその前にリハビリしよう。そんな感じです。

あ、それとちょいちょい連絡貰ってたのに気づいてなくてすいませんでした。
二宮さんのXディ?・・・やろうかな?考え中です。期待しないでね?
続編?番外編ならたまに書くかも?期待しないでね?

そんな感じの番外編。このシリーズの影の苦労人の話です。


〇月×日

衝撃的?な出会い?出来事?があった。

その日、茜が連れて来た友達の小町とその兄が、っていうか主に兄の方が予想外すぎた。

比企谷八幡というらしいその男は玲を見ると顔を真っ赤にしながら挨拶をボソボソ。

天真爛漫な妹の小町とは真逆でアホ毛以外共通点が無いんだけど?ほんとに兄妹?

それだけではない、正直ボソボソと話しているアイツを見て私はイラついたのだが、横を見ると玲がこれまで見た事もないくらいキラキラした眼をしていたのだ。

普段は男と話してもそっけなかった玲が、まるで新しいおもちゃをもらった子供のようで、本当に衝撃的だった。

追記、まさかこの先この玲があんなことになるなんて・・・この時の私には当然わからなかったのだ。

 

〇月×日

どうやら兄妹でボーダーに入っていたらしい比企谷兄妹だが、どうやら小町は小夜子と同じオペレーターで、兄の方が戦闘員として入っていたらしい。

らしい、と言うのが、正直この兄の方を見た記憶がないからだったのだ。え、ほんとにいたの?と聞いてしまった私は悪くないと思う。ゴメン・・・。

今度訓練一緒にやろうと玲と誘ったら顔を赤くしながらすごい嫌そうな顔をして断ってきた。なんだコイツって思って横を見たらまた玲がキラキラした眼で見ていた。・・・・なんだろう、すごい嫌な予感がするわ。

 

〇月×日

え?なにアイツ?意味がわからない・・・・。

玲と一緒に無理やり、強制的に一緒に訓練に連れ出した。が、アイツ意味不明すぎない??

最終的に小町に頼んで連れ出したアイツは私との対戦ではスコーピオンのみで対戦して、玲とはバイパーのみで対戦していた。オールラウンダーなの?って聞いたらボッチだって答えた頭をはたいた私は悪くないと思う。

明日も一緒に訓練しようとキラキラした玲が誘うと明日はスナイパーの合同訓練に行くらしい。ボッチとスナイパー込みのオールラウンダーは関連性がないと思うが、そう思ったのは私だけらしい。断られたのにキラキラしている玲は当然何も疑問に思っていないようだ。意味がわからない・・・・。

 

〇月×日

どうしよう、玲が本格的におかしくなって来た気がする・・・いや、おかしい。断定だ。

全てはアイツに出会ってから。

これまでは体調的な問題もあって静かに、それこそ深窓の令嬢のようだった玲が今ではキラキラした眼を隠そうともせずにアイツにこれでもかと近づいて行っている。

顔を真っ赤にしながらボソボソしているアイツを見て、更にキラキラしていく玲・・・・。あんた、先日他の隊員に告白された時は虫を見るような眼で断ってたでしょうに、一体なんなの・・・・?

 

〇月×日

え?・・・・・なにこれ?そう思った私は悪くないと思う。

今日からB級のランク戦だ!と気合を入れていたら、比企谷隊の名前を見つけてしまった。

いつの間にチームメイトを集めたのだろうかと思ったら一人だった。・・・・・は?

いつも通り、そう、最近では良く見るキラキラした眼をしている玲に話を聞くと嬉しそうに理由を語ってくれた。

チームメイトを確保するため、ボッチ脱却のために、チームメイトの必要性を教えるために一人で参加させたらしい。鬼か。

今まで見た事もないくらいキラキラした玲が泣きながら戦うアイツを見ていて、もう私のしってる玲は帰って来ないのかもしれないと思った。元気なのはいいんだけどね・・・。

その後、なんだかんだで勝利しているアイツも意味不明だわ。

 

〇月×日

私の日記のはずがいつの間にか中身がアイツと玲の観察日記みたいになっている気がするわ・・・。気にしたら負けかしら?

なんだかんだでB級ランク戦をアイツは一人で戦い抜いていた。一人で。

泣きそうになりなら戦い続けるアイツの姿に心を動かされたのか、いつの間にか玲だけでなくA級の加古さんや綾辻さんや、三上さん等がアイツを追っかけ始めていた。当然キラキラした眼で。そしてもちろんアイツはキョドっている。それを見てさらにキラキラするという、アイツにとっては地獄のようなスパイラルが始まっていた。

たまにすがるような眼でこちらを見て来ている気がするが、がんばれと念じるだけにしている。え?小夜子もキラキラなの!?え?ちがう?同士?あぁ、ボッチでコミュ障のね、納得だわ。

 

〇月×日

アイツと小夜子が普通に会話してた。

二度見した私は悪くないと思う。だって画面越しじゃなくて、である。小夜子が男子と普通に話すとこ、初めて見たわ・・・。

ボッチでコミュ障同士で話やすい?そうなの・・・・。

でも玲が見てないところで話すようにした方がいいと小夜子を説得しておく。

なぜです?と聞いてくる小夜子に、玲があんたの事虫ケラを見るような眼で見てた、とか本当の事は言えないので、玲がやきもち焼いちゃうでしょって濁しておいた。たぶんあのままだと小夜子の余命は3か月くらいだったと思う。

 

〇月×日

遂にアイツの隊に新メンバーが入った!!大井と北上だ。

C級の時から気になってた子達だが、男嫌いで有名だったのだが、なんだかんだでアイツの謎スキル、アイツ曰くお兄ちゃんスキルの前では砂上の楼閣だったらしい。完全に堕ちてた。さすが、あの二宮さんを撃墜しただけの事はある。なぜ二宮さんまで堕ちてたのかは知りたくもないが。

どうりでアイツと訓練してるとやたらと二宮さんを見かける訳ね・・・・知りたくもなかったわ。

チラチラとやたらとこっちを見てくるんだもの、胃に悪すぎる。

 

〇月×日

え?・・・・・なにこれ?そう思った私は悪くないと思う。この出だし何度目かしら・・・。

今日、唐突に比企谷更生委員会が出来たらしい。隊員は・・・・意味がわからない程多かったとだけ書こう。

玲と大井と綾辻さんや三上さんがすごい張り切って、キラキラした眼でいろいろ話していた。その横で、すべてを諦めたような、死んだ目をしながら正座しているアイツを見て、とんでもなく罪悪感が沸いて来てしまう。

まるで奴隷に売り出されてしまうような、すべてを諦めたような眼をしていた・・・・。

そろそろ私も決断する時が来たのかもしれない…。

 

〇月×日

今日はみんなでタピオカミルクティをたべたよ☆

イイ感じのカフェでマジテン☆アゲ☆みたいな☆

・・・・ないわぁー。これホントないわぁ。アイツと玲の観察日記が嫌だからってこれはさすがにナシだわね。

という訳で今日のアイツらは、もう、ね・・・・・。

流石に学校のボーダー隊員総動員して捕獲するのはやりすぎじゃないかしら??玲も大井さんもみんなニコニコキラキラしてたけど、さすがにねぇ・・・・。

はぁ、やっぱり私がなんとかするしかないのかしらねぇ。

 

 

カリカリ・・・とそこまで書いてペンを置く。

 

「ふぅ・・・」

 

ため息1つと凝り固まった肩をほぐしながら日記を見直す。

 

「これ、やっぱり観察日記よねぇ・・・・。私の日記のつもりだったけど」

 

思わず苦笑してしまう。それくらい私の、私達の生活にアイツは密接に関わっていた。

別に恋をしてるとかじゃない、そう、これは出来の悪い弟が出来たようなものだろう。うん。

 

それよりも

 

「なんとかして、玲の暴走を止めないとね・・・」

 

流石にやりすぎである。

本部からもちょいちょい注意されてるけど、更生委員会の連中が有能すぎて止まる気配がない。

でも、アイツが苦しんでいるのも事実だ。

 

ある程度は私も容認できるが、これ以上の暴走を見逃すことは出来ない。

幸いにも東さんや二宮さんの協力は得た。

向こうがオペレーターがメインで隊員が少ないのが幸いした。戦力はそれほどいらないはず。

 

そう思い、先ほどまで書いていた日記に再びペンを走らせる

 

「願わくば、これが最初で最後の内戦であることを切に願う・・・」

 

 

 

・・・・さぁ、親友の暴走を止めに行きましょうかね!!

 

 

 

 

 

 

 




その後、熊谷友子の姿を見たものはそんなにいなかった・・・みたいな?

ちなみに、他のキャラの日記とか希望されてもしないよ?先に言っときます。

いや、正確に言うと那須と大井のは書きたい気がしないでもないけど、どうせあれでしょ?二宮さんでしょ?このシリーズのヒロイン(爆)だもんね。

書かないよ?

そんなこんなで番外編でした。


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